特許第6606835号(P6606835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606835
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】予備混練装置及び混練装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 7/08 20060101AFI20191111BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20191111BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20191111BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20191111BHJP
   B29B 7/48 20060101ALI20191111BHJP
   B29B 7/60 20060101ALI20191111BHJP
   B29B 7/72 20060101ALI20191111BHJP
   B29K 103/04 20060101ALN20191111BHJP
【FI】
   B01F7/08 B
   H01M4/04 Z
   H01M4/139
   B01F15/02 B
   B29B7/48
   B29B7/60
   B29B7/72
   B29K103:04
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-44454(P2015-44454)
(22)【出願日】2015年3月6日
(65)【公開番号】特開2016-163853(P2016-163853A)
(43)【公開日】2016年9月8日
【審査請求日】2018年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】藤井 崇文
(72)【発明者】
【氏名】三尾 巧美
(72)【発明者】
【氏名】松田 翼
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02136264(US,A)
【文献】 特許第009064(JP,C2)
【文献】 特開2011−204576(JP,A)
【文献】 特開2004−059676(JP,A)
【文献】 特公昭42−006263(JP,B1)
【文献】 特開昭50−019054(JP,A)
【文献】 特開昭58−065615(JP,A)
【文献】 特開平11−197478(JP,A)
【文献】 特開2004−122051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 7/08−15/02
B28C 3/00
B29B 7/48−72
H01M 4/04−139
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に平行且つ並べて配置され、軸線回りに回転可能な一対のスクリュウを有し、投入される粉体及び液体を前記一対のスクリュウの回転により撹拌することにより、前記粉体を前記液体に対し濡らしながら前記一対のスクリュウの軸線方向に搬送する予備混練の制御を行う制御装置を備える予備混練装置であって、
前記一対のスクリュウは、スクリュウ羽根の先端と前記ハウジングの内壁との径方向のハウジングギャップが前記粉体及び前記液体の搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなるように形成され、且つ、前記スクリュウ羽根の径が前記搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなるように形成されるとともに、前記スクリュウ羽根の先端同士の径方向のスクリュウギャップが前記搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなるように形成され、
前記ハウジングには、前記粉体及び前記液体の投入が可能な投入部が前記軸線方向に移動可能に設けられ、
前記投入部は、移動台と駆動モータを備え、前記駆動モータの駆動で前記移動台の移動が可能であり、
前記粉体の損傷程度と前記ハウジングギャップ及び前記スクリュウギャップとの関係に基づいて、前記粉体の種類又は量に応じて予め求められている前記ハウジングギャップ及び前記スクリュウギャップに近いところに前記投入部を予め移動させた状態で、前記制御装置は、前記予備混練の制御を行う、予備混練装置。
【請求項2】
前記一対のスクリュウは、前記スクリュウ羽根のピッチが前記搬送方向に向かうに従って徐々に小さくなるように形成される、請求項1に記載の予備混練装置。
【請求項3】
前記一対のスクリュウは、前記スクリュウ羽根の先端幅が前記搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなるように形成される、請求項1又は2に記載の予備混練装置。
【請求項4】
請求項1−の何れか一項に記載の予備混練装置と、
前記予備混練装置から供給される前記粉体及び前記液体のプレスラリを、対向して回転するテーパ面間の調整可能なギャップに通すことにより、前記プレスラリ中において前記粉体を分散させてスラリとする本混練装置と、
