特許第6633989号(P6633989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633989
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20200109BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20200109BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20200109BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 A
   H01M2/12 Z
   H01M2/10 M
   H01M2/10 S
   H01M2/20 A
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-150736(P2016-150736)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-18795(P2018-18795A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2018年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 喜章
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝則
(72)【発明者】
【氏名】高杉 英裕
(72)【発明者】
【氏名】小池 弘訓
(72)【発明者】
【氏名】井上 久人
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓善
【審査官】 松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/187277(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/147150(WO,A1)
【文献】 特開2004−362821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/12
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全弁を有する複数の電池セルが積層された複数の電池モジュールを組み合わせた電池パックであって、
前記安全弁から排出されるガスを前記電池モジュールの外部に導くために前記電池モジュールのセル配列方向に延び、接続開口部が前記電池モジュールのセル配列方向両端部に配置された排煙ダクトと、
直列に接続された前記複数の電池セルの一端に位置する前記電池セルの総電極に一方の電気接続端部が接続された第1接続端子と、
直列に接続された前記複数の電池セルの他端に位置する前記電池セルの総電極に一方の電気接続端部が接続された第2接続端子と、を備え、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子における他方の電気接続端部が、それぞれ対応する前記接続開口部内に配置され
前記電池モジュールにおける一方の前記接続開口部が環状の開口縁を有すると共に、他方の前記接続開口部が前記開口縁に嵌合する環状の嵌合溝を有し、
前記第1接続端子における前記他方の電気接続端部がオス端子を有すると共に、前記第2接続端子における前記他方の電気接続端部が前記オス端子に嵌合するメス端子を有することを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記電池モジュールが、前記複数の電池セルを隣接して収容するための上部開口を有するケースと、隣り合う前記電池セルの電極間を電気的に接続するバスバーと、前記上部開口に取り付けられ、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と複数の前記バスバーとを保持するバスバーケースと、前記バスバーケースの上面を覆う絶縁カバーと、を有し、
前記排煙ダクトの排気流路が、前記バスバーケースと前記絶縁カバーの間で画成されることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池モジュールを組み合わせてなる電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータの電源として使用されるニッケル・水素電池、リチウムイオン電池などは、電池セル同士をバスバー等の連結部材で直列又は並列に電気接続した電池モジュール(組電池)を使用することによって大きな電力が得られるようになっている。
