特許第6589963号(P6589963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6589963
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】車両のグリルシャッター制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20191007BHJP
   B60K 11/06 20060101ALI20191007BHJP
   F01P 7/12 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   B60K11/04 J
   B60K11/06
   B60K11/04 L
   F01P7/12 C
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-208960(P2017-208960)
(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公開番号】特開2019-81412(P2019-81412A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】坂下 泰靖
(72)【発明者】
【氏名】太田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】名越 匡宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬介
(72)【発明者】
【氏名】引谷 晋一
(72)【発明者】
【氏名】吉迫 淳紀
(72)【発明者】
【氏名】幸徳 正信
(72)【発明者】
【氏名】上野 利典
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−13638(JP,A)
【文献】 実開昭61−190433(JP,U)
【文献】 実開昭55−78718(JP,U)
【文献】 特開2013−119384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/04,
B60K 11/06,
F01P 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱性を有してエンジンを覆うカプセル化構造を備え、該カプセル化構造に備えたグリルシャッターの開閉を制御する車両のグリルシャッター制御装置であって、
上記エンジンに関連する関連部品にキーオフ時に熱害が発生するか否かを推定し、熱害非発生を推定した場合に、キーオフ時に上記グリルシャッターを閉める一方で、熱害発生を推定した場合に、キーオフ時に上記グリルシャッターを開ける構成とし
フロアトンネル下の排気管に電気駆動式の排気シャッターバルブを備えるとともに、上記排気管の下方にトンネルカバーを備える構造であり、
上記カプセル化構造が上記トンネルカバーを含むとともに、上記関連部品が上記排気シャッターバルブを含むものとする
車両のグリルシャッター制御装置。
【請求項2】
上記トンネルカバーにおける上記排気シャッターバルブの直下部位には貫通開口が設けられ、
底面視で上記貫通開口の周縁と上記排気シャッターバルブとの間には隙間を有する
請求項に記載の車両のグリルシャッター制御装置。
【請求項3】
熱害発生を推定した上記の場合、上記関連部品について推定された熱害が解除される熱害解除推定後に上記グリルシャッターを閉じる構成とした
請求項1又は2に記載の車両のグリルシャッター制御装置。
【請求項4】
車両走行中の上記関連部品の推定温度に基づきキーオフした際の熱害発生を推定し、推定される熱害発生の度合いに応じてキーオフ時の上記グリルシャッターの開期間を設定し、キーオフ時には上記グリルシャッターを上記開期間開き、その後閉じる構成とした
請求項に記載の車両のグリルシャッター制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、断熱性を有してエンジンを覆うカプセル化構造を備え、該カプセル化構造に備えたグリルシャッターの開閉を制御する車両のグリルシャッター制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2に例示されるように、エンジン再始動時の早期暖機による燃費向上の狙いからエンジンを断熱性を有するカプセル化部材や保温カバーで覆うとともに、キーオフ時にグリルシャッターを閉状態に制御してエンジンルームを保温する技術が知られている。
【0003】
しかしながら走行中に運転状態や走行条件等によってはエンジンや排気系部品等のエンジン関連部品が高温化することも起こり得る。このように高温化したエンジン等が、かなりの高温を維持する状態の下で停車してキーオフした際に、特許文献1、2の各発明のように、エンジン再始動時の暖機性能向上のためエンジンを保温カバー等で覆う構成においてグリルシャッターを画一的に閉状態に維持すると、エンジンルームやトンネル部内に長時間に渡って熱が籠ることになり、エンジン関連部品に熱害が及ぶことが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−119384号公報
