特許第6593679号(P6593679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593679
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】車両のストラット支持構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20191010BHJP
   B60G 3/28 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B62D21/00 A
   B60G3/28
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-71549(P2015-71549)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-190556(P2016-190556A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 太輔
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 哲弥
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−327154(JP,A)
【文献】 実開平03−088904(JP,U)
【文献】 実開昭60−054607(JP,U)
【文献】 米国特許第04458918(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00 − 25/08
B62D 25/14 − 29/04
B60G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向の両側で前後方向に延びる左右1対のサイドメンバと、
前記左右のサイドメンバの下方で車幅方向に延びるサスペンションクロスメンバと、
前記サスペンションクロスメンバの車幅方向の両端から上方へ曲折するように延びてストラットを支持する左右1対のストラットブラケットと、
前記左右のストラットブラケットの下端部に固定され、前記サスペンションクロスメンバの上方で前後方向に延びる左右1対のサイドレールと、
前記左右のサイドレールの各々と前記サスペンションクロスメンバとが交差する箇所に設けられ、前記サイドレール及び前記サスペンションクロスメンバに固定されて閉断面を形成する左右1対のガセットと、を備え、
前記サスペンションクロスメンバと前記左右のストラットブラケットと前記左右のサイドレールと前記左右のガセットとは、一体化されたモジュールであり、
前記左右のストラットブラケットを前記左右のサイドメンバの外側面にそれぞれ締結固定し、前記左右のストラットブラケットの前方及び後方で前記左右のサイドレールを前記左右のサイドメンバの下面にそれぞれ締結固定することにより、前記一体化されたモジュールが前記左右のサイドメンバに対して固定される
ことを特徴とする車両のストラット支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のストラット支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サイドメンバにクロスメンバの端部が結合され、ストラットがマウントされるブラケットがサイドメンバとクロスメンバとの双方に対してガセットを介して支持される構造が記載されている。ガセットの一方は、ブラケット及びサイドメンバに一体的に溶着され、ガセットの他方は、クロスメンバにボルトで固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−54607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造では、ガセットをブラケット及びサイドメンバに一体的に溶着して、ガセットをクロスメンバに締結固定する。すなわち、車体フレームであるサイドメンバに対してブラケットやクロスメンバを順次組み付けなければならず、作業の効率化を図ることが難しい。また、ストラットがマウントされるブラケットをサイドメンバに溶着しているので、サイドメンバのうちブラケットが溶着される領域を補強して剛性を高めなければならない可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、組み付け作業の効率化を図ることができ、且つサイドメンバの剛性に対する要求を抑えることが可能な車両のストラット支持構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明の車両のストラット支持構造は、左右1対のサイドメンバとサスペンションクロスメンバと左右1対のストラットブラケットと左右1対のサイドレールと左右1対のガセットとを備える。左右のサイドメンバは、車幅方向の両側で前後方向に延びる。サスペンションクロスメンバは、左右のサイドメンバの下方で車幅方向に延びる。左右のストラットブラケットは、サスペンションクロスメンバの車幅方向の両端から上方へ曲折するように延びてストラットを支持する。左右のサイドレールは、左右のストラットブラケットの下端部に固定され、サスペンションクロスメンバの上方で前後方向に延びる。左右のガセットは、左右のサイドレールの各々とサスペンションクロスメンバとが交差する箇所に設けられ、サイドレール及びサスペンションクロスメンバに固定されて閉断面を形成する。
