(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項7に記載の重合性組成物であって、更なる成分(e5)として、ベンゾフェノンおよびその誘導体、チオキサントンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、およびクマリンおよびその誘導体からなる群から選択される化合物を含む、前記重合性組成物。
請求項4から9までのいずれか1項に記載の重合性組成物であって、成分(a)を、該組成物の全質量に対して、0.01質量%から50質量%までの量で含む、前記重合性組成物。
請求項11に記載のエチレン性不飽和二重結合を含む化合物の重合方法であって、請求項4から10までのいずれか1項に記載の組成物を80℃から260℃までの範囲で加熱するステップを含む、前記方法。
請求項12に記載の方法であって、カラーフィルタ、液晶ディスプレイ(LCD)用のスペーサー、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層、LCDおよび有機発光ダイオード(OLED)用のシーラント、光学フィルム、LCD用の異方性導電性接着剤、LCD、有機発光ダイオードディスプレイ、タッチパネルおよびフレキシブルディスプレイ用の絶縁/不動態化層、OLEDのバンク層/ピクセル定義層、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性膜のための絶縁、タッチパネル用のコーティング、タッチパネル用の装飾インキ、タッチパネル用の保護フィルム、またはタッチパネル用のエッチングレジストを製造するための;プラズマディスプレイパネル、電子発光ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、タッチパネル、フレキシブルディスプレイおよびLCDの製造において構造または層を生成するための;あるいはプリント回路基板のシーケンシャルビルドアップ層においてソルダーマスクまたは誘電体層を製造するための;前記方法。
請求項4から10までのいずれか1項に記載の組成物の使用であって、カラーフィルタを製造するためのレジスト、液晶ディスプレイ(LCD)用のスペーサー、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層、LCDおよび有機発光ダイオード(OLED)用のシーラント、光学フィルム、LCD用の異方性導電性接着剤、LCD、有機発光ダイオードディスプレイ、タッチパネルおよびフレキシブルディスプレイ用の絶縁/不動態化層、OLEDのバンク層/ピクセル定義層、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性膜のための絶縁、タッチパネル用のコーティング、タッチパネル用の装飾インキ、タッチパネル用の保護フィルム、またはタッチパネル用のエッチングレジストとしての;プラズマディスプレイパネル、電子発光ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、タッチパネル、フレキシブルディスプレイおよびLCDの製造方法において構造または層を生成するためのレジストまたは感光性組成物としての;ソルダーレジストとしての;あるいはプリント回路基板のシーケンシャルビルドアップ層において誘電体層を形成するために使用されるフォトレジスト材料としての;前記使用。
赤色、緑色および青色の画素並びに任意に黒色マトリクスであり、それらの全てが感光性樹脂と顔料を含むものを透明基板上に準備し、そして前記基板の表面上かまたはカラーフィルタ層の表面上のいずれかに透明電極を準備することによって製造された、カラーフィルタであって、
前記の感光性樹脂は、多官能性のアクリレートモノマー、有機ポリマーバインダー、光重合開始剤および請求項1で定義される式(I)の少なくとも1種のオキシムスルホネート化合物を含む、前記カラーフィルタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄置換基中にエステル又はアミド官能価を有する新規の硫黄置換されたオキシムスルホネート、ならびにポストベークを必要とする液晶ディスプレイ(LCD)または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ部品、例えばカラーフィルタ(CF)、オーバーコート、フォトスペーサーおよび層間絶縁膜を製造するために使用される前記オキシムスルホネートを含むラジカル重合性組成物に関する。更に本発明は、オキシムスルホネートの、その他の熱硬化性組成物における使用に関する。
【0002】
LCDまたはOLEDディスプレイ用のカラーフィルタに対する要求が高まっている。最近では、LCDまたはOLED用の、ガラス基板上に黒色マトリックスと赤色、緑色および青色のカラーピクセルとを含むカラーフィルタは、放射線光重合性レジストを使用してフォトリソグラフィーによって製造される。フォトリソグラフィー法の後に、約230℃で30分間にわたり熱硬化が行われ、残りのアクリル二重結合が重合されることで、CF/LCDの製造法において必要とされる耐久性を獲得し、かつLCD中に永久塗膜として長期間残存する。
【0003】
LCD用のオーバーコート層を用いて、カラーフィルタの表面が平坦化され、液晶の配向が高められ、そしてカラーフィルタ(CF)から液晶へのイオン溶出が防がれる。カラーフィルタ中の着色塗膜のための基礎材料として、アクリル樹脂および/またはエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂が通常使用される。通常、前記オーバーコートは、例えば約220℃で30分間にわたり加熱するか、またはポストベーク過程の前にフォトリソグラフィーと組み合わせて加熱することによって製造される。該オーバーコート層のためには、熱的安定性、耐光性、接着性、硬度および透明性が必要とされる。
【0004】
LCDパネル中の液晶層のセルギャップを制御するLCD用スペーサーは、感光性組成物を使用したフォトリソグラフィーによって高い位置精度をもって形成される。フォトスペーサーは、放射線重合性のレジストをオーバーコートまたはカラーフィルタ上で使用してフォトリソグラフィーによって製造される。フォトリソグラフィーの後に、熱安定性、機械的強度、接着性、セルギャップ制御可能性および高い変形復元性を獲得するために、フォトスペーサーは220℃で60分間にわたりベークされる。透明なカラムスペーサーは、LCD技術で広く知られているが、透明なスペーサーは、コントラスト比を減らす偏光を妨害する。考えられる解決策の一つは、偏光を散乱させずに吸収するために黒色の着色剤と混ぜることであり、すなわちは黒色のカラムスペーサーとすることである。ブラックカラムスペーサーもLCD技術で使用されている。
【0005】
許容できるカラーフィルタ、オーバーコート層またはスペーサーを提供するにあたり、熱硬化促進剤を含む様々な硬化性組成物が長い硬化時間および/または高い硬化温度を必要とする。熱硬化促進剤の高い硬化反応性は、硬化時間を短縮し、硬化温度を低下させ、そして高い硬度、高い耐溶剤性、強い接着性および低い収縮性のような永久塗膜としての特性を改善する。
【0006】
ペルオキシドまたはアゾ化合物のクラスに属する数多くの有機物質は、低い硬化温度を獲得するために熱硬化促進剤としての用途について知られている。しかしながら、該有機物質を含む組成物は、それらの比較的低い分解温度のため、貯蔵安定性および輸送時の安全性に関してしばしば難点がある。従って、技術的な安定性の要求を満たす熱硬化促進剤が常に求められている。熱硬化促進剤は、低温硬化性組成物の硬化および硬化時間の短縮を可能にすべきである。熱硬化促進剤は、例えばフォトリソグラフィーの前の溶剤を除去するためのプレベーク過程での良好な安定性と、フォトリソグラフィーの後のポストベーク過程での高められた温度での硬化の増強とを示すべきである。
【0007】
特開平10−10718号公報(JP10010718A)は、熱重合開始剤として有機ペルオキシドを含む着色画像形成材料およびフォトリソグラフィー過程の後に、好ましくは100℃〜180℃でポストベーク過程に供することによって良好な耐溶剤性を有するカラーフィルタを製造する方法を開示している。
【0008】
特開2003−330184号公報(JP2003330184A)において、樹脂組成物を比較的低い温度の熱処理に供した後でさえも、高い耐熱性、高い硬度および高い耐溶剤性を有するカラーフィルタを形成することができる着色された感光性樹脂組成物が記載されている。該樹脂は、トリハロメチル基を含むオキサジアゾール構造またはトリアジン構造を有する重合開始剤から構成されている。
【0009】
特開2003−15288号公報(JP2003015288A)は、プラスチック基板上にカラーフィルタを形成するときに、プラスチック基板に変形または黄変をもたらさない程度の低温処理が採用されたとしても、プラスチック基板への十分な付着性を有するカラーフィルタを形成することができる、熱重合開始剤、例えば有機ペルオキシド、ヒドロペルオキシドおよびアゾ化合物を含む放射感受性組成物を開示している。該放射感受性組成物は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、多官能性モノマー(C)、光重合開始剤(D)、および熱重合開始剤(E)を含有する。
【0010】
国際公開第2010/108835号パンフレット(WO2010108835)は、光硬化過程の後に行われる熱硬化(ポストベーク)過程において、より低温で、および/またはより短時間でカラーフィルタを製造するためのラジカル重合性組成物のための熱的ラジカル開始剤としての、ヒドロキシルアミンエステルの使用を開示している。
【0011】
国際公開第2012/101245号パンフレット(WO2012101245)は、ペルオキシドまたはアゾ化合物のような既知の促進剤よりも高い硬化反応性を示すラジカル重合性組成物のための熱硬化促進剤としての特定のオキシムスルホネートを開示している。
【0012】
永久塗膜としての特性は、効率的な熱硬化促進剤の添加によって改善できるが、ポストベーク時の揮発性化学種の減少は、永久塗膜のより低い熱収縮のためと、熱硬化促進剤の揮発性分解断片の堆積による炉および製造されたパネルの汚染を回避するために望ましい。熱硬化促進剤の効率は、分子量が高くなるに伴い低下する傾向があるので、分子量を高めることなく、前記分解断片の揮発性を低下させる必要がある。
【0013】
ここで、驚くべきことに、熱硬化の間の揮発性化学種の生成は、ラジカル重合性組成物のための熱硬化促進剤として使用される硫黄置換されたオキシムスルホネートの硫黄置換基に、エステルまたはアミド官能価を導入することによって硬化効率を失わせることなく大幅に減らすことができることが判明した。
【0014】
従って、本発明の主題は、式(I):
【化1】
[式中、
R
1は、O(CO)R
4、COOR
5またはCONR
6R
7であり、
nは、1または2であり、
R
2は、C
1〜C
8−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
8−アルキル、または中断されていない、もしくは1つ以上のOによって中断されたC
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいは
R
2は、非置換のベンジル、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニルもしくはC
1〜C
6−アルコキシによって置換されたベンジルであり、
R
3は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキルまたはC
2〜C
8−アルケニルであるか、あるいは、
R
3は、ベンジル、フェニルまたはナフチルであり、該ベンジル、フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されており、
R
4は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキルまたはC
2〜C
8−アルケニルであるか、あるいは、
R
4は、ベンジル、フェニルまたはナフチルであり、該ベンジル、フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェノキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されており、
R
5は、C
3〜C
20−アルキル、C
3〜C
14−シクロアルキルまたはC
2〜C
8−アルケニルであるか、あるいは、
R
5は、1つ以上のハロゲン、CN、フェニルスルファニル、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2、N(フェニル)
2、フタルイミド、フェニルまたは置換フェニルによって置換されたC
1〜C
12−アルキルであり、前記置換フェニルは、1つ以上のC
1〜C
12−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2もしくはN(フェニル)
2によって置換されたものであるか、あるいは
R
5は、C
2〜C
12−アルキルまたはC
3〜C
6−シクロアルキルであり、そのそれぞれは、1つ以上のOまたはSによって中断されているか、あるいは、
R
5は、フェニルまたはナフチルであり、該フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されており、
R
6およびR
7は、それぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、C
2〜C
8−アルケニルまたはC
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいは、
R
6およびR
7は、O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルであるか、あるいは、
R
6およびR
7は、O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
2〜C
4−ハロアルキルであるか、あるいは、
R
6およびR
7は、互いに独立して、O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたフェニル−C
1〜C
4−アルキルであるか、あるいは、
R
6およびR
7は、O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
2〜C
8−アルケニルであるか、あるいは、
R
6およびR
7は、O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいは、
R
6およびR
7は、互いに独立して、フェニルまたはナフチルであり、該フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されているか、あるいは、
R
6およびR
7は、それらが結合されるN原子と一緒になって、C
2〜C
5−アルキレンを介して5員または6員の環を形成し、前記C
2〜C
5−アルキレン環は、中断されていないか、または1つ以上のO、S、N(C
1〜C
8−アルキル)、NHまたはCOによって中断されている]の化合物である。
【0015】
C
1〜C
12−アルキルは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばC
1〜C
8−アルキル、C
1〜C
6−アルキルまたはC
1〜C
4−アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシルである。
【0016】
C
1〜C
8−アルキル、C
1〜C
6−アルキルおよびC
1〜C
4−アルキルは、C
1〜C
12−アルキルについて先に示したのと同じ意味を有するが、相応のC原子数までの意味を有する。
【0017】
C
3〜C
20−アルキルは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばC
3〜C
18−アルキル、C
3〜C
14−アルキル、C
3〜C
12−アルキル、C
3〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−アルキルまたはC
3〜C
4−アルキルである。例は、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびイコシルである。
【0018】
1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
8−アルキルは、例えば1〜5箇所で、1〜4箇所で、または3箇所もしくは1箇所もしくは2箇所でOによって中断されている。前記基が1つより多くのOによって中断される場合に、前記O原子は、互いに少なくとも1つのメチレン基によって隔離される、すなわち前記O原子は連続していない。前記中断されたアルキル中のアルキル基は、直鎖状または分枝鎖状である。例は、以下の構造単位−CH
2−O−CH
3、−CH
2CH
2−O−CH
2CH
3、−[CH
2CH
2O]
y−CH
3(式中、yは1〜3である)、−(CH
2CH
2O)
3−CH
2CH
3、−CH
2−CH(CH
3)−O−CH
2−CH
2CH
3もしくは−CH
2−CH(CH
3)−O−CH
2CH
3である。
【0019】
1つ以上のS、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルは、前記の中断されたアルキルと同様に定義されるが、Oの代わりにS、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOに置き換えて定義される。
【0020】
また「混合型」の中断は、C
2〜C
12−アルキルが、1つ以上のOおよび/またはSおよび/またはN(C
1〜C
8−アルキル)および/またはCOによって中断されているという定義によって包含されることを意味する。
【0021】
C
1〜C
8−ハロアルキルおよびC
1〜C
4−ハロアルキルは、ハロゲンによって一置換または多置換された直鎖状または分枝鎖状のC
1〜C
8−アルキルおよびC
1〜C
4−アルキルであり、ここで、ハロゲン原子は、アルキル基の異なるC原子に位置しているか、または1つのC原子に位置している。C
1〜C
8−アルキルおよびC
1〜C
4−アルキルは、例えば前記定義の通りである。前記アルキル基は、例えば全てのH原子がハロゲンによって交換されるまで、一ハロゲン化または多ハロゲン化されている。例は、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチルまたは2−ブロモプロピル、特にトリフルオロメチルまたはトリクロロメチルである。
【0022】
O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
2〜C
4−ハロアルキルは、中断されたアルキルについて先に記載したのと同様に定義される。中断している原子または基は2つの炭素−炭素結合を中断しているが、炭素−ハロゲン結合は中断しないことは明らかである。
【0023】
C
3〜C
14−シクロアルキルは、単環式または多環式の脂肪族環、例えば単環式、二環式または三環式の脂肪族環、例えばC
3〜C
12−、C
3〜C
10−シクロアルキルである。単環式の環の例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシルまたはシクロテトラデシル、特にシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシルおよびシクロテトラデシル、好ましくはシクロヘキシルおよびシクロテトラデシルである。多環式の環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフェナントリル、ペルヒドロナフチル、ペルヒドロフルオレニル、アダマンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、
【化2】
等である。また「スピロ」シクロアルキル化合物、例えばスピロ[5.2]オクチル、スピロ[5.4]デシル、スピロ[5.5]ウンデシルも、本発明の文脈におけるC
3〜C
14−シクロアルキルという定義によって包含されることを意図する。
【0024】
C
3〜C
6−シクロアルキルは、C
3〜C
14−シクロアルキルについて先に示した定義であるが、相応のC原子数までの定義の一つである。
【0025】
O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
3〜C
6−シクロアルキルは、C
3〜C
6−シクロアルキルについて先に示した意味を有し、その際、前記シクロアルキルの少なくとも1つのCH
2基は、O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって交換されている。また「混合型」の中断は、C
2〜C
12−アルキルが、1つ以上のOおよび/またはSおよび/またはN(C
1〜C
8−アルキル)および/またはCOによって中断されているという定義によって包含されることを意味する。例は、
【化3】
等の構造である。
【0026】
C
2〜C
8−アルケニルは、一不飽和もしくは多不飽和であり、直鎖状もしくは分枝鎖状であり、例えばC
2〜C