そして、より大きな電力を得るために、複数の電池モジュールをさらに直列に接続することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図8は、2つの電池モジュール501が接続された状態を示す図であり、並設された電池モジュール501のモジュール間接続部510を含む平面での断面図である。
電池モジュール501は、電池モジュール501全体を下部で支えるロアブラケット502の上部に備えられるセルホルダ504には、複数の単電池(電池セル)506が接触しないように隔離されて格納されており、これら単電池506は、図示しないセルバスバ(連結部材)によって直列に接続されている。
【0004】
単電池506の上部には、セルバスバが単電池506と接触しないようにするためのバスバプレート507が設けられている。バスバプレート507の上部には電池モジュール501の上部を保護するためのバスバカバー508が設けられ、バスバカバー508の上部には、単電池506の前面および後面をカバーするとともに、ロアブラケット502にネジ止めされるなどして電池モジュール501全体を固定するためのアッパーブラケット509を備える。
【0005】
電池モジュール501の上面におけるバスバカバー508の両端には、モジュール間接続部510が一対設けられている。モジュール間接続部510は、電池モジュール501における端子であり、単電池506の正極端子とセル−モジュール間バスバ514及びカラー516を介して接続された+端のモジュール間接続部510と、単電池506の負極端子とセル−モジュール間バスバ514及びカラー516を介して接続された−端のモジュール間接続部510とを有する。
そこで、一方の電池モジュール501における+端のモジュール間接続部510と、他方の電池モジュール501における−端のモジュール間接続部510とを接続することで、複数の電池モジュール501を直列に接続することができ、大きな電力を得ることができる。
並設された電池モジュール501同士の接続は、モジュール間バスバ520の両端を隣接するモジュール間接続部510に接続することで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−109152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この種の電池モジュールにおける単電池の上面には、安全弁が設けられたものがある。安全弁は、単電池の左右方向において正極端子及び負極端子の間に設けられ、単電池の内部で発生したガスを単電池の外部に排出するために用いられる。
そこで、複数の単電池が一列に配列された電池モジュールの上面には、配列方向に延びる排煙ダクトが配置される。排煙ダクトは、単電池の安全弁から排出されたガスを流入させ、電池モジュールから遠ざける方向に移動させるため、通常は電池モジュール上面の中央部に配置される。
【0008】
しかしながら、上記した従来の電池モジュール501の場合、上面の中央部にはモジュール間接続部510が設けられており、モジュール間接続部510を迂回して排煙ダクトを配置しなければならず、部品が大型化するという問題がある。
また、複数の電池モジュール501を直列に接続する電池パックの場合には、モジュール間バスバ520により電池モジュール501同士を電気的に接続すると共に、排煙ダクト同士を気密に連結しなければならず、電池モジュール501の接続作業が煩雑となって製造コストが上昇するという問題がある。
【0009】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の電池モジュールを容易に接続でき、製造コストが安価な電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 安全弁を有する複数の電池セルが積層された複数の電池モジュールを組み合わせた電池パックであって、
前記安全弁から排出されるガスを前記電池モジュールの外部に導くために前記電池モジュールのセル配列方向に延び、接続開口部が前記電池モジュールのセル配列方向両端部に配置された排煙ダクトと、
直列に接続された前記複数の電池セルの一端に位置する前記電池セルの総電極に一方の電気接続端部が接続された第1接続端子と、
直列に接続された前記複数の電池セルの他端に位置する前記電池セルの総電極に一方の電気接続端部が接続された第2接続端子と、を備え、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子における他方の電気接続端部が、それぞれ対応する前記接続開口部内に配置され
前記電池モジュールにおける一方の前記接続開口部が環状の開口縁を有すると共に、他方の前記接続開口部が前記開口縁に嵌合する環状の嵌合溝を有し、
前記第1接続端子における前記他方の電気接続端部がオス端子を有すると共に、前記第2接続端子における前記他方の電気接続端部が前記オス端子に嵌合するメス端子を有することを特徴とする電池パック。
【0011】
