特許第6556084号(P6556084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6556084電動作業車両のための非接触充電システム及び電動草刈機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6556084
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】電動作業車両のための非接触充電システム及び電動草刈機
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190729BHJP
   A01D 34/68 20060101ALI20190729BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20190729BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20190729BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20190729BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20190729BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H02J7/00 301D
   A01D34/68 K
   H02J7/00 P
   H02J50/10
   B60M7/00 X
   B60L53/12
   H02J50/80
   B60L5/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-65374(P2016-65374)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-184360(P2017-184360A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】伊東 寛和
(72)【発明者】
【氏名】萬治 寧大
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/076804(WO,A1)
【文献】 特開平09−213378(JP,A)
【文献】 特開2016−010382(JP,A)
【文献】 特開2013−001228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D34/00−34/01
34/412−34/90
42/00−42/08
43/06−43/077
B60L1/00−13/00
15/00−15/42
50/00−58/40
B60M1/00−7/00
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル給電回路部と、前記コイル給電回路部の上方に配置された一次コイルとを含み、地面に配置される一次コイルユニットと、
機体フレームの後部で左右一対の後輪の間に配置されたバッテリパックと、
前記一次コイルとの間で電磁結合する二次コイルと、
前記二次コイルからの電力を整流して前記バッテリパックに供給する充電回路部と、
前記二次コイルを前記バッテリパックの下部に配置するコイル支持部材と、を備え
前記バッテリパックの後側下部に凹部が形成されており、前記凹部に前記二次コイルが配置されている電動作業車両のための非接触充電システム。
【請求項2】
前記充電回路部が前記バッテリパックの上部に取り付けられている請求項1に記載の非接触充電システム。
【請求項3】
前記一次コイルユニットには、前記一次コイルを昇降させる昇降機構が設けられている請求項1または2に記載の非接触充電システム。
【請求項4】
地面に配置される一次コイルユニットとの間で電磁結合する二次コイルと、
機体フレームの後部で左右一対の後輪の間に配置されたバッテリパックと、
前記二次コイルからの電力を整流して前記バッテリパックに供給する充電回路部と、
前記二次コイルを前記バッテリパックの下部に配置するコイル支持部材と、
を備え、
前記バッテリパックの後側下部に凹部が形成されており、前記凹部に前記二次コイルが配置され、
前記機体フレームの前部にモーアユニットが昇降可能に吊り下げられ、前記バッテリパックからモータ給電回路部を介して供給される電力によって前記後輪を駆動する電動モータユニットが前記後輪の間で前記後輪の車軸心より前方に配置されている電動草刈機。
【請求項5】