【特許文献2】特開2017−013638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、キーオフ時にエンジンの関連部品の熱害を抑制させながらエンジンルームの保温を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、断熱性を有してエンジンを覆うカプセル化構造を備え、該カプセル化構造に備えたグリルシャッターの開閉を制御する車両のグリルシャッター制御装置であって、上記エンジンに関連する関連部品にキーオフ時に熱害が発生するか否かを推定し、熱害非発生を推定した場合に、キーオフ時に上記グリルシャッターを閉める一方で、熱害発生を推定した場合に、キーオフ時に上記グリルシャッターを開ける構成とし、フロアトンネル下の排気管に電気駆動式の排気シャッターバルブを備えるとともに、上記排気管の下方にトンネルカバーを備える構造であり、上記カプセル化構造が上記トンネルカバーを含むとともに、上記関連部品が上記排気シャッターバルブを含むものとする。
【0007】
上記構成によれば、キーオフ時にエンジンの関連部品の熱害を抑制させながらエンジンルームの保温が可能になる。
【0008】
さらに、上記構成によれば、キーオフ時に排気シャッターバルブの熱害を抑制できる。
【0009】
この発明の態様として、上記トンネルカバーにおける上記排気シャッターバルブの直下部位には貫通開口が設けられ、底面視で上記貫通開口の周縁と上記排気シャッターバルブとの間には隙間を有するものである。
【0010】
上記構成によれば、排気管の下方にトンネルカバーを備えても、貫通開口によってトンネルカバーを介した排気管の輻射熱による、排気シャッターバルブの熱害を抑制することができる。
【0011】
さらに、底面視で貫通開口の周縁と排気シャッターバルブとの間に隙間を設けることによって、熱害発生を推定した場合には上記グリルシャッターを開けることで、エンジンルーム等のカプセル化構造の内部において、上記隙間からグリル開口(シュラウドパネルの開口)への熱の流れを促して該グリル開口を通じてカプセル化構造の外側に熱を排出することができ、関連部品の熱害を抑制することができる。
【0012】
この発明の態様として、熱害発生を推定した上記の場合、上記関連部品について推定された熱害が解除される熱害解除推定後に上記グリルシャッターを閉じる構成としたものである。
【0013】
上記構成によれば、キーオフ時に開けたグリルシャッターを熱害解除推定されたタイミングにて閉じるため、その後はエンジンおよびその関連部品の保温が可能になる。
【0014】
この発明の態様として、車両走行中の上記関連部品の推定温度に基づきキーオフした際の熱害発生を推定し、推定される熱害発生の度合いに応じてキーオフ時の上記グリルシャッターの開期間を設定し、キーオフ時には上記グリルシャッターを上記開期間開き、その後閉じる構成としたものである。
【0015】
上記構成によれば、キーオフ時にタイマ制御のみでグリルシャッターを制御することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、キーオフ時にエンジンの関連部品の熱害を抑制させながらエンジンルームの保温を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態のグリルシャッター制御装置を備えた車両前部の要部を示す車幅方向の中央縦断面図。
図2】本発明の実施形態のエンジンのカプセル化構造を右斜め上、前方から見た斜視図。
図3】トンネルインシュレータおよびトンネルカバーを左斜め下、前方から見た斜視図。
図4】本発明の実施形態の車両のグリルシャッター制御装置の電気的構成を示すブロック図。
図5】本発明の本実施形態のグリルシャッター開閉制御を示すフローチャート。
図6図5中の走行中グリルシャッター制御処理を示すフローチャート。
図7】車両走行中のグリルシャッター開状態の走行風の流れを図1相当図にて模式的に示す作用説明図。
図8】車両走行中のグリルシャッター開状態の走行風の流れを車両底面視にて模式的に示す作用説明図。
図9】IG−OFF時にグリルシャッター開状態としたときのエンジンルームおよびトンネル部内の熱気の流れを図1相当図にて模式的に示す作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1図3に示すように、本実施形態の車両のグリルシャッター制御装置10の説明に先立って、まず車体構造について説明する。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Lは車両左方を示し、矢印Rは車両右方を示し、矢印Uは車両上方を示すものとする。
【0019】
図1に示すように、車両の前部にはエンジン2を配置するエンジンルームEと、その後方に形成される車室Cとを備えている。
【0020】
エンジンルームEは、上部を前下がりに車両前後方向に延びるボンネット3で区画され、前部を上下に位置するフロントバンパフェース4(以下、「バンパフェース4」と略記する。)で区画され、後部を上下方向に延びるダッシュパネル5によって区画されて構成している。
【0021】
エンジンルームEの左右両サイドには、図2に示すように、ダッシュパネル5の下部から車両の前方に延びる左右一対のフロントサイドフレーム6(右側のみ図示)を設けている。フロントサイドフレーム6の前端部にはクラッシュカン取付け用のセットプレート7を設けている。
【0022】
また図1に示すように、バンパフェース4の前面における車幅方向中央部には、走行風(フレッシュエア)をエンジンルームEに取入れるための前面開口部4aを形成している。前面開口部4aは、走行風が通過可能に多孔状に形成されたフロントグリル4bによって覆われている。
【0023】
