(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、第1タッチ検出部40と、第2タッチ検出部60とを備えている。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10がタッチ検出機能を内蔵した表示装置である。タッチ検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている表示パネル20と、表示パネル20による画像の表示領域101a(
図10参照)へのタッチ操作を検出するタッチパネル30とを一体化した装置である。なお、タッチ検出機能付き表示部10は、表示パネル20の上にタッチパネル30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。オンセルタイプの場合、表示パネル20とタッチパネル30とは個別の構成として設けられる。表示パネル20は、表示素子として液晶表示素子を用いている構成に限られない。例えば、表示パネル20は、有機EL表示パネルであってもよい。
【0011】
表示パネル20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う素子である。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、第1タッチ検出部40及び第2タッチ検出部60に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0012】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0013】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、後述する各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。
【0014】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、後述する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを供給する回路である。
【0015】
タッチパネル30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、相互静電容量方式によりタッチ検出動作を行い、表示領域101a(
図10等参照)を含む検出領域に対する外部の導体の接触又は近接を検出する。タッチパネル30は、自己静電容量方式によりタッチ検出動作を行ってもよい。
【0016】
図2は、第1タッチ検出部40の主要機能構成を示すブロック図である。第1タッチ検出部40は、制御部11から供給されるクロック信号等の制御信号と、タッチパネル30から供給される第1タッチ検出信号Vdet1に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する回路である。また、第1タッチ検出部40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。この第1タッチ検出部40は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とを備える。検出タイミング制御部46は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。
【0017】
上述のとおり、タッチパネル30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作する。ここで、
図3から
図7を参照して、本実施形態のタッチパネル30の相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。
図3は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触又は近接していない状態を表す説明図である。
図4は、
図3に示す指が接触又は近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。
図5は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触又は近接した状態を表す説明図である。
図6は、
図5に示す指が接触又は近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。
図7は、駆動信号Vcom及び第1タッチ検出信号Vdet1の波形の一例を表す図である。なお、以下の説明では、指が接触又は近接する場合を説明するが、指に限られず、例えばスタイラスペン等の導体を含む物体であってもよい。なお、駆動信号Vcomは、駆動電極COMLに出力される信号を示す記載であって、特定の電圧による信号をさす記載でない。
【0018】
例えば、
図3に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。
図4に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば
図2に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
【0019】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加されると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、
図7に示すような出力波形(第1タッチ検出信号Vdet1)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、例えば、駆動電極ドライバ14から入力される駆動信号Vcomに相当する。
【0020】
指が接触又は近接していない状態(非接触状態)では、
図3及び
図4に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I
0が流れる。
図4に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
0の変動を電圧の変動(実線の波形V
0(
図7参照))に変換する。
【0021】
一方、指が接触又は近接した状態(接触状態)では、
図5に示すように、指によって形成される静電容量C2が、タッチ検出電極E2と接触している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られる。このため、容量素子C1は、
図6に示すように、非接触状態での容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、
図6に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I
1が流れる。
図7に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
1の変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から接触又は近接する導体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
【0022】
図1に示すタッチパネル30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomに従って、1検出ブロックずつ順次走査して、相互静電容量方式によるタッチ検出を行う。
