特許第6641906号(P6641906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641906
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】通信装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20200127BHJP
   G01S 1/70 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   G08G1/09 F
   G01S1/70
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-220623(P2015-220623)
(22)【出願日】2015年11月10日
(65)【公開番号】特開2017-91218(P2017-91218A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 真
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−205563(JP,A)
【文献】 特開2009−271615(JP,A)
【文献】 特開2013−228843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G01S 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を無線で受信する受信部と、該受信部が第1信号を受信した場合に、所定周期で第2信号を無線で繰り返し送信する送信部とを備える通信装置において、
前記受信部が前記第1信号を受信してから、前記送信部が前記第2信号を送信した回数を計数する計数部と、
該計数部が計数した回数が所定回数となった後に、前記送信部が行う1回目及び2回目の前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を、前記送信部が前記所定回数だけ行った前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔よりも長い時間間隔に調整し、前記2回目以降の前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を前記所定周期に戻す調整部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記送信部が前記1回目の前記第2信号を送信した後に、前記送信部が前記第2信号を送信した回数を計数する第2の計数部と、
該第2の計数部が計数した回数が、前記所定回数よりも少ない第2の所定回数となった後に、前記送信部が行う1回目及び2回目の前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を、前記送信部が前記第2の所定回数だけ行った前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔よりも長い時間間隔に調整する第2の調整部と
を備え、
前記第2の計数部が計数した回数が前記第2の所定回数となって前記送信部が1回目の前記第2信号を送信した後、前記第2の計数部は、前記送信部が前記第2信号を送信した回数をゼロから再び計数すること
を特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
記第2の所定回数の前記第2信号の送信では、前記送信部は前記第2信号を所定周期で送信すること
を特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記受信部が第3信号を受信した場合に前記第2信号の繰り返し送信を終了すること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項5】
車両に搭載された請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の通信装置と、
前記車両外に設置され、前記第1信号を前記通信装置の前記受信部に無線で送信する第2の通信装置と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記第2の通信装置は、前記通信装置の前記送信部から前記第2信号を受信するまで、前記第1信号を前記通信装置の前記受信部に繰り返し送信し、
前記送信部は、該受信部が行っている前記第1信号の受信が途絶えた場合に前記第2信号の繰り返し送信を終了すること
を特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定信号を無線で受信した場合に同一の信号を無線で繰り返し送信する通信装置、及び、該通信装置を備える通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、路側機から、走行中の車両に搭載された通信装置に、交通に関する交通情報を含む光の信号が無線で送信される通信システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この通信システムは所謂光ビーコンである。
