特許第6631243号(P6631243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6631243
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び光学フィルタ
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/07 20060101AFI20200106BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20200106BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20200106BHJP
   H04N 5/33 20060101ALI20200106BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   H04N9/07 D
   G02B5/20 101
   H04N5/369
   H04N5/33
   H01L27/146 D
【請求項の数】18
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2015-251684(P2015-251684)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2016-146619(P2016-146619A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2018年7月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-17176(P2015-17176)
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】長屋 勝也
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝史
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 遵生子
(72)【発明者】
【氏名】畠山 耕治
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−103657(JP,A)
【文献】 特開2014−207493(JP,A)
【文献】 特開2012−137728(JP,A)
【文献】 特開2013−218312(JP,A)
【文献】 特開2006−010764(JP,A)
【文献】 特開2008−091535(JP,A)
【文献】 特開2015−017244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20−5/28
H01L21/339
H01L27/14−27/148
H01L27/30
H01L29/762
H04N 5/30−5/378
H04N 9/04−9/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する第1光学層と、
近赤外光の少なくとも一部を吸収する第2光学層と、
前記第1光学層と前記第2光学層との間に設けられたマイクロレンズアレイと、
可視光の少なくとも一部を吸収し、近赤外光の少なくとも一部を透過する近赤外光パスフィルタと、
前記第1光学層及び前記第2光学層を透過した前記可視光を検出する第1受光素子、並びに、前記第1光学層及び前記近赤外光パスフィルタを透過した前記近赤外光を検出する第2受光素子を含む画素アレイと、
を備えた固体撮像装置であって、
前記第2光学層は、前記画素アレイと前記マイクロレンズアレイとの間に設けられるとともに前記第2受光素子に対応する部分に開口部を有し、
前記近赤外光パスフィルタは、前記第2受光素子に対応する部分に設けられ、
前記第1光学層における前記近赤外光の透過率が垂直方向から測定した場合に30%以上となる最も短い波長(X1)から、当該透過率が30%以下となる最も長い波長(X2)までの波長帯域をXとするとき、
前記波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が30%以上であることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
波長430nm〜620nmにおける垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長430nm〜620nmにおける垂直方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記近赤外光の波長は、750〜2500nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第1光学層は、近赤外光の一部を吸収する化合物(A)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記化合物(A)が、波長600〜850nmに吸収極大を有することを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記化合物(A)が、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物およびシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
波長430nm〜620nmにおける垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記第2受光素子に対応する部分に開口部を有し、近赤外光の少なくとも一部を吸収する第2光学層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記第2光学層は、前記第1光学層を透過した前記近赤外光の少なくとも一部を吸収することを特徴とする請求項8に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記第2光学層は、前記波長帯域(X)に吸収を有する化合物(B)を含む硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記化合物(B)が、波長750〜2000nmに吸収極大を有することを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記化合物(B)が、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、タングステン化合物、金属ホウ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記近赤外光パスフィルタは、下記条件(I)及び(II)を満たすことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
条件(I):波長450〜600nmにおける光の平均透過率が15%以下。
条件(II):波長900〜1000nmにおける光の平均透過率が80%以上。
【請求項14】
前記近赤外光パスフィルタは、少なくとも(C1)〜(C3)に示す着色剤を含むか、又は少なくとも(C4)〜(C6)に示す着色剤を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(C1)下記式(1)に示す着色剤(但し、全着色剤中に40〜80質量%)
(C2)青色着色剤及び緑色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤(但し、全着色剤中に10〜40質量%)
(C3)黄色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤(但し、全着色剤中に10〜40質量%)
(C4)下記式(2)に示す構造を有する化合物及び下記式(3)に示す構造を有する化合物から選ばれる1種以上の着色剤
(C5)紫色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤
(C6)黄色着色剤
【化7】

(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メトキシ基又はアセチル基を示す。R3及びR4は、それぞれ独立に、フェニレン基、又は直接結合を示す。R5及びR6は、それぞれ独立に、直接結合、又は炭素数1〜10のアルカンジイル基を示す。但し、R3及びR5が同時に直接結合であることはなく、R4及びR6が同時に直接結合であることはない。)
【化8】

(式(2)中、Mは金属原子を表す。)
【請求項15】
前記近赤外光パスフィルタは、前記着色剤(C1)〜(C3)又は着色剤(C4)〜(C6)を含む硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする請求項14に記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が25%以上であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記波長帯域(X)の中心波長は、780〜950nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項18】
さらに、前記第2光学層と前記マイクロレンズアレイとの間に設けられた第1絶縁層を備え、
前記第2光学層の前記開口部は、前記第1絶縁層により埋められていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置及び光学フィルタに関する。特に、デュアルバンドパスフィルタ(Dual Band Pass Filter)と近赤外光パスフィルタ(Near Infrated Ray Pass Filter)とを用いた固体撮像装置、及びデュアルバンドパスフィルタと近赤外光パスフィルタを有する光学フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光電変換装置として、カメラ等の撮像機器に使用される固体撮像装置が知られている。固体撮像装置は、画素ごとに可視光を検出する受光素子(可視光検出用センサ)を備え、外界から入射した可視光に応じて電気信号を発生し、その電気信号を処理して撮像画像を形成するものである。受光素子としては、半導体プロセスを用いて形成されたCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサなどが広く知られている。
【0003】
上述の固体撮像装置では、受光素子に入射する可視光の強さを正確に検出するため、ノイズ成分となる可視光以外の光を遮蔽することも行われている。例えば、入射光が受光素子に到達する前に、赤外線カットフィルタを用いて赤外光成分を遮蔽する技術がある。この場合、ほぼ可視光域の光のみが受光素子に到達するため、ノイズ成分の比較的少ないセンシング動作が可能となる。
【0004】
一方で、近年、近赤外光を利用したモーションキャプチャや距離認識(空間認識)などのセンシング機能を固体撮像装置に付与する要求が高まっている。そのための技術として、TOF(Time Of Flight)方式を採用した距離画像センサを、固体撮像装置に組み込む研究が進められている。
【0005】
TOF方式とは、光源から出力された光が撮像対象物で反射し、戻ってくるまでの時間を測定することにより光源から撮像対象物までの距離を測定する技術である。時間の測定には、光の位相差を用いる。つまり、撮像対象物までの距離に応じて戻ってくる光に位相差が生じるため、TOF方式では、その位相差を時間差に変換し、その時間差と光の速度とに基づいて、画素ごとに撮像対象物までの距離を計測する。
【0006】
このようなTOF方式を用いた固体撮像装置は、画素ごとに可視光の強さと近赤外光の強さとを検出する必要があるため、各画素に可視光検出用の受光素子と近赤外光検出用の受光素子とを備える必要がある。例えば、可視光検出用の受光素子と近赤外光検出用の受光素子を各画素に設けた例として、特許文献1に記載された技術が知られている。
【0007】
特許文献1には、デュアルバンドパスフィルタと赤外線パスフィルタを含む光学フィルタアレイと、RGB画素アレイとTOF画素アレイとを含む画素アレイとを組み合わせたイメージセンシング装置が記載されている。特許文献1に記載された技術では、デュアルバンドパスフィルタによって可視光と赤外線を選択的に通過させ、TOF画素アレイ上にのみ赤外線パスフィルタを設けて赤外線を通過させる。これにより、RGB画素アレイには可視光及び赤外線が入射され、TOF画素アレイには赤外線が入射されるため、それぞれの画素アレイで必要な光線を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−103657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を用いた場合、RGB画素アレイには可視光だけでなく赤外線も入射することになるため、赤外線がノイズとなり、可視光のみを正確に検出することができないという問題がある。また、特許文献1には、RGB画素アレイ上に可視光パスフィルタを設けた構成も開示されているが、この場合には、可視光パスフィルタと赤外線パスフィルタの両方を配置する必要性があり、製造コストが増加してしまう問題がある。また、特許文献1には、TOF画素アレイに対し選択的に赤外線を入射させる構成が開示されるのみであり、TOF画素アレイに入射する光量に関する考慮はなされていなかった。