前記電動モータユニットが、左トランスミッションを介して一方の後輪を駆動する左モータと右トランスミッションを介して他方の後輪を駆動する右モータとからなり、前記左モータと前記左トランスミッションとが前記一方の後輪と前記バッテリパックとの間に配置され、前記右モータと前記右トランスミッションとが前記他方の後輪と前記バッテリパックとの間に配置されている請求項に記載の電動草刈機。
【請求項6】
最上昇位置の前記モーアユニットの下面は前記二次コイルの下面より低い請求項またはに記載の電動草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動作業車両のための非接触充電システムと、この非接触充電システムを組み込んだ電動草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によるフォークリフトでは、地面に敷設された一次側の非接触給電用パッド(一次側コイル)と電磁結合することで電力を受け取る二次側の非接触給電用パッド(二次側コイル)が、前輪と後輪との間で、フォークリフトの一方の側方の下面に設けられている。フォークリフトのように、走行機体に取り付けられる作業装置としてのフォークリフト機構が前輪の前方に配置される場合には、前輪と後輪との間の機体の下部に比較的スペースの余裕があるので、二次側コイルを前輪と後輪との間に配置することができる。一次側コイルは、地面や地面に設置された支持台に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−082339号公報(図7図17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動草刈機では、走行機体に取り付けられる作業装置としてのモーアユニットは、後輪より前方に配置されるので、後輪より前方の領域における機体フレームの下部、つまり地面に近い領域には自由に利用できるスペースが少ない。また、バッテリパックの重量が大きいので、機体の安定性からバッテリパックは車体の低い位置に配置することが好ましい。このことから、電動草刈機のような電動作業車両に用いられる非接触充電システムでは、バッテリパックと一次側コイルと二次側コイルの適切な配置が重要となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による、電動作業車両のための非接触充電システムは、コイル給電回路部と前記コイル給電回路部の上方に配置された一次コイルとを含み、地面に配置される一次コイルユニットと、機体フレームの後部で左右一対の後輪の間に配置されたバッテリパックと、前記一次コイルとの間で電磁結合する二次コイルと、前記二次コイルからの電力を整流して前記バッテリパックに供給する充電回路部と、前記二次コイルを前記バッテリパックの下部に配置するコイル支持部材とを備え、前記バッテリパックの後側下部に凹部が形成されており、前記凹部に前記二次コイルが配置されている
【0006】
この構成では、地面側には、コイル給電回路部と一次コイルとを有する一次コイルユニットが配置され、電動作業車両の機体側には、一次コイルとの間で電磁結合する二次コイルが取り付けられる。二次コイルは、コイル支持部材によって、機体フレームの後部で左右一対の後輪の間に配置されたバッテリパックの下部に配置される。走行時に地面に存在する障害物との接触を避けるために二次コイルは、できるだけ地面からの高い位置に配置されるので、一次コイルの位置の高くする必要がある。この構成では、一次コイルユニットは、二段構造となっており、コイル給電回路部が下段に、一次コイルユニットが上段に配置されているので、構造的に、一次コイルユニットは地面から高い位置となって好都合である。さらに、前記バッテリパックの後側下部に凹部が形成されており、前記凹部に前記二次コイルが配置されている。これにより、二次コイルは、剛性の高いバッテリパックによって、その周囲の少なくとも一部分は保護されるので、外部との接触による破損等が抑制される。
【0007】
充電回路部は、大きな電流が通過する整流器が含まれており、比較的大きな形状となるので、広く安定した設置場所が必要となる。このため、本発明による好適な実施形態では、前記充電回路部が前記バッテリパックの上部に取り付けられている。バッテリパックは、長方体ないしは長方体の組み合わせ体といったようにその外形は比較的単純であることから、その上部は比較的広く平坦となっているので、同所に、充電回路部が安定的に取り付けられる。
【0009】
