(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563191
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20190808BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20190808BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20190808BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20190808BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20190808BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20190808BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/81
A61K8/86
A61K8/60
C11D1/04
C11D3/37
A61Q19/10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-265341(P2014-265341)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-124803(P2016-124803A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100151596
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】小森谷 真澄
【審査官】
駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5572271(JP,B2)
【文献】
特開平02−142900(JP,A)
【文献】
特開2008−179583(JP,A)
【文献】
特開2013−001860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C11D1/00−19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)脂肪酸及び/又はその塩、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムを構成モノマーとして含有する、カチオン化ポリマーを洗浄剤組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%、
(C)重量平均分子量400万以上のポリエチレングリコールを前記組成物全量に対し、0.01〜0.5質量%及び
(D)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される1種以上のセルロース系高分子を含有することを特徴とする、洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記組成物全量に対する前記成分(A)の含有量が10〜60質量%である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記組成物全量に対する前記成分(D)の含有量が0.001〜0.5質量%である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記成分(A)が炭素数12〜18の高級脂肪酸及び/又はその塩から選択される1種以上を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
洗顔用である、請求項1〜4の何れか一項に記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚洗浄料においては、本来の機能である洗浄力に加えて、洗浄時に生じる泡の性質やタオルドライ後の感触が重要なポイントとされ、特に気泡の細かいクリーミーな泡質と、タオルドライ後の適度なしっとり感が、消費者に好まれる傾向にある。これまで、泡立ちの良さ、泡量、泡の硬さや泡の粘性といった泡質、タオルドライ後のさっぱり感やしっとり感等に関して多くの検討がなされてきた。
【0003】
例えば、フォーマー容器に充填された皮膚洗浄剤組成物であって、フォーマー容器から吐出した泡の弾力性及び擦り後の泡量が良好であり、すすぎ時のぬるつきがなく、すすぎ時間が短く、すすぎ後のさっぱり感が良好な、フォーマー容器入りの皮膚洗浄剤組成物が存在する(特許文献1参照)。
また、脂肪酸石けん系の処方中に、カチオン化高分子を配合することにより、泡質の向上と、タオルドライ後のしっとり感の向上を実現する技術が知られている。すすいだ後の肌表面に、水希釈により析出した水不溶性のコンプレックスと金属石鹸が付着し、すすいだ後の感触を調整するものである(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−208633号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn. Vol.46, No.4 2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、良好な泡質やタオルドライ後のしっとり感に関する検討はなされてきたが、実際に使用後の肌は水分蒸散が進んで乾燥を感じ、市場での満足を完全に得られるものではなかった。