【0003】
特許文献1に記載の通信システムでは、路側機は、路側機に向かって走行している車両に向けて光の第1信号を無線で繰り返し送信する。車両に搭載された通信装置は、路側機から第1信号を受信した場合、光の第2信号を路側機に無線で送信する。路側機は、通信装置から第2信号を受信した場合、交通情報を含む光の第3信号を無線で通信装置に送信する。通信装置は、路側機から第3信号を受信するまで、第2信号を路側機に繰り返し送信する。
【0004】
これにより、例えば、車両の運転者に第3信号に含まれる交通情報を取得することができ、運転者は、取得した交通情報に基づいて適切に車両を運転することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−26897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているような従来の通信システムでは、通常、車両に搭載された通信装置が無線で送信した信号が路側機によって受信される通信装置の送信領域と、路側機が無線で送信した信号が通信装置によって受信される通信装置の受信領域とは一致していない。送信領域及び受信領域夫々は、路側機、及び、車両の通信装置の性能、例えば、発光強度に依存する。
【0007】
多くの場合、受信領域の内部に送信領域が形成される。受信領域内に送信領域が形成されている場合、路側機に向かって走行する車両に搭載された通信装置は、最初、受信領域に入り、その後、受信領域内に存在する送信領域に入る。
【0008】
通信装置は、受信領域に入った場合に路側機から第1信号を受信する。前述したように、通信装置は、第1信号を受信した場合、路側機から第3信号を受信するまで、第2信号を路側機に繰り返し送信する。通信装置が送信領域に入った場合、路側機は、通信装置から第2信号を受信して第3信号を通信装置に送信する。通信装置は路側機から第3信号を受信する。
【0009】
例えば渋滞が原因で車両の速度が遅い場合、通信装置が受信領域に入ってから送信領域に入るまでの期間、即ち、通信装置が第2信号を繰り返し送信し続けている期間が長い。
【0010】
通信装置において、光の信号を路側機に無線で送信する送信部は、発光素子、例えばLED(Light Emitting Diode)を有し、送信すべき信号に応じて発光素子が発光と発光の停止とを交互に行うことによって信号が送信される。送信すべき信号が「1」及び「0」によって構成される場合、例えば、発光素子が発光している状態は信号の「1」を意味し、発光素子が発光を停止している状態は信号の「0」を意味する。
【0011】
発光素子に電流が供給されて発光素子が発光している間、発光素子の温度は上昇し、発光素子への電流供給が停止して発光素子が発光を停止している間、発光素子は冷却され、発光素子の温度は低下する。通信装置の送信部が第2信号を繰り返し送信している間、発光素子が冷却される時間が短いため、発光素子の温度は上昇する。発光素子の温度が所定温度以上となった場合、同じ値の電流を発光素子に供給したときに発光素子が発する光の強度が低下し、送信部の性能が低下する。
【0012】
従来の通信システムにおいて、車両の速度が遅い場合、通信装置の送信部が第2信号を繰り返し送信している期間が長くなるため、発光素子の温度が所定温度以上となって送信部の性能が低下する虞がある。
【0013】
この問題を解決する通信システムとして、通信装置の受信部が路側機から第3信号を受信することなく、通信装置の送信部が第2信号を繰り返し送信している期間が所定期間以上となった場合に、送信部が行う第2信号の送信を停止する通信システムが考えられる。しかしながら、この通信システムでは、通信装置は第3信号を路側機から受信することができないため、車両の運転者は路側機から交通情報を取得することができないという問題がある。
【0014】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、送信部の性能の劣化を抑制しつつ、信号の繰り返し送信を継続的に行うことができる通信装置、及び、該通信装置を備える通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る通信装置は、信号を無線で受信する受信部と、該受信部が第1信号を受信した場合に、所定周期で第2信号を無線で繰り返し送信する送信部とを備える通信装置において、前記受信部が前記第1信号を受信してから、前記送信部が前記第2信号を送信した回数を計数する計数部と、該計数部が計数した回数が所定回数となった後に、前記送信部が行う1回目及び2回目の前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を、前記送信部が前記所定回数だけ行った前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔よりも長い時間間隔に調整し、前記2回目以降の前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を前記所定周期に戻す調整部とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、送信部は、受信部が外部から第1信号を無線で受信した場合、所定周期で第2信号を外部へ無線で繰り返し送信する。受信部が第1信号を受信してから、送信部が行った第2信号の送信回数を計数する。送信回数が所定回数となってから、送信部が1回目の第2信号の送信を開始する開始時点と、送信部が2回目の第2信号の送信を開始する開始時点との時間間隔を、送信部が所定回数だけ行った第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔よりも長い時間間隔に調整する。2回目以降の第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を所定周期に戻す。