バンパフェース4の後方には、後述するシュラウドパネル81(図1図2参照)を支持するためのバンパビーム9が配置されている。バンパビーム9は車幅方向に延びており、その両端部の後面が連結部材としての不図示のクラッシュカンを介して、前後方向に延びる左右のフロントサイドフレーム6の前端部に連結されている。
【0024】
また図1に示すように、エンジンルームEの後方下部には、前輪用の左右サスペンション(不図示)を連結するためのサスペンションクロスメンバ90(以下、「サスクロス90」と略記する。)が配設されている。このサスクロス90は車幅方向に延びる閉断面部90Aを構成している。
【0025】
同図に示すように、ダッシュパネル5はエンジンルームEと車室C側とを仕切るように上下方向かつ車幅方向に延びるパネル体で構成されており、その車幅中央には、トンネル部91につながるトンネル開口部92が設けられている。
【0026】
同図に示すように、ダッシュパネル5の後下端から後方にフロアパネル93が延びており、車両前後方向および車幅方向に広がる車室C床面を構成している。このフロアパネル93の車幅方向中央には、略ハット状に上方(車室C内方)に隆起するトンネル部91を形成している。
トンネル部91は、エンジンルームEの後方において前後方向に延びるように配設された排気系20に沿って車両前後方向に延びている。
【0027】
排気系20は、図1に示すように、主にエンジン2の排気側を構成する排気マニホールド21と、排気浄化のための2つの触媒コンバータ23a,23bと、プリサイレンサ24と、これら21,23a,23b,24の間に接続された排気管22等の排気系部品により構成され、トンネル部91の凹部空間内(以下、「トンネル部91内」という。)に収納されている。なお、2つの触媒コンバータ23a,23bは、排気通路の上流側の第1触媒コンバータ23aと下流側の第2触媒コンバータ23bとで構成されている。
【0028】
さらに、排気系20には、排気マニホールド21またはその下流側近傍には排気中の酸素濃度を検出するO2センサ25が設けられている。
【0029】
第2触媒コンバータ23bとプリサイレンサ24との間には、排気管22の内部の排気通路を絞る排気シャッターバルブ26が設けられている。排気シャッターバルブ26は、エンジン2の運転状態等に応じて不図示のアクチュエータによって開閉制御される電気駆動式を採用している。
【0030】
上述した車体構造には、図1図2に示すように、エンジン2(厳密にはエンジン2と変速機が組み合わされたパワートレイン2A)および、排気系部品等のエンジン2の関連部品を覆うカプセル化構造30を備えている。
【0031】
カプセル化構造30は、エンジン2の外周を覆うエンジン保温壁部(81,32〜36)をエンジンルームEに備えている。エンジン保温壁部は図1図2に示すように、エンジン2の前方、上方、左側方、右側方、後方および下方を夫々覆う、前壁部81、上壁部32、左壁部(図示省略)、右壁部34(図2参照)、後壁部35、下壁部36(図1参照)で構成している。
【0032】
同図に示すように、これら各壁部のうち上壁部32、左壁部(図示省略)、右壁部34、後壁部35および下壁部36は共に、合成樹脂製のカバー30aと保温性(断熱性)を有するグラスウール材やウレタン材等からなる保温材30b(図1参照)とを重ね合わせて構成している。
【0033】
ところで、図1図2に示すように、エンジン2の前方には、熱交換器としての不図示のラジエータやコンデンサを前方から覆った状態で保持するシュラウド8が配設されている。
【0034】
シュラウド8は、矩形枠状のシュラウドパネル81を備え、シュラウドパネル81の正面視内側には、前後方向に貫通するとともに、車幅方向に延びる複数のクロスステー82a,82bと車幅中央にて上下方向に延びるセンタステー82cによって上下方向および車幅方向に区分けされた複数の開口部83が設けられている。
【0035】
シュラウドパネル81には、車幅方向に延びる複数のグリルシャッター84が軸支されており、グリルシャッター84によって開口部83を開閉可能に該グリルシャッター84を揺動させるグリルシャッターアクチュエータ18(以下、「アクチュエータ18」と略記する。)(図4参照)を備えている。
【0036】
これにより、シュラウド8は、開口部83を通じて走行風をエンジンルームE(特に不図示のラジエータ)へと導入するとともに、グリルシャッター84の開閉によりエンジンルームEへの導風量を調整する。
【0037】
また図示省略するがアクチュエータ18の回転軸には、グリルシャッターポジションセンサ17(図4参照)が設けられており、グリルシャッターポジションセンサ17は、特にイグニションオフ((IG−OFF)時、すなわちキーオフ)時に回転軸の位置に応じてグリルシャッター84が全開状態或いは全閉状態であることを検出し、その検出信号を後述するECU11に出力する。
【0038】
なお当例では、グリルシャッター84の開閉検知手段としてグリルシャッターポジションセンサ17を採用したが、グリルシャッター84の回転軸の角度を該グリルシャッター84の開度として検出するシャッタ開度センサ(図示省略)を設け、その検出信号をECU11に出力するように構成してもよい。
【0039】
シュラウドパネル81は、グリルシャッター84閉時には、エンジンルームEをその前方から開口部83を通じて熱気が車外に逃げないように遮断して保温するため、グリルシャッター84を備えたシュラウドパネル81は、エンジン2の前方を覆う前壁部81として構成している。
【0040】