本発明は、良好な泡質や、タオルドライ後のしっとり感に優れるだけでなく、肌の水分蒸散を抑制する皮膚洗浄剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記課題を解決するために研究を進め、脂肪酸及び/又はその塩に加え、塩化ジメチルジアリルアンモニウムを含有するカチオン化ポリマー及び重量平均分子量400万以上の高重合ポリエチレングリコールをそれぞれ特定量配合することにより、起泡性及び泡の粘性を高めることができること、洗浄後の肌には閉塞性の高い膜を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
(A)脂肪酸及び/又はその塩、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムを構成モノマーとして含有する、カチオン化ポリマー 0.1〜5.0質量%、
(C)重量平均分子量400万以上のポリエチレングリコール 0.01〜0.5質量%
を含有することを特徴とする、洗浄剤組成物。
[2]
前記成分(A)の含有量が10〜60質量%である、前記[1]に記載の洗浄剤組成物。
[3]
更に、(D)セルロース系高分子 0.001〜0.5質量%を含有する、前記[1]又は[2]に記載の洗浄剤組成物。
[4]
前記成分(D)がヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される1種以上を含む、前記[3]に記載の洗浄剤組成物。
[5]
前記脂肪酸が、炭素数12〜18の高級脂肪酸から選択される1種以上を含む、前記[1]〜[4]の何れかに記載の洗浄剤組成物。
[6]
洗顔用である、前記[1]〜[5]の何れかに記載の洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、泡立てた時に起泡性に富み、粘性の高い泡を形成し、洗浄時の使用感に優れた洗浄剤を提供できる。又、本発明により、洗浄後の肌に高重合ポリエチレングリコールを含む閉塞性の高いコンプレックス膜を形成させることが出来、従って洗浄後の肌の水分蒸散を抑制することで、洗浄後の肌の乾燥がない優れた洗浄剤を提供することができる。本発明は、洗浄中の使用感及び洗浄後の肌の水分蒸散抑制を両立させた洗浄剤であり、洗顔用洗浄剤として特に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の洗浄剤について説明するが、本発明の技術的範囲は、以下の具体的な実施形態にのみ限定されるものではない。
【0011】
本発明の洗浄剤は、(A)脂肪酸及び/又はその塩、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムを構成モノマーとして含有するカチオン化ポリマー 0.1〜5.0質量%、及び(C)重量平均分子量400万以上のポリエチレングリコール 0.01〜0.5質量%を組み合わせて配合する洗浄剤組成物であることを特徴とする。
本発明の洗浄剤組成物は、皮膚用洗浄剤組成物であることが好ましく、洗顔用洗浄剤組成物であることがさらに好ましい。
【0012】
本発明の実施態様に係る前記(A)脂肪酸及び/又はその塩における脂肪酸としては、炭素原子数が好ましくは8〜20、より好ましくは12〜18の、飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられる。又、直鎖状であっても分岐状であってもよいが、直鎖状が好ましい。具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等や、それらの混合物である牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げられる。特に酸化しにくく、入手のしやすい飽和の脂肪酸である、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。また、成分(A)を構成する脂肪酸及び/又はその塩は、単一成分でも良いが、2種又は3種以上混合されていることが好ましい。さらに、泡立ちを向上させ、使用後の保湿感を向上させるために、ラウリン酸を必須成分とすることが望ましい。
【0013】
また、脂肪酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;アルギニン、リジン等
の塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。成分(A)を構成する脂肪酸塩は、これらの塩を1種又は2種以上混合することができる。これらの中で、組成物が着色し難い点から、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましく、更にカリウム塩が好ましい。また、これらの脂肪酸塩は、必ずしも脂肪酸塩として洗浄剤組成物に配合する必要はなく、上記脂肪酸と塩基とをそれぞれ別個に添加し、組成物中で脂肪酸塩を形成させてもよい。
また、脂肪酸の中和度は、70% 〜 100 % が好ましく、より好ましくは、70 〜 85 % である。中和度が高すぎると、アリカリ性が強くなりすぎてしまい、中和率が低すぎると洗浄力が低下してしまうからである。
【0014】
成分(A)の含有量は、全組成中に、10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。そして、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
【0015】
本明細書における前記成分(B)は、塩化ジメチルジアリルアンモニウム(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、DADMAC)を必須のモノマーとして形成されるカチオン化ポリマーである。成分(B)は、DADMACの単独重合体であってもよいし、DADMACとDADMAC以外のモノマーとの共重合体であってもよい。
【0016】