【0017】
従って、第2信号の送信回数が所定回数となった後に行われる1回目及び2回目の第2信号の送信の間に、送信部が第2信号の送信を停止している長い停止期間が設けられている。送信部が発光素子を用いて第2信号を送信している場合、発光素子が十分に冷却されるため、発光素子の温度が所定温度以上となる確率は低い。このため、送信部の性能の劣化、即ち、同じ値の電流を発光素子に供給した場合に発光素子が発する光の強度の低下が抑制される。また、長い停止期間が設けられているため、送信部は第2信号を継続的に送信することが可能である。
【0018】
本発明に係る通信装置は、前記送信部が前記1回目の前記第2信号を送信した後に、前記送信部が前記第2信号を送信した回数を計数する第2の計数部と、該第2の計数部が計数した回数が、前記所定回数よりも少ない第2の所定回数となった後に、前記送信部が行う1回目及び2回目の前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔を、前記送信部が前記第2の所定回数だけ行った前記第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔よりも長い時間間隔に調整する第2の調整部とを備え、前記第2の計数部が計数した回数が前記第2の所定回数となって前記送信部が1回目の前記第2信号を送信した後、前記第2の計数部は、前記送信部が前記第2信号を送信した回数をゼロから再び計数することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、第2信号の送信回数が所定回数となって、1回目の第2信号の送信が行われた後、第2信号の送信回数を再び計数する。第2信号の送信回数が、所定回数よりも少ない第2の所定回数となってから、送信部が1回目の第2信号の送信を開始する開始時点と、送信部が2回目の第2信号の送信を開始する開始時点との時間間隔を、送信部が第2の所定回数だけ行った第2信号の送信に係る開始時点の時間間隔よりも長い時間間隔に調整する。第2信号の送信回数が第2の所定回数となって1回目の第2信号の送信が行われた後、第2信号の送信回数をゼロから再び計数する。そして、第2信号の送信回数が第2の所定回数となった場合、再び時間間隔が調整される。
【0020】
従って、送信部が(所定回数+1)回、例えば50回だけ第2信号を送信して、長い送信の停止期間が設けられた後、送信部が(第2の所定回数+1)回、例えば3回だけ第2信号を送信する都度、長い送信の停止期間が設けられる。このため、送信部は、第2信号の継続的な繰り返し送信をより長く行うことが可能である。
【0021】
本発明に係る通信装置は、前記第2の所定回数の前記第2信号の送信では、前記送信部は前記第2信号を所定周期で送信することを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、第2の所定回数の第2信号の送信について、送信部は第2信号を所定周期で送信する。従って、第2信号の送信回数が第2の所定回数となった後に送信部が行う1回目及び2回目の第2信号の送信に係る開始点の時間間隔は、所定周期よりも長い時間間隔に調整される。このため、装置を簡単に構成することが可能である。
【0023】
本発明に係る通信装置は、前記送信部は、前記受信部が第3信号を受信した場合に前記第2信号の繰り返し送信を終了することを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、受信部が、例えば、外部装置によって第2信号が受信されたことを示す第3信号を受信した場合、第2信号の繰り返し送信を終了する。
【0025】
本発明に係る通信システムは、車両に搭載された前述の通信装置と、前記車両外に設置され、前記第1信号を前記通信装置の前記受信部に無線で送信する第2の通信装置とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、車両に前述した通信装置が搭載されており、第2の通信装置が車両外に設置されている。通信装置の送信部は、受信部が第2の通信装置から第1信号を無線で受信した場合に第2信号の繰り返し送信を開始する。
【0027】
