特許第6616714号(P6616714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルプスアルパイン株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000002
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000003
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000004
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000005
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000006
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000007
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000008
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000009
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000010
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000011
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000012
  • 特許6616714-通信システム、通信装置、及び通信方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616714
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20191125BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20191125BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20191125BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20191125BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301B
   E05B49/00 K
   H04W84/10 110
   B60R25/24
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-50061(P2016-50061)
(22)【出願日】2016年3月14日
(65)【公開番号】特開2017-168920(P2017-168920A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏行
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−131608(JP,A)
【文献】 特開2006−121226(JP,A)
【文献】 特開2012−046918(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0302673(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0074805(US,A1)
【文献】 特開2011−196096(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0330449(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00−19/00
H04Q 1/00− 9/00
G08B 1/00−31/00
H04W 4/00−99/00
B60R 25/24
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線により相互に通信する第1通信装置と第2通信装置とを備え、
前記第1通信装置が、前記第2通信装置から要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する応答部を含み、
前記第2通信装置が、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部を含み、
前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間を前記関係情報として計測し、
前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方が、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部をさらに含み、
前記錠制御部は、
前記実行期間が所定の実行期間以下である場合に前記錠を解錠し、
前記実行期間が前記所定の実行期間より大きい場合に前記錠を解錠しない、
通信システム。
【請求項2】
無線により相互に通信する第1通信装置と第2通信装置とを備え、
前記第1通信装置が、前記第2通信装置から要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する応答部を含み、
前記第2通信装置が、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部を含み、
前記関係情報取得部が、所定の実行期間に実行された前記確認通信の前記実行回数を前記関係情報として計測し、
前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方が、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部をさらに含み、
前記錠制御部は、
前記実行回数が所定の実行回数以上である場合に前記錠を解錠し、
前記実行回数が前記所定の実行回数より小さい場合に前記錠を解錠しない、
通信システム。
【請求項3】
無線により相互に通信する第1通信装置と第2通信装置とを備え、
前記第1通信装置が、前記第2通信装置から要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する応答部を含み、
前記第2通信装置が、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部を含み、
前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間に基づいて前記第1通信装置と前記第2通信装置との距離を前記関係情報として算出し、
前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方が、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部をさらに含み、
前記錠制御部は、
前記距離が所定の距離以下である場合に前記錠を解錠し、
前記距離が前記所定の距離より大きい場合に前記錠を解錠しない、
通信システム。
【請求項4】
前記関係情報取得部が、識別情報を含む前記要求信号を送信し、
前記応答部が、前記要求信号に含まれる前記識別情報が所定条件を満たすことに応答して前記要求信号から取得される前記識別情報を含む前記応答信号を送信し、
前記関係情報取得部が、
前記要求信号により送信された前記識別情報を含む前記応答信号を、前記要求信号に対応した前記応答信号として扱い、
1つの前記確認通信の前記要求信号に対応する前記応答信号を受信したことに応じて、前記1つの確認通信に対する次の前記確認通信の前記要求信号を送信する、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の通信システム。
【請求項5】
前記関係情報取得部は、連続して実行する複数回の前記確認通信における2回目以降の前記確認通信において前記要求信号を送信する場合、1つの前記確認通信の前記応答信号を受信したことに応じて、前記1つの確認通信に対する次の前記確認通信の前記要求信号を送信する、
請求項1乃至4の何れかに記載の通信システム。
【請求項6】
要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する他の通信装置と無線により相互に通信する通信装置であって、
前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部と、
