特許第6594664号(P6594664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594664
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20191010BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20191010BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H05H1/46 L
   H01L21/302 101G
   H01L21/302 101C
   H01L21/205
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-108071(P2015-108071)
(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公開番号】特開2016-225050(P2016-225050A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】西尾 良司
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−108796(JP,A)
【文献】 特開2015−022855(JP,A)
【文献】 特開昭63−291341(JP,A)
【文献】 特開平11−031599(JP,A)
【文献】 特開2013−222910(JP,A)
【文献】 特開2007−173512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00−1/54
H01J 27/16
H01J 37/08
H01L 21/3065
H01L 21/205
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料がプラズマ処理される金属製の処理室と、前記処理室の上部を気密に封止する誘電体製の誘電体窓と、円板状の前記誘電体窓の上方に配置され、誘導磁場を生じさせる誘導アンテナと、前記誘導アンテナに高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、
前記誘電体窓の外側に配置され、前記誘電体窓に圧着された金属製のリング状部材をさらに備え
前記リング状部材の線膨張率は、前記誘電体窓の線膨張率より大きく、
前記リング状部材は、温度を調整するための冷媒の流路が形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
試料がプラズマ処理される金属製の処理室と、前記処理室の上部を気密に封止する誘電体製の誘電体窓と、円板状の前記誘電体窓の上方に配置され、誘導磁場を生じさせる誘導アンテナと、前記誘導アンテナに高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、
前記誘電体窓の外側に配置され、前記誘電体窓に圧着された金属製のリング状部材をさらに備え、
前記リング状部材の線膨張率は、前記誘電体窓の線膨張率より大きく、
前記誘電体窓の外周がメタライズ処理されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項3】
試料がプラズマ処理される金属製の処理室と、前記処理室の上部を気密に封止する誘電体製の誘電体窓と、円板状の前記誘電体窓の上方に配置され、誘導磁場を生じさせる誘導アンテナと、前記誘導アンテナに高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、
前記誘電体窓の外側に配置され、前記誘電体窓に圧着された金属製のリング状部材と、モニタされた前記リング状部材の温度またはモニタされた前記リング状部材の応力に基づいて前記高周波電源を停止させる監視装置と、をさらに備え
前記リング状部材の線膨張率は、前記誘電体窓の線膨張率より大きいことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置において、
前記誘電体窓の温度が所定の温度範囲内の場合、前記リング状部材の内径は、前記誘電体窓の直径より小さいとともに前記プラズマ処理時の前記誘電体窓の温度分布による引張り応力に基づいて規定されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のプラズマ処理装置において、
前記誘電体窓の温度が前記所定の温度範囲の上限値より高い場合、前記リング状部材の内径は、前記誘電体窓の直径以上の値であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
モニタされた前記リング状部材の応力に基づいて前記高周波電源を停止させる監視装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ処理装置に係り、特に誘導結合型プラズマ源を備えるプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造分野においては、試料のエッチングや表面処理に誘導結合型(Inductively Coupled Plasma:ICP)のプラズマ装置が利用されている。