本発明に係る通信システムは、前記第2の通信装置は、前記通信装置の前記送信部から前記第2信号を受信するまで、前記第1信号を前記通信装置の前記受信部に繰り返し送信し、前記送信部は、該受信部が行っている前記第1信号の受信が途絶えた場合に前記第2信号の繰り返し送信を終了することを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、第2の通信装置は、通信装置の送信部から第2信号を受信するまで、第1信号を通信装置の受信部に繰り返し送信する。例えば、通信装置が搭載された車両の進行方向が変更されて、受信部が行っている第1信号の受信が途絶えた場合、送信部は第2信号の繰り返し送信を終了する。このため、無駄に第2信号が送信される回数が抑制される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、送信部の性能の劣化を抑制しつつ、第2信号の繰り返し送信を継続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施の形態における通信システムの概要図である。
図2】通信システムの要部構成を示すブロック図である。
図3】路側通信装置及び車両通信装置の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
図4】制御部が行う確立処理の手順を示すフローチャートである。
図5】制御部が行う確立処理の手順を示すフローチャートである。
図6】制御部が行う確立処理の手順を示すフローチャートである。
図7】確立処理で車両通信装置の送信部が行う動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本実施の形態における通信システム1の概要図である。通信システム1は、路側機10に搭載されている路側通信装置2と、車両11に搭載された車両通信装置3とを備える。路側機10は車両11の上側に設置されている。路側通信装置2は車両11が走行する道路12に向かって信号に係る光を照射し、車両通信装置3は車両11の前方上側に信号に係る光を照射する。
路側通信装置2及び車両通信装置3夫々は、第2の通信装置及び通信装置として機能する。
【0032】
車両11は路側機10に向かって道路12を走行する。路側通信装置2は、車両11に搭載された車両通信装置3に光の信号を無線で送信すると共に、車両通信装置3が送信した光の信号を無線で受信する。車両通信装置3は、路側通信装置2が送信した光の信号を無線で受信すると共に、路側通信装置2に光の信号を無線で送信する。
【0033】
車両通信装置3が送信した信号が路側通信装置2によって受信される車両通信装置3の送信領域は、路側通信装置2が送信した信号が車両通信装置3によって受信される車両通信装置3の受信領域内に形成されている。このため、車両11が路側機10に向かって走行した場合、車両通信装置3は、最初に受信領域に入り、その後、送信領域に入る。車両通信装置3は、送信領域から出た後、受信領域から出る。車両通信装置3が送信領域又は受信領域内に位置している間、車両通信装置3は路側通信装置2と光通信を行う。
【0034】
図2は通信システム1の要部構成を示すブロック図である。路側通信装置2は、送信部20、受信部21、記憶部22及び制御部23を有する。これらはバス24に接続されている。
【0035】
送信部20は、LED又は半導体レーザ等の発光素子20aを有する。発光素子20aに電流が供給された場合、発光素子20aは発光し、発光素子20aへの電流供給が停止した場合、発光素子20aは発光を停止する。送信部20は、制御部23の指示に従って、車両通信装置3に、2値で構成される光の信号を無線で送信する。具体的には、車両通信装置3に送信すべき信号に応じて、発光素子20aが発光と発光の停止とを交互に繰り返すことによって信号が送信される。例えば、信号が「1」及び「0」によって構成される場合、発光素子20aが発光している状態が信号の「1」を意味し、発光素子20aが発光を停止している状態が信号の「0」を意味する。
【0036】
受信部21は、フォトトランジスタ又はフォトダイオード等の受光素子21aを有する。受信部21は、受光素子21aが受光した光の強度に基づいて、車両通信装置3から2値で構成される光の信号を無線で受信する。例えば、信号が「1」及び「0」によって構成される場合において、受光素子21aが受光した光の強度が所定強度以上であることは信号の「1」を意味し、受光素子21aが受光した光の強度が所定温度未満であることは信号の「0」を意味する。受信部21は、車両通信装置3から信号を受信した場合、受信した信号の内容を制御部23に通知する。
【0037】
記憶部22は不揮発性メモリである。記憶部22には制御プログラムが記憶されている。制御部23は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部22に記憶されている制御プログラムを実行することによって、送信部20の動作を制御する。これにより、路側通信装置2は車両通信装置3と光無線通信を行う。
【0038】
車両通信装置3は、受信部30、送信部31、タイマ32、記憶部33及び制御部34を有する。これらはバス35に接続されている。
受信部30は、フォトトランジスタ又はフォトダイオード等の受光素子30aを有する。受信部30は、路側通信装置2の受信部21と同様に、受光素子30aが受光した光の強度に基づいて、路側通信装置2の送信部20が送信した光の信号を無線で受信する。受信部30は、路側通信装置2の送信部20から信号を受信した場合、受信した信号の内容を制御部34に通知する。