前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部とを備え
前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間を前記関係情報として計測し、
前記錠制御部は、
前記実行期間が所定の実行期間以下である場合に前記錠を解錠し、
前記実行期間が前記所定の実行期間より大きい場合に前記錠を解錠しない、
通信装置。
【請求項7】
要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する他の通信装置と無線により相互に通信する通信装置であって、
前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部と、
前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部とを備え
前記関係情報取得部が、所定の実行期間に実行された前記確認通信の前記実行回数を前記関係情報として計測し、
前記錠制御部は、
前記実行回数が所定の実行回数以上である場合に前記錠を解錠し、
前記実行回数が前記所定の実行回数より小さい場合に前記錠を解錠しない、
通信装置。
【請求項8】
要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する他の通信装置と無線により相互に通信する通信装置であって、
前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部と、
前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部とを備え
前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間に基づいて前記他の通信装置との距離を前記関係情報として算出し、
前記錠制御部は、
前記距離が所定の距離以下である場合に前記錠を解錠し、
前記距離が前記所定の距離より大きい場合に前記錠を解錠しない、
通信装置。
【請求項9】
要求信号を無線により受信したことに応答して第1通信装置が応答信号を送信する通信システムにより実行される通信方法であって、
第2通信装置により、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することと、
前記第2通信装置により、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得することと、
前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方により、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御することとを含み、
前記関係情報を取得することは、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間を前記関係情報として計測することを含み、
前記錠の動作を制御することは、
前記実行期間が所定の実行期間以下である場合に前記錠を解錠することと、
前記実行期間が前記所定の実行期間より大きい場合に前記錠を解錠しないこととを含む、
通信方法。
【請求項10】
要求信号を無線により受信したことに応答して第1通信装置が応答信号を送信する通信システムにより実行される通信方法であって、
第2通信装置により、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することと、
前記第2通信装置により、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得することと、
前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方により、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御することとを含み、
前記関係情報を取得することは、所定の実行期間に実行された前記確認通信の前記実行回数を前記関係情報として計測することを含み、
前記錠の動作を制御することは、
前記実行回数が所定の実行回数以上である場合に前記錠を解錠することと、
前記実行回数が前記所定の実行回数より小さい場合に前記錠を解錠しないこととを含む、
通信方法。
【請求項11】
要求信号を無線により受信したことに応答して第1通信装置が応答信号を送信する通信システムにより実行される通信方法であって、
第2通信装置により、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することと、
前記第2通信装置により、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得することと、
前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方により、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御することとを含み、
前記関係情報を取得することは、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間に基づいて前記第1通信装置と前記第2通信装置との距離を前記関係情報として算出することを含み、
前記錠の動作を制御することは、
前記距離が所定の距離以下である場合に前記錠を解錠することと、
前記距離が前記所定の距離より大きい場合に前記錠を解錠しないこととを含む、
通信方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11の何れかに記載の通信方法をコンピュータに実行させる通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、及び通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、携帯型の通信装置(以下、携帯機と呼ぶ)から車に搭載された他の通信装置(以下、車載機と呼ぶ)に電波を送ることにより、車の扉の施錠及び解錠を制御するシステム(キーレスエントリーシステムとも呼ばれる)がある。また、近年では、携帯機が車載機に近づくと、携帯機と車載機との間で自動的に通信が行われ、携帯機に固有に設定されているIDの認証がなされれば車両のドアの解錠動作が行われるパッシブ型のキーレスエントリーシステムが実用化されている。パッシブ型のキーレスエントリーシステムでは、車載機から周辺の携帯機に向けて応答を要求するLF信号が定期的に送信され、これに応答した携帯機から車載器に向けて認証用の情報を含むRF信号が送信される。RF信号に比べてLF信号の到達距離は短いため、携帯機が車載機に近づかなければ解錠動作は行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−24075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のパッシブ型のキーレスエントリーシステムでは、悪意をもって錠を解錠させようとする不正者が、車載機と携帯機との通信を不正に増幅して中継するリレーアタックと称されるセキュリティ攻撃を受ける可能性がある。リレーアタックでは、実際には車載機からのLF信号の及ばない位置にある携帯機へ、不正者が準備した中継機によりLF信号が届けられる。中継機からのLF信号に応答した携帯機から車載機へRF信号が送信されることにより、ユーザの知らない間に車の扉が解錠されてしまう。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信路における不正な中継の介在を反映した情報を正確に取得できる通信システム、通信装置、及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、無線により相互に通信する第1通信装置と第2通信装置とを備え、前記第1通信装置が、前記第2通信装置から要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する応答部を含み、前記第2通信装置が、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部を含み、前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間を前記関係情報として計測し、前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方が、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部をさらに含み、前記錠制御部は、前記実行期間が所定の実行期間以下である場合に前記錠を解錠し、前記実行期間が前記所定の実行期間より大きい場合に前記錠を解錠しない、通信システムである。