後輪の空気圧が変動する場合や付加的な積荷の重さが変動する場合、電動作業車両側に取り付けられている二次コイルの対地高さが変わることになり、一次コイルと二次コイルとの間隔が最適値から外れてしまう。これは、充電効率に悪影響を与えるので、一次コイルと二次コイルとの間隔は最適値に近づける必要がある。この目的のため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記一時コイルユニットには、前記一次コイルを昇降させる昇降機構が設けられている。この昇降機構によって、一次コイルの対地高さを調整し、一次コイルと二次コイルとの間隔を最適値に設定することができる。
【0010】
本発明による非接触充電システムを組み込んだ電動草刈機の好適な実施形態の1つでは、前記機体フレームの前部にモーアユニットが昇降可能に吊り下げられ、前記バッテリパックからモータ給電回路部を介して供給される電力によって前記後輪を駆動する電動モータユニットが前記後輪の間で前記後輪の車軸心より前方に配置されている。この構成では、バッテリパックが機体フレームの後部に配置されることにより、機体重心が機体後方となり、機体バランスが悪くなるという問題を、モーアユニットと電動モータユニットによって解消することができる。
【0011】
さらに、本発明による電動草刈機の好適な実施形態の1つでは、前記電動モータユニットが、左トランスミッションを介して一方の後輪を駆動する左モータと右トランスミッションを介して他方の後輪を駆動する右モータとからなり、前記左モータと前記左トランスミッションとが前記一方の後輪と前記バッテリパックとの間に配置され、前記右モータと前記右トランスミッションとが前記他方の後輪と前記バッテリパックとの間に配置されている。この構成により、走行動力伝達系を構成する電動モータユニットやトランスミッションなどの重量物を後輪の車軸心の近くに集約することになり、機体の安定性及び走行動力伝達系のコンパクト化が実現する。
【0012】
モーアユニットは、草刈作業走行中は地面に接近し、非作業走行中は最上昇位置に引き上げられ、地面から離れる。モーアユニットは、二次コイルより機体前方に位置するため、走行中において、二次コイルのガードの役割を果たしている。このため、最上昇位置の前記モーアユニットの下面は前記二次コイルの下面より低くなるように設定されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】非接触充電システムを組み込んだ電動作業車両の基本構成を模式的に示す側面図である。
図2】非接触充電システムを組み込んだ電動作業車両の基本構成を模式的に示す平面図である。
図3】非接触充電システムの電気回路の基本構成を示す機能ブロック図である。
図4】電動草刈機の側面図である。
図5】電動草刈機の平面図である。
図6】機体フレームにおける、バッテリパックと電動モータユニットとトランスミッションとの支持構造を示す斜視図である。
図7】バッテリパックと非接触充電システムとを示す領域の、機体前後方向の鉛直面で切断された縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図2とを用いて、非接触充電システムを組み込んだ電動作業車両の基本構成を説明する。なお、この明細書において、機体前後方向は、機体の走行方向に沿って水平方向に延びる機体中心軸(機体長手軸とも称する)の方向であり、機体横断方向(単に横方向とも称する)とは、機体中心軸に直交して水平方向に延びる方向である。「前(前方)」は機体前後方向で前進側を意味し、「後(後方)」は機体前後方向で後進側を意味する。「左(左側)」は、機体前進方向を向いて左を意味し、「右(右側)」は、機体前進方向を向いて右を意味する。
【0015】
この電動作業車両は、機体横断方向に間隔をあけて機体前後方向に延びた左フレーム21と右フレーム22と、左フレーム21と右フレーム22とを接続する少なくとも1つのクロスビーム23とを含む機体フレーム20を備えている。前輪ユニット11を構成する左前輪11Lと右前輪11Rとは、機体フレーム20の前部に配置されている。後輪ユニット12を構成する左後輪12Lと右後輪12Rとは、機体フレーム20の中央より後側に配置されている。以下において、特に区別する必要がない場合には、左前輪11Lと右前輪11Rとはその総称として前輪ユニット11なる語句が使用され、左後輪12Lと右後輪12Rとはその総称として後輪ユニット12なる語句が使用される。後車軸心Prは機体横断方向に延びている。
【0016】