を備える混練装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体と液体とを搬送しながら混練してプレスラリとする予備混練装置及びその予備混練装置を備えた混練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車等に適用されている。リチウムイオン二次電池の電極は、先ず、活物質材料のスラリを得るために増粘剤の溶解液に活物質の粉体等を混練し、次に、活物質材料のスラリをアルミニウム箔等の基材に塗布して乾燥することにより製造される。
【0003】
例えば、特許文献1には、テーパ状の一対のスクリュウを小径側が近接し且つ一対の軸線が所定角度で開くように配置した混練装置が記載されている。この混練装置では、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体は、一対のスクリュウの大径側から投入され、小径側に向かって搬送混練されるが、搬送されるに従って一対のスクリュウ間のギャップが狭くなるので、混練物に掛かるせん断力が徐々に上昇して良好な混練処理が可能となる。
【0004】
また、特許文献2には、フィードスクリュウの搬送上流側でフィードスクリュウに対しサブスクリュウが角度を持って搬送下流端を交接させるように配置された押出装置が記載されている。この押出装置では、押出物は、フィードスクリュウの搬送上流側から投入され、サブスクリュウに向かって押し出されるが、フィードスクリュウとサブスクリュウとの間で徐々にギャップが狭くなるので、押出物に掛かるせん断力が徐々に上昇して良好な押出処理が可能となる。このような構造は、混練装置にも適用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4813826号公報
【特許文献2】特開2004−209730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の活物質の粉体は、増粘剤の溶解液に濡れ難いため、特許文献1,2に記載の装置の2つのスクリュウ間のギャップが適切でない場合、活物質の粉体が損傷するおそれがある。この場合、2つのスクリュウ間のギャップを変更すればよいが、スクリュウ交換を行う必要があり、交換段取り作業が煩雑である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、粉体と液体との安定的な混練が可能な予備混練装置及びその予備混練装置を備えた混練装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る予備混練装置は、ハウジング内に平行且つ並べて配置され、軸線回りに回転可能な一対のスクリュウを有し、投入される粉体及び液体を前記一対のスクリュウの回転により撹拌することにより、前記粉体を前記液体に対し濡らしながら前記一対のスクリュウの軸線方向に搬送する予備混練の制御を行う制御装置を備える予備混練装置であって、前記一対のスクリュウは、スクリュウ羽根の先端と前記ハウジングの内壁との径方向のハウジングギャップが前記粉体及び前記液体の搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなるように形成され、且つ、前記スクリュウ羽根の径が前記搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなるように形成されるとともに、前記スクリュウ羽根の先端同士の径方向のスクリュウギャップが前記搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなるように形成され、前記ハウジングには、前記粉体及び前記液体の投入が可能な投入部が前記軸線方向に移動可能に設けられ、前記投入部は、移動台と駆動モータを備え、前記駆動モータの駆動で前記移動台の移動が可能であり、前記粉体の損傷程度と前記ハウジングギャップ及び前記スクリュウギャップとの関係に基づいて、前記粉体の種類又は量に応じて予め求められている前記ハウジングギャップ及び前記スクリュウギャップに近いところに前記投入部を予め移動させた状態で、前記制御装置は、前記予備混練の制御を行う
【0009】
粉体の種類や量によっては、スクリュウ羽根の外周とハウジングの内壁とのギャップやスクリュウ羽根の外周同士間のギャップが広い程、粉体に対する損傷を少なくすることができるが、上記ギャップが広過ぎると、一対のスクリュウによる送り能力が不足し、混練物の搬送量にばらつきが生じる。そこで、作業者は、粉体の種類や量に応じて最適な上記ギャップを予め求めておき、求めたギャップに近い一対のスクリュウの軸線上の位置から粉体及び液体を投入する。これにより、スクリュウ交換を行わなくても、粉体の損傷を抑制でき、良好な状態の混練物が得られる。また、混練物が、一対のスクリュウのスクリュウ羽根の外周とハウジングの内壁との間を搬送される際に発生するせん断力は、混練物が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、混練物の混練状態を良好なものとすることができる。
【0010】
本発明に係る混練装置は、前記予備混練装置と、前記予備混練装置から供給される前記粉体及び前記液体のプレスラリを、対向して回転するテーパ面間の調整可能なギャップに通すことにより、前記プレスラリ中において前記粉体を分散させてスラリとする本混練装置と、を備える。