【0007】
サスペンションクロスメンバと左右のストラットブラケットと左右のサイドレールと左右のガセットとは一体化された1つのモジュールとして構成され、左右のストラットブラケットを左右のサイドメンバの外側面にそれぞれ締結固定し、左右のストラットブラケットの前方及び後方で左右のサイドレールを左右のサイドメンバの下面にそれぞれ締結固定することにより、一体化されたモジュールがサイドメンバに対して固定される。
【0008】
上記構成では、サスペンションクロスメンバと左右のストラットブラケットとを1つのモジュールとして一体化し、一体化されたモジュールを車体フレームであるサイドメンバに固定するので、モジュールを別工程で製造した後、車体フレームに組み付けることが可能となり、組み付け作業の効率化を図ることができる。
【0009】
また、車体フレームが異なる車種に対して共通のモジュールを使用することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0010】
さらに、ストラットを支持するストラットブラケットがサスペンションクロスメンバと一体化されて剛性の高い1つのモジュールを形成するので、サイドメンバの剛性に対する要求を抑えることができる。
【0012】
また、ガセットによってモジュールの剛性をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両のストラット支持構造は、組み付け作業の効率化を図ることができ、且つサイドメンバの剛性に対する要求を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る車両のストラット支持構造の斜視図である。
図2図1の車両のストラット支持構造の上面図である。
図3図1の車両のストラット支持構造の後面図である。
図4図1の車両のストラット支持構造の側面図である。
図5】サスペンションアッセンブリの斜視図である。
図6】クロスメンバアッセンブリの斜視図である。
図7】クロスメンバアッセンブリの上面図である。
図8】クロスメンバアッセンブリの正面図である。
図9】クロスメンバアッセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図中の矢印FRは車両の前方を示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両の前方を向いた状態で左右方向を意味する。
【0016】
図1図4に示すように、本実施形態の車両1は、ストラット支持構造2を備えている。ストラット支持構造2は、車両1の左右に対称的に設けられた1対のストラットを支持する。ストラット支持構造2は、左右1対のサイドメンバ3とクロスメンバアッセンブリ4とサスペンションアッセンブリ5等を備えている。
【0017】
左右のサイドメンバ3は、車幅方向の両側で前後方向に延びる。各サイドメンバ3は、車幅方向内側に開口するU状断面であり、略垂直に起立して前後方向に延びるサイドメンバ側板部6と、サイドメンバ側板部6の上端縁及び下端縁からそれぞれ車幅方向内側に曲折して相対向するサイドメンバ上板部7及びサイドメンバ下板部8とを一体的に有する。
【0018】
クロスメンバアッセンブリ4は、一体化された1つのモジュールであり、一体化されたモジュールが左右のサイドメンバ3に対して固定される。
【0019】
図6図9に示すように、クロスメンバアッセンブリ4は、サスペンションクロスメンバ9と、左右1対のストラットブラケット10と、左右1対のサイドレール11と、左右1対のガセット12と、左右1対のエンジンマウントブラケット13と、左右1対のリーフブラケット14と、左右1対の前方リンクブラケット15と、左右1対の後方リンクブラケット16と、ステアリングブラケット17と、左右1対のロッドマウントブラケット18等を備えている。
【0020】
サスペンションクロスメンバ9は、左右のサイドメンバ3の下方において車幅方向に延びる。このサスペンションクロスメンバ9は、下方に開口するU状断面であり、略水平に車幅方向に延びるクロスメンバ水平板部19と、クロスメンバ水平板部19の前端縁及び後端縁からそれぞれ下方に曲折して相対向するクロスメンバ前板部20及びクロスメンバ後板部21と、クロスメンバ前板部20及びクロスメンバ後板部21の車幅方向の両側のそれぞれの下端縁から前方又は後方に曲折する左右1対のクロスメンバ前フランジ部22及び左右1対のクロスメンバ後フランジ部23とを一体的に有する。
【0021】
左右のストラットブラケット10は、サスペンションクロスメンバ9の車幅方向の両端からそれぞれ上方に曲折するように延びる。各ストラットブラケット10は、車幅方向外側に開口するU状断面であり、略垂直に起立したストラットブラケット側板部24と、ストラットブラケット側板部24の上端縁から車幅方向外側に曲折して斜め上方に延びるストラットブラケット傾斜板部25と、ストラットブラケット傾斜板部25の上端縁から車幅方向外側に更に曲折して車幅方向外側に延びるストラット取付板部26と、ストラットブラケット側板部24及びストラットブラケット傾斜板部25の前端縁及び後端縁からそれぞれ車幅方向外側に曲折して相対向するストラットブラケット前板部27及びストラットブラケット後板部28とを一体的に有する。各ストラットブラケット10は、複数のボルト29とこれらボルト29に車幅方向外側から螺合するナット(図示省略)とによって、ストラットブラケット側板部24がサイドメンバ側板部6の車幅方向外側に締結固定される。複数のボルト29は、ストラットブラケット側板部24の四隅の4箇所に配置される。