【0010】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、製造コストを抑えつつ検出精度の高い固体撮像装置を提供することを課題とする。
【0011】
また本発明は、固体撮像装置を構成する要素として好適な光学フィルタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による固体撮像装置は、可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する第1光学層と、可視光の少なくとも一部を吸収し、近赤外光の少なくとも一部を透過する近赤外光パスフィルタと、前記第1光学層を透過した前記可視光を検出する第1受光素子、並びに、前記第1光学層及び前記近赤外光パスフィルタを透過した前記近赤外光を検出する第2受光素子を含む画素アレイと、を備えた固体撮像装置であって、前記近赤外光パスフィルタは、前記第2受光素子に対応する部分に設けられ、前記第1光学層における前記近赤外光の透過率が垂直方向から測定した場合に30%以上となる最も短い波長(X1)から、当該透過率が30%以下となる最も長い波長(X2)までの波長帯域をXとするとき、前記波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が30%以上であることを特徴とする。
【0013】
このとき、波長430nm〜620nmにおける垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長430nm〜620nmにおける垂直方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が30%以下であることが望ましい。
【0014】
前記近赤外光の波長は、750〜2500nmであってもよい。また、前記第1光学層は、近赤外光の一部を吸収する化合物(A)を含んでもよい。化合物(A)としては、波長600〜850nmに吸収極大を有する化合物、例えばスクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物およびシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いてもよい。
【0015】
また、波長430nm〜620nmにおける垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率が60%以上であってもよい。つまり、第2受光素子では、近赤外光パスフィルタによって波長430nm〜620nmの可視光が十分にカットされるため、第1光学層の平均透過率が60%以上であっても、最終的な平均透過率は30%以下とすることができる。
【0016】
本発明の一実施形態による固体撮像装置は、前記第2受光素子に対応する部分に開口部を有し、近赤外光の少なくとも一部を吸収する第2光学層をさらに備えてもよい。
【0017】
この場合、第1光学層と第2光学層の配置順序(上下関係)はいずれが上であっても良いが、第1光学層を第2光学層の上(最初に入射光が当たる側)に配置し、第1光学層を透過した近赤外光の少なくとも一部を、第2光学層が吸収するように配置することが好ましい。
【0018】
前記第2光学層は、前記波長帯域(X)に吸収を有する化合物(以下、「化合物(B)」とも称する。)を含んでもよい。化合物(B)としては、波長750〜2000nmに吸収極大を有する化合物、例えばジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、タングステン化合物、金属ホウ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いてもよい。
【0019】
ここで、上述した化合物(B)として用いることのできる化合物について、より詳細に以下に例示する。
【0020】
前述のジイミニウム(ジインモニウム)系化合物の具体例としては特開平01−113482号公報、特開平10−180922号公報、国際公開第2003/5076号、国際公開第2004/48480号、国際公開第2005/44782号、国際公開第2006/120888号、特開2007−246464号公報、国際公開第2007/148595号、特開2011−038007号公報、国際公開第2011/118171号の段落〔0118〕等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えばEPOLIGHT1178などのEPOLIGHTシリーズ(Epolin社製)、CIR−1085などのCIR−108XシリーズおよびCIR−96Xシリーズ(日本カーリット社製)、IRG022、IRG023、PDC−220(日本化薬社製)等を挙げることができる。
【0021】
前述のシアニン系化合物の具体例としては特開2007−271745号公報の段落〔0041〕〜〔0042〕、特開2007−334325号公報の段落〔0016〕〜〔0018〕、特開2009−108267号公報、特開2009−185161号公報、特開2009−191213号公報、特開2012−215806号公報の段落〔0160〕、特開2013−155353号公報の段落〔0047〕〜〔0049〕等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えばDaito chmix 1371F(ダイトーケミックス社製)、NK−3212、NK‐5060などのNKシリーズ(林原生物化学研究所製)等を挙げることができる。
【0022】
前述のフタロシアニン系化合物の具体例としては、特開昭60−224589号公報、特表2005−537319号公報、特開平4−23868号公報、特開平4−39361号公報、特開平5−78364号公報、特開平5−222047号公報、特開平5−222301号公報、特開平5−222302号公報、特開平5−345861号公報、特開平6−25548号公報、特開平6−107663号公報、特開平6−192584号公報、特開平6−228533号公報、特開平7−118551号公報、特開平7−118552号公報、特開平8−120186号公報、特開平8−225751号公報、特開平9−202860号公報、特開平10−120927号公報、特開平10−182995号公報、特開平11−35838号公報、特開2000−26748号公報、特開2000−63691号公報、特開2001−106689号公報、特開2004−18561号公報、特開2005−220060号公報、特開2007−169343号公報、特開2013−195480号公報の段落〔0026〕〜〔0027〕等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えばFB−22、24などのFBシリーズ(山田化学工
業社製)、Excolorシリーズ、Excolor TX−EX 720、同708K(日本触媒製)、Lumogen IR788(BASF製)、ABS643、ABS654、ABS667、ABS670T、IRA693N、IRA735(Exciton製)、SDA3598、SDA6075、SDA8030、SDA8303、SDA8470、SDA3039、SDA3040、SDA3922、SDA7257(H.W.SANDS製)、TAP−15、IR−706(山田化学工業製)等を挙げることができる。
【0023】
前述のナフタロシアニン系化合物の具体例としては特開平11−152413号公報、特開平11−152414号公報、特開平11−152415号公報、特開2009−215542号公報の段落〔0046〕〜〔0049〕等に記載の化合物が挙げられる。
【0024】
前述のクアテリレン系化合物の具体例としては特開2008−009206号公報の段落〔0021〕等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えばLumogen
IR765(BASF社製)等を挙げることができる。
【0025】
前述のアミニウム系化合物の具体例としては特開平08−027371号公報の段落〔0018〕、特開2007−039343号公報等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えばIRG002、IRG003(日本化薬社製)等を挙げることができる。
【0026】
前述のイミニウム系化合物の具体例としては国際公開第2011/118171号の段落〔0116〕等に記載の化合物が挙げられる。
【0027】
前述のアゾ系化合物の具体例としては特開2012−215806号公報の段落〔0114〕〜〔0117〕等に記載の化合物が挙げられる。
【0028】
前述のアントラキノン系化合物の具体例としては特開2012−215806号公報の段落〔0128〕、〔0129〕等に記載の化合物が挙げられる。
【0029】
前述のピロロピロール系化合物の具体例としては特開2011−068731号公報、特開2014−130343号公報の段落〔0014〕〜〔0027〕等に記載の化合物が挙げられる。
【0030】
前述のオキソノール系化合物の具体例としては特開2007−271745号公報の段落〔0046〕等に記載の化合物が挙げられる。
【0031】
前述のクロコニウム系化合物の具体例としては特開2007−271745号公報の段落〔0049〕、特開2007−31644号公報、特開2007−169315号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0032】
前述の金属ジチオール系化合物の具体例としては特開平01−114801号公報、特開昭64−74272号公報、特開昭62−39682号公報、特開昭61−80106号公報、特開昭61−42585号公報、特開昭61−32003号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0033】
前述の銅化合物としては銅錯体が好ましく、具体例としては特開2013−253224号公報、特開2014−032380号公報、特開2014−026070号公報、特開2014−026178号公報、特開2014−139616号公報、特開2014−139617号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0034】
前述のタングステン化合物としては酸化タングステン化合物が好ましく、セシウム酸化タングステン、ルビジルム酸化タングステンがより好ましく、セシウム酸化タングステンが更に好ましい。セシウム酸化タングステンの組成式としてはCs0.33WO等を、ルビジルム酸化タングステンの組成式としてはRb0.33WO等を挙げることができる。酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02Aなどのタングステン微粒子の分散物としても、入手可能である。
【0035】
前述の金属ホウ化物の具体例としては特開2012−068418号公報の段落〔0049〕等に記載の化合物が挙げられる。なかでもホウ化ランタンが好ましい。なお、上記化合物(B)が有機化合物である場合には、レーキ色素として用いることもできる。レーキ色素を製造するための方法は公知の方法を採用することができ、例えば特開2007−271745号公報等を参考にできる。
【0036】
前記近赤外光パスフィルタは、可視光の少なくとも一部を吸収し近赤外光の少なくとも一部を透過するものであれば特に限定されるものではないが、下記条件(I)及び(II)を満たすものであることが好ましい。特に、固体撮像装置の小型化の観点から、膜厚1.2μmのときに下記条件(I)及び(II)を満たすことがより好ましい。
条件(I):波長450〜600nmにおける光の平均透過率が15%以下。
条件(II):波長900〜1000nmにおける光の平均透過率が80%以上。
【0037】
このような近赤外光パスフィルタは、例えば、可視光の波長域(典型的には波長430〜620nm)に吸収極大を持つ化合物(以下、「化合物(C)」とも称する。)を含むことが好ましい。このような化合物(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも下記化合物(C1)〜(C3)を含む着色剤や、下記化合物(C4)〜(C6)を含む着色剤が挙げられる。
(C1)下記式(1)に示す着色剤(但し全着色剤中に40〜80質量%)
(C2)青色着色剤及び緑色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤(但し全着色剤中に10〜40質量%)