これにより、本混練の条件変更は、対向して回転するテーパ面間のギャップの調整のみで行うことが可能であるので、本混練の条件変更作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態の混練装置の概略構成図である。
図2A】本発明の実施の形態の予備混練装置を上方から見た図である。
図2B図2Aの予備混練装置を水平方向から見た図である。
図3】混練装置の制御装置による処理を示すフローチャートである。
図4】予備混練装置におけるスクリュウ羽根の外周とハウジングの内壁とのギャップ又はスクリュウ羽根の外周同士のギャップを変化させたときの活物質の粉体の損傷程度を示す図である。
図5】増粘剤の溶解液の粘度と溶解度との関係を示す図である。
図6】マイクロ波による増粘剤の溶解液の粘度、撹拌力による増粘剤の溶解液の粘度及び加熱による増粘剤の溶解液の粘度の経時変化を示す図である。
図7】活物質材料のスラリの粘度と本混練装置の回転子の周速との関係を示す図である。
図8】活物質材料のスラリの粘度と本混練装置のバルブの開度との関係を示す図である。
図9A】予備混練装置のスクリュウの第一の変形例を示す図である。
図9B】予備混練装置のスクリュウの第二の変形例を示す図である。
図10】予備混練装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(混練装置により混練される材料)
本実施形態による混練装置は、例えば、リチウムイオン二次電池の電極(正極及び負極)を製造するための装置を構成する。リチウムイオン二次電池の電極は、アルミニウム箔や銅箔等の基材に活物質材料のスラリを塗布して乾燥することにより製造される。本実施形態の混練装置は、活物質材料のスラリを製造する装置である。
【0013】
活物質材料の具体例としては、正極の電極の場合、活物質としてリチウムニッケル酸化物等(固形分)、溶媒としてN−メチルピロリドン等(液体分)、導電助材としてアセチレンブラック等及びバインダとしてポリフッ化ビニリデン等がある。負極の電極の場合、活物質としてグラファイト等(固形分)、溶媒として水(液体分)、増粘材としてカルボキシメチルセルロース等及びバインダとしてSBRゴムやポリアクリル酸等がある。
【0014】
(混練装置の構成)
本実施形態の混練装置について、図を参照して説明する。
図1に示すように、混練装置1は、溶解装置2と、供給装置3と、予備混練装置4と、本混練装置5と、制御装置6等とを備える。
【0015】
溶解装置2は、増粘剤を溶媒に溶解し、所定量の増粘剤の溶解液を予備混練装置4に供給する装置であり、ハウジング21と、マイクロ波装置22と、ホッパ23と、貯留タンク24と、供給管路25と、定量ポンプ26等とを備える。
【0016】
ハウジング21は、中空円筒状に形成され、軸方向が鉛直方向となるように配置される。マイクロ波装置22は、マグネトロンを備え、ハウジング21の上面に配置される。ホッパ23は、増粘剤を収容してハウジング21内に投入可能なように、ハウジング21の上面に突設される。貯留タンク24は、溶媒を収容してハウジング21内に投入可能なように、ハウジング21の上面に突設される。供給管路25は、増粘剤を溶媒に溶解した溶解液を予備混練装置4に供給可能なように、ハウジング21の下面に配管される。定量ポンプ26は、供給管路25の途中に配置される。
【0017】
供給装置3は、ロスインウエイト制御により所定量の活物質の粉体を予備混練装置4に供給する装置であり、ハウジング31と、低周波発生装置32と、供給管路33等とを備える。
【0018】
ハウジング31は、中空円筒状に形成され、軸方向が鉛直方向となるように配置される。低周波発生装置32は、ハウジング31の外周に配置され、ソレノイドがハウジング31の外周面に固定される。供給管路33は、活物質の粉体を予備混練装置4に供給可能なように、ハウジング31の下面に配管される。
【0019】
予備混練装置4は、増粘剤の溶解液に対し活物質の粉体を濡らしながら搬送して活物質材料のプレスラリ、すなわち増粘剤の溶解液に対し活物質の粉体の分散度合いが低い状態のスラリとする装置であり、ハウジング41と、一対のスクリュウ42と、駆動モータ43と、ギヤ機構44と、供給管路45と、投入部46等とを備える。
【0020】
図2A及び図2Bに示すように、ハウジング41は、中空の直方体状に形成される。ハウジング41内には、一対のスクリュウ42が回転可能に収納される。ハウジング41の一端面には、供給管路45が接続される開口41aが設けられる。ハウジング41の上面には、投入部46が接続される開閉可能な開口41bがスクリュウ42の軸線方向に所定間隔をあけて複数(本例では、3個)設けられる。
【0021】
一対のスクリュウ42は、テーパ状(円錐台状)にそれぞれ形成される。そして、スクリュウ羽根42aの形成ピッチPは、同一ピッチでそれぞれ形成され、スクリュウ羽根42aの先端幅wは、同一幅でそれぞれ形成される。一対のスクリュウ42は、ハウジング41の内部において軸線方向を平行且つ並べて配置され、軸線回りに同方向もしくは逆方向に回転可能なように、一対のスクリュウ42の回転軸が、ハウジング41の両端面にそれぞれ軸支持される。
【0022】
