特許第6552050号(P6552050)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552050
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/06 20060101AFI20190722BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20190722BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20190722BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20190722BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20190722BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   H01G2/06 A
   H01G2/06 500
   H01G2/02 101E
   H01G2/10 K
   H01G4/228 F
   H01G4/228 W
   H01G4/228 H
   H01G4/30 201H
   H01G4/30 201G
   H01G4/38 A
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-231009(P2015-231009)
(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-134620(P2016-134620A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年10月23日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0009323
(32)【優先日】2015年1月20日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パーク、ヒュン キル
【審査官】 多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−041128(JP,U)
【文献】 特開2002−170739(JP,A)
【文献】 特開2000−124379(JP,A)
【文献】 特開昭55−145361(JP,A)
【文献】 特開2005−197627(JP,A)
【文献】 特開2009−283490(JP,A)
【文献】 特開平08−264382(JP,A)
【文献】 特開2010−177370(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/119471(WO,A1)
【文献】 特開2004−022562(JP,A)
【文献】 特開2004−014687(JP,A)
【文献】 特開平09−266125(JP,A)
【文献】 特開平06−029443(JP,A)
【文献】 特開平02−037813(JP,A)
【文献】 特開平09−064508(JP,A)
【文献】 特開2010−135623(JP,A)
【文献】 特開平4−302116(JP,A)
【文献】 実開平4−080039(JP,U)
【文献】 韓国登録特許第10−1018646(KR,B1)
【文献】 密集実装大容量キャパシタ(コンデンサーアレー) 280μF(70μF×4)25V,[online],株式会社 秋月電子通商,2014年 5月27日,[令和1年5月27日検索],URL,http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-07916/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/06
H01G 2/02
H01G 2/10
H01G 4/228
H01G 4/30
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列及び並列に連結されて基板の両面に配置される複数の積層セラミックキャパシタであって、導電性金属粒子を含む絶縁樹脂層を含む外部電極がそれぞれの対向する両端部に配置され、且つ、それぞれの前記外部電極が、前記基板の両面に長さ方向に隔離して配置された複数の電極パッドのそれぞれに接続される、複数の積層セラミックキャパシタと、
一部が外部に引き出され、前記複数の電極パッドのうち、前記基板の長さ方向における一端に配置された電極パッドと接続される金属端子と、
前記基板および前記複数の積層セラミックキャパシタを取り囲むモールディング部と、
を備え、
前記基板の両面には、前記複数の積層セラミックキャパシタ以外の電子部品が配置されず、
前記複数の電極パッドのうち前記金属端子と接続される前記電極パッドは、前記金属端子に接続されるために前記基板の長さ方向に拡張された拡張領域を含み、前記基板の幅方向における幅は、前記外部電極が接続される領域よりも前記拡張領域において狭く、
前記金属端子は、
第1の端部が前記基板の長さ方向における前記一端に配置された前記電極パッドと接続され、第2の端部が前記モールディング部の長さ方向の側面から露出する接合部と、
前記モールディング部の厚さ方向の一面に配置される端子部と、
少なくとも一つ以上の溝を有し、前記モールディング部の長さ方向の側面に配置され、前記接合部および前記端子部を連結する連結部と、