(C3)黄色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤(但し全着色剤中に10〜40質量%)
(C4)下記式(2)に示す構造を有する化合物及び下記式(3)に示す構造を有する化合物から選ばれる1種以上の着色剤
(C5)紫色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤
(C6)黄色着色剤
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】
(式(2)中、Mは金属原子を表す。)
【0041】
なお、式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メトキシ基又はアセチル基を示す。R及びRは、それぞれ独立に、フェニレン基、又は直接結合を示す。R及びRは、それぞれ独立に、直接結合、又は炭素数1〜10のアルカンジイル基を示す。但し、R及びRが同時に直接結合であることはなく、R及びRが同時に直接結合であることはない。
【0042】
ここで、上述した化合物(C1)〜(C6)として用いることのできる化合物について、より詳細に以下に例示する。
【0043】
化合物(C1)
前記式(1)で表されるペリレン系化合物として、下記のようなカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行、以下、同様である。)番号が付されているものを挙げることができる。
【0044】
C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32。
【0045】
前記式(1)で表される化合物は、例えば、ペリレン−3,5,9,10−テトラカルボン酸又はその二無水物とアミン化合物とを水又は有機溶媒中で反応させることによって得ることができる。操作方法は、例えば、特開昭62−1753号公報、特公昭63−26784号公報の記載を参照することができる。
【0046】
化合物(C2)
化合物(C2)は、青色着色剤及び緑色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤である。青色着色剤及び緑色着色剤は、600〜750nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の近赤外領域を透過する。青色着色剤及び緑色着色剤は、顔料、染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。なお、青色着色剤及び緑色着色剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
青色着色剤としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系の顔料を挙げることができる。下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0048】
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー24、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー80等の青色顔料。
【0049】
染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0050】
C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等のアントラキノン系青色染料;
C.I.アシッドブルー7、C.I.ベーシック ブルー1、C.I.ベーシック ブルー5、C.I.ベーシック ブルー7、C.I.ベーシック ブルー11、C.I.ベーシック ブルー26等のトリアリールメタン系青色染料;
C.I.パッドブルー5等のフタロシアニン系青色染料;
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等のキノンイミン系青色染料。
【0051】
緑色着色剤としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系の顔料を挙げることができる。下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0052】
C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58等の緑色顔料。
【0053】
染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0054】
C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59等のアゾ系緑色染料;C.I.アシッドグリーン25等のアントラキノン系緑色染料;C.I.ベーシック グリーン1、C.I.ベーシック グリーン4等のトリアリールメタン系緑色染料。
【0055】
化合物(C2)としては、解像性により一層優れた感光性組成物となることから、青色着色剤が好ましく、銅フタロシアニン顔料が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6が更に好ましい。
【0056】
化合物(C3)
化合物(C3)は、黄色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤である。黄色着色剤及び赤色着色剤は、380〜480nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の近赤外領域を透過させるため、近赤外領域の透過性を損なうことなく、380〜480nmの可視領域を遮光することができる。黄色着色剤及び赤色着色剤は、顔料、染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。黄色着色剤及び赤色着色剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0057】
黄色着色剤としては、例えば、アントラキノン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、ジスアゾ系の顔料を挙げることができる。カラーインデックス番号が付されている顔料として、下記を挙げることができる。
【0058】
C.I.ソルベントイエロー163 、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー193、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー199、C.I.ピグメントイエロー202等のアントラキノン系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー179、C.I.ピグメントイエロー185等のイソインドリノン系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー180等の縮合アゾ系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー 151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー181等のベンズイミダゾロン系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー6、C.I.ピグメントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー62:1、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー105、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー169、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー183等のモノアゾ系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー63、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー87、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー170、C.I.ピグメントイエロー172、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー188、C.I.ピグメントイエロー198等のジスアゾ系黄色顔料。
【0059】
染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0060】
C.I.アシッドイエロー11、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.モルダントイエロー5等のアゾ系黄色染料;
C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等のキノリン系黄色染料;
C.I.アシッドイエロー1、C.I.ディスパースイエロー42等のニトロ系黄色染料;
C.I.ディスパースイエロー201等のメチン系黄色染料;
C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ベーシックイエロー11、C.I.ベーシックイエロー13、C.I.ベーシックイエロー21、C.I.ベーシックイエロー28、C.I.ベーシックイエロー51、C.I.リアクティブイエロー1等のシアニン系黄色染料。
【0061】
赤色着色剤としては、例えば、モノアゾ系、ジスアゾ系、モノアゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の顔料を挙げることができる。カラーインデックス番号が付されている顔料として、下記を挙げることができる。
【0062】
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド267、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269等のモノアゾ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41等のジスアゾ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68等のモノアゾレーキ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド208等のベンズイミダゾロン系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド272、下記式(4)に示す化合物等のジケトピロロピロール系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド242等の縮合アゾ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ソルベントレッド149、C.I.ソルベントレッド150、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド207等のアンスラキノン系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209等のキナクリドン系赤色顔料。
【0063】
【化3】
【0064】
また、染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0065】
C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7等のアゾ系赤色染料;
C.I.ディスパースレッド60等のアントラキノン系赤色染料;
C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388等のキサンテン系赤色染料;
C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14等のシアニン系赤色染料。
【0066】
化合物(C3)としては、解像性により一層優れた感光性組成物となることから、黄色着色剤が好ましく、イソインドリノン系顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー139が更に好ましい。
【0067】
化合物(C4)
化合物(C4)は、前記式(2)に示す構造を有する化合物及び前記式(3)に示す構造を有する化合物から選ばれる1種以上の着色剤である。前記式(2)に示す構造を有する化合物及び前記式(3)に示す構造を有する化合物は、600〜700nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の近赤外領域を透過する。前記式(2)に示す構造を有する化合物及び前記式(3)に示す構造を有する化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0068】