また図1に示すように、エンジンルームEの下方にはエンジン2をその下方から覆うエンジンアンダーカバー36を配設している。エンジンアンダーカバー36は、その前端がバンパフェース4の下端に、ボルト、ナット等の締結部材により取り付け固定されるとともに、後端がサスクロス90の閉断面部90Aの前端から前方へ突出するフランジ部92fに同じく締結部材により取り付け固定されている。エンジンアンダーカバー36はエンジン2を下方から覆うため、該エンジンアンダーカバー36によって上記下壁部36を構成している。
【0041】
また図1図3に示すように、トンネル部91の下方には、耐熱性を有するトンネルインシュレータ37が配設されている。トンネルインシュレータ37は、排気系20をその上方から覆うトンネル部91の下面(内周面)に沿って上方(車室C内方)に隆起する略ハット状に形成している。
【0042】
さらに、トンネル部91の前部には、トンネル部91内を下方から耐熱性を有して覆うトンネルカバー38が配設されている。図1に示すように、トンネルカバー38の前端はサスクロス90の閉断面部90Aの後端から後方へ突出するフランジ部92rに夫々ボルト、ナット等の締結部材により取り付け固定されている。
【0043】
図1に示すように、トンネルカバー38は、第2触媒コンバータ23bおよびプリサイレンサ24の各下部と略同じ高さまたは若干下方位置に配設されている。さらに、エンジンアンダーカバー36、サスクロス90およびトンネルカバー38の各下面は、略連続する平面を形成している。
【0044】
さらに、トンネル部91の左右に位置するフロアパネル93の下部は、左右一対のフロアーアンダカバー40で下方から覆われている(図8参照)。これらトンネルカバー38と左右一対のフロアーアンダカバー40,40とは夫々の下面が略面一になるように配設されることにより、走行中の車両床下の空力性能を高めている(図7図8中の矢印w2参照)。
【0045】
図1に示すように、トンネルインシュレータ37とトンネルカバー38とは、グリルシャッター84閉時において、排気系部品(21〜24)から発せられた熱気が車外へ逃げないようにこれら37,38の間の空間94(以下、「トンネル下空間94」という。)を車外に対して遮断して保温するものであり、共に上述したカプセル化構造30の一部として構成している。
【0046】
すなわち、トンネル部91内に相当するトンネル下空間94は、エンジンルームEと前後方向に連通しており、これらエンジンルームEとトンネル下空間94とがカプセル化構造30によって覆われている(図1参照)。
【0047】
図1図3図8に示すように、トンネルカバー38における、底面視で排気系20の少なくとも第2触媒コンバータ23bとプリサイレンサ24に対応する部位およびこれらの外周部相当部位には、上下方向に貫通する貫通開口39(39f,39r)が形成されている。
【0048】
当例ではトンネルカバー38には、貫通開口39として、前側貫通開口39fと、該前側貫通開口39fよりも後方の後側貫通開口39rとが形成されている。
【0049】
トンネルカバー38に貫通開口39を設けることで、上記排気系20の下方にトンネルカバー38を備えても、これら20,38が互いに近接することがないためトンネルカバー38を介した排気系部品(第2触媒コンバータ23b、プリサイレンサ24およびこれら23b,24の間の排気管22)の輻射熱による、排気シャッターバルブ26への熱害を抑制している。
【0050】
さらに、前側貫通開口39fは、少なくとも第2触媒コンバータ23bの直下部分、および排気シャッターバルブ26を備えた排気管22の直下部分を含めて前後方向に連続して形成されており、底面視で前側貫通開口39fの周縁と、第2触媒コンバータ23bおよび排気シャッターバルブ26を備えた排気管22との間には隙間sを有する(図1図8参照)。
【0051】
後側貫通開口39rは、少なくともプリサイレンサ24の直下部分に形成されており、底面視で上記後側貫通開口39rの周縁とプリサイレンサ24との間には隙間sを有する(同図参照)。
【0052】
ここで停車時にグリルシャッター84を開けることでトンネル下空間94およびエンジンルームEの熱気がシュラウド8の開口部83を通じて車外へ流れようとする。その際に、上述したように、前側貫通開口39f及び後側貫通開口39rは、夫々の上方に位置する排気系部品に対して底面視で隙間s(スリット)を有して形成することにより、該隙間sを通じて外気がトンネル下空間94へ導入される。これにより、図9に示すように、上記熱気w3がトンネル下空間94からエンジンルームEへ流れてシュラウド8の開口部83を通じて車外への排出が促進される(図9中の矢印w3参照)。
【0053】
ところで図4に示すように、本実施形態の車両には、上述したカプセル化構造30の一部、つまり前壁部81としてのシュラウドパネル81の一部を構成するグリルシャッター84の開閉を制御するグリルシャッター制御装置10が設けられている。
【0054】
このグリルシャッター制御装置10は、自動車ないしはそのパワープラントに備えたグリルシャッター開閉コントローラとしてのECU11を備えている。
ECU11は、プログラムに従って演算等の処理を実行する中央処理装置(CPU)と、RAM及びROM等を有しプログラム及びデータを格納するメモリと、CPUへの電気信号の入出力経路となる入出力バス(I/Oバス)とを備えている。
【0055】
ECU11には、IG検知センサ12、エンジン水温センサ13、アクセル開度センサ14、エンジン回転センサ15、車速センサ16、グリルシャッターポジションセンサ17等からの検出信号が入力される。ECU11は、これら検出信号を基にグリルシャッター84用のアクチュエータ18に対して制御信号を出力する。また、ECU11は例えば、IG検知センサ12によるIG−OFF検出時等、所定のトリガ入力からの経過時間を出力するカウントアップ型のタイマ19を備えており、この経過時間は後述するグリルシャッター84の開閉処理後にゼロにリセットすることができる。