【0022】
左右のサイドレール11は、左右のストラットブラケット10の下端縁における車幅方向内側のそれぞれにおいて前後方向に延びる。各サイドレール11は、下方に開口するU状断面であり、略水平に前後方向に延びるサイドレール水平板部30と、サイドレール水平板部30の車幅方向内側縁及び車幅方向外側縁からそれぞれ下方に曲折して相対向するサイドレール内板部31及びサイドレール外板部32とを一体的に有する。各サイドレール11は、サイドレール水平板部30及びサイドレール外板部32における前後方向の中央付近がストラットブラケット10の下端縁に溶接固定されるとともに、複数のボルト33とこれらボルト33に下方から螺合するナット(図示省略)とによって、サイドレール水平板部30がサイドメンバ下板部8の下面に締結固定される。複数のボルト33は、前後方向の4箇所に直線状に配置される。
【0023】
左右のガセット12は、左右のサイドレール11の各々とサスペンションクロスメンバ9とが交差する箇所に設けられる。各ガセット12は、斜め下方に開口するU状断面であり、サイドレール内板部31の上方からクロスメンバ水平板部19に向けて斜め下方に延びるガセット傾斜板部34と、ガセット傾斜板部34の前端縁及び後端縁からそれぞれ斜め下方に曲折して相対向する三角形状のガセット前板部35及びガセット後板部(図示省略)とを一体的に有する。各ガセット12は、ガセット前板部35及びガセット後板部(図示省略)のそれぞれの端縁がサイドレール内板部31及びクロスメンバ水平板部19に溶接固定される。サイドレール11がストラットブラケット10に結合されるため、ガセットは、サイドレール11を介してストラットブラケット10に結合される。すなわち、各ガセット12は、サスペンションクロスメンバ9とストラットブラケット10(サイドレール11)とに結合されて、サスペンションクロスメンバ9とサイドレール11との間に閉断面を形成する。
【0024】
左右のエンジンマウントブラケット13は、左右のガセット12の後方に設けられる。各エンジンマウントブラケット13は、ガセット傾斜板部34と平行に配置されたエンジンマウント傾斜板部36と、エンジンマウント傾斜板部36の下端縁から下方に曲折したエンジンマウント側板部37とを一体的に有する。各エンジンマウントブラケット13は、エンジンマウント傾斜板部36の前端縁及び上端縁がガセット傾斜板部34の後端縁及びサイドレール内板部31の上端縁に溶接固定されるとともに、エンジンマウント側板部37の下端縁の一部が後方リンクブラケット17に溶接固定される。
【0025】
左右のリーフブラケット14は、サスペンションクロスメンバ9の下方における車幅方向の両側のそれぞれにおいて前後方向に延びる。各リーフブラケット14は、複数のボルト38とこれらボルト38に上方から螺合するナット39とによって、クロスメンバ前フランジ部22及びクロスメンバ後フランジ部23の下面に締結固定される。複数のボルト38は、左右のクロスメンバ前フランジ部22の2箇所ずつと、左右のクロスメンバ後フランジ部23の1箇所ずつとの6箇所に配置される。
【0026】
左右の前方リンクブラケット15は、左右のリーフブラケット14の上面前端に、固定片40を介してそれぞれ設けられる。各前方リンクブラケット15は、ボルト41とボルト41に上方から螺合するナット42とによって、下端縁に溶接固定された固定片40がリーフブラケット14の上面に締結固定される。
【0027】
左右の後方リンクブラケット16は、左右のリーフブラケット14の上面後端にそれぞれ設けられる。
【0028】
ステアリングブラケット17は、サスペンションクロスメンバ9の前方で車幅方向に延びる。ステアリングブラケット17は、複数のボルト43とこれらボルト43に上方から螺合するナット44とによって、両端部分が左右のリーフブラケット14の上面に締結固定される。複数のボルト43は、ステアリングブラケット17の両端部分における前後2箇所ずつの4箇所に配置される。
【0029】
左右のロッドマウントブラケット18は、左右のサイドレール11の前端から車幅方向内側に延びる。各ロッドマウントブラケット18は、下方に開口するU状断面であり、略水平に設けられたロッドマウント水平板部45と、ロッドマウント水平板部45の前端縁及び後端縁からそれぞれ下方に曲折して相対向する三角形状のロッドマウント前板部46及びロッドマウント後板部47とを一体的に有する。各ロッドマウントブラケット18は、車幅方向外側の端縁がサイドレール内板部31に溶接固定される。
【0030】
図1図5に示すように、サスペンションアッセンブリ5は、一体化されたモジュールであり、一体化されたモジュールがクロスメンバアッセンブリ4に対して固定される。
【0031】
サスペンションアッセンブリ5は、左右1対のリンク48と、横置きリーフ49と、左右1対のリーフマウント50と、左右1対のナックル51と、左右1対のロータ52と、左右1対のキャリパ53と、左右1対のヒンジ54と、左右1対のストラット55と、ステアリングユニット56と、ステアリング反転ギア57等を備えている。
【0032】
左右のリンク48は、左右のストラットブラケット10の下方において、前後方向の軸回りに揺動可能に設けられる。各リンク48は、車幅方向内側に開口するV字状を有し、分岐前方端部58が車幅方向内側の前方に、分岐後方端部59が車幅方向内側の後方に、会合端部60が車幅方向外側にそれぞれ配置される。各リンク48は、複数の調整カム61によって、分岐前方端部58が前方リンクブラケット15に揺動可能に取り付けられるとともに、分岐後方端部59が後方リンクブラケット16に揺動可能に取り付けられる。複数の調整カム61は、前方リンクブラケット15の1箇所と、後方リンクブラケット16の1箇所との2箇所に配置される。