6−アルケニルまたはC
2〜C
4−アルケニルである。例は、アリル、メタリル、ビニル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、5−ヘキセニルまたは7−オクテニル、特にアリルまたはビニルである。
【0027】
O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたC
2〜C
8−アルケニルは、1箇所以上で、例えば1箇所〜3箇所で、1箇所または2箇所で、C−C単結合の間で定義された原子または基によって中断されている。
【0028】
C
1〜C
6−アルコキシは、直鎖状または分枝鎖状であり、かつ例えばC
1〜C
4−アルコキシである。例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシ、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ、特にメトキシである。
【0029】
C
1〜C
6−アルキルスルファニル(=C
1〜C
6−アルキルチオ)は、C
1〜C
6−アルキルであって、「イル」部に1つのS原子を有する前記C
1〜C
6−アルキルである。C
1〜C
6−アルキルは、相応の炭素原子数に応じてC
1〜C
6−アルキルについて上述したのと同じ意味を有する。C
1〜C
6−アルキルスルファニルは、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばメチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、n−ブチルスルファニル、s−ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、t−ブチルスルファニル等である。
【0030】
フェニル−C
1〜C
4−アルキルは、例えばベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジル、フェニルブチルまたはα,α−ジメチルベンジル、特にベンジルである。
【0031】
O、S、N(C
1〜C
8−アルキル)またはCOによって中断されたフェニル−C
1〜C
4−アルキルは、アルキル鎖中で、または例えばアルキル鎖およびフェニル環の間で、定義された原子または基によって中断されていて、例えば
【化4】
である。
【0032】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特にフッ素、塩素および臭素、好ましくはフッ素および塩素である。
【0033】
置換されたベンジル、フェニルまたはナフチルは、例えば1〜5箇所で、1〜4箇所で、3箇所で、2箇所でまたは1箇所で、定義された基1つ以上によって、特に3箇所で、1箇所で、または2箇所で、特に1箇所で置換されている。
【0034】
R
6およびR
7は、それらが結合されるN原子と一緒になって、中断されていないC
2〜C
5−アルキレン、または1つ以上のO、S、N(C
1〜C
8−アルキル)、NHもしくはCOによって中断されたC
2〜C
5−アルキレンを介して5員または6員の環を形成するのであれば、飽和環、例えばピロリドン、ピラゾリジン、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリン、特に飽和環、例えばピペリジンまたはモルホリン、好ましくはモルホリンが形成される。
【0035】
用語「および/または」または「または/および」は、本願の内容において、定義された選択肢(置換基)のうち1つだけが存在できるのではなく、定義された選択肢(置換基)のいくつかが一緒に、即ち、種々の選択肢(置換基)の混合物も存在できることを表すことを意味する。
【0036】
用語「少なくとも」は、1もしくは1より多く、例えば1もしくは2もしくは3、好ましくは1もしくは2を定義することを意味する。
【0037】
本願明細書および以下の特許請求の範囲にわたり、文脈から他のことが要求されない限りは、用語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」という別形は、示される整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを含むことを意味するが、任意の他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループを除外することを意味しないと理解されるものである。
【0038】
本願の範囲内での用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートならびに相応のメタクリレートを指すものと意図される。
【0039】
本発明の内容において本発明による化合物について上述の好ましいことは、組成物、使用、方法などの請求項である特許請求の範囲の全てのカテゴリーを指すことが意図される。
【0040】
本発明は、本願に開示される化合物、構成、方法工程、基板および材料は幾らか変動してよいので、かかる化合物、構成、方法工程、基板および材料に制限されないと理解されるべきである。また、本願で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけに使用されると理解されるべきであり、本発明の範囲は付属の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ制限されるので制限することを意図するものではない。
【0041】
本願明細書および付属の特許請求の範囲で使用される場合に、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明示的に示さない限り複数の指示対象を含むことに留意せねばならない。
【0042】
何ら定義されていない場合に、本願で使用される任意の用語および科学用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって通常の理解がなされる意味を有するものと意図される。
【0043】
式(I)のオキシムスルホネート化合物は、一般的に、文献に記載の方法または実験部に記載の方法によって製造することができる。例えば、式(I)のオキシムスルホネートは、一般的に、式(IA)の適切な遊離オキシムと、スルホン酸ハロゲン化物(IB)とを反応させることによって製造することができる。
【0044】
【化5】
【0045】
これらの反応は、通常は、溶剤および塩基としてのピリジンの存在下で、または不活性溶剤、例えばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)またはジメチルホルムアミド(DMF)中で塩基、例えば第三級アミン、例えばトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンの存在下で、またはオキシムの塩と所望の酸塩化物との反応によって行われる。これらの方法は、例えば欧州特許出願公開第48615号公報(EP48615)に開示されている。オキシムのナトリウム塩は、例えば対象となるオキシムとナトリウムアルコキシドとをジメチルホルムアミド中で反応させることによって得ることができる。そのような反応は、当業者によく知られており、かつ一般に−30℃〜+50℃、好ましくは−10℃〜20℃の範囲の温度で行われる。
【0046】
従って、本発明の主題は、前記定義の式(I)の化合物の製造方法であって、
式(IA):
【化6】
[式中、n、R
1およびR
2は、前記定義の通りである]の遊離オキシムと、
式(IB):
【化7】
[式中、R
3は、前記定義の通りであり、かつHalはハロゲン、特にClである]のスルホン酸ハロゲン化物とを反応させることによる製造方法である。
【0047】
出発材料として必要とされるオキシムは、例えば文献に記載される様々な方法によって、例えば適切なオキシミドイルハロゲン化物、例えばオキシミドイル塩化物またはオキシミドイル臭化物と、例えばSynlett,937(2001)または欧州特許出願公開第64091号公報(EP64091)に記載されるようにチオールとを反応させることによって得ることができる。これらの反応は、通常、不活性溶剤、例えばトルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチルアセテート、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノールまたは水性メタノール中で、塩基、例えば第三級アミン、例えばトリエチルアミンまたは金属水酸化物、例えばNaOH、LiOHおよびKOHの存在下で行われる。特開昭48−15804号公報(JP1973015804A)は、例えばニトロアルカンとチオールとの非酸性γアルミナの存在下での縮合によってオキシミドチオ誘導体を合成する他の方法を開示している。
【0048】
オキシミドイルハロゲン化物は、例えばグリシンエチルエステル塩酸塩の亜硝酸ナトリウムによるHCl水溶液中でのオキシム化によって、例えばJ.Org.Chem.,48(3),366(1983)に記載されるようにして得ることができる。
【0049】
オキシミドイル塩化物のもう一つの合成法は、2−クロロアセトアセテートの亜硝酸ナトリウムおよび酸、例えばHClまたはH
2SO
4によるアルコール中でのオキシム化であり、それは、例えば国際公開第2012/101245号パンフレット(WO2012101245)に記載されている。
【0050】
Organic Syntheses,Coll.Vol.3,p.191(1955)には、HClの存在下で亜硝酸n−ブチルを使用して塩化フェナシルからクロロイソニトロソアセトフェノンを製造することが開示されている。
【0051】
nは、例えば1または2、特に2である。
【0052】
R
1は、O(CO)R
4、COOR
5またはCONR
6R
7である。あるいは、R
1は、例えばO(CO)R
4またはCONR
6R
7である。あるいは、R
1は、例えばCOOR
5またはCONR
6R
7である。あるいは、R
1は、例えばO(CO)R
4またはCOOR
5、特にO(CO)R
4である。
【0053】
R
2は、C
1〜C
8−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
8−アルキル、または1つ以上のOによって中断されていない、もしくは中断されたC
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいはR
2は、1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニルもしくはC
1〜C
6−アルコキシによって置換されたベンジルである。あるいは、R
2は、C
1〜C
8−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
8−アルキル、またはC
3〜C
6−シクロアルキル、非置換のベンジル、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたベンジルである。あるいは、R
2は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、非置換のベンジル、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたベンジルである。あるいは、R
2は、C
1〜C
8−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
8−アルキル、非置換のベンジル、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたベンジルである。あるいは、R
2は、C
1〜C
8−アルキル、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
8−アルキル、またはベンジルである。あるいは、R
2は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、またはベンジルである。特に、R
2は、C
1〜C
8−アルキルまたはベンジルである。
【0054】
R
3は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキル、C
2〜C
8−アルケニル、ベンジル、フェニルまたはナフチルであり、該ベンジル、フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されている。
【0055】
あるいは、R
3は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されている。あるいは、R
3は、C
1〜C
8−アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシまたはフェニルによって置換されている。あるいは、R
3は、C
1〜C
8−アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルもしくはC
1〜C
4−ハロアルキルによって置換されている。あるいは、R
3は、C
1〜C
8−アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されている。好ましくは、R
3は、ベンジル、フェニルまたは置換されたフェニルであり、前記置換されたフェニルは、C
1〜C
6−アルキル、特にメチルによって置換されている。
【0056】
R
4は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキル、C
2〜C
8−アルケニル、ベンジル、フェニルまたはナフチルであり、該ベンジル、フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェノキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されている。あるいは、R
4は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されている。あるいは、R
4は、C
1〜C
8−アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシもしくはフェニルによって置換されている。あるいは、R
4は、C
1〜C
8−アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルもしくはC
1〜C
4−ハロアルキルによって置換されている。あるいは、R
4は、C
1〜C
8−アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されている。好ましくは、R
4は、ベンジル、フェニルまたは置換フェニルであり、前記置換フェニルは、C
1〜C
6−アルキル、特にメチルによって置換されたものである。
【0057】
R
5は、C
3〜C
20−アルキル、C
3〜C
14−シクロアルキル、C
2〜C
8−アルケニル、1つ以上の、ハロゲン、CN、フェニルスルファニル、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2、N(フェニル)
2、フタルイミド、フェニルおよび置換フェニルからなる群から選択される基によって置換されたC
1〜C
12−アルキルであり、前記置換フェニルは、1つ以上のC
1〜C
12−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2またはN(フェニル)
2によって置換されたものである。あるいは、R
5は、C
2〜C
12−アルキルまたはC
3〜C
6−シクロアルキルであり、そのそれぞれは、1つ以上のOもしくはSによって中断されているか、あるいはR
5は、フェニルまたはナフチルであり、該フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されている。あるいは、R
5は、例えばC
3〜C
20−アルキル、C
3〜C
14−シクロアルキル、1つ以上の、ハロゲン、CN、フェニルスルファニル、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2、N(フェニル)
2、フタルイミドおよびフェニルからなる群から選択される基によって置換されたC
1〜C
12−アルキルである。あるいは、R
5は、1つ以上のOまたはSによって中断されたC
2〜C
12−アルキルである。あるいは、R
5は、フェニルである。あるいは、R
5は、C
3〜C
18−アルキル、C
3〜C
12−シクロアルキル、フェニル、1つ以上のフェノキシ、フタルイミドまたはフェニルによって置換されたC
1〜C
12−アルキルであるか、あるいはR
5は、1つ以上のOもしくはSによって中断されたC
2〜C
12−アルキルである。あるいは、R
5は、C
3〜C
18−アルキル、C
3〜C
12−シクロアルキル、フェニル、1つ以上のフェノキシ、フタルイミドまたはフェニルによって置換されたC
1〜C
12−アルキルであるか、あるいはR
5は、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルである。好ましくは、R
5は、C
3〜C
18−アルキル、C
3〜C
12−シクロアルキル、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルであるか、あるいはR
5は、フェニル、フェノキシもしくはフタルイミドによって置換されたC
1〜C
6−アルキルである。
【0058】
R
6およびR
7は、例えば、それぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、C
2〜C
8−アルケニルまたはC
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいはR
6およびR
7は、互いに独立して、フェニルまたはナフチルであり、該フェニルまたはナフチルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、ハロゲン、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキルスルファニル、C
1〜C
6−アルコキシ、フェニルもしくはCOO(C
1〜C
6−アルキル)によって置換されているか、あるいは、R
6およびR
7は、それらが結合されるN原子と一緒になって、C
2〜C
5−アルキレンを介して5員または6員の環を形成し、前記C
2〜C
5−アルキレン環は、中断されていないか、または1つ以上のO、S、N(C
1〜C
8−アルキル)、NHまたはCOによって中断されている。あるいは、R
6およびR
7は、例えば、それぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、C
2〜C
8−アルケニルまたはC
3〜C
6−シクロアルキルである。あるいは、R
6およびR
7は、互いに独立して、フェニルであり、該フェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されているか、あるいは、R
6およびR
7は、それらが結合されるN原子と一緒になって、C
2〜C
5−アルキレンを介して5員または6員の環を形成し、前記C
2〜C
5−アルキレン環は、中断されていないか、または1つ以上のOによって中断されている。あるいは、R
6およびR
7は、例えばそれぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキルまたは非置換もしくは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルであるか、あるいはR
6およびR
7は、それらが結合されるN原子と一緒になって、モルホリノ環を形成する。あるいは、R
6およびR
7は、例えばそれぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキルまたは非置換もしくは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルである。あるいは、R
6およびR
7は、例えばそれぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキルまたはフェニルである。好ましくは、R
6およびR
7は、水素またはフェニルである。
【0059】
前記定義の式(I)で示され、その式中、
R
1は、O(CO)R
4、COOR
5またはCONR
6R
7であり、
nは、1または2であり、
R
2は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、非置換のベンジル、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたベンジルであり、
R
3は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキルまたはC
2〜C
8−アルケニルであるか、あるいは、R
3は、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されており、
R
4は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
1〜C
8−ハロアルキルまたはC