【0039】
送信部31は、LED又は半導体レーザ等の発光素子31aを有する。発光素子31aに電流が供給された場合、発光素子31aは発光し、発光素子31aへの電流供給が停止した場合、発光素子31aは発光を停止する。送信部31は、制御部34の指示に従って、路側通信装置2の送信部20と同様に、路側通信装置2の受信部21に、2値で構成される光の信号を無線で送信する。従って、発光素子31aは、路側通信装置2の受信部21に送信すべき信号に応じて、発光と発光の停止とを交互に繰り返す。
【0040】
発光素子31aに電流が供給されている間、発光素子31aの温度は上昇し、発光素子31aへの電流供給が停止している間、発光素子31aは冷却され、発光素子31aの温度は低下する。発光素子31aの温度が所定温度以上となった場合、同じ値の電流を発光素子31aに供給した場合に発光素子31aが発する光の強度が低下し、送信部31の性能が劣化する。
【0041】
タイマ32は、制御部34の指示に従って、計時の開始及び終了を行う。タイマ32が計時している計時時間は制御部34によって読み出される。
記憶部33は不揮発性メモリである。記憶部33には制御プログラムが記憶されている。車両通信装置3には固有の識別情報が割り当てられている。記憶部33には車両通信装置3に割り当てられた識別情報が記憶されている。
制御部34は、図示しないCPUを有し、記憶部33に記憶されている制御プログラムを実行することによって、送信部31の動作を制御する。これにより、車両通信装置3は路側通信装置2と光無線通信を行う。
【0042】
図3は、路側通信装置2及び車両通信装置3の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。路側通信装置2の制御部23は、送信部20に指示して、信号の送信を要求する要求信号を無線で繰り返し送信させている。路側機10に向かって走行している車両11に搭載された車両通信装置3が受信領域に入った場合、車両通信装置3の受信部30は、路側通信装置2の送信部20から要求信号を受信する。
【0043】
車両通信装置3の制御部34は、受信部30が要求信号を受信した場合、路側通信装置2及び車両通信装置3の間で通信を確立するための確立処理を実行する。確立処理では、制御部34は、送信部31に指示して、車両通信装置3の識別情報を含む応答信号を繰り返し送信させる。要求信号及び応答信号夫々は第1信号及び第2信号に相当する。
【0044】
車両11に搭載された車両通信装置3が送信領域に入った場合、路側通信装置2の受信部21は、車両通信装置3の送信部31から応答信号を受信する。路側通信装置2の制御部23は、受信部21が応答信号を受信した場合、送信部20に指示して、車両通信装置3の受信部30への要求信号の繰り返し送信を停止する。従って、路側通信装置2の送信部20は、車両通信装置3が送信領域に入って受信部21が車両通信装置3の送信部31から応答信号を受信するまで、要求信号を車両通信装置3の受信部30に繰り返し送信する。
【0045】
路側通信装置2の制御部23は、送信部20に要求信号の繰り返し送信を停止させた後、送信部20に指示して、応答信号に含まれている識別情報と、交通情報とを含む交通信号を路側通信装置2の受信部21に送信させる。交通情報は、例えば、渋滞が発生している場所を示す渋滞情報である。制御部23は、車両通信装置3が受信領域内に位置している間、送信部20に、交通信号を路側通信装置2の受信部21に送信させ続ける。
【0046】
車両通信装置3は、送信部31が応答信号を送信した後において、受信部30が車両通信装置3の識別情報を含む交通信号を受信した場合、路側通信装置2及び車両通信装置3間の通信が確立されたとして確立処理を終了する。車両通信装置3の制御部34は、確立処理を終了した後、車両11の走行に関する走行情報を含む走行信号を送信する。走行情報は、例えば、所定区間を車両11が走行するためにかかった時間を示す時間情報である。走行信号に含まれる走行情報は、路側通信装置2から例えば図示しないサーバに送信され、交通状況の解析に用いられる。
【0047】
確立処理が終了した後において、車両通信装置3の受信部30は、車両通信装置3が受信領域内に位置している間、路側通信装置2の送信部20から交通信号を受信し続ける。受信部30が受信した交通信号に含まれる交通情報の内容は、例えば、図示しない表示部に表示され、車両11の運転者は交通情報を取得することができる。運転者は、取得した交通情報に基づいて適切に車両11を運転することができる。
【0048】
以下では、車両通信装置3の制御部34が行う確立処理を詳細に説明する。図4図5及び図6は、制御部34が行う確立処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、制御部34は、受信部30が路側通信装置2の送信部20が送信した要求信号を受信した場合に確立処理を実行する。また、記憶部33にはカウンタ変数が記憶されている。記憶部33に記憶されているカウンタ変数は制御部34によって更新される。
【0049】