【0007】
この構成によれば、一回の確認通信では第1通信装置と第2通信装置との間の距離(以下、装置間距離と呼ぶ)に応じた一回ごとの通信時間の違いが小さい場合でも、複数回の確認通信により、通信時間の違いが実行回数ぶん累積されるので、複数回の確認通信の通信時間を反映した関係情報を正確に取得しやすくなる。通信時間が長いほど、装置間距離が長いか、または、第1通信装置と第2通信装置との間に不正な中継が介在する可能性が高い。従って、関係情報を正確に取得することにより、第1通信装置と第2通信装置との間の通信路における不正な中継の介在を反映した情報を正確に取得できる。
また、この構成によれば、第1通信装置と第2通信装置との一回ごとの通信時間の違いが所定の実行回数ぶん累積されるので、第1通信装置と第2通信装置との間の通信時間を反映した実行期間を正確に計測できる。
また、この構成によれば、通信路における不正な中継の介在を反映した関係情報に基づいて、第1通信装置と第2通信装置との間の通信時間に応じた錠の動作を、正確に行うことができる。
【0008】
好適には本発明の通信システムにおいて、前記関係情報取得部が、識別情報を含む前記要求信号を送信し、前記応答部が、前記要求信号に含まれる前記識別情報が所定条件を満たすことに応答して前記要求信号から取得される前記識別情報を含む前記応答信号を送信し、前記関係情報取得部が、前記要求信号により送信された前記識別情報を含む前記応答信号を、前記要求信号に対応した前記応答信号として扱い、1つの前記確認通信の前記要求信号に対応する前記応答信号を受信したことに応じて、前記1つの確認通信に対する次の前記確認通信の前記要求信号を送信する。
【0009】
この構成によれば、識別情報を送受信するので、第1通信装置と第2通信装置とが互いを正確に識別することができ、混信を防ぐことができる。
【0010】
好適には本発明の通信システムにおいて、前記関係情報取得部は、連続して実行する複数回の前記確認通信における2回目以降の前記確認通信において前記要求信号を送信する場合、1つの前記確認通信の前記応答信号を受信したことに応じて、前記1つの確認通信に対する次の前記確認通信の前記要求信号を送信する。
【0011】
本発明は、無線により相互に通信する第1通信装置と第2通信装置とを備え、前記第1通信装置が、前記第2通信装置から要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する応答部を含み、前記第2通信装置が、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部を含み、前記関係情報取得部が、所定の実行期間に実行された前記確認通信の前記実行回数を前記関係情報として計測し、前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方が、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部をさらに含み、前記錠制御部は、前記実行回数が所定の実行回数以上である場合に前記錠を解錠し、前記実行回数が前記所定の実行回数より小さい場合に前記錠を解錠しない、通信システムである。
【0012】
この構成によれば、第1通信装置と第2通信装置との一回ごとの通信時間の違いが所定の実行期間にわたって累積されるので、第1通信装置と第2通信装置と間の通信時間を反映した実行回数を正確に計測できる。
【0013】
本発明は、無線により相互に通信する第1通信装置と第2通信装置とを備え、前記第1通信装置が、前記第2通信装置から要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する応答部を含み、前記第2通信装置が、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部を含み、前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間に基づいて前記第1通信装置と前記第2通信装置との距離を前記関係情報として算出し、前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方が、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部をさらに含み、前記錠制御部は、前記距離が所定の距離以下である場合に前記錠を解錠し、前記距離が前記所定の距離より大きい場合に前記錠を解錠しない、通信システムである。
【0014】
この構成によれば、第1通信装置と第2通信装置との一回ごとの通信時間の違いが所定の実行回数にわたって累積されるので、第1通信装置と第2通信装置との間の通信時間に対応した距離を正確に算出できる。
【0015】
本発明は、要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する他の通信装置と無線により相互に通信する通信装置であって、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部と、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部とを備え、前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間を前記関係情報として計測し、前記錠制御部は、前記実行期間が所定の実行期間以下である場合に前記錠を解錠し、前記実行期間が前記所定の実行期間より大きい場合に前記錠を解錠しない、通信装置である。
【0016】
本発明は、要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する他の通信装置と無線により相互に通信する通信装置であって、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部と、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部とを備え、前記関係情報取得部が、所定の実行期間に実行された前記確認通信の前記実行回数を前記関係情報として計測し、前記錠制御部は、前記実行回数が所定の実行回数以上である場合に前記錠を解錠し、前記実行回数が前記所定の実行回数より小さい場合に前記錠を解錠しない、通信装置である。
【0017】
本発明は、要求信号を無線により受信したことに応答して応答信号を送信する他の通信装置と無線により相互に通信する通信装置であって、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することにより、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する関係情報取得部と、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御する錠制御部とを備え、前記関係情報取得部が、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間に基づいて前記他の通信装置との距離を前記関係情報として算出し、前記錠制御部は、前記距離が所定の距離以下である場合に前記錠を解錠し、前記距離が前記所定の距離より大きい場合に前記錠を解錠しない、通信装置である。
【0018】
本発明は、要求信号を無線により受信したことに応答して第1通信装置が応答信号を送信する通信システムにより実行される通信方法であって、第2通信装置により、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することと、前記第2通信装置により、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得することと、前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方により、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御することとを含み、前記関係情報を取得することは、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間を前記関係情報として計測することを含み、前記錠の動作を制御することは、前記実行期間が所定の実行期間以下である場合に前記錠を解錠することと、前記実行期間が前記所定の実行期間より大きい場合に前記錠を解錠しないこととを含む、通信方法である。
【0019】