前記式(2)において、Mにおける金属原子としては、2価の金属原子が好ましく、例えば、Be、Mg、Ca、Ba、Al、Si、Cd、Hg、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Pd、Cd、Sn、Pt、Pb、Sr、Mn等を挙げることができる。中でも、Cuが好ましい。
【0069】
前記式(2)に示す構造を有する化合物及び前記式(3)に示す構造を有する化合物としては、例えば、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0070】
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6(以上、前記式(2)においてMがCuである化合物)、C.I.ピグメントブルー16(前記式(3)で表される化合物)。
【0071】
化合物(C4)としては、解像性により一層優れた感光性組成物となることから、前記式(2)に示す構造を有する化合物が好ましく、前記式(2)においてMがCuである化合物がより好ましく、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6が更に好ましく、C.I.ピグメントブルー15:4が特に好ましい。
【0072】
化合物(C5)
化合物(C5)は、紫色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤である。紫色着色剤は、500〜600nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の近赤外領域を透過する。赤色着色剤は、前記化合物(C3)として記載した赤色着色剤と同様である。
【0073】
紫色着色剤及び赤色着色剤は、顔料、染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。なお、紫色着色剤及び赤色着色剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0074】
紫色着色剤としては、例えば、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
【0075】
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット39等の紫色顔料。
【0076】
紫色染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット14等のトリアリールメタン系紫色染料;
C.I.ベーシックバイオレット11等のキサンテン系紫色染料;
C.I.ベーシックバイオレット7、C.I.ベーシックバイオレット16等のシアニン系紫色染料;
C.I.ソルベントバイオレット8、C.I.ソルベントバイオレット13、C.I.ソルベントバイオレット14、C.I.ソルベントバイオレット21、C.I.ソルベントバイオレット27、C.I.ソルベントバイオレット28、C.I.ソルベントバイオレット36等のアントラキノン系紫色染料。
【0077】
赤色着色剤としては、前記化合物(C3)として記載した赤色着色剤と同様のものを挙げることができる。
【0078】
化合物(C5)としては、解像性により一層優れた感光性組成物となることから、C.I.ピグメントバイオレット23及びジケトピロロピロール系赤色顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0079】
化合物(C6)
化合物(C6)は黄色着色剤であり、前記化合物(C3)として記載した黄色着色剤と同様のものを挙げることができる。黄色着色剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0080】
化合物(C6)としては、解像性により一層優れた感光性組成物となることから、イソインドリノン系顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー139がより好ましい。
【0081】
近赤外光パスフィルタが前記化合物(C1)〜(C3)を前述の割合で含む場合、本発明の効果を損なわない範囲で、化合物(C1)、化合物(C2)及び化合物(C3)以外の他の着色剤を、透過スペクトル形状の調整を目的に用いることもできる。他の着色剤は、顔料、染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。また、染料も有機染料及び無機染料の何れでもよい。他の着色剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0082】
近赤外光パスフィルタが前記化合物(C4)〜(C6)を含む場合、化合物(C4)〜(C6)の好ましい含有割合は次の通りである。化合物(C4)の含有割合は、全着色剤中に20〜70質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましく、30〜45質量%が更に好ましい。化合物(C5)の含有割合は、全着色剤中に5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、15〜30質量%が更に好ましい。化合物(C6)の含有割合は、全着色剤中に20〜50質量%が好ましく、25〜45質量%がより好ましく、30〜40質量%が更に好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、化合物(C4)、化合物(C5)及び化合物(C6)以外の他の着色剤を、透過スペクトル形状の調整を目的に用いることもできる。
【0083】
前記波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積は、25%以上とすることができる。これにより、固体撮像装置の入射角依存性を軽減し、撮像する角度によって色度が変化するといった不具合を抑制することができる。
【0084】
前記波長帯域(X)の中心波長は、780〜950nmの範囲内にあることが好ましい。
【発明の効果】
【0085】
本発明によれば、製造コストを抑えつつ検出精度の高い固体撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置の応用例を示す概念図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置の平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置の概略を示す断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置に用いる第1光学層の透過スペクトルを示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置に用いる第2光学層の透過スペクトルを示す図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置に用いる近赤外光パスフィルタの透過スペクトルを示す図である。
図7】第1光学層と近赤外光パスフィルタとの間の光学特性の関係を説明するための図である。
図8】近赤外光を垂直方向から測定した場合における、第1光学層の平均透過率と近赤外光パスフィルタの平均透過率との積を計算した結果を示す図である。
図9】入射光を斜め方向から測定した場合における第1光学層の透過スペクトルを示す図である。
図10】近赤外光を斜め方向から測定した場合における、第1光学層の平均透過率と近赤外光パスフィルタの平均透過率との積を計算した結果を示す図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る固体撮像装置の概略を示す断面図である。
図12】透過スペクトルを垂直方向及び斜め30度の方向から測定する構成を示した図である。
図13】本発明の一実施形態に係る固体撮像装置に用いる第1光学層の透過スペクトルを示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る固体撮像装置に用いる第2光学層の透過スペクトルを示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る固体撮像装置に用いる近赤外光パスフィルタの透過スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0088】
なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0089】
また、本明細書中において「上」とは、支持基板の主面(固体撮像素子を配置する面)を基準とした相対的な位置を指し、支持基板の主面から離れる方向が「上」である。本願図面では、紙面に向かって上方が「上」となっている。また、「上」には、物体の上に接する場合(つまり「on」の場合)と、物体の上方に位置する場合(つまり「over」の場合)とが含まれる。逆に、「下」とは、支持基板の主面を基準とした相対的な位置を指し、支持基板の主面に近づく方向が「下」である。本願図面では、紙面に向かって下方が「下」となっている。
【0090】
[実施形態1]
図1は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置の応用例である。具体的には、本実施形態の固体撮像装置をTOF方式の撮像装置(例えば距離画像カメラ)に応用した例を示している。なお、ここで説明する撮像装置はあくまで概念図であり、他の要素が追加もしくは削除されることを妨げるものではない。
【0091】
図1において、撮像機器(カメラ)10は、基本的な構成要素として、光源11、固体撮像装置(イメージセンサ)12、信号処理部13、主制御部14を備えている。主制御部14は、光源11、固体撮像装置12及び信号処理部13と接続され、それぞれの動作を制御する役割を果たす。固体撮像装置12は、さらに信号処理部13とも接続され、固体撮像装置12で生成された電気信号を信号処理部13に伝達する。
【0092】
光源11としては、近赤外光を出力する公知のLED(Light Emitting Diode)を用いることができる。光源11から出力された近赤外光は、撮像対象物15に当たって反射され、その反射光が固体撮像装置12に入射する。このとき、光源11から出力された近赤外光と撮像対象物15から戻ってきた近赤外光との間には、撮像対象物15の立体形状に応じた位相差が生じることとなる。
【0093】
固体撮像装置12としては、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサを用いることができる。CMOSイメージセンサとしては、表面照射型と裏面照射型のいずれのタイプを用いることも可能であるが、本実施形態では、高感度な裏面照射型CMOSイメージセンサを用いることとする。
【0094】
撮像対象物15で反射した外界の可視光と光源11から出力された近赤外光は、固体撮像装置12内の固体撮像素子(光電変換素子やセンサ素子とも呼ばれる)に入射し、光量に応じた電気信号に変換される。変換された電気信号は、固体撮像装置12内に設けられたAD変換回路によってデジタル化され、デジタル信号として信号処理部13へ出力される。固体撮像装置12の具体的な構造については後述する。
【0095】
信号処理部13は、固体撮像装置12から出力されたデジタル信号を受信して信号処理を行い、撮像対象物15に基づく画像を形成する。その際、可視光に基づくデジタル信号は、撮像対象物15の色彩や形状を再現する情報として用いられ、近赤外光に基づくデジタル信号は、撮像対象物15までの距離を認識するための情報として用いられる。これらのデジタル信号により撮像対象物15を立体的に把握することが可能となる。
【0096】
主制御部14は、CPUを中心とする演算処理部であり、光源11、固体撮像装置12及び信号処理部13を制御するとともに、信号処理部13から得られた情報に基づいて、図示しない他の処理部をも制御する。
【0097】
図2は、固体撮像装置12の概略を説明するための平面図である。パッケージ16には、画素部17及び端子部18が配置される。画素部17と端子部18との間には、AD変換回路が設けられていてもよい。拡大部19は、画素部17の一部を拡大した様子を示している。拡大部19に示されるように、画素部17には、複数の画素20がマトリクス状に配置されている。
【0098】
図2には、画素部17と端子部18というように単純な構造しか示していないが、本実施形態の固体撮像装置は、これに限定されるものではない。例えば、図2に示した固体撮像装置12に対し、図1に示した信号処理部13としての機能を内蔵させることも可能である。さらには、図1に示した主制御部14と同等の演算処理能力をも内蔵させ、ワンチップで撮像機能と演算機能を備えるシステムIC回路としてよい。
【0099】
(固体撮像装置の構造)