確立処理では、まず、制御部34は、記憶部33に記憶されているカウンタ変数をゼロに設定し(ステップS1)、タイマ32に指示して計時を開始させる(ステップS2)。タイマ32が計時している計時時間はゼロから開始される。次に、制御部34は、送信部31に指示して、車両通信装置3の識別情報を含む応答信号を路側通信装置2の受信部21に送信させ(ステップS3)、記憶部33に記憶されているカウンタ変数を1だけインクリメントする(ステップS4)。カウンタ変数は送信部31が応答信号を送信した回数を示す。
【0050】
次に、制御部34は、受信部30が路側通信装置2の送信部20から交通信号を受信したか否かを判定する(ステップS5)。制御部34は、受信部30が交通信号を受信していないと判定した場合(S5:NO)、車両通信装置3が受信領域内に位置しているか否かを判定する(ステップS6)。
【0051】
車両通信装置3の受信部30が交通信号を受信していないことは、路側通信装置2の送信部20が車両通信装置3の受信部30に要求信号を繰り返し送信していることを意味する。ステップS6では、制御部34は、受信部30が要求信号を受信している場合、車両通信装置3が受信領域内に位置していると判定する。制御部34は、受信部30が行っている要求信号の受信が途絶えた場合、車両通信装置3が受信領域内に位置していないと判定する。
【0052】
制御部34は、受信部30が交通信号を受信したと判定した場合(S5:YES)、又は、車両通信装置3が受信領域内に位置していないと判定した場合(S6:NO)、タイマ32に指示して計時を終了させ(ステップS7)、確立処理を終了する。
【0053】
受信部30が交通信号を受信したために確立処理が終了した場合、前述したように、受信部30は、路側通信装置2の送信部20から繰り返し送信される交通信号を受信し、送信部31は路側通信装置2の受信部21に走行信号を送信する。
例えば、車両11が進行方向を変更して車両通信装置3が受信領域から離脱したために確立処理が終了した場合、送信部31は走行信号を送信することはない。
【0054】
制御部34は、車両通信装置3が受信領域内に位置していると判定した場合(S6:YES)、タイマ32が計時している計時時間が第1基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS8)。第1基準時間は、一定であり、記憶部33に予め記憶されている。制御部34は、計時時間が第1基準時間未満であると判定した場合(S8:NO)、ステップS5を実行する。制御部34は、計時時間が第1基準時間以上となるまで、ステップS5,S6を繰り返し実行する。
【0055】
制御部34は、計時時間が第1基準時間以上であると判定した場合(S8:YES)、タイマ32に指示して計時を終了させ(ステップS9)、記憶部33に記憶されているカウンタ変数が第1基準回数以上であるか否かを判定する(ステップS10)。第1基準回数は、一定であり、予め記憶部33に記憶されている。
【0056】
制御部34は、カウンタ変数が第1基準回数未満であると判定した場合(S10:NO)、ステップS2を実行し、ステップS3で、再び送信部31に指示して、応答信号を路側通信装置2の受信部21に送信させ、ステップS4でカウンタ変数を1だけインクリメントする。従って、交通信号の受信、又は、受信領域からの車両通信装置3の離脱が行われない限り、送信部31は応答信号を第1基準回数だけ送信し続ける。
【0057】
制御部34は、カウンタ変数が第1基準回数以上であると判定した場合(S10:YES)、タイマ32に指示して計時を開始させる(ステップS11)。タイマ32が計時している計時時間はゼロから開始される。次に、制御部34は、送信部31に指示して、車両通信装置3の識別情報を含む応答信号を路側通信装置2の受信部21に送信させ(ステップS12)、受信部30が路側通信装置2の送信部20から交通信号を受信したか否かを判定する(ステップS13)。
【0058】
制御部34は、受信部30が交通信号を受信していないと判定した場合(S13:NO)、車両通信装置3が受信領域内に位置しているか否かをステップS6と同様に判定する(ステップS14)。
【0059】
制御部34は、受信部30が交通信号を受信したと判定した場合(S13:YES)、又は、車両通信装置3が受信領域内に位置していないと判定した場合(S14:NO)、タイマ32に指示して計時を終了させ(ステップS15)、確立処理を終了する。
前述したように、受信部30が交通信号を受信したために確立処理が終了した場合、繰り返し送信される交通信号の受信と、走行信号の送信とが行われる。また、車両通信装置3が受信領域から出たために確立処理が終了した場合、走行信号の送信が行われることはない。
【0060】
制御部34は、車両通信装置3が受信領域内に位置していると判定した場合(S14:YES)、タイマ32が計時している計時時間が第2基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS16)。第2基準時間は、一定であり、記憶部33に予め記憶されている。第2基準時間は、第1基準時間よりも長く、例えば、第1基準時間の15倍以上である。
【0061】