成分(B)を構成する、DADMAC以外のモノマーの種類としては、ノニオン性モノマーが挙げられる。該ノニオン性モノマーとしては、特に限定されるものでないが、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N,N−ジ(エチレングリコール)アクリルアミド、N,N(ジ(エチレングリコール)メタクリルアミド、N−ポリエチレングリコール(10モル)アクリルアミド、N−ポリエチレングリコール(10モル)メタクリルアミド、N−ポリエチレングリコールエチルエーテル(10モル)アクリルアミド、N−ポリエチレングリコールエチルエーテル(10モル)メタクリルアミド等が好適例として挙げられる。中でもアクリルアミドが好ましく用いられる。
【0017】
成分(B)を構成する全モノマーにおけるDADMACの占める量としては、構成するモノマー全量に対して2〜100質量%が好ましく、より好ましくは5〜100質量%である。2質量%以下では共重合する他のモノマーの性質が強くなりすぎ、DADMACの機能が十分発揮できないためである。成分(B)は重量平均分子量5000〜750万であるのが好ましく、より好ましくは1万〜500万である。
【0018】
成分(B)が、DADMACとそれ以外のモノマーとの共重合体である場合、成分(B)を構成するDADMACとそれ以外のモノマーとのモル比(〔DADMAC〕:〔それ以外のモノマー〕)は、特に限定されないが、例えば、10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜80:20の範囲がより好ましく、30:70〜70:30の範囲がさらに好ましい。
【0019】
成分(B)が、DADMACとそれ以外のモノマーとの共重合体である場合、DADMAC/アクリルアミド共重合体が好適例として挙げられる。ただし該例示に限定されるものでない。
DADMAC重合体は、ポリクオタニウム-6とも称される。又、DADMAC/アクリルアミド共重合体は、ポリクオタニウム-7とも称される。
なお、ポリクオタニウム-39(アクリル酸/DADMAC/アクリルアミド共重合体)等の両性ポリマーは、成分(B)には該当しない。
【0020】
成分(B)の製造は、DADMACを用いて、あるいは他の共重合するモノマーを用いて、公知の方法で重合、共重合を行うことによって調製することができる。
【0021】
成分(B)は市販品を用いてもよく、例えば、DADMAC重合体は「マーコート100」(重量平均分子量150,000、ナルコ社製)、「MEポリマーH40W」(重量平均分子量250,000、東邦化学工業(株)製)等として市販され、DADMAC/アクリルアミド(AM)共重合体は、「マーコート550」(重量平均分子量1,600,000、DADMAC:AM=30:70、ナルコ社製)、「マーコート2200」(重量平均分子量900,000、DADMAC:AM=30:70、ナルコ社製)、「MEポリマー09W(重量平均分子量1,600,000、DADMAC:AM=30:70、東邦化学工業(株)製)」等として市販されており、これらを好ましく用いることができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。なお、ここで記載する「DADMAC:AM」はポリマーを構成するモノマーのモル比を意味する。
【0022】
前記成分(B)の配合量は、本発明の洗浄剤組成物中に0.1質量%〜5.0質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜1.0質量%、更に好ましくは0.2〜1.0質量%である。0.1質量%未満では泡質のクリーミーさが十分でなくなり、一方、多すぎると泡立ちの速さがやや低下し、またすすぎ時のヌルつきを感じることがある。
【0023】
前記成分(C)は重量平均分子量400万以上の高重合ポリエチレングリコールであり、重量平均分子量700万以上のポリエチレングリコールであることがより好ましい。又、分子量の上限値は特段限定されないが、例えば800万以下のものが好ましく例示できる。例えば、PEG−90M(重量平均分子量4,000,000程度、「ポリオックスWSR 301」(ダウ・ケミカル社製))、PEG−115M(重量平均分子量5,000,000程度、「ポリオックスWSR COAGULANT」(ダウ・ケミカル社製))、PEG−160M(重量平均分子量7,000,000程度、「ポリオックスWSR 303」(ダウ・ケミカル社製))、PEG−180M(重量平均分子量8,000,000程度、「ポリオックスWSR 308」(ダウ・ケミカル社製))などが挙げられる。成分(C)の配合量は、本発明の洗浄剤組成物中に0.01〜0.5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.2質量%、更に好ましくは0.02〜0.2質量%である。
【0024】
前記成分(A)、(B)及び(C)を組み合わせて配合することにより、洗浄剤組成物を泡立てた時に形成される泡からの排水を遅らせることが出来、それによって起泡性に富んだ粘性の高い洗浄剤を得ることが出来る。更に、洗顔後の肌に成分(C)を含む、閉塞性の高い、(A)と(B)の複合体膜を形成することができ、洗浄後の肌の水分蒸散を抑制できる。このような効果は、以下に記載する成分(D)をさらに組み合わせて配合することによって、一層高いものとなる。
【0025】
前記成分(D)として用いられるセルロース系高分子は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ、中でもヒドロキシアルキル基を有するものが好ましい。特に、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。ヒドロキシエチルセルロースの具体的な例としては、「フジケミHEC SZ−25」(住友精化(株)製)、ヒドロキシプロピルセルロースの具体的な例としては、「セルロースH」(日本曹達(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの具体的な例としては、マーポローズ60MP4000(松本油脂製薬(株)製)、メトローズ60SH−10000、メトローズ60SH−4000(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0026】