図3は、図2に示した画素20をIII−III’で切断した断面図である。図3には、外光が入射する側から、第1光学層21、第1間隙22、マイクロレンズアレイ23、第2間隙24、第2光学層25、第3間隙26、可視光パスフィルタ(カラーレジスト)27a〜27c、近赤外光パスフィルタ27d、絶縁体28、フォトダイオード29a〜29d、並びに、支持基板30が図示されている。第1間隙22、第2間隙24及び第3間隙26は、空気や不活性ガスで充填された空間として確保されてもよいし、有機絶縁膜や無機絶縁膜で構成される絶縁体として確保されてもよい。また、第1間隙22、第2間隙24又は第3間隙26は無くてもよく、例えば第2光学層25と可視光パスフィルタ27a〜27cとが接していてもよいし、マイクロレンズアレイ23と第2光学層25とが接していてもよい。
【0100】
本明細書中において、可視光パスフィルタ27a〜27c及びそれらに対応して配置されたフォトダイオード29a〜29cで構成される画素を「可視光検出用画素」と呼び、近赤外光パスフィルタ27d及びフォトダイオード29dで構成される画素を「近赤外光検出用画素」と呼ぶ。
【0101】
ここで、第1光学層21は、可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する光学層であり、例えば波長400〜700nmの可視光と波長750〜2500nmの少なくとも一部(典型的には750〜950nm)の近赤外光とを透過する。勿論、透過する波長域はここで述べた範囲に限られず、R(赤)、G(緑)及びB(青)の光に対応する可視光と、後述する近赤外光検出用画素で検出可能な波長域の近赤外光とを透過できればよい。このように異なる2つの波長域を透過する光学特性を備えたフィルタは、一般的にデュアルバンドパスフィルタと呼ばれる。
【0102】
なお、本実施形態では、第1光学層21として、特定の光学特性を有する化合物を含む透明樹脂(透光性を有する樹脂)層を有する基材に誘電体多層膜を設けた光学層を用いる。特定の光学特性を有する化合物としては、例えば、近赤外光の一部を吸収する化合物(以下「化合物(A)」という)が挙げられる。具体的には、化合物(A)として、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物およびシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。
【0103】
このように、近赤外光の一部を吸収する化合物を含む透明樹脂層を有する基材に誘電体多層膜を設けることにより、可視光と近赤外光の少なくとも一部とを透過するデュアルバンドパスフィルタとすることができる。このとき、基材は、単層であっても多層であってもよい。単層であれば、透明樹脂層で構成される可撓性の基材とすることができる。多層の場合は、例えば、ガラス基板や樹脂基板など透明基板上に化合物(A)および硬化性樹脂を含む透明樹脂層が積層された基材や、化合物(A)を含む透明基板上に硬化性樹脂を含むオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いることができる。
【0104】
前述のように、第1光学層21を樹脂製の基材で構成した場合、一般的なデュアルバンドパスフィルタよりも薄くすることが容易であり、例えばフィルム状とすることが可能である。つまり、前述の化合物(A)を含む透明樹脂層を有する基材に誘電体多層膜を積層した構造とした場合、第1光学層21の厚さは、例えば200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下、特に好ましくは120μm以下とすることができる。
【0105】
マイクロレンズアレイ23は、個々のマイクロレンズの位置が各画素の位置に対応しており、各マイクロレンズで集光された入射光が、それぞれ対応する各画素(具体的には、各フォトダイオード)に受光される。マイクロレンズアレイ23は、樹脂材料を用いて形成することができるため、オンチップで形成することも可能である。例えば、第2間隙24として絶縁体を用い、その上に塗布した樹脂材料を加工してマイクロレンズアレイ23を形成してもよい。また、第2間隙24として樹脂で構成された基材(フィルム)を用い、その上に塗布した樹脂材料を加工してマイクロレンズアレイ23を形成した後、その基材を貼り付ける形で固体撮像素子12に組み込んでもよい。
【0106】
第2光学層25は、近赤外光の少なくとも一部を吸収する光学層であり、例えば波長750〜2000nmに吸収極大を有する化合物(以下「化合物(B)」という)を含む。化合物(B)としては、例えば、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、タングステン化合物、金属ホウ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。第2光学層25は、化合物(B)の光学特性に応じて近赤外光の一部を吸収する近赤外光カットフィルタとして機能する。
【0107】
第2光学層25は、近赤外光検出用画素(具体的には、フォトダイオード29d)に対応する部分に開口部を有する。つまり、フォトダイオード29dに対してそのまま近赤外光が到達するように、フォトダイオード29dの上方には開口部が設けられ、近赤外光の入射を妨げない構造となっている。換言すれば、第2光学層25における「フォトダイオード29dに対応する部分」とは、フォトダイオード29dの上方、つまりフォトダイオード29dに向かう近赤外光の光路と第2光学層25とが交差する部分を指す。
【0108】
このように、第2光学層25は、近赤外光検出用画素以外の部分(すなわち可視光検出用画素)の上方を覆うように配置される。これにより、可視光検出用画素に近赤外光が到達することを極力抑えることができる。その結果、可視光検出用画素においてノイズ成分を低減することができ、可視光の検出精度を向上させることが可能である。
【0109】
第2光学層25の下方には、前述した可視光検出用画素と近赤外光検出用画素とを含む画素群が配置される。前述のように、本実施形態では、各フォトダイオード29a〜29cと可視光パスフィルタ27a〜27cとがそれぞれ対応して可視光検出用画素を構成する。また、フォトダイオード29dと近赤外光パスフィルタ27dとが対応して近赤外光検出用画素を構成する。本明細書では、フォトダイオード29a〜29cを「第1受光素子」と呼び、フォトダイオード29dを「第2受光素子」と呼ぶ。
【0110】
なお、実際には、可視光パスフィルタ27a〜27cは、それぞれ異なる波長の可視光を透過するパスフィルタで構成される。例えば、可視光パスフィルタは、緑色光を透過するパスフィルタ27a、赤色光を透過するパスフィルタ27b、及び、青色光を透過するパスフィルタ27cを含むことができる。したがって、それら個別の色に対応する画素をそれぞれ緑色光検出用画素、赤色光検出用画素、青色光検出用画素と呼んでもよい。
【0111】
また、可視光パスフィルタ27a〜27c及び近赤外光パスフィルタ27dは、特定波長に吸収を有する色素(顔料や染料)を含有させた硬化性組成物を用いて形成することができる。例えば、可視光パスフィルタ27a〜27cは、化合物(B)とバインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む硬化性組成物を用いて形成することができる。また、近赤外光パスフィルタ27dは、可視光の波長域(典型的には波長430〜620nm)に吸収極大を持つ化合物(C)とバインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む硬化性組成物を用いて形成することができる。化合物(B)及び化合物(C)としては、前述のものを用いることができる。可視光の波長域に吸収を持つ化合物(C)は1つ以上含有させれば良いが、複数組み合わせてもよい。
【0112】
代表的には、化合物(C)として、前述した化合物(C1)〜(C6)を含む着色剤を用いることができる。また、バインダー樹脂及び重合性化合物としては公知のものを採用することができる。具体的には、バインダー樹脂として、特開2012−189632号公報の段落〔0095〕〜〔0148〕、特開2013−077009号公報の段落〔0179〕〜〔0210〕、特開2013−137337号公報の段落〔0134〕〜〔0157〕、特開2013−151675号公報の段落〔0150〕〜〔0165〕、特開2014−130332号公報の段落〔0072〕〜〔0079〕に記載されているものを採用することができる。また重合性化合物として、特開2012−189632号公報の段落〔0054〕〜〔0094〕、特開2013−077009号公報の段落〔0122〕〜〔0155〕、特開2013−137337号公報の段落〔0054〕〜〔0089〕、特開2013−151675号公報の段落〔0066〕〜〔0107〕、特開2014−130332号公報の段落〔0052〕〜〔0056〕に記載されているものを採用することができる。
【0113】
上記硬化性組成物は、更に光重合開始剤や溶媒を含んでいてもよい。光重合開始剤や溶媒としては公知のものを採用することができる。具体的には、光重合開始剤として、特開2012−189632号公報の段落〔0039〕〜〔0053〕、特開2013−077009号公報の段落〔0071〕〜〔0121〕、特開2013−137337号公報の段落〔0093〕〜〔0133〕、特開2013−151675号公報の段落〔0108〕〜〔0149〕、特開2014−130332号公報の段落〔0057〕〜〔0065〕に記載されているものを採用することができる。また溶媒として、特開2012−189632号公報の段落〔0227〕、特開2013−077009号公報の段落〔0211〕〜〔0213〕、特開2013−137337号公報の段落〔0090〕、特開2013−151675号公報の段落〔0249〕、特開2014−130332号公報の段落〔0065〕〜〔0071〕に記載されているものを採用することができる。
【0114】
また近赤外光パスフィルタ27dは、特定波長に吸収を有する色素を含む層を基板上に設けることによっても形成することができる。
【0115】
上述したフォトダイオード29a〜29dは、支持基板30としてシリコン基板を用い、シリコン基板の表面に公知の半導体プロセスを用いて形成することができる。勿論、支持基板30としてガラス、セラミックス、樹脂等の基板を用い、公知の薄膜形成技術を用いてフォトダイオード29a〜29dを形成することも可能である。
【0116】
本実施形態では、フォトダイオード29aを波長520〜560nmの緑色光を受光するための受光素子として用い、フォトダイオード29bを波長580〜620nmの赤色光を受光するための受光素子として用い、フォトダイオード29cを波長430〜470nmの青色光を受光するための受光素子として用いる。このように、本実施形態の固体撮像装置12では、これらのフォトダイオード29a〜29cを用いて外部から入射した可視光を検出する。
【0117】
他方、フォトダイオード29dは、波長750〜2500nm(典型的には波長750〜950nm)の近赤外光を受光するための受光素子として機能し、フォトダイオード29dにより、外部から入射した近赤外光が検出される。
【0118】
(固体撮像装置の製造方法)
図3を用いて固体撮像装置20の製造方法の一例について説明する。まず、支持基板30としてシリコン基板を準備し、公知の半導体プロセスを用いてフォトダイオード29a〜29dを形成する。例えば、シリコン基板に対してリン等のn型不純物を添加してn型領域を形成し、その中にボロン等のp型不純物を添加してp型領域を形成することにより、pn接合を得る。そして、これらn型領域及びp型領域から電流を取り出せるように配線を形成してフォトダイオード29a〜29dを形成することができる。
【0119】
フォトダイオード29a〜29dを形成したら、CVD(Chemical Vapor Deposition)等により絶縁体28を形成してフォトダイオード29a〜29dを覆う。絶縁体28としては、酸化シリコン等を含む無機絶縁層を用いたり、樹脂を含む有機絶縁層を用いたりすることができる。その際、フォトダイオード29a〜29dによる起伏を平坦化できる程度の膜厚とすることが好ましい。
【0120】
絶縁体28を形成した後、可視光パスフィルタ27a〜27cを形成する。可視光パスフィルタ27a〜27cは、例えば特定波長の光を吸収する色素を含有させた硬化性成分を含む硬化性組成物で構成される構造体を、所望の位置に印刷法を用いて形成することにより得ることができる。
【0121】
次に、可視光パスフィルタ27a〜27dの上に間隙26として透光性を有する絶縁層を形成する。例えば、透光性を有する絶縁層として、酸化シリコン層又は有機樹脂層を形成することができる。なお、間隙26として透光性を有する絶縁層を用いる場合、可視光パスフィルタ27a〜27dに起因する起伏を平坦化することができる。そのため、間隙26の上に形成される第2光学層25を平坦なものにすることができ、第2光学層25の光学特性の均一性を向上させることができる。
【0122】
