特許第6551828号(P6551828)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551828
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/494 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   A61F13/494 200
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-65635(P2015-65635)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-185175(P2016-185175A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2018年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】森谷 晶絵
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−166226(JP,A)
【文献】 特開平03−193048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体側に設けられた液透過性のトップシートと、反身体側に設けられた液不透過性のバックシートと、前記トップシートとバックシートの間に挟持された排泄物を吸収する吸収体と、前記トップシートの幅方向における両側部に身体側に向かって起立する立体ギャザーを形成するギャザーシートと、前記バックシートの反身体側に設けられた外装シートを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記吸収体の背側端部よりも背側に位置するトップシートとバックシートの間に、前記トップシートの背側部から外部に漏れ出す排泄物を捕捉するウエストシートを設け、
前記ウエストシートを、前記トップシートの外面に固定される身体側シートと、前記バックシートの内面に固定される反身体側シートと、前記身体側シートと反身体側シートに連続する複数の折り畳まれた中間シートから形成し、
前記中間シートの幅方向の両側部を、前記身体側シートを介してトップシートの外面に固定し、
前記中間シートの幅方向の両側部を、前記反身体側シートを介してバックシートの内面に固定し、
前記中間シートの幅方向の中間部を、非固定として、前記中間シートの幅方向の中間部を、前記トップシートとバックシートの背側端部よりも背側に引き出し可能に形成したことを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記ウエストシートの幅方向の両側部を、前記吸収体の幅方向における両側部よりも外側に延在させ、前記吸収体の幅方向における両側部よりも外側に位置するギャザーシートの外面と外装シートの内面に固定した請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記中間シートを折り畳む部位に、幅方向に沿って弾性伸縮部材を設けた請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
側面視において、前記中間シートを折り畳む部位を、前後方向に位置をズラして形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背側部から外部に漏れ出す排泄物を捕捉するウエストシートを有する使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、背側部から排泄部が外部に漏れ出すのを防止するために、排泄物を吸収する吸収体の装着者のお尻の割れ目に対向する部位に、装着者に向かって隆起する厚肉部を設けた使い捨ておむつが提案されている。(特許文献1)
また、背側部から排泄部が外部に漏れ出すのを防止するために、背側部の端部の上側ギャザーと上側ギャザーの下側に設けられた下側ギャザーによってポケット部を形成した使い捨ておむつが提案されている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−342626号公報
【特許文献2】特開2005−152168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された吸収体に厚肉部を形成して、お尻の割れ目部のフィット性を向上させた場合にあっても、液透過性のトップシート内を移動する排泄物の外部への漏れを防止できない恐れがある。また、特許文献2に開示された上下側ギャザーの間にポケット部を形成して、多量の排泄物を貯留した場合にあっても、液透過性のトップシート内を移動する排泄物の外部への漏れを防止できない恐れがあり、また、ポケット部の容量よりも多くの排泄物が排泄された場合には、上側ギャザーを超えて外部に排出する恐れがある。