そして、一対のスクリュウ42は、各スクリュウ羽根42aの外周と、近接するハウジング41の内壁とのギャップ(以下、「ハウジングギャップ」という)が、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなる(hg1>hg2>・・・>hgn)ように形成される。なお、nはスクリュウ羽根42aの数であり、以下同様である。これにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、スクリュウ42のスクリュウ羽根42aの外周とハウジング41の内壁との間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0023】
さらに、一対のスクリュウ42は、各スクリュウ羽根42aの径が上記搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなる(r1<r2<・・・<rn)ように形成される。つまり、一対のスクリュウ42は、一対のスクリュウ羽根42aの外周同士のギャップ(以下、「スクリュウギャップ」という)が、上記搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなる(sg1>sg2>・・・>sgn)ように形成される。これにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42のスクリュウ羽根42aの外周同士間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0024】
駆動モータ43は、ハウジング41の一端面、すなわち一対のスクリュウ42の後端側の端面にギヤ機構44を介して固定され、駆動モータ43のモータ軸が、ギヤ機構44を介して一対のスクリュウ42の回転軸に連結される。
供給管路45は、活物質材料のプレスラリを本混練装置5に供給可能なように、ハウジング41の他端面、すなわち一対のスクリュウ42の前端側の端面に配管される。
【0025】
投入部46は、溶解装置2の供給管路25及び供給装置3の供給管路33から増粘剤の溶解液及び活物質の粉体をハウジング41内に投入可能なように、ハウジング41の上面に設けられる。投入部46は、移動台461と、2つの投入管路462,463と、ボールネジ464と、駆動モータ465等とを備える。
【0026】
移動台461には、2つの貫通穴461a,461bが穿設され、2つの貫通穴461a,461bには、2つの投入管路462,463がそれぞれ立設される。そして、2つの投入管路462,463には、溶解装置2の供給管路25及び供給装置3の供給管路33がそれぞれ接続される。さらに、移動台461には、ボールネジ464と噛み合う図略のナットが設けられる。
【0027】
駆動モータ465に接続されるボールネジ464は、スクリュウ42の軸線方向と平行な方向、すなわち増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の搬送方向と平行な方向に延びるように配置される。これにより、移動台461は、駆動モータ465の駆動で、ハウジング41の上面に設けられる3つの開口41bのうちの任意の1つの開口41bに移動可能となる。
【0028】
図4に示すように、活物質の粉体の種類や量によっては、ハウジングギャップhg1,hg2,・・・,hgnやスクリュウギャップsg1,sg2,・・・,sgnが広い程、活物質の粉体に対する損傷を少なくすることができるが、ハウジングギャップhg1,hg2,・・・,hgnやスクリュウギャップsg1,sg2,・・・,sgnが広過ぎると、一対のスクリュウ42による送り能力が不足し、プレスラリの搬送量にばらつきが生じる。
【0029】
そこで、作業者は、活物質の粉体の種類や量に応じて最適なハウジングギャップやスクリュウギャップを予め求めておき、求めたハウジングギャップやスクリュウギャップに近い開口41bに移動台461を移動し、当該開口41bから増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を投入する。これにより、予備混練装置4は、最適なハウジングギャップやスクリュウギャップに対応するスクリュウ羽根径やスクリュウ羽根間などを設定できるスクリュウに交換を行わなくても、活物質の粉体の損傷を抑制しつつ良好な状態のプレスラリを略一定量で本混練装置5に供給できる。そして、投入部46がスクリュウ42の軸線方向に移動可能に設けられるので、作業者は、活物質の粉体の種類や量に応じて求めた最適なハウジングギャップやスクリュウギャップに近い開口41bから増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を簡易に投入できる。
【0030】
図1に示すように、本混練装置5は、活物質材料のプレスラリ中において活物質の粉体を分散させて活物質材料のスラリとする装置であり、ハウジング51と、回転子52と、収納容器53と、移動モータ54と、回転駆動モータ55と、排出管路56と、バルブ57等とを備えている。ハウジング51は、中空円筒状に形成され、軸方向が鉛直方向となるように配置される。
【0031】
ハウジング51の外周面には、ハウジング51内に配置される収納容器53を冷却するための冷却水を給水及び排水するための冷却管路51a,51bが配管される。回転子52は、円錐台状に形成され、軸方向が鉛直方向となり小径端面が下方を向いて、回転子52の回転軸が収納容器53の上面の中心部に軸支持され、収納容器53内において軸線回りに回転可能且つ軸線方向に移動可能に配置される。
【0032】
