特許第6546679号(P6546679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546679
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】半導体部品
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/06 20060101AFI20190705BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20190705BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20190705BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20190705BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
   H01L29/06 601N
   H01L21/28 301B
   H01L21/28 301
   B82Y30/00
   H01L27/092 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-84921(P2018-84921)
(22)【出願日】2018年4月26日
(65)【公開番号】特開2018-198310(P2018-198310A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2018年4月26日
(31)【優先権主張番号】201710375328.5
(32)【優先日】2017年5月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598098331
【氏名又は名称】ツィンファ ユニバーシティ
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 金
(72)【発明者】
【氏名】魏 洋
(72)【発明者】
【氏名】姜 開利
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 守善
【審査官】 杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−209373(JP,A)
【文献】 特開2015−090984(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0034907(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0311458(US,A1)
【文献】 Jin Zhang et al.,SWCNT-MoS2-SWCNT Vertical Point Heterostructures,ADVANCED MATERIALS,Wiley,2016年12月 6日,Volume 29,1604469
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/06
B82Y 30/00
H01L 27/092
H01L 21/28
H01L 21/8238
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極、絶縁層、第一カーボンナノチューブ、第二カーボンナノチューブ、P型半導体層、N型半導体層、導電フィルム、第一電極、第二電極及び第三電極を含む半導体部品において、
前記ゲート電極が層状の構造であり、
前記絶縁層が前記ゲート電極の表面に設置され、
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブが間隔を置いて前記絶縁層の表面に設置され、
前記P型半導体層が前記第一カーボンナノチューブを覆い、前記絶縁層の表面に設置され、前記N型半導体層が前記第二カーボンナノチューブを覆い、前記絶縁層の表面に設置され、
前記導電フィルムが前記P型半導体層及び前記N型半導体層の表面に設置され、前記P型半導体層が前記導電フィルムと前記第一カーボンナノチューブとの間に設置され、前記N型半導体層が前記導電フィルムと前記第二カーボンナノチューブとの間に設置され、
前記第一電極が前記第一カーボンナノチューブと電気的に接続され、
前記第二電極が前記第二カーボンナノチューブと電気的に接続され、
前記第三電極が前記導電フィルムと電気的に接続されることを特徴とする半導体部品。
【請求項2】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは、金属性のカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体部品。
【請求項3】