本発明は、要求信号を無線により受信したことに応答して第1通信装置が応答信号を送信する通信システムにより実行される通信方法であって、第2通信装置により、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することと、前記第2通信装置により、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得することと、前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方により、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御することとを含み、前記関係情報を取得することは、所定の実行期間に実行された前記確認通信の前記実行回数を前記関係情報として計測することを含み、前記錠の動作を制御することは、前記実行回数が所定の実行回数以上である場合に前記錠を解錠することと、前記実行回数が前記所定の実行回数より小さい場合に前記錠を解錠しないこととを含む、通信方法である。
【0020】
本発明は、要求信号を無線により受信したことに応答して第1通信装置が応答信号を送信する通信システムにより実行される通信方法であって、第2通信装置により、前記要求信号を無線により送信することと前記要求信号に対応した前記応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回連続して実行することと、前記第2通信装置により、前記確認通信の実行回数と前記実行回数の前記確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得することと、前記第1通信装置と前記第2通信装置との少なくとも一方により、前記関係情報に基づいて錠の動作を制御することとを含み、前記関係情報を取得することは、所定の実行回数の前記確認通信を実行するのにかかった前記実行期間に基づいて前記第1通信装置と前記第2通信装置との距離を前記関係情報として算出することを含み、前記錠の動作を制御することは、前記距離が所定の距離以下である場合に前記錠を解錠することと、前記距離が前記所定の距離より大きい場合に前記錠を解錠しないこととを含む、通信方法である。
【0023】
本発明は、コンピュータに上記の通信方法を実行させる通信プログラムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、通信路における不正な中継の介在を反映した情報を正確に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態の通信システムの構成図である。
図2】例示的な設定テーブルである。
図3】1回の確認通信の例示的な通信時間を示すグラフである。
図4】5回の確認通信の例示的な通信時間を示すグラフである。
図5】第1通信装置の通信方法を説明するためのフローチャートである。
図6】第2通信装置の第1通信方法を説明するためのフローチャートである。
図7】第2通信装置の第1通信方法の開始方法を説明するためのフローチャートである。
図8】タイマーの動作を説明するためのフローチャートである。
図9】第2通信装置の第2通信方法を説明するためのフローチャートである。
図10】第2通信装置の第3通信方法を説明するためのフローチャートである。
図11】第2通信装置の第1通信方法の開始方法の変形例を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の第2実施形態の通信システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る通信システム、通信装置、及び通信方法について説明する。図1は、本実施形態の通信システム100の構成図である。通信システム100は、無線により相互に通信する第1通信装置200と第2通信装置300とを含む。
【0027】
第1通信装置200は、携帯機とも呼ばれ、人による携帯が可能な大きさに構成され、車の扉の錠を制御するキーの役割を果たす。第2通信装置300は、車載機とも呼ばれ、車の扉に内蔵されている。第2通信装置300は、第1通信装置200が車から所定の距離以内に存在する場合に、自動的に扉を解錠する。第2通信装置300は、第1通信装置200が車から所定の距離外に存在する場合に、自動的に扉を施錠する。
【0028】
第2通信装置300から第1通信装置200への無線通信には、LF(low frequency)信号が使用される。第1通信装置200から第2通信装置300への無線通信には、RF(radio frequency)信号が使用される。LF信号は、数m程度の距離では正常に通信可能であるが、それよりも遠い距離では通信が困難な周波数帯で伝送される。RF信号は、数十m程度の距離まで正常に通信できる周波数帯で伝送される。
【0029】
(第1通信装置の構成)
第1通信装置200は、LF受信アンテナ210、LF復調部220、RF変調部230、RF送信アンテナ240、記憶装置250、及び演算処理装置260を含む。
【0030】
LF受信アンテナ210は、第2通信装置300から受信したLF信号をLF復調部220に伝達する。LF復調部220は、LF信号を復調することにより、LF信号により伝達される情報を演算処理装置260に伝達する。RF変調部230は、演算処理装置260からの指示により信号を増幅及び変調してRF信号を生成し、RF送信アンテナ240からRF信号を送信する。
【0031】
後述の要求信号が、第2通信装置300から第1通信装置200にLF信号として送信される。後述の応答信号が、第1通信装置200から第2通信装置300にRF信号として送信される。
【0032】
記憶装置250は、携帯機用通信プログラムを記憶する。携帯機用通信プログラムは、演算処理装置260によって読み出されて、演算処理装置260に第1通信装置200の通信方法の一部を行うための機能、及び他の機能を実装させる。演算処理装置260が種々の機能を実行するとき、記憶装置250は、演算処理装置260に制御されて、適宜必要な情報を記憶する。記憶装置250は、非一時的な有形の記憶媒体である。記憶装置250は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)を含む。記憶装置250は、揮発性または不揮発性の記憶媒体である。記憶装置250は、取り外し可能であってもよく、取り外し不能であってもよい。
【0033】
演算処理装置260は、記憶装置250に記憶された携帯機用通信プログラムを読み出して実行することにより、応答部261として機能する。本実施形態の演算処理装置260は、汎用コンピュータであるが、特定用途向け集積回路(ASIC;application specific integrated circuits)であってもよく、本実施形態で説明される各機能を実装可能な他の回路であってもよい。
【0034】
応答部261は、第2通信装置300から要求信号を無線により受信したことに応答して、RF信号として応答信号を送信する。後述のように、第2通信装置300から受信した要求信号には第2通信装置300を識別する識別情報(ID;identification)が含まれる。応答部261は、IDが所定条件を満たすことに応答して、要求信号に含まれるIDを含む応答信号を送信する。所定条件とは、要求信号に含まれるIDが、予め記憶装置250に記憶されたIDに一致することである。所定条件は、他の条件であってもよい。IDが所定条件を満たさない場合には、応答部261は、応答信号を送信しない。第1通信装置200の通信方法については、後述する。
【0035】
(第2通信装置の構成)
第2通信装置300は、RF受信アンテナ310、RF復調部320、LF変調部330、LF送信アンテナ340、アクチュエータ350、タイマー360、記憶装置370、及び演算処理装置380を含む。
【0036】
RF受信アンテナ310は、第1通信装置200から受信したRF信号をRF復調部320に伝達する。RF復調部320は、RF信号を復調することにより、RF信号により伝達される情報を演算処理装置380に伝達する。LF変調部330は、演算処理装置380からの指示により信号を増幅及び変調してLF信号を生成し、LF送信アンテナ340からLF信号を送信する。
【0037】
アクチュエータ350は、演算処理装置380による制御を受けて、車の錠の解錠及び施錠を物理的に行う。
【0038】
タイマー360は、時間経過に対応した値を出力するように演算処理装置380に制御される。タイマー360は、初期化操作により、現在値をT=0に初期化する。タイマー360は、1マイクロ秒ごとに現在値を1ずつ増加させる。タイマー360は、異なる方法で演算処理装置380に、経過時間を通知してもよい。演算処理装置380は、タイマー360以外から、経過時間を取得してもよい。
【0039】