収納容器53は、回転子52を収納可能なように、回転子52の外周面の傾斜と同一の傾斜の内周面が設けられた中空円錐台状に形成され、ハウジング51内に配置される。収納容器53の小径端面には、予備混練装置4の供給管路45の排出口がハウジング51を貫通して連接される開口53aが設けられる。移動モータ54は、ハウジング51の上面上部に固定され、ギヤ機構を介して回転子52の回転軸に連結される。そして、移動モータ54を駆動することで、回転子52を回転軸方向で移動させる。
【0033】
回転駆動モータ55は、移動モータ54の上部に固定され、ギヤ機構を介して回転子52の回転軸に連結される。排出管路56は、活物質材料のスラリを本混練装置5の外部に排出可能なように、収納容器53の大径端面側の周面にハウジング51を貫通して配管される。バルブ57は、排出管路56の途中に配置される。
【0034】
制御装置6は、記憶部61と、溶解制御部62と、供給制御部63と、予備混練制御部64と、本混練制御部65等とを備える。
記憶部61には、増粘剤の溶解液の溶解度と増粘剤の溶解液の粘度との関係を示すデータ(図5参照)、増粘剤の溶解液の粘度と増粘剤溶解時間との関係を示すデータ(図6参照)、活物質材料のスラリの粘度と本混練装置5の回転子52の周速との関係を示すデータ(図7参照)、活物質材料のスラリの粘度と本混練装置5のバルブ57の開度との関係を示すデータ(図8参照)、その他の溶解制御、混練制御等に関するデータが記憶される。
【0035】
溶解制御部62は、溶解装置2の動作を制御する制御部であり、マイクロ波装置22を駆動してマイクロ波を発生させ、ハウジング21内の溶媒にマイクロ波を付与して増粘剤を溶媒に溶解する。そして、溶解制御部62は、定量ポンプ26を駆動制御して所定量の増粘剤の溶解液を供給管路25を介して予備混練装置4に供給する。
【0036】
供給制御部63は、供給装置3の動作を制御する制御部であり、低周波発生装置32を駆動して低周波を発生させ、ハウジング31内の活物質の粉体の架橋を防止し、ロスインウエイト制御により所定量の活物質の粉体を供給管路33を介して予備混練装置4に供給する。
【0037】
予備混練制御部64は、予備混練装置4の動作を制御する制御部であり、駆動モータ43を駆動して一対のスクリュウ42を軸線回りで回転させ、ハウジング41の投入部46から供給される増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を撹拌することにより、スクリュウ後端側からスクリュウ前端側に向かって活物質の粉体を増粘剤の溶解液に対し濡らしながら搬送して活物質材料のプレスラリとし、この活物質材料のプレスラリを供給管路45を介して本混練装置5に供給する。
【0038】
本混練制御部65は、本混練装置5の動作を制御する制御部であり、冷却水を冷却管路51aから給水して冷却管路51bから排水することにより、ハウジング51内の収容容器53を冷却する制御、移動モータ54を駆動して回転子52を軸線方向に移動して回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを調整する制御、バルブ57を開閉する制御を行う。
【0039】
そして、本混練制御部65は、バルブ57を閉じ、回転駆動モータ55を駆動して回転子52を軸線回りで回転させ、収納容器53の開口53aから供給される活物質材料のプレスラリを、回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGに通し、活物質材料のプレスラリ中において活物質の粉体を分散させて活物質材料のスラリとする。
【0040】
そして、本混練制御部65は、収容容器53内に活物質材料のプレスラリ及び活物質材料のスラリが満たされて収容容器53の内圧が所定値に達したら、バルブ57を所定量開け、活物質材料のスラリを排出管路56を介して外部に排出する。
【0041】
(制御装置による処理)
次に、制御装置6による処理について、図3を参照して説明する。なお、作業者は、活物質の粉体の種類や量に応じて最適なスクリュウギャップを予め求めておき、求めたスクリュウギャップに近い開口41bに移動台461を移動しておくものとする。
【0042】
制御装置6は、溶解装置2を駆動し増粘剤を溶媒に溶解する(図3のステップS1)。
具体的には、溶解制御部62は、記憶部61から増粘剤の溶解液の粘度と増粘剤の溶解液の溶解度との関係を示すデータ、及び増粘剤の溶解液の粘度と増粘剤溶解時間との関係を示すデータを読み出す。
【0043】
そして、溶解制御部62は、所定量の増粘剤をホッパ23を介してハウジング21内に投入するとともに、所定量の溶媒を貯留タンク24を介してハウジング21内に投入し、マイクロ波装置22を駆動しハウジング21内の溶媒にマイクロ波を付与して増粘剤を溶解する。そして、溶解制御部62は、マイクロ波装置22を増粘剤の溶解液の溶解度が所定値に達する時間駆動したら、マイクロ波装置22の駆動を停止する。
【0044】
すなわち、図5に示すように、増粘剤の溶解液の粘度μは、溶媒に増粘剤を投入した直後の溶媒に増粘剤が溶解していない溶解度0%のときをμoとすると、溶解度が80%になるとμg(>μo)に上昇し、溶媒に増粘剤が完全に溶解した溶解度100%のときはμs(>μg)まで上昇する。そして、増粘剤の溶解液の溶解度が、80%に達するまでマイクロ波装置22を駆動するとした場合、図6に示すように、マイクロ波装置22の駆動時間、すなわち増粘剤溶解時間Tは、増粘剤の溶解液の粘度μがμoからμgに達するまでのTgとなる。