【0023】
タッチパネル30は、後述する複数の第1タッチ検出電極TDLから、
図4又は
図6に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎に第1タッチ検出信号Vdet1を出力する。第1タッチ検出信号Vdet1は、第1タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42に供給される。
【0024】
タッチ検出信号増幅部42は、タッチパネル30から供給される第1タッチ検出信号Vdet1を増幅する。なお、タッチ検出信号増幅部42は、第1タッチ検出信号Vdet1に含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去して出力する低域通過アナログフィルタであるアナログLPF(Low Pass Filter)を備えていてもよい。
【0025】
A/D変換部43は、駆動信号Vcomに同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
【0026】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による検出信号の差分のみ取り出す処理を行う。この指による差分の信号は、上述した波形V
0と波形V
1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した指による差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧未満であれば、外部近接物体が非接触状態であると判断する。一方、信号処理部44は、検出した指による差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、しきい値電圧以上であれば、外部近接物体の接触状態と判断する。このようにして、第1タッチ検出部40はタッチ検出が可能となる。このように、第1タッチ検出部40は、第1タッチ検出電極TDLにおける静電容量の変化に基づいてタッチ操作を検出する。
【0027】
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。座標抽出部45は、タッチパネル座標を検出信号出力Vout1として出力する。以上のように、本実施形態のタッチパネル30は、相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、指などの導体が接触又は近接する位置のタッチパネル座標を検出することができる。
【0028】
図8は、第2タッチ検出部60の主要機能構成を示すブロック図である。第2タッチ検出部60は、制御部11から供給されるクロック信号等の制御信号と、タッチパネル30から供給される第2タッチ検出信号Vdet2に基づいて、第1タッチ検出部40よりもより細かいピッチでタッチの有無を検出する回路である。第2タッチ検出部60は、例えば、タッチ検出信号増幅部62と、A/D変換部63と、信号処理部64と、座標抽出部65と、検出タイミング制御部66と、合成部67とを備える。タッチ検出信号増幅部62、A/D変換部63、信号処理部64、座標抽出部65、検出タイミング制御部66の機能は、タッチ検出信号増幅部42、A/D変換部43、信号処理部44、座標抽出部45、検出タイミング制御部46の機能と同様である。第2タッチ検出部60と第2タッチ検出電極STDL(
図14等参照)との関係は、第1タッチ検出部40と第1タッチ検出電極TDLとの関係と同様である。第2タッチ検出電極STDLからの第2タッチ検出信号Vdet2は、第2タッチ検出部60のタッチ検出信号増幅部62に供給される。
【0029】
図9は、第2タッチ検出部60による指紋検出の仕組みを示す模式図である。合成部67は、例えば、第2タッチ検出電極STDLを用いた複数回のタッチ検出によって得られた複数回分の第2タッチ検出信号Vdet2を組み合わせて、第2タッチ検出電極STDLに対するタッチ操作を行っている外部近接物体の形状を示す2次元情報を生成する。具体的には、合成部67は、例えば外部近接物体(例えば、ヒトの指等)が有する凸凹によって生じるカバー部材5(
図11参照)への接触の度合いの差に応じて現れる検出強度の差異を色の濃淡(例えば、グレースケール)として表す2次元の画像を生成する。合成部67を有する第2タッチ検出部60の出力Vout2は、例えば、上記で説明した2次元情報の出力である。
【0030】
本実施形態では、1つの第2タッチ検出電極STDLの延設方向に交差する方向にヒトの指が相対的に移動するスイープ動作が行われることを前提としている。スイープ動作が行われると、
図9に示すように、後述する複数の駆動電極SCOMLと、1つの第2タッチ検出電極STDLとの交差点の各々が個別の検出ブロックとして機能して指の指紋による凹凸に応じた検出結果を出力する。スイープ動作による指の移動により各時刻(
図9に示す符号T1,T2,T3,…)で第2タッチ検出電極STDLと近接する指の位置が変わることから、1つの第2タッチ検出電極STDLにより指を2次元的に走査することができる。合成部67は、係る一次元の検出結果を時系列(
図9における符号T1,T2,T3,…)に並べて組み合わせることで、2次元の画像を得る。
【0031】
図9では、分かりやすさを目的としてタッチの有無のみを示す2階調検出を例示しているが、実際には各ブロックにおけるタッチ検出結果は多階調とすることができる。また、
図9では、検出されている外部近接物体が二重丸状の突起を有する物体であるが、外部近接物体が指紋を有するヒトの指である場合、2次元情報として指紋が現れることになる。また、合成部67の機能は、第2タッチ検出部60以外の構成が有していてもよい。例えば、第2タッチ検出部60の出力Vout2を座標抽出部65の出力とし、係る出力Vout2に基づいて外部の構成が2次元情報を生成するようにしてもよい。また、2次元情報の生成に係る構成は、回路等のハードウェアであってもよいし、所謂ソフトウェア処理によってもよい。
【0032】
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の構成例を詳細に説明する。
図10は、タッチ検出機能付き表示装置1のうち、特にタッチ検出に係る構成を模式的に示す平面図である。
図11は、タッチ検出機能付き表示装置1の概略断面構造を表すB−B断面図である。
図12は、実施形態に係るタッチ検出機能付き表示部10の画素配列を表す回路図である。タッチ検出機能付き表示部10の表示領域101aには、
図12に示すように、表示パネル20の構成として、表示領域101a内に複数の画素が設けられている。以下、表示部と記載した場合、表示パネル20の構成のうち、特に表示領域101a内に形成されている構成をさす。
【0033】
図11に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、画素基板2と、対向基板3とを有する。画素基板2と対向基板3とは重畳して配置される。タッチ検出機能付き表示装置1は、例えば、
図10に示すように、画像を表示させる表示領域101aと、表示領域101aの外側の額縁領域101bとを有する。表示領域101aは、例えば、長辺と短辺とを有する矩形状であるが、表示領域101aの形状は適宜変更可能である。額縁領域101bは、表示領域101aの縁の一部又は全部を囲う枠状となっている。
【0034】