【0056】
IG検知センサ12は、IG機構としてのイグニションスイッチ(IG SW)に対する操作を検知する。
【0057】
エンジン水温センサ13は、エンジン2の側壁に形成されたウォータジャケット(図示せず)に臨設され、ウォータジャケットを流れるエンジン冷却水の温度(エンジン水温)を検出する。アクセル開度センサ14は、運転者によるアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(アクセル開度)を検出する。エンジン回転センサ15は、クランク軸の回転に応じて発生するパルス信号をエンジン2の回転数(エンジン回転数)として検出する。車速センサ16は、車両の走行速度(車速)を検出する。
【0058】
かくして、ECU11は、各センサから入力された、エンジン水温、車速、アクセル開度、エンジン回転数に関する入力信号のうち少なくとも1つからエンジン2に関連する関連部品(以下、「エンジン関連部品」という。)に熱害が発生するか否かの推定(以下、「熱害発生有無推定」ともいう。)を実行し、熱害非発生と推定した場合には、グリルシャッター84を閉める一方で、熱害発生と推定した場合には、グリルシャッター84を開ける制御を行うものである。
【0059】
具体的には図示省略するが、エンジン関連部品の中でもO2センサ25は、電源供給用や信号線用の各種電線を束ねたハーネスや、少なくとも一部にラバーや樹脂により形成されたケースなどを備えており、また排気シャッターバルブ26は、アクチュエータにより駆動する電気駆動式であり、さらに共に排気系部品の表面に本体部が直付けされていことから、排気系部品の表面から発生される熱による熱害の影響を受け易い。このため、当例では例えば、これらO2センサ25と排気シャッターバルブ26とを熱害対象部品と認定して、これら熱害対象部品に熱害が生じないようにグリルシャッター84の開閉制御を行うものである。
【0060】
さらに当例では、熱害対象部品ごとに熱害が及ばない上限とされる耐熱温度に対して余裕を見越して耐熱温度よりも低い閾値温度を設定しており、この閾値温度は、制御量として予めECU11に備えたメモリに記憶している。例えば、耐熱温度が130度である場合には、閾値温度を110度に設定してメモリに記憶している。
【0061】
一方、本出願人は、IG−ON時における熱害対象部品の温度(すなわち熱害対象部品の表面温度または周辺温度)は、エンジン2の発熱量(エンジン2の負荷の度合い)とエンジン2およびその関連部品の冷却性能に大きく依存することに着目し、本実施形態においてECU11は、各センサからの入力信号により得られる制御量(入力因子)のうち、エンジン2の発熱量をあらわすエンジン水温、アクセル開度およびエンジン回転数並びに、エンジン2等の冷却性能をあらわす車速に基づいて、熱害対象部品の温度を間接的に推定する。
【0062】
具体的にはエンジン2の発熱量は主にエンジン水温に基づいて把握できるが、当例ではさらに例えば、実際の運転状態、走行条件等に応じて応答し易いアクセル開度、エンジン回転数も含めることでより厳密なエンジン2の発熱量を把握している。すなわち、当例のECU11は上述したように、エンジン2の発熱量を推定する制御量としてエンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数を取得することとしている。
【0063】
一方、車両走行中にシュラウドパネル81に設けた開口部83からエンジンルームEに導入される走行風によって、エンジン2およびラジエータ等のエンジン関連部品を冷却する。そしてこの走行風は車速に応じて変化するため、当例のECU11は、グリルシャッターポジションセンサ17により、グリルシャッター84が開状態であることを検知すると、エンジン2およびラジエータ等のエンジン関連部品の冷却性能を推定する制御量として上述したように車速を取得することとしている。
【0064】
そして熱害発生有無推定に際しては、例えば当例のECU11は、各センサから入力された、エンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数および車速の各値と、熱害対象部品温度との相関関係を予め実験等によってマップ化しておき、このマップデータを用いる等して熱害対象部品の推定される温度(以下、「熱害対象部品推定温度」という。)を推定することができる。
【0065】
さらに熱害対象部品ごとに熱害対象部品推定温度が上記の閾値温度よりも大きい場合には熱害発生と判断(推定)する一方、熱害対象部品推定温度がこの閾値温度よりも小さい場合には熱害非発生と判断(推定)する。
【0066】
ここで、本実施形態の車両は、エンジン2の次回始動時の早期暖機による燃費向上を狙って停車中にエンジンルームEおよびトンネル下空間94を保温するために上述したように、エンジン2や排気系20を、保温性を有するカプセル化構造30によって覆う構成を採用している。
【0067】
しかしながらこのようなカプセル化構造30を覆う構成を採用した場合、走行中にエンジン2等が、かなりの高温状態にある中で停車した際には、カプセル化構造30の内部に熱が長時間に渡って籠り得ることからエンジン関連部品に熱害が及ぶことが懸念される。
【0068】
そこで当例のECU11は、IG−ON中(エンジン2作動中)に起こり得る熱害発生だけでなく、IG−OFFした際に起こり得る熱害発生についても併せて走行中に推定することとしたものである。
【0069】