【0045】
ここで、マイクロ波による溶解は、溶媒にマイクロ波を照射して振動させ、溶媒を増粘剤に浸透させることにより行っている。このマイクロ波の周波数帯域としては、溶媒がマイクロ波のエネルギを吸収し易い帯域が望ましく、例えば溶媒として水を使用する場合、0.9GHz〜400GHzの周波数帯域が使用される。
【0046】
なお、増粘剤の溶媒に対する溶解は、従来のように撹拌することにより行ってもよいが、本実施形態ではマイクロ波により溶媒を振動させて増粘剤を溶媒に溶解している。図6に示すように、マイクロ波の振動による溶媒に対する増粘剤の溶解の方が、撹拌力による溶媒に対する増粘剤の溶解や加熱、例えば高温にした溶媒に対する増粘剤の溶解よりも効率よく行うことができるためである。
【0047】
すなわち、増粘剤の溶解液の目標値である粘度μsに調整する時間Tは、撹拌力による場合はT12、加熱による場合はT13(>T12)掛かるのに対し、マイクロ波による場合はT11(<T12<T13)に短縮することができる。よって、マイクロ波による溶解に必要な電力は、撹拌力による溶解に必要な電力よりも低減される。
【0048】
次に、制御装置6は、溶解装置2及び供給装置3を駆動し、所定量の増粘剤の溶解液及び活物質等の粉体を予備混練装置4に供給する(図3のステップS2)。
具体的には、溶解制御部62は、定量ポンプ26を駆動して所定量の増粘剤の溶解液を供給管路25を通じて予備混練装置4の開口41bから一対のスクリュウ42間に供給する。供給制御部63は、低周波発生装置32を駆動して所定量の活物質等の粉体を供給管路33を通じて予備混練装置4の開口41bから一対のスクリュウ42間に供給する。
【0049】
これにより、活物質等の粉体は、架橋が発生することなくスムーズに予備混練装置4に供給される。そして、活物質等の粉体は、増粘剤の溶解液と混練されるので、活物質、増粘剤及び溶媒を一時に混練する場合と比較して増粘剤の溶解液に対し活物質等の粉体を十分に濡らすことができる。
【0050】
次に、制御装置6は、予備混練装置4を駆動して増粘剤の溶解液及び活物質等の粉体の予備混練を行う(図3のステップS3)。
具体的には、予備混練制御部64は、駆動モータ43を駆動して一対のスクリュウ42を軸線回りで回転させ、ハウジング41の開口41aから供給される増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を搬送しつつ混練する。
【0051】
これにより、活物質の粉体は、増粘剤の溶解液に対し濡れながらスクリュウ後端側からスクリュウ前端側に向かって搬送されて活物質材料のプレスラリとされ、活物質材料のプレスラリは、供給管路45を介して本混練装置5に供給される。このように、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体は、一対のスクリュウ42により撹拌されつつ押し出されるので、活物質の粉体を増粘剤の溶解液に十分に馴染ませて搬送することができる。
【0052】
次に、制御装置6は、本混練装置5を駆動して活物質材料のプレスラリの本混練を行う(図3のステップS4)。
具体的には、まず、本混練制御部65は、本混練装置5に活物質材料のプレスラリが供給される前に、以下の準備工程を行う。すなわち、本混練制御部65は、ハウジング51内の収容容器53を冷却するために、冷却水を冷却管路51aから給水して冷却管路51bから排水する。収容容器53を冷却する理由は、後述する回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップG間で行われる活物質材料のプレスラリの分散中において、活物質材料のプレスラリの温度上昇を抑制するためである。
【0053】
さらに、本混練制御部65は、移動モータ54を駆動して回転子52を軸線方向に移動して回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを調整し、バルブ57を完全に閉じる。回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを調整する理由及びバルブ57を閉じる理由は、後述する。
【0054】
次に、本混練制御部65は、本混練装置5に活物質材料のプレスラリが供給されたら、回転駆動モータ55を駆動して回転子52を軸線回りで所定の周速で回転させる。収納容器53の開口53aから供給される活物質材料のプレスラリは、回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを通るときにせん断力及び圧縮力を受け、活物質材料のプレスラリ中において活物質の粉体は分散される。せん断力は、活物質材料のプレスラリ中において凝集物を引き剥がす作用を担い、圧縮力は、活物質材料のプレスラリ中において増粘剤の溶解液を活物質の粉体に含浸させる作用を担う。
【0055】
ここで、活物質材料のスラリの粘度は、電池の初期性能及び塗布・乾燥工程の実行性の兼ね合いから定められる所定範囲内に調整する必要がある。図7に示すように、活物質材料のスラリの粘度は、回転子52の周速が大きくなるにつれて低下する。また、活物質材料のスラリの粘度は、回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGが小さい方が低下率が大きい。よって、活物質材料のスラリの粘度が、上記所定範囲内となるように、回転子52の周速及び回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを設定する。