2〜C
8−アルケニルであるか、あるいは、R
4は、ベンジルまたはフェニルであり、該ベンジルまたはフェニルは、非置換であるか、または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されており、
R
5は、C
3〜C
18−アルキル、C
3〜C
12−シクロアルキルであるか、あるいは、R
5は、1つ以上のフェニルスルファニル、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2、N(フェニル)
2、フタルイミド、フェニルまたは置換フェニルによって置換されたC
1〜C
6−アルキルであり、前記置換フェニルは、1つ以上のC
1〜C
12−アルキルによって置換されたものであるか、あるいは、R
5は、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルであるか、あるいは、R
5は、フェニルであり、
R
6およびR
7は、それぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいは、R
6およびR
7は、互いに独立して、非置換または1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルである
化合物が好ましい。
【0060】
更に関心が持たれるのは、前記定義の式(I)で示され、その式中、
R
1は、O(CO)R
4、COOR
5またはCONR
6R
7であり、
nは、1または2であり、
R
2は、C
1〜C
8−アルキルまたは非置換のベンジル、もしくは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたベンジルであり、
R
3は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、ベンジル、または非置換のフェニルもしくは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルであり、
R
4は、C
1〜C
8−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、ベンジル、または非置換のフェニルもしくは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルであり、
R
5は、C
3〜C
18−アルキル、C
3〜C
12−シクロアルキルであるか、あるいは、R
5は、1つ以上のフェニルスルファニル、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2、N(フェニル)
2、フタルイミド、フェニルまたは置換フェニルによって置換されたC
1〜C
6−アルキルであり、前記置換フェニルは、1つ以上のC
1〜C
12−アルキルによって置換されたものであるか、あるいは、R
5は、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルであり、
R
6およびR
7は、それぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
12−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキルであるか、あるいは、R
6およびR
7は、互いに独立して、フェニルである
化合物である。
【0061】
関心が持たれるのは、前記の式(I)で示され、その式中、
R
1は、O(CO)R
4、COOR
5またはCONR
6R
7であり、
nは、1または2であり、
R
2は、C
1〜C
4−アルキルまたはベンジルであり、
R
3は、ベンジル、フェニルまたは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルであり、
R
4は、ベンジル、フェニルまたは1つ以上のC
1〜C
6−アルキルによって置換されたフェニルであり、
R
5は、C
3〜C
18−アルキルまたはC
3〜C
12−シクロアルキルであるか、あるいは、R
5は、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルであるか、あるいは、R
5は、フェニルスルファニル、フェノキシ、N(C
1〜C
6−アルキル)
2、N(フェニル)
2、フタルイミド、フェニルまたは置換フェニルによって置換されたC
1〜C
6−アルキルであり、前記置換フェニルは、1つ以上のC
1〜C
12−アルキルによって置換されたものであり、
R
6およびR
7は、それぞれ互いに独立して、水素、C
1〜C
6−アルキルまたはフェニルであるか、あるいはそれらが結合されるN原子と一緒になって、モルホリノ環を形成する
化合物である。
【0062】
前記の式(I)で示され、その式中、
R
1は、O(CO)R
4、COOR
5またはCONR
6R
7であり、
nは、1または2であり、
R
2は、メチル、エチルまたはベンジルであり、
R
3は、ベンジル、フェニルまたは置換フェニルであり、前記置換フェニルは、C
1〜C
6−アルキル、特にメチルによって置換されたものであり、
R
4は、ベンジル、フェニルまたは置換フェニルであり、前記置換フェニルは、1つ以上のC
1〜C
6−アルキル、特に1つ以上のメチルによって置換されたものであり、
R
5は、C
3〜C
18−アルキルまたはC
3〜C
12−シクロアルキルであるか、あるいは、R
5は、1つ以上のOによって中断されたC
2〜C
12−アルキルであるか、あるいは、R
5は、フェニル、フェノキシまたはフタルイミドによって置換されたC
1〜C
6−アルキルであり、
R
6およびR
7は、それぞれ互いに独立して、水素またはフェニルである
化合物に強調がなされる必要がある。特に関心が持たれるのは、以下の例に示される化合物OS1〜OS18である。
【0063】
前記定義の式(I)の化合物は、原則的に、全ての種類のエチレン性不飽和化合物を重合するために使用することができる。特に、式(I)の化合物は、熱的ラジカル開始剤として使用することができる。従って、本発明の主題は、
(a)少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー化合物、オリゴマー化合物またはポリマー化合物、および
(b)前記定義の式(I)の少なくとも1種のオキシムスルホネート化合物、
を含む重合性組成物である。
【0064】
適切なエチレン性不飽和化合物(a)は、フリーラジカル重合の方法を使用して自体公知の様式で重合されうるモノマーまたはオリゴマーである。
【0065】
本願の範囲内での用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートならびに相応のメタクリレートを指すものと意図される。
【0066】
好ましくは、化合物(a)は、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸とC
1〜C
20−アルカノールとのエステル、ビニル芳香族化合物、ビニルアルコールとC
1〜C
30−モノカルボン酸とのエステル、エチレン性不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、ビニリデンハロゲン化物、モノエチレン性不飽和カルボン酸およびスルホン酸、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸とC
2〜C
30−アルカンジオールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸と第一級または第二級アミノ基を有するC
2〜C
30−アミノアルコールとのアミド、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸の第一級アミドならびにそれらのN−アルキル誘導体およびN,N−ジアルキル誘導体、N−ビニルラクタム、開鎖型のN−ビニルアミド化合物、アリルアルコールとC
1〜C
30−モノカルボン酸とのエステル、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸とアミノアルコールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸と少なくとも1つの第一級もしくは第二級アミノ基を有するジアミンとのアミド、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキルアミン、ビニル置換およびアリル置換の窒素複素環式化合物、ビニルエーテル、C
2〜C
8−モノオレフィン、少なくとも2つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ヘテロシクリル−(C
2〜C
4−アルキル)(メタ)アクリレート、シリル基を有する(メタ)アクリレートならびにそれらの混合物から選択される。
【0067】
適切なエチレン性不飽和カルボン酸およびスルホン酸またはそれらの誘導体は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、フマル酸、モノエチレン性不飽和の4〜10個の、好ましくは4〜6個のC原子を有するジカルボン酸のモノエステル、例えばモノメチルマレエート、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
【0068】
エチレン性不飽和のカルボン酸およびスルホン酸の適切な誘導体は、それらの塩である。アクリル酸またはメタクリル酸の適切な塩は、例えば(C
1〜C
4−アルキル)
4アンモニウムまたは(C
1〜C
4−アルキル)
3NH塩、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウムもしくはトリエチルアンモニウム塩、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムもしくはトリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムもしくはジエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩である。
【0069】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸とC
1〜C
20−アルカノールとの適切なエステルは、メチル(メタ)アクリレート、メチルエタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルエタクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルエタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セロチニル(メタ)アクリレート、メリシニル(メタ)アクリレート、パルミトレイル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノリル(メタ)アクリレート、リノレニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物である。
【0070】
好ましいビニル芳香族化合物は、スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−(n−ブチル)スチレン、4−(n−ブチル)スチレン、4−(n−デシル)スチレンであり、特に好ましくはスチレンである。
【0071】
ビニルアルコールとC
1〜C
30−モノカルボン酸との適切なエステルは、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステルおよびそれらの混合物である。
【0072】
適切なエチレン性不飽和ニトリルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびそれらの混合物である。
【0073】
適切なビニルハロゲン化物およびビニリデンハロゲン化物は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンおよびそれらの混合物である。
【0074】
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸とC
2〜C
30−アルカンジオールとの適切なエステルは、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルエタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリレート等である。
【0075】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸の適切な第一級アミドならびにそれらのN−アルキル誘導体およびN,N−ジアルキル誘導体は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ノニル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−デシル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミド等である。
【0076】
適切なN−ビニルラクタムおよびそれらの誘導体は、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム等である。
【0077】
適切な開鎖型のN−ビニルアミド化合物は、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルブチルアミド等である。
【0078】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸とアミノアルコールとの適切なエステルは、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびN,N−ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0079】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸と、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を有するジアミンとの適切なアミドは、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミド等である。
【0080】
適切なモノマー(a)は、更にN,N−ジアリルアミンおよびN,N−ジアリル−N−アルキルアミンならびにそれらの酸付加塩および第四級生成物である。ここでアルキルは、C
1〜C
24−アルキルが好ましい。N,N−ジアリル−N−メチルアミンおよびN,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウム化合物、例えば塩化物および臭化物が好ましい。
【0081】
更なる適切なモノマー(a)は、ビニル置換およびアリル置換の窒素複素環式化合物、例えばN−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾールならびにビニル置換およびアリル置換の複素芳香族化合物、例えば2−および4−ビニルピリジン、2−および4−アリルピリジンならびにそれらの塩である。
【0082】
適切なC
2〜C
8−モノオレフィンおよび少なくとも2つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素は、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、イソプレン、ブタジエン等である。
【0083】
シリル基を有する(メタ)アクリレートの例は、シリルオキシ−C
2〜C
4−(メタ)アルキルアクリレート、例えば2−トリメチルシリルオキシエチルアクリレートまたはメタクリレート(TMS−HEA、TMS−HEMA)である。(C
1〜C
4−アルキル)
3−シリル−C
2〜C
4−アルキル(メタ)アクリレートの例は、2−トリメチルシリルエチルアクリレートまたはメタクリレートおよび3−トリメチルシリル−n−プロピルアクリレートまたはメタクリレートである。
【0084】
特に化合物(a)は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体、スチレン、酢酸ビニル、ビニルハロゲン化物およびビニリデンハロゲン化物、アクロレイン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アルケン、共役ジエンならびにそれらの混合物から選択される。
【0085】
ヘテロシクリル−(C
2〜C
4−アルキル)(メタ)アクリレートの例は、2−(N−モルホリニル、2−ピリジル、1−イミダゾリル、2−オキソ−1−ピロリジニル、4−メチルピペリジン−1−イルまたは2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアクリレートまたはメタクリレートである。
【0086】
適切なポリエーテル(メタ)アクリレート(a)は、一般式(A):
【化8】
[式中、アルキレンオキシド単位の配列は任意であり、
kおよびlは、互いに独立して、0から100までの整数であり、kおよびlの和は、少なくとも3であり、
Raは、水素、C
1〜C
30−アルキル、C
5〜C
8−シクロアルキルまたはC
6〜C
14−アリールであり、
Rbは、水素またはC
1〜C
8−アルキルであり、
Yは、OまたはNR
cであり、ここで、
R
cは、水素、C
1〜C
30−アルキルまたはC
5〜C
8−シクロアルキルである]の化合物である。
【0087】
好ましくは、kは、3から50までの整数、より具体的には4から25までの整数である。好ましくは、lは、3から50までの整数、より具体的には4から25までの整数である。
【0088】
好ましくは、式(A)中のRaは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ラウリル、パルミチルまたはステアリルである。
【0089】
好ましくは、Rbは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルであり、より具体的には水素、メチルまたはエチルである。Rbが水素またはメチルであることが特に好ましい。
【0090】
式(A)中のYがOであることが好ましい。
【0091】
本発明による重合性組成物は、好ましくは、該組成物の全質量に対して、0.01質量%から50質量%までの、より好ましくは0.1質量%から40質量%までの、特に0.5質量%から30質量%までの量で成分(a)を含む。
【0092】
本発明による組成物は、好ましくは更なる成分として少なくとも1種の光開始剤(c)を含む。
【0093】
本発明による組成物は、好ましくは更なる成分として少なくとも1種のバインダーポリマー(d)を含む。
【0094】
本発明による組成物は、好ましくは、
(e1)顔料、
(e2)染料、
(e3)充填剤、
(e4)分散剤、
(e5)増感剤、
(e6)式(I)の化合物およびバインダーポリマー(d)とは異なる熱硬化性化合物、
ならびにそれらの混合物
から選択される少なくとも1種の更なる成分(e)を含む。
【0095】
本発明による組成物は、好ましくは、溶剤、強化材料、流動調節助剤、紫外線安定剤、熱安定剤、耐候性改善剤、レオロジー調節剤、防炎剤、酸化防止剤、変色防止剤、殺生物剤、帯電防止剤、可塑剤、滑沢剤、スリップ添加剤、湿潤剤、被膜形成助剤、接着促進剤、防食剤、凍結防止剤、抑泡剤、離型剤等およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤(f)を含む。
【0096】
適切な光開始剤(c)は、以下にアルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して以下に記載される。この開示は、本発明の全ての重合性組成物について援用される。
【0097】
光開始剤(c)は、好ましくは、本発明による重合性組成物の全質量に対して、0.001質量%から15質量%までの、より好ましくは0.01質量%から10質量%までの量で使用される。
【0098】
適切なバインダーポリマー(d)は、例えば物理乾燥性ポリマー組成物、自己架橋性ポリマー組成物、紫外線硬化性ポリマー組成物、熱硬化性ポリマー組成物、架橋剤の添加により架橋可能なポリマー組成物(2成分形分散液)またはデュアルキュア系である。適切な熱硬化性ポリマー組成物は、以下に成分(e6)として記載される。
【0099】
好ましい一実施形態においては、バインダーポリマー成分(d)は、少なくとも1種のアルカリ現像性樹脂を含む。適切なアルカリ現像性樹脂(d)は、以下で詳細に記載される。
【0100】
バインダーポリマー(d)は、好ましくは、本発明による重合性組成物の全質量に対して、0.5質量%から98質量%までの、より好ましくは1質量%から95質量%までの、特に2質量%から90質量%までの量で使用される。
【0101】
適切な着色剤、すなわち顔料(e1)および染料(e2)は、以下にアルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して以下に記載される。この開示は、本発明の全ての重合性組成物について援用される。
【0102】