前記成分(D)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。又、前記成分(D)の配合量は、本発明の洗浄剤組成物中に0.001〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.2質量%であることがより好ましく、0.02〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
【0027】
本発明の洗顔料に於いては、前記の成分に加えて、通常洗浄料で使用される任意成分を、本発明の効果を損ねない範囲に於いて、含有することができる。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類; 流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類; セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等; イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ− 2 − エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ− 2 − エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ− 2 − ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ− 2 − エチルヘキサン酸グリセリン、トリ− 2 − エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ− 2 − エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類; ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン; オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン; アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類; 脂肪酸セッケン( ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類; 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類; イミダゾリン系両性界面活性剤( 2 − ココイル− 2 − イミダゾリニウムヒドロキサイド− 1 − カルボキシエチロキシ2 ナトリウム塩等) 、ベタイン系界面活性剤( アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類; ソルビタン脂肪酸エステル類( ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン脂肪酸類( モノステアリン酸グリセリン等) 、プロピレングリコール脂肪酸エステル類( モノステアリン酸プロピレングリコール等) 、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、P O E ソルビタン脂肪酸エステル類( P O E ソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等) 、P O E ソルビット脂肪酸エステル類( P O E − ソルビットモノラウレート等) 、P O E グリセリン脂肪酸エステル類( P O E − グリセリンモノイソステアレート等) 、P O E 脂肪酸エステル類( ポリエチレングリコールモノオレート、P OE ジステアレート等) 、P O E アルキルエーテル類( P O E 2 − オクチルドデシルエーテル等) 、P O E アルキルフェニルエーテル類( P O E ノニルフェニルエーテル等) 、プルロニック型類、P O E ・P O P アルキルエーテル類( P O E ・P O P 2 − デシルテトラデシルエーテル等) 、テトロニック類、P O E ヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体( P O E ヒマシ油、P O E 硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類; ポリエチレングリコール、グリセリン、1 , 3 − ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、イソプレングリコール、1 , 2 − ペンタンジオール、2 , 4 −ヘキサンジオール、1 , 2 − ヘキサンジオール、1 , 2 − オクタンジオール等の多価アルコール類; ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類; 表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ) 、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類; 表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類; 表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類; レーキ化されていてもよい赤色2 0 2 号、赤色2 2 8 号、赤色2 2 6 号、黄色4 号、青色4 0 4 号、黄色5 号、赤色5 0 5 号、赤色2 3 0 号、赤色2 2 3 号、橙色2 0 1 号、赤色2 1 3 号、黄色2 0 4号、黄色2 0 3 号、青色1 号、緑色2 0 1 号、紫色2 0