記憶装置370は、車載機用通信プログラムと図2の設定テーブル372とを記憶する。車載機用通信プログラムは、演算処理装置380によって読み出されて、演算処理装置380に第2通信装置300の通信方法の一部を行うための機能、及び他の機能を実装させる。演算処理装置380が種々の機能を実行するとき、記憶装置370は、演算処理装置380に制御されて、適宜必要な情報を記憶する。記憶装置370は、非一時的な有形の記憶媒体である。記憶装置370は、ROM及びRAMを含む。記憶装置370は、揮発性または不揮発性の記憶媒体である。記憶装置370は、取り外し可能であってもよく、取り外し不能であってもよい。
【0040】
後述のように、第2通信装置300の通信方法として、第1〜第3通信方法が挙げられる。本実施形態では、第2通信装置300が、予め第1〜第3通信方法のいずれか1つを実行するように構成されている。他の例において、第2通信装置300が、第1〜第3通信方法のいずれかを図示しない入力部により選択できるように構成されてもよい。
【0041】
図2に示すように、設定テーブル372には、距離、実行回数、及び実行期間を要素とする1つ以上の設定が記憶されている。図2の例では、設定Aは、距離5m、実行回数100回、実行期間4000マイクロ秒を要素にもつ。設定Bは、距離10m、実行回数200回、実行期間8000マイクロ秒を要素にもつ。設定Cは、距離30m、実行回数600回、実行期間24000マイクロ秒を要素にもつ。設定テーブル372の各要素の意味は、後述のように、第1〜第3通信方法で異なる。第1〜第3通信方法のそれぞれにおいて、設定テーブル372が同じであっても異なってもよい。
【0042】
本実施形態では、設定テーブル372のうちの1つの設定が、実際に利用される設定として予め選択されている。設定は、図1に示す第1通信装置200または第2通信装置300の図示しない入力部を介して選択されてもよく、他の方法で選択されてもよい。
【0043】
演算処理装置380は、記憶装置370に記憶された車載機用通信プログラムを読み出して実行することにより、関係情報取得部382及び錠制御部384として機能する。本実施形態の演算処理装置380は、汎用コンピュータであるが、ASICであってもよく、本実施形態で説明される各機能を実装可能な他の回路であってもよい。
【0044】
関係情報取得部382は、要求信号を無線により送信することと要求信号に対応した応答信号を無線により受信することとを含む確認通信を複数回実行することにより、確認通信の実行回数と実行回数の確認通信が実行される実行期間との関係に対応した情報を示す関係情報を取得する。関係情報取得部382は、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間を関係情報として計測する。関係情報取得部382は、IDを含む要求信号を送信する。関係情報取得部382は、要求信号により送信されたIDを含む応答信号を、要求信号に対応した応答信号として扱う。関係情報を取得するための詳細な第1〜第3通信方法は後述する。
【0045】
錠制御部384は、関係情報に基づいてアクチュエータ350を制御することにより、錠の動作を制御する。錠の動作は、錠の施錠及び解錠である。第1通信方法では、関係情報は、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間である。第2通信方法では、関係情報は、所定の実行期間に実行された確認通信の実行回数である。第3通信方法では、関係情報は、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間に基づいて算出される第1通信装置200と第2通信装置300との距離である。
【0046】
(原理)
図3は、1回の確認通信の例示的な通信時間を示すグラフである。図4は、5回の確認通信の例示的な通信時間を示すグラフである。図3及び図4を参照して、通信時間を反映した関係情報を正確に取得する本実施形態の原理について説明する。
【0047】
まず、図3を参照して、確認通信が1回の場合について説明する。グラフ910は、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が5mの場合、かつ、不正な中継が行われない場合の例示的な通信時間を表す。1回の確認通信にかかる時間は、正常時の内部処理期間911と正常時の飛来時間912とで構成される。正常時の内部処理期間911は、第1通信装置200及び第2通信装置300の内部処理に必要な期間と、電波の先頭から末尾まで送るのに必要な期間との和を表す。正常時の飛来時間912は、第1通信装置200と第2通信装置300との間で電波が往復するのに必要な期間を表す。グラフ910の例では、1回の確認通信にかかる時間は、100マイクロ秒をわずかに越えるが、101マイクロ秒までは到達しない。ここで、説明の便宜上、正常時の内部処理期間911のうち前半の100マイクロ秒部分を正常時の第1期間913と呼び、100マイクロ秒を越える後半部分を正常時の第2期間914と呼ぶ。
【0048】
グラフ920は、第1通信装置200と第2通信装置300との間で不正な中継が行われた場合の例示的な通信時間を表す。なお、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が30mの場合も同様である。1回の確認通信にかかる時間は、不正時の内部処理期間921と不正時の飛来時間922とで構成される。不正時の内部処理期間921は、第1通信装置200及び第2通信装置300の内部処理に必要な期間と、電波の先頭から末尾まで送るのに必要な期間との和を表す。不正時の飛来時間922は、第1通信装置200と第2通信装置300との間で電波が往復するのに必要な期間を表す。グラフ920の例では、1回の確認通信にかかる時間は、100マイクロ秒をわずかに越えるが、101マイクロ秒までは到達しない。ここで、説明の便宜上、不正時の内部処理期間921のうち前半の100マイクロ秒部分を不正時の第1期間923と呼び、100マイクロ秒を越える後半部分を不正時の第2期間924と呼ぶ。
【0049】
不正時の飛来時間922が正常時の飛来時間912よりもわずかに長いので、グラフ910よりグラフ920のほうがわずかに長い。しかし、計測可能な時間の最小単位が1マイクロ秒である場合、1回の確認通信にかかる時間は、グラフ910とグラフ920との両方で101マイクロ秒と計測されるので、区別できない。
【0050】
次に、図4を参照して、確認通信が5回の場合について説明する。グラフ930は、図3のグラフ910の確認通信が5回実行された場合の例示的な通信時間を表す。5回の確認通信にかかる時間は、図3のグラフ910の5倍である。図4のグラフ930は、正常時の第1期間913(図3)の5倍に相当する500マイクロ秒の期間931と、5回分の正常時の第2期間914と、5回分の正常時の飛来時間912とで構成される。グラフ930の例では、5回の確認通信にかかる時間は、500マイクロ秒をわずかに越えるが、501マイクロ秒までは到達しない。
【0051】
グラフ940は、図3のグラフ920の確認通信が5回実行された場合の例示的な通信時間を表す。5回の確認通信にかかる時間は、図3のグラフ920の5倍である。図4のグラフ940は、不正時の第1期間923(図3)の5倍に相当する500マイクロ秒の期間941と、5回分の不正時の第2期間924と、5回分の不正時の飛来時間922とで構成される。グラフ940の例では、5回の確認通信にかかる時間は、501マイクロ秒をわずかに越える。
【0052】
5回の確認通信にかかる時間は、グラフ930の場合には2マイクロ秒と計測されるのに対し、グラフ940の場合には3マイクロ秒と計測される。正常時の飛来時間912と不正時の飛来時間922との差が5回分累積されるので、不正な中継がない場合のグラフ930と、不正な中継がある場合のグラフ940とを区別できる。
【0053】
すなわち、本実施形態によれば、計測可能な時間の最小単位が1回の確認通信にかかる時間より大きい場合でも、確認通信を複数回実行することにより、通信時間の差が累積されるので、通信時間の違いを認識しやすい。言い換えると、本実施形態によれば、時間分解能の低い構成要素で時間を計測する場合でも、通信時間の違いを認識しやすい。なお、本実施形態では、関係情報に基づいて錠を解錠するが、関係情報に基づいて他の制御が行われてもよい。
【0054】
(第1通信装置の通信方法)
図5は、第1通信装置200により実行される通信方法のフローチャートである。
【0055】
まず、ステップ402において、応答部261は、第2通信装置300からLF信号として要求信号が受信されたか判定する。要求信号は、第1〜第3通信方法に従って後述の第2通信装置300から送信される。応答部261は、要求信号が受信された場合、ステップ404に進み、要求信号が受信されていない場合、ステップ402を繰り返す。