前記第一カーボンナノチューブ、前記P型半導体層及び前記導電フィルムが積層して、第一多層立体構造を形成し、該第一多層立体構造の前記P型半導体層の表面に平行する断面の面積が0.25nm〜1000nmであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体部品。
【請求項4】
前記第二カーボンナノチューブ、前記N型半導体層及び前記導電フィルムが積層して、第二多層立体構造を形成し、該第二多層立体構造の前記N型半導体層の表面に平行する断面の面積が0.25nm〜1000nmであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体部品。
【請求項5】
前記導電フィルムは、前記P型半導体層及び前記N型半導体層に跨って、前記導電フィルムの一つの部分が前記P型半導体層の前記絶縁層から離れる表面に位置し、一つの部分が前記N型半導体層の前記絶縁層から離れる表面に位置し、もう一つの部分が前記P型半導体層と前記N型半導体層との間に位置して、前記絶縁層の表面に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体部品に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ファンデルワールスヘテロ接合構造が新しい研究領域となっている。ファンデルワールスヘテロ接合構造が、異なる性質(電気学及び熱学など)を持つ二次元材料を積み上げることを通じて、組み合わせて、形成される新しい材料の性質を人工的に調節できる。層と層との間の弱いファンデルワールス力により、隣接する層に結晶格子が必ずしもマッチングしなければならない制限を受けない。しかも、成分の移行は無いので、形成されるヘテロ接合構造が原子スケールの急であるキャリアー(ポテンシャル場)勾配を有して、遷移金属の硫化物を代表とする非グラフェンの二次元の層状材料が通常に2種類のエネルギー帯関係を形成できるので、それらを基礎として形成されるヘテロ接合構造が非常に強いキャリアーの分離能力を有する。また、ヘテロ接合構造が極めて薄い厚さ及び特別な二次元の構造を有するので、ゲート電極の応答能力を有して、伝統的なマイクロエレクトロニクス加工工程及び柔らかい基板と互換性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これによって、ファンデルワールスヘテロ接合構造を有する半導体部品を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
半導体部品は、ゲート電極、絶縁層、第一カーボンナノチューブ、第二カーボンナノチューブ、P型半導体層、N型半導体層、導電フィルム、第一電極、第二電極及び第三電極を含む。前記ゲート電極が層状の構造である。前記絶縁層が前記ゲート電極の表面に設置される。前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブが間隔を置いて前記絶縁層の表面に設置される。前記P型半導体層が前記第一カーボンナノチューブを覆い、前記絶縁層の表面に設置され、前記N型半導体層が前記第二カーボンナノチューブを覆い、前記絶縁層の表面に設置される。前記導電フィルムが前記P型半導体層及び前記N型半導体層の表面に設置され、前記P型半導体層が前記導電フィルムと前記第一カーボンナノチューブとの間に設置され、前記N型半導体層が前記導電フィルムと前記第二カーボンナノチューブとの間に設置される。前記第一電極が前記第一カーボンナノチューブと電気的に接続される。前記第二電極が前記第二カーボンナノチューブと電気的に接続される。前記第三電極が前記導電フィルムと電気的に接続される。
【0005】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは、金属性のカーボンナノチューブである。
【0006】
前記第一カーボンナノチューブ、前記P型半導体層及び前記導電フィルムが積層して、第一多層立体構造を形成し、該第一多層立体構造の横方向断面の面積が0.25nm〜1000nmである。
【0007】
前記第二カーボンナノチューブ、前記N型半導体層及び前記導電フィルムが積層して、第二多層立体構造を形成し、該第二多層立体構造の横方向断面の面積が0.25nm〜1000nmである。
【0008】
前記導電フィルムは、前記P型半導体層及び前記N型半導体層に跨って、前記導電フィルムの一つの部分が前記P型半導体層の前記絶縁層から離れる表面に位置し、一つの部分が前記N型半導体層の前記絶縁層から離れる表面に位置し、もう一つの部分が前記P型半導体層と前記N型半導体層との間に位置して、前記絶縁層の表面に設置される。
【発明の効果】
【0009】
従来技術と比べて、本発明は、新型の半導体部品を提供する。半導体部品は、未来のナノ電子工学及びナノ光電子工学の領域に巨大な応用潜在力を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例の半導体部品の立体構造の構造を示す図である。