を含む、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記複数の電極パッドがビア電極によって互いに連結される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記金属端子の引き出された部分がモールディング部の厚さ方向の一面を部分的に覆うように伸びる、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記複数の積層セラミックキャパシタと前記複数の電極パッドとが導電性接着層によって接合される、請求項1からのいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
両面に長さ方向に離隔して配置された複数の電極パッドを含む基板と、
前記基板の両面に、隣接する電極パッドと互いに異なる極性の外部電極がそれぞれ接続され、且つ、直列及び並列に連結されて配置される複数の第1の積層セラミックキャパシタ及び複数の第2の積層セラミックキャパシタと、
前記基板と前記複数の第1の積層セラミックキャパシタ及び前記複数の第2の積層セラミックキャパシタを取り囲むモールディング部と、
第1の端部が前記基板の長さ方向に離隔して配置された電極パッドとそれぞれ接続され、第2の端部が積層セラミック電子部品の外に引き出される第1の金属端子及び第2の金属端子と、
を備え、
前記基板の両面には、前記複数の第1の積層セラミックキャパシタ及び前記複数の第2の積層セラミックキャパシタ以外の電子部品が配置されず、
前記複数の電極パッドのうち、前記基板の長さ方向の両端に配置された2つの電極パッドは、前記第1の金属端子及び前記第2の金属端子のそれぞれに接続されるために前記基板の長さ方向に拡張された拡張領域を含み、前記基板の幅方向における前記2つの電極パッドの幅は、前記外部電極が接続される領域よりも前記拡張領域において狭く、
前記第1の金属端子及び前記第2の金属端子は、
第1の端部が前記基板の長さ方向に離隔して配置された電極パッドとそれぞれ接続され、第2の端部が前記モールディング部の長さ方向の対向する両面からそれぞれ露出する第1の接合部及び第2の接合部と、
前記モールディング部の厚さ方向の一面に互いに離隔して配置される第1の端子部及び第2の端子部と、
少なくとも一つ以上の溝をそれぞれ有し、前記モールディング部の長さ方向の対向する両面にそれぞれ配置され、前記第1の接合部及び前記第2の接合部と前記第1の端子部及び前記第2の端子部とを連結する第1の連結部及び第2の連結部と、
を含
前記複数の第1の積層セラミックキャパシタ及び前記複数の第2の積層セラミックキャパシタのそれぞれは、セラミック本体の対向する長さ方向の両端部に、導電性金属粒子を含む絶縁樹脂層を含む第1の外部電極及び第2の外部電極がそれぞれ配置される、積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記基板を介して対向して配置された電極パッドが、前記基板を貫通するビア電極によって互いに電気的に連結される、請求項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記2つの電極パッドのうち少なくとも一つの前記拡張領域は、前記基板の長さ方向の端面から露出するように伸びる、請求項5または6に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記電極パッド上に形成されたメッキ層をさらに含む、請求項5から7のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、前記セラミック本体の対向する長さ方向の両面にそれぞれ配置された第1のボディ部及び第2のボディ部、及び前記第1のボディ部及び前記第2のボディ部からそれぞれ前記セラミック本体の厚さ方向の少なくとも一面の一部まで伸びて形成された第1のバンド部及び第2のバンド部をそれぞれ含む、請求項5から8のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記複数の第1の積層セラミックキャパシタ及び前記複数の第2の積層セラミックキャパシタのそれぞれは、
前記セラミック本体内に、誘電体層を介して前記セラミック本体の対向する長さ方向の両面から交互に露出するように積層され、前記第1のボディ部及び前記第2のボディ部とそれぞれ接続される複数の第1の内部電極及び複数の第2の内部電極を含む、請求項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記電極パッドと前記第1のバンド部又は前記第2のバンド部の間に配置された導電性接着層をさらに含む、請求項9または10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項12】
導電性接着層が前記電極パッドと前記第1の金属端子及び前記第2の金属端子の間に配置される、請求項5から11のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層電子部品の一つである積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピューター、個人携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)及び携帯電話などの多様な電子製品の回路基板に装着されて電気を充電又は放電させる役割をする。
【0003】
上記積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型であり且つ高容量が保証され、実装が容易であるという長所により、多様な電子装置の部品として用いられることができる。
【0004】