表示領域101aには、複数の駆動電極COML及び複数の第1タッチ検出電極TDLが設けられている。複数の駆動電極COMLは、表示領域101aの所定の一方向に延在するとともに、当該一方向に直交する方向に並設されている。具体的には、複数の駆動電極COMLは、例えば、矩形状の表示領域101aの一辺に沿う方向に延在するとともに、当該一辺に直交する他辺に沿う方向に並設されている。第1タッチ検出電極TDLは、例えば、複数の駆動電極COMLが延在する所定の一方向に直交する方向に延在するとともに、当該一方向に並設されている。なお、第1タッチ検出電極TDLの延設方向をX方向とする。また、複数の駆動電極COMLの延設方向をY方向とする。また、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0035】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21の上方にマトリックス状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21と画素電極22との間に設けられた複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。TFT基板21の下側には、接着層を介して偏光板35Bが設けられていてもよい。
【0036】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。ガラス基板31の他方の面には、タッチパネル30の検出電極である第1タッチ検出電極TDLが設けられている。さらに、この第1タッチ検出電極TDLの上方には、偏光板35Aが設けられている。
【0037】
TFT基板21とガラス基板31とは、スペーサSP(
図16、
図17参照)を介して所定の間隔を設けて対向して配置される。TFT基板21とガラス基板31との間の空間に液晶層6が設けられる。液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶が用いられる。なお、
図11に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0038】
TFT基板21には、
図12に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ素子(以下、TFT素子)Tr、各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する駆動信号Vcomを供給する走査信号線GCL等の配線が形成されている。画素信号線SGL及び走査信号線GCLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在する。ここで、画素信号線SGLは、表示領域101a内に設けられた複数の画素(副画素SPix)に画像信号Vpixを伝送する配線として機能している。
【0039】
図12に示す表示パネル20は、マトリックス状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれTFT素子Tr及び液晶素子LCを備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0040】
副画素SPixは、走査信号線GCLにより、表示パネル20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12(
図1参照)と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、表示パネル20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13(
図1参照)と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14(
図1参照)と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、同じ一列に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。本実施形態の駆動電極COMLは、画素信号線SGLの延出方向と平行に延び、走査信号線GCLの延出方向と交差する方向に延びる。駆動電極COMLは、これに限定されず、例えば走査信号線GCLと平行な方向に延びていてもよい。
【0041】
図1に示すゲートドライバ12は、走査信号線GCLを順次走査するように駆動する。ゲートドライバ12は、走査信号線GCLを介して、走査信号Vscan(
図1参照)を副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13は、
図12に示す画素信号線SGLを介して、画素信号Vpixを、選択された1水平ラインを構成する副画素SPixに供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに画素駆動用の共通電位を供給する。
【0042】
図11に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域が周期的に配列されていてもよい。上述した
図12に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域が1組として対応付けられ、3色の色領域に対応する副画素SPixを1組として単位画素Pixが構成される。
図11に示すように、カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、3色の組み合わせに限定されず、4色以上の組み合わせであってもよい。
【0043】
駆動電極COMLは、表示パネル20の複数の画素電極22に共通の電位を与える共通電極として機能するとともに、タッチパネル30の相互静電容量方式によるタッチ検出を行う際に駆動信号が出力される電極としても機能する。また、駆動電極COMLは、タッチパネル30の自己静電容量方式によるタッチ検出を行う際の検出電極として機能してもよい。
【0044】
図13は、静電容量を形成する電極の一構成例を表す斜視図である。タッチパネル30は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられた第1タッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、Y方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンを含む。第1タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びる複数の電極パターンを含む。そして、第1タッチ検出電極TDLは、TFT基板21(
図11参照)の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。第1タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、第1タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続される(
図1参照)。駆動電極COMLの各電極パターンと第1タッチ検出電極TDLの各電極パターンとの交差部分に、それぞれ静電容量が形成される。
【0045】