そこで、本発明の主たる課題は、液透過性のトップシートの内面とトップシートの内部を移動して背側部から外部に漏れ出した排泄物を捕捉するウエストシートを備えた使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、身体側に設けられた液透過性のトップシートと、反身体側に設けられた液不透過性のバックシートと、前記トップシートとバックシートの間に挟持された排泄物を吸収する吸収体と、前記トップシートの幅方向における両側部に身体側に向かって起立する立体ギャザーを形成するギャザーシートと、前記バックシートの反身体側に設けられた外装シートを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記吸収体の背側端部よりも背側に位置するトップシートとバックシートの間に、前記トップシートの背側部から外部に漏れ出す排泄物を捕捉するウエストシートを設け、前記ウエストシートを、前記トップシートの外面に固定される身体側シートと、前記バックシートの内面に固定される反身体側シートと、前記身体側シートと反身体側シートに連続する複数の折り畳まれた中間シートから形成し、前記中間シートの幅方向の両側部を、前記身体側シートを介してトップシートの外面に固定し、前記中間シートの幅方向の両側部を、前記反身体側シートを介してバックシートの内面に固定し、前記中間シートの幅方向の中間部を、非固定として、前記中間シートの幅方向の中間部を、前記トップシートとバックシートの背側端部よりも背側に引き出し可能に形成したことを特徴とする使い捨ておむつである。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記ウエストシートの幅方向の両側部を、前記吸収体の幅方向における両側部よりも外側に延在させ、前記吸収体の幅方向における両側部よりも外側に位置するギャザーシートの外面と外装シートの内面に固定した請求項1記載の使い捨ておむつである。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記中間シートを折り畳む部位に、幅方向に沿って弾性伸縮部材を設けた請求項1又は2記載の使い捨ておむつである。
【0008】
請求項4に係る発明は、側面視において、前記中間シートを折り畳む部位を、前後方向に位置をズラして形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、吸収体の背側端部よりも背側に位置するトップシートとバックシートの間に、トップシートの背側部から外部に漏れ出す排泄物を捕捉するウエストシートを設け、ウエストシートを、トップシートの外面に固定される身体側シートと、バックシートの内面に固定される反身体側シートと、身体側シートと反身体側シートに連続する複数の折り畳まれた中間シートから形成し、中間シートの幅方向の両側部を、身体側シートを介してトップシートの外面に固定し、中間シートの幅方向の両側部を、反身体側シートを介してバックシートの内面に固定し、中間シートの幅方向の中間部を、非固定として、中間シートの幅方向の中間部を、トップシートとバックシートの背側端部よりも背側に引き出し可能に形成したので、就寝時等にウエストシートを背側部から外側に向かって延出させて、トップシートの内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物や、トップシートの内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を捕捉することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、ウエストシートの幅方向の両側部を、吸収体の幅方向における両側部よりも外側に延在させ、吸収体の幅方向における両側部よりも外側に位置するギャザーシートの外面と外装シートの内面に固定しているので、ウエストシートを背側部から外側に向かってより延出させることができ、また、立体ギャザーを超えてギャザーシートの内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物や、ギャザーシートの内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を捕捉することができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明による効果に加えて、中間シートを折り畳む部位に、幅方向に沿って弾性伸縮部材を設けているので、装着者とトップシートにおける背側部の隙間、装着者とギャザーシートにおける背側部の隙間を小さくしてフィット性能を高めることができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、側面視において、中間シートを折り畳む部位を、前後方向に位置をズラして形成しているので、中間シートを折り畳む部位に起因する異物感覚を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】テープタイプ使い捨ておむつを展開した内面平面図である。
図2】テープタイプ使い捨ておむつを展開した外面平面図である。
図3図1のX1−X1断面図である。
図4】第1実施形態のウエストシートを背側に設けた要部の内面平面図である。
図5図4の(a)はX1−X1断面図、(b)はX2−X2断面図である。
図6】第1実施形態のウエストシートの(a)は内面平面図、(b)は側面図である。
図7】第1実施形態のウエストシートを背側の外部に延出した要部の内面平面図である。
図8】第2実施形態のウエストシートを背側に設けた要部の内面平面図である。
図9図8の(a)はX1−X1断面図、(b)はX2−X2断面図である。
図10】第2実施形態のウエストシートの(a)は内面平面図、(b)は側面図である。
図11】第2実施形態のウエストシートを背側の外部に延出した要部の内面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<テープタイプ使い捨ておむつ>
本発明の背側からの排泄物の漏れを防止する折り畳まれたウエストシート60等の理解を容易にするために、先ず、テープタイプ使い捨ておむつ100について添付図面を参照して詳説する。なお、本明細書において「前後方向」とは、腹側と背側を結ぶ方向を言い、「幅方向」とは、前後方向と直交する方向を言い、「上下方向」とは、テープタイプ使い捨ておむつ100の装着状態において胴回り方向と直交する方向を言うものとする。