好適な充填剤(e3)は、有機および無機の充填剤である。例は、アルミノケイ酸塩、例えば長石、ケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、マイカ、マグネサイト、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、カルサイトもしくはチョークの形態のもの、例えば炭酸マグネシウム、ドロマイト、アルカリ土類金属硫酸塩、例えば硫酸カルシウム、二酸化ケイ素等である。好適な有機充填剤は、例えばテキスタイル繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維または木粉である。コーティング材料においては、当然微細な充填剤が好ましい。充填剤は、個々の成分として使用できる。実際には、充填剤の混合物は、特に好適であると判明している。例は、炭酸カルシウム/カオリン、炭酸カルシウム/タルクである。更なる詳細については、Roempp−Lexikon,Lacke und Druckfarben,Georg Thieme出版,1998,第250頁以降,「fillers」を参照のこと。
【0103】
充填剤(e3)は、本発明による重合性組成物の全質量に対して、好ましくは0質量%から95質量%までの、より好ましくは0.5質量%から90質量%までの、特に1質量%から80質量%までの、殊に4質量%から75質量%までの量で使用される。
【0104】
本明細書で使用される用語の分散剤(=成分e4)は、広義に理解される。分散剤は、分散剤(ポリマー型分散剤)、界面活性剤、テクスチャー向上剤等である。適切な分散剤(e4)は、以下にアルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して以下に記載される。この開示は、本発明の全ての重合性組成物について援用される。
【0105】
本発明の重合性組成物が少なくとも1種の分散剤(e4)を含む場合に、該分散剤を、該重合性組成物の全質量に対して0.01質量%から50質量%までの、好ましくは0.1質量%から30質量%までの量で使用することが好ましい。
【0106】
適切な(光)増感剤(e5)は、以下にアルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して以下に記載される。この開示は、本発明の全ての重合性組成物について援用される。
【0107】
増感剤(e5)は、好ましくは、本発明による重合性組成物の全質量に対して、0.001質量%から15質量%までの、より好ましくは0.01質量%から10質量%までの量で使用される。
【0108】
適切な熱硬化性化合物(e6)は、エポキシ基、オキセタン基およびビニルエーテル基から選択される少なくとも1つの基を有する。
【0109】
適切な化合物(e6)は、
− 含酸素または含硫黄の飽和複素環を含む化合物、
− カチオン性機構によって重合可能なエチレン性不飽和化合物、
− 熱硬化性官能基を有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂またはポリエステル樹脂のプレポリマー、
− 熱硬化性化合物と、異なる機構、例えばフリーラジカルまたは紫外線照射によって重合可能な化合物との混合物、
− それらの混合物
である。
【0110】
含酸素または含硫黄の飽和複素環を含む化合物(e6)は、好ましくは、3、4、5または6個の環員を有する少なくとも1つの複素環を含む。
【0111】
含酸素または含硫黄の飽和複素環を含む好ましい化合物(e6)は、少なくとも1つのエポキシ基、オキセタン、オキソラン、環状アセタール、環状ラクトン、チイラン、チエタンおよびそれらの混合物を含む化合物から選択される。
【0112】
1つのエポキシ基を含む適切な化合物(e6)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等である。
【0113】
本発明の好ましい一実施形態においては、化合物(e6)は、エポキシ樹脂から選択される。本発明の硬化性組成物の記載において利用される用語「エポキシ樹脂」は、広義で理解され、その用語には、複数の(2、3、4、5、6または6より多くの)エポキシ基を含む任意のモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーのエポキシ材料が含まれる。また該用語「エポキシ樹脂」は、2つ以上のエポキシ基を含むプレポリマーであって、そのエポキシ基(オキシラン環)の一部が開環してヒドロキシル基となっていてもよいプレポリマーを含む。またその用語は、部分硬化エポキシ樹脂、すなわち適切な硬化剤によって架橋されたエポキシ樹脂を特定するものでもある。成分(a)が部分硬化エポキシ樹脂であれば、それは、カチオン重合を進めることがなおも可能な熱硬化性エポキシ基を依然として含んでいる。また用語「エポキシ樹脂」は、変性エポキシ樹脂、例えばカルボン酸またはアルコールとの反応によって得ることができるエステル化またはエーテル化されたエポキシ樹脂も包含する。更に、本発明による組成物中で使用される変性エポキシ樹脂は、カチオン重合を進めることがなおも可能な熱硬化性エポキシ基を依然として含んでいる。用語「エポキシ樹脂」の完全な定義は、例えばウルマンの工業化学事典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)、第5版、CD−ROM版、1997、Wiley−VCHの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」のセクションに記載されている。
【0114】
殆どの市販のエポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンを、少なくとも2つの反応性水素原子を有する化合物、例えばポリフェノール、モノアミンおよびジアミン、アミノフェノール、複素環式イミドおよびアミド、脂肪族ジオールもしくはポリオールまたは二量体脂肪酸へとカップリングさせることによって製造される。エピクロロヒドリンから得られるエポキシ樹脂は、グリシジル系樹脂と呼ばれる。
【0115】
現時点で市販されている殆どのエポキシ樹脂は、ビスフェノールAのグリシジルエーテル(DGEBA樹脂)から得られ、一般式
【化9】
[式中、nは、0〜約40を表す]を有する。
【0116】
他の重要なエポキシ樹脂は、フェノール系およびクレゾール系のエポキシノボラックであり、その例は、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルから得られるエポキシ樹脂である。ノボラックは、ホルムアルデヒドおよびフェノールまたはクレゾールの酸触媒による縮合によって製造される。ノボラックのエポキシ化により、エポキシノボラックが得られる。
【0117】
他のクラスのグリシジル系エポキシ樹脂は、脂肪族ジオール、例えばブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ペンタエリトリトールまたは水素化ビスフェノールAのグリシジルエーテル、芳香族グリシジルアミン、例えばp−アミノフェノールのトリグリシジル付加物またはメチレンジアニリドのテトラグリシジルアミン、複素環式のグリシジルイミドおよびアミド、例えばトリグリシジルイソシアヌレート、ならびにグリシジルエステル、例えば二量体リノレン酸のジグリシジルエステルから得られる。
【0118】
またエポキシ樹脂(e6)は、他のエポキシド(非グリシジルエーテルエポキシ樹脂)から得ることもできる。例は、脂環式ジエンのジエポキシド、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよび4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンである。
【0119】
適切なオキセタン(e6)は、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジ(クロロメチル)オキセタン等である。
【0120】
適切なオキソラン(e6)は、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等である。
【0121】
適切な環状アセタール(e6)は、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサシクロオクタン等である。
【0122】
適切な環状ラクトン(e6)は、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトンおよびε−カプロラクトンのアルキル誘導体等である。
【0123】
適切なチイラン(e6)は、エチレンスルフィド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロロヒドリン等である。
【0124】
適切なチエタン(e6)は、1,3−プロピレンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等である。
【0125】
熱硬化性化合物(e6)は、熱硬化促進剤によって硬化させることができる。適切な熱硬化促進剤は、当業者によってバインダー中の反応性官能基の性質によって選択することができる。好適な熱硬化促進剤触媒は、例えば、有機酸もしくは無機酸のスルホニウム塩およびホスホニウム塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体、第四級アンモニウム化合物ならびにアミンである。熱硬化促進剤は、所望であれば、好ましくは、本発明による重合性組成物の全質量に対して、0.001質量%〜約10質量%の量で使用される。
【0126】
上述の式(I)の化合物は、ラジカル重合性組成物のための熱硬化促進剤として特に有利であることが判明した。具体的な一実施形態においては、前記化合物は、様々なディスプレイ用途のための、そしてイメージセンサ、例えば電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のためのカラーフィルタの製造のためのレジスト配合物中で使用される。更に本発明による重合性組成物は、液晶ディスプレイパネルにおける液晶部のセル間隔を制御するスペーサー、例えば透明カラムスペーサーおよびブラックカラムスペーサーの製造のために使用できる。また本発明による重合性組成物は、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層として、LCDおよびOLED用のシーラントとして、LCD、OLED、タッチパネルおよびフレキシブルディスプレイ用の絶縁/不動態化層として、OLEDのバンク層/ピクセル定義層として、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性膜のための絶縁として、タッチパネル用のコーティング、例えば防指紋、ハードコートおよび光学コートとして、タッチパネル用の装飾インキとして、タッチパネル用の保護フィルムとして、タッチパネル用のエッチングレジストとして、プラズマディスプレイ、電子発光ディスプレイおよびLCDの製造方法において構造または層を生成するためのレジストまたは感光性組成物として、ソルダーレジストとして、かつプリント回路基板のシーケンシャルビルドアップ層における誘電体層の形成のために使用されるフォトレジスト材料として適している。式(I)の化合物の使用は、驚くべきことに、これらの化合物(I)を欠いた相応の組成物と比べて、かつ先行技術から公知の他の熱硬化促進剤(TCP)を含む相応の組成物と比べて、より低温および/またはより短時間で、光硬化過程の後に行われる熱硬化(ポストベーク)過程において十分に高いC=C転化をもたらす。
【0127】
具体的な一実施形態によれば、本発明による重合性組成物は、アルカリ現像性樹脂から選択される少なくとも1種のバインダーポリマー(d)を含む。アルカリ現像性樹脂は、樹脂に良好なアルカリ可溶性をもたらす官能基を含む。該アルカリ現像性樹脂は、現像ステップを含み、未硬化の樹脂がアルカリ現像剤溶液中に溶解されるあらゆる種類の用途に適している。
【0128】
このように、本発明は、
(a)少なくとも1種のアクリレートモノマー、
(b)前記定義の式(I)の少なくとも1種のオキシムスルホネート化合物、
(c)少なくとも1種の光開始剤、および
(d)少なくとも1種のアルカリ現像性樹脂
を含む重合性組成物に関する。
【0129】
アクリレートモノマー(a)
本発明による重合性組成物は、好ましくは前記成分(a)を、該重合性組成物の全固体含量(すなわち溶剤を含まない全ての成分の量)に対して、約2質量%から80質量%までの、より好ましくは約5質量%から70質量%までの量で含む。
【0130】
アクリレートモノマー(a)は、好ましくは1つ以上の(例えば1、2、3または4つの)アクリロイル部および/またはメタクリロイル部を含む化合物から選択される。
【0131】
また用語「アクリレートモノマー」は、好ましくは1つ以上の(例えば1、2、3または4つの)アクリロイル部および/またはメタクリロイル部を含むアクリレートオリゴマーも含む。
【0132】
二重結合を含む化合物(a)の例は、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたはアミノアルキル(メタ)アクリレートである。好ましい化合物(a)は、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物である。
【0133】
化合物(a)の他の例は、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、窒素置換された(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、ハロスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびそれらの混合物である。
【0134】
適切な窒素置換された(メタ)アクリルアミドは、例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリンおよびそれらの混合物である。適切なビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびそれらの混合物である。適切なビニルエーテルは、イソブチルビニルエーテルである。
【0135】
比較的高い分子量の多不飽和化合物(a)(オリゴマー)の例は、エチレン性不飽和カルボキシレート基を含むポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルおよびポリアミドである。特に適した例は、エチレン性不飽和カルボン酸とポリオールおよび/またはポリエポキシドとのエステルである。
【0136】
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シンナミン酸および不飽和脂肪酸、例えばリノレン酸もしくはオレイン酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0137】
好適なポリオールは、芳香族の、特に脂肪族および脂環式のポリオールである。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ノボラックおよびレゾールである。脂肪族ポリオールおよび脂環式ポリオールの例は、好ましくは2〜12個のC原子を有するアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−もしくは1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200から1500までの分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリエタノールアミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールモノオキサレート、ジペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールとエチレングリコールもしくはプロピレングリコールとのエーテル、ジペンタエリトリトールとエチレングリコールもしくはプロピレングリコールとのエーテル、ソルビトール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンおよび9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンである。
【0138】
更なる適切なポリオールは、ポリマー鎖中または側鎖中にヒドロキシル基を含むポリマーおよびコポリマーであり、その例は、ビニルアルコールを含むか、またはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むホモポリマーまたはコポリマーである。更なる適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するエステルおよびウレタンである。
【0139】
前記ポリオールは、部分的にもしくは完全に、1つの不飽和カルボン酸で、または種々の不飽和カルボン酸でエステル化されていてよい。部分エステルにおいて、遊離のヒドロキシル基は変性されていてよい、例えばエーテル化または他のカルボン酸でエステル化されていてよい。
【0140】
ポリオールを基礎とするエステルの例は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートモノオキサレート、ジペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートモノ(2−ヒドロキシエチル)エーテル、トリペンタエリトリトールオクタ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、オリゴエステルの(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートおよびトリ(メタ)アクリレート、分子量200〜1500を有するポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリトリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエートまたはそれらの混合物である。他の例は、以下の式(XII)および(XIII):
【化10】
[式中、
M
1は、−(CH
2CH
2O)−または−[CH
2CH(CH
3)O]−であり、
R
100は、−COCH=CH
2または−COC(CH
3)=CH
2であり、
それぞれのpは、独立して0〜6であり、
全ての変数pの合計は、3〜24であり、
それぞれのqは、独立して、0〜6であり、かつ
全ての変数qの合計は、2〜16である]で示されるペンタエリトリトール誘導体およびジペンタエリトリトール誘導体である。
【0141】
ポリエポキシドの例は、上述のポリオールを基礎とするものおよびエピクロロヒドリンである。典型的な例は、ビス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、グリセロールジグリシジルエーテルおよびフェノールのグリシジルエーテルおよびクレゾールノボラック類である。
【0142】
ポリエポキシドを基礎とする典型的な例は、2,2−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシ}フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシエトキシ}フェニル]プロパン、9,9−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシ}フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシエトキシ}フェニル]フルオレン、グリセロール 1,3−ジグリセロレートジアクリレートおよびノボラックを基礎とするエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物である。
【0143】
好ましい多官能性の(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む。
【0144】
特に好ましいアクリレートモノマー(a)は、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(DPHA)である。更に特に好ましいアクリレートモノマー(a)は、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(DPPA)である。
【0145】
ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(DPHA)
【化11】
【0146】
ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(DPPA)
【化12】
【0147】
2つのアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販の化合物(a)の例は、Aronix(登録商標)M−210、Aronix(登録商標)M−240、Aronix(登録商標)M−6200(東亞合成株式会社)、KAYARAD HDDA、KAYARAD HX−220、KAYARAD HX−620、KAYARAD R−526、KAYARAD UX−2201、KAYARAD MU−2100(日本化薬株式会社)、VISCOAT−260、VISCOAT−355HP(大阪有機化学工業株式会社)である。