第1タッチ検出電極TDL、駆動電極COML及び第2タッチ検出電極STDLは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料が用いられる。なお、第1タッチ検出電極TDL、駆動電極COML等、タッチ検出に用いられる電極の形状は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、第1タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、櫛歯形状等であってもよい。あるいは第1タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。第2タッチ検出電極STDL及び駆動電極SCOMLの形状についても、同様である。
【0046】
タッチパネル30では、相互静電容量方式のタッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が駆動電極ブロックとして時分割的に順次走査するように駆動することにより、駆動電極COMLの1検出ブロックが順次選択される。そして、第1タッチ検出電極TDLから第1タッチ検出信号Vdet1が出力されることにより、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極ブロックは、上述した相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、第1タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチパネル30はこの基本原理に従ってタッチ入力を検出するようになっている。
図13に示すように、タッチパネル30において、互いに交差した第1タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチパネル30のタッチ検出面全体に亘って走査することにより、外部からの導体の接触又は近接が生じた位置の検出が可能となっている。
【0047】
タッチパネル30のタッチ検出面(例えば、被覆部材である透光性のカバー部材5における対向基板3の反対側の面)は、表示パネル20による表示出力が行われる表示面でもある。よって、表示パネル20による表示出力が行われる表示領域101aと、タッチパネル30によるタッチ検出が行われる検出領域とは重複している。表示領域101aと検出領域との重畳の度合いは任意であるが、例えば、検出領域が表示領域101aを全てカバーすることが好ましい一形態として挙げられる。
【0048】
このように、タッチパネル30は、検出領域に並設された複数の駆動電極COMLと、複数の駆動電極COMLと非接触の位置であって駆動信号Vcomが出力された駆動電極COMLと静電容量を形成する位置で検出領域に並設された複数の第1タッチ検出電極TDLとを有し、静電容量の変化に基づいて検出領域に対するタッチ操作を検出するタッチ検出装置として機能する。
【0049】
上記の原理による表示領域101a内におけるタッチ検出に係る駆動電極COMLの駆動は、駆動電極ドライバ14の動作による。具体的には、画素基板2には、駆動電極ドライバ14を構成するスイッチ回路110及びシフトレジスタ130が形成されている。
【0050】
図14は、画素基板2に形成又は接続されている構成のうちタッチ検出に係る構成と、第2タッチ検出電極STDLとの関係を示す模式図である。スイッチ回路110は、電位線TSVCOM又は電位線TPLのいずれか一方を切替可能に駆動電極COMLに接続する回路である。この切替によって駆動電極COMLに対する駆動信号Vcomの出力の有無が切り替えられる。具体的には、電位線TSVCOMが接続されている場合、駆動電極COMLには駆動信号Vcomが印加される。すなわち、本実施形態の駆動電極ドライバ14は、スイッチ回路110によって電位線TSVCOMと駆動電極COMLとを接続状態にすることで駆動信号Vcomを駆動電極COMLに出力する。一方、電位線TPLが接続されている場合、駆動電極COMLには駆動信号Vcomが印加されない。スイッチ回路110は、複数の駆動電極COMLの各々について個別に駆動信号Vcomの出力の有無の切替が可能となるよう設けられている。
【0051】
シフトレジスタ130は、駆動電極Vcomが出力される駆動電極COMLをシフトさせる。具体的には、シフトレジスタ130は、例えば、駆動信号が出力される駆動電極COMLを、複数の駆動電極COMLが並ぶ方向の一端側から他端側に向かって順次遷移させるようにスイッチ回路110を動作させる。シフトレジスタ130の動作制御は、例えばDDIC(Display Driver Integrated Circuit)80によって行われる。
【0052】
DDIC80は、例えば、制御部11、ゲートドライバ12及びソースドライバ13に係る機能が実装されている。また、DDIC80には画素基板2の反対側に接続されたFPC70を介して外部からの信号(例えば、映像信号Vdisp、指紋検出実施信号Vtouch等)が伝送される。
【0053】
また、本実施形態では、DDIC80は、タッチ検出に係る各種の制御を行う。具体的には、DDIC80は、例えば表示領域101aにおけるタッチ検出(第1タッチ検出)に際して駆動電極ドライバ14を動作させて駆動電極COMLに駆動信号Vcomを出力させるとともに、第1タッチ検出部40を動作させる。また、DDIC80は、例えば指紋検出実施信号Vtouchに応じて行われるタッチ検出(第2タッチ検出)に際して、後述する表示領域外配線部300への駆動用信号の出力を行うとともに、第2タッチ検出部60を動作させる。
【0054】
実施形態では、例えば
図10に示すように、第1タッチ検出部40及び第2タッチ検出部60が所謂COF(Chip On Flexible)方式でFPC70に設けられているが、これはタッチ検出機能付き表示装置1が有する各種の集積回路の具体的配置例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0055】
次に、表示領域外の配線と第2タッチ検出電極STDLとの関係に係る説明を行う。DDIC80は、表示領域外配線部300及び切替回路150を介して画素基板2上の各構成と電気的に接続されている。
【0056】
表示領域外配線部300は、画素信号線SGLと電気的に接続された配線であって表示領域101a外に延出している配線を有する。具体的には、表示領域外配線部300は、例えばソースドライバ13として機能するDDIC80と画素信号線SGLとを接続する配線である。表示領域外配線部300は、複数の画素信号線SGLの数に応じた数の配線を有している。より具体的には、表示領域外配線部300は、例えば、画素基板配線部310と延出部320とを有する。画素基板配線部310は、画素基板2上であって、表示パネル20の表示領域101a外に形成された複数の配線を有する。当該配線は、例えば画素信号線SGLと同一の層に形成されているメタル配線であり、一端側が切替回路150を介して画素信号線SGLと接続されている。延出部320は、例えばFPC等の配線である。延出部320は、一端側が画素基板配線部310の他端側と接続され、他端側がDDIC80と接続されることで、画素基板配線部310によって表示領域101a外に延設されている画素信号線SGLの入力端とDDIC80の出力端とを接続している。
【0057】
なお、本実施形態の表示領域外配線部300は、画素基板配線部310と延出部320とを有しているが、これは表示領域外配線部300の具体的な一形態であってこれに限られるものでない。表示領域外配線部300は、例えば画素基板配線部310のみを有していてもよい。この場合、DDIC80は、例えばCOG(Chip On Glass)等の実装方法で画素基板2上に形成され、画素基板配線部310の他端側と接続される。