【0015】
図1〜3に示すように、テープタイプ使い捨ておむつ100は、身体側面に設けられた液透過性のトップシート10と、反身体側面に設けられた液不透過性のバックシート11と、トップシート10とバックシート11の間に挟持された吸収要素20とから形成されている。また、バックシート11の反身体側面である外面には、不織布等から形成された外装シート12が設けられている。なお、トップシート10と吸収要素20の間には、トップシート10に透過した排泄物を吸収要素20に素早く移動させると共に排泄物の逆戻りを防止する中間シート15を設けるのが好適である。
【0016】
吸収要素20の幅方向における左右側には、所定の間隔を隔てて排泄物の外部への漏れを防止する不織布等から形成された立体ギャザー30がそれぞれ設けられており、また、立体ギャザー30の幅方向における左右側には、所定の間隔を隔てて排泄物の外部への漏れを防止する平面ギャザー40が設けられている。
【0017】
吸収要素20の前後方向における前後側には、吸収要素20が延在されていないエンドフラップ部EFがそれぞれ形成され、同様に、吸収要素20の幅方向における左右側には、吸収要素20が延在されていないサイドフラップ部SFがそれぞれ形成されている。
【0018】
サイドフラップ部SFの前後方向における後部には、テープタイプ使い捨ておむつ100を装着時に装着する際に使用するファスニングテープ50がそれぞれ設けられている。なお、本実施形態においては、テープタイプ使い捨ておむつ100を装着時に装着する際には、ファスニングテープ50の内面に設けられた係止部52を外装シート12の背側部に形成された被係止部13に係止される。
【0019】
次に、トップシート10等の素材および特徴部分について順に説明する。
(トップシート)
トップシート10は、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシート等で形成することができる。また、不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維等を例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
【0020】
(バックシート)
バックシート11は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とでバックシートが構成される。)等で形成することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、バックシート11として用いることができる。
【0021】
(外装シート)
外装シート12は、吸収要素20の反身体側である外面に設けられ着用者に装着するための部分である。外装シート12は、前後方向における中央部の両側部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を囲む部位となる。
【0022】
外装シート12は、ファスニングテープ50の係止部52が係止できる不織布で形成することができる。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
【0023】
(中間シート)
中間シート15は、トップシート10と同様の素材で形成することができる。中間シート15は、トップシート10に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート15の素材は、トップシート10と同程度の融点をもつものが好ましい。中間シート15に不織布を用いる場合、その不織布の繊維の繊度は2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
【0024】
(吸収要素)
吸収要素20は、吸収体21と、吸収体21を包む包装シート22とから形成されている。なお、吸収体21を包む包装シート22を用いることなく吸収体21のみから形成することもできる。
【0025】
(吸収体)
吸収体21は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
【0026】
吸収体21は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
【0027】
吸収体21の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート22上にある形態も排除されるものではない。
【0028】
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系等のものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体等のものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0029】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体21内に供給された液が吸収体21外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0030】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体21の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
【0031】
(包装シート)