上記(1)の構成の電池パックによれば、複数の電池モジュールを組み合わせる際、対向する排煙ダクトの接続開口部同士を連結すると同時に、対向する第1接続端子及び第2接続端子における他方の電気接続端部同士を電気的に接続することができる。そこで、電池モジュールの組み合わせ作業が容易となる。
更に、第1接続端子及び第2接続端子における他方の電気接続端部が、排煙ダクトの接続開口部内に配置されている。そこで、排煙ダクトは、第1接続端子と第2接続端子の電気接続部を迂回する必要がなく、最短経路で連結可能となるので、部品の大型化を抑制することができる。また、第1接続端子及び第2接続端子における他方の電気接続端部は、排煙ダクトに覆われるので、コネクタハウジング等の絶縁・触指防止部材が不要となる。
そして、複数の電池モジュールを組み合わせる際、対向する排煙ダクトの接続開口部同士と、対向する第1接続端子及び第2接続端子における他方の電気接続端部同士とをそれぞれ突き合せ、電池モジュール同士を寄せる方向に移動するだけで、排煙ダクトの連結と第1接続端子及び第2接続端子の接続を容易に行うことができる。
【0012】
(2) 前記電池モジュールが、前記複数の電池セルを隣接して収容するための上部開口を有するケースと、隣り合う前記電池セルの電極間を電気的に接続するバスバーと、前記上部開口に取り付けられ、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と複数の前記バスバーとを保持するバスバーケースと、前記バスバーケースの上面を覆う絶縁カバーと、を有し、
前記排煙ダクトの排気流路が、前記バスバーケースと前記絶縁カバーの間で画成されることを特徴とする上記(1)に記載の電池パック。
【0013】
上記(2)の構成の電池パックによれば、排煙ダクトが、第1接続端子及び第2接続端子を保持するバスバーケースと絶縁カバーとで構成される。そこで、これらを組み付けるだけで、第1接続端子及び第2接続端子における他方の電気接続端部を排煙ダクトの接続開口部内に容易に配置することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る電池パックによれば、複数の電池モジュールを容易に接続でき、製造コストが安価な電池パックを提供できる。
【0017】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る電池パックの全体斜視図である。
図2図1に示した電池パックにおける電池モジュールを分離した斜視図である。
図3図1に示した電池モジュールの絶縁カバーを取り外した斜視図である。
図4図2に示した電池モジュールの分解斜視図である。
図5図1に示した電池パックの縦断面図である。
図6図5におけるA部の拡大図である。
図7】参考例に係る電池パックの全体斜視図である。
図8】従来の2つの電池モジュール501が接続された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜3に示すように、本発明の一実施形態に係る電池パック10は、複数(本実施形態では2つ)の電池モジュール1を組み合わせた電池パックである。なお、本発明の電池パックは、2つの電池モジュールを組み合わせた構成に限るものではなく、1つの電池モジュールを最少単位のモジュールとすることで、新規部品を追加することなく複数の製品バリエーション(要求電力)に対応して組み合わせる電池モジュールを増減できる電池パックを提供するものである。
【0020】
電池モジュール1は、図4に示すように、複数の電池セル4を隣接して収容するための上部開口3aを有するケース3と、隣り合う電池セル4の電極間を電気的に接続するバスバー21と、上部開口3aに取り付けられ、第1接続端子11及び第2接続端子13と複数のバスバー21とを保持するバスバーケース5と、バスバーケース5の上面を覆う絶縁カバー7と、を備える。
【0021】
ケース3は、例えば合成樹脂材からなり、直方体の箱状に形成される。ケース3は、少なくとも上方が開放される上部開口3aを有する。ケース3は、上部開口3aに通じる内方が電池セル収容空間となる。ケース3の電池セル収容空間には、複数の電池セル4が隣接して収容され、上部開口3aに取付けられるバスバーケース5によって固定される。ケース3の長手方向(図4の左右方向)両端壁の外面には、ケース3同士を組み合わせた際に嵌合する嵌合突起31と、嵌合凹部33とがそれぞれ突設されており、ケース3同士の位置決め固定がなされる。
【0022】
電池セル4は、図4に示すように、水平方向に複数(図示例では5つ)が並べられて配列される。本実施形態において、各電池セル4は、横幅の小さい略直方体状に形成される。電池セル4には、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池等が利用できる。複数の電池セル4は、ケース3の長手方向(図4の左右方向)が横幅の方向となるように、所定の間隙をもって離間してケース3に収容される。
