特許第6635983号(P6635983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6635983-掃除具 図000003
  • 特許6635983-掃除具 図000004
  • 特許6635983-掃除具 図000005
  • 特許6635983-掃除具 図000006
  • 特許6635983-掃除具 図000007
  • 特許6635983-掃除具 図000008
  • 特許6635983-掃除具 図000009
  • 特許6635983-掃除具 図000010
  • 特許6635983-掃除具 図000011
  • 特許6635983-掃除具 図000012
  • 特許6635983-掃除具 図000013
  • 特許6635983-掃除具 図000014
  • 特許6635983-掃除具 図000015
  • 特許6635983-掃除具 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6635983
(24)【登録日】2019年12月27日
(45)【発行日】2020年1月29日
(54)【発明の名称】掃除具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/24 20060101AFI20200120BHJP
【FI】
   A47L13/24 A
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-119946(P2017-119946)
(22)【出願日】2017年6月19日
(65)【公開番号】特開2019-536(P2019-536A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2018年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】新谷 尚己
(72)【発明者】
【氏名】和泉 慎也
(72)【発明者】
【氏名】伏見 朝子
【審査官】 村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−183153(JP,A)
【文献】 特開2001−238840(JP,A)
【文献】 特開2006−314363(JP,A)
【文献】 特開2005−245646(JP,A)
【文献】 特開2015−181901(JP,A)
【文献】 実開昭61−030461(JP,U)
【文献】 特開平09−140651(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202446017(CN,U)
【文献】 特開2001−238839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用部材が取り付けられるヘッド部と、前記ヘッド部に接続され、使用者が把持するための柄部と、を有し、
前記ヘッド部は、上面側を形成し柄部が接続される天面部と、下面側を形成する底面部と、を備え、
前記底面部は、
平面視において前記天面部よりも大きい略矩形状に形成され、
上面側の平面視における縁部付近を周回するように形成された縁部凸部と、前記縁部凸部の内周側に形成されたリブと、が備えられ、
前記縁部凸部と前記リブとの間に、前記天面部の縁を嵌めることができる溝が形成され、
下面側の平面視において対向する二辺の近傍に、当該二辺の中央部において最も上方へと凹み、当該二辺の端部に近づくにつれて徐々に凹みが小さくなるように形成された凹状部が備えられ、
前記天面部に対し着脱自在に形成され
前記底面部の下面側の長手方向の端部付近には、上方に凹状となる穴部が、当該端部に沿って複数形成され、
複数の前記穴部は、前記底面部の下面側の長手方向の長さが、前記底面部の下面側の短手方向の中央部から端部に近づくにつれて徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする掃除具。
【請求項2】
前記穴部は、前記底面部の、上面側に前記縁部凸部が形成された箇所の下面側に形成されていることを特徴とする請求項に記載の掃除具。
【請求項3】
前記ヘッド部は平面視矩形状に形成され、
前記柄部は、前記ヘッド部に対し垂直に立てた状態において前記ヘッド部の平面視における短手方向と一致する方向の厚みが、前記柄部の下端部付近において、下方に向けて徐々に薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の掃除具。
【請求項4】
前記底面部が前記天面部に取り付けたられた状態と、前記底面部が前記天面部に取り付けられていない状態のいずれの状態においても、
前記柄部を水平に倒した状態において、
前記柄部を長手方向に2等分した際に、前記ヘッド部に近い部分に重心が位置することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具。
【請求項5】
前記底面部は、質量が30gから600gとなるように形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具。
【請求項6】
前記柄部は長さの調整が可能であり、前記柄部の長さを変えることで重心位置を変更できることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具。
【請求項7】
前記柄部は重量の調整が可能であり、前記柄部の重量を変えることで重心位置を変更できることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床面の清掃を行うための掃除具として、清掃シート等の清掃用部材が取り付けられるヘッド部と、使用者が掃除具を把持するための柄部と、ヘッド部と柄部とを接続するためのジョイント部と、を有し、ジョイント部を介して、ヘッド部と柄部とが回動可能に連結されたものが知られている。
このような掃除具は、清掃用部材が取り付けられるヘッド部の形状によって清掃の効率性が左右されるため、ヘッド部の形状について種々の工夫が凝らされており、例えば、清掃ヘッドの周縁部に略三角形の断面形状の空隙が保持されるようにすることで、清掃ヘッドの辺部を変形し易くし、清掃の際に床面等の際部分の形状に清掃ヘッドの周縁部をフィットさせ易くして、床面等の際部分の清掃を効率的に行うことを可能としたものが存在している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−34766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載の掃除具のように、いくらヘッド部の形状に工夫を凝らしても、掃除する場所に応じて掃除具の重量が適切なものでなければ、使用者の負担が増加し、清掃の効率を向上させることはできない。具体的には、床面等の低所を清掃する際には、ヘッド部がある程度重い方が、掃除具の重心が下がり、かつ床面等を押圧するために使用者が掛ける必要のある力が減少するため、清掃が行い易くなる。これに対して、天井・壁上部等の高所の清掃を行う際には、ヘッド部の重量が軽い方が望ましい場合が多い。