包装シート22は、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等で形成されている。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン等を使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
【0032】
(立体ギャザー)
立体ギャザー30は、トップシート10の内面を伝わって幅方向に向かって移動する尿や軟便等の排泄物を阻止して横漏れを防止する部分である。立体ギャザー30は、実質的に幅方向に連続する撥水性不織布からなるギャザーシート31と、ギャザーシート31に対して前後方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材32によって形成されている。
【0033】
ギャザーシート31の基部は、幅方向におけるトップシート10の内面の左右側部に固着始端を有し、固着始端から左右側に延在して、幅方向におけるバックシート11の内面の左右側部と、幅方向における外装シート12の内面の左右側部にホットメルト等の接着剤によって固定されている。
【0034】
前後方向における立体ギャザー30の中間部の固着始端より内側の部位は、トップシート10の上面に非固定とされ、立体ギャザー30の前後部の固着始端より内側の部位は、トップシート10の上面に固定されている。これにより、前後方向における立体ギャザー30の中間部は、弾性伸縮部材32の収縮力によって身体側に向かって起立し、装着時に装着者の脚周りに密着して、脚周りからのいわゆる横漏れが防止することができる。
【0035】
(平面ギャザー)
平面ギャザー40は、立体ギャザー30を超えて幅方向に向かって移動する排泄物を阻止して横漏れを防止する部分である。平面ギャザー40は、ギャザーシート31と、バックシート11と、ギャザーシート31とバックシート11の間に挟持されたギャザーシート31等に対して前後方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材41によって形成されている。
【0036】
(ファスニングテープ)
ファスニングテープ50は、前後方向におけるサイドフラップSFの後部に設けられている。ファスニングテープ50は、基材51と、基材51の内面に設けられた係止部52から形成されている。
【0037】
基材51は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミネート不織布、紙やこれらの複合素材から形成することができる。また、基材51の基部は、ホットメルトの接着剤等によってサイドフラップSFを形成するギャザーシート31と外装シート12の間に固定されている。
【0038】
係止部52は、メカニカルファスナーのフック材から形成することができる。フック材とは、多数の係合突起を有する部材である。係合突起の形状としては、レ字状、J字状、マッシュルーム状、T字状、ダブルJ字状等がある。
【0039】
係止部52は、外装シート12の外面の腹側に設けたターゲットシート55に係止される。なお、ターゲットシート55は、ループ糸が表面に多数設けられたプラスチックフィルムや不織布等から形成することができる。
【0040】
<ウエストシート>
(第1実施形態のウエストシート)
次に、トップシート10の内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物と、トップシート10の内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を防止する第1実施形態のウエストシート60について説明する。なお、図6(a)の左右方向が上述の幅方向に対応し、上下方向が上述の前後方向に対応する。
【0041】
図6(a)に示すように、撥水性不織布等から形成されたウエストシート60は、平面視において幅方向に長辺を有する略長方形状に形成されている。図6(b)に示すように、ウエストシート60は、側面視において、トップシート10とバックシート11等に固定される第1シート61A〜第7シート61Gが折り畳まれて形成されている。なお、図6(b)は、第1シート61A〜第7シート61Gの形態の理解を容易にするために、折り畳まれる部位62等を拡大して図示している。
【0042】
第1シート61Aと第6シート61Fは、連続するシートから形成されており、第6シート61Fと第7シート61Gの吸収体21側に位置する部位67は、ホットメルト等の接着剤で固定されている。なお、第1シート61Aは、第6シート61Fの腹側部に位置する部位66で折り畳まれて背側に向かって延在し、第7シート61Gは、第6シート61Fの腹側部に位置する部位67で折り畳まれて背側に向かって延在している。
【0043】
第6シート61Fの背側部に位置する部位65で折り畳まれて第5シート61Eが吸収体21に向かって延在し、第5シート61Eの吸収体21側に位置する部位64で折り畳まれて第4シート61Dが背側に向かって延在し、第4シート61Dの背側部に位置する部位63で折り畳まれて第3シート61Cが吸収体21に向かって延在し、第3シート61Cの吸収体21側に位置する部位62で折り畳まれて第2シート61Bが背側に向かって延在して形成されている。なお、第1実施形態にあっては、背側端部から部位66の間隔A1を39mmに、背側端部から部位64の間隔A2を13mmに、背側端部から部位62の間隔A3を8mmに設定している。また、折り畳まれる部位62〜67には、幅方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材69がそれぞれ設けられている。これにより、背側に移動してくる排泄部の移動を抑制するウエストギャザーとしての機能をウエストシート60に付加し、また、フィット性を高めることができる。なお、フィット性をより向上させるために、吸収要素20の背側部にも幅方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材(図示省略)を設けるのが好ましい。