【0148】
3つ以上のアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販の化合物(a)の例は、Aronix(登録商標)M−309、Aronix(登録商標)M−400、Aronix(登録商標)M−1310、Aronix(登録商標)M−1960、Aronix(登録商標)M−7100、Aronix(登録商標)M−8530、Aronix(登録商標)TO−1450(東亞合成株式会社)、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD MAX−3510(日本化薬株式会社)、VISCOAT−295、VISCOAT−300、VISCOAT−GPT、VISCOAT−3PA、VISCOAT−400(大阪有機工業株式会社)である。
【0149】
2つ以上のアクリロイル部またはメタクリロイル部を有する市販のウレタンアクリレートモノマー(a)の例は、NEW FRONTIER R−1150(第一工業製薬株式会社)、KAYARAD DPHA−40H、KAYARAD UX−5000(日本化薬株式会社)、UN−9000H(根上化学工業株式会社)である。
【0150】
光開始剤(c)
適切な光開始剤(c)の選択は、通常は重要ではない。光開始剤(c)は、例えばベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ビスイミダゾール、ビスイミダゾール誘導体、芳香族α−ヒドロキシケトン、ベンジルケタール、芳香族α−アミノケトン、フェニルグリオキサル酸エステル、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、芳香族ケトンから誘導されたオキシムエステルおよび/またはカルバゾール型のオキシムエステルから選択される。
【0151】
光開始剤(c)の例は、カンファーキノン(1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3-ジオン)、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、例えば2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、3−メチル−4’−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、ポリマーのチオキサントン、例えばOMNIPOL TX(2−カルボキシメトキシチオキサントンおよびポリテトラメチレングリコール250のジエステル)、ケタール化合物、例えばベンジルジメチルケタール(Irgacure(登録商標)651)、アセトフェノンおよびアセトフェノン誘導体、例えばα−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトンもしくはα−ヒドロキシアルキルフェニルケトン、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン(Darocure(登録商標)1173)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Irgacure(登録商標)184)、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(Irgacure(登録商標)2959)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(Irgacure(登録商標)127)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)フェノキシ]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアセトフェノンもしくはα−アミノアセトフェノン、例えば(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(Irgacure(登録商標)907)、(4−モルホリノベンゾイル)-1−(4−メチルベンジル)-1−ジメチルアミノプロパン(Irgacure(登録商標)369)、(4−モルホリノベンゾイル)-1−(4−メチルベンジル)-1−ジメチルアミノプロパン(Irgacure(登録商標)379)、(4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン)、(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルケタール、例えばジメチルベンジルケタール、フェニルグリオキサル酸エステルおよびその誘導体、例えばメチルα−オキソベンゼンアセテート、オキソフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル、二量体のフェニルグリオキサル酸エステル、例えばオキソフェニル酢酸1−メチル−2−[2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシ)プロポキシ]エチルエステル(Irgacure(登録商標)754)、ケトスルホン、例えばESACURE KIP 1001 M、
【0152】
オキシムエステル、例えば1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、メタノン[8−[[(アセチルオキシ)イミノ][2−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル]メチル]−11−(2−エチルヘキシル)−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−5−イル](2,4,6−トリメチルフェニル)、N−アセトキシ−N−{3−[9−エチル−6−(ナフタレン−1−カルボニル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−メチル−3−アセトキシイミノプロピル}アセトアミド、9H−チオキサンテン−2−カルボキシアルデヒド9−オキソ−2−(O−アセチルオキシム)、[(E)−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−オキソ−2−(4−フェニルスルファニルフェニル)エチリデン]アミノ]シクロプロパンカルボキシレート)、[(E)−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−オキソ−2−(4−フェニルスルファニルフェニル)エチリデン]アミノ]アセテート、[(E)−[1−(o−トリル)−2−オキソ−2−(4−フェニルスルファニルフェニル)エチリデン]アミノ]アセテート、[(E)−1−[9−エチル−6−(チオフェン−2−カルボニル)カルバゾール−3−イル]エチリデンアミノ]アセテート、[(E)−1−[9−エチル−6−(チオフェン−2−カルボニル)カルバゾール−3−イル]プロピリデンアミノ]アセテート、国際公開第07/062963号パンフレット(WO07/062963)、国際公開第07/071797号パンフレット(WO07/071797)、国際公開第07/071497号パンフレット(WO07/071497)、国際公開第05/080337号パンフレット(WO05/080337)、特開2010−049238号公報(JP2010−049238)、国際公開第2008078678号パンフレット(WO2008078678)、特開2010−15025号公報(JP2010−15025)および特開2010−49238号公報(JP2010−49238)に記載されるオキシムエステル、ペルエステル、例えば欧州特許出願公開第126541号公報(EP126541)に記載されるベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル、モノアシルホスフィンオキシド、例えば(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)TPO)、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステル、ビスアシルホスフィンオキシド、例えばビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)819)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、ハロメチルトリアジン、例えば2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル]−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(4−メトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−メチル−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/補助開始剤系、例えばオルト−クロロヘキサフェニル−ビスイミダゾールと組み合わせて2−メルカプトベンゾチアゾール、フェロセニウム化合物またはチタノセン、例えばビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタニウム(Irgacure(登録商標)784)である。更に、ボレート化合物を共開始剤として使用できる。
【0153】
追加の光開始剤としては、オリゴマー化合物、例えばオリゴマーのα−ヒドロキシルケトン、例えば2−ヒドロキシ−1−{1−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−1,3,3−トリメチル−インダン−5−イル}−2−メチル−プロパン−1−オン、Fratelli Lambertiによって販売されるESACURE KIPまたはオリゴマーのα−アミノケトンを同様に使用してよい。
【0154】
市販のオキシムエステルの例は、TR−TBG−304、TR−TBG−305、TR−TBG−309、TR−TBG−311、TR−TBG−313、TR−TBG−314、TR−TBG−316、TR−TBG−317、(Changzhou Tronly New Electronic Materials Co.,LDT.)である。
【0155】
光開始剤(c)の具体的な例は、(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)である。
【0156】
アルカリ現像性樹脂(d)
本発明による重合性組成物は、好ましくは前記成分(d)を、該重合性組成物の全固体含量(すなわち溶剤を含まない全ての成分の量)に対して、2質量%から98質量%までの量で、より好ましくは5質量%から90質量%までの量で、特に10質量%から80質量%までの量で含む。
好ましくは、アルカリ現像性樹脂は、遊離のカルボン酸基を有する。酸価は、好ましくは50mg KOH/gから600mg KOH/gまで、より好ましくは100mg KOH/gから300mg KOH/gまでである。ここで示される酸価は、DIN EN 12634による酸価である。
【0157】
アルカリ現像性樹脂の例は、ペンダント基としてカルボン酸官能を有するアクリルポリマー、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、マレイン酸の半エステル、ケイ皮酸、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]マレエート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]マレエート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]マレエート、3−(アルキルカルバモイル)アクリル酸、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、モノエステル化マレイン酸、シトラコン酸およびω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートを、(メタ)アクリル酸のエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(3−トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ポリクロロスチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、エトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデン、1−メチルインデン、1−エテニル−4−シリルベンゼン、1−エテニル−4−トリメチルシリルベンゼン、t−ブチルジメチルシリルp−ビニルフェニルエステル、アミド型の不飽和化合物、例えば(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドシクロヘキシル、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−トリル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N−ナフチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルフェニルスルホニル(メタ)アクリルアミドおよびN−(メタ)アクリロイルモルホリン、アセタールエステルまたはケタールエステル化合物、例えばノルボルネン、2,3−ジトリメチルシラニルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、3−ジトリエチルシラニルオキシカルボニル-5−ノルボルネン、2,3−ジ−t−ブチルジメチルシラニルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジトリメチルゲルミルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジトリエチルゲルミルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−t−ブチルジメチルゲルミルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−t−ブチルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジベンジルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジテトラヒドロフラン−2−イル−オキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジシクロペンチルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジシクロヘキシルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジシクロヘプチルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−メトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−t−ブトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシカルボニル−ノルボルネン、2,3−ジ−1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−メチル−1−i−ブトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−(ベンジル)(エトキシ)メトキシカルボニル−5−ノルボルネン、
【0158】
1−アルキルシクロアルキルエステル化合物、例えば1−メチルシクロプロピル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロブチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘプタン(メタ)アクリレート、1−メチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−メチルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロデカン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロブタン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロデカン(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロヘプタン(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロデカン(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロブタン(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−イソブチルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−i−ブチルシクロデカニル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロプロパニル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−イソペンチルシクロデカニル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロプロパニル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロブタニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロオクタニル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロノナニル(メタ)アクリレート、1−イソオクチルシクロデカニル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、例えば3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフルオロ−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、多環式化合物もしくは無水物、例えば5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン無水物、ビニルもしくはアリルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプレート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニルフェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、ビニルサリチレート、ビニルクロロベンゾエート、ビニルテトラクロロベンゾエート、ビニルナフトエート、ビニルトリエトキシシラン、アリルアセテート、アリルプロピロネート、アリルブチレート、アリルピバレート、アリルベンゾエート、アリルカプロエート、アリルステアレート、アリルアセトアセテート、アリルラクテート、ビニルもしくはアリルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルエチルヘキシルエーテル、ビニルメトキシエチルエーテル、ビニルエトキシエチルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、ビニルエチルブチルエーテル、ビニルヒドロキシエトキシエチルエーテル、ビニルジメチルアミノエチルエーテル、ビニルジエチルアミノエチルエーテル、ビニルブチルアミノエチルエーテル、(エテニルオキシ)メチルシラン、ビニルベンジルエーテル、ビニルテトラヒドロフルフリルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、クロトネート、例えばブチルクロトネート、ヘキシルクロトネート、グリセリンモノクロトネート、イタコネート、例えばジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、およびマレエートもしくはフマレート、例えばジメチルマレエート、ジブチルフマレート、ポリオレフィン型の化合物、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリブチル(メタ)アクリレートマクロモノマーから選択される1種以上のモノマーと共重合させることによって得られるコポリマーである。
【0159】