【0005】
本発明の課題は、床面等の低所と、天井・壁上部等の高所との両者の清掃を行い易い掃除具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、掃除具において、
清掃用部材が取り付けられるヘッド部と、前記ヘッド部に接続され、使用者が把持するための柄部と、を有し、
前記ヘッド部は、上面側を形成し柄部が接続される天面部と、下面側を形成する底面部と、を備え、
前記底面部は、
平面視において前記天面部よりも大きい略矩形状に形成され、
上面側の平面視における縁部付近を周回するように形成された縁部凸部と、前記縁部凸部の内周側に形成されたリブと、が備えられ、
前記縁部凸部と前記リブとの間に、前記天面部の縁を嵌めることができる溝が形成され、
下面側の平面視において対向する二辺の近傍に、当該二辺の中央部において最も上方へと凹み、当該二辺の端部に近づくにつれて徐々に凹みが小さくなるように形成された凹状部が備えられ、
前記天面部に対し着脱自在に形成され
前記底面部の下面側の長手方向の端部付近には、上方に凹状となる穴部が、当該端部に沿って複数形成され、
複数の前記穴部は、前記底面部の下面側の長手方向の長さが、前記底面部の下面側の短手方向の中央部から端部に近づくにつれて徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、床面等の低所と、天井・壁上部等の高所との両者の清掃を行い易い掃除具を提供することができる
求項に記載の発明は、請求項に記載の掃除具において、
前記穴部は、前記底面部の、上面側に前記縁部凸部が形成された箇所の下面側に形成されていることを特徴とする
求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の掃除具において、
前記ヘッド部は平面視矩形状に形成され、
前記柄部は、前記ヘッド部に対し垂直に立てた状態において前記ヘッド部の平面視における短手方向と一致する方向の厚みが、前記柄部の下端部付近において、下方に向けて徐々に薄くなるように形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具において、
前記底面部が前記天面部に取り付けられた状態と、前記底面部が前記天面部に取り付けられていない状態のいずれの状態においても、
前記柄部を水平に倒した状態において、
前記柄部を長手方向に2等分した際に、前記ヘッド部に近い部分に重心が位置することを特徴とする。
本発明によれば、底面部が取り付けられた状態、取り付けられていない状態のいずれの状態においても安定して清掃を行うことができる掃除具を提供することができる。
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具において、
前記底面部は、質量が30gから600gとなるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、床面等の低所の清掃のし易さをさらに向上させることができる。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具において、
前記柄部は長さの調整が可能であり、前記柄部の長さを変えることで重心位置を変更できることを特徴とする。
本発明によれば、柄部の調整によって重心位置を調整できる掃除具を提供することができる。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の掃除具において、
前記柄部は重量の調整が可能であり、前記柄部の重量を変えることで重心位置を変更できることを特徴とする。
本発明によれば、柄部の調整によって重心位置を調整できる掃除具を提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、床面等の低所と、天井・壁上部等の高所の両者の清掃を行い易い掃除具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る掃除具の斜視図である。
図2】実施形態に係る掃除具の正面図である。なお、柄部の上部は省略している。
図3】実施形態に係る掃除具の側面図である。なお、柄部の上部は省略している。
図4】(a)は天面部の底面図、(b)は側面図である。
図5】天面部と底面部を着脱自在とするための構成の一例を示す図である。
図6】天面部と底面部を着脱自在とするための構成の一例を示す図である。
図7】ヘッド部の底面図である。
図8】(a)は実施形態に係る把持部の正面図、(b)は実施形態に係る把持部の側面図、(c)は実施形態に係る把持部の背面図、(d)は実施形態に係る把持部の平面図である。
図9】掃除具の使用者が把持部を把持した状態を示す図である。
図10】実施形態に係る掃除具の、ジョイント部の第1ヨーク部の斜視図である。
図11】実施形態に係る掃除具の、柄部の下部及びジョイント部の第2ヨーク部の斜視図である。
図12】実施形態に係る掃除具の、ジョイント部の連結部の斜視図である。
図13】掃除具の重心位置を示すための図である。
図14】実施例及び比較例で用いられた清掃シートの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態である掃除具100の具体的な態様について、図1から図10に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されない。
また、図1に示したようにX軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。
【0014】
(実施形態の構成)
掃除具100は、清掃シートPが取り付けられるヘッド部1と、使用者が掃除具100を把持するための柄部2と、ヘッド部1と柄部2とを接続するジョイント部3と、を備えている。
【0015】
(ヘッド部)
ヘッド部1は、図1図2及び図3に示すように、異なる材質によって形成された天面部11と底面部12とによって構成され、天面部11の上面の略中央部に、ジョイント部3を介して柄部2が取り付けられている。
【0016】
(天面部)
天面部11は、X軸方向50mm〜150mm、好ましくは70mm〜120mm、Y軸方向200mm〜300mm、好ましくは220mm〜270mmの大きさを有する、Y軸方向に長い平面視略矩形状の部材であり、例えばABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)等の硬質な材料によって形成されている。
天面部11の上面側は、図2に示すように、Y軸方向両端部付近が高く、Y軸方向中央部付近が低くなるように形成されており、Y軸方向両端部付近に隆起部111が形成され、Y軸方向中央部付近に沈降部112が形成されている。
天面部11の下面側は、平面となるように形成され、底面部12の上面側と貼付されている。
天面部11は、質量が50g〜400g、より好ましくは80gから300gとなるように形成される。
【0017】
(隆起部)