例えば、上述したように、走行中にIG−OFF時の熱害対象部品推定温度は、上述したように、各センサから入力される制御量と、IG−OFF時における熱害対象部品温度との相関関係を示すマップデータを用いることができる。
【0070】
さらにECU11は、IG−OFFした際に熱害対象部品に熱害発生すると判断(推定)された場合には、該熱害対象部品について、IG−OFFしてから熱害推定が解除されたと推定(以下、「熱害解除推定」という。)されるまでのタイマ時間To、すなわち、熱害対象部品の温度が閾値温度よりも低くなるまでのタイマ時間Toも併せて走行中に推定する。
【0071】
ここで、走行中に熱害対象部品の上昇した温度は、言うまでもなくIG−OFF(エンジン2停止)時からの経過時間に伴って低下する。よって、走行中に熱害対象部品に対して熱害発生と判断(推定)された場合において、IG−OFF時から熱害解除推定されるまでのタイマ時間Toについても、例えば、IG−OFF時からの熱害対象部品の温度変化の様子を予め調べて、その温度と時間との関係をマップ化しておき、そのマップ化したデータを用いる等して併せて推定することができる。
【0072】
そしてECU11は、上述したように、熱害対象部品に対して、IG−OFF時における熱害非発生を走行中に推定した場合には、カプセル化構造30内部の保温性確保のためIG−OFF時にグリルシャッター84を閉める一方、IG−OFF時における熱害発生を走行中に推定した場合には、熱害対象部品の熱害回避のためIG−OFF時にグリルシャッター84の開制御を行うものである。
【0073】
その際、ECU11は、IG−OFF直前のIG−ON中に行った熱害発生有無推定の結果に基づいて、IG−OFF後にグリルシャッター84の開閉を行う。
【0074】
このように、停車後のエンジン関連部品の熱害発生有無推定をIG−ON中に逐次行うことで、IG−OFF後にECU11や各種センサに対して上述した熱害発生有無推定を行うために電源供給し続ける必要がなく、タイマ19等必要最低限の機能のみを作動し続けるだけで、走行時にいつ停車してもIG−OFF後(停車中)の熱害対象部品の熱害を回避することができる。
【0075】
以下、このECU11によるグリルシャッター84の開閉制御のフローについて図5図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0076】
まず最初に図4図5に示すように、ECU11は、運転者のキー操作等によりイグニションオンON(IG−ON)にしてエンジン2が始動したことをIG検知センサ12によって検知すると(ステップS1)、エンジン2の発熱状態を推定するために、エンジン水温センサ13からのエンジン水温と、アクセル開度センサからのアクセル開度と、エンジン回転センサ15からのエンジン回転数と、車速センサ16からの車速の各電気信号とを読み込む処理を行う(ステップS2)。なお、グリルシャッター84は空力性能の向上を優先してIG−ON時には閉じているものとする。
【0077】
そして、車両走行中においては走行中グリルシャッター開閉制御処理が行われる(ステップS3)。
この走行中グリルシャッター開閉制御処理について図6のフローチャートを参照しながら簡単に説明すると、上述した各種センサによりリアルタイムで読み取ったエンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数、車速に基づいて、熱害対象部品の熱害を予測(推定)する(ステップS31)。
【0078】
ECU11が熱害対象部品に対して熱害発生推定をした場合には(ステップS32:Yes)、アクチュエータ18(図4参照)を駆動してグリルシャッター84を開状態とする(ステップS33)。これにより図7図8に示すように、開口部83を通じてエンジンルームE(特にラジエータ)に走行風w1を積極的に導入し、エンジンルームEからトンネル下空間94の熱気を貫通開口39(前側貫通開口39fおよび後側貫通開口39r)を通じて車外へ排出するため、エンジン2やエンジン関連部品の温度を下げて熱害を防ぐことができる(図7図8中の矢印w1参照)。
【0079】
一方、ECU11が熱害対象部品に対して熱害非発生推定した場合には(ステップS32:No)、グリルシャッター84を閉状態に維持する(ステップS34)。これにより、エンジンルームEへの走行風の導入を阻止して走行中において優れた空力性能に保つことができる。
【0080】
上述した走行中グリルシャッター開閉制御処理(ステップS3)の後には、図5に戻ってステップS4の処理が実行される。
【0081】
具体的に、ECU11は、上述した各種センサにより読み取ったエンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数および車速に基づいて、IG−OFFした際の熱害対象部品に対する熱害発生有無推定の処理を走行中に実行するとともに、熱害発生推定をした場合には、グリルシャッター84を開状態に維持するタイマ時間Toを設定する(ステップS4)。
【0082】
上述したステップS2〜S4の処理はIG−OFFにするまで繰り返され(ステップS5:No)、熱害発生有無推定の結果およびタイマ時間Toは逐次最新のものに更新され、走行中は勿論、走行中の車両がいつ停車してIG−OFFにしても熱害対象部品の該IG−OFF後の熱害を回避することができるように構成している。
【0083】