1 号、赤色2 0 4 号等の有機色素類; ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類; パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤; アントラニル酸系紫外線吸収剤; サリチル酸系紫外線吸収剤; 桂皮酸系紫外線吸収剤; ベンゾフェノン系紫外線吸収剤; 糖系紫外線吸収剤; 2 − ( 2 ’ − ヒドロキシ− 5 ’ − t − オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4 − メトキシ− 4 ’ − t − ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類; エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類; ビタミンA 又はその誘導体、ビタミンB 6塩酸塩、ビタミンB 6トリパルミテート、ビタミンB 6ジオクタノエート、ビタミンB 2又はその誘導体、ビタミンB 1 2、ビタミンB 1 5又はその誘導体等のビタミンB 類; α − トコフェロール、β − トコフェロール、γ − トコフェロール、ビタミンE アセテート等のビタミンE 類、ビタミンD 類、ビタミンH 、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等; フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
中でも、洗浄剤組成物の泡立ちをさらに高めることができるため、2価の多価アルコールが含まれることが好ましく、さらには、1 , 3 − ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが含まれることが好ましく、さらには1 , 3 − ブチレングリコールが含まれることが好ましい。また、2価の多価アルコールの配合量は、本発明の洗浄剤組成物中に0.1質量%〜5.0質量%であることが好ましく、さらには、0.5質量%〜3.0質量%であることが好ましく、さらには、1.0質量%〜3.0質量%であることが好ましい。5.0質量%以上では処方安定性が悪くなり、0.1質量%以下では、効果を十分に発揮できないからである。
本発明の洗浄剤組成物は、前記の成分を常法に従って処理することにより、製造することができる。
【実施例】
【0028】
<実施例1〜4及び比較例1〜5>
表1に示す処方に従い、各成分を混合することにより、本発明の洗浄剤組成物である洗
顔フォーム(実施例1〜4)及び比較例1〜5を作製した。なお、処方の数字の単位は質量%である。
また、実施例3、4は、本願発明の範囲外の参考例である。
【0029】
<使用感(泡立ちのよさ・泡の弾力)>
上記の通り調製された洗顔フォーム(実施例1〜4及び比較例1〜5)について、専門パネラー10名(20代〜50代の女性)による官能評価を行った。すなわち、洗顔時の使用感(泡立ちのよさ、泡の弾力)を評価した。評価結果を表1に示す。
なお、以下のスコアの平均値を評価結果とした。
5:使用感が非常によい、4:よい、3:普通、2:悪い、1:非常に悪い。
【0030】
<泡粘度>
上記の通り調整された洗顔フォーム(実施例1〜4及び比較例1〜5)を水道水で2%
に希釈し、ミキサーにて泡立てた(水温:28±1℃、ミキサー処理:30V、ミキサー撹拌時間30秒)。泡を瓶に移し、泡立て後から1分後の泡粘度をB型粘度計にて測定した。なお、結果を表1に示す。泡粘度の単位は(mPa・s)である。
【0031】
<水分蒸散量>
専門パネラー10名(20代〜50代の女性)が、室温25℃、湿度60%の条件において各洗顔フォームを用いて洗顔を行った後タオルドライし、2分後に角層水分量を測定した。該値を初期値とした。10分後、再度角層水分量を測定した。初期値を100%とし、10分後の角層水分保持率(%)を下記式により算出した。なお、水分量測定はコルネオメーター(Courage+Khazaka(ドイツ)社製)を用いた。
角層水分量保持率(%)=10分後の値/初期値×100
得られた結果を以下の通り分類し、表1に示した。
◎:90〜100%
○:85〜90%
△:80〜85%
×:75〜80%
【0032】
【表1】
【0033】
なお、表1におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、それぞれ、PEG−160M:平均分子量約7,000,000(ポリオックスWSR 303(ダウ・ケミカル社製))、PEG−9M:平均分子量約400,000(ポリオックスWSR N-3000(ダウ・ケミカル社製))、PEG−400:平均分子量約20,000(「PEG#20000」(日油(株)製))である。
また、上記実施例1〜4及び比較例1〜5の洗顔フォームの調製において、ポリクオタニウム7はマーコート550(ナルコ社製)を用い、ポリクオタニウム6はマーコート100(ナルコ社製)を用い、ポリクオタニウム39はマーコートプラス3330(ナルコ社製)を用いた。これらポリクオタニウムの市販形態は水溶液であるが、上記表1の配合
量表記では、各製品の量ではなく、ポリクオタニウムの量を記載している。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、良好な泡質や、タオルドライ後のしっとり感に優れるだけでなく、肌の水分蒸散を抑制する皮膚洗浄剤を提供する。