特許第6669485号(P6669485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6669485利用管理システム、利用管理方法及び利用管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669485
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】利用管理システム、利用管理方法及び利用管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20200309BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20200309BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20200309BHJP
【FI】
   G06Q20/40
   G06Q20/18
   G06Q20/34
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-246651(P2015-246651)
(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公開番号】特開2017-111676(P2017-111676A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】592131906
【氏名又は名称】みずほ情報総研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】阿部 一郎
(72)【発明者】
【氏名】平古場 浩之
(72)【発明者】
【氏名】冨田 高樹
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−094874(JP,A)
【文献】 特開2007−004510(JP,A)
【文献】 特開2007−026138(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/128991(WO,A1)
【文献】 特表2014−517943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが保有するカードのカード情報及びユーザ端末の端末識別子を関連付けて記録したユーザ管理情報と、前記ユーザ管理情報に対して、カード利用端末が設置された利用可能場所情報及び利用制限を関連付けて記録した利用条件とを登録した利用管理情報記憶部と、
カード利用端末の設置場所に配置され、ビーコンコードを発信するビーコン装置のビーコンコードを記録したビーコン情報記憶部と、
端末識別情報とビーコンコードとを含んだ接近情報を仮記憶する接近情報記憶部と、
前記ビーコン装置と通信を行なうユーザ端末に接続された制御部とを備えた利用管理システムであって、
前記制御部が、
前記ビーコン装置が発信したビーコンコードを取得したユーザ端末から、第1の端末識別情報と第1のビーコンコードとを含んだ接近情報を取得して、前記接近情報記憶部に仮記憶し
ード利用端末に挿入されたカードのカード情報を取得し、前記ユーザ管理情報において前記カード情報に関連付けられた端末識別子を第2の端末識別情報として特定し、
前記ビーコン情報記憶部を用いて、前記カード利用端末の設置場所のビーコンコードを第2のビーコンコードとして特定し、
前記接近情報記憶部に仮記憶した第1の端末識別情報と第1のビーコンコードとの組み合わせと、前記第2の端末識別情報と第2のビーコンコードとの組み合わせが一致することを条件として、前記カード利用端末における前記カードの利用を前記利用条件の範囲内において許可し、
前記ビーコン装置が発信したビーコンコードを検知できなくなった前記ユーザ端末から離脱情報を取得した場合には、前記接近情報記憶部に仮記憶した接近情報を削除することを特徴とする利用管理システム。
【請求項2】
前記利用管理情報記憶部には、利用可能場所情報に関連付けて、利用制限に関する情報が記録されており、前記利用制限の範囲内において、前記カード利用端末の利用を許可することを特徴とする請求項1に記載の利用管理システム。
【請求項3】
利用可能場所に入ったユーザ端末から、前記接近情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の利用管理システム。
【請求項4】
前記ユーザ端末の保有者の移動予定ルートに関する情報を取得し、
前記移動予定ルートに含まれる場所を、前記利用可能場所として設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の利用管理システム。
【請求項5】
ユーザが保有するカードのカード情報及びユーザ端末の端末識別子を関連付けて記録したユーザ管理情報と、前記ユーザ管理情報に対して、カード利用端末が設置された利用可能場所情報及び利用制限を関連付けて記録した利用条件とを登録した利用管理情報記憶部と、
カード利用端末の設置場所に配置され、ビーコンコードを発信するビーコン装置のビーコンコードを記録したビーコン情報記憶部と、
端末識別情報とビーコンコードとを含んだ接近情報を仮記憶する接近情報記憶部と、
前記ビーコン装置と通信を行なうユーザ端末に接続された制御部とを備えた利用管理システムを用いて、カードの利用管理を行なうための方法であって、
前記制御部が、