走行中の車両が停車してIG−OFFにされ(ステップS5:Yes)、グリルシャッター84用のアクチュエータ18やタイマ19などの最小限の機器を不図示のバッテリに対して通電状態に維持する。そしてECU11は、IG−OFFする直近に行われたステップS4の処理にて、O2センサ25や排気シャッターバルブ26等の複数の熱害対象部品のうち少なくとも1つにIG−OFF時の熱害発生推定がされていた場合には(ステップS6:Yes)、グリルシャッター84がIG−OFF時に閉状態であったならば、アクチュエータ18を駆動して該グリルシャッター84を開状態とする(ステップS7)。なお、ECU11は、グリルシャッター84がIG−OFF時に開状態であった場合には、その開状態を維持する。
【0084】
さらに、ECU11はIG−OFF時が検出されると(ステップS5:Yes)、タイマ19を始動させ、該タイマ19からの入力信号に基づいてタイマ時間Toが経過するまでグリルシャッター84を開状態に維持する(ステップS9:No)。
【0085】
そしてステップS9にて設定したタイマ時間Toが経過すると(ステップS9:Yes)、アクチュエータ18を駆動し、エンジンルームEおよびトンネル下空間94を保温するために該グリルシャッター84を閉状態として(ステップS10)グリルシャッター開閉制御処理を終了する。
【0086】
なお、図5中のステップS6において、O2センサ25や排気シャッターバルブ26等の複数の熱害対象部品25,26の夫々についてIG−OFFした際に熱害発生すると判断(推定)された場合には(ステップS6:Yes)、夫々について設定された、IG−OFFしてから熱害解除推定されるまでのタイマ時間Toのうち、最も長く設定されたタイマ時間Toが経過するまでグリルシャッター84を開状態に維持した後で閉状態とする(ステップ9:Yes、ステップS10)。
【0087】
一方、ECU11は、IG−OFF時の直近に行われたステップS4の処理にて熱害対象部品にIG−OFF時の熱害非発生推定がされていた場合には(ステップS6:No)、グリルシャッター84がIG−OFF時に閉状態であったならば、その閉状態を維持する(ステップS8)。なお、グリルシャッター84がIG−OFF時に開状態であった場合には、アクチュエータ18を駆動して該グリルシャッター84を閉状態として(ステップS8)グリルシャッター開閉制御処理を終了する。
【0088】
このように、本実施形態の車両のグリルシャッター制御装置10は、断熱性を有してエンジン2を覆うカプセル化構造30を備えるとともに(図1図3参照)、該カプセル化構造30に備えたグリルシャッター84の開閉を制御するグリルシャッター開閉コントローラとしてのECU11を備え(図4参照)、エンジン2に関連する関連部品(エンジン関連部品)としての例えばO2センサ25や排気シャッターバルブ26にIG−OFF時(キーオフ時)に熱害が発生するか否かを推定し(図5のステップS4)、熱害非発生を推定した場合に(図5のステップS6:No)、IG−OFF時にグリルシャッター84を閉める(図5のステップS8)一方で、熱害発生を推定した場合に(図5のステップS6:Yes)、IG−OFF時にグリルシャッター84を開ける構成としたものである(図5のステップS7)。
【0089】
上記構成によれば、熱害非発生を推定した場合に、IG−OFF時にグリルシャッター84を閉めることでカプセル化構造30に覆われたエンジンルームEの保温性を確保することができ、エンジン再始動時の早期暖機による燃費向上を図ることができる。
【0090】
一方熱害発生を推定した場合に、IG−OFF時にグリルシャッター84を開けることで、エンジン関連部品としての例えばO2センサ25や排気シャッターバルブ26に熱害が及ぶことを抑制することができる。
【0091】
この発明の一実施形態においては、トンネル下空間94(フロアトンネル下)の排気管22に電気駆動式の排気シャッターバルブ26を備えるとともに(図1参照)、排気管22の下方にトンネルカバー38を備える構造であり(図1図3参照)、上記カプセル化構造30が上記トンネルカバー38を含むとともに、上記エンジン関連部品が上記排気シャッターバルブ26を含むものである。
【0092】
上記構成によれば、熱害発生を推定した場合には、IG−OFF時にグリルシャッター84を開けことで、排気管22の下方にトンネルカバー38を備えても排気シャッターバルブ26の熱害を抑制することができる。一方、熱害非発生を推定した場合には、IG−OFF時にグリルシャッター84を閉じることでエンジンルームEだけでなくトンネルカバー38によってトンネル下空間94を含めて保温することができる。
【0093】
その他にも排気管22の下方にトンネルカバー38を備えることにより、トンネル部91の下方の空力性能も高めることができる。
【0094】
この発明の一実施形態においては、トンネルカバー38における排気シャッターバルブ26の直下部位には前側貫通開口39fが設けられ、底面視で前側貫通開口39fの周縁と排気シャッターバルブ26との間には隙間sを有するものである(図1図3図8参照)。
【0095】
上記構成によれば、排気シャッターバルブ26をトンネルカバー38で下側から覆うと、IG−OFF時にトンネルカバー38を介して排気管22から排気シャッターバルブ26へ輻射熱が伝わることで排気シャッターバルブ26に熱害が及ぶことが懸念されるが、トンネルカバー38における排気シャッターバルブ26の直下部位に前側貫通開口39fを設けることで、電気駆動式の排気シャッターバルブ26のIG−OFF時の熱害を抑制できる。
【0096】
さらに、底面視で前側貫通開口39fの周縁と排気シャッターバルブ26との間に隙間sを確保することで、排気管22の下方にトンネルカバー38を備えても、グリルシャッター84開時に、カプセル化構造30の内部において隙間sからシュラウドパネル81に設けた開口部83への熱の流れを促して熱を効率よくカプセル化構造30の外側へと排出することができ、排気管22の下方にトンネルカバー38を備えた構成であってもIG−OFF時にエンジン関連部品として例えば、例えばO2センサ25や排気シャッターバルブ26の熱害を抑制することができる。