【0056】
また、活物質材料のスラリの粘度は、同じ条件で本混練を行ってもばらつくことが多い。このばらつきは、収容容器53内における活物質材料のプレスラリ及び活物質材料のスラリの充満度に起因している。すなわち、活物質材料のプレスラリ及び活物質材料のスラリが、収容容器53内において疎な場合、エネルギの伝達効率が悪いので、活物質材料のスラリの粘度はばらつくが、収容容器53内において密な場合、エネルギの伝達効率が良いので、活物質材料のスラリの粘度は安定する。収容容器53内において活物質材料のプレスラリ及び活物質材料のスラリを密にするには、バルブ57を閉じて活物質材料のプレスラリを送り続ければよい。
【0057】
そして、活物質材料のプレスラリ及び活物質材料のスラリが、収容容器53内に満たされて密になったら、この密な状態を維持するため、活物質材料のプレスラリの流入圧及び活物質材料のスラリの流出量を制御すればよいが、活物質材料のプレスラリの流入圧は一定であるため、活物質材料のスラリの流出量をバルブ57の開度を調整することにより行う。
【0058】
図8に示すように、活物質材料のスラリの粘度は、バルブ57の開度が小さくなるほど回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGにおいてせん断力が活物質材料のプレスラリに作用するため低くなる。よって、活物質材料のスラリの粘度が、上記所定範囲内となるように、バルブ57の開度を設定する。また、活物質材料のプレスラリが回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを通過するときの速度や圧力は、バルブ57の開度により設定できるので、活物質材料のプレスラリ中において増粘剤の溶解液に対する活物質の粉体の分散度合いが良好となるバルブ57の開度に調節する。
【0059】
そして、本混練制御部65は、バルブ57が閉じられていることにより上昇する収容容器53の内圧を図略の圧力計により測定する。本混練制御部65は、収容容器53内に活物質材料のプレスラリ及び活物質材料のスラリが満たされて収容容器53の内圧が所定値に達したら、バルブ57を所定量開け、活物質材料のスラリを排出管路56を介して外部に排出する。
【0060】
(変形例)
上述の実施形態では、スクリュウ羽根42aの形成ピッチPを同一ピッチでそれぞれ形成した一対のスクリュウ42を備える構成とした。しかし、図9Aに示す第一の変形例のように、スクリュウ羽根42Aaのピッチが前記搬送方向に向かうに従って徐々に小さくなる(pa1>pa2>・・・>pan)ように形成した一対のスクリュウ42Aを備える構成としてもよい。これにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42Aのスクリュウ羽根42Aaの外周同士間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0061】
また、図9Bに示す第二の変形例のように、スクリュウ羽根42Baの先端幅が搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなる(wb1<wb2<・・・<wbn)ように形成した一対のスクリュウ42Bを備える構成としてもよい。これにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42Bのスクリュウ羽根42Baの外周同士間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0062】
また、上述の実施形態では、予備混練装置4においてテーパ状の一対のスクリュウ42を直方体状のハウジング41内に配置することで、スクリュウ羽根42aの外周とハウジング41の内壁とのギャップが搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなるように構成した。しかし、図10に示す第三の変形例のように、筒状の一対のスクリュウ72を平面が台形状に形成された六面体のハウジング71内に配置することで、スクリュウ羽根72aの外周とハウジング71の内壁とのギャップが搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなる(hh1>hh2>・・・>hhn)ように構成してもよい。
【0063】
(効果)
本実施形態の予備混練装置4によれば、ハウジング41内に平行且つ並べて配置され、軸線回りに回転可能な一対のスクリュウ42を有し、投入される増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を一対のスクリュウ42の回転により撹拌することにより、活物質の粉体を増粘剤の溶解液に対し濡らしながら一対のスクリュウ42の軸線方向に搬送する。そして、一対のスクリュウ42は、スクリュウ羽根42aの外周とハウジング41の内壁とのハウジングギャップhg1,hg2,・・・,hgnが増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の搬送方向に向かうに従って徐々に狭くなるように形成される。
【0064】