図2】本発明の実施例の半導体部品の側面を示す図である。
図3】本発明の実施例の半導体部品がCMOSとして作動する時の特徴グラフである。
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0012】
図1及び図2を参照すると、本発明の第一実施例は、半導体部品100を提供する。半導体部品100は、ゲート電極102、絶縁層104、第一カーボンナノチューブ106、第二カーボンナノチューブ108、P型半導体層110、N型半導体層112、導電フィルム114、第一電極116、第二電極118及び第三電極120を含む。ゲート電極102が層状の構造である。絶縁層104がゲート電極102の表面に設置される。第一カーボンナノチューブ106及び第二カーボンナノチューブ108が間隔を置いて絶縁層104の表面に設置される。P型半導体層110が第一カーボンナノチューブ106を覆い、絶縁層104の表面に設置される。N型半導体層112が第二カーボンナノチューブ108を覆い、絶縁層104の表面に設置される。導電フィルム114がP型半導体層110及びN型半導体層112の表面に設置される。P型半導体層110が導電フィルム114と第一カーボンナノチューブ106との間に設置される。N型半導体層112が導電フィルム114と第二カーボンナノチューブ108との間に設置される。第一電極116が第一カーボンナノチューブ106と電気的に接続される。第二電極118が第二カーボンナノチューブ108と電気的に接続される。第三電極120が導電フィルム114と電気的に接続される。
【0013】
ゲート電極102は、導電材料からなり、導電材料が金属、ITO、ATO、導電銀テープ、導電性ポリマー又は導電性カーボンナノチューブ等である。金属材料がアルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、パラジウム又は任意の組み合わせの合金である。本実施例において、ゲート電極102が層状構造であり、絶縁層104がゲート電極102の表面に設置される。第一カーボンナノチューブ106、第二カーボンナノチューブ108、P型半導体層110、N型半導体層112、導電フィルム114、第一電極116及び第二電極118は、絶縁層104の表面に設置され、且つゲート電極102及び絶縁層104に支持される。
【0014】
絶縁層104は、材料が絶縁材料であり、厚さが1ナノメートル〜100マイクロメートルである。絶縁層104は、第一カーボンナノチューブ106、第二カーボンナノチューブ108、P型半導体層110及びN型半導体層112をゲート電極102と間隔を置いて絶縁して設置させる。本実施例において、絶縁層104の材料が酸化シリコンである。
【0015】
第一カーボンナノチューブ106又は第二カーボンナノチューブ108は、金属性カーボンナノチューブである。第一カーボンナノチューブ106又は第二カーボンナノチューブ108は、直径が制限されず、0.5ナノメートル〜150ナノメートルである。ある実施例において、第一カーボンナノチューブ106又は第二カーボンナノチューブ108は、直径が1ナノメートル〜10ナノメートルである。好ましくは、第一カーボンナノチューブ106及び第二カーボンナノチューブ108が単層カーボンナノチューブであり、その直径が1ナノメートル〜5ナノメートルである。本実施例において、第一カーボンナノチューブ106及び第二カーボンナノチューブ108が金属性の単層カーボンナノチューブであり、その直径が1ナノメートルである。本実施例において、第一カーボンナノチューブ106及び第二カーボンナノチューブ108は、直接的に絶縁層104の表面に設置される。第一カーボンナノチューブ106及び第二カーボンナノチューブ108がゲート電極102に接近し、導電フィルム114がゲート電極102から離れ、導電フィルム114がP型半導体層110とゲート電極102との間又はN型半導体層112とゲート電極102との間に遮蔽効果を形成して、半導体部品100の実際応用に影響を及ぼすことができない。第一カーボンナノチューブ106及び第二カーボンナノチューブ108が絶縁層104の表面に並列して設置され、第一カーボンナノチューブ106と第二カーボンナノチューブ108との間の距離が制限されず、実際の応用によって調節できる。ある実施例において、第一カーボンナノチューブ106と第二カーボンナノチューブ108との間の距離が1ナノメートル〜1センチメートルである。第一カーボンナノチューブ106と第二カーボンナノチューブ108とが成す角度は、制限されない。第一カーボンナノチューブ106と第二カーボンナノチューブ108とは、接触せず、互いに平行して、又は所定の角度を成してもよい。
【0016】