最近、自動車の電子制御化が発達するにつれて、自動車に搭載されるECU(electrical control unit)の数量が顕著に増加している。ECUの使用環境では、温度変化が大きく、長時間振動及び衝撃を受ける。
【0005】
よって、上記ECUのように産業/電装分野に適用される積層セラミック電子部品には、熱ストレス及び機械的ストレスに対する高い耐久性と信頼性が求められる。
【0006】
従来は、このような高信頼性を満たすための一つの方法として金属フレームを用いた。しかしながら、金属フレームを用いる場合は、金属フレームを積層セラミックキャパシタに接合する高難易度の工程がさらに追加されなければならないため、製品当たりの単価が急激に上昇するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−134430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、熱ストレス及び機械的ストレスに対して高い耐久性と信頼性を満たし、積層セラミックキャパシタの圧電振動が基板に伝達されることを抑制することができる積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、両面に積層セラミックキャパシタが接続された基板の電極パッドに金属端子が接続され、上記金属端子の一部が引き出されるように上記積層セラミックキャパシタ及び上記基板がモールディングされる積層セラミック電子部品が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、金属端子が外部からの機械的応力を吸収するため、積層セラミックキャパシタの損傷を防止することができ、また、金属端子が積層セラミックキャパシタの圧電振動を吸収するため、当該圧電振動が基板に伝達されることを抑制することができるという効果がある。
【0011】
また、本実施形態の積層セラミック電子部品は、積層セラミックキャパシタの発熱が金属端子を通じて放熱され、モールディング部が積層セラミックキャパシタを取り囲んでいるため、積層セラミックキャパシタの温度上昇を抑制し信頼性を向上させることができるという効果がある。
【0012】
また、本実施形態の積層セラミック電子部品は、基板の上下面にキャパシタが対向して実装されるため、部品を小型化させ且つ静電容量を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を概略的に示す透明斜視図である。
図2図1のモールディング部と金属端子を除去した状態を示す分解斜視図である。
図3図2の基板の底面図である。
図4】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品における基板と金属端子の結合構造を概略的に示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品における基板と金属端子の結合構造を概略的に示す斜視図である。
図6図5の積層セラミックキャパシタと基板を取り囲むようにモールディング部を形成したことを示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品に適用される積層セラミックキャパシタの一部を切開して示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品における基板と複数の積層セラミックキャパシタの配置構造を概略的に示す分解斜視図である。
図9図8の基板の底面図である。
図10】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品における基板と金属端子の結合構造を概略的に示す斜視図である。
図11図10の積層セラミックキャパシタと基板を取り囲むようにモールディング部を形成したことを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0015】
本発明の実施例を明確に説明するために方向を定義すると、図7のL、W及びTはそれぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向と同じ概念で用いられる。
【0016】
また、本実施形態では、説明の便宜のために、セラミック本体の厚さ方向に向かい合う面を主面又は上下面といい、下面は実装面ともいう。
【0017】
<積層セラミック電子部品>
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、両面に積層セラミックキャパシタが接続された基板の電極パッドに金属端子が接続され、上記金属端子の一部が引き出されるように上記積層セラミックキャパシタ及び上記基板がモールディングされて形成される。
【0018】
上記基板の両面に配置された電極パッドは、ビア電極によって互いに電気的に連結されることができる。
【0019】
また、上記金属端子の引き出された部分は、モールディング部の一主面の一部まで伸びることができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を概略的に示す透明斜視図であり、図2は、図1のモールディング部と金属端子を除去した状態を示す分解斜視図であり、図3は、図2の基板の底面図であり、図4は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品における基板と金属端子の結合構造を概略的に示す分解斜視図であり、図5は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品における基板と金属端子の結合構造を概略的に示す斜視図であり、図6は、図5の積層セラミックキャパシタと基板を取り囲むようにモールディング部を形成したことを示す斜視図である。