【0023】
ここで、複数の電池セル4は、電気的に直列に接続されている。すなわち、電池セル4の上面には、バスバー21が配置される。バスバー21は、セル配列方向(図4の左右方向)で隣り合う2つの電池セル4を電気的に直列に接続する。電池セル4は、電池パック10の端部で制御回路(図示略)に接続される。制御回路は、それぞれの電池セル4の電圧、電流、温度等を測定し、電池容量及び必要充放電量等を決定して、充放電等の制御を行う。
【0024】
電池セル4の上面の一端及び他端には、平板電極である一対の正極端子41及び負極端子43が設けられる。正極端子41は、電池本体内の発電要素の正極板(集電板)と電気的に接続される。負極端子43は、電池本体内の発電要素の負極板(集電板)と電気的に接続される。また、電池セル4の上面には、安全弁45が設けられている。安全弁45は、左右方向において、正極端子41及び負極端子43の間に設けられる。安全弁45は、電池セル4の内部で発生したガスを電池セル4の外部に排出するために用いられる。
【0025】
例えば、電池セル4の過充電などが行われると、主に電解液からガスが発生するおそれがある。電池セル4は、密閉状態となっているため、ガスの発生に伴って、電池セル4の内圧が上昇する。電池セル4の内圧が安全弁45の作動圧に到達すると、安全弁45は、閉じ状態から開き状態に変化することにより、電池セル4の外部にガスを排出させることができる。
【0026】
安全弁45としては、いわゆる破壊型の弁や、いわゆる復帰型の弁を用いることができる。破壊型の弁では、安全弁45が閉じ状態から開き状態に不可逆的に変化する。例えば、電池セル4の上面に彫刻を施すことにより、破壊型の弁を形成することができる。一方、復帰型の弁では、電池セル4の内圧に応じて、安全弁45が閉じ状態及び開き状態の間で可逆的に変化する。例えば、ばねを用いることにより、復帰型の弁を構成することができる。
【0027】
バスバーケース5は、絶縁性の合成樹脂材からなり、長方形の平板状に形成される。バスバーケース5は、ケース3に収容された各電池セル4の正極端子41及び負極端子43に対応する複数の端子用開口51と、安全弁45に対応する複数の排煙口53とを有する。バスバーケース5の長手方向(図4の左右方向)両端部における各排煙口53に隣接する部分には、後述する排煙ダクト72の接続開口部81,83をそれぞれ構成するケース側半割部55,57が設けられている。
そして、バスバーケース5は、電池セル4を収容したケース3の上部開口3aを覆うようにしてボルト固定される。
【0028】
バスバー21は、矩形状の導電金属板の中央部にリブ嵌合部が折り曲げ形成されている。バスバー21は、セル配列方向で隣り合う2つの端子用開口51を覆うようにバスバーケース5に載置され、各電池セル4の正極端子41及び負極端子43に溶接等により電気的に接続される。
【0029】
第1接続端子11は、導電金属板により形成された略L字状のバスバーであり、一方の電気接続端部11aが例えば直列に接続された複数の電池セル4の一端(図4中左端)に位置する電池セル4の総電極である総正極41Aに接続され、他方の電気接続端部11bが第2接続端子13の一方の電気接続端部13bに接続される。
一方の電気接続端部11aは、バスバー22を介して総正極41Aに溶接等により電気的に接続される。他方の電気接続端部11bには、オス端子が形成されている。
バスバーケース5に載置された第1接続端子11は、他方の電気接続端部11bがバスバーケース5のケース側半割部55の上方に配置される。
【0030】
第2接続端子13は、導電金属板により形成された略L字状のバスバーであり、一方の電気接続端部13aが例えば直列に接続された複数の電池セル4の他端(図4中右端)に位置する電池セル4の総電極である総負極43Aに接続され、他方の電気接続端部13bが第1接続端子11の一方の電気接続端部11aに接続される。
一方の電気接続端部13aは、バスバー22を介して総負極43Aに溶接等により電気的に接続される。他方の電気接続端部13bには、メス端子が折り曲げ形成されている。
バスバーケース5に載置された第2接続端子13は、他方の電気接続端部13bがバスバーケース5のケース側半割部57の上方に配置される。
【0031】
絶縁カバー7は、絶縁性の合成樹脂材からなり、長方形の平板状に形成される。絶縁カバー7の中央部には、セル配列方向に延びる排気流路を画成する排煙ダクト部71が形成されている。
そこで、図5,6に示すように、バスバーケース5の上面を覆うように絶縁カバー7が取付けられると、バスバーケース5の排煙口53が形成された上面部分と絶縁カバー7の排煙ダクト部71とによって、排気流路85を画成する排煙ダクト72が構成される。この排煙ダクト72は、安全弁45から排出されるガスを電池モジュール1の外部に導くために電池モジュール1のセル配列方向に延び、接続開口部81,83が電池モジュール1のセル配列方向両端部に配置されている。