【0058】
また、
図14等では、延出部320の一端側と他端側の幅が異なっているが、これは画素基板配線部310の他端側が形成されている領域の幅(例えば、所定の一方向に直交する方向に沿う幅)とDDIC80の幅とが異なるため、画素基板配線部310の他端側からDDIC80に向かう方向に延出部320の配線が収束するように形成されていることを示しているに過ぎない。
図14等において図示されている延出部320のうち、他端側がDDIC80側に接続されていないように見える斜線部は、実際には画素基板形成部の他端側とDDIC80とを電気的に接続する配線が形成されている部分であり、当該斜線部が配線の他端側の非接続を示すものでない。
【0059】
切替回路150は、表示部と表示領域外配線部300との接続と切断とを切り替える。具体的には、切替回路150は、例えば、画素基板配線部310の一端側と、画素信号線SGLの入力端との間に介在するよう設けられたスイッチを有する。切替回路150は、スイッチのON/OFF動作に応じて画素基板配線部310の一端側と画素信号線SGLの入力端との接続(ON)と切断(OFF)とを切り替えるように動作する。切替回路150のON/OFF動作は、例えばDDIC80が出力する切替用の信号に応じるが、これは切替回路150の動作制御の一形態であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0060】
第2タッチ検出電極STDLは、表示領域外配線部300との間に静電容量を形成することが可能な位置に設けられる。具体的には、第2タッチ検出電極STDLは、例えば
図11に示すように、カバー部材5の偏光板35A側に形成されて、後述する画素基板配線部310への駆動用信号の印加に応じて画素基板2上に形成された画素基板配線部310との間に静電容量を形成する。当該静電容量は、第2タッチ検出電極STDLが形成された位置付近に対するタッチ操作に応じて変化する。当該静電容量に基づいた第2タッチ検出電極STDLからの出力は、第2タッチ検出における第2タッチ検出信号Vdet2として機能する。
【0061】
本実施形態では、画素基板配線部310が有する複数の配線は、所定の一方向に沿っている。また、第2タッチ検出電極STDLは、長手方向が所定の一方向に直交する方向に沿う電極として設けられており、本実施形態の画素基板配線部310が有する複数の配線とねじれの位置の関係になっている。本実施形態では、第2タッチ検出電極STDLの長手方向の幅は、画素基板配線部310が有する複数の配線が形成されている表示領域101a外の領域の幅(所定の一方向に直交する方向の幅)のうち一部の配線が形成されている領域に対応する幅を有しているが、第2タッチ検出電極STDLは、画素基板配線部310が有する複数の配線の全てをカバーする幅を有していてもよい。
【0062】
表示領域外配線部300は、第2タッチ検出における駆動電極SCOML(
図9参照)として機能する。具体的には、例えば、DDIC80は、指紋検出実施信号Vtouchに応じて、表示領域外配線部300に駆動用信号を出力する。指紋検出実施信号Vtouchは、例えば、第2タッチ検出の実施に係るトリガーとなる信号が得られた場合に外部から入力される。具体例を挙げると、タッチ検出機能付き表示装置1が接続されている外部の機器に対してDDIC80が第1タッチ検出信号Vdet1を伝送すると、第1タッチ検出信号Vdet1が示すタッチ検出結果に基づいて、当該外部の機器が指紋検出実施信号Vtouchをタッチ検出機能付き表示装置1に出力する。これによって、第2タッチ検出が行われることになる。DDIC80から表示領域外配線部300に出力される駆動用信号は、第2タッチ検出部60によるタッチ検出、すなわち、第2タッチ検出電極STDLと表示領域外配線部300(例えば、画素基板配線部310)との間に形成される静電容量の変化に基づいたタッチ検出における駆動信号Vcomとして機能する。第2タッチ検出部60は、当該静電容量に基づいて第2タッチ検出電極STDLから出力される第2タッチ検出信号Vdet2に基づいてタッチ検出を行う。なお、DDIC80は、ソースドライバ13として機能する場合、表示領域外配線部300、切替回路150及び画素信号線SGLを介して各副画素SPixに画素信号Vpixを出力する。このように、第2タッチ検出部60は、表示領域外配線部300とタッチ検出電極との間に形成された静電容量に基づいてタッチ検出を行うタッチ検出部として機能する。また、第2タッチ検出に際して形成される静電容量は、画像信号Vpixを出力する機能を有する回路(DDIC80)がタッチ検出(第2タッチ検出)に際して信号線に出力するタッチ検出信号(駆動用信号)の出力時に形成される。
【0063】
図15は、第2タッチ検出が行われる場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15は、例えば、第2タッチ検出を用いた指紋検出がタッチ検出機能付き表示装置1を待機状態から表示出力動作状態に移行させる待機解除入力用途に採用された場合の処理の流れを示すフローチャートである。この場合、タッチ検出機能付き表示装置1を待機状態にさせることに伴い、外部から指紋検出実施信号Vtouchが入力される。表示出力動作状態は、例えば第1タッチ検出を実施可能な状態とされる。
【0064】
DDIC80は、第2タッチ検出を実施可能な状態でタッチ検出機能付き表示装置1を待機させる(ステップS1)。この状態で第2タッチ検出電極STDL上で指のスイープ動作が開始されると、第2タッチ検出電極STDLから指の近接又は接触を示す第2タッチ検出信号Vdet2が出力される。所定時刻毎に第2タッチ検出信号Vdet2を取得することで(ステップS2)、第2タッチ検出結果(例えば、
図9参照)が示す指紋の凸凹が得られる(ステップS3)。その後、DDIC80は、タッチ検出機能付き表示装置1を第1タッチ検出を実施可能な状態に移行させる(ステップS4)。
【0065】
本実施形態では、DDIC80は、表示パネル20の動作時に切替回路150をONにし、第2タッチ検出時に切替回路150をOFFにする。すなわち、DDIC80は、画素信号Vpixの出力に際して切替回路150をONにして表示領域外配線部300と画素信号線SGLとを接続する。これによって、画素信号Vpixが各副画素SPixに伝送される。一方、DDIC80は、第2タッチ検出に際して切替回路150をOFFにして表示領域外配線部300と画素信号線SGLとを切断する。また、DDIC80は、第1タッチ検出時に切替回路150をOFFにするようにしてもよい。これによって、TFT素子Trのソース−ドレイン間のカップリング容量によるタッチ検出への影響をより確実に抑制することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、表示領域外配線部300のうち画素基板配線部310を駆動電極SCOMLとして用いているが、延出部320を駆動電極SCOMLとして用いてもよい。延出部320を駆動電極SCOMLとして用いる場合、タッチ検出機能付き表示装置1は、第2タッチ検出電極STDLに対する延出部320の位置が固定されている等、第2タッチ検出電極STDLと延出部320の配線との間に形成される静電容量が安定しやすくなるよう配慮された構成となっていることが好ましい。また、第2タッチ検出電極STDLの位置は、表示領域外配線部300と静電容量が形成される位置であればよく、具体的な位置は適宜変更可能である。
【0067】
図16及び
図17は、第2タッチ検出電極STDLの配置例を示す図である。なお、