隆起部111は、図2に示すように、正面視において天面部11の上面側のY軸方向両端部付近において、上方に向けて隆起するように形成されている。また、隆起部111は、図3に示すように、側面視においてX軸方向中央部付近が最も高く、前後方向からX軸方向中央部付近にむけて緩やかに隆起するように形成されている。
隆起部111は、最も高い部分において、ヘッド部1の厚みが10mm〜30mm、好ましくは15mm〜25mmとなるように形成されている。ヘッド部1の厚みが10mmより低いと、後述の取付部13へのシート取付け時に指の入りが悪くシートが外れやすくなり、ヘッド部1の厚みが30mmより高いと、ソファやラック下などの足の低い家具の下側への入り込みが困難となる。
【0018】
なお、隆起部111の具体的な配置位置及び形状は、上記のものに限られず、柄部2が第1突起部311を乗り越える際にこれを持ち上げることができる範囲で、適宜変更することが可能である。
また、隆起部111は、ヘッド部1の平面視における長手方向の両端部付近に形成されることが望ましいが、これに限られず、後述の第1ヨーク部31の2つの第1突起部311が並ぶ方向と同一の方向の両端部付近に形成されていればよい。
【0019】
(沈降部)
沈降部112は、図2に示すように、天面部11の上面側のY軸方向中央部付近において、両端部に形成された隆起部111から緩やかに沈降するように形成されている。
沈降部112は、ジョイント部3を介して柄部2が取り付けられる天面部11の中央部において、ヘッド部1の厚みが15mm以下、好ましくは12mm以下となるように形成されている。
【0020】
天面部11の下面には、図4に示すように下方に突出するリブ113が形成されている。また、リブ113は、図4(a)に示すように、天面部11の平面視中央部付近に、下方に大きく凸となる高リブ1131が形成され、その他の部分に、高リブ1131程には下方に凸とならないように形成された、低リブ1132が形成されている。なお、図4(b)に示すように、高リブ1131は全ての箇所で同じ高さとなり、低リブ1132は、高リブ1131から天面部11の縁部方向に向かうにつれて徐々に低くなるように形成されている。
高リブ1131は、図4(b)に示す天面部11の縁部の下端部分から、0.5mmから5mm、より好ましくは1mmから3mm下方に突出するように形成される。
また、高リブ1131は、天面部11の長手方向において、全長に対し10%から90%、より好ましくは50%から80%の範囲に形成される。 また、高リブ1131は、天面部11の短手方向において、全長に対し10%から75%、より好ましくは30%から60%の範囲に形成される。
これによって、天面部11の下面によって、底面部12の平面視中央付近が強く押圧されることとなり、底面部12の中央付近において効果的にごみを捕集することができる。また、この場合、底面部12の端部付近はあまり押圧されないこととなるため、ごみを底面部12の下面側に誘い込む上でも好適である。
【0021】
(底面部)
底面部12は、図1図2及び図3に示すように、例えばTPE(熱可塑性エラストマー)等の天面部11と比較して軟質な弾性変形可能な材料によって、平面視において天面部11と合同な略矩形状となるように形成されている。厚みはZ軸方向に1mm〜10mm、好ましくは3mm〜4mmに形成される。なお、底面部12は、天面部11に対して僅かに大きく形成されていてもよい。
用いられる材料のゴム硬度は60〜100(JIS K 6253で規定する、デュロメータタイプA(ショアA)で測定した値)がダスト捕集性の観点から好ましい。
底面部12は、上面側と下面側とが略平行となるように形成され、上面側において、天面部11と貼付されている。
底面部12は、質量が30g〜600g、より好ましくは50g〜500gとなるように形成される。底面部12の質量が小さすぎると、これを取り付けて床面等の低所の清掃を行う際に、床面等を押圧するために使用者が強い力を掛ける必要があり、また、底面部12の質量が大きすぎると、掃除具1か重くなり過ぎてしまい、使用者の負担が大きくなってしまうため、いずれも望ましくない。
【0022】
底面部12は、天面部11に対し着脱自在に形成されている。底面部12と天面部11とは、底面部12の上面側に凹部、天面部11の下面側に凸部を設け、これらを嵌合可能とする等、任意の方法で着脱自在とすることができる。
【0023】
具体的には、例えば、以下のように構成されることによって、底面部12を天面部11に対して、着脱自在とする。
【0024】
まず、図5に示すように、天面部11に対して、底面部12を、平面視において僅かに大きく形成する。具体的には、X軸方向に0.5mm〜5mm、より好ましくは1mm〜3mm、Y軸方向に0.5mm〜10mm、より好ましくは1mm〜5mm、四隅の角において0.5mm〜20mm、より好ましくは5mm〜15mm程度、平面視において底面部12が天面部11に対して大きくなるように形成する。
【0025】
さらに、底面部12には、図6に示すように、平面視における縁部付近に、底面部12上面側の縁を周回するように縁部凸部12aが形成され、その内周側に凹部12bが形成される。凹部12bは平面視において、天面部11と略合同となるように形成される。
さらに、凹部12bの縁部凸部12aの僅かに内側には、図6に示すようにリブ12cが形成されており、縁部凸部12aとリブ12cとの間に、天面部11の縁を嵌めることによって、両者を着脱自在とする。
縁部凸部12aと、凹部12bとの高低差は0.5mmから5mm、より好ましくは1mmから3mmとなるように形成される。
なお、リブ12cは必ずしも図6に示すように全周に形成されている必要はなく、一部のみに形成されるようにしてもよい。例えば、図6において、半円等の形に囲むように形成されている部分のリブのみを形成し、これと縁部凸部12aとの間のみで天面部11を固定するようにしてもよい。
【0026】
(平面部及び凹状部)
底面部12の下面側には、図7に示すように、平面部121と、短手方向凹状部122と、長手方向凹状部123と、が形成されている。
【0027】
(平面部)
平面部121は、図7に示すように、底面部12下面側の短手方向凹状部122及び長手方向凹状部123以外の部分を構成する、後述の線状リブ124を除いて略平面上に形成された部分である。
【0028】
なお、底面部12は、ヘッド部1の下側を構成する弾性変形可能な材料によって形成された部材の全体を指し、平面部121は、底面部12の下面のうち、略平面上に形成された部分を指す。
【0029】
(短手方向凹状部)
短手方向凹状部122は、図2及び図7に示すように、底面部12の下面側の短手方向(X軸方向)の両端部付近に形成された上方に向けて凹状となるように形成された部分である。これによって、掃除具100の使用時において、ヘッド部1の下面側の短手方向(X軸方向)の両端部付近は、床面に密着せず、床面との間に間隙が生じることとなる。
【0030】