活物質の粉体の種類や量によっては、ハウジングギャップhg1,hg2,・・・,hgnやスクリュウギャップsg1,sg2,・・・,sgnが広い程、活物質の粉体に対する損傷を少なくすることができるが、ハウジングギャップhg1,hg2,・・・,hgnやスクリュウギャップsg1,sg2,・・・,sgnが広過ぎると、一対のスクリュウ42による送り能力が不足し、プレスラリの搬送量にばらつきが生じる。
【0065】
そこで、作業者は、活物質の粉体の種類や量に応じて最適なハウジングギャップやスクリュウギャップを予め求めておき、求めたハウジングギャップやスクリュウギャップに近い開口41bに移動台461を移動し、当該開口41bから増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を投入する。これにより、予備混練装置4は、最適なハウジングギャップやスクリュウギャップに対応するスクリュウ羽根径やスクリュウ羽根間などを設定できるスクリュウに交換を行わなくても、活物質の粉体の損傷を抑制しつつ良好な状態のプレスラリを略一定量で本混練装置5に供給できる。
【0066】
さらに、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42のスクリュウ羽根42aの外周とハウジング41の内壁との間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0067】
また、一対のスクリュウ42は、スクリュウ羽根42aの径r1,r2,・・・,rnが搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなるように形成される。これにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42のスクリュウ羽根42aの外周同士間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0068】
また、ハウジング41には、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の投入が可能な投入部46がスクリュウ42の軸線方向に移動可能に設けられる。これにより、作業者は、活物質の粉体の種類や量に応じて求めた最適なハウジングギャップやスクリュウギャップに近い開口41bから増粘剤の溶解液及び活物質の粉体を簡易に投入できる。
【0069】
また、一対のスクリュウ42Aは、スクリュウ羽根42Aaのピッチが搬送方向に向かうに従って徐々に小さくなる(pa1>pa2>・・・>pan)ように形成される。これにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42Aのスクリュウ羽根42Aaの外周同士間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0070】
また、一対のスクリュウ42Bは、スクリュウ羽根42Baの先端幅が搬送方向に向かうに従って徐々に大きくなる(wb1<wb2<・・・<wbn)ように形成されるこれにより、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が、一対のスクリュウ42Aのスクリュウ羽根42Aaの外周同士間を搬送される際に発生するせん断力は、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体が搬送されるに従って徐々に大きくなるので、増粘剤の溶解液及び活物質の粉体の混練状態を良好なものとすることができる。
【0071】
また、混練装置1は、予備混練装置4と、予備混練装置4から供給される増粘剤の溶解液及び活物質の粉体のプレスラリを、対向して回転する回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップG、すなわちテーパ面間の調整可能なギャップGに通すことにより、プレスラリ中において粉体を分散させてスラリとする本混練装置と、を備える。
これにより、本混練の条件変更は、対向して回転する回転子52の外周面と収容容器53の内周面とのギャップGを調整するのみで行うことが可能であるので、本混練の条件変更作業が容易となる。
【0072】
(その他)
なお、上述の実施形態では、予備混練装置4に設けた投入部46は、ボールネジ464及び駆動モータ465で移動台461を移動させる構成としたが、作業者による手動で移動台461を移動させる構成としてもよい。
また、リチウムイオン二次電池の負極用の活物質材料を製造する場合について説明したが、リチウムイオン二次電池の正極用の活物質材料を製造する場合も適用可能である。また、本発明が適用される材料としては、リチウムイオン二次電池の電極用の活物質材料に限定されるものではなく、例えばキャパシタの材料、医薬品用や化粧品用の微粒子スラリ、食品用のペースト等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1:混練装置、 2:溶解装置、 3:供給装置、 4:予備混練装置、 5:本混練装置、 6:制御装置、 42:スクリュウ、 52:回転子、 53:収容容器、 57:バルブ、 :61:記憶部、 62:溶解制御部、 63:供給制御部、 64:予備混練制御部、 65:本混練制御部、 hg:ハウジングギャップ、 sg:スクリュウギャップ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10