【0021】
図1図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、基板300と、第1及び第2の積層セラミックキャパシタ100、200と、モールディング部400と、第1及び第2の金属端子510、520と、を含む。
【0022】
基板300と第1及び第2の積層セラミックキャパシタ100、200は、モールディング部400よりサイズが小さければよい。
【0023】
本実施形態の基板300は、本体310と、本体310の上面に配置された一対の第1の電極パッド311、312と、本体310の下面に配置された第2の電極パッド313、314と、を含む。
【0024】
本体310は、長さ方向に長く形成された六面体であり、絶縁性材質、例えば、エポキシ、フェノール、ポリイミド樹脂などの材質からなることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
第1の電極パッド311、312は、本体310の上面に長さ方向に互いに離隔して配置され、第1の積層セラミックキャパシタ100の第1及び第2の外部電極131、132の後述する第1及び第2のバンド部の下面に機械的に接触することにより、第1の積層セラミックキャパシタ100と電気的に接続される。
【0026】
第1の電極パッド311、312は、例えば、本体310の上面にスパッタ工程により形成されることができる。
【0027】
この際、第1の電極パッド311、312の上面に第1の導電性接着層315、316がそれぞれ配置されることにより、第1の電極パッド311、312と第1の積層セラミックキャパシタ100の第1及び第2の外部電極131、132の後述する第1及び第2のバンド部の下面とが接合され且つその接合強度が向上するようにすることができる。
【0028】
第1の導電性接着層315、316は、例えば、高温ハンダや銀(Ag)ペーストなどでできた導電性接着剤で形成されることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
第2の電極パッド313、314は、本体310の下面に長さ方向に互いに離隔して配置され、本体310を介して第1の電極パッド311、312に対応して配置されることができる。
【0030】
第2の電極パッド313、314は、第2の積層セラミックキャパシタ200の第1及び第2の外部電極231、232の後述する第1及び第2のバンド部の上面に機械的に接触することにより、第2の積層セラミックキャパシタ200と電気的に接続される。
【0031】
第2の電極パッド313、314は、例えば、本体310の下面にスパッタ工程により形成されることができる。
【0032】
この際、第2の電極パッド313、314の下面に第2の導電性接着層317、318がそれぞれ配置されることにより、第2の電極パッド313、314と第2の積層セラミックキャパシタ200の第1及び第2の外部電極231、232の後述する第1及び第2のバンド部の上面とが接合され且つその接合強度が向上するようにすることができる。
【0033】
第2の導電性接着層317、318は、例えば、高温ハンダや銀(Ag)ペーストなどでできた導電性接着剤で形成されることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
また、第1の電極パッド311、312と第2の電極パッド313、314が対向する位置で本体310にビア電極319が貫通形成されることにより、第1の電極パッド311、312と第2の電極パッド313、314とを電気的に連結することができる。
【0035】
また、第1の電極パッド311、312と第2の電極パッド313、314は、第1及び第2の金属端子510、520を接合するための空間を十分に確保することができるように長さ方向の外側に伸びて形成され、必要に応じて、本体310の長さ方向の両側面から露出するように伸びることができる。
【0036】
また、第1の電極パッド311、312と第2の電極パッド313、314は、その表面にメッキ層が形成されることができる。
【0037】
上記メッキ層は、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)、Au(金)、Cu(銅)などからなることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
図7は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品に適用される積層セラミックキャパシタの一部を切開して示す斜視図である。
【0039】
なお、第2の積層セラミックキャパシタ200はその構成が第1の積層セラミックキャパシタ100とほぼ同じであるため、その詳細な説明を省略し、以下では、第1の積層セラミックキャパシタ100についてのみ説明する。
【0040】
図7を参照すると、本実施形態の第1の積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110と、第1及び第2の内部電極121、122と、第1及び第2の外部電極131、132と、を含むことができる。
【0041】
セラミック本体110は、複数の誘電体層111を積層した後に焼成して形成される。セラミック本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数は、多様に変更可能であり、本実施形態の図示に限定されない。
【0042】