図16及び
図17は、表示領域外配線部300及びDDIC80が画素基板2上に実装されている場合の構成例を示している。すなわち、
図16及び
図17では、表示領域外配線部300は、全て画素基板配線部310である。第2タッチ検出電極STDLは、
図11及び
図16に示すようにカバー部材5の偏光板35A側に形成されていてもよいし、
図17に示すように画素基板2に積層された絶縁層25上に形成されてもよい。
図17に示す構成の場合、第2タッチ検出電極STDLと指との間にカバー部材5が介在しないので、第2タッチ検出の感度をより高めやすくなる。また、第2タッチ検出電極STDLは、第1タッチ検出電極TDLと同一の層に形成されていてもよく、画素基板配線部310と交差するように配置されればその他の層に形成されても良い。また、
図14等で図示されている第2タッチ検出部60は、
図3等を参照して説明したタッチ検出の基本原理との関係を分かりやすくする目的でタッチ検出信号増幅部62に含まれる積分回路を図示しているが、実際の第2タッチ検出部60の構成は、
図8を参照して説明した通りである。
【0068】
以上、本実施形態によれば、第2タッチ検出電極STDLが、画素信号線SGLと電気的に接続された配線であって表示領域101a外に延出している配線を有する表示領域外配線部300との間に静電容量を形成し、当該静電容量に基づいて第2タッチ検出部60が第2タッチ検出を行う。これによって、表示装置が有する配線である画素信号線SGLに画素信号Vpixを表示装置の外部から入力するための配線として必然的に設けられた配線を有する表示領域外配線部300を第2タッチ検出に係る構成として利用することができる。従って、表示装置とタッチ検出に係る構成とで構成を共有することができることから、タッチ検出機能付き表示装置1の構成部品数をより少なくすることが容易になる。また、第2タッチ検出に係る構成を表示装置と一体的に設けることができることから、タッチ検出機能付き表示装置1をより薄くすることが容易になる。
【0069】
また、表示部と表示領域外配線部300との間の接続と切断とを切り替える切替回路150を備えることで、駆動用信号が伝送される範囲から画素信号線SGLが除かれ、駆動用信号が伝送される配線長がより短くなる。よって、画素基板配線部310を駆動信号SCOMLとして機能させるための駆動用信号の電位がより小さく済む。
【0070】
また、静電容量は、画像信号Vpixを出力する回路(例えば、DDIC80)がタッチ検出に際して画素信号線SGLに出力する信号(駆動用信号)の出力時に形成されるので、画素信号を出力する構成とタッチ検出に際して用いられる駆動用信号を出力する構成とを共通化することができる。
【0071】
また、表示領域101aへのタッチ操作を検出するタッチパネル30を備えるので、表示領域101a内のタッチ検出と表示領域101a外のタッチ検出の両方を行うことができる。
【0072】
以下、本発明の変形例及び他の実施形態について説明する。変形例及び他の実施形態は、特筆する事項を除いて実施形態1と同様の構成である。
【0073】
(変形例)
図18は、本発明に係る実施形態の変形例を示す図である。表示領域外配線部300の具体的形態は、
図14で例示した実施形態に限らず、適宜変更可能である。例えば、
図18に示すように、表示領域外配線部300Aの配線の延設方向は、画素基板2上に形成された他の構成に応じた方向であってよい。具体的には、変形例では、シフトレジスタ130Aが切替回路150よりも表示領域外寄りに配置されている。このため、変形例では、延出部321の配線がシフトレジスタ130Aの実装位置をよけるように延設されている。なお、シフトレジスタ130Aは、画素基板配線部310と異なる層に形成された中継配線を介してスイッチ回路110と接続されている。
【0074】
(実施形態2)
図19は、本発明の実施形態2における画素基板2に形成又は接続されている構成のうちタッチ検出に係る構成と、第2タッチ検出電極STDL2との関係を示す模式図である。実施形態2では、第1タッチ検出部40と第2タッチ検出部60が1つの回路(統合回路50)に統合されている。これによって、第1タッチ検出によるタッチ検出結果と第2タッチ検出によるタッチ検出結果との相互利用がより容易になる。
【0075】
具体的には、例えば指紋検出実施信号Vtouchに応じて第2タッチ検出を行うに際して、統合回路50は、当該第2タッチ検出に先立ち、まず第1タッチ検出部40の機能を用いて第1タッチ検出を行う。当該第1タッチ検出でヒトの指によるタッチ操作が検出された場合、統合回路50は、第2タッチ検出部60の機能を用いて第2タッチ検出を行う。
【0076】
より具体的には、統合回路50は、例えば駆動信号ExVCOMをDDIC80に出力する。駆動信号ExVCOMは、例えば、タッチ検出の実施タイミング及び実施されるタッチ検出が第1タッチ検出であるか第2タッチ検出であるかを示す信号である。また、駆動信号ExVCOMの出力とともに、統合回路50は、第2タッチ検出に際して駆動用信号を出力する対象とする表示領域外配線部300の配線を示す情報をDDIC80に出力する。当該情報は、例えば駆動信号ExVCOMが含む情報であってもよいし、独立した信号が示す情報であってもよい。ここで、駆動用信号を出力する対象とする表示領域外配線部300の配線とは、例えば第2タッチ検出電極STDL2がカバーする範囲に設けられている配線であって、第2タッチ検出に先立って実施された第1タッチ検出で特定された指のX方向の位置に応じた位置に設けられている配線である。
【0077】
指紋検出実施信号Vtouchに応じて、統合回路50は、第1タッチ検出を実施することを示す駆動信号ExVCOMをDDIC80に出力する。DDIC80は、駆動信号ExVCOMに基づいて駆動電極ドライバ14を動作させ、駆動電極COMLに対する駆動信号Vcomの出力を行わせる。統合回路50は、第1タッチ検出部40による第1タッチ検出を実施する。その後、統合回路50は、第1タッチ検出の検出結果が示す指の位置のうちX方向の位置に基づいて、駆動用信号を出力する対象とする表示領域外配線部300の配線を示す情報をDDIC80に出力する。DDIC80は、表示領域外配線部300の配線のうち、駆動用信号を出力する対象とされた配線に駆動用信号を出力する。第2タッチ検出部60は、当該情報が示す表示領域外配線部300の配線に駆動用信号が出力されていることを前提とした第2タッチ検出を実施する。これによって、第2タッチ検出を行う位置を第1タッチ検出によって得られた指の位置に追従させることができる。
【0078】
図20は、第1タッチ検出後に第2タッチ検出を行う場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。統合回路50は、第1タッチ検出を実施し(ステップS11)、ステップS11の処理による第1タッチ検出で得られる指の位置のうちX方向の位置を示す情報を取得する(ステップS12)。統合回路50は、ステップS12で得られたX方向の位置に応じた位置に設けられている表示領域外配線部300の配線に駆動用信号を出力し、X方向の位置に応じた位置で第2タッチ検出を行う(ステップS13)。
【0079】
なお、
図19では、第1タッチ検出で特定された指のX方向の位置に応じた第2タッチ検出をより実施しやすくする構成を示唆する目的で、
図14に示す第2タッチ検出電極STDLよりも長手方向の幅が大きい第2タッチ検出電極STDL2を図示しているが、各実施形態における第2タッチ検出電極の幅は任意である。また、実施形態2においても、表示領域外配線部300が有する配線のうち、第2タッチ検出電極STDLがカバーしている範囲に設けられている全ての配線に対する駆動用信号の出力を行ってもよい。