間隙26として酸化シリコン層を形成した後、第2光学層25を形成する。第2光学層25としては、前述の化合物(B)を含む硬化性樹脂組成物を用いる。例えば、スピンコーティングにより、化合物(B)を含む硬化性樹脂組成物を塗布して第2光学層25を形成する。なお、近赤外光パスフィルタ27dに対応する部分には、公知のフォトリソグラフィを用いて開口部を形成すればよい。
【0123】
次に、第2光学層25の上に間隙24として再び透光性を有する絶縁層を形成する。この場合も、例えば、透光性を有する絶縁層として、酸化シリコン層又は有機樹脂層を形成することができる。また、間隙24として透光性を有する絶縁層を用いる場合、第2光学層25に設けられた開口部に起因する起伏を平坦化することができる。
【0124】
間隙24として透光性を有する絶縁層を形成したら、マイクロレンズアレイ23を各フォトダイオード29a〜29dに対応させて形成する。マイクロレンズアレイ23は、既成のマイクロレンズアレイを接着することもできるが、樹脂層を加工して形成することも可能である。例えば、樹脂層をスピンコーティング等により塗布して硬化させた後、所望の領域をマスクしてにドライエッチング等により加工して、複数のレンズ形状の構造体を形成することができる。
【0125】
マイクロレンズアレイ23を形成したら、間隙22として樹脂層を形成し、その上に第1光学層21を接着する。例えば、スピンコーティング等により樹脂材料を塗布し、その上に既に形成された第1光学層21を配置し、その状態で樹脂材料を硬化させる。これにより、間隙22として形成した樹脂層を用いて第1光学層21を接着することができる。勿論、樹脂層を硬化させた後、接着剤を用いて第1光学層21を接着してもよい。
【0126】
以上のような手順で図3に示す固体撮像装置20を形成することができる。なお、ここで説明した製造方法は一例に過ぎず、使用する材料や膜の形成方法については、適切な代替技術を用いればよい。
【0127】
ここで、本実施形態の固体撮像装置12において使用する第1光学層21、第2光学層25及び近赤外光パスフィルタ27dの光学特性を図4〜6に示す。
【0128】
図4は、本実施形態の固体撮像装置12に用いる第1光学層(デュアルバンドパスフィルタ)21の透過スペクトルを示す図である。図4において、横軸は入射光の波長を示し、縦軸は第1光学層21に対して垂直方向から測定した場合における透過率を百分率で示している。図4に示されるように、本実施形態で使用される第1光学層21は、波長400〜700nmの可視光と波長750〜950nmの近赤外光とを透過する光学特性を有している。勿論、図4に示す光学特性は一例であり、本実施形態で用いる第1光学層21としては、可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する光学特性を有するものであれば、他の波長域を透過するデュアルバンドパスフィルタであっても使用することができる。
【0129】
図5は、本実施形態の固体撮像装置12に用いる第2光学層(近赤外光カットフィルタ)25の透過スペクトルを示す図である。図5において、横軸は入射光の波長を示し、縦軸は第2光学層25に対して垂直方向から測定した場合における透過率を百分率で示している。なお、図5には、第2光学層(A)と第2光学層(B)の二種類について示したが、両者の透過スペクトルの差異は、含有する化合物(B)の違いによるものである。具体的には、第2光学層(A)は、最大の吸収極大波長が865nmのシアニン系化合物を含有し、第2光学層(B)は、最大の吸収極大波長が865nmのシアニン系化合物と同波長が810nmのシアニン系化合物を含有する。
【0130】
図5に示されるように、本実施形態で使用される第2光学層25は、おおよそ波長600〜950nmの入射光をカットする機能を有している。勿論、図5に示す光学特性は一例であり、本実施形態で用いる第2光学層25としては、波長750〜2000nmに吸収極大を有する化合物(B)を含む光学層を用いればよい。
【0131】
図6は、本実施形態の固体撮像装置12に用いる近赤外光パスフィルタ27dの透過スペクトルを示す図である。図6において、横軸は入射光の波長を示し、縦軸は近赤外光パスフィルタ27dに対して垂直方向から測定した場合における透過率を百分率で示している。
【0132】
図6に示されるように、本実施形態で使用される近赤外光パスフィルタ27dは、波長800nm付近よりも長波長側の光を透過する特性を示す。勿論、本実施形態で使用可能な近赤外光パスフィルタ27dは、図6に示す透過スペクトル特性を持つものに限られない。つまり、前述のように波長430〜620nmに吸収極大を有する化合物(C)を含むため、吸収端がより長波長側もしくは短波長側にあってもよい。
【0133】
本実施形態における固体撮像装置12は、まず、図4に示される光学特性を有する第1光学層21により、外光をフィルタリングして、波長400〜700nmの可視光と波長750〜2500nmの近赤外光の少なくとも一部(具体的には、波長750〜950nmの近赤外光)とを透過する。そして、第1光学層21を透過した可視光と近赤外光の一部は、第2光学層25に入射する。
【0134】
その際、フォトダイオード29dの上方における第2光学層25には開口部が設けられているため、第1光学層21を透過した可視光と近赤外光の一部は、そのまま近赤外光パスフィルタ27dへと入射する。近赤外光パスフィルタ27dでは、図6に示されるように、おおよそ波長750nm以下の可視光が吸収(カット)され、波長750〜950nmの近赤外光がフォトダイオード29dに入射する。これにより、近赤外光検出用画素においては、可視光に起因するノイズ等の影響を受けずに、精度良く撮像対象物15までの距離を把握することが可能となっている。
【0135】
他方、フォトダイオード29a〜29cの上方(可視光パスフィルタ27a〜27cの上方)には、第2光学層25が設けられているため、第1光学層21を透過した可視光と近赤外光の一部は、第2光学層25へと入射する。第2光学層25では、図5に示されるように、おおよそ波長800〜900nmの近赤外光が吸収(カット)され、RGBの各成分光を含む可視光が可視光パスフィルタ27a〜27cを介してフォトダイオード29a〜29cに入射する。これにより、フォトダイオード29a〜29cに入射する近赤外光の光量を大幅に低減することができるため、可視光検出用画素においては、赤外光に起因するノイズ等の影響を抑制し、より精度良く撮像物15の色度や形状を把握することが可能となっている。
【0136】
このように、本実施形態における固体撮像装置12では、第1光学層21と第2光学層25の光学特性を適切に調整することにより、最終的に可視光検出用画素に入射する近赤外光を抑制することができる。さらに、第1光学層21と近赤外光パスフィルタ27dの光学特性を適切に調整することにより、最終的に近赤外光検出用画素に入射する可視光を抑制し、近赤外光の感度を上げることができる。
【0137】
なお、第1光学層21を設けず、第2光学層25のみを設けた場合は、可視光検出用画素において色再現性やセンシング性能が悪化するおそれがある。例えば、一般的に、赤色用のカラーレジストは波長600nm以上の光を透過する光学特性を有するため、第2光学層25によって近赤外光の一部をカットしても、波長950nm以上の近赤外光が赤色光検出用画素に入射するおそれがある。また、一般的に、緑色用のカラーレジストや青色用のカラーレジストは、波長750nm付近から徐々に透過率が増加する光学特性を有するため、やはり波長950nm以上の近赤外光が緑色光検出用画素や青色光検出用画素に入射するおそれがある。第1光学層21と第2光学層25とを併用するメリットは、これらの問題を回避できる点である。
【0138】
図7は、第1光学層21と近赤外光パスフィルタ27dとの間の光学特性の関係を説明するための図である。図7には、第1光学層21の光学特性(垂直方向の入射光における透過スペクトル)を示す曲線701と近赤外光パスフィルタ27dの光学特性(垂直方向の入射光における透過スペクトル)を示す曲線702が示されている。これら曲線701及び曲線702は、それぞれ図4及び図6に示した透過スペクトルに対応する。
【0139】
図7に示す曲線701において、波長750〜950nmの近赤外光の透過率が垂直方向から測定した場合に30%以上となる最も短い波長をX1とし、その透過率が30%以下となる最も長い波長をX2とする。そして、波長X1から波長X2までの波長帯域(波長範囲)をXとする。
【0140】
このとき、本実施形態における固体撮像装置12は、前述の波長帯域(X)における近赤外光の垂直方向から測定した場合における第1光学層21の平均透過率と同じ波長帯域(X)における近赤外光の垂直方向から測定した場合における近赤外光パスフィルタ27dの平均透過率との積が30%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上)となるように、第1光学層21と近赤外光パスフィルタ27dの光学特性が調整されている。
【0141】
例えば、波長帯域(X)における近赤外光の垂直方向から測定した場合における第1光学層21の平均透過率が80%であり、同じ波長帯域(X)における近赤外光の垂直方向から測定した場合における近赤外光パスフィルタ27dの平均透過率が85%である場合、両者の積は68%(すなわち、0.8×0.85=0.68)である。つまり、第1光学層21を透過する近赤外光の光量と近赤外光パスフィルタ27dを透過する近赤外光の光量の制御を適切に設計することにより、最終的にフォトダイオード29dに到達する近赤外光の光量を、入射する近赤外光の30%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上)とすることが可能である。これにより、フォトダイオード29dのセンシング感度を向上させることができる。
【0142】
さらに、本実施形態における固体撮像装置12は、可視光域(波長430nm〜620nm)において垂直方向から測定した場合における第1光学層21の平均透過率と同じ波長域において垂直方向から測定した場合における近赤外光パスフィルタ27dの平均透過率との積が30%以下(好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下)となるように、第1光学層21と近赤外光パスフィルタ27dの光学特性が調整されている。つまり、最終的にフォトダイオード29dに到達する波長430nm〜620nmの可視光の光量を、入射する可視光の30%以下(好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下)とすることが可能である。これにより、フォトダイオード29dへ入射する可視光を低減することができ、センシング機能の誤動作を防止することができる。
【0143】
このように、本実施形態によれば、第1光学層21及び近赤外光パスフィルタ27dの光学特性(近赤外光に対する透過率)のバランスを調整することにより、最終的に第2受光素子29dに到達する近赤外光の光量を制御することができる。例えば、近赤外光パスフィルタ27dの近赤外光に対する透過率が低かったとしても、それを補うように第1光学層21の近赤外光に対する透過率が高くすればよい。ただし、第1光学層21を設けない場合(理論上、第1光学層21の透過率が100%となる)は、前述のように、可視光検出用画素において色再現性やセンシング性能が悪化するおそれがある。したがって、第1光学層21及び近赤外光パスフィルタ27dの光学特性のバランスを調整する点に非常に意味があると言える。
【0144】
図8は、近赤外光を垂直方向から測定した場合における、第1光学層の平均透過率と近赤外光パスフィルタの平均透過率との積を計算した結果を示す図である。具体的には、図7において曲線701で示される透過スペクトルのうち波長帯域(X)における各透過率と、曲線702で示される透過スペクトルのうち波長帯域(X)における各透過率とを乗算した計算結果を示している。
【0145】
図8から明らかなように、波長800〜950nmの範囲で透過率が最大となり、約87%を示している。これは、第1光学層21及び近赤外光パスフィルタ27を1つの光学層としてみたとき、入射光に対して出射光が80%以上透過することを意味する。つまり、第1光学層21を透過した近赤外光が、近赤外光パスフィルタ27によってほとんど吸収されることなく近赤外光検出用画素へ入射することを示している。また、可視光域(波長430nm〜620nm)において、透過率がほぼ5%以下となっていることが分かる。つまり、第1光学層21を透過した波長430nm〜620nmの可視光が、近赤外光パスフィルタ27によってほとんど吸収され、近赤外光検出用画素へ殆ど入射しないことを示している。
【0146】
このように、第1光学層21と近赤外光27とを併用し、かつ、両者の光学特性を前述の条件を満たすように調整することにより、可視光検出用画素と近赤外光検出用画素に対して、それぞれ可視光と近赤外光とを選択的に入射させることが可能となる。そして、その結果として、検出精度の高い固体撮像装置を実現することができる。
【0147】