バッテリパック6は、左フレーム21と右フレーム22との間で、機体フレーム20の後半領域に配置されており、側方視で、バッテリパック6の前端部が後車軸心Prより前方、ほぼ後輪ユニット12の前端付近に位置している。バッテリパック6の後端は、ほぼ機体フレーム20の後端に位置している。図2から明らかなように、バッテリパック6は、左フレーム21と右フレーム22との間にほぼぴったりと収まる幅を有し、等幅で機体前後方向に延びている。また、バッテリパック6の前半部は、後輪ユニット12の車軸空間に入り込んでいる。バッテリパック6は、略長方体から前側上部領域と後側上部領域とがカットされたような形状であり、このカットされた後側上部領域が扁平な直方体形状の後凹部BSを作り出しており、カットされた前側上部領域が扁平な直方体形状の前凹部FSを作り出している。
【0017】
駆動輪である後輪ユニット12を駆動する電動モータユニット4は、左後輪12Lに回転動力を伝達する左モータ4Lと、右後輪12Rに回転動力を伝達する右モータ4Rとからなる。図2に示すように、左モータ4Lは、前凹部FSの左側領域に入り込んでいる。右モータ4Rは、前凹部FSの右側領域に入り込んでいる。左モータ4Lと右後輪12Rとは左右対称の位置に配置されており、左モータ4Lと左後車軸ケース31Lとは、左トランスミッション30Lで連結され、右モータ4Rと右後車軸ケース31Rとは、右トランスミッション30Rで連結されている。なお、左トランスミッション30Lは左フレーム21の外側に配置され、右トランスミッション30Rは右フレーム22の外側に配置されている。左モータ4Lと右モータ4Rとは、電動モータユニット4と総称される。左トランスミッション30Lと右トランスミッション30Rとは、トランスミッション30と総称される。左後車軸ケース31Lと右後車軸ケース31Rとは、後車軸ケース31と総称される。電動モータユニット4の上方には、運転座席16が配置され、空間が有効に利用されている。
【0018】
バッテリパック6を非接触で充電する非接触充電システムは、地面に配置される一次コイルユニット8と、電動作業車両に取り付けられる二次コイルユニット7とからなる。図1の例では、一次コイルユニット8は、2段構造であり、下段にコイル給電回路部81が配置され、上段に一次コイル80が配置され、コイル給電回路部81と一次コイル80との間に昇降機構8aが設けられている。昇降機構8aによって一次コイル80の地上高さを調整することができる。コイル給電回路部81と一次コイル80と昇降機構8aとは、ボックス状のハウジング8bに収納されており、ハウジング8bには、移動用の車輪85と、停止位置を保持するストッパ86が設けられている。二次コイルユニット7は、一次コイル80との間で電磁結合する二次コイル70と、二次コイル70からの電力を整流してバッテリパック6に供給する充電回路部71とを備えている。図1の例では、二次コイルユニット7を構成する二次コイル70と充電回路部71とは一体化されておらず、二次コイル70はバッテリパック6の下部に配置され、充電回路部71はバッテリパック6の上部に配置されている。二次コイル70は、バッテリパック6の下部に形成された凹部である後凹部BSに入り込んでおり、コイル支持部材79を用いてバッテリパック6または機体フレーム20あるいはその両方に支持されている。
【0019】
図3に示されているように、一次コイルユニット8のコイル給電回路部81には、整流回路82と通信制御部83とインバータ84とが含まれている。二次コイルユニット7の充電回路部71には、整流回路72と通信制御部73とが含まれている。整流回路82は、電源ケーブルを介して商用電源に接続されており、DC電圧を生成し、インバータ84に与える。インバータ84は入力したDC電圧から交番電圧を生成して、一次コイル80に流す。一次コイル80と電磁結合した二次コイル70で生成された交番電圧は充電回路部71の整流回路72に流されることで、整流回路72から所定の電圧値を有する充電用DC電圧が出力される。整流回路72はバッテリパック6に接続されており、充電用DC電圧によって充電用電流がバッテリパック6に送り込まれる。
【0020】
コイル給電回路部81の通信制御部83と充電回路部71の通信制御部73とは、無線通信によって情報交換可能である。バッテリパック6の充電時には、充電情報を交換して、コイル給電回路部81及び充電回路部71を制御する。コイル給電回路部81または充電回路部71あるいはその両方に、一次コイル80と二次コイル70とが適正位置に入ったことを報知する報知デバイス(ブザー91やランプ92ランプなど、図1参照)が備えられている。
【0021】
なお、バッテリパック6は、出力先としてのパワードライブユニット5に接続されている。パワードライブユニット5には、モータ制御部50とインバータ51が備えられており、モータ制御部50からの制御信号に基づいてインバータ51から出力されたモータ駆動電流が左モータ4L及び右モータ4Rに送られる。
【0022】