【0032】
排煙ダクト部71の長手方向(図4の左右方向)両端部には、上述したバスバーケース5のケース側半割部55,57と伴に排煙ダクト72の接続開口部81,83をそれぞれ構成するカバー側半割部73,75が設けられている。
そこで、図2及び図6に示すように、バスバーケース5の上面を覆うように絶縁カバー7が取付けられると、ケース側半割部55とカバー側半割部73とが組み合わされて一方の接続開口部81が形成され、ケース側半割部57とカバー側半割部75とが組み合わされて他方の接続開口部83が形成される。
【0033】
その結果、図6に示すように、第1接続端子11の他方の電気接続端部11bが、対応する一方の接続開口部81の中空に位置され、第2接続端子13の他方の電気接続端部13bが、対応する他方の接続開口部83の中空に位置される。
更に、一方の接続開口部81は環状の開口縁81aを有し、他方の接続開口部83は接続開口部81の開口縁に嵌合する環状の嵌合溝83aを有する。
【0034】
次に、上記構成を有する電池パック10の作用を説明する。
本実施形態に係る電池パック10では、2つの電池モジュール1を組み合わせる際、対向する排煙ダクト72の接続開口部81,83同士を連結すると同時に、対向する第1接続端子11及び第2接続端子13における他方の電気接続端部11b,13b同士を電気的に接続することができる。そこで、電池モジュール1の組み合わせ作業が容易となる。従って、ケース3同士を固定するだけで、電池パック10を得ることができる。
【0035】
更に、第1接続端子11における他方の電気接続端部11bが、排煙ダクト72の一方の接続開口部81内に配置され、第2接続端子13における他方の電気接続端部13bが、排煙ダクト72の他方の接続開口部83内に配置されている。そこで、排煙ダクト72は、第1接続端子11と第2接続端子13の電気接続部を迂回する必要がなく、最短経路で連結可能となるので、部品の大型化を抑制することができる。また、第1接続端子11及び第2接続端子13における他方の電気接続端部11b,13bは、排煙ダクト72に覆われるので、コネクタハウジング等の絶縁・触指防止部材が不要となる。
【0036】
また、本実施形態に係る電池パック10によれば、排煙ダクト72が、第1接続端子11及び第2接続端子13を保持するバスバーケース5と絶縁カバー7とで構成される。そこで、これらを組み付けるだけで、第1接続端子11及び第2接続端子13における他方の電気接続端部11b,13bを排煙ダクト72の接続開口部81,83内にそれぞれ容易に配置することができる。
【0037】
更に、本実施形態に係る電池パック10によれば、一方の接続開口部81が環状の開口縁81aを有すると共に、他方の接続開口部83が開口縁81aに嵌合する環状の嵌合溝83aを有する。また、第1接続端子11における他方の電気接続端部11bがオス端子を有すると共に、第2接続端子13における他方の電気接続端部13bがオス端子に嵌合するメス端子を有する。
【0038】
そこで、複数の電池モジュール1を組み合わせる際、対向する排煙ダクト72の接続開口部81,83同士と、対向する第1接続端子11及び第2接続端子13における他方の電気接続端部11b,13b同士とをそれぞれ突き合せ、電池モジュール1同士を寄せる方向に移動するだけで、排煙ダクト72の連結と第1接続端子11及び第2接続端子13の接続を容易に行うことができる。
【0039】
次に、図7に示した参考例に係る電池パック100を参照しながら本実施形態に係る電池パック10の作用を明確にする。なお、上記実施形態の電池パック10と同様の構成部材については、同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
図7に示す電池パック100は、2つの電池モジュール101を組み合わせた電池パックである。
電池モジュール101は、複数の電池セル4を隣接して収容するためのケース103と、隣り合う電池セル4の電極間を電気的に接続するバスバー21と、ケース103の上部開口に取り付けられ、複数のバスバー21を保持するバスバーケース105と、バスバーケース105の上面を覆う絶縁カバー107と、を備える。
【0041】
ケース103に収容された複数の電池セル4の総電極である総正極41Aには、一端部にオスコネクタ110が接続された電線111の他端部が接続され、複数の電池セル4の総電極である総負極43Aには、バスバーケース105に設けられたメスコネクタ部120に収容されたメス端子(図示せず)が接続されている。
【0042】
絶縁カバー107の中央部には、セル配列方向に延びる排気流路を画成する排煙ダクト171が形成されている。排煙ダクト171の両端部には、互いに嵌合接続可能な接続開口部181,183が形成されている。
【0043】