制御部34は、計時時間が第2基準時間未満であると判定した場合(S16:NO)、ステップS13を実行する。制御部34は、計時時間が第2基準時間以上となるまで、ステップS13,S14を繰り返し実行する。制御部34は、計時時間が第2基準時間以上であると判定した場合(S16:YES)、タイマ32に指示して計時を終了させる(ステップS17)。従って、ステップS12で送信部31が応答信号を送信してから、第2基準時間が経過するまで、送信部31が応答信号を送信することはない。
【0062】
次に、制御部34は、記憶部33に記憶されているカウンタ変数をゼロに設定し(ステップS18)、タイマ32に指示して計時を開始させる(ステップS19)。タイマ32が計時している計時時間はゼロから開始される。次に、制御部34は、送信部31に指示して、車両通信装置3の識別情報を含む応答信号を路側通信装置2の受信部21に送信させ(ステップS20)、記憶部33に記憶されているカウンタ変数を1だけインクリメントする(ステップS21)。
【0063】
次に、制御部34は、受信部30が路側通信装置2の送信部20から交通信号を受信したか否かを判定する(ステップS22)。制御部34は、受信部30が交通信号を受信していないと判定した場合(S22:NO)、車両通信装置3が受信領域内に位置しているか否かをステップS6と同様に判定する(ステップS23)。
【0064】
制御部34は、受信部30が交通信号を受信したと判定した場合(S22:YES)、又は、車両通信装置3が受信領域内に位置していないと判定した場合(S23:NO)、タイマ32に指示して計時を終了させ(ステップS24)、確立処理を終了する。
前述したように、受信部30が交通信号を受信したために確立処理が終了した場合、繰り返し送信される交通信号の受信と、走行信号の送信とが行われる。また、車両通信装置3が受信領域から出たために確立処理が終了した場合、走行信号の送信が行われることはない。
【0065】
制御部34は、車両通信装置3が受信領域内に位置していると判定した場合(S23:YES)、タイマ32が計時している計時時間が第1基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS25)。制御部34は、計時時間が第1基準時間未満であると判定した場合(S25:NO)、ステップS22を実行する。制御部34は、計時時間が第1基準時間以上となるまで、ステップS22,S23を繰り返し実行する。
【0066】
制御部34は、計時時間が第1基準時間以上であると判定した場合(S25:YES)、タイマ32に指示して計時を終了させ(ステップS26)、記憶部33に記憶されているカウンタ変数が第2基準回数以上であるか否かを判定する(ステップS27)。第2基準回数は、一定であり、予め記憶部33に記憶されている。第2基準回数は、第1基準回数未満であり、例えば、第1基準回数を15で除算した数値以下の自然数である。
【0067】
制御部34は、カウンタ変数が第2基準回数未満であると判定した場合(S27:NO)、ステップS19を実行し、ステップS20で、再び送信部31に指示して、応答信号を路側通信装置2の受信部21に送信させ、ステップS21でカウンタ変数を1だけインクリメントする。従って、交通信号の受信、又は、受信領域からの車両通信装置3の離脱が行われない限り、送信部31は応答信号を第2基準回数だけ送信し続ける。
【0068】
制御部34は、カウンタ変数が第2基準回数以上であると判定した場合(S27:YES)、ステップS11を実行し、第2基準時間が経過するまで、送信部31に応答信号を送信させることはない。
交通信号の受信、又は、受信領域からの車両通信装置3の離脱が行われない限り、(第2基準回数+1)回の送信と、第2基準時間の送信停止とが交互に繰り返される。
【0069】
図7は、確立処理で車両通信装置3の送信部31が行う動作の説明図である。図7では、送信部31が応答信号を路側通信装置2の受信部21に送信しているか、又は、応答信号の送信を停止しているかが示されている。横軸は時間である。N1,N2,T1,T2夫々は、第1基準回数、第2基準回数、第1基準時間及び第2基準時間を示す。
【0070】
以下では、交通信号の受信、又は、受信領域からの車両通信装置3の離脱が行われない状態、具体的には、車両11が低速で受信領域内を走行している状態で送信部31が行う動作を説明する。
制御部34は、受信部30が路側通信装置2の送信部20から要求信号を無線で受信した場合、確立処理を開始し、第1基準時間T1が経過する都度、送信部31に応答信号を無線で送信させる。このように、送信部31は所定周期で応答信号を無線で送信する。
【0071】
制御部34は、送信部31に応答信号を送信させる都度、記憶部33に記憶されているカウンタ変数を1ずつインクリメントすることによって、受信部30が要求信号を受信してから、送信部31が応答信号を送信した回数を計数する。制御部34は計数部として機能する。
【0072】
カウンタ変数、即ち、応答信号の送信回数が第1基準回数N1となった後に、送信部31が行う1回目及び2回目の応答信号の送信に係る開始時点の時間間隔を、第1基準時間T1よりも長い第2基準時間T2に調整する。第1基準時間T1は、送信部31が第1基準回数N1だけ行った応答信号の送信に係る開始時点の時間間隔である。制御部34は調整部としても機能する。
【0073】