短手方向凹状部122は、ヘッド部1の短手方向(X軸方向)の両端部付近の下面側において、床面との間に間隙を生じさせることが可能であれば任意の形状に形成することが可能であるが、ヘッド部1の前側又は後側の端部のY軸方向中央部において底面部12の下面側が最も大きく凹むように形成され、当該部分から離れるにつれて凹みが小さくなり、平面部121になだらかに接続されるように形成されていることが望ましい。
短手方向凹状部122は、最も凹んだ部分において、上方に0.1mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜3mm平面部121と比較して凹むように形成される。
【0031】
底面部12の下面側に短手方向凹状部122が形成されていることによって、掃除具100をヘッド部1の短手方向(X軸方向)に動かして床面の清掃を行う際に、床面のごみがヘッド部1の前後の端部に溜まらずに、ヘッド部1の下面に誘い込まれるようになり、ごみの捕集性を向上させることができる。
【0032】
(長手方向凹状部)
長手方向凹状部123は、図3及び図7に示すように、底面部12の下面側の長手方向(Y軸方向)の両端部付近に形成された上方に向けて凹状となるように形成された部分である。これによって、掃除具100の使用時において、ヘッド部1の下面側の長手方向(Y軸方向)の両端部付近は、床面に密着せず、床面との間に間隙が生じることとなる。
【0033】
長手方向凹状部123は、ヘッド部1の長手方向(Y軸方向)の両端部付近の下面側において、床面との間に間隙を生じさせることが可能であれば任意の形状に形成することが可能であるが、ヘッド部1の右側又は左側の端部のX軸方向中央部において底面部12の下面側が最も大きく凹むように形成され、当該部分から離れるにつれて凹みが小さくなり、平面部121になだらかに接続されるように形成されていることが望ましい。
長手方向凹状部123は、最も凹んだ部分において、上方に0.1mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜3mm平面部121と比較して凹むように形成される。
【0034】
底面部12の下面側に長手方向凹状部123が形成されていることによって、掃除具100をヘッド部1の長手方向(Y軸方向)に動かして床面の清掃を行う際に、床面のごみがヘッド部1の左右の端部に溜まらずに、ヘッド部1の下面に誘い込まれるようになり、ごみの捕集性を向上させることができる。
【0035】
(線状リブ)
底面部12下面側の平面部121には、図7に示すように、底面視において線状となるように下方に凸となった線状リブ124が形成されている。
線状リブ124は、全てY軸方向に同一の高さを有するように形成され、具体的には、0.1mm〜2mm、より好ましくは0.2mm〜1mm下方に向けて突出するように形成される。また、各線状リブは、長さが1mm〜100mm、より好ましくは8mm〜85mm、幅が0.1mm〜2mm、より好ましくは0.2mm〜1.2mmの線状に形成される。
なお、線状リブ124には、底面視直線状に形成されたリブと、底面視曲線状に形成されたリブの双方を含む。
【0036】
線状リブ124は、斜線リブ1241と、菱形リブ1242と、からなり、具体的な配置は以下の通りである。
【0037】
(斜線リブ)
斜線リブ1241は、線状リブ124のうち、菱形リブ1242を除いた部分であり、平面部121のうち、菱形リブ1242が形成された部分を除いた略全面に形成されている。
斜線リブ1241は、図7に示すように、ヘッド部1の底面視において、ヘッド部1底面のX軸方向中央部から、前方又は後方に向かうにつれて、Y軸方向中央部に向けて、X軸に平行な方向から傾斜する線状に形成されている。
【0038】
(菱形リブ)
菱形リブ1242は、図7に示すように、線状のリブが、底面視略菱形上に配置された部分であり、平面部121のうち、X軸方向及びY軸方向における中央部と、X軸方向中央部であって、Y軸方向において中央部と端部との中間となる位置の2か所と、ヘッド部1下面の四隅付近の4箇所と、に形成されている。
【0039】
(端部リブ)
底面部12下面側の長手方向(Y軸方向)の両端部付近の下面側には、X軸方向中央部に、Y軸方向に沿って直線状に形成された端部リブ125が形成されている。
端部リブ125は、平面部121から見て、下方向に1mm〜5mmの高さを有するように形成される。1mmより低いと溝の清掃を十分に行うことができなくなり、5mmより高いと床面の平面部の清掃の際に邪魔になる可能性が高くなる。ただし、端部リブ125は、Z軸方向に線状リブ124よりも高くなるように形成される必要がある。
なお、図4に示すように端部リブ125が、長手方向凹状部123に重なって形成されている場合においても、端部リブは、平面部121に対して上記の高さを有するように形成される必要がある。
また、端部リブ125は、Y軸方向の長さ10mm〜50mm、より好ましくは20mm〜30mm、X軸方向の幅0.1mm〜3mm、より好ましくは0.5mm〜1.5mmとなるように形成される。
端部リブが設けられていることによって、これを床面の溝に入り込ませることで、床面の平面部のみならず、溝の清掃を行うことも可能となる。
【0040】
(端部突起部)
ヘッド部1の長手方向(Y軸方向)の両端部のX軸方向の中央部には、図1図2及び図7に示すように、端部リブ125から連続する形で、Y軸方向に突出する端部突起部126が形成されている。端部突起部126は、ヘッド部1の長手方向(Y軸方向)の両端部から、0.5mm〜3mm、より好ましくは0.8mm〜2mm右方又は左方へ突出するように形成される。
【0041】
(穴部)
底面部12下面側の長手方向両端部付近には、図7に示すように上方に凹状となる穴部127が形成されている。これによって、底面部12の長手方向の両端部付近がしなやかになり、底面部12の天面部11への着脱が容易となる。
穴部127を構成する各穴の大きさは、底面視において、底面部12の四隅付近が最も大きく、端部リブ125に近づくにつれて小さくなるように形成されている。具体的には、底面視において、X軸方向、Y軸方向共に、大きいもので3mmから15mm、より好ましくは5mm〜10mm、小さいもので1mmから5mm、より好ましくは2mmから4mmの長さとなるように形成される。
【0042】
(取付部)
天面部11上面の平面視四隅付近には、図1に示すように、取付部13が備えられている。取付部13は、天面部11上面の隆起部111上に形成された、周囲にEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等によって形成された爪部131が備えられた穴であり、清掃シートPを押し込み爪部131に引っ掛けることで、ヘッド部1に清掃シートPを取り付けることができる。具体的には、底面部12の下面側に清掃シートPを密着させ、底面部12の下面側からはみ出した部分の清掃シートPを天面部11の上面側に折り返し、天面部11の上面側に設けられた取付部13に押し込むことで、清掃シートPをヘッド部1に取り付けることとなる。
なお、取付部13の形状は、清掃シートPをヘッド部1に取り付けることができればよく、上記の形状には限られない。
【0043】
(柄部)