【0080】
実施形態2では、タッチ検出の実施タイミングは、表示パネル20における表示出力のタイミングと交互である。具体的には、例えば、フレーム単位での表示出力に際してDDIC80から出力される同期信号(VD/HD)が統合回路50に伝送される。なお、VDは表示パネル20の垂直方向の駆動に係る同期を示す信号(垂直同期信号)をさし、HDは表示パネル20の水平方向の駆動に係る同期を示す信号(水平同期信号)をさす。統合回路50は、当該同期信号から求められるフレーム単位での表示出力の完了タイミングに応じて第1タッチ検出部40を動作させ、駆動信号ExVCOMを出力する。DDIC80は、駆動信号ExVCOMに基づいて駆動電極ドライバ14を動作させ、駆動電極COMLに対する駆動信号Vcomの出力を行わせる。これによって、表示出力の完了後のタイミングで第1タッチ検出が実施される。
【0081】
DDIC80は、駆動信号ExVCOMから求められるタッチ検出の完了タイミングに応じて次のフレーム単位での表示出力を行う。その後、統合回路50はさらに第1タッチ検出を実施してもよいし、直前の第1タッチ検出で特定された指の位置に応じた第2タッチ検出を実施してもよい。係る表示出力のタイミングとタッチ検出の実施タイミングとの関係は、実施形態1等、他の実施形態及び変形例でも同様であってよい。
【0082】
(実施形態3)
図21は、符号分割選択方式における駆動の一例を説明する説明図である。上記で説明した実施形態1等では、駆動電極COMLが個別に駆動される場合を例示したが、駆動電極COMLの駆動方式は、これに限られない。具体的には、例えば
図21に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、駆動電極ドライバ14が、選択駆動電極ブロックBknの複数(
図21の例では、4つ)の駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4を同時選択して所定の符号に基づいて位相が決められた駆動信号Vcomを供給する。
図21では、駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4の右側に図示された波形が駆動信号Vcomの位相の一例を示している。例えば、所定の符号は、下記の式(1)の正方行列で定義される。式(1)における正方行列の次数は、選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4の数である4になる。式(1)の正方行列の対角成分「−1」は、当該正方行列の対角成分以外の成分「1」と異なる。符号「−1」は、「1」の符号(正符号)とは位相が異なるように決められた駆動信号Vcomを供給する符号(逆符号)である。駆動電極ドライバ14等は、式(1)の正方行列に基づいて、正方行列の対角成分以外の成分「1」に対応する上述した交流矩形波Sgの位相と、正方行列の対角成分「−1」に対応する上述した交流矩形波Sgの位相とが反転するように、駆動信号Vcomを伝送する。駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4は、それぞれ所定数の駆動電極COMLである。
【0084】
実施形態3では、上記で例示した選択駆動電極ブロックBknのように複数の駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4を同時に駆動し、符号分割選択(CDM:Code Division Multiplex)方式で検出を行う。
【0085】
例えば、選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4の走査上流から2番目の位置である駆動電極ブロックTx2に、指などの外部近接物体CQがある場合、相互誘導により外部近接物体CQによる差分の電圧が生じる(例えば差分の電圧は20%とする)。係る例では、第2タッチ検出部60が最初のタイミング(第1時間帯)に検出する第2タッチ検出信号Vdet2(Sensor Output Signal)は、(−1)+(0.8)+(1)+(1)=1.8になる。この「1.8」は、符号「1」の駆動信号Vcomの信号強度を基準とした信号強度である。また、第2タッチ検出部60が第1時間帯の次のタイミング(第2時間帯)に検出する第2タッチ検出信号Vdet2は、(1)+(−0.8)+(1)+(1)=2.2になる。また、第2タッチ検出部60が第2時間帯の次のタイミング(第3時間帯)に検出する第2タッチ検出信号Vdet2は、(1)+(0.8)+(−1)+(1)=1.8になる。また、第2タッチ検出部60が第3時間帯の次のタイミング(第4時間帯)に検出する第2タッチ検出信号Vdet2は、(1)+(0.8)+(1)+(−1)=1.8になる。
【0086】
実施形態3における座標抽出部65は、信号処理部64において検出された第2タッチ検出信号Vdet2(Sensor Output Signal)を式(1)の正方行列で掛け合わせる。選択駆動電極ブロックBknの駆動電極ブロックTx2の位置に指などの外部近接物体CQがあることを、駆動信号Vcomとして出力される信号の電圧を上げることなく時分割選択(TDM)駆動よりも高い精度(例えば、4倍)の検出感度で検出する。
【0087】
図21を参照した例では、便宜上4つの駆動電極ブロックTx1,Tx2,Tx3,Tx4を用いたCDM方式について説明したが、CDM方式で同時に駆動する駆動電極ブロックの数は任意である。また、CDM方式は、第1タッチ検出及び第2タッチ検出の両方に適用可能である。
【0088】
図22は、CDM方式における駆動信号ExVCOMと複数の対象に出力される駆動信号との関係の一例を示すタイミングチャートである。
図22では、CDM方式で駆動される対象(駆動電極COML又は表示領域外配線部300の配線)を、並び方向に沿って、Video<n>,Video<n+1>,Video<n+2>,Video<n+3>,…のように示している。
【0089】
CDM方式では、正符号を示すように駆動される駆動電極COML(又は配線)には駆動信号ExVCOMと同じ位相で駆動信号Vcom(又は駆動用信号)が出力される。一方、逆符号を示すように駆動される駆動電極COML(又は配線)には駆動信号ExVCOMと逆の位相で駆動信号Vcom(又は駆動用信号)が出力される。
図22では、表示出力と交互に実施されるタッチ検出の各々で逆符号を示すように駆動される対象が、Video<n>,Video<n+1>,Video<n+2>,Video<n+3>,…の順で遷移し、それ以外の対象が正符号を示すように駆動される例を示している。なお、同一タイミングで逆符号を示すように駆動される対象の数は1つに限られない。
【0090】
図23は、CDM方式において同一タイミングで正符号が付される対象と逆符号が付される対象との関係の一例を示す表である。
図23では、タッチ検出に際して同一タイミングに駆動される対象(駆動電極COML又は表示領域外配線部300の配線)の数が64である場合を例示しているが、これはあくまで一例であってこれに限られるものでない。
図23を参照した説明では、「時間」欄に記載されている番号(t:1〜12)のタイミングにおけるタッチ検出の実施タイミングを「実施タイミング(t)」と記載している。
【0091】