【0044】
図4,5に示すように、ウエストシート60の第1シート61Aの内面の幅方向における中間部は、トップシート10の外面にホットメルト等の接着剤によって固定され、第1シート61Aの内面の両側部は、ギャザーシート31と基材51の外面にホットメルト等の接着剤によって固定されている。また、第1シート61Aの両側部は、テープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在している。
【0045】
ウエストシート60の第7シート61Gの外面の幅方向における中間部は、バックシートの内面にホットメルト等の接着剤によって固定され、第7シート61Gの外面の両側部は、外装シート12の内面にホットメルト等の接着剤によって固定されている。なお、第7シート61Gの両側部は、テープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在している。
【0046】
ウエストシート60の第2シート61B〜第6シート61Fの内面の幅方向における両側部は、第1シート61Aを介してギャザーシート31と基材51の外面に熱融着、超音波融着等によって固定され、第2シート61B〜第6シート61Fの外面の幅方向における両側部は、第7シート61Gを介して外装シート12の内面に熱融着、超音波融着等によって固定されている。また、第2シート61B〜第6シート61Fの両側部は、テープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在している。なお、第2シート61B〜第6シート61Fの内外面の幅方向における中間部は、相互に隣接するシートに固定されていない。
【0047】
図7に示すように、ウエストシート60の第2シート61B〜第5シート61Eをテープタイプ使い捨ておむつ100の背側部から外部に向けて引き出して、前後方向の間隔Cが約40mmの延出部68を形成することができる。これにより、トップシート10の内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物、トップシート10の内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を延出部68の内面に保持して、排泄物の衣服、寝具等への付着を防止することができる。また、ウエストシート60を形成する第1シート61A〜第7シート61Gをテープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在していることから、立体ギャザー30を超えてギャザーシート31の内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物、ギャザーシート31の内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を引き出された第1シート61B〜第5シート61E上に保持して、排泄物の衣服、寝具等への付着を防止することができる。なお、第1シート61Aが請求項における「身体側シート」に相当し、第2シート61B〜第6シート61Fが請求項における「中間シート」に相当し、第7シート61Gが請求項における「反身体側シート」に相当する。
【0048】
(第2実施形態のウエストシート)
次に、トップシート10の内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物と、トップシート10の内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を防止する第2実施形態のウエストシート70について説明する。なお、図10(a)の左右方向が上述の幅方向に対応し、上下方向が上述の前後方向に対応する。
【0049】
図10(a)に示すように、撥水性不織布等から形成されたウエストシート70は、平面視において幅方向に長辺を有する略長方形状に形成されている。図10(b)に示すように、ウエストシート70は、側面視において、トップシート10とバックシート11等に固定される第1シート71A〜第8シート71Hが折り畳まれて形成されている。なお、図10(b)は、第1シート71A〜第8シート71Hの形態の理解を容易にするために、折り畳まれる部位72等を拡大して図示している。
【0050】
第1シート71A〜第8シート71Hは、連続するシートから形成されている。第8シート71Hは、背側部から吸収体21に向かって延在し、第8シート71Hの吸収体21側に位置する部位78で折り畳まれて第7シート71Gが背側に向かって延在し、第7シート71Gの背側部に位置する部位77で折り畳まれて第6シート71Fが吸収体21に向かって延在し、第6シート71Fの吸収体21側に位置する部位76で折り畳まれて第5シート71Eが背側に向かって延在する。また、第5シート71Eの背側部に位置する部位75で折り畳まれて第4シート71Dが吸収体21に向かって延在し、第4シート71Dの吸収体21側に位置する部位74で折り畳まれて第3シート71Cが背側に向かって延在し、第3シート71Cの背側部に位置する部位73で折り畳まれて第2シート71Bが吸収体21に向かって延在し、第2シート71Bの吸収体21側に位置する部位72で折り畳まれて第1シート71Aが背側に向かって延在して形成されている。なお、側面視において部位72と部位74は同一位置に設けられ、部位75と部位78も同一位置に設けられている。