P型半導体層110又はN型半導体層112は、二次元構造の半導体層である。二次元構造とは、半導体層の厚さが小さくて、半導体層の厚さが1ナノメートル〜100ナノメートルである。好ましくは、P型半導体層110又はN型半導体層112の厚さが1ナノメートル〜50ナノメートルである。P型半導体層110又はN型半導体層112が一層の半導体材料だけを含んでもよい。即ち、P型半導体層110又はN型半導体層112が単層の構造である。P型半導体層110又はN型半導体層112の材料が制限されず、無機化合物半導体、元素半導体又は有機半導体であり、例えば、ガリウムヒ素、炭化ケイ素、多結晶シリコン、単結晶シリコン、ナフタレンなどである。P型半導体層110の材料がP型半導体材料であり、N型半導体層112の材料がN型半導体材料である。本実施例において、N型半導体層112の材料が硫化モリブデン(M)であり、その厚さが37ナノメートルである。P型半導体層110の材料がセレン化タングステン(WSe)であり、その厚さが22ナノメートルである。P型半導体層110とN型半導体層112が間隔を置いて設置され、互いに接触しない。P型半導体層110が第一カーボンナノチューブ106を覆い、絶縁層104の表面に直接的に設置される。N型半導体層112が第二カーボンナノチューブ108を覆い、絶縁層104の表面に直接的に設置される。
【0017】
導電フィルム114の材料が導電材料であり、金属、導電ポリマー又はITOである。導電フィルム114は、P型半導体層110及びN型半導体層112の絶縁層104から離れる表面に直接的に堆積され、P型半導体層110及びN型半導体層112に跨る。P型半導体層110及びN型半導体層112が間隔を置いて設置されるので、該間隔に位置する導電フィルム114が絶縁層104の表面に設置される。即ち、導電フィルム114が三つの部分に分かれ、一つの部分がP型半導体層110の絶縁層104から離れる表面に位置し、一つの部分がN型半導体層112の絶縁層104から離れる表面に位置し、もう一つの部分がP型半導体層110とN型半導体層112との間に位置して、絶縁層104の表面に設置される。導電フィルム114の堆積される具体的な方法が制限されず、イオンスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法又は他のフィルムをコーティングする方法であってもよい。導電フィルム114の厚さが制限されず、5ナノメートル〜100マイクロメートルである。ある実施例では、導電フィルム114の厚さが5ナノメートル〜100ナノメートルである。ある実施例では、導電フィルム114の厚さが5ナノメートル〜20ナノメートルである。導電フィルム114の形状が制限されず、長手形状、線形、方形などの形状である。本実施例において、導電フィルム114の形状が長手形状である。
【0018】
第一カーボンナノチューブ106、P型半導体層110及び導電フィルム114が積層して、第一多層立体構造122を形成する。第一カーボンナノチューブ106のサイズがP型半導体層110及び導電フィルム114のサイズより小さいので、第一多層立体構造122の断面の面積が第一カーボンナノチューブ106の直径及び長さによって決まる。第一カーボンナノチューブ106がナノ材料であるので、第一多層立体構造122の断面の面積もナノスケールである。第一多層立体構造122は、横方向断面及び縦方向断面を定義し、横方向断面がP型半導体層110の表面に平行する断面であり、縦方向断面がP型半導体層110の表面に垂直する断面である。横方向断面の面積が第一カーボンナノチューブ106の直径及び長さによって決まる。縦方向断面の面積が第一カーボンナノチューブ106の長さ及び第一多層立体構造122の厚さによって決まる。好ましくは、第一多層立体構造122の横方向断面の面積は、0.25nm〜1000nmである。更に好ましくは、第一多層立体構造122の横方向断面の面積は、1nm〜100nmである。
【0019】
第二カーボンナノチューブ108、N型半導体層112及び導電フィルム114が積層して、第二多層立体構造124を形成する。第二カーボンナノチューブ108のサイズがN型半導体層112及び導電フィルム114のサイズより小さいので、第二多層立体構造124の断面の面積が第二カーボンナノチューブ108の直径及び長さによって決まる。第二カーボンナノチューブ108がナノ材料であるので、第二多層立体構造124の断面の面積もナノスケールである。第二多層立体構造124は、横方向断面及び縦方向断面を定義し、横方向断面がN型半導体層112の表面に平行する断面であり、縦方向断面がN型半導体層112の表面に垂直する断面である。横方向断面の面積が第二カーボンナノチューブ108の直径及び長さによって決まる。縦方向断面の面積が第二カーボンナノチューブ108の長さ及び第二多層立体構造124の厚さによって決まる。好ましくは、第二多層立体構造124の横方向断面の面積は、0.25nm〜1000nmである。更に好ましくは、第二多層立体構造124の横方向断面の面積は、1nm〜100nmである。
【0020】