コポリマーの例は、アクリレートおよびメタクリレートと、アクリル酸またはメタクリル酸との、およびスチレンもしくは置換スチレンとのコポリマー、フェノール樹脂、例えばノボラック、(ポリ)ヒドロキシスチレンおよびヒドロキシスチレンとアルキルアクリレート、アクリル酸および/またはメタクリル酸とのコポリマーである。好ましいコポリマーの例は、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレートのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ブチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、N−フェニルマレイミド/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸およびスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート/スチレンのコポリマー、アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレンのコポリマー、およびベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンのコポリマーである。市販製品の例は、昭和ハイポリマー株式会社によって販売されるRipoxy SPC−2000である。
【0160】
上述のように、アルカリ現像性樹脂(d)は、好ましくは、良好なアルカリ可溶性を有する化合物に導く遊離カルボン酸基を有する。しかしながら、良好なアルカリ可溶性を有する樹脂を得るためにカルボン酸基とは異なる官能基を使用することも可能である。そのような基の例は、フェノール性基、スルホン酸基、無水物基およびそれらの組合せである。
前記の酸無水物の一般的な例は、二塩基性酸無水物、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸および無水メチルテトラヒドロフタル酸である。また適切なものは、芳香族ポリカルボン酸無水物、例えば無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸およびベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物である。また適切なものは、ポリカルボン酸無水物誘導体、例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物である。
【0161】
アルカリ現像性樹脂(d)の更なる例は、少なくとも2つのエチレン性不飽和基と少なくとも1つのカルボキシル官能を分子構造内に有するポリマーまたはオリゴマー、例えば飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物とエポキシ化合物および不飽和モノカルボン酸の反応生成物との反応によって得られる樹脂(例えばUCB Chemicals社製のEB9696;日本化薬株式会社製のKAYARAD TCR1025;新中村化学工業株式会社製のNK OLIGO EA−6340、EA−7440)である。そのようなバインダーの他の例は、特開2002−206014号公報(JP2002−206014A)、特開2004−69754号公報(JP2004−69754A)、特開2004−302245号公報(JP2004−302245A)、特開2005−77451号公報(JP2005−77451A)、特開2005−316449号公報(JP2005−316449A)、特開2005−338328号公報(JP2005−338328A)および日本国特許第3754065号(JP3754065B2)に記載されている。
【0162】
アルカリ現像性樹脂(d)の更なる例は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する上述のポリマーまたはオリゴマーである。
【0163】
アルカリ現像性樹脂(d)の更なる例は、エポキシ基を有する不飽和化合物を、カルボン酸基を有するポリマーのカルボキシル基の一部に付加させることによって得られる反応生成物(例えば、株式会社ダイセル化学工業社製のACA200、ACA200M、ACA210P、ACA230AA、ACA250、ACA300、ACA320および昭和ハイポリマー株式会社によって販売されるRipoxy SPC−1000)である。カルボン酸を有するポリマーとしては、不飽和カルボン酸化合物と1もしくはそれより多くの重合性化合物との反応から得られる前記のバインダーポリマー、例えば(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸、スチレンおよびα−メチルスチレンのコポリマー、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、スチレンおよびベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸およびスチレンのコポリマー、(メタ)アクリル酸およびベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレンおよび(メタ)アクリル酸のコポリマー等である。
【0164】
エポキシ基を有する不飽和化合物の例を、以下の式(V−1)〜(V−15):
【化13】
[式中、R
50は、水素またはメチル基であり、M
3は、1〜10個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和のアルキレンである]に示す。
【0165】
これらの化合物のうち、脂環式エポキシ基を有する化合物は、特に好ましい。それというのも、これらの化合物は、カルボキシル基を有する樹脂と高い反応性を有し、従って、反応時間は短縮できるからである。これらの化合物は、更に、反応の過程でゲル化を生じず、反応を安定に行うことを可能にする。他方で、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートは、感度および耐熱性の観点から好ましい。それというのも、それらは、低い分子量を有し、かつエステル化の高い転化率をもたらしうるからである。
【0166】
前記の化合物の具体例は、例えば、スチレン、α−メチルスチレンおよびアクリル酸のコポリマーまたはメチルメタクリレートおよびアクリル酸のコポリマーと3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
【0167】
更なる例は、エポキシ基含有の不飽和化合物を、カルボン酸基含有のポリマーのカルボキシル基の一部もしくは全てに付加反応させて、それに引き続き多塩基性酸無水物と更に反応させることによって得られる生成物(例えば、昭和ハイポリマー株式会社によって販売されるRipoxy SPC−3000)である。
【0168】
ヒドロキシル基を有する不飽和化合物、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびグリセロールモノ(メタ)アクリレートは、上述のエポキシ基を有する不飽和化合物の代わりに、カルボン酸基を有するポリマーのための反応物として使用することができる。
【0169】
更なる例は、無水物を含むポリマーの半エステル、例えば無水マレイン酸および1もしくはそれより多くの他の重合性化合物のコポリマーと、アルコール性ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはエポキシ基を有する(メタ)アクリレート、例えば式(V−1)〜(V−15)に記載される化合物との反応生成物である。
【0170】
アルコール性ヒドロキシル基を有するポリマー、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ベンジルメタアクリレートおよびスチレンと、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩化物との反応生成物を使用することもできる。
【0171】
更なる例は、末端不飽和基を有するポリエステルであって、二塩基性酸無水物および少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物の反応と、それに続く多塩基性酸無水物を有する不飽和化合物との更なる反応から得られる反応生成物である。
【0172】
更なる例は、飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸化合物を、カルボン酸を有する前記のポリマーのカルボキシル基の全てに付加することによって得られる反応生成物との反応によって得られる樹脂である。
【0173】
更なる例は、エチレン性不飽和基と少なくとも1つのカルボキシル官能を有するポリイミド樹脂である。本発明におけるポリイミドバインダー樹脂は、ポリイミド前駆体、例えばポリ(アミド酸)であってよい。
【0174】
アルカリ現像性樹脂(d)の具体的な例は、
アクリルポリマー型の樹脂、例えば
【化14】
カルド型の樹脂(フルオレンエポキシアクリレート系樹脂)
【化15】
である。
【0175】
本発明による重合性組成物、特に成分(d)として少なくとも1種のアルカリ現像性樹脂を含む重合性組成物は、以下で述べられる更なる成分(e)および/または(f)を含有してよい。
【0176】
着色剤:
顔料(e1)および/または染料(e2)が存在してよい。顔料添加カラーフィルタ用レジスト組成物を含む、本発明による組成物中に含まれうる顔料は、好ましくは加工顔料である。
【0177】
赤色顔料(e1)は、例えば、アントラキノン型顔料を単独で、ジケトピロロピロール型顔料を単独で、それらの混合物をまたはそれらの少なくとも1種とジアゾ型黄色顔料もしくはイソインドリン型黄色顔料とからなる混合物を、特にC.I.ピグメントレッド177を単独で、C.I.ピグメントレッド254を単独で、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントレッド254との混合物をまたはC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242およびC.I.ピグメントレッド254の少なくとも1種とC.I.ピグメントイエロー83もしくはC.I.ピグメントイエロー139とからなる混合物を含む(“C.I.”は、当業者に公知でありかつ公然に利用できるカラーインデックスを指す)。
【0178】
前記顔料のための更なる好適な例は、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、168、176、179、180、185、202、207、209、214、222、244、255、264、272ならびにC.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、53、55、93、95、109、110、128、129、138、139、150、153、154、155、166、168、185、199、213ならびにC.I.ピグメントオレンジ43および71である。
【0179】
赤色のための染料の例は、C.I.ソルベントレッド25、27、30、35、49、83、89、100、122、138、149、150、160、179、218、230、C.I.ダイレクトレッド20、37、39、44ならびにC.I.アシッドレッド6、8、9、13、14、18、26、27、51、52、87、88、89、92、94、97、111、114、115、134、145、151、154、180、183、184、186、198、C.I.ベーシックレッド12、13、C.I.ディスパースレッド5、7、13、17および58である。前記赤色染料は、黄色染料及び/又は橙色染料と組み合わせて使用することができる。
【0180】
緑色顔料(e1)は、例えば、ハロゲン化フタロシアニン型顔料を単独でまたはそのビスアゾ型黄色顔料との、キノフタロン型黄色顔料とのもしくは金属錯体との混合物を、特にC.I.ピグメントグリーン7を単独で、C.I.ピグメントグリーン36を単独で、C.I.ピグメントグリーン58単独で、またはC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン58の少なくとも1種と、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138もしくはC.I.ピグメントイエロー150とからなる混合物を含む。他の好適な緑色顔料は、C.I.ピグメントグリーン15、25および37である。好適な緑色染料のための例は、C.I.アシッドグリーン3、9、16、C.I.ベーシックグリーン1および4である。
【0181】
好適な青色顔料(e1)のための例は、フタロシアニン型顔料であり、該顔料は、単独でかまたはジオキサジン型バイオレット顔料と組み合わせて使用され、例えばC.I.ピグメントブルー15:6単独、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との組み合わせである。青色顔料のための更なる例は、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、16、22、28および60の顔料である。他の好適な顔料は、C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、37、177およびC.I.オレンジ73である。
【0182】
青色染料(e2)は、例えばメチン型染料、アントラキノン型染料、アゾ型染料、金属錯体アゾ型染料、トリアリールメタン型染料またはフタロシアニン型染料を含む。
【0183】
適切な青色染料のための例は、C.I.ソルベントブルー11、25、37、45、49、68、78、94、C.I.ダイレクトブルー25、86、90、108、C.I.アシッドブルー1、3、7、9、15、83、90、103、104、158、161、C.I.ベーシックブルー1、3、7、9、25、105、C.I.ディスパースブルー198およびC.I.モルダントブルー1である。
【0184】
黒色マトリクス用の光重合性組成物の顔料(e1)は、好ましくは、カーボンブラック、チタニウムブラック、酸化鉄、ラクトン、ラクタムおよびペリレンからなる群から選択される少なくとも1種を含む。好ましい例は、カーボンブラックである。しかしながら、全体で黒色の様相を呈する他の顔料の混合物を使用してもよい。例えばまた、C.I.ピグメントブラック1、7、31および32、Irgaphor(登録商標)black S0100(BASF SE)を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0185】
カラーフィルタのために使用される染料(e2)の他の例は、C.I.ソルベントイエロー2、5、14、15、16、19、21、33、56、62、77、83、93、162、104、105、114、129、130、162、C.I.ディスパースイエロー3、4、7、31、54、61、201、C.I.ダイレクトイエロー1、11、12、28、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、23、38、40、42、76、98、C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ソルベントバイオレット13、33、45、46、C.I.ディスパースバイオレット22、24、26、28、31、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベーシックバイオレット2、7、10、C.I.ソルベントオレンジ1、2、5、6、37、45、62、99、C.I.アシッドオレンジ1、7、8、10、20、24、28、33、56、74、C.I.ダイレクトオレンジ1、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ダイレクトブラウン6、58、95、101、173、C.I.アシッドブラウン14、C.I.ソルベントブラック3、5、7、27、28、29、35、45および46である。
【0186】
カラーフィルタの製造の幾つかの特定の場合において、補色、つまりイエロー、マゼンタ、シアン、任意にグリーンが、レッド、グリーンおよびブルーの代わりに使用される。このタイプのカラーフィルタのためのイエローとして、上述の黄色顔料および黄色染料を使用できる。マゼンタ色に適した着色剤の例は、C.I.ピグメントレッド122、144、146、169、177、C.I.ピグメントバイオレット19および23である。シアン色の例は、アルミニウムフタロシアニン顔料、チタニウムフタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔料およびスズフタロシアニン顔料である。
【0187】
カラーフィルタレジスト組成物中の顔料(e1)は、好ましくは、可視光の波長(400〜700nm)よりも小さい平均粒径を有する。特に好ましくは、100nm未満の平均顔料直径である。
【0188】
全固体成分(種々の色の顔料と樹脂)中の顔料(e1)の濃度は、例えば5質量%から80質量%の範囲であり、特に20質量%から65質量%の範囲である。
【0189】
全固体成分(様々な色の染料と樹脂)中の染料(e2)の濃度は、例えば0.5質量%〜95質量%の範囲、特に0.5質量%〜70質量%の範囲にある。
【0190】
必要であれば、顔料は、感光性組成物中で、顔料を分散剤で前処理して液状配合物中での顔料の分散安定性を向上させることによって安定化することができる。好適な添加剤は、下記のものである。
【0191】
添加剤:
添加剤、例えば分散剤(e4)、界面活性剤、接着促進剤、光増感剤等は任意に存在する。
【0192】
顔料が分散しやすくするために、かつ得られた顔料分散液を安定化するために、顔料の表面処理を適用することが好ましい。表面処理試薬は、例えば、界面活性剤、ポリマー型分散剤、一般的なテクスチャ向上剤、顔料誘導体およびそれらの混合物である。本発明による着色剤組成物が少なくとも1種のポリマー型分散剤および/または少なくとも顔料誘導体を含む場合に特に好ましい。
【0193】
好適な界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートもしくはアルキルナフタレンスルホネート、アルキルスルホコハク酸塩もしくはナフタレンホルムアルデヒドスルホネート;カチオン系界面活性剤、例えば第四級塩、例えばベンジルトリブチルアンモニウムクロリド;または非イオン系もしくは両性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン界面活性剤ならびにアルキルベタインもしくはアミドプロピルベタインをそれぞれ含む。
【0194】
界面活性剤の実例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルおよびポリオキシエチレンオレイルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールジエステル、例えばポリエチレングリコールジラウレートおよびポリエチレングリコールジステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸変性ポリエステル;第三級アミン変性ポリウレタン;ポリエチレンイミン;KPの商品名で入手可能なもの(信越化学株式会社の製品)、Polyflowの商品名で入手可能なもの(共栄社化学株式会社の製品)、F−Topの商品名で入手可能なもの(Tochem Products Co.,Ltd社の製品)、MEGAFACの商品名で入手可能なもの(大日本インキ化学工業株式会社の製品)、Fluoradの商品名で入手可能なもの(住友3M株式会社の製品)、Asahi GuardおよびSurflonの商品名で入手可能なもの(旭硝子株式会社の製品)等を含む。これらの界面活性剤は、単独でまたは2つ以上の混合物で使用してよい。前記界面活性剤は、一般に、着色剤組成物100質量部に対して、50質量部以下の量で、好ましくは0質量部〜30質量部の量で使用される。
【0195】
ポリマー型分散剤(e4)は、顔料親和性基を有する高分子量ポリマーを含む。例は、例えばスチレン誘導体、(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドから構成される統計コポリマーならびにかかる統計コポリマーであって後変性によって変性されているコポリマー;例えばスチレン誘導体、(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドから構成されるブロックコポリマーおよび/または櫛形ポリマーならびにかかるブロックコポリマーおよび/または櫛形ポリマーであって後変性によって変性されているポリマー;ポリエチレンイミンであって、例えばポリエステルでグラフトされているもの;ポリアミンであって、例えばポリエステルでグラフトされているもの;ならびに多種の(変性)ポリウレタンである。
【0196】
ポリマー型分散剤を使用してもよい。好適な高分子分散剤は、例えばBYK社製のDISPERBYK(登録商標)101、115、130、140、160、161、162、163、164、166、168、169、170、171、180、182、2000、2001、2009、2020、2025、2050、2090、2091、2095、2096、2150、BASF社製のEFKA(登録商標)4008、4009、4010、4015、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4310、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4500、4510、4520、4530、4540、4550、4560、味の素ファインテクノ社製のPB(登録商標)711、821、822、823、824、827、Lubrizol社製のSOLSPERSE(登録商標)1320、13940、17000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32500、32550、32600、33500、34750、36000、36600、37500、39000、41090、44000、53095ならびにそれらの組み合わせである。