【0003】
従来の誘導結合型プラズマ処理装置として特許文献1には、真空処理室2の一部を構成するとともに処理ガスの吹き出し口を備えたガスリングと、前記ガスリングの上部を被覆して真空処理室を形成するベルジャ12と、前記ベルジャ12上部に配置し、前記真空処理室内に高周波電界を供給してプラズマを生成するアンテナ1a,1bと、前記真空処理室内に試料13を載置する載置台5と、前記アンテナ1a,1bとベルジャ12間に配置するとともに高周波バイアス電圧が付与されるファラデーシールド8と、前記処理ガスの吹き出し口を除く前記ガスリング内面に着脱自在に取り付けた防着板からなり、前記試料面から見込むことのできる防着板を含むガスリング内面の面積を前記試料の面積の略1/2以上に設定したプラズマ処理装置が開示されている。
【0004】
上記のプラズマ処理装置では、エッチングが施される試料の膜種により塩素やフッ素等の腐食性の強い処理ガスを用いることが多い。このため、上記の真空処理室2及び上記のベルジャ12の材質には、腐食性ガスに対する耐食性が求められ、誘電特性の良いアルミナ(Al)等のセラミックスが一般的に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−235545号公報
【特許文献2】特開2015−022855号公報
【特許文献3】特開2003−282754号公報
【特許文献4】特開2005−191314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に示すような誘電体の真空窓の外周をステンレス製の真空容器で支持される構造を有する誘導結合型プラズマエッチング装置において、プラズマ入熱が高いエッチング条件でエッチングした場合に誘電体の真空窓が破損する現象が見られた。この現象を解明するためにプラズマ入熱がある場合の誘電体の真空窓の温度を調べた。
【0007】
図8は、アルミナ製の真空窓(以下、誘電体窓と称する)に500W相当のプラズマ入熱を与えた場合に誘電体窓2の面内に発生する温度分布を示す。ここで、図中の横軸は、誘電体窓2の半径を、縦軸は誘電体窓2の温度を示す。尚、横軸の0mmは、誘電体窓2の中心を示し、200mmは、誘電体窓2の最外周を示す。
【0008】
誘電体窓2に高パワーのプラズマ入熱が加えられた場合、図8に示すように誘電体窓2の中央部の温度は高く、誘電体窓2の外周部へと近づくにつれて温度が徐々に低くなるような温度分布が誘電体窓2に発生していた。この誘電体窓2の温度分布は、誘電体窓2の外周部がステンレス製のチャンバ1に支持され、チャンバ1の熱伝導率が高く、アルミナの熱伝導率が低いことに起因しているものと考えられる。
【0009】
さらにこの温度分布による誘電体窓2の面内の温度差により、温度の高い誘電体窓2の中心部は温度の低い外周部に比べてより膨張しようとするため、誘電体窓2の中心部の円周方向に圧縮応力が発生し、この中心部の圧縮応力により誘電体窓2の外周部の円周方向に引張応力が誘発される。この応力分布を図8に定性的に示す。また、一般的にアルミナは、圧縮応力に強く、引張り応力に弱い。これらのことから、プラズマ入熱が大きい場合の誘電体窓2の破損は、誘電体窓2の外周部の円周方向に発生した過大な引張応力が原因である。
【0010】
そこで、上記の過大な引張応力による誘電体窓2の破損を防ぐには、誘電体窓2の面内で発生する温度分布を均一化することが必要である。すなわち、誘電体窓2の面内の温度差を低減しなければならない。この方法としては、誘電体窓2全体を温調する必要があり、例えば、特許文献2に記載されているように
(1)誘電体窓2の温度上昇部=圧縮応力発生部(誘電体窓2の中央部)に冷却エアーを吹き付けて冷却する。
(2)誘電体窓2の外周部=引張り応力発生部をヒータで直接・間接的に加熱する。
ことが考えられる。
【0011】
両者とも温度分布の均一化には有効な方法であるが、(2)のヒータ加熱に関しては、ヒータを構成する部材が硬い場合(金属やセラミックスなど)、ヒータと誘電体窓2の熱的な接触が悪く、効率的に加熱することが難しいという問題がある。この原因は二つあり、一つは誘電体窓2もヒータを構成する部材も硬いので、マクロに接触しているように構成してもミクロには点接触しかしていないことである。残る一つは、温度が変化したときの線膨張率が異なるため、望ましい温度範囲で常に良好な接触状態を保つように構成することが難しいことである。
【0012】