また、セラミック本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界が走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いなくては確認できないほどに一体化されることができる。
【0043】
また、セラミック本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性層と、上下マージン部であって上記活性層の上下にそれぞれ配置された上部及び下部カバー層112、113と、を含むことができる。
【0044】
上記活性層は、誘電体層111を介して複数の第1及び第2の内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0045】
誘電体層111の厚さは、積層セラミックキャパシタ100の容量設計に合わせて任意に変更可能である。
【0046】
また、誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0047】
上部及び下部カバー層112、113は、内部電極を含まないことを除き、上記活性層の誘電体層111と同じ材質及び構成を有することができる。
【0048】
また、上部及び下部カバー層112、113は、単一の誘電体層又は二つ以上の誘電体層を上記活性層の上下にそれぞれ厚さ方向に積層して形成され、基本的に物理的又は化学的ストレスによる第1及び第2の内部電極121、122の損傷を防止する役割を行うことができる。
【0049】
第1及び第2の内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する電極であり、誘電体層111に所定の厚さで導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して形成されることができる。
【0050】
上記導電性ペーストに含まれる導電性金属は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)又はこれらの合金であればよいが、本発明はこれに限定されない。
【0051】
また、上記導電性ペーストの印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0052】
第1及び第2の内部電極121、122は、セラミック本体110内に、誘電体層111の積層方向に沿って互いに対向するように交互に積層されることができる。
【0053】
よって、第1及び第2の内部電極121、122は、誘電体層111を介してセラミック本体110の長さ方向の両側面から交互に露出するように配置されることができる。
【0054】
第1の内部電極121と第2の内部電極122は、中間に配置された誘電体層111によって電気的に絶縁される。
【0055】
また、第1及び第2の内部電極121、122は、セラミック本体110の長さ方向の両側面から交互に露出した部分が第1及び第2の外部電極131、132の後述する第1及び第2のボディ部とそれぞれ機械的に接触することにより、それぞれ第1及び第2の外部電極131、132と電気的に接続されることができる。
【0056】
したがって、第1及び第2の外部電極131、132に電圧を印加すると、対向する第1及び第2の内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。
【0057】
この際の積層セラミックキャパシタ100の静電容量は、上記活性層において第1及び第2の内部電極121、122の重なり合う領域の面積に比例する。
【0058】
また、第1及び第2の内部電極121、122の厚さは、用途に応じて決定されることができる。
【0059】
第1及び第2の外部電極131、132は、導電性金属を含む導電性ペーストによって形成されることができる。
【0060】
上記導電性金属は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)又はこれらの合金であればよいが、本発明はこれに限定されない。
【0061】
第1及び第2の外部電極131、132は、第1及び第2のボディ部131a、132aと、第1及び第2のバンド部131b、132bと、を含むことができる。
【0062】
第1及び第2のボディ部131a、132aは、セラミック本体110の長さ方向の両側面にそれぞれ配置された部分であり、第1及び第2のバンド部131b、132bは、第1及び第2のボディ部131a、132aからセラミック本体110の実装面である下面の一部まで伸びて形成された部分である。
【0063】
第1及び第2のバンド部131b、132bは、基板300の第1の電極パッド311、312上に第1の導電性接着層315、316によって接合されて基板300と電気的に接続される。
【0064】
第1及び第2のバンド部131b、132bは、セラミック本体110の上面、長さ方向の両側面及び幅方向の両側面の一部のうち少なくとも一面までさらに伸びて形成されることができる。
【0065】
本実施形態では、第1及び第2の外部電極131、132の第1及び第2のバンド部131b、132bが第1及び第2のボディ部131a、132aからセラミック本体110の上面、長さ方向の両側面及び幅方向の両側面の一部まで全て伸びてセラミック本体110の両端部を全て覆うように形成されたことを図示して説明しているが、本発明はこれに限定されない。
【0066】
また、第1及び第2の外部電極131、132は、導電性金属粒子を含む絶縁樹脂層、例えば、絶縁エポキシなどの塗布によって形成された上記絶縁樹脂層を含むことから、外部からの機械的ストレスなどを吸収するため、セラミック本体110と第1及び第2の内部電極121、122にクラックが発生することを防止する役割を行うことができる。