【0056】
ステップ404において、応答部261は、要求信号に含まれるIDを確認する。IDは、第2通信装置300を識別する情報である。
【0057】
ステップ406において、応答部261は、要求信号に含まれるIDが、所定条件を満たすか判定する。第1通信装置200と対応付けられた特定の第2通信装置300のIDが、予め記憶装置250に記憶されている。所定条件は、要求信号に含まれるIDが、予め記憶装置250に記憶されたIDに一致することである。応答部261は、要求信号に含まれるIDが、予め記憶装置250に記憶されたIDに一致する場合には、確認結果がOKであると判定して、ステップ408に進む。応答部261は、要求信号に含まれるIDが、予め記憶装置250に記憶されたIDに一致しない場合には、確認結果がNGであると判定して、ステップ402に戻る。
【0058】
ステップ408において、応答部261は、要求信号に含まれるIDを含む応答信号を、RF信号として送信し、ステップ402に戻る。応答信号は、後述の第2通信装置300の第1〜第3通信方法で利用される。
【0059】
(第2通信装置の第1通信方法)
次に、第2通信装置300により実行される第1通信方法について説明する。図6は、第1通信方法のフローチャートである。第2通信装置300の第1通信方法では、関係情報取得部382が、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間を関係情報として取得し、錠制御部384が、関係情報に基づいて錠を制御する。
【0060】
第1通信方法では、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が、図2の設定テーブル372に示される距離(例えば、設定Aの場合、5m)以内であるときに、錠が解錠され、そうでない場合には、錠が施錠される。ただし、本実施形態では、距離は直接使用されず、設定の選択の目安に使用される。後述の確認通信を、設定テーブル372に示される実行回数(例えば、設定Aの場合、100回)ぶん実行したときに計測される実行期間が、設定テーブル372に示される実行期間(例えば、設定Aの場合、4000マイクロ秒)以下であれば、図1に示す第1通信装置200と第2通信装置300との距離が近く(例えば、設定Aの場合、5m以内)、かつ、不正な中継による遅延がない可能性が高いので、錠が解錠される。そうでない場合には、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が遠いか(例えば、設定Aの場合、5mを越える)、または、不正な中継による遅延が発生している可能性が高いので、錠が施錠される。
【0061】
第1通信方法が開始したとき、関係情報取得部382は、図6に示すステップ422に進む。ステップ422において、関係情報取得部382は、確認通信の実行回数を計数するカウンタ値nを初期化する(n=1)。関係情報取得部382は、ステップ422を終了した後、ステップ424に進む。
【0062】
ステップ424において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT1に格納する。T1は、1回目の要求信号の送信開始タイミング、すなわち、全確認通信の開始タイミングを表す。関係情報取得部382は、ステップ424を終了した後、ステップ426に進む。
【0063】
ステップ426において、関係情報取得部382は、第2通信装置300を識別するIDを含む要求信号を、LF信号として送信する。IDは、記憶装置370に予め記憶されている。要求信号を受信した第1通信装置200は、前述の第1通信装置200の通信方法に従って、要求信号に対応した応答信号を送信する。第1通信装置200が、LF信号の伝達可能範囲外にある場合など、第1通信装置200から応答信号が送信されない場合がある。関係情報取得部382は、ステップ426を終了した後、ステップ428に進む。
【0064】
ステップ428において、関係情報取得部382は、応答信号が受信されたか判定する。関係情報取得部382は、応答信号が受信されない場合、ステップ430に進む。関係情報取得部382は、応答信号が受信された場合、ステップ434に進む。
【0065】
ステップ430において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT3に格納する。関係情報取得部382は、ステップ430を終了した後、ステップ432に進む。
【0066】
ステップ432において、関係情報取得部382は、(T3−T1)が所定のタイムアウト期間以上である場合には、第1通信方法を終了する。(T3−T1)は、1回目の要求信号の送信開始タイミングからの経過時間を表す。タイムアウト期間を設けることにより、過度な長期間にわたって応答信号を待つことを防ぐ。ステップ432において、関係情報取得部382は、(T3−T1)が所定のタイムアウト期間未満である場合には、ステップ428に戻る。
【0067】
ステップ434において、関係情報取得部382は、応答信号に含まれるIDを確認する。関係情報取得部382は、ステップ434を終了した後、ステップ436に進む。
【0068】
ステップ436において、関係情報取得部382は、応答信号に含まれるIDが、既に送信された要求信号に含まれるIDに一致する場合には、確認結果がOKであると判定して、ステップ438に進む。すなわち、関係情報取得部382は、要求信号により送信されたIDを含む応答信号を、要求信号に対応した応答信号として扱う。関係情報取得部382は、応答信号に含まれるIDが、要求信号により送信されたIDに一致しない場合には、確認結果がNGであると判定して、第1通信方法を終了する。例えば、対応関係のない他の通信装置からの応答信号、不正に作成された応答信号などを受信した場合には、応答信号に含まれるIDが、要求信号に含まれるIDに一致しない。
【0069】
ステップ438において、関係情報取得部382は、カウンタ値nが、所定の実行回数(例えば、設定A(図2)の場合、100回)以上であるか判定する。関係情報取得部382は、カウンタ値nが、所定の実行回数未満である場合には、ステップ440に進む。関係情報取得部382は、カウンタ値nが、所定の実行回数以上である場合には、ステップ442に進む。
【0070】
ステップ440において、関係情報取得部382は、カウンタ値nを1増加させて、ステップ426に戻る。所定の実行回数(例えば、設定A(図2)の場合、100回)の確認通信が実行されるまで、ステップ426からステップ440が繰り返される。
【0071】
ステップ442において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT2に格納する。T2は、所定の実行回数の確認通信が終了したタイミングを表す。関係情報取得部382は、ステップ442を終了した後、ステップ444に進む。
【0072】
ステップ444において、錠制御部384は、(T2−T1)が所定の実行期間以下であるか判定する。(T2−T1)は、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間(すなわち、関係情報)である。所定の実行期間は、設定テーブル372(図2)の実行期間である。錠制御部384は、(T2−T1)が所定の実行期間以下である場合、ステップ446に進む。錠制御部384は、(T2−T1)が所定の実行期間より大きい場合、第1通信方法を終了する。
【0073】
ステップ446において、錠制御部384は、錠を解錠するようにアクチュエータ350(図1)に作動信号を発信する。例えば、設定A(図2)の場合、100回の確認通信を実行するのにかかった実行期間(T2−T1)が、4000マイクロ秒以下であれば、錠が解錠されるが、実行期間(T2−T1)が、4000マイクロ秒より大きければ、錠は解錠されない。関係情報取得部382は、ステップ446を終了した後、第1通信方法を終了する。
【0074】
(第1通信方法の開始方法)
図7は、第1通信方法の開始方法を示すフローチャートである。第1通信方法の開始方法は、例えば、第2通信装置300の電源が投入された場合に実行される。ステップ452において、関係情報取得部382は、第2通信装置300の制御対象である扉のドアノブのスイッチ(図示せず)が押下されたか判定する。関係情報取得部382は、スイッチが押下されるまで、ステップ452を繰り返す。関係情報取得部382は、スイッチが押下された場合、ステップ454に進み、前述の第1通信方法を実行する。関係情報取得部382は、第1通信方法の実行が終了すると、ステップ452に戻る。後述の第2通信方法及び第3通信方法の開始方法は、第1通信方法の開始方法と同じであっても、異なってもよい。