【0033】
横置きリーフ49は、U状断面のサスペンションクロスメンバ9の下方において、当該サスペンションクロスメンバ9に覆われるように車幅方向に延びる。横置きリーフ49の車幅方向の両端は、左右のリンク48の会合端部60に固定される。
【0034】
左右のリーフマウント50は、車幅方向に離間して横置きリーフ49の上面に固定され、クロスメンバ水平板部19の下面との間に介在する。
【0035】
左右のナックル51は、左右のリンク48の会合端部60における車幅方向外側の端縁から上方に起立するように、左右のリンク48とそれぞれ一体的に設けられる。
【0036】
左右のロータ52は、左右のナックル51における車幅方向外側に、ハブ(図示省略)によって回転自在にそれぞれ取り付けられる。
【0037】
左右のキャリパ53は、左右のナックル51における車幅方向外側にそれぞれ固定され、左右のロータ52の後方をそれぞれ挟み込む。各キャリパ53は、前方に開口するJ状断面であり、略垂直に起立した円盤状のキャリパ固定板部62と、キャリパ固定板部62の後端縁から車幅方向外側に曲折したキャリパ後端板部63と、キャリパ後端板部63における車幅方向外側の端縁から前方に曲折してキャリパ固定板部62と相対向するキャリパ側板部64とを一体的に有する。
【0038】
左右のヒンジ54は、左右のナックル51における車幅方向内側において、上下方向の軸回りに揺動可能にそれぞれ設けられる。各ヒンジ54は、ピン65によって、左右のナックル51における車幅方向内側の面に揺動可能にそれぞれ取り付けられる。
【0039】
左右のストラット55は、左右のヒンジ54における車幅方向内側において、上下方向に延びるようにそれぞれ設けられる。各ストラット55は、左右のストラット固定部材66によってナックル51の車幅方向内側に固定される。各ストラット55の上端は、左右のストラットブラケット10のストラットブラケット取付板部26に形成された取付孔73に下方から嵌め込まれる。
【0040】
左右のストラット固定部材66は、車幅方向外側に開口するC状断面を有する筒状であり、左右のストラット55が挿入される筒部67と、筒部67の車幅方向外側の両端縁から車幅方向外側に曲折した一対の固定片68とを一体的にそれぞれ有する。各ストラット固定部材66は、筒部67にストラット55が挿入された後に、複数のボルト69とボルト69に後方から螺合するナット(図示省略)とによって、一対の固定片68がナックル51の車幅方向内側に締結固定される。複数のボルト69は、固定片68における上下の2箇所に配置される。
【0041】
ステアリングユニット56は、ステアリングブラケット17の上方において、車幅方向に延びる。ステアリングユニット56は、ステアリングチューブ70と左右1対のタイロッド71等を備えている。ステアリングチューブ70は、ステアリングブラケット17の上面に設けられた固定リング72に挿入されることで、ステアリングブラケット17に固定される。左右のタイロッド71は、ステアリングチューブ70の両端から延びる。
【0042】
ステアリング反転ギア57は、車幅方向右側のストラットブラケット10の前方からステアリングチューブ70の車幅方向右側にわたって設けられている。ステアリング反転ギア57は、固定プレート74によって車幅方向右側のサイドメンバ3に固定されるとともに、ステアリングチューブ70に接続される。固定プレート74は、複数のボルト75とボルト75に車幅方向内側から螺合するナット(図示省略)とによって、車幅方向右側のサイドメンバ3におけるサイドメンバ側板部6に締結固定される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、サスペンションクロスメンバ9と左右のストラットブラケット10とを1つのモジュールとして一体化し、一体化されたモジュールを車体フレームであるサイドメンバ3に固定するので、モジュールを別工程で製造した後、車体フレームに組み付けることが可能となり、組み付け作業の効率化を図ることができる。また、車体フレームが異なる車種に対して共通のモジュールを使用することができ、生産性の向上を図ることができる。また、ストラット55を支持するストラットブラケット10がサスペンションクロスメンバ9と一体化されて剛性の高い1つのモジュールを形成するので、サイドメンバ3の剛性に対する要求を抑えることができる。
【0044】
また、モジュールは、サスペンションクロスメンバ9とストラットブラケット10とに結合されて閉断面を形成するガセット12を含むので、モジュールの剛性をさらに高めることができる。
【0045】
なお、上記実施形態において、左右のリンク48は、サスペンションアッセンブリ5を構成する必要はなく、クロスメンバアッセンブリ4を構成するものであってもよい。
【0046】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る車両のストラット支持構造は、トラックその他の車両に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 車両
2 ストラット支持構造
3 サイドメンバ
4 クロスメンバアッセンブリ(モジュール)
9 サスペンションクロスメンバ
10 ストラットブラケット
12 ガセット
55 ストラット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9