例えば、最初の実施タイミング(1)で全ての対象(1〜64)が正符号を示すように駆動される。次の実施タイミング(2)で、上流側の半分の対象(1〜32)が正符号を示すように駆動されるとともに、下流側の半分の対象(33〜64)が逆符号を示すように駆動される。その後の実施タイミング(3)で駆動される対象は、上流側から対象の総数を1/4単位で区切ったグループ(1〜16,17〜32,33〜48,49〜64)単位で正符号と逆符号を個別に切り替えるように駆動される。具体的には、対象(1〜16,33〜48)が正符号を示すように駆動されるとともに、対象(17〜32,49〜64)が逆符号を示すように駆動される。その後の実施タイミング(4)で駆動される対象は、最も下流側に位置するグループと、そのグループの上流側に位置するグループとの符号の正逆関係を直前の実施タイミング(3)と逆転するように駆動される。具体的には、対象(1〜16,49〜64)が正符号を示すように駆動されるとともに、対象(17〜48)が逆符号を示すように駆動される。ここで、対象(17〜48)は、対象(17〜32)と対称(33〜48)とを合わせた対象である。
【0092】
その後の実施タイミング(5)で駆動される対象は、上流側から対象の総数を1/8単位で区切ったグループ(1〜8,9〜16,17〜24,25〜32,33〜40,41〜48,49〜56,57〜64)単位で正符号と逆符号を個別に切り替えるように駆動される。具体的には、対象(1〜8,17〜24,33〜40,49〜56)が正符号を示すように駆動されるとともに、対象(9〜16,25〜32,41〜48,57〜64)が逆符号を示すように駆動される。その後の実施タイミング(6)で駆動される対象は、最も下流側に位置するグループと、そのグループの上流側に位置するグループとの符号の正逆関係を直前の実施タイミング(5)と逆転するように駆動される。具体的には、対象(1〜8,17〜24,41〜48,57〜64)が正符号を示すように駆動されるとともに、対象(9〜16,25〜40,49〜56)が逆符号を示すように駆動される。
【0093】
その後の実施タイミング(7)で駆動される対象は、前回の実施タイミングで入れ替え対象とされた2つのグループのうち上流側に位置するグループと、そのグループのさらに上流側に位置するグループとの符号の正逆関係を直前の実施タイミング(6)と逆転するように駆動される。具体的には、対象(1〜8,25〜40,57〜64)が正符号を示すように駆動されるとともに、対象(9〜24,41〜56)が逆符号を示すように駆動される。
【0094】
その後の実施タイミング(8)で駆動される対象は、最も下流側に位置するグループと、そのグループの上流側に位置するグループとの符号の正逆関係を直前の実施タイミング(7)と逆転するように駆動される。具体的には、対象(1〜8,25〜32,41〜56)が正符号を示すように駆動されるとともに、対象(9〜24,33〜40,57〜64)が逆符号を示すように駆動される。
【0095】
このように、CDM方式では、例えば、実施の継続に応じて、符号の正逆を切り替える単位となるグループを構成する対象の数をより小さくするとともに最も上流側に位置する対象のグループを一方の符号で固定し、その他のグループの正負を下流側から優先して順に入れ替えるように符号の正逆のパターンを切り替えるようにすることができる。実施タイミング(9)〜(12)では、対象の総数を1/16単位で区切ったグループ単位で正符号と逆符号を個別に切り替えている。図示していないが、実施タイミング(13)以降についても、同様の仕組みでグループ分け及び符号の切替を行うことができる。
図23では、最も上流側のグループを正符号で固定しているが、逆符号で固定してもよい。また、
図23に示すような正符号が付される対象と逆符号が付される対象との関係は、逆転していてもよい。
【0096】
以上、実施形態3によれば、第2モードでのタッチ検出の感度がより高まる。特に、第2タッチ検出では、第1タッチ検出に比して駆動される対象の並設ピッチがより細かいものになりやすいことから、1つの対象に対する駆動信号Vcomに応じて生じる静電容量に基づいた変化の度合い、すなわち、タッチ操作の有無に応じた静電容量の変化の度合いはより小さくなりやすい。このため、第2タッチ検出では、タッチ検出の感度の確保の難易度がより高まっている。係る条件下では特に第2タッチ検出にCDM方式を採用することで、十分な感度の確保がより容易になる。
【0097】
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例(実施形態等)を説明したが、本発明はこのような実施形態等に限定されるものではない。実施形態等で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0098】
図24は、第1タッチ検出に係る構成を有しない表示装置であって、第2タッチ検出に係る構成を有する表示装置の構成の一例を示す模式図である。第1タッチ検出に係る構成、すなわち、表示領域101aにおけるタッチ検出に係る構成は省略可能である。表示領域101aにおけるタッチ検出に係る構成が省略されている場合、
図24に示すように、上記の実施形態等において設けられていた駆動電極COMLは、表示領域内で全面的に連続する膜状又は板状の電極BCOMLに置換される。また、第1タッチ検出に際して用いられていた駆動電極ドライバ14の構成も省略される。具体的には、スイッチ回路110、シフトレジスタ130及び電位線TSVCOMは省略される。電極BCOMLは、例えば、電位線TPLと電気的に接続された定電位電極として設けられる。
【0099】
図25は、切替回路150が省略された構成の一例を示す模式図である。第2タッチ検出に際して、切替回路150による表示領域外配線部300と画素信号線SGLとの切断は必須でない。
図25に示すように、切替回路150は省略可能である。この場合、第2タッチ検出に係る駆動用信号を表示領域外配線部300に出力するタイミングでは走査信号Vscanは出力されず、全ての水平ラインが非選択(OFF)の状態となる。
【0100】
図26は、第2タッチ検出による検出領域を複数のタッチ検出領域B1,B2,B3として区別して扱う場合の一例を示す模式図である。
図27は、
図26に示す複数のタッチ検出領域B1,B2,B3を個別の入力部として利用した電子機器400の一例を示す模式図である。
図26に示すように、第2タッチ検出による検出領域を複数のタッチ検出領域B1,B2,B3に区切り、各タッチ検出領域B1,B2,B3におけるタッチ検出結果を個別に扱うようにしてもよい。この場合、例えば
図27に示すように、複数のタッチ検出領域B1,B2,B3にそれぞれ個別の入力部(例えば、ボタン配置エリアTPBにおけるボタン等)を設けることで、第2タッチ検出部60により検出されるタッチ検出結果を各入力部に対する入力操作の有無の検出に用いることができる。
【0101】
なお、
図26では、第2タッチ検出による検出領域をより大きく示す目的で、
図14に示す第2タッチ検出電極STDL等よりも長手方向の幅が大きい第2タッチ検出電極STDL3を図示しているが、実施形態2に係る説明で述べたように、第2タッチ検出電極の幅は任意である。また、第2タッチ検出による検出領域を区切ることによる複数のタッチ検出領域の数は、適宜変更可能である。
【0102】
また、第1タッチ検出と第2タッチ検出は、例えば実施形態2で説明したようにそれぞれ異なるタイミングに行われてもよいし、実施形態2で説明した例に限られず、並行して行われてもよい。
【0103】
また、実施形態等における駆動電極COMLの数、第1タッチ検出電極TDLの数、第2タッチ検出電極STLDの数等、例示及び図示した数的事項はあくまで一例であり、適宜変更可能である。