そこで本発明は、上記の問題を克服したプラズマ入熱による誘電体窓の破損を抑制できるプラズマ処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、試料がプラズマ処理される金属製の処理室と、前記処理室の上部を気密に封止する誘電体製の誘電体窓と、円板状の前記誘電体窓の上方に配置され、誘導磁場を生じさせる誘導アンテナと、前記誘導アンテナに高周波電力を供給する高周波電源とを備えるプラズマ処理装置において、前記誘電体窓の外側に配置され、前記誘電体窓に圧着された金属製のリング状部材をさらに備え、前記リング状部材の線膨張率は、前記誘電体窓の線膨張率より大きく、前記リング状部材は、温度を調整するための冷媒の流路が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プラズマ入熱による誘電体窓の破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るプラズマ処理装置の概略を示す図である。
図2】本発明の圧縮リング9の上面図である。
図3】本発明の圧縮リング9の側面図である。
図4】本発明の圧縮リング9の内径と誘電体窓2の外径の関係を示す図である。
図5】圧縮リング9と誘電体窓2の内部応力を示す図である。
図6】圧縮リング9の内部応力の温度依存性を示す図である。
図7】圧縮リング9を冷媒で温調する実施形態の概略を示す図である。
図8】誘電体窓にプラズマ入熱を与えた場合の誘電体窓の面内に発生する温度分布と定性的な応力分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明に係る誘導結合型プラズマ処理装置の縦断面図である。円筒状のチャンバ1の上部開口部にはチャンバ1を気密に封止する天板の誘電体窓2が取付けられ、真空処理室を構成する。真空処理室の下方には、ウエハ等の試料3を載置するための試料台5が設置される。尚、チャンバ1は、ステンレス、アルミニウム等の金属からなる。
【0017】
試料3には、第2の高周波電源10から高周波を印加することで、試料3に入射するプラズマ11からのイオンエネルギーを制御する。本実施例では、試料3は、例えば、半導体デバイス用の300mm径のウエハであり、第2の高周波電源10は周波数800KHz電源を用いた。
【0018】
また、チャンバ1との間に排気口12が設けられている。排気口12の下流の排気装置(図示せず)によって真空処理室内の圧力を0.1Paから数10Paの範囲で制御することができる。プラズマを生成するためのガスは、真空処理室を形成するチャンバ1に設けられたガス供給装置13から導入され、チャンバ1側面の円形の開口部より処理ガスが供給される。
【0019】
誘電体窓2は、電磁波を透過可能な誘電性の材料、例えば、アルミナ(Al)等のセラミック、石英等からなり、本実施例では、アルミナの誘電体窓2を使用した。誘電体窓2の上方にはコイル状の誘導アンテナ4が配置されている。この場合、誘導アンテナ4は、図1に示すように内径がそれぞれ異なる、1ターンの第1の誘導アンテナ4aないし第4の誘導アンテナ4dが同心上に配置されている。第1の誘導アンテナ4aないし第4の誘導アンテナ4dの内径は、第1の誘導アンテナ4a、第2の誘導アンテナ4b、第3の誘導アンテナ4c、第4の誘導アンテナ4dの順番で大きくなっている。
【0020】
また、誘導アンテナ4は、整合器6を介して第1の高周波電源7に接続されている。第1の高周波電源7は、例えば、13.56MHz又は27.12MHzの高周波電力を誘導アンテナ4に供給する。誘導アンテナ4と誘電体窓2との間にはファラデーシールド8が配置される。この場合、ファラデーシールド8は、誘電体窓2の上面に配置されている。ファラデーシールド8は、導体であり、図2に示すように中央部に円状の開口を有し、円状の開口を中心にして放射状に複数のスリットを有している。また、ファラデーシールド8は、整合器6を介して第1の高周波電源7に接続され、プラズマ11と容量結合する平板状のアンテナとなる。さらに誘電体窓2とファラデーシールド8と誘導アンテナ4とは同心上、且つ垂直方向に所定の間隔で平行に配置されている。
【0021】
図2及び3に示すように誘電体窓2の外周部の側面にはリング状の圧縮リング9が配置される。誘電体窓2に対して圧縮リング9が満たすべき条件を以下に示す。先ず、図4(1)に示すように誘電体窓2と圧縮リング9の使用温度範囲T〜Tにおいて、応力の無い状態におかれた圧縮リング9の内径φr0と誘電体窓2の外径φW0の関係は、φr0<φW0である。ここでTを誘電体窓2と圧縮リング9の使用温度範囲の下限値とし、Tを誘電体窓2と圧縮リング9の使用温度範囲の上限値とする。
【0022】
次に図4(2)に示すようにTuより高い温度であるTにおいて、応力の無い状態におかれた圧縮リング9の内径φr1と誘電体窓2の外径φW1の関係は、φr1=φW1である。この条件を満たすためには、誘電体窓2の材料の線膨張率よりも圧縮リング9の材料の線膨張率が大きいことが必要である。このため、圧縮リング9の材料として、ステンレス鋼などの金属材料、特に高張力鋼が適切である。
【0023】
そして、これらの圧縮リング9と誘電体窓2をTより高い温度であるTにまで上昇させると、図4(3)に示すように応力の無い状態におかれた圧縮リング9の内径φr2と誘電体窓2の外径φW2の関係は、φr2>φW2となる。
【0024】