柄部2は、掃除具100を使用する際に使用者がこれ把持するために用いられる棒状の部材であり、図1に示すように、柄本体21と、把持部22とを備える。なお、柄部2は、ヘッド部1に対してジョイント部3を介して回動可能に接続されるが、図1に示すようにヘッド部1上に垂直に立てた状態において前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。
【0044】
(柄本体)
柄本体21は、図1に示すように、例えばABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、金属(アルミニウム、スチール、ステンレス)、ポリカーボネート、ポリプロピレン等の硬質な材料によって形成された棒状の部材であり、下端において、ヘッド部1の天面部11の上面側の略中央部に、ジョイント部3を介して接続され、上端部において、把持部22に接続されている。
柄本体21は、下端部付近において、図3に示すように、前後方向の厚みが左右方向の厚みと比較して薄くなるように形成されている。これによって、柄部2を低い状態に倒し易くなる。
なお、柄部2を低い状態に倒し易くなるという効果は減少するものの、柄本体21の下端部付近は、前後方向と、左右方向とにおいて同じ厚みとなるように形成してもよい。また、例えば後述の第2突起部321の強度を重視し、前後方向の厚みが左右方向の厚みよりも厚くなるように形成してもよい。
また、柄本体21は、図13に示すように複数に分割できるように構成されていてもよい。
【0045】
柄本体21は、Z軸方向に500mmから1000mm、より好ましくは600mmから900mmの長さを有するように形成される。また、質量は50g〜300g、より好ましくは100gから250gとなるように形成される。
【0046】
(把持部)
把持部22は、柄部2のうち、掃除具100の使用時に使用者が把持する部分であり、下端部において柄本体21に接続されている。
把持部22はZ軸方向に100mmから400mm、より好ましくは250mmから350mmの長さを有し、平面視において、最も太くなる部分で直径15mmから45mm、より好ましくは20mmから40mmの略円形となるように形成される。また、質量は30g〜200g、より好ましくは50gから100gとなるように形成される。
なお、把持部22は、本実施形態のように柄本体21と別部材として形成されていてもよいし、一体として形成されていてもよい。
【0047】
(傾斜面)
把持部22の上面は、図8(b)に示すように、Z軸に対して垂直な面(XY面)に対して、一方向に傾斜するように形成され、傾斜面22aが形成されている。傾斜面22aは、XY面に対して30°から80°、より好ましくは40°度から70°傾斜するように形成される。また、傾斜面22aが、最もZ軸方向に高くなる点、すなわち、傾斜面22aの前端部を、先端22aaとする。
【0048】
(周面)
把持部22の周面22b、すなわち、把持部22の外面のうち、上面の傾斜面22a及び柄本体21と接続される下面を除いた面は、図8(a)から(d)に示すように、下端部付近及び傾斜面22aが形成された上端部付近を除いて、上方へ向かうにつれて、徐々に太くなる断面形状を有するように形成されている。
【0049】
(溝部)
図8(c)及び(d)に示すように、把持部22上部の、傾斜面22aがZ軸方向に低くなっている側、すなわち後側には、柄本体が溝状にX軸方向へと凹となった溝部22cが形成されている。
溝部22cは、X軸方向に深さ0.5mmから5mm、より好ましくは1mmから3mm、Y軸方向に幅5mmから30mm、より好ましくは10mmから20mm、Z軸方向に長さ30mmから100mm、より好ましくは40mmから70mmとなるように形成される。
【0050】
(孔部)
図8(a)から(d)に示すように、把持部22の上端部近傍には、傾斜面22aから、周面22b上部の、先端22aa側、すなわち、前側へと貫通する孔部22dが形成されている。
孔部22dは、図8(c)及び(d)に示すように、傾斜面22aが広く凹状に下方へ陥没した陥没部22daと、陥没部22daから、周面22b上部の先端22aa側へと貫通する貫通孔22dbと、からなる。
【0051】
孔部22dは、貫通孔22dbが直径5mmから20mm、より好ましくは8mmから15mmの正面視円形の孔となるように形成される。
【0052】
(滑り止め部)
把持部22の周面22bの、先端22aa側、すなわち前側には、図8(a)及び(b)に示すように、周面22bの表面が水平方向の線状に複数箇所隆起した、滑り止め部22eが形成されている。
【0053】
滑り止め部22eを形成する複数の線状の突起は、夫々が、X軸方向に高さ0.1mmから2mm、より好ましくは0.5mmから1mm、Y軸方向に長さ5mmから50mm、より好ましくは10mmから40m、Z軸方向に幅1mmから5mm、より好ましくは1.5mmから3mに形成される。また、滑り止め部22eを形成する線状の突起は、Z軸方向に2mmから10mm、より好ましくは3mmから6mmの間隔を空けて形成されることが望ましい。
【0054】
滑り止め部22eは、図9に示すように、掃除具100の使用者が把持部22を把持した際に親指の先端が接する位置、具体的には、把持部22の上端部からの距離が、30mmから250mm、より好ましくは70mmから180mmの位置に形成される。
【0055】
なお、図8(a)及び(b)においては、滑り止め部22eとして、線状の突起が4本形成された場合につき図示したが、滑り止め部22eの構成はこれに限られない。これより多数又は少数の線状の突起を形成してもよいし、例えば点状の突起等、線状以外の突起によって滑り止め部を形成してもよい。また、例えば、何らかの摩擦抵抗が大きい材料を表面に貼付することによって滑り止め部22eを形成してもよい。
【0056】
(突起部)
周面22bの、先端22aa付近には、図8(a)、(b)及び(d)に示すように、前方向に向かって突出する突起部22fが、Y軸方向に2個並ぶように備えられている。
突起部22fの夫々は、図8(a)、(b)及び(d)に示すように、周面22bに接する側が欠けた球状に形成され、球の直径が1mm〜10mm、より好ましくは2mm〜6mmとなるように形成される。また、周面22bからの高さが0.5mm〜5mm、より好ましくは1mm〜3mmに形成される。
なお、突起部22fは、先端22aa側を壁に向けて柄部2を立て掛けた際に、複数の点が壁に接するようにできるものであればよく、必ずしも2個に限定されず、より多数の突起部22fが備えられていてもよい。また、形状も球状には限定されない。
【0057】
(連結部)
把持部22の下方には、図8(a)から(c)に示すように、柄本体21との連結に用いられる連結部22gが備えられ、把持部22は柄本体21の上部に、連結部22gを用いて着脱自在に取り付けられる。
連結部22gの構成としては、2本の棒状の部材を着脱自在に連結可能であれば、任意の構成を採用可能である。
なお、上記のように、把持部22が連結部22gを備えず、柄本体21と把持部22とが一体的に形成されていてもよい。
【0058】
(軟質部)