【0097】
この発明の一実施形態においては、熱害発生を推定した上記の場合(図5のステップS6:Yes)、エンジン関連部品(例えばO2センサ25や排気シャッターバルブ26)について推定された熱害が解除される熱害解除推定(図5のステップS9:Yes)の後に、少なくともIG−OFF時から開いた状態のグリルシャッター84を閉じる構成としたものである(図5のステップS10)。
【0098】
上記構成によれば、IG−OFF時に熱害解除推定されたタイミングにてグリルシャッター84を閉じるため、その後はエンジン2およびその関連部品の保温が可能になる。
【0099】
この発明の一実施形態においては、車両走行中のエンジン関連部品(例えばO2センサ25や排気シャッターバルブ26)の推定温度に基づきIG−OFFした際の熱害発生を推定し、推定される熱害発生の度合いに応じてIG−OFF時のグリルシャッター84の開期間としてのタイマ時間Toを設定し(図5のステップS4)、IG−OFF時にはグリルシャッター84をタイマ時間To開き(図5のステップS9:No)、タイマ時間To経過後に閉じる(図5のステップS9:Yes、S10)構成としたものである。
【0100】
上記構成によれば、IG−OFF時にタイマ制御のみでグリルシャッター84を制御することができる。
【0101】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
【0102】
例えば、複数の熱害対象部品に対しての熱害の影響が夫々同じ条件で及ぶ場合には、複数の熱害対象部品のうち、熱害に対して最も対策が必要な熱害対象部品(例えば、耐熱温度が最も低い熱害対象部品)に対してのみ上述した熱害発生有無推定を行ってもよい。
【0103】
上述した実施形態において、熱害対象部品として上述した熱害発生有無推定を行ったO2センサ25と排気シャッターバルブ26とを例に採り説明すると、これらO2センサ25と排気シャッターバルブ26は共に排気系20の一部として備えた部品であり、熱害の影響が互いに略同じ条件で及ぶことから、熱害に対してより対策が必要な(例えば、耐熱温度が低い)排気シャッターバルブ26のみに対して熱害発生有無推定を行ってもよい。
【0104】
また、本実施形態のECU11は、上述したように、IG−OFFした際の熱害対象部品の温度を、走行中に各種センサから取得したエンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数および車速に基づいて間接的に推定して、IG−OFFした際に起こり得る熱害発生の推定や、熱害発生推定が解除されるタイマ時間Toについても推定することとしたものである。
【0105】
このようにエンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数、車速といった制御量に基づいてIG−OFF後の熱害発生有無を走行中に推定することで、熱害対象部品の周辺に温度センサを別途備えて、その計測温度に基づいてIG−OFF後の熱害発生有無等の推定をせずとも、車両に通常備わっている既存のセンサからの入力信号に基づいて熱害発生有無等の推定をすることができるメリットを有する。
【0106】
ただしこの構成に限らず、熱害対象部品周辺に、該熱害対象部品の温度を検知する温度センサを備え、該温度センサによってIG−OFF後の熱害対象部品の温度をリアルタイムで検出し、該検出信号に基づいてIG−OFF後の熱害発生有無等について直接的に推定することも排除しない。
【0107】
また、IG−OFFした際の熱害対象部品の熱害発生有無等の推定をするに際して走行中にECU11に入力する、各種センサからの制御量は上述したエンジン水温、アクセル開度、エンジン回転数および車速のうち少なくとも1つに限らず、他の制御量を用いてもよい。
【0108】
例えば、制御量として、上述した制御量に加えてトルクセンサにより検出されるエンジンの実トルク、スロットル開度センサにより検出されるスロットル弁の開度、エアフローセンサにより検出される吸気管内の吸入空気量、吸気圧力センサにより検出される吸気マニホールド内の吸気圧力、混合気の空燃比を算出するためトランスミッション油温センサにより検出される、トランスミッション内の潤滑オイルの温度、およびO2センサにより検出される排気ガス中の酸素濃度のうち少なくとも1つを用いてもよい。
【0109】
上述した熱害発生有無推定の対象となるエンジン関連部品、すなわち熱害対象部品は、上述したO2センサ25や排気シャッターバルブ26に限らず、排気系20の他の部品(他の排気系部品)を採用してもよく、或いは、例えば、エンジン2の吸気装置、潤滑装置、冷却装置、燃焼装置の各装置を構成する部品を採用してもよいものとする。
【符号の説明】
【0110】
2…エンジン
10…車両のグリルシャッター制御装置
22…排気管
25…O2センサ(エンジンに関連する関連部品)
26…排気シャッターバルブ(エンジンに関連する関連部品)
30…カプセル化構造
38…トンネルカバー
39…貫通開口
39f…前側貫通開口
39r…後側貫通開口
84…グリルシャッター
91…トンネル部(フロアトンネル)
s…隙間
To…タイマ時間(グリルシャッターの開期間)
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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