【0067】
本実施形態によれば、基板300の上下面にキャパシタが対向して実装されるため、部品を小型化させ且つ静電容量を向上させることができるという効果がある。
【0068】
モールディング部400は、例えば、EMCモールド材などの材料を射出して形成され、基板300と第1及び第2の積層セラミックキャパシタ100、200を取り囲むように形成される。
【0069】
モールディング部400は、湿気及び水分が第1及び第2の積層セラミックキャパシタ100、200に浸透することを防止し、第1及び第2の積層セラミックキャパシタ100、200と基板300との固着強度を改善させることができる。
【0070】
第1及び第2の金属端子510、520は、一端が基板300の第2の電極パッド313、314と接続され、他端がモールディング部400の外に引き出されて外部端子(図示せず)に接続する役割をすることができる。
【0071】
第1及び第2の金属端子510、520は、一端が基板300の一面に離隔して配置された第2の電極パッド313、314とそれぞれ接続され、他端がモールディング部400の長さ方向の両側面からそれぞれ露出する第1及び第2の接合部513、523と、モールディング部400の一主面に互いに離隔して配置される第1及び第2の端子部512、522と、モールディング部400の長さ方向の両側面にそれぞれ配置され、第1及び第2の接合部513、523の露出した部分と第1及び第2の端子部512、522の一端とを連結する第1及び第2の連結部511、521と、を含むことができる。
【0072】
第1及び第2の接合部513、523、第1及び第2の連結部511、521及び第1及び第2の端子部512、522はそれぞれ、単一の金属板材をモールディング部400の外面に沿って2回折り曲げて形成されることができる。
【0073】
第1及び第2の金属端子510、520は、外部からの機械的応力を吸収するため、第1及び第2の積層セラミックキャパシタ100、200の損傷を防止することができる。
【0074】
また、リップル(ripple)電流による第1又は第2の積層セラミックキャパシタ100、200の発熱が第1及び第2の金属端子510、520を通じて放熱されるため、第1又は第2の積層セラミックキャパシタ100、200の温度上昇を抑制し信頼性を向上させることができる。
【0075】
また、第1及び第2の金属端子510、520の第1及び第2の接合部513、523上に、第2の電極パッド313、314との固着強度を向上させることができるように接着層514、524がさらに配置されることができる。
【0076】
一方、本実施形態では、第1及び第2の金属端子510、520が基板300の本体310の下面に配置された第2の電極パッド313、314に接続され且つモールディング部400の下面に伸びる形を図示して説明している。
【0077】
しかしながら、第1及び第2の金属端子510、520は、本実施形態の図示に限定されず、必要に応じて、基板300の本体310の上面に配置された第1の電極パッド311、312に接続され、モールディング部400の上面に伸びて形成されることもできる。
【0078】
<変形例>
図8は、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品における基板と複数の積層セラミックキャパシタの配置構造を概略的に示す分解斜視図であり、図9は、図8の基板の底面図であり、図10は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品における基板と金属端子の結合構造を概略的に示す斜視図であり、図11は、図10の積層セラミックキャパシタと基板を取り囲むようにモールディング部を形成したことを示す斜視図である。
【0079】
ここで、前述した本発明の一実施形態と同じ構造及び作用についてはその具体的な説明を省略する。
【0080】
図8図11を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品は、基板3000と、第1及び第2の積層セラミックキャパシタ1000、2000と、モールディング部4000と、第1及び第2の金属端子5110、5120と、を含む。
【0081】
本実施形態の積層セラミック電子部品は、複数の積層セラミックキャパシタ1000、2000を直列及び並列に連結させて構成することにより、サイズに対して耐電圧と静電容量を拡張させることができる。
【0082】
本実施形態の基板3000は、本体3100と、本体3100の上面に長さ方向に離隔して配置された複数の第1の電極パッド3111、3113、3114と、本体3100の下面に長さ方向に離隔して配置された複数の第2の電極パッド3112、3115、3116と、を含む。
【0083】
第1の積層セラミックキャパシタ1000は、長さ方向に隣接する左右の第1の電極パッド3111、3113、3114に第1及び第2の外部電極1310、1320がそれぞれ接続されるように配置される。
【0084】
第1の電極パッド3111、3113、3114は、本体3100の上面に長さ方向に互いに離隔して配置され、それぞれの第1の積層セラミックキャパシタ1000の第1及び第2の外部電極1310、1320の後述する第1及び第2のバンド部の下面に機械的に接触することにより、それぞれの第1の積層セラミックキャパシタ1000と電気的に接続される。
【0085】
また、第1の電極パッド3111、3113、3114の上面に、必要に応じて、導電性接着層がそれぞれ配置されることにより、第1の電極パッド3111、3113、3114と第1の積層セラミックキャパシタ1000の第1及び第2の外部電極1310、1320の後述する第1及び第2のバンド部の下面とが接合され且つその接合強度が向上するようにすることができる。