軟質部221は、熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系)、ウレタン、EVA樹脂等の、後述の硬質部222と比較して軟質な材料によって形成される。具体的な硬度としては、ゴム硬度60〜100(JIS K 6253で規定する、デュロメータタイプA(ショアA)で測定した値)の材料によって形成されることが好ましい。
【0059】
軟質部221は、図8(a)から(c)に示すように、把持部22の周面22b上部を、傾斜面22aが低くなる側、すなわち後側から、左右に回り込むように覆い、傾斜面22aが高くなる先端22aa側、すなわち前側は覆わないように形成されている。
【0060】
また軟質部221は、図8(d)に示すように、傾斜面22aが高くなる前側の一部を除いて、傾斜面22aの略全体を覆っており、陥没部22daの内面全体も、軟質部221によって覆われている。
【0061】
軟質部221は、図9に示すように、掃除具の使用者が把持部22を把持した際に、人差指から小指までが掛かる範囲全体を覆うように形成されている。具体的には、把持部22の上端から、40mmから230mm、より好ましくは60mmから160mm程度下方の位置まで形成されていることが望ましい。
【0062】
(硬質部)
硬質部222は、把持部22の本体をなす部分であり、軟質部221以外の把持部22の全体である。
硬質部222は、プラスチック樹脂(ポリプロピレン)等の、軟質部221と比較して硬質な材料によって形成されている。
【0063】
上記のように軟質部221が形成されていることによって、硬質部222は、図8(a)及び(b)に示すように、把持部22の前側においては、周面22bの、柄本体21と接続されている側と反対側の端部、すなわち上端部まで存在していることとなる。
【0064】
(ジョイント部)
ジョイント部3は、図1図2及び図3に示すように、ヘッド部1の天面部11の上面側の略中央部に備えられる第1ヨーク部31と、柄部2の下端部に備えられる第2ヨーク部32と、第1ヨーク部31と、第2ヨーク部32と、を接続する連結部33と、から形成されている。
【0065】
(第1ヨーク部)
第1ヨーク部31は、図1図2図3及び図10に示すように、ヘッド部1の天面部11の上面側中央部において天面部11と一体的に形成された、第1対向面部3111で向かい合う二つの対称形状の第1突起部311によって形成されている。なお、本実施形態においては、2つの対称形状の突起を備えて形成された、他の部材との接続に用いられる部分を「ヨーク部」と呼ぶ。
【0066】
(第1突起部)
第1突起部311は、図1図2図3及び図10に示すように、X軸方向から見て、第1突起部311同士が対向する第1対向面部3111に向けて徐々に高さが高くなるように形成され、Y軸に沿って並ぶように配置されている。
【0067】
第1突起部311は、X軸方向5mm〜20mm、好ましくは8mm〜15mm、Y軸方向10mm〜50mm、好ましくは15mm〜30mmとなるように形成されている。また、最も高くなる第1対向面部3111付近においては、Z軸方向5mm〜15mm、好ましくは8mm〜12mmとなり、隆起部111と比較して同等又は高くなるように形成されている。また、第1突起部311は、第1対向面部3111同士が、10mm〜25mm、好ましくは15mm〜20mmの間隔を有するように配置されている。
【0068】
(第1対向面部)
第1対向面部3111は、図1図2及び図10に示すように、第1突起部311同士が向かい合う面であり、天面部11の上面側から略垂直に立設する略矩形状に形成され、第1対向面部3111同士が平行となるように形成されている。
また、図7に示すように、第1対向面部3111には、穴部3113が形成されている。
【0069】
(穴部)
穴部3113は、第1対向面部3111に形成された円柱状の穴であり、後述のように連結部33の第1回動軸心部331との接続に用いられる。
【0070】
(側面部)
側面部3112は、図1図2及び図10に示すように、第1対向面部3111の左右両側から連続して形成された、第1突起部311の、YZ平面と平行にX軸方向を向く面であり、ヘッド部1の天面部11の上面側から略垂直に立設するように形成されている。
【0071】
(第2ヨーク部)
第2ヨーク部32は、図1図2図3及び図11に示すように、柄部2の柄本体21の下端部において、軸方向に向けて延出する二つの対称形状の第2突起部321と、第2突起部321の第2対向面部3211の間に架け渡された第2軸部材322と、から形成されている。
【0072】
(第2突起部)
第2突起部321は、図1図3及び図11に示すように、柄本体21下端の、図1に示す状態におけるX軸方向の両端部に、第2対向面部3211同士が平行に向かい合うように柄本体21と一体的に形成されている。
【0073】
第2突起部321は、図1に示す状態において、X軸方向に2mm〜6mm、好ましくは3mm〜5mmの厚みを有し、Y軸方向に柄本体21と略同一の幅を有する。X軸方向の厚みが薄すぎると清掃時の押圧による強度不足となり破損に繋がり易く、厚すぎると柄をX軸方向へ倒した際、柄がヘッド部の上面と干渉し略平行まで傾け難くなる。
また、第2対向面部3211同士が、2mm〜10mm、好ましくは3mm〜7mmの間隔を有するように形成されている。
【0074】
(第2軸部材)
第2軸部材322は、図11に示すように、第2対向面部3211の間を、Y軸方向中心部においてX軸に沿って架け渡すように、第2突起部321と一体的に形成されている。
【0075】
(連結部)
連結部33は、図1図2及び図3に示すように第1ヨーク部31と、第2ヨーク部32の間に介在する形で備えられ、図12に示すように、前方向から見て略三角形状に形成され、中心軸が立体交差する形で交わることなく直交する第1回動軸心部331と第2回動軸心部332とを備えている。
また、連結部33を形成する材料としては、例えばポリアセテートが用いられる。
【0076】
(第1回動軸心部)
第1回動軸心部331は、図12に示すように、連結部33の下端部に形成された、第1ヨーク部31との接続に用いられる部分であり、Y軸方向両端部に、円柱状の突出部3311を有する。
第1回動軸心部331は、突出部3311を除いた部分のY軸方向の幅が、第1突起部311の第1対向面部3111同士の間隔と略同一となり、また、突出部3311が、穴部3113と略同一の形状となるように形成されている。したがって、突出部3311を穴部3113に嵌め込むことで、連結部33を、Y軸周りに回動可能に第1ヨーク部31に装着することができる。
なお、図12に示す第1回動軸心部331のY軸に沿った中心軸を、第1軸心aとする。
【0077】
(第2回動軸心部)
第2回動軸心部332は、図12に示すように、連結部33の上端部に形成された、第2ヨーク部32との接続に用いられる部分であり、上端部の一部が切り欠かれ、前後方向に貫通した略円筒形状の第2装着孔部3321を有する。第2装着孔部3321は、内側に形成された円筒形状の空間の直径が、第2軸部材322の直径と略同一となる。また、X軸方向の長さが、第2軸部材322の長さと略同一となるように形成されており、第2装着孔部3321に、第2軸部材322を嵌め込むことで、連結部33を、X軸周りに回動可能に、第2ヨーク部32に固定することができる。