次に、図面を用いて、電動作業車両の具体的な実施形態の1つを説明する。図4は、電動作業車両の一例であるミッドマウント型の電動草刈機の側面図であり、図5は平面図である。この電動草刈機(以下単に草刈機と称する)は、図1図2図3を用いて説明した、非接触充電システムを採用している。
【0023】
図4図5に示されているように、草刈機は、車体10を備えており、車体10は、左前輪11Lと右前輪11Rとからなるキャスタタイプの前輪ユニット11と、回転駆動される左後輪12Lと右後輪12Rとからなる後輪ユニット12とによって対地支持されている。車体10は、ベースフレームとして機体フレーム20を有している。機体フレーム20は、左フレーム21と、右フレーム22と、左フレーム21と右フレーム22を連結するクロスビーム23とからなる。前輪ユニット11と後輪ユニット12との間で、モーアユニット13がリンク機構14を介し機体フレーム20から吊り下げられている。モーアユニット13には、ブレード伝動機構131と、このブレード伝動機構131によって回転するブレード132が備えられている。車体10の車体前後方向中央領域に運転座席16が配置されている。
【0024】
図6に示されているように、左フレーム21及び右フレーム22は、前後方向に延びたその中間領域から上下に分岐し後領域で再び連結している。つまり、左フレーム21は、後半分領域で、上フレーム部21aと下フレーム部21bとを含んでいる。同様に、右フレーム22は、後半分領域で、上フレーム部22aと下フレーム部22bとを含んでいる。側面視で、左フレーム21の上フレーム部21aと下フレーム部21bとの間の領域に左トランスミッション30Lが配置され、右フレーム22の上フレーム部22aと下フレーム部22bとの間の領域に右トランスミッション30Rが配置されている。左トランスミッション30Lには左後車軸ケース31Lがつながっており、この左後車軸ケース31Lに左後輪12Lが支持されている。右トランスミッション30Rには右後車軸ケース31Rがつながっており、この右後車軸ケース31Rに右後輪12Rが支持されている。左後車軸ケース31Lは、左後輪12Lの左後車軸41を内装して軸受け支持する筒状体であり、その外形は円錐台形状である。同様に、右後車軸ケース31Rは、右後輪12Rの右後車軸42を内装して軸受け支持する筒状体であり、その外形は円錐台形状である。バッテリパック6は、バッテリパック6の重心が、平面視において、車体前後方向中心線上にほぼ位置しており、かつ後車軸心Prから前側および後側で後輪半径の長さ内に入るように配置されている。
【0025】
左トランスミッション30Lは、ギヤ伝動機構によって構成されており、左後車軸ケース31Lの中心軸心でもある後車軸心Prに直交するように車体前後方向前方に延びている。左トランスミッション30Lと左後車軸ケース31Lは一体的に構成されており、左トランスミッション30Lの入力部に左モータ4Lが連結している。同様に、右トランスミッション30Rは、ギヤ伝動機構によって構成されており、右後車軸ケース31Rの中心軸心でもある後車軸心Prに直交するように車体前後方向前方に延びている。右トランスミッション30Rと右後車軸ケース31Rは一体的に構成されており、右トランスミッション30Rの入力部に右モータ4Rが連結している。
【0026】
左モータ4Lと右モータ4Rとに対する変速操作は、運転座席16の両側に配置された、左右一対の変速レバー18(図3及び図4参照)によって行われる。変速レバー18を前後中立位置に保持すると対応する左モータ4Lまたは右モータ4Rは停止状態となり、変速レバー18を中立位置から前方に操作することで正転駆動して前進変速が実現し、後方に操作することで後転駆動して後進変速が実現する。左右一対の変速レバー18の独立した操作により、左モータ4Lと右モータ4Rとはそれぞれ独立して可変速駆動可能である。
【0027】
図6図7に示すように、バッテリパック6は、バッテリケース60に収納された複数のバッテリモジュール6Aを備えている。バッテリケース60は、上下2つ割れの成形品であり、上ケース60aと、下ケース60bとからなる。なお、ここでは、バッテリケース60の前半分を前ケース部61と称し、後半分を後ケース部62と称する。
【0028】
後ケース部62は、前ケース部61に対して上方にずれており、これにより、バッテリケース60は、前ケース部61と後ケース部62との間で段差を有する段差立方体形状となっている。
【0029】