前記ビーコン装置が発信したビーコンコードを取得したユーザ端末から、第1の端末識別情報と第1のビーコンコードとを含んだ接近情報を取得して、前記接近情報記憶部に仮記憶し
ード利用端末に挿入されたカードのカード情報を取得し、前記ユーザ管理情報において前記カード情報に関連付けられた端末識別子を第2の端末識別情報として特定し、
前記ビーコン情報記憶部を用いて、前記カード利用端末の設置場所のビーコンコードを第2のビーコンコードとして特定し、
前記接近情報記憶部に仮記憶した第1の端末識別情報と第1のビーコンコードとの組み合わせと、前記第2の端末識別情報と第2のビーコンコードとの組み合わせが一致することを条件として、前記カード利用端末における前記カードの利用を前記利用条件の範囲内において許可し、
前記ビーコン装置が発信したビーコンコードを検知できなくなった前記ユーザ端末から離脱情報を取得した場合には、前記接近情報記憶部に仮記憶した接近情報を削除することを特徴とする利用管理方法。
【請求項6】
ユーザが保有するカードのカード情報及びユーザ端末の端末識別子を関連付けて記録したユーザ管理情報と、前記ユーザ管理情報に対して、カード利用端末が設置された利用可能場所情報及び利用制限を関連付けて記録した利用条件とを登録した利用管理情報記憶部と、
カード利用端末の設置場所に配置され、ビーコンコードを発信するビーコン装置のビーコンコードを記録したビーコン情報記憶部と、
端末識別情報とビーコンコードとを含んだ接近情報を仮記憶する接近情報記憶部と、
前記ビーコン装置と通信を行なうユーザ端末に接続された制御部とを備えた利用管理システムを用いて、カードの利用管理を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記ビーコン装置が発信したビーコンコードを取得したユーザ端末から、第1の端末識別情報と第1のビーコンコードとを含んだ接近情報を取得して、前記接近情報記憶部に仮記憶し
ード利用端末に挿入されたカードのカード情報を取得し、前記ユーザ管理情報において前記カード情報に関連付けられた端末識別子を第2の端末識別情報として特定し、
前記ビーコン情報記憶部を用いて、前記カード利用端末の設置場所のビーコンコードを第2のビーコンコードとして特定し、
前記接近情報記憶部に仮記憶した第1の端末識別情報と第1のビーコンコードとの組み合わせと、前記第2の端末識別情報と第2のビーコンコードとの組み合わせが一致することを条件として、前記カード利用端末における前記カードの利用を前記利用条件の範囲内
において許可し、
前記ビーコン装置が発信したビーコンコードを検知できなくなった前記ユーザ端末から離脱情報を取得した場合には、前記接近情報記憶部に仮記憶した接近情報を削除する手段として機能させることを特徴とする利用管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード利用を管理するための利用管理システム、利用管理方法及び利用管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種決済のために、キャッシュカードが利用されている。ここで、決済の安全のために、利用制限の範囲内で資金を利用させるための預金口座管理方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。この文献に記載された技術においては、現金自動預入支払機から引出要求を受信した管理コンピュータは、利用枠識別子に対する利用枠暗証番号の確認を行なう。次に、管理コンピュータは、指定された利用枠が利用可能かどうかを判断し、利用希望金額が口座残高以下の場合、指定された取引処理を実行する。
【0003】
また、取引の安全性の向上を目的として、トークン(ワンタイムパスワード生成機)等を利用することがある。
更に、カードの不正利用が発生した場合に対応するためのカード利用システムも検討されている(例えば、特許文献2参照)。この文献に記載された技術においては、カードの使用時に、ATMから情報を取得したカードセンタは、カードIDをキーとして、顧客情報データベースから電話番号とユーザ氏名を検索する。そして、ユーザの携帯端末にカードの利用状況を連絡する。ユーザが承認した場合は支払処理を実行する。一方、ユーザが承認しなかった場合は、ATMにカード利用不可のメッセージを送信し、ホストコンピュータとカードセンタ管理者にカード利用不可のメッセージを送信する。
【0004】
また、各種情報を提供するために、ビーコンを利用する場合がある。このビーコンは、無線局等から送信される電波を、無線機器で受信することにより、位置等の各種情報を取得するための設備である。広域の無線標識としてはBluetooth(登録商標)を利用したものもある。これは、対象となるビーコン発信機からの信号を受信することにより、距離や位置を測定できるとともに、発信器からの識別情報を取得でき、省電力化と低コスト化が可能になったため、近接通知機能としての用途が注目されている(例えば、特許文献3参照)。この文献に記載された技術においては、ビーコン発信機の設置位置を示すユニークIDを発信するビーコン発信機を用いて、携帯端末の位置を決定する。そして、サーバは、携帯端末の位置に基づいた旅客案内情報を携帯端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−199251号公報
【特許文献2】特開2008−287515号公報