従って、応答信号の送信回数が第1基準回数N1となった後に行われる1回目及び2回目の応答信号の送信の間に、送信部31が応答信号の送信を停止している長い停止期間、即ち、発光素子31aが発光を停止している長い停止期間が設けられている。この場合、発光素子31aが十分に冷却されるため、発光素子31aの温度が所定温度以上となる確率は低い。このため、送信部31の性能の劣化、即ち、同じ値の電流を発光素子31aに供給した場合に発光素子31aが発する光の強度の低下が抑制される。また、長い停止期間が設けられているため、送信部31は応答信号を継続的に送信することができる。
【0074】
応答信号の送信回数が第1基準回数N1となった後に行われた2回目の応答信号の送信から、再び、制御部34は、第1基準時間T1が経過する都度、送信部31に応答信号を無線で送信させる。このように、送信部31は所定周期で応答信号を無線で送信する。
【0075】
また、応答信号の送信回数が第1基準回数N1となって、車両通信装置3の送信部31が1回目の応答信号を送信した後、制御部34は、カウンタ変数をゼロにする。そして、制御部34は、送信部31に応答信号を送信させる都度、カウンタ変数を1だけインクリメントする。これにより、制御部34は送信部31が応答信号を送信した回数をゼロから再び計数する。制御部34は第2の計数部としても機能する。
【0076】
カウンタ変数、即ち、応答信号の送信回数が、第1基準回数N1よりも少ない第2基準回数N2となった後に、送信部31が行う1回目及び2回目の応答信号の送信に係る開始時点の時間間隔を、第1基準時間T1よりも長い第2基準時間T2に再び調整する。第1基準時間T1は、送信部31が第2基準回数N2だけ行った応答信号の送信に係る開始時点の時間間隔でもある。制御部34は第2の調整部としても機能する。
【0077】
応答信号の送信回数が第2基準回数N2となった後に行われた2回目の応答信号の送信から、再び、制御部34は、第1基準時間T1が経過する都度、送信部31に応答信号を無線で送信させる。このように、送信部31は所定周期で応答信号を無線で送信する。
【0078】
また、応答信号の送信回数が第2基準回数N2となって、車両通信装置3の送信部31が1回目の応答信号を送信した後、制御部34は、カウンタ変数をゼロにする。そして、制御部34は、送信部31に応答信号を送信させる都度、カウンタ変数を1だけインクリメントする。これにより、制御部34は送信部31が応答信号を送信した回数をゼロから再び計数する。カウンタ変数が第2基準回数N2となった後、再び、応答信号の送信に係る開始時点の時間間隔が第2基準時間T2に調整される。
【0079】
確立処理では、第1基準回数N1の応答信号の送信が行われた後、交通信号の受信、又は、受信領域からの車両通信装置3の離脱が行われない限り、応答信号の送信に係る時間間隔の調整と、第2基準回数N2の応答信号の送信とを含む一連の処理が繰り返し実行される。
従って、車両通信装置3の送信部31が(N1+1)回だけ応答信号を送信して、長い送信の停止期間が設けられた後、送信部31が(N2+1)回だけ応答信号を送信する都度、長い送信の停止期間が設けられる。このため、送信部31は、応答信号の継続的な繰り返し送信をより長く行うことができる。
【0080】
また、第1基準回数N1の応答信号の送信と、第2基準回数N2の応答信号の送信とについて、車両通信装置3の送信部31は応答信号を所定周期で送信するので、車両通信装置3を簡単に構成することができる。
【0081】
確立処理では、車両通信装置3の制御部34は、送信部31が応答信号の送信を停止している間、受信部30が路側通信装置2の送信部20から交通信号を受信したか否かと、車両通信装置3が受信領域内に位置しているか否かとを判定する。
【0082】
制御部34は、受信部30が交通信号を受信したと判定した場合、確立処理を終了する。従って、送信部31は、受信部30が交通信号を受信した場合、応答信号の繰り返し送信を終了する。交通信号は第3信号に相当する。
【0083】
制御部34は、前述したように、受信部30が行っている要求信号の受信が途絶えた場合に車両通信装置3が受信領域内に位置していないと判定する。制御部34は、車両通信装置3が受信領域内に位置していないと判定した場合、確立処理を終了する。従って、送信部31は、例えば、車両11が進行方向を変更することによって、受信部30が行っている要求信号の受信が途絶えた場合、応答信号の繰り返し送信を終了する。このため、無駄に応答信号が送信される回数が抑制される。
【0084】
なお、第2基準時間T2が第1基準時間T1よりも長いという条件を満たしている限り、第1基準時間T1及び第2基準時間T2は変動してもよい。また、第1基準回数N1が第2基準回数N2よりも多いという条件を満たしている限り、第2基準回数N2は変動してもよい。更に、第1基準回数N1と第2基準回数N2とは一致していてもよい。
【0085】
開示された本実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1 通信システム
11 車両
2 路側通信装置(第2の通信装置)
3 車両通信装置(通信装置)
30 受信部
31 送信部
34 制御部(計数部、調整部、第2の計数部、第2の調整部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7