【0075】
(タイマーの動作)
図8は、タイマー360の動作を示すフローチャートである。タイマー360は、例えば、第2通信装置300の電源が投入されたことに応答して、動作を開始する。ステップ462において、タイマー360は、現在値をT=0に初期化する。タイマー360は、ステップ464において、現在値を1ずつ増加させる。タイマー360は、1マイクロ秒ごとにステップ464を繰り返す。
【0076】
(第2通信装置の第2通信方法)
次に、第2通信装置300により実行される第2通信方法について説明する。図9は、第2通信方法のフローチャートである。第2通信装置300の第2通信方法では、関係情報取得部382が、所定の実行期間にわたって実行された確認通信の実行回数を関係情報として取得し、錠制御部384が、関係情報に基づいて錠を制御する。
【0077】
本実施形態では、図2に示す設定テーブル372に示される実行期間(例えば、設定Aの場合、4000マイクロ秒)に実行された確認通信の実行回数が、設定テーブル372に示される実行回数(例えば、設定Aの場合、100回)以上であれば、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が近く(例えば、設定Aの場合、5m以内)、かつ、不正な中継による遅延がない可能性が高いので、錠が解錠される。そうでない場合には、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が遠いか(例えば、設定Aの場合、5mを越える)、または、不正な中継による遅延が発生している可能性が高いので、錠が施錠される。
【0078】
第2通信方法が開始したとき、関係情報取得部382は、図9に示すステップ502に進む。ステップ502において、関係情報取得部382は、確認通信の実行回数を計数するカウンタ値nを初期化する(n=1)。関係情報取得部382は、ステップ502を終了した後、ステップ504に進む。
【0079】
ステップ504において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT1に格納する。T1は、1回目の要求信号の送信開始タイミング、すなわち、全確認通信の開始タイミングを表す。関係情報取得部382は、ステップ504を終了した後、ステップ506に進む。
【0080】
ステップ506において、関係情報取得部382は、第2通信装置300を識別するIDを含む要求信号を、LF信号として送信する。IDは、記憶装置370に予め記憶されている。要求信号を受信した第1通信装置200は、前述の第1通信装置200の通信方法に従って、要求信号に対応した応答信号を送信する。第1通信装置200が、LF信号の送信範囲外にある場合など、第1通信装置200から応答信号が送信されない場合がある。関係情報取得部382は、ステップ506を終了した後、ステップ508に進む。
【0081】
ステップ508において、関係情報取得部382は、応答信号が受信されたか判定する。関係情報取得部382は、応答信号が受信されない場合、ステップ510に進む。関係情報取得部382は、応答信号が受信された場合、ステップ514に進む。
【0082】
ステップ510において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT3に格納する。関係情報取得部382は、ステップ510を終了した後、ステップ512に進む。
【0083】
ステップ512において、関係情報取得部382は、(T3−T1)が所定のタイムアウト期間以上である場合には、第2通信方法を終了する。(T3−T1)は、T3は、1回目の要求信号の送信開始タイミングからの経過時間を表す。タイムアウト期間を設けることにより、過度な長期間にわたって応答信号を待つことを防ぐ。ステップ512において、関係情報取得部382は、(T3−T1)が所定のタイムアウト期間未満である場合には、ステップ508に戻る。
【0084】
ステップ514において、関係情報取得部382は、応答信号のIDを確認する。関係情報取得部382は、ステップ514を終了した後、ステップ516に進む。
【0085】
ステップ516において、関係情報取得部382は、応答信号に含まれるIDが、既に送信された要求信号に含まれるIDに一致する場合には、確認結果がOKであると判定して、ステップ518に進む。すなわち、関係情報取得部382は、要求信号により送信されたIDを含む応答信号を、要求信号に対応した応答信号として扱う。関係情報取得部382は、応答信号に含まれるIDが、要求信号により送信されたIDに一致しない場合には、確認結果がNGであると判定して、第2通信方法を終了する。例えば、対応関係のない他の通信装置からの応答信号、不正に作成された応答信号などを受信した場合には、応答信号に含まれるIDが、要求信号に含まれるIDに一致しない。
【0086】
ステップ518において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT2に格納する。関係情報取得部382は、ステップ518を終了した後、ステップ520に進む。
【0087】
ステップ520において、関係情報取得部382は、(T2−T1)が所定の実行期間以上であるか判定する。(T2−T1)は、確認通信を開始してからの経過時間を表す。所定の実行期間は、設定テーブル372(図2)の実行期間(例えば、設定Aの場合、4000マイクロ秒)である。関係情報取得部382は、(T2−T1)が所定の実行期間未満である場合、ステップ522に進む。関係情報取得部382は、(T2−T1)が所定の実行期間以上である場合、ステップ524に進む。
【0088】
ステップ522において、関係情報取得部382は、カウンタ値nを1増加させて、ステップ506に戻る。所定の実行期間(例えば、設定A(図2)の場合、4000マイクロ秒)以上が経過するまで、ステップ506からステップ522が繰り返される。
【0089】
ステップ524において、錠制御部384は、カウンタ値nが、所定の実行回数以上であるか判定する。所定の実行回数は、設定テーブル372(図2)の実行回数(例えば、設定Aの場合、100回)である。錠制御部384は、カウンタ値nが、所定の実行回数以上である場合には、ステップ526に進む。錠制御部384は、カウンタ値nが、所定の実行回数未満である場合には、第2通信方法を終了する。
【0090】
ステップ526において、錠制御部384は、錠を解錠するようにアクチュエータ350に作動信号を発信する。例えば、設定A(図2)の場合、4000マイクロ秒の実行期間に実行された確認通信の実行回数が、100回以上であれば、錠が解錠されるが、4000マイクロ秒の実行期間に実行された確認通信の実行回数が、100回未満であれば、錠は解錠されない。関係情報取得部382は、ステップ526を終了した後、第3通信方法を終了する。
【0091】
(第2通信装置の第3通信方法)
次に、第2通信装置300により実行される第3通信方法について説明する。図10は、第3通信方法のフローチャートである。第2通信装置300の第3通信方法では、関係情報取得部382が、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間に基づいて第1通信装置と第2通信装置との距離を関係情報として算出し、錠制御部384が、関係情報に基づいて錠を制御する。
【0092】
第3通信方法では、確認通信を図2の設定テーブル372に示される実行回数(例えば、設定Aの場合、100回)ぶん実行したときの実行期間から、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が算出される。実行期間と距離との関係は、予めテーブルとして記憶されていてもよく、1回あたりの確認通信の平均実行期間と距離との比例関係を表す所定の式に基づいて算出されてもよく、他の方法で算出されてもよい。実行期間が長い程、距離が長く算出される。
【0093】
第1通信装置200と第2通信装置300との間の無線通信が不正に中継された場合、遅延が発生することにより、不正な中継がない場合よりも実行期間が長く計測される。遅延により実行期間が長くなると、不正な中継がない場合よりも第1通信装置200と第2通信装置300との距離が大きく算出されるので、錠が解錠されにくい。
【0094】
算出された距離が、図2の設定テーブル372に示される距離(例えば、設定Aの場合、5m)以内である場合、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が近く、かつ、不正な中継による遅延がない可能性が高いので、錠が解錠される。そうでない場合には、第1通信装置200と第2通信装置300との距離が遠いか(例えば、設定Aの場合、5mを越える)、または、不正な中継による遅延が発生している可能性が高いので、錠が施錠される。