また、従来例のように、可視光検出用画素や赤外光検出用画素の上方に別途可視光パスフィルタと赤外線パスフィルタの両方を配置する必要がなく、製造コストを抑えつつ検出精度の高い固体撮像装置を実現することができる。
【0148】
なお、本実施形態では、波長750〜950nmの近赤外光の透過率が垂直方向から測定した場合に30%以上となる最も短い波長をX1とし、その透過率が30%以下となる最も長い波長をX2として基準となる波長帯域(X)を定めた。しかし、波長帯域(X)は任意に定めることが可能であり、例えば近赤外光の透過率が垂直方向から測定した場合に40%以上となる最も短い波長をX1とし、その透過率が40%以下となる最も長い波長をX2として基準となる波長帯域(X)を定めるなど、任意の透過率を用いて定めることも可能である。その場合、波長帯域(X)の中心波長は、780〜950nmの範囲内であることが好ましい。波長780〜950nmは、シリコン基板上に形成されたフォトダイオード29d(第2受光素子)が精度良く検出可能な波長域を含むからである。
【0149】
また、波長帯域(X)における近赤外光の垂直方向から測定した場合における第1光学層21の平均透過率は50%以上(好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上)であることが望ましい。第1光学層21を透過する近赤外光を出来るだけ多くすることが、近赤外光検出用画素における受光量の増加につながり、撮像対象物15までの距離の検出精度の向上に寄与するからである。
【0150】
また、波長430nm〜620nmにおける可視光の垂直方向から測定した場合における第1光学層21の平均透過率は60%以上(好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上)であることが望ましい。近赤外光だけでなく、第1光学層21を透過する可視光も出来るだけ多くすることが、可視光検出用画素における受光量の増加につながり、撮像対象物15の色再現性の向上に寄与するからである。
【0151】
さらに、波長430〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における第1光学層21の平均透過率と同じ波長域における透過光の垂直方向から測定した場合における第2光学層の平均透過率との積が、65%以上であることが望ましい。つまり、第1光学層21及び第2光学層25の両方において可視光の透過率を高く維持したまま、図7を用いて説明した光学特性の関係を維持することが望ましい。これにより、近赤外光検出用画素の検出精度を確保しつつ、可視光検出用画素の検出精度も高いレベルで確保することが可能となる。
【0152】
このような関係は、RGB各色に対応する波長の光について成立してもよい。すなわち、透過光の垂直方向から測定した場合という条件下において、第1光学層21の平均透過率と第2光学層の平均透過率との積が、波長430〜470nmにおいて60%以上(好ましくは70%以上)、波長520〜560nmにおいて75%以上(好ましくは80%以上)、波長580〜620nmにおいて70%以上(好ましくは75%以上)であることが望ましい。
【0153】
以上説明した固体撮像装置12においては、第1光学層21、第2光学層25及び近赤外光パスフィルタ27に対して垂直方向から入射した光に基づいて透過率を測定したが、斜め方向から入射した場合には透過スペクトルがシフトする傾向にある。しかし、本実施形態の固体撮像装置12は、そのように透過スペクトルがシフトした場合においても、図7を用いて説明した前述の光学特性の関係を維持している。
【0154】
図9は、本実施形態の固体撮像装置12に用いる第1光学層(デュアルバンドパスフィルタ)21の透過スペクトルを示す図である。ただし、図9においては、横軸は入射光の波長を示し、縦軸は第1光学層21に対して0度の方向(垂直方向)、斜め20度の方向及び斜め30度の方向から測定した場合における透過率を百分率で示している。図9に示されるように、第1光学層21の光学特性は、入射光の入射角度に依存して透過スペクトルがシフトする傾向にある。
【0155】
図10は、近赤外光を斜め30度の方向から測定した場合における、第1光学層の平均透過率と近赤外光パスフィルタの平均透過率との積を計算した結果を示す図である。図10に示されるように、この場合においても波長800〜950nmの範囲で透過率が最大となり、約80%を示している。すなわち、近赤外光が斜めから入射することによって第1光学層21の透過スペクトルが短波長側にシフトしても、本実施形態では、十分な光量の近赤外光を第2受光素子29dに到達させることができる。このように、本実施形態の固体撮像装置12によれば、入射角依存性を抑えた上で、検出精度の高い固体撮像装置を実現することができる。
【0156】
[実施形態2]
図11は、第2実施形態に係る固体撮像装置における画素40を切断した断面図である。図11に示す断面図と図3に示した画素20を切断した断面図との間の相違点は、本実施形態では、第2光学層25及び第3間隙26を省略している点である。その他の構成は、図3に示した断面図と同様であるため、符号については同じものを用いている。また、第1光学層21、可視光パスフィルタ27a〜27c及び近赤外光パスフィルタ27dについての各光学特性は、第1実施形態と同じものを用いている。
【0157】
本実施形態の場合、可視光検出用画素には、近赤外光の一部が入射する。しかしながら、各フォトダイオード29a〜29cの半導体層の材質や膜厚を制御することにより、近赤外光が吸収されにくい構造とすることが可能である。例えば、フォトダイオード29a〜29cを構成する半導体層がシリコンであれば、膜厚を十分に薄くすることにより、近赤外光の吸収を抑えることが可能である。ただし、膜厚を薄くすることにより可視光(特に、長波長側の赤色光)の検出感度も低下するおそれがあるため、その点に注意が必要である。
【0158】
また、第2光学層25を省略することにより、第2間隙24及び第3間隙26のうちいずれか一方を省略することもできる。図11では、第3間隙26を省略した例を示している。これにより、固体撮像装置全体の厚みを少なくすることが可能である。
【0159】
本実施形態によれば、第2光学層25を省略することができるため、第1実施形態の固体撮像装置が備える効果に加えて、固体撮像装置全体の厚みを抑えることができるとともに、製造プロセスの簡略化が可能になるという効果を奏する。
【0160】
[実施形態3]
本発明の光学フィルタは、可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する第1光学層と、可視光の少なくとも一部を吸収し、近赤外光の少なくとも一部を透過する近赤外光パスフィルタとを備えるものである。その実施形態として、例えば前述の第1光学層及び近赤外光パスフィルタを貼り合わせた光学フィルタや、第1光学層及び近赤外光パスフィルタが透明基材を介して貼り合わせられた光学フィルタを例示することができる。すなわち、本実施形態に係る光学フィルタとしては、可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する第1光学層と、可視光の少なくとも一部を吸収し近赤外光の少なくとも一部を透過する近赤外光パスフィルタとを備えるものであれば特に限定されるものではない。
【0161】
[実施例]
【0162】
以下、実施例に基づいて上記実施形態に示した第1光学層、第2光学層及び近赤外光パスフィルタについて、より具体的に説明するが、上記実施形態はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に断りのない限り「重量部」を意味する。また、各物性値の測定方法および物性の評価方法は以下のとおりである。
【0163】
<分子量>
樹脂の分子量は、各樹脂の溶剤への溶解性等を考慮し、下記の方法にて測定を行った。
【0164】
ウオターズ(WATERS)社製のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)装置(150C型、カラム:東ソー(株)製Hタイプカラム、展開溶剤:o−ジクロロベンゼン)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
【0165】
<ガラス転移温度(Tg)>
エスアイアイ・ナノテクノロジーズ(株)製の示差走査熱量計(DSC6200)を用いて、昇温速度:毎分20℃、窒素気流下で測定した。
【0166】
<分光透過率>
第1光学層の(X1)および(X2)、ならびに、第1光学層の各波長領域における透過率は、(株)日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U−4100)を用いて測定した。
【0167】
ここで、第1光学層および第2光学層の垂直方向から測定した場合の透過率は、図12(a)のようにフィルタに対して垂直に透過した光を測定した。また、光学フィルタの垂直方向に対して30°の角度から測定した場合の透過率では、図12(b)のようにフィルタの垂直方向に対して30°の角度で透過した光を測定した。
【0168】
[合成例]
上記実施形態で用いた化合物(A)は、一般的に知られている方法で合成することができ、例えば、特許第3366697号、特許第2846091号、特許第2864475号、特許第3094037号、特許第3703869号、特開昭60−228448号公報、特開平1−146846号公報、特開平1−228960号公報、特許第4081149号、特開昭63−124054号公報、「フタロシアニン −化学と機能―」(アイピーシー、1997年)、特開2007−169315号公報、特開2009−108267号公報、特開2010−241873号公報、特許第3699464号、特許第4740631号などに記載されている方法を参照して合成することができる。
【0169】
<化合物(A)に関連する樹脂合成例1>
下記式(a)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン100部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部およびトルエン(開環重合反応用溶媒)300部を、窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を80℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度0.6mol/リットル)0.2部と、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025mol/リットル)0.9部とを添加し、得られた溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
【0170】
【化4】
【0171】
このようにして得られた開環重合体溶液1,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533を0.12部添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱撹拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂A」ともいう。)を得た。得られた樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が32,000、重量平均分子量(Mw)が137,000であり、ガラス転移温度(Tg)が165℃であった。
【0172】
<第1光学層の作製>
本実施例では第1光学層として、両面に樹脂層を有する透明樹脂製基板からなる基材を有し、波長810〜900nm付近に近赤外線選択透過帯域を有する光学フィルタを作成した。容器に、樹脂合成例1で得られた樹脂A 100部、化合物(A)として下記構造の化合物(a−1:ジクロロメタン中での吸収極大波長698nm)0.03部、(a−2:ジクロロメタン中での吸収極大波長738nm)0.05部、(a−3:ジクロロメタン中での吸収極大波長770nm)0.03部、ならびに塩化メチレンを加えて樹脂濃度が20重量%の溶液を得た。次いで、得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの透明樹脂製基板からなる基材を得た。
【0173】
【化5】

(a−1)


(a−2)


(a−3)
【0174】
得られた透明樹脂製基板の片面に、下記組成の樹脂組成物(1)をバーコーターで塗布し、オーブン中70℃で2分間加熱し、溶剤を揮発除去した。この際、乾燥後の厚みが2μmとなるように、バーコーターの塗布条件を調整した。次に、コンベア式露光機を用いて露光(露光量500mJ/cm2,200mW)を行い、樹脂組成物(1)を硬化させ、透明樹脂製基板上に樹脂層を形成した。同様に、透明樹脂製基板のもう一方の面にも樹脂組成物(1)からなる樹脂層を形成し、化合物(A)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材を得た。