次に誘電体窓2への圧縮リング9の装着方法を説明する。先ず、誘電体窓2と圧縮リング9を温度Tに加熱し、熱膨張係数の大きい圧縮リング9の寸法を拡大した後、誘電体窓2を圧縮リング9に内包させ、全体を徐冷する。温度T以下になると、図2及び3に示すように圧縮リング9が誘電体窓2の外周に圧着する。これにより使用温度範囲T〜Tにおいて、引張り応力を打ち消す圧縮応力を予め誘電体窓2内部に均一に印加できる。
【0025】
次に、図5を用いて本発明の効果を説明する。図5(1)は、圧縮リング9が無いときの応力分布である。温度分布が無いときは、誘電体窓2の内部に応力は発生していない。しかし、プラズマを点火して誘電体窓2の中心部の温度が上昇すると、この中心部は熱膨張しようとする。しかし、中心部は誘電体窓2の外周部(温度が低いために熱膨張しようとしない)によって拘束されているため、十分に膨張できない。
【0026】
このため、拘束された中心部には圧縮応力が発生し、拘束されている外周部には引張り応力が発生する。これが図5(1)の応力分布σである。ただし、誘電体窓2内部の応力分布σの総和(体積積分)は0である。
【0027】
【数1】
【0028】
図5(2)は、使用温度範囲T〜Tにおける誘電体窓2の外周に圧縮リング9を圧着したときの応力分布である。誘電体窓2に温度分布が無い場合、圧縮リング9と誘電体窓2には、それぞれ均一な引張り応力σと均一な圧縮応力σが発生する。ここで、誘電体窓2に温度分布が発生すると、やはり応力分布σが発生する。この場合、これらの応力分布の関係は以下の通りである。
【0029】
【数2】
【0030】
ここで、VとVはそれぞれ誘電体窓2と圧縮リング9の体積である。
【0031】
この式が意味しているのは、応力分布σにはσだけのオフセットの圧縮応力がかかるということである。このσ分だけ誘電体窓2の引張り応力は小さくなり、誘電体窓2の引張り応力による破損を防止できる。
【0032】
特許文献3および4に透過窓のガラスを金属の枠で焼き嵌めすることが開示されている。しかし、本発明は、誘電体窓2と圧縮リング9の線膨張率の違いを利用するものであるとともに使用温度範囲における誘電体窓の温度分布による引張り応力に基づいて圧縮リング9の内径の寸法を規定していることを特徴とする。次に圧縮リング9に発生する引張り応力と温度の関係を図6に示す。
【0033】
温度T以上では圧縮リング9には引張り応力が発生しなくなる。つまり、密着した後に昇温すると緩んで密着しなくなり、圧縮応力を印加できなくなる。これは、図4に示したように誘電体窓2と圧縮リング9の温度がT以上になると、圧縮リング9の内径φr1が誘電体窓2の外径φw1より大きくなるためである。これを防ぐには、温度Tあるいは応力σtuを監視してアラームを出すか、またはプラズマ放電を停止させると良い。図1の監視装置14は、温度Tあるいは応力σtuを監視した上で、温度が設定以上になるか、あるいは引張り応力が設定以下になると、放電用電源である第1の高周波電源7を停止させる制御を行う。
【0034】
本発明においては、圧縮リング9は金属材料で構成されているため、圧縮リング9に溝を掘り、温度制御装置であるサーキュレータ15により冷媒を通すことが容易にできる。そこで、圧縮リング9を冷媒により温調することがさらに望ましいことになる。これを図7に示す。このように温調することによって、圧縮リング9が望ましくない温度領域に達することを防ぐことができる。この場合、誘電体窓2の外周の側面(圧縮リング9に圧着される面)をメタライズ処理するとさらに良い。
【0035】
このメタライズ層16は、誘電体窓にぬれる金属材料で構成されなければならず、メタライズ層16は、誘電体窓2と良好な熱伝達特性を有する。さらにメタライズ層16は、誘電体窓2より軟らかいので、金属製の圧縮リング9と密着する。結果として、圧縮リング9は誘電体窓2と良好な熱伝達特性を有することになり、冷媒による温度調整がより有効に働くことになる。この場合、監視装置14は、圧縮リング9の応力σtuを監視するのが良い。
【0036】
また、上述した通り、誘電体窓2の外周の側面をメタライズ処理することによって誘電体窓2の熱伝達特性が改善するため、誘電体窓2の温度分布が改善する。この効果によりメタライズ処理しない場合の圧縮リング9より圧縮リング9を薄くできる。また、通常、アルミナの誘電体窓の真円度は必ずしも良くない。このため、誘電体窓2の外周の側面をメタライズ処理することにより誘電体窓2の真円度が向上し、誘電体窓2の応力が緩和される。このようなことから圧縮リング9に冷媒を通すこと無く、誘電体窓2の外周の側面をメタライズ処理した後、誘電体窓2の外周に圧縮リング9を圧着させる本発明は、プラズマ入熱による誘電体窓の破損に対して非常に実用的で有効な解決手段と言える。
【符号の説明】
【0037】
1 チャンバ
2 誘電体窓
3 試料
4 誘導アンテナ
5 試料台
6 整合器
7 第1の高周波電源
8 ファラデーシールド
9 圧縮リング
10 第2の高周波電源
11 プラズマ
12 排気口
13 ガス供給装置
14 監視装置
15 サーキュレータ
16 メタライズ層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8