【0197】
分散剤として、EFKA(登録商標)4046、4047、4060、4300、4310、4330、4340、DISPERBYK(登録商標)161、162、163、164、165、166、168、169、170、2000、2001、2020、2050、2090、2091、2095、2096、2105、2150、PB(登録商標)711、821、822、823、824、827、SOLSPERSE(登録商標)24000、31845、32500、32550、32600、33500、34750、36000、36600、37500、39000、41090、44000、53095ならびにそれらの組み合わせを使用することが好ましい。
【0198】
好適なテクスチャ向上剤は、例えば脂肪酸、例えばステアリン酸またはベヘン酸ならびに脂肪アミン、例えばラウリルアミンおよびステアリルアミンである。更に、脂肪アルコールまたはエトキシル化された脂肪アルコール、ポリオール、例えば脂肪族1,2−ジオールまたはエポキシ化されたダイズ油、ワックス、樹脂酸および樹脂酸塩をこの目的のために使用することができる。
【0199】
好適な顔料誘導体は、例えば銅フタロシアニン誘導体、例えばBASF社製のEFKA(登録商標)6745、Lubrizol社製のSOLSPERSE(登録商標)5000、12000、BYK社製のSYNERGIST 2100およびアゾ誘導体、例えばEFKA(登録商標)6750、SOLSPERSE(登録商標)22000およびSYNERGIST 2105である。
【0200】
上述の顔料用の分散剤および界面活性剤は、例えばレジスト配合物として、特にカラーフィルタ配合物で使用される本発明の組成物で使用される。
【0201】
本発明の主題は、また、上記の光重合性の組成物であって、更なる添加剤として分散剤もしくは分散剤の混合物を含む前記組成物ならびに上記の光重合性の組成物であって、更なる添加剤として顔料、顔料の混合物、染料もしくは染料の混合物または少なくとも1種の染料と少なくとも1種の顔料との混合物を含む前記組成物である。
【0202】
本発明において、分散剤の含量は、顔料の質量に対して、好ましくは1質量%から80質量%まで、より好ましくは5質量%から70質量%まで、更により好ましくは10質量%から60質量%までである。
【0203】
接着向上剤:
本発明の硬化性組成物は、硬質表面、例えば支持体の硬質表面への付着性を向上させるための接着向上剤を含有してよい。前記接着向上剤は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等であってよい。
【0204】
光増感剤:
光重合を、スペクトル感度をシフトさせるか、または広げる、さらなる光増感剤または共開始剤を添加することによって促進することもできる。これらは、特に、芳香族化合物、例えばベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、チオキサントンおよびそれらの誘導体、アントラキノンおよびそれらの誘導体、クマリンおよびフェノチアジンおよびそれらの誘導体ならびにまた3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ローダニン、カンファーキノンであるが、またエオシン、ローダミン、エリスロシン、キサンテン、チオキサンテン、アクリジン、例えば9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、シアニンおよびメロシアニン色素である。
【0205】
そのような化合物の具体的な例は、以下のものである。
1.チオキサントン類
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1,3−ジメチル−2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン 2−エチルヘキシルエーテル、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−カルボン酸 ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
2.ベンゾフェノン類
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(メチルエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(p−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイル−フェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(トルエン−4−スルホニル)プロパン−1−オン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド;
【0206】
3.クマリン類
クマリン1、クマリン2、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン102、クマリン106、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン307、クマリン314、クマリン314T、クマリン334、クマリン337、クマリン500、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニル−ビス[5,7−ジ(プロポキシ)クマリン]、3,3’−カルボニル−ビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ−クマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、5,7−ジエトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ジメチルアミノ−3−フェニルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−フェニルクマリン、特開平9−179299号公報(JP09−179299−A)および特開平9−325209号公報(JP09−325209−A)に開示されるクマリン誘導体、例えば7−[{4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−S−トリアジン−2−イル}アミノ]−3−フェニルクマリン;
4. 3−(アロイルメチレン)チアゾリン類
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−ベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
5. ロダニン類
4−ジメチルアミノベンザールロダニン、4−ジエチルアミノベンザールロダニン、3−エチル−5−(3−オクチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)ロダニン、特開平8−305019号公報(JP08−305019A)に開示される式[1]、[2]、[7]のロダニン誘導体;
6. 他の化合物
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、ダンシル酸誘導体、9,10−アントラキノン、アントラセン、ピレン、アミノピレン、ペリレン、フェナントレン、フェナントレンキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、クルクミン、キサントン、チオミヒラーケトン、α−(4−ジメチルアミノベンジリデン)ケトン、例えば2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2−(4−ジメチルアミノベンジリデン)インダン−1−オン、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−インダン−5−イル−プロペノン、3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド、フェノチアジン、メチルフェノチアジン、アミン、例えばN−フェニルグリシン、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、ブトキシエチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノアセトフェノン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、ポリ(プロピレングリコール)−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート。
【0207】
光増感剤は、ベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、チオキサントンおよびそれらの誘導体、アントラキノンおよびそれらの誘導体またはクマリンおよびそれらの誘導体からなる群から選択することができる。
【0208】
促進剤:
光重合を促進するために、アミン、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、オクチル−パラ−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−パラ−トルイジンまたはミヒラーケトンを添加することが可能である。アミンの作用は、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンの添加によって増強することができる。酸素捕捉剤として使用できるアミンの例は、欧州特許出願公開第339841号公報(EP339841)に記載されるような置換されたN,N−ジアルキルアニリンである。他の促進剤、共開始剤および自己酸化剤は、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシドまたはホスフィンであり、それらは、例えば欧州特許出願公開第438123号公報(EP438123)、英国特許出願公開第2180358号公報(GB2180358)および特開平6−68309号公報に記載されている。
【0209】
1種以上の添加剤の選択は、適用分野と、この分野に必要な特性に応じてなされる。前記の添加剤は、当該技術分野で慣用のものであり、従ってその都度の用途で通常の量で添加される。
【0210】
熱的抑制剤:
熱的抑制剤は、早期重合を防ぐことを目的とし、その例は、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトールまたは立体障害フェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールである。暗所での貯蔵に対する安定性を高めるために、例えば銅化合物、例えば銅ナフテネート、ステアレートもしくはオクトエート、リン化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフェートもしくはトリベンジルホスフェート、第四級アンモニウム化合物、例えばテトラメチルアンモニウムクロリドもしくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、またはヒドロキシルアミン誘導体、例えばN−ジエチルヒドロキシルアミンを使用することができる。重合の間の大気酸素を排除するために、パラフィンまたは類似の蝋様の物質であって、前記ポリマー中に不十分に可溶性であり、重合の開始時に表面に移行して、空気の侵入を防ぐ透明表面層を形成する物質を添加することが可能である。また、酸素不透過層を適用することもできる。少量で添加できる光安定剤は、紫外線吸収剤、例えばヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミドまたはヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のものである。これらの化合物は、個別にまたは混合物で、立体障害アミン(HALS)を用いてまたは用いずに使用できる。
【0211】
溶剤:
適切な溶剤の例は、ケトン、エーテルおよびエステル、例えばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、2−ペンタノンおよびエチルラクテートである。
【0212】
ハイブリッド系:
本発明による組成物は、付加的に、特開平10−221843号公報(JP10−221843A)に記載されるように、酸もしくは塩基によって活性化される架橋剤と、熱によりまたは化学線により酸もしくは塩基を生成しかつ架橋反応を活性化する化合物を含有してよい。フリーラジカル硬化剤の他に、カチオン性光開始剤または熱開始剤、例えばスルホニウム塩、ホスホニウム塩もしくはヨードニウム塩、例えばIRGACURE(登録商標)250、三新化学によって製造されるサンエイド SIシリーズ、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−145、SI−150、SI−160、SI−180L、シクロペンタジエニル−アレーン−鉄(II)錯塩、例えば(η
6−イソプロピルベンゼン)(η
5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートならびにオキシムスルホン酸エステル、例えば欧州特許出願公開第780729号公報(EP780729)に記載されるオキシムスルホン酸エステルが使用される。また、例えば欧州特許出願公開第497531号公報(EP497531)および欧州特許出願公開第441232号公報(EP441232)に記載されるピリジニウムおよび(イソ)キノリニウム塩は、新規の式(I)の化合物と組み合わせて使用してよい。塩基の例は、イミダゾールおよびその誘導体、例えば四国化学によって販売されるCurezole ORシリーズおよびCNシリーズである。
【0213】
酸もしくは塩基によって活性化できる架橋剤は、エポキシ基またはオキセタン基を有する化合物を含む。固体または液体の公知のエポキシ化合物またはオキセタン化合物を使用でき、前記化合物は、必要とされる特性に応じて使用される。好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールS型のエポキシ樹脂、例えば日本化薬株式会社によって製造されるBPS−200、ACR Co.によって製造されるEPX−30、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon EXA−1514等;ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、例えば、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon N−3050、N−7050、N−9050、XAC−5005、GT−7004、6484T、6099;ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、例えば東都化成株式会社によって製造されるYDF−2004、YDF2007;ビスフェノールフルオレン型のエポキシ樹脂、例えば大阪ガスケミカル株式会社によって製造されるOGSOL PG、PG−100、EG、EG−210;ジグリシジルフタレート樹脂、例えば日本油脂株式会社によって製造されるBlemmer DGT等;複素環式のエポキシ樹脂、例えば日産化学工業株式会社によって製造されるTEPIC、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社によって製造されるAraldite PT810等;ビキシリレノール型のエポキシ樹脂、例えば油化シェル株式会社によって製造されるYX−4000等;ビフェノール型のエポキシ樹脂、例えば油化シェル株式会社によって製造されるYL−6056等;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、例えば東都化成株式会社によって製造されるZX−1063等;ノボラック型のエポキシ樹脂、例えば日本化薬株式会社によって製造されるEPPN−201、EOCN−103、EOCN−1020、EOCN−1025およびBRRN、旭化学工業株式会社によって製造されるECN−278、ECN−292およびECN−299、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社によって製造されるGY−1180、ECN−1273およびECN−1299、東都化成株式会社によって製造されるYDCN−220L、YDCN−220HH、YDCN−702、YDCN−704、YDPN−601およびYDPN−602、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon−673、N−680、N−695、N−770およびN−775等;ビスフェノールAのノボラック型のエポキシ樹脂、例えば旭化学工業株式会社によって製造されるEPX−8001、EPX−8002、EPPX−8060およびEPPX−8061、大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon N−880等;キレート型のエポキシ樹脂、例えば旭電化工業株式会社によって製造されるEPX−49−69およびEPX−49−30等;グリオキサール型のエポキシ樹脂、例えば東都化成株式会社によって製造されるYDG−414等;アミノ基含有のエポキシ樹脂、例えば東都化成株式会社によって製造されるYH−1402およびST−110、油化シェル株式会社によって製造されるYL−931およびYL−933等;ゴム変性エポキシ樹脂、例えば大日本インキ化学工業株式会社によって製造されるEpiculon TSR−601、旭電化工業株式会社によって製造されるEPX−84−2およびEPX−4061等;ジシクロペンタジエンフェノール型のエポキシ樹脂、例えば山陽国策パルプ株式会社によって製造されるDCE−400等;シリコーン変性エポキシ樹脂、例えば旭電化工業株式会社によって製造されるX−1359等;ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、例えばダイセル株式会社によって製造される
Plaque G−402 およびG−710等およびそれ以外のエポキシ樹脂である。更に、これらのエポキシ化合物の部分的にエステル化された(例えば(メタ)アクリレートによってエステル化された)化合物を組み合わせて使用することができる。オキセタン化合物の例は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)、2−エチルヘキシルオキセタン、キシレンビスオキセタン、東亞合成株式会社によって製造される3−エチル−3[[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル]オキセタン(アロンオキセタンシリーズ)である。
【0214】
式(I)の少なくとも1種の化合物を含む、本発明による重合性組成物は、以下の用途:
− 様々なディスプレイ用途のためのカラーフィルタを製造するためのレジスト、
− LCD用のスペーサー、
− カラーフィルタまたはLCD用のオーバーコート層、
− LCDおよびOLED用のシーラント、
− LCD、OLED、タッチパネルおよびフレキシブルディスプレイ用の絶縁層/不動態化層、
− OLEDのバンク層/ピクセル定義層、
− タッチパネル用の金属ワイヤ/透明伝導性薄膜用の絶縁、
− タッチパネル用のコーティング、例えば防指紋、ハードコートおよび光学コート、
− タッチパネル用の装飾インキ、
− タッチパネル用の保護フィルム、
− タッチパネル用のエッチングレジスト、
のために特に適している。
【0215】
式(I)の少なくとも1種の化合物を含む本発明による重合性組成物は、例えば以下の用途:
− 様々なディスプレイ用途のための光学フィルム、ハードコート、反射防止フィルム、防眩フィルム、位相差フィルム、近赤外吸収フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム等、
− プラズマディスプレイパネル、電子発光ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、タッチパネル、フレキシブルディスプレイおよびLCDの製造方法において構造または層を生成するための他のレジスト、感光性組成物または熱硬化性組成物、
− ソルダーレジスト、
− プリント回路基板のシーケンシャルビルドアップ層において誘電体層を形成するために使用されるフォトレジスト材料、
− エレクトロニクス、電気めっきレジスト、エッチングレジストの液膜および乾燥膜の両方のためのフォトレジスト、