なお、図12に示す第2回動軸心部332のX軸に沿った中心軸を、第2軸心bとする。
【0078】
(掃除具の重心位置)
掃除具100は、ヘッド部1に底面部12が取り付けられた状態及びヘッド部1に底面部12が取り付けられていない状態のいずれの状態においても、図13に示すように柄部2を水平に倒した状態において、重心が、柄部2を長手方向に2等分した際にヘッド部1に近い部分(図13におけるQ1)に位置するように、ヘッド部1及び柄部2の重量が調整されている。
具体的には、例えば、天面部11の質量を114.5g、底面部12の質量を65.7gとし、柄部2の質量を、全体で197.8gとすることで、上記のような重心を実現することができる。
【0079】
(実施形態の効果)
本実施形態によれば、床面等の低所を清掃する際には、ヘッド部1に底面部12を取り付けることによってヘッド部1を重くすることできる。これによって、床面等を押圧するために使用者が要する力が低減され、床面等の低所の清掃が行い易くなる。
また、天井・壁上部等の高所の清掃を行う際には、ヘッド部1から底面部12を取り外すことによって、ヘッド部1を軽くすることができる。これによって、高所を清掃する際の使用者の負担を低減することができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、掃除具100は、ヘッド部1に底面部12が取り付けられた状態、ヘッド部1に底面部12が取り付けられていない状態のいずれの状態においても、柄部2を水平に倒した状態において、重心が、柄部2を長手方向に2等分した際にヘッド部1に近い部分(図13におけるQ1)に位置するように、ヘッド部1及び柄部2の重量が調整されている。これによって、いずれの状態においても、安定して清掃を行うことが可能となる。
すなわち、床面等の低所の清掃、天井・壁上部等の高所の清掃のいずれの場合においても、掃除具の重心は、使用者の手に近すぎても、また使用者から遠いヘッド部にあっても、清掃が行い難くなる。したがって、柄部2の下半部の部分に重心があることが望ましい。
本実施形態によれば、底面部12を取り付けて床面等の低所の清掃を行う際、底面部12を外して天井・壁上部等の高所の清掃を行う際のいずれの場合においても、重心位置が上記の位置にあるため、清掃がし易くなる。
【0081】
また、本実施形態によれば、底面部12の質量を適切な範囲、具体的には、上記30g〜600g、より好ましくは50g〜500gとすることによって、床面等の低所の清掃がより容易となる。
【0082】
また、本実施形態によれば、底面部12が天面部11から取り外し可能であることから、底面部12のみを洗うことができる。これによって、清掃時に汚れやすい底面部12のみを取り外して洗うことができ、掃除具のメンテナンスが行い易くなる。
【0083】
(変形例1)
柄部2を複数に分割できるようにすることによって、柄の長さを変えて重心位置を変えることができるようにしてもよい。
具体的には、柄部2の長さが、最長の場合に対して、70〜80%、50〜60%、30〜40%となるように変更できることが望ましい。例えば、柄部2全体の長さを、1100mm、860mm、615mm、375mmの4段階で変更できるようにする。これによって、柄部2の長さが、最長である1100mmの場合に対して、78%、56%、34%の長さとなるように変更できることとなる。
なお、柄部2の長さを変更できるようにする手段は、柄部2を複数に分割できるようにすることに限られない。例えば柄部2を伸縮自在に形成することによって、長さを変えることができるようにしてもよい。
【0084】
(変形例2)
柄部2を複数に分割できるようにすることによって、ヘッド部1と柄部2との重量比を変えて、重心位置を変えることができるようにしてもよい。
具体的には、ヘッド部1の重量が、柄部2の重量に対して、85〜95%、110〜120%、150〜160%、230〜250%となるように変更できることが望ましい。例えばヘッド部1の質量が180gの際に、柄部2の質量を、197.8g、157.3g、116.6g、76.1gの4段階で変更できるようにする。これによって、ヘッド部1の重量が、柄部2の重量に対して、91%、114%、154%、236%となるように変更できることとなる。
なお、柄部2の重量を変更できるようにする手段は、柄部2を複数に分割できるようにすることに限られない。例えば、所定の重りを柄部2に取り付けることができるようにして、その着脱によって重量を変えることができるようにしてもよい。
【実施例】
【0085】
次に、本発明の実施例及び比較例に係る掃除具ついて、床面等の低所及び天井・壁上部等の高所の清掃のし易さを評価した結果について説明する。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0086】
(実施例1)
ヘッド部1は、天面部11を、ABS樹脂を用いて長辺240mm、短辺95mmの平面視矩形状に形成し、底面部12を、硬度70°のエラストマー(TPE)を用いて長辺248mm、短辺98mmの平面視矩形状に形成した。また、天面部11と底面部12を着脱自在に構成した。また、天面部11の質量が114.5g、底面部12の質量が20gとなるように形成した。
柄部2は、ヘッド部1との連結部分から、把持部22上端までの長さが1120mmとなり、質量が197.8gとなるように形成した。
なお、本実施例における柄部2は、図13に示すように、柄本体21が複数に分割できるものであるところ、その最下端の部分がヘッド部1に接続されたままの状態で、各部の質量を計測した。したがって、上記天面部11の質量には、柄本体21の最下端部分の質量が含まれ、また上記柄部2の質量には、当該部分の質量が含まれていない。
上記のような掃除具の底面部12の下面を、以下のように形成した。
線状リブ124を、下方に0.3mm、幅1mmの線状のリブによって、斜線リブ1241が、長さ10mm〜80mmの曲線状となり、菱形リブ1242が、大きいものでX軸方向50mm、Y軸方向28mm、小さいものでX軸方向14mm、Y軸方向11mmの大きさとなるように形成した。
斜線リブ1241は、配置間隔が、最も狭いところで6mm、最も広いところで9mmとなるように配置し、菱形リブ1242は四隅から斜め方向に10mの位置に計4つ配置し、中央に1つ、中央と端部の中間位置に2つ配置した。
端部リブ125は、底面部下面の平面部からの高さが下方に2mm、Y軸方向の長さ23mm、X軸方向の幅1mmとなるように形成し、端部突起部126は、底面部下面の平面部からの高さが下方に2mm、Y軸方向に1.5mmとなるように形成した。
斜線リブ1241は36本、菱形リブ1242は大小あわせて7つ、端部リブ125は左右あわせて2つ形成した。
清掃シートPは、長辺300mm、短辺200mmの矩形状に形成された、秤量100gsmのエンボス加工が施されたドライシートを用いた。具体的には、図14に示したように凸エンボスEM1及び凹エンボスEM2を有し、各エンボスは、長辺方向8mm、短辺方向3mm、高さ0.8mmとなるように形成した。なお、平面視においてエンボスが長くなる方向、すなわち図14におけるX軸方向を長辺方向とし、平面視においてエンボスが短くなる方向、すなわち図14におけるY軸方向を短辺方向とする。