図7に示すように、上ケース60aと下ケース60bとに分割されるバッテリケース60の内部には、前ケース部61と後ケース部62とにわたって内部を上下に二分する水平仕切り壁63が設けられている。この水平仕切り壁63によって、前ケース部61の内部は上側の第1空間S1と下側の第2空間S2とに区分けされ、後ケース部62の内部は上側の第3空間S3と下側の第4空間S4とに区分けされる。水平仕切り壁63は板材であり、折り曲げ加工を通じてバッテリケース60と同様な上下段差を有するように成形され、第2空間S2と第3空間S3と第4空間S4とがほぼ同一な形状及び体積となっている。第1空間S1は、幅と高さが他の空間より小さくなっている。第1空間S1と第3空間S3との間には垂直仕切り壁64が設けられている。
【0030】
第1空間S1には電装ユニット68が収納されている。第2空間S2と第3空間S3と第4空間S4のそれぞれには、同じ仕様のバッテリモジュール6Aが収納されている。このバッテリモジュール6Aの内部に、多数のバッテリセル6aが収納されている。
【0031】
第1空間S1には、バッテリモジュール6Aと外部とを接続する電力線に設けられたリレーやフューズなどからなる電装ユニット68が収納される。垂直仕切り壁64には、第1空間S1の空気を吸引して第3空間S3に送り込む循環ファン69が装着されている。循環ファン69の電気系は電装ユニット68に組み込まれている。バッテリケース60の内部には、循環ファン69から出て、第3空間S3、第4空間S4、第2空間S2を通り抜けて第1空間S1に達し、循環ファン69に戻る循環空気流路(図7において矢印で示されている)が形成される。この循環空気流路を流れる循環空気によって、バッテリケース60の4つの空間の温度が均等化される。
【0032】
図7に示すように、二次コイル70は、バッテリパック6の下ケース60bの下面に向き合うように、コイル支持部材79に保持されている。コイル支持部材79は、左フレーム21の下フレーム部21bと右フレーム22の下フレーム部22bとを連結するクロスバーを介して機体フレーム20に固定されている。二次コイル70は、その磁力線が上下方向を向く姿勢で、左側の下フレーム部21bと右側の下フレーム部22bとの間に配置されているので、下フレーム部21bと右側の下フレーム部22bとが機体横断方向の防御柵となっている。
【0033】
一次コイルユニット8は、その一次コイル80が二次コイル70の真下に位置するように動かされる。その際、機体横断方向の位置調整は、一次コイルユニット8の移動で行い、機体前後方向の位置調整は草刈機の微速前後進で行うことができる。一次コイル80と二次コイル70とが適正な位置関係となった時(適正な電力が伝達されあ時)に、報知する報知デバイスとしてのブザー91とランプ92がコイル支持部材79に取り付けられている。同様な報知デバイスを一次コイルユニット8に設けてもよい。さらに、草刈機の操縦による一次コイル80と二次コイル70との位置合わせのために、操縦パネルのランプをこの報知デバイスとして兼用できるようにしてもよい。
【0034】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、一次コイルユニット8は、一次コイル80とコイル給電回路部81とを二段重ねで備えていたが、横並び配置でもよい。
(2)上述した実施形態では、一次コイルユニット7は、二次コイル70と充電回路部71とを分割して、バッテリパック6の下部と上部とに分けて配置したが、両者を一体化して、バッテリパック6の下部に配置してもよい。
(3)上述した実施形態では、本発明の非接触充電システムを組み込んだ電動作業車両として電動草刈機が取り上げられたが、田植機やコンバインやトラクタなどの農作業機、バックホウやバケットローダなどの建機なども適用対象である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の非接触充電システムは、充電可能なバッテリパックを備えた電動作業車両に適用可能である。本発明の電動草刈機は、非接触充電システムを採用する電動草刈機に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
4 :電動モータユニット
5 :パワードライブユニット(モータ給電回路部)
6 :バッテリパック
7 :二次コイルユニット
8 :一次コイルユニット
8a :昇降機構
8b :ハウジング
10 :車体
11 :前輪ユニット
12 :後輪ユニット
13 :モーアユニット
20 :機体フレーム
50 :モータ制御部
51 :インバータ
70 :二次コイル
71 :充電回路部
72 :整流回路
73 :通信制御部
79 :コイル支持部材
80 :一次コイル
81 :コイル給電回路部
82 :整流回路
83 :通信制御部
84 :インバータ
85 :車輪
86 :ストッパ
91 :ブザー
92 :ランプ
BS :後凹部(凹部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7