そこで、電池パック100では、2つの電池モジュール101を組み合わせる際、対向する排煙ダクト171の接続開口部181,183同士を連結してケース103同士を固定した後、一方の電池モジュール101のオスコネクタ110を他方の電池モジュール101のメスコネクタ部120に嵌合することで、2つの電池モジュール101を電気的に接続することができる。
【0044】
しかしながら、排気流路が最短となるように排煙ダクト171が絶縁カバー107の中央部に配設されたため、一方の電池モジュール101の総正極41Aと他方の電池モジュール101の総負極43Aとを接続するための電線111が排煙ダクト171を迂回しなければならず、オスコネクタ110及びメスコネクタ部120も必要となるので、電池パック100が大型化してしまう。
【0045】
これに対し、本実施形態の電池パック10における電池モジュール1は、上述したように第1接続端子11の電気接続端部11bが、排煙ダクト72の接続開口部81内に配置され、第2接続端子13の電気接続端部13bが、排煙ダクト72の接続開口部83内に配置されているので、排煙ダクト72は、第1接続端子11と第2接続端子13の電気接続部を迂回する必要がなく、最短経路で連結可能となる。そこで、部品の大型化を抑制することができる。
また、本実施形態の電池パック10は、第1接続端子11及び第2接続端子13における電気接続端部11b,13bは、排煙ダクト72に覆われるので、コネクタハウジング等の絶縁・触指防止部材が不要となる。
【0046】
以上、図面を参照しながら上記実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0047】
例えば上記の構成例では、電極が平板電極である場合を例に説明したが、電極は、極柱であってもよい。従って、バスバー21,22と、電極との接続は、溶接等に限らず、ネジ締結等であってもよい。
【0048】
従って、本実施形態に係る電池パック10によれば、複数の電池モジュール1を容易に接続でき、製造コストが安価な電池パックを提供できる。
【0049】
ここで、上述した本発明に係る電池パックの実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 安全弁(45)を有する複数の電池セル(4)が積層された複数の電池モジュール(1)を組み合わせた電池パックであって、
前記安全弁から排出されるガスを前記電池モジュールの外部に導くために前記電池モジュールのセル配列方向に延び、接続開口部(81、83)が前記電池モジュールのセル配列方向両端部に配置された排煙ダクト(72)と、
直列に接続された前記複数の電池セルの一端に位置する前記電池セル(4)の総電極(総正極41A)に一方の電気接続端部(11a)が接続された第1接続端子(11)と、
直列に接続された前記複数の電池セルの他端に位置する前記電池セル(4)の総電極(総負極43A)に一方の電気接続端部(13a)が接続された第2接続端子(13)と、を備え、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子における他方の電気接続端部(11b,13b)が、それぞれ対応する前記接続開口部(81,83)内に配置されていることを特徴とする電池パック(10)。
[2] 前記電池モジュールが、前記複数の電池セルを隣接して収容するための上部開口(3a)を有するケース(3)と、隣り合う前記電池セルの電極間を電気的に接続するバスバー(21)と、前記上部開口に取り付けられ、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と複数の前記バスバーとを保持するバスバーケース(5)と、前記バスバーケースの上面を覆う絶縁カバー(7)と、を有し、
前記排煙ダクトの排気流路(85)が、前記バスバーケースと前記絶縁カバーの間で画成されることを特徴とする上記[1]に記載の電池パック(10)。
[3] 前記電池モジュールにおける一方の前記接続開口部(81)が環状の開口縁(81a)を有すると共に、他方の前記接続開口部(83)が前記開口縁に嵌合する環状の嵌合溝(83a)を有し、
前記第1接続端子における前記他方の電気接続端部(11b)がオス端子を有すると共に、前記第2接続端子における前記他方の電気接続端部(13b)が前記オス端子に嵌合するメス端子を有することを特徴とする上記[1]及び[2]に記載の電池パック(10)。
【符号の説明】
【0050】
1…電池モジュール
3…ケース
3a…上部開口
5…バスバーケース
7…絶縁カバー
10…電池パック
11…第1接続端子
11a…一方の電気接続端部
11b…他方の電気接続端部
13…第2接続端子
13a…一方の電気接続端部
13b…他方の電気接続端部
21…バスバー
41A…総正極(総電極)
43A…総負極(総電極)
45…安全弁
72…排煙ダクト
81…一方の接続開口部
81a…開口縁
83…他方の接続開口部
83a…嵌合溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8