なお、第1実施形態にあっては、背側端部から部位76の間隔B1を35mmに、背側端部から部位72,74の間隔B2を25mmに、背側端部から部位78の間隔B3を20mmに、背側端部から部位77の間隔B2を10mmに、背側端部から部位73の間隔B3を5mmに設定している。また、折り畳まれる部位72〜78には、幅方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材80がそれぞれ設けられている。これにより、背側に移動してくる排泄部の移動を抑制するウエストギャザーとしての機能をウエストシート70に付加し、また、フィット性を高めることができる。なお、フィット性をより向上させるために、吸収要素20の背側部にも幅方向に沿って伸長状態で固定された細長状の弾性伸縮部材(図示省略)を設けるのが好ましい。
【0051】
図8,9に示すように、ウエストシート70の第1シート71Aの内面の幅方向における中間部は、トップシート10の外面の背側端部にホットメルト等の接着剤によって固定され、第1シート71Aの内面の両側部は、ギャザーシート31の外面の背側端部にホットメルト等の接着剤によって固定されている。また、第1シート71Aの両側部は、テープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在している。
【0052】
ウエストシート70の第8シート71Hの外面の幅方向における中間部は、バックシートの内面の背側端部にホットメルト等の接着剤によって固定され、第8シート71Hの外面の両側部は、外装シート12の内面の背側端部にホットメルト等の接着剤によって固定されている。なお、第8シート71Hの両側部は、テープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在している。
【0053】
ギャザーシート31の第2シート71B〜第7シート71Gの内面の幅方向における両側部は、第1シート71Aを介してギャザーシート31と基材51の外面に熱融着、超音波融着等によって固定され、第2シート71B〜第7シート71Gの外面の幅方向における両側部は、第8シート71Hを介して外装シート12の内面に熱融着、超音波融着等によって固定されている。また、第2シート71B〜第7シート71Gの両側部は、テープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在している。なお、第2シート71B〜第7シート71Gの内外面の幅方向における中間部は、相互に隣接するシートに固定されていない。
【0054】
図11に示すように、ウエストシート70の第1シート71A〜第8シート71Hをテープタイプ使い捨ておむつ100の背側部から外部に向けて引き出して、上下2枚のシートからなる前後方向の間隔Cが約70mmの延出部79を形成することができる。これにより、トップシート10の内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物、トップシート10の内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を延出部79の内面に保持して、排泄物の衣服、寝具等への付着をより防止することができる。また、ウエストシート70を形成する第1シート71A〜第8シート71Hをテープタイプ使い捨ておむつ100のサイドフラップSF,SFまで延在していることから、立体ギャザー30を超えてギャザーシート31の内面の表面を流れて背側部から外部に漏れる排泄物、ギャザーシート31の内部を伝わって背側部から外部に漏れる排泄物を引き出された第1シート71A〜第8シート71H上に保持して、排泄物の衣服、寝具等への付着を防止することができる。さらに、第2実施形態のウエストシート70の第1シート71Aと第2シート71Bを折り畳む部位72と、第2シート71Bと第3シート71Cを折り畳む部位73が、側面視において前後方向において同一位置に設けられているが、第1シート71A〜第8シート71Hを折り返す部位72〜78を、側面視において前後方向にズラして設けていることから部位72〜78に起因する異物感覚を低減することができる。なお、第1シート71Aが請求項における「身体側シート」に相当し、第2シート71B〜第7シート71Gが請求項における「中間シート」に相当し、第8シート71Hが請求項における「反身体側シート」に相当する。
【0055】
<明細書中の用語の説明>
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「吸水量」は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつ、パンツタイプ使い捨ておむつのトップシートとバックシートの背側部に設けられるウエストシートに利用可能なものである。
【符号の説明】
【0057】
10 トップシート
11 バックシート
12 外装シート
30 立体ギャザー
31 ギャザーシート
60 ウエストシート
61A 第1シート(身体側シート)
61B〜F 第2〜6シート(中間シート)
61G 第7シート(反身体側シート)
62〜67 部位
69 弾性伸縮部材
70 ウエストシート
71A 第1シート(身体側シート)
71B〜G 第2〜7シート(中間シート)
71H 第8シート(反身体側シート)
72〜78 部位
80 弾性伸縮部材
図1
図2
図3
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図5
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図11