【0086】
第2の積層セラミックキャパシタ2000は、長さ方向に隣接する左右の第2の電極パッド3112、3115、3116に第1及び第2の外部電極1310、1320がそれぞれ接続されるように配置されることができる。
【0087】
第2の電極パッド3112、3115、3116は、本体3100の下面に長さ方向に互いに離隔して配置され、本体3100を介して第1の電極パッド3111、3113、3114に対応して配置されることができる。
【0088】
第2の電極パッド3112、3115、3116は、本体310の下面に長さ方向に互いに離隔して配置され、それぞれの第2の積層セラミックキャパシタ2000の第1及び第2の外部電極2310、2320の後述する第1及び第2のバンド部の上面に機械的に接触することにより、それぞれの第2の積層セラミックキャパシタ2000と電気的に接続される。
【0089】
また、第2の電極パッド3112、3115、3116の下面に、必要に応じて、導電性接着層がそれぞれ配置されることにより、第2の電極パッド3112、3115、3116と第2の積層セラミックキャパシタ2000の第1及び第2の外部電極2310、2320の後述する第1及び第2のバンド部の上面とが接合され且つその接合強度が向上するようにすることができる。
【0090】
また、第1の電極パッド3111、3113、3114と第2の電極パッド3112、3115、3116が対向する位置で本体3100にビア電極3119が貫通形成されることにより、第1の電極パッド3111、3113、3114と第2の電極パッド3112、3115、3116とを電気的に連結することができる。
【0091】
また、第1の電極パッド3111、3113、3114と第2の電極パッド3112、3115、3116は、第1及び第2の金属端子5110、5120を接合するための空間を十分に確保することができるように長さ方向の外側に伸びて形成され、必要に応じて、本体3100の長さ方向の両側面から露出するように伸びることができる。
【0092】
また、第1の電極パッド3111、3113、3114と第2の電極パッド3112、3115、3116は、その表面にメッキ層が形成されることができる。
【0093】
モールディング部4000は、基板3000と第1及び第2の積層セラミックキャパシタ1000、2000を取り囲むように形成される。
【0094】
第1及び第2の金属端子5110、5120は、一端が基板3000の本体3100の長さ方向の両端部に配置された第2の電極パッド3115、3116と接続され、他端がモールディング部4000の外に引き出されて外部端子(図示せず)に接続する役割をすることができる。
【0095】
第1及び第2の金属端子5110、5120は、一端が基板3000の長さ方向の両端に配置された第2の電極パッド3115、3116とそれぞれ接続され、他端がモールディング部4000の長さ方向の両側面からそれぞれ露出する第1の接合部5111及び第2の接合部(図示せず)と、モールディング部4000の下面に互いに離隔して配置される第1及び第2の端子部5112、5122と、モールディング部4000の長さ方向の両側面にそれぞれ配置され、第1の接合部5111及び第2の接合部(図示せず)の露出した部分と第1及び第2の端子部5112、5122の一端とを連結する第1及び第2の連結部5113、5123と、を含むことができる。
【0096】
第1及び第2の連結部5113、5123は、少なくとも一つ以上の溝5114、5124を有することができる。
【0097】
溝5114、5124は、第1及び第2の金属端子5110、5120の体積(volume)を小さくすることにより剛性を減らして弾性変形が起こりやすくなるようにするため、振動遮断効果をより大きくすることができる。
【0098】
また、第1及び第2の金属端子5110、5120の第1の接合部5111及び第2の接合部(図示せず)上に、必要に応じて、基板3000の長さ方向の両端に配置された第2の電極パッド3115、3116との固着強度を向上させることができるように接着層がさらに配置されることができる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0100】
100、1000 第1の積層セラミックキャパシタ
110、210 セラミック本体
111 誘電体層
112、113 上部及び下部カバー層
121、122 第1及び第2の内部電極
131、132 第1及び第2の外部電極
1310、1320 第1及び第2の外部電極
131a、132a 第1及び第2のボディ部
131b、132b 第1及び第2のバンド部
200、2000 第2の積層セラミックキャパシタ
231、232 第1及び第2の外部電極
2310、2320 第1及び第2の外部電極
300、3000 基板
310 本体
311、312、3111、3113、3114 第1の電極パッド
313、314、3112、3115、3116 第2の電極パッド
315、316、317、318 接着層
319、3119 ビア電極
400 モールディング部
510、520 第1及び第2の金属端子
5110、5120 第1及び第2の金属端子
511、521 第1及び第2の連結部
5113、5123 第1及び第2の連結部
512、522 第1及び第2の端子部
5112、5122 第1及び第2の端子部
513、523 第1及び第2の接合部
5111 第1の接合部
514、524 接着層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11