【0095】
第3通信方法のステップ602〜ステップ622は、第1通信方法(図6)のステップ422〜ステップ442と同じなので、説明を省略する。
【0096】
図10に示すステップ624において、関係情報取得部382は、1回あたりの確認通信の平均実行期間を算出する。平均実行期間は、(T2−T1)を所定の実行回数で除算することにより算出される。(T2−T1)は、所定の実行回数の確認通信を実行するのにかかった実行期間である。所定の実行回数は、例えば、設定A(図2)の場合、100回である。関係情報取得部382は、ステップ624を終了した後、ステップ626に進む。
【0097】
ステップ626において、関係情報取得部382は、平均実行期間から第1通信装置200と第2通信装置300との距離(すなわち、関係情報)を算出する。距離は、例えば、平均実行期間と距離との比例関係を表す所定の式に基づいて算出される。関係情報取得部382は、ステップ626を終了した後、ステップ628に進む。
【0098】
ステップ628において、錠制御部384は、算出された距離が所定の距離(例えば、設定A(図2)の場合、5m)以下である場合、ステップ630に進む。錠制御部384は、算出された距離が所定の距離(例えば、設定A(図2)の場合、5m)より大きい場合、第3通信方法を終了する。
【0099】
ステップ630において、錠制御部384は、錠を解錠するようにアクチュエータ350に作動信号を発信する。例えば、設定A(図2)の場合、算出された距離が、5m以下であれば、錠が解錠されるが、算出された距離が、5mより大きければ、錠は解錠されない。関係情報取得部382は、ステップ630を終了した後、第3通信方法を終了する。
【0100】
(第1通信方法の開始方法の変形例)
図11は、第1通信方法の開始方法の変形例を示すフローチャートである。第1通信方法の開始方法の変形例は、例えば、第2通信装置300の電源が投入された場合に実行される。
【0101】
ステップ712において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT4に格納する。ステップ712の後に実行されるステップ714において、関係情報取得部382は、タイマー360の現在値をT5に格納する。関係情報取得部382は、ステップ714を終了した後、ステップ716に進む。
【0102】
ステップ716において、関係情報取得部382は、(T5−T4)が所定間隔以上であるか判定する。所定間隔は、予め規定されており、例えば、1秒である。関係情報取得部382は、(T5−T4)が所定間隔未満である場合、ステップ714に戻る。関係情報取得部382は、(T5−T4)が所定間隔以上である場合、ステップ718に進み、前述の第1〜第3通信方法のいずれかを実行する。関係情報取得部382は、実行された第1〜第3通信方法が終了すると、ステップ712に戻る。第2通信方法及び第3通信方法の開始方法は、第1通信方法の開始方法の変形例と同じであってもよく、異なってもよい。
【0103】
本変形例によれば、第2通信装置300の電源投入後は、所定間隔で自動的に第1〜第3通信方法のいずれかが実行されるので、操作者が第2通信装置300を操作しなくても関係情報取得部382が関係情報を取得することができる。従って、第1通信装置200と第2通信装置300とが離れている場合でも、第1通信装置200と第2通信装置300との間の不正な中継の介在を反映した関係情報に基づいて、第1通信装置200と第2通信装置300との間の通信時間に応じた錠の動作を、正確に行うことができる。
【0104】
本実施形態によれば、一回の確認通信では第1通信装置200と第2通信装置300との間の距離(以下、装置間距離と呼ぶ)に応じた一回ごとの通信時間の違いが小さい場合でも、複数回の確認通信により、通信時間の違いが実行回数ぶん累積されるので、複数回の確認通信の通信時間を反映した関係情報を正確に取得しやすくなる。通信時間が長いほど、装置間距離が長いか、または、第1通信装置200と第2通信装置300との間に不正な中継が介在する可能性が高い。従って、関係情報を正確に取得することにより、第1通信装置200と第2通信装置300との間の通信路における不正な中継の介在を反映した情報を正確に取得できる。
【0105】
本実施形態によれば、第1通信方法において、第1通信装置200と第2通信装置300との一回ごとの通信時間の違いが所定の実行回数ぶん累積されるので、第1通信装置200と第2通信装置300との間の通信時間を反映した実行期間を正確に計測できる。
【0106】
本実施形態によれば、第2通信方法において、第1通信装置200と第2通信装置300との一回ごとの通信時間の違いが所定の実行期間にわたって累積されるので、第1通信装置200と第2通信装置300と間の通信時間を反映した実行回数を正確に計測できる。
【0107】
本実施形態によれば、第3通信方法において、第1通信装置200と第2通信装置300との一回ごとの通信時間の違いが所定の実行回数にわたって累積されるので、第1通信装置200と第2通信装置300との間の通信時間に対応した距離を正確に算出できる。
【0108】
本実施形態によれば、識別情報を送受信するので、第1通信装置200と第2通信装置300とが互いを正確に識別することができ、混信を防ぐことができる。
【0109】
本実施形態によれば、不正な中継の介在を反映した関係情報に基づいて、第1通信装置200と第2通信装置300との間の通信時間に応じた錠の動作を、正確に行うことができる。
【0110】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る通信システム、通信装置、及び通信方法について説明する。図12は、本実施形態の通信システム800の構成図である。通信システム800は、無線により相互に通信する第1通信装置810と第2通信装置820とを含む。以下、本実施形態と第1実施形態(図1)との相違点を中心に説明する。
【0111】
第1通信装置810は、第1実施形態(図1)の第1通信装置200と同様のLF受信アンテナ210、LF復調部220、RF変調部230、RF送信アンテナ240を含む。第1通信装置810は、さらに、タイマー812、記憶装置814、及び演算処理装置816を含む。タイマー812は、第1実施形態(図1)における第2通信装置300のタイマー360と同様の機能をもつ。記憶装置814に記憶された携帯機用通信プログラムは、演算処理装置816によって読み出されて、演算処理装置816を関係情報取得部818として機能させる点で、第1実施形態と異なる。
【0112】
第2通信装置820は、第1実施形態(図1)の第2通信装置300と同様のRF受信アンテナ310、RF復調部320、LF変調部330、LF送信アンテナ340、及びアクチュエータ350を含む。第2通信装置820は、さらに、記憶装置822、及び演算処理装置824を含む。記憶装置822に記憶された車載機用通信プログラムは、演算処理装置824によって読み出されて、演算処理装置824を応答部826及び錠制御部384として機能させる点で、第1実施形態と異なる。
【0113】
本実施形態の第1〜第3通信方法では、要求信号がLF信号として第2通信装置820から第1通信装置810に送信され、応答信号及び関係情報がRF信号として第1通信装置810から第2通信装置820に送信される。第1実施形態の第2通信装置300の関係情報取得部382が第1〜第3通信方法において行う動作は、本実施形態では、第1通信装置810の関係情報取得部818が行う。第1実施形態の第1通信装置200の応答部261が第1〜第3通信方法において行う動作は、本実施形態では、第2通信装置820の応答部826が行う。第1〜第3通信方法における他の動作は、第1実施形態と同様である。
【0114】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0115】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、車、列車、航空機、船舶、宇宙船、無人機など、通信装置間の距離と不正な中継の介在との両方を反映した情報を取得する通信システム、通信装置、及び通信方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0117】
100…通信システム
200…第1通信装置
261…応答部
300…第2通信装置
372…設定テーブル
382…関係情報取得部
384…錠制御部
800…通信システム
810…第1通信装置
818…関係情報取得部
820…第2通信装置
826…応答部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12