【0175】
樹脂組成物(1):トリシクロデカンジメタノールアクリレート 60重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 40重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5重量部、メチルエチルケトン(溶剤、固形分濃度(TSC):30%)
【0176】
続いて、得られた基材の片面に誘電体多層膜(I)を形成し、さらに基材のもう一方の面に誘電体多層膜(II)を形成し、厚さ約0.109mmの光学フィルタを得た。
誘電体多層膜(I)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計26層)。誘電体多層膜(II)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計20層)。誘電体多層膜(I)および(II)のいずれにおいても、シリカ層およびチタニア層は、基材側からチタニア層、シリカ層、チタニア層、・・・シリカ層、チタニア層、シリカ層の順で交互に積層されており、光学フィルタの最外層をシリカ層とした。
【0177】
誘電体多層膜(I)および(II)の設計は、以下のようにして行った。各層の厚さと層数については、可視域の反射防止効果と近赤外域の選択的な透過・反射性能を達成できるよう基材屈折率の波長依存特性や、使用した化合物(A)の吸収特性に合わせて光学薄膜設計ソフト(Essential Macleod、Thin Film Center社製)を用いて最適化を行った。最適化を行う際、本実施例においてはソフトへの入力パラメーター(Target値)を下記表1の通りとした。
【表1】
【0178】
膜構成最適化の結果、本実施例では、誘電体多層膜(I)は、膜厚19〜387nmのシリカ層と膜厚8〜99nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数26の多層蒸着膜となり、誘電体多層膜(II)は、膜厚31〜191nmのシリカ層と膜厚19〜126nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数20の多層蒸着膜となった。最適化を行った膜構成の一例を表2に示す。
【0179】
【表2】
【0180】
この光学フィルタの分光透過率および反射率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。評価の結果、本実施例においては(X1)が812nm、(X2)が904nm、波長帯域(X)の中心波長が858nm、波長帯域(X)における垂直方向から測定した場合の平均透過率が73%、波長帯域(X)における斜め30度の方向から測定した場合の平均透過率が45%、波長430〜620nmにおける垂直方向から測定した場合の平均透過率が85%、波長430〜470nmにおける垂直方向から測定した場合の平均透過率が82%、波長520〜560nmにおける垂直方向から測定した場合の平均透過率が88%、波長580〜620nmにおける垂直方向から測定した場合の平均透過率が79%となり、可視域と一部の近赤外波長帯域において優れた透過特性を有することが確認された。測定により得られたスペクトルを図13に示す。
【0181】
<化合物(B)に関連する樹脂合成例2>
反応容器に、ベンジルメタクリレート14g、N−フェニルマレイミド12g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15g、スチレン10g 及びメタクリル酸20g をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gに溶解し、更に2,2’−アゾイソブチロニトリル3g及びα−メチルスチレンダイマー5g を投入した。反応容器内を窒素パージ後、攪拌及び窒素バブリングしながら80℃で5時間加熱し、バインダー樹脂含む溶液(以下バインダー樹脂溶液(P)固形分濃度35質量%)を得た。得られたバインダー樹脂について、昭和電工社ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)装置(GPC‐104型、カラム:昭和電工社製LF‐604を3本とKF‐602を結合したもの、展開溶剤:テトラヒドロフラン)を用いて、ポリスチレン換算の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)が9700、数平均分子量(Mn)が5700であり、Mw/Mnが1.70であった。
【0182】
<硬化性樹脂組成物Aの調製>
林原製のシアニン染料であるNK‐5060(メチルエチルケトン中の極大吸収波長864nm)を6.6部、シクロヘキサノンを507部、前記バインダー樹脂溶液(P)を100部、群栄化学工業社製レヂトップC‐357PGMEA(下記構造の化合物を主成分とする、固形分濃度20質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)を175部、ADEKA製ビス‐(4‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホナートを2.23部、株式会社ネオス製FTX‐218Dを0.14部混合して、硬化性組成物Aを調製した。
【0183】
【化6】
【0184】
<第2光学層の作製>
前記硬化性樹脂組成物Aをガラス基板上にスピンコート法にて塗布した後、100℃で120秒間加熱し、次いで140℃で300秒間加熱することで、ガラス基板上に厚さ0.50μmの第2光学層を作製した。なお、膜厚は触針式段差計(ヤマト科学(株)製、アルファステップIQ)にて測定した。
【0185】
<分光透過率>
前記ガラス基板上に作製した第2光学層の各波長領域における透過率は、分光光度計(日本分光(株)製、V−7300)を用いて、ガラス基板対比で測定した。測定により得られたスペクトルを図14に示す。
【0186】
本実施例において、波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記第2光学層の平均透過率との積が20%、波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記第2光学層の平均透過率との積は14%、波長430〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長430〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第2光学層の平均透過率との積が79%、波長430〜470nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長430〜470nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第2光学層の平均透過率との積が73%、波長520〜560nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長520〜560nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第2光学層の平均透過率との積が83%、波長580〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長580〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第2光学層の平均透過率との積が76%となった。
【0187】
<近赤外光パスフィルタの作製>
<アルカリ可溶性重合体の合成例>
反応容器に、ベンジルメタクリレート14g、N−フェニルマレイミド12g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15g、スチレン10g 及びメタクリル酸20g をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gに溶解し、更に2,2’−アゾイソブチロニトリル3g及びα−メチルスチレンダイマー5g を投入した。反応容器内を窒素パージ後、攪拌及び窒素バブリングしながら80℃で5時間加熱し、アルカリ可溶性重合体(E−1)を含む溶液(固形分濃度35質量%)を得た。この重合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が9700、数平均分子量が5700であり、Mw/Mnが1.70であった。
【0188】
<着色剤分散液1の調製>
C.I.ピグメントブラック32(以下、「成分(C1−1)」と称する。前記式(1)において、R1及びR2がメトキシ基、R3及びR4がフェニレン基、R5及びR6がメチレン基である。)を60部、C.I.ピグメントブルー15:6(以下、「成分(C2−1)」と称する)を20部、C.I.ピグメントイエロー139(以下、「成分(C3−1)」と称する)を20部、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース76500を80部(固形分濃度50質量%)、前記成分(E−1)を含む溶液を120部(固形分濃度35質量%)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを700部混合し、ペイントシェーカーを用いて8時間分散し、着色剤分散液1を得た。
【0189】
<感光性組成物1の製造>
前記着色剤分散液1を1000部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを50部、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]を10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを179部、及び前記成分(E−1)を含む溶液を17部(固形分濃度35質量%)、混合して、感光性組成物1を製造した。
【0190】
<近赤外光パスフィルタの評価>
ガラス基板上に、感光性組成物1をスピンコート法にて塗布した後、100℃で180秒間加熱し、塗膜を形成した。その後、基板上の塗膜を全面露光(波長365nmにて1000mJ/cm2の露光量)した。次いで、塗膜を、0.05質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含有する水溶液15秒間接触させた後、塗膜を水洗した。次いで、塗膜を有するガラス基板を200℃のホットプレートにて300秒間加熱し、1.23μmの厚さの近赤外光パスフィルタを有するガラスウェハーを得た。
【0191】
近赤外光パスフィルタを有するガラスウェハーと、分光光度計(日本分光(株)製、V−7300)を用いて、前記近赤外光パスフィルタの波長300〜1200nmの透過率(%T)を測定し、感光性組成物1から得られた近赤外光パスフィルタの透過性及び遮光性を評価した結果を図15に示す。ただし図15に示す透過性は、ガラス基板対比での値である。なお、膜厚は触針式段差計(ヤマト科学(株)製、アルファステップIQ)にて測定した。
【0192】
図15に示されるように、上記手順に従って作製した近赤外光パスフィルタは、波長800nm以下の波長を効果的に遮光し、近赤外光を効率良く透過することが分かった。
【0193】
本実施例において、波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と波長帯域(X)における前記近赤外光の垂直方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が65%、波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と波長帯域(X)における前記近赤外光の斜め30度の方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積は40%、波長430〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記第1光学層の平均透過率と前記波長430〜620nmにおける透過光の垂直方向から測定した場合における前記近赤外光パスフィルタの平均透過率との積が2%となった。
【符号の説明】
【0194】
1:光
2:分光光度計
3:光学フィルタ
10:撮像機器(カメラ)
11:光源
12:固体撮像装置(イメージセンサ)
13:信号処理部
14:主制御部
15:撮像対象物
16:パッケージ
17:画素部
18:端子部
19:拡大部
20:画素
21:第1光学層(デュアルバンドパスフィルタ)
22:第1間隙
23:マイクロレンズアレイ
24:第2間隙
25:第2光学層(近赤外光カットフィルタ)
26:第3間隙
27a〜27c:可視光パスフィルタ
27d:近赤外光パスフィルタ
28:絶縁体
29a〜29d:フォトダイオード
30:支持基板
図1
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