− 異方性導電性接着剤(異方性導電性接着剤は、樹脂組成物中に分散された導電性粒子を含有し、電子部品または電気部品の電気的接合のために使用することができる。該接着剤は、精密回路、例えば液晶ディスプレイ(LCD)とテープキャリアパッケージ(TCP)とを、またはTCPとプリント回路基板(PCB)とを接合するためなどに使用することができる)、
− オリゴマー、コオリゴマー、ポリマーおよびコポリマー、例えばランダムブロック、マルチブロック、星形または勾配コポリマーの形成のための重合、
− ポリマーの制御された分解および分子量または架橋の制御された増加、
− 建造物、建材、自動車部品、電気機器、精密機器等のためのコーティング剤、
− 感圧接着性光学フィルム、例えば光学フィルムおよび感圧接着剤層、例えばLCDおよび有機電子発光(EL)ディスプレイ用のフィルム、
− 接着剤および接着層を有するプリント回路基板、例えば自動車部品、電気機器等として使用されるプリント回路基板、
− 歯科材料、
− 建築物および建材用のシーラー
にも適している。
【0216】
更に本発明は、前記フォトレジスト組成物の、様々なディスプレイ用途のための、およびイメージセンサ、例えば電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化物膜半導体(CMOS)のためのカラーフィルタ、LCD用のスペーサー、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層、LCDおよびOLED用のシーラント、様々なディスプレイ用途のための光学フィルム、LCD、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、タッチパネルおよびフレキシブルディスプレイ用の絶縁/不動態化層、OLEDのバンク層/ピクセル定義層、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性膜のための絶縁、タッチパネル用のコーティング、例えば防指紋、ハードコートおよび光学コート、タッチパネル用の装飾インキ、タッチパネル用の保護フィルム、タッチパネル用のエッチングレジスト、プラズマディスプレイパネル、電子発光ディスプレイ、OLED、タッチパネル、フレキシブルディスプレイおよびLCDの製造方法において構造または層を生成するためのレジストまたは感光性組成物、ソルダーレジストを製造するための、プリント回路基板のシーケンシャルビルドアップ層における誘電体層の形成のために使用されるフォトレジスト材料としての使用に関する。
【0217】
本発明による組成物は、例えば欧州特許出願公開第320264号公報(EP320264)に記載されるような、カラーフィルタまたはカラーモザイクシステムの製造のために特に適している。該カラーフィルタは、例えばフラットパネルディスプレイ技術、例えばLCD、電子発光ディスプレイおよびプラズマディスプレイのために、イメージセンサ、例えばCCDおよびCMOS等のために使用することができる。
【0218】
また本発明の主題は、カラーフィルタである。カラーフィルタは、通常は、赤色、緑色および青色のピクセルと、任意に黒色マトリクスをガラス基板上に形成することによって製造される。これらのプロセスにおいて、本発明による光硬化性組成物を使用できる。特に好ましい使用方法は、赤色、緑色および青色の着色物質、染料および顔料を本発明の感光性の樹脂組成物に添加することと、基板を前記組成物でコーティングすることと、該コーティングを短時間の熱処理で乾燥させることと、該コーティングをパターン状に(すなわち適切なマスクを通じて)化学線にさらすことと、引き続き適切な水性アルカリ性現像溶液中で前記パターンを現像することと、熱処理することとを含む。このように、赤色、緑色、青色および黒色に顔料着色されたコーティングを、任意の所望の順序で前記プロセスで互いの最上部へ引き続き適用することによって、赤色、緑色および青色のカラーピクセルを有するカラーフィルタ層ならびにブラックマトリックスを製造できる。
【0219】
フォトリソグラフィーにおいて、約150nmから600nmまでの、例えば190nm〜600nm(紫外可視領域)の適切な放射が、例えば太陽光または人工光源からの光が選択される。従って、多数の非常に様々な種類の光源が使用される。点光源とアレイ(「ランプカーペット」)の両方が好適である。例は、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、超高圧、高圧、中圧−および低圧水銀ランプ、場合により金属ハロゲン化物ドープを有するランプ(メタルハロゲンランプ)、マイクロ波刺激金属蒸気ランプ、エキシマランプ、超化学線蛍光管、蛍光灯、白熱アルゴン灯、電子フラッシュライト、写真用投光照明灯、発光ダイオード(LED)、電子ビームならびにX線である。ランプと露光される基板との距離は、本発明によれば、用途及びランプの種類及び出力に依存して変化してよく、例えば2cm〜150cmであってよい。レーザ光源、例えばエキシマレーザ、例えばKrFレーザ、例えば248nmのKrFレーザ、ArFレーザ、例えば193nmのArFレーザ、および157nmでの露光のためのF
2レーザも適している。可視領域のレーザも使用できる。
【0220】
感光性の樹脂組成物が基板上にコーティングされ乾燥される方法に加えて、本発明の感光性の樹脂組成物は、同様にレイヤートランスファー材料のために使用することができる。つまり、該感光性の樹脂組成物は、直接的に、一時的なサポート上に、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム上に、または酸素遮蔽層および剥離層または剥離層および酸素遮蔽層が提供されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に層状に提供される。通常、合成樹脂から製造される除去可能なカバーシートは、取り扱い時の保護のためにその上に積層される。更に、同様に、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層および中間層が一時的なサポート上に提供され、更に感光性の樹脂組成物層がその上に提供されている層構造を塗布できる(特開平5−173320号公報(JP5−173320−A))。
【0221】
前記のカバーシートは、使用時に取り除かれ、そして感光性の樹脂組成物は、永続的なサポート上に積層される。引き続き、剥離は、これらの層と一時的なサポートとの間では、酸素遮蔽層と剥離層が提供されている場合に行われ、剥離層と酸素遮蔽層との間では、剥離層と酸素遮蔽層が提供されている場合に行われ、そして一時的なサポートと感光性樹脂層との間では、剥離層か酸素遮蔽層のいずれかが提供されていない場合に行われ、そして一時的なサポートが取り除かれる。
【0222】
現像溶液は、当業者に公知のあらゆる形態で、例えば浴溶液、パドル溶液または噴霧溶液の形態で使用することができる。感光性の樹脂組成物層の硬化されていない部分を取り除くためには、回転ブラシで擦ることと湿ったスポンジで擦ることなどの方法を組み合わせることができる。通常、現像溶液の温度は、好ましくは、室温から40℃とその付近である。現像時間は、特定の種類の感光性の樹脂組成物、現像溶液のアルカリ性および温度ならびに添加する場合には有機溶剤の種類と濃度に応じて変更可能である。通常、その時間は、10秒から2分である。現像プロセスの後にリンス工程を置くこともできる。
【0223】
最終的な熱処理は、好ましくは、現像プロセスの後に行われる。従って、露光により光重合された層(以下、光硬化層と呼ぶ)を有するサポートを電気炉および乾燥機内で加熱し、そして光硬化層に赤外ランプを照射するか、またはホットプレート上で加熱する。加熱温度と時間は、使用される組成物と形成される層の厚さに依存する。一般に、加熱は、約120℃〜約250℃で、約2分〜約60分間にわたり適用される。
【0224】
カラーフィルタレジスト、かかるレジストの組成およびプロセス条件は、T.KudoらによるJpn.J.Appl.Phys.第37巻(1998)3594;T.KudoらによるJ.Photopolym.Sci.Technol.第9巻(1996)109;K.KobayashiによるSolid State Technol.Nov.1992,第15頁〜第18頁;米国特許第5368976号明細書(US5368976);米国特許第5800952号明細書(US5800952);米国特許第5882843号明細書(US5882843);米国特許第5879855号明細書(US5879855);米国特許第5866298号明細書(US5866298);米国特許第5863678号明細書(US5863678);特開平6−230212号公報(JP06−230212A);欧州特許出願公開第320264号公報(EP320264);特開平9−269410号公報(JP09−269410A);特開平10−221843号公報(JP10−221843A);特開平1−090516号公報(JP01−090516A);特開平10−171119号公報(JP10−171119A)、米国特許第5821016号明細書(US5821016)、米国特許第5847015号明細書(US5847015)、米国特許第5882843号明細書(US5882843)、米国特許第5719008号明細書(US5719008)、欧州特許出願公開第881541号公報(EP881541)または欧州特許出願公開第902327号公報(EP902327)に示されている。
【0225】
感光性組成物を使用して黒色マトリクスを形成し、そして該黒色の感光性組成物をフォトリソグラフィーによってパターン状の露光によってパターン形成させることで、透明基板上で赤色、緑色および青色の領域を分ける黒色パターンを形成する代わりに、選択的に、無機の黒色マトリクスを使用することが可能である。かかる無機の黒色マトリクスは、堆積された(すなわちスパッタリングされた)金属(すなわちクロム)の被膜から透明基板上で、好適な画像形成プロセスによって、例えばエッチングレジストによるフォトリソグラフィーによるパターン形成と、エッチングレジストによって保護されていない領域における無機層のエッチングと、次いで残りのエッチングレジストの除去によって形成することができる。
【0226】
本発明の感光性または熱硬化性の組成物を使用してかかる外部被膜層を形成することもできる。それというのも、該組成物の硬化された被膜は、平坦性、硬度、化学的および熱的な耐久性、透明性、特に可視領域における透過性、基板への付着性ならびにその上への透明な伝導性被膜、ITO被膜を形成するための保持性の点で優れている。保護層の製造において、保護層の不要な部分を、例えば基板の切断のためのけがき線でかつ固体イメージセンサの結合パッド上で、特開昭57−42009号公報(JP57−42009A)、特開平1−130103号公報(JP1−130103A)および特開平1−134306号公報(JP1−134306A)に記載されるように基板から取り除くべきであるという要求があった。この点で、上述の熱硬化性樹脂を使用して良好な精度で保護層を選択的に形成することは困難である。しかしながら、感光性の組成物は、保護層の不要な部分を、フォトリソグラフィーによって簡単に取り除くことを可能にする。
【0227】
本発明による感光性組成物は、更に、液晶ディスプレイパネルにおける液晶部のセル間隔を制御するスペーサーの製造のために使用できる。液晶ディスプレイにおいて液晶層を通じて透過されたまたは反射された光の特性はセル間隔に依存するので、厚さの精度およびピクセルアレイにわたる均一性は、液晶ディスプレイユニットの性能のための決定的なパラメータである。フォトリソグラフィー法を使用することによって、ピクセルアレイ領域と対向電極との間の領域にスペーサーとして、定められたセル間隔を形成するために、樹脂のカラムを形成することができる。フォトリソグラフィーで接着特性を有する感光性材料は、通常は、例えばカラーフィルタの製造方法において使用される。この方法は、スペーサーの位置、数および高さを自由に制御できるスペーサービーズを使用した慣用の方法と比較して好ましい。カラー液晶ディスプレイパネルでは、カラーフィルタエレメントのブラックマトリックス下の非画像形成領域に、このようなスペーサーが形成される。従って、感光性組成物を用いて形成されるスペーサーは、明るさ及び光学的開口を減少させない。透明なカラムスペーサーは、LCD技術で広く知られているが、透明なスペーサーは、コントラスト比を減らす偏光を妨害する。考えられる解決策の一つは、偏光を散乱させずに吸収するために黒色の着色剤と混ぜることであり、すなわちは黒色のカラムスペーサーとすることである。ブラックカラムスペーサーもLCD技術で使用されている。ブラックカラムスペーサーの場合に、1種以上の更なる黒色の着色剤または前記の着色剤(e1)(e2)以外の着色剤の混合物が使用される。
【0228】
カラーフィルタ用のスペーサーを有する保護層を製造するための感光性組成物は、特開2000−81701号公報(JP2000−81701−A)に開示されており、そしてスペーサー材料用の乾燥被膜型フォトレジストもまた、特開平11−174459号公報(JP11−174459−A)および特開平11−174464号公報(JP11−174464−A)に開示されている。前記文献に記載されるように、感光性組成物、液体型および乾燥皮膜型フォトレジストは、少なくとも1種のアルカリ性もしくは酸可溶性バインダーポリマー、ラジカル重合性モノマーおよび硬化促進剤を含んでいる。幾つかの場合には、更にエポキシドおよびカルボン酸のような熱架橋性成分を含めてもよい。
【0229】
感光性組成物を使用してスペーサーを形成するステップは以下の通りである。感光性組成物を基板、例えば、カラーフィルタパネルに適用して、基体を予備焼成後、マスクを通してこれを露光する。次に、基板を現像液で現像して、パターン形成することにより所望のスペーサーを形成する。組成物が、幾らかの熱硬化性成分を含むとき、通常ポストベークを行って組成物を熱硬化させる。本発明の光硬化性組成物は、(上述の)液晶ディスプレイ用のスペーサーを製造するのに適している。
【0230】
また本発明による組成物は、液晶ディスプレイにおける、特に特定のLCD構造、例えばアレイ型および反射型のLCDにおけるカラーフィルタにおける層間絶縁層または誘電体層を製造するためにも適している。
【0231】
また本発明による組成物は、巻き線のコーティングのための、および電気誘導デバイス、例えばモータのステーター巻き線をシールするための絶縁性電気機器のためにも適している。前記巻き線は、エナメルまたは環境に対する更なる絶縁コーティングを有するマグネットワイヤで巻かれる。
【0232】
感光性熱硬化性樹脂組成物およびその使用によってソルダーレジストパターンを形成する方法に関し、より具体的にプリント回路基板の製造、金属製物品の精密な作製、ガラスおよび石材物品のエッチング、プラスチック物品の浮き彫りおよび印刷版の製造のための材料として有用な、特にプリント回路基板用のソルダーレジストとして有用な新規の感光性の熱硬化性の樹脂組成物ならびにソルダーレジストパターンの形成方法であって、樹脂組成物の層をパターンを有するフォトマスクを通じて選択的に化学線にさらす工程と、層のさらされた部分を現像する工程とによって行う前記方法に関する。
【0233】
ソルダーレジストは、はんだが無関係の部分に付着することを防ぐことと回路を保護することを目的とするプリント回路基板に対する所定の部位のはんだ付けの間に使用される物質である。従って、高い付着性、絶縁抵抗、はんだ付け温度に対する耐久性、溶剤に対する耐久性、溶剤に対する耐久性、アルカリに対する耐久性、酸に対する耐久性、そしてメッキに対する耐久性などの特性を有する必要がある。また本発明の主題は、前記組成物を含むソルダーレジストである。
【0234】
本発明による化合物として記載された熱硬化性構成要素を含む組成物の、画像形成過程における、例えばソルダーマスクの製造方法における使用が好ましく、その際、
1)前記の組成物の成分が混合される。
2)得られた組成物は、基板に適用される(「基板のコーティング」)。
3)溶剤は、存在する場合に、高められた温度で、例えば80℃から90℃の間の温度で蒸発される。
4)コーティングされた基板は、ネガ型マスクを通じて電磁線にパターン状に曝される(それにより、アクリレートの反応が開始する)。
5)照射された試料は、アルカリ水溶液での洗浄によって現像され、それにより未硬化の領域は除去される。
6)該試料は、例えば約150℃の温度で熱硬化される。
【0235】
この方法は、本発明のもう一つの主題である。
【0236】
加熱ステップ(6)は、通常は、少なくとも100℃で、200℃以下の温度で、好ましくは130℃〜170℃の温度で、例えば150℃の温度で行われる。
【0237】
本発明による感光性または熱硬化性コーティング組成物は、また建造物、建材、自動車部品、電気機器、精密機器等のために接着特性、耐熱性、柔軟性、接着性、電気絶縁特性および耐湿性が必要とされるようなコーティング層を形成するために使用することもできる。
【0238】
また本発明による組成物は、歯科材料のためにも適しており、それは米国特許第6410612号明細書(US6410612)および特開昭60−11409号公報(JP60011409)にも開示されている。文献に記載されるように、該感光性または熱硬化性の組成物は、幾らかの種類のアクリル樹脂および重合開始剤を含む。
【0239】
異方性導電性接着剤は、絶縁性接着成分中に導電性粒子が分散されている回路接続材料であって、反対方向に配置された回路を機械的に接着し、それと同時に電気的接続を実現するために回路電極の間に導電性粒子を介在させる材料である。絶縁性接着成分としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が有用であり、接続信頼性の点では熱硬化性樹脂がより好ましく使用される。
【0240】
接着成分として熱硬化性樹脂を使用する場合に、接続されるべき対象の間に異方性導電性接着剤を介在させ、次いでそれを熱圧縮することによって接続される。
【0241】
前記本発明は、顔料が加えられた、および顔料が加えられていないペイントおよびワニス、粉末塗料、印刷インキ、印刷版、接着剤、歯科組成物を製造するための組成物を提供する。また、本発明は、エレクトロニクス用のフォトレジスト、例えば電気めっきレジスト、エッチングレジストの液膜型と乾燥膜型、ソルダーレジスト、様々なディスプレイ用途のためのカラーフィルタの製造のためのレジストもしくはプラズマディスプレイパネル(例えばバリアリブ、蛍光体層、電極)、電気発光ディスプレイおよびLCD(例えば層間絶縁層、スペーサー、マイクロレンズアレイ)の製造方法における構造を生成するためのレジスト、電機部品および電子部品の封入用の組成物、磁気記録材料、マイクロメカニカル部品、導波路、光スイッチ、めっきマスク、エッチングマスク、色校正システム、ガラス繊維ケーブル用コーティング、スクリーン印刷用ステンシルの製造のための組成物、立体リソグラフィーによる3次元物品の製造のための組成物、そして画像記録材料、特にホログラフィック記録のための材料、マイクロエレクトロニクス回路、脱色材料、画像記録材料のための脱色材料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料を提供する。
【0242】
関心が持たれているのは、前記の組成物を加熱することを含む、エチレン性不飽和二重結合を含む組成物の熱重合法である。特に、上記組成物を80℃から260℃までの範囲で加熱することを含む方法である。
【0243】
また本発明の主題は、前記の組成物の、カラーフィルタ、LCD用のスペーサー、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層、LCDおよびOLED用のシーラント、LCD用の異方性導電性接着剤、LCD、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、タッチパネルおよびフレキシブルディスプレイ用の絶縁/不動態化層、OLEDのバンク層/ピクセル定義層、タッチパネル用の金属ワイヤ/透明導電性膜のための絶縁、タッチパネル用のコーティング、例えば防指紋、ハードコートおよび光学コート、タッチパネル用の装飾インキ、タッチパネル用の保護フィルムを製造するためのレジストとして、タッチパネル用のエッチングレジストとして、プラズマディスプレイパネル、電子発光ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、タッチパネル、フレキシブルディスプレイおよびLCDの製造方法において構造または層を生成するためのレジストまたは感光性組成物として、ソルダーレジストとしての、プリント回路基板のシーケンシャルビルドアップ層における誘電体層の形成のために使用されるフォトレジスト材料としての使用である。
【0244】
一般式(I)の化合物は、以下の有利な特性:
− 硬化時間の短縮を可能にすること、
− 硬化温度の低下を可能にすること、
− 熱的安定性、
− 重合される組成物との高い適合性、
− 高い架橋密度、
− 高い硬化速度、
− 低い収縮性、
− 貯蔵安定性、および
− 長いポットライフ
の少なくとも1つを有する。
【0245】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するものであるが、本発明の範囲を前記実施例のみに制限するものではない。部およびパーセンテージは、発明の詳細な説明の残りの部分と特許請求の範囲において、特に記載がない限り質量に対するものである。3つより多くの炭素原子を有するアルキル基が、特定の異性体を何ら挙げていない例において示される場合に、それぞれの場合においてn−異性体を表す。