第一カーボンナノチューブ106及び導電フィルム114と二次元のP型半導体層110は、第一多層立体構造122にファンデルワールスヘテロ接合構造が形成される。応用される時には、第一カーボンナノチューブ106、導電フィルム114及びP型半導体層110の間はショットキー接合が形成され、電流は第一多層立体構造122を流れる。第一カーボンナノチューブ106がナノ材料であるので、第一多層立体構造122の横方向断面の面積もナノスケールであり、即ち、ナノスケールの半導体構造が形成される。半導体構造は、低いエネルギー消費、ナノスケールのサイズ及びより高い集積度を持つ。
【0021】
第二カーボンナノチューブ108及び導電フィルム114と二次元のN型半導体層112は、第二多層立体構造124にファンデルワールスヘテロ接合構造が形成される。応用される時には、第二カーボンナノチューブ108、導電フィルム114及びN型半導体層112の間はショットキー接合が形成され、電流は第二多層立体構造124を流れる。第二カーボンナノチューブ108がナノ材料であるので、第二多層立体構造124の横方向断面の面積もナノスケールであり、即ち、ナノスケールの半導体構造が形成される。半導体構造は、低いエネルギー消費、ナノスケールのサイズ及びより高い集積度、高い空間解像度及びより高い完全性を持つ。
【0022】
第一電極116、第二電極118及び第三電極120が導電材料からなり、導電材料が金属、ITO、ATO、導電銀テープ、導電性ポリマー又は導電カーボンナノチューブ等である。金属材料がアルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、パラジウム又は任意の組み合わせの合金である。ある実施例において、第一電極116及び第二電極118も導電フィルムであってもよく、導電フィルムの厚さが2マイクロメートル〜100マイクロメートルである。本実施例において、第一電極116及び第二電極118が金であり、金層の厚さが50ナノメートルである。本実施例において、第一電極116は、第一カーボンナノチューブ106の一端に設置され、第一カーボンナノチューブ106の表面と緊密に接触する。即ち、金層が第一カーボンナノチューブ106の表面に設置される。第二電極118は、第二カーボンナノチューブ108の一端に設置され、第二カーボンナノチューブ108の表面と緊密に接触する。即ち、金層が第二カーボンナノチューブ108の表面に設置される。第三電極120は、長手形状の導電層であり、導電フィルム114の端部に設置され、導電フィルム114と電気的に接続される。第三電極120の材料は、第一電極116の材料又は第二電極118の材料と同じである。
【0023】
本発明の半導体部品100がカーボンナノチューブに基づく非対称の二つのファンデルワールスヘテロ接合構造(CCVH)を含む。半導体部品100が応用される時に、ファンデルワールスヘテロ接合構造が対向して設置されるソース電極とドレイン電極のバイアス箇所に非対称の出力特性を表現する。輸送性能の多様性は、主にカーボンナノチューブのフェルミエネルギーが変調されやすいこと及び、カーボンナノチューブ及び導電フィルムが二次元の半導体層との非対称接触することの影響を受ける。且つ、カーボンナノチューブ電極は、電子型電気伝導又は正孔型電気伝導に適用する。半導体構造の調節できる機能及び半導体構造がより小さいサイズを有することは、カーボンナノチューブを含む非対称接触のファンデルワールスヘテロ接合構造を有する半導体構造に独立性を持たせる。未来のナノ電子工学及びナノ光電子工学の領域に巨大な潜在力を有する。図3を参照すると、半導体部品100がCMOSとして使用される時には、ゲート電極102が入力端であり、第三電極120が出力端であり、第一電極116及び第二電極118が電源と接続され、三つの曲線が第一電極116と第二電極118との間の電位差が0.1ボルト、0.2ボルト、0.4ボルトである時に対応する曲線である。図3から、CMOSが優れた作動性能を有することが分かれる。
【0024】
半導体部品100が応用される時には、第一カーボンナノチューブ106及び導電フィルム114がP型半導体層110の対向する二つの表面に設置される電極であると見られ、第二カーボンナノチューブ108及び導電フィルム114がN型半導体層112の対向する二つの表面に設置される電極であると見られる。第一カーボンナノチューブ106、第一カーボンナノチューブ106及び導電フィルム114に電圧を印加して、半導体部品100がオン状態になる。この時に、電流が第一多層立体構造122の横方向断面から第二多層立体構造124の横方向断面に流れる。半導体部品100の有効部分が第一多層立体構造122及び第二多層立体構造124である。従って、半導体部品100が第一多層立体構造122及び第二多層立体構造124を含めばよい。これによって、半導体部品100は、小さいサイズを有して、ナノスケールの半導体部品となる。
【符号の説明】
【0025】
100 半導体部品
102 ゲート電極
104 絶縁層
106 第一カーボンナノチューブ
108 第二カーボンナノチューブ
110 P型半導体層
112 N型半導体層
114 導電フィルム
116 第一電極
118 第二電極
120 第三電極
122 第一多層立体構造
124 第二多層立体構造
図1
図2
図3