また、清掃シート外層の疎水性繊維にはポリエチレンテレフタレートを主成分とする不織布を用い、清掃シート内層の疎水性繊維にはポリプロピレンを主成分とする繊維を用いた。
外層の組成の詳細としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを主成分とする化学繊維が適用される。具体的には、外層は、疎水性繊維が100%で構成されており、疎水性繊維としてポリエチレンテレフタレートが80%含有され、バインダー繊維としてポリプロピレンとポリエチレンの芯鞘繊維が20%含有されている。また、ポリエチレンテレフタレート繊維は、繊度が3.3dtex、バインダー繊維は、繊度が1.7dtexのものを用いた。
内層は、ポリプロピレン100%のスパンボンド不織布からなる。
水流交絡により、内層と外層とを合わせ3層構造のスパンレース不織布となる。
なお、本実施形態においてはドライシートを用いたが、ウェットシートを用いることも可能である。
【0087】
(実施例2)
底面部12を、質量が30gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0088】
(実施例3)
底面部12を、質量が50gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0089】
(実施例4)
底面部12を、質量が65.7gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0090】
(実施例5)
底面部12を、質量が200gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0091】
(実施例6)
底面部12を、質量が500gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0092】
(実施例7)
底面部12を、質量が600gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0093】
(実施例8)
底面部12を、質量が700gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0094】
(比較例1)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が20gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0095】
(比較例2)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が30gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0096】
(比較例3)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が50gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0097】
(比較例4)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が65.7gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0098】
(比較例5)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が200gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0099】
(比較例6)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が500gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0100】
(比較例7)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が600gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0101】
(比較例8)
底面部12を天面部11から外せないようにし、底面部12の質量が700gとなるように形成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0102】
(比較例9)
ヘッド部1を、底面部12を備えないように構成した。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0103】
上記実施例及び比較例の掃除具を用いて、被験者に床面及び天井・壁上部を清掃させ、清掃のし易さについて官能評価を行った。なお、底面部12が着脱自在なものについては、床面の清掃の際には底面部12を取り付けて清掃を行い、天井・壁上部を清掃する際には、底面部12を取り付けずに清掃を行った。
【0104】
試験の結果を表Iに示す。なお、評価の基準は、以下のとおりである。
◎:非常に清掃が行い易く、満足できた。
○:清掃が行い易く、ほぼ満足できた。
△:若干清掃を行い難い面があったものの、十分に清掃を行うことができた。
×:清掃が行い難く、全く満足できなかった。
【0105】
【表1】
【0106】
(評価)
実施例1〜8と比較例1〜9との比較により、底面部12を天面部11から着脱自在に構成することによって、床面の清掃のし易さと、天井・壁上部の清掃のし易さとを両立した掃除具を実現できることが分かる。
すなわち、床面の清掃については、底面部12を備えて清掃を行うことができる実施例1〜8及び比較例1〜8については、悪くとも△という評価となっているのに対し、底面部を備えることができない比較例9については、×という評価となっている。
また、天井・壁上部の清掃については、実施例1〜8及び比較例9においては、底面部12を外して、ヘッド部1を軽い状態にして清掃を行うことができることから、全て◎となっているのに対し、底面部12を外すことのできない比較例1〜8は全て×となっている。
この結果から、底面部12を天面部11から着脱自在とした実施例1〜8の場合にのみ、床面と、天井・壁上部との清掃のし易さを両立できることが分かる。
また、実施例1及び8と、実施例2から7との比較により、底面部12の質量を30g〜600gとすることによって、床面の清掃のし易さを改善できることが分かる。
また、実施例2及び7と、実施例3から6との比較により、底面部12の質量を50g〜500gとすることで、さらに床面の清掃のし易さを改善できることが分かる。
【符号の説明】
【0107】
100 掃除具
1 ヘッド部
11 天面部
12 底面部
2 柄部
P 清掃シート(清掃用部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14