【特許文献3】特開2015−174475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、利用枠暗証番号を盗用された場合にも、利用枠の範囲内で現金が引き出される可能性がある。
また、トークン(ワンタイムパスワード生成機)は、キャッシュカードと同時に利用されるため、同じように管理することが多い。この場合、同時に盗難等に遭う可能性がある。一方、特許文献2に記載された技術においては、手持ち等が多い携帯端末を利用する。この携帯端末と、財布やバッグ内等で保管することが多いキャッシュカードとは、管理方法が異なるため、同時に盗難等に遭う可能性は低くなる。しかしながら、特許文献2に記載された技術においては、本人の利用時にも承認が必要となり、迅速な取引が困難になる場合がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、カード利用時における安全性を確保するための利用管理システム、利用管理方法及び利用管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決する利用管理システムは、ユーザ端末の端末識別情報、カード情報、利用可能場所情報を登録した利用管理情報記憶部と、ユーザ端末に接続された制御部とを備える。前記制御部が、ユーザ端末から、端末識別情報と現在位置に関する情報とを含んだ接近情報を取得し、前記現在位置に設置されたカード利用端末に挿入されたカードのカード情報を取得し、前記現在位置が利用可能場所情報に含まれており、前記端末識別情報とカード情報との組み合わせが前記利用管理情報記憶部に記録されている場合には、前記カード利用端末における前記カードの利用を許可する。これにより、ユーザ端末に基づいてユーザの所在地を確認して、カード利用時における安全性を確保することができる。
【0009】
(2)上記利用管理システムにおいて、前記利用管理情報記憶部には、利用可能場所情報に関連付けて、利用制限に関する情報が記録されており、前記利用制限の範囲内において、前記カード利用端末の利用を許可することが好ましい。これにより、利用可能場所に応じて、カード利用の制限を設けることができる。
【0010】
(3)上記利用管理システムにおいて、利用可能場所に入ったユーザ端末から、前記接近情報を取得することが好ましい。これにより、効率的に接近情報を取得することができる。
(4)上記利用管理システムにおいて、前記ユーザ端末の保有者の移動予定ルートに関する情報を取得し、前記移動予定ルートに含まれる場所を、前記利用可能場所として設定することが好ましい。これにより、効率的に利用可能場所を設定することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カード利用時における安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の利用管理システムの説明図。
図2】各データ記憶部に記憶されたデータの説明図であって、(a)は利用管理情報記憶部、(b)はATM情報記憶部、(c)はビーコン情報記憶部、(d)は接近情報記憶部に記録されたデータの説明図。
図3】本実施形態の処理手順の説明図。
図4】本実施形態の処理手順の説明図。
図5】本実施形態の処理手順の説明図。
図6】本実施形態の処理手順の説明図。
図7】他の実施形態の移動スケジュールの説明図。
図8】他の実施形態の処理手順の説明図。
図9】他の実施形態の処理手順の説明図。
図10】他の実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図6に従って、利用管理方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、キャッシュカードを利用して、予め登録した現金自動預払機(ATM:automated teller machine)を利用して、現金引出を行なう場合を想定する。
【0014】
ここでは、図1に示すように、ユーザ端末10、利用管理サーバ20、ビーコン装置30、金融機関サーバ40、ATM45を用いる。利用管理サーバ20、ビーコン装置30、金融機関サーバ40、ATM45は、金融機関ネットワークを介して接続される。
ユーザ端末10は、キャッシュカードを利用するユーザのコンピュータ端末(例えば、スマートフォン端末)である。ユーザ端末10は、通信ネットワークを介して、利用管理サーバ20と接続される。更に、ユーザ端末10は、ビーコン電波を介して、ビーコン装置30と通信を行なう。
【0015】
ユーザ端末10は、制御部、記憶部、タッチパネルディスプレイを備える。
制御部は、CPU、ROM、RAMから構成され、タッチパネルディスプレイを制御する。記憶部には、ウェブページを閲覧するためのブラウザプログラムや、本サービスに利用するアプリケーションプログラムが格納されている。このアプリケーションプログラムを実行することにより、制御部は、通信制御部101として機能する。この通信制御部101は、後述するビーコン装置30から送信されたビーコン電波の受信状況に応じて、利用管理サーバ20との通信を行なう。
【0016】
タッチパネルディスプレイは、情報の入力手段及び表示手段として機能する。このタッチパネルディスプレイは、情報を出力するとともに、ディスプレイ表面へのタッチを検知した場合、タッチ位置(座標)を特定して各種操作処理(ポインティング処理、キー入力処理等)を行なう。なお、情報の入力手段(キー操作部等)と、情報の表示手段(ディスプレイ等)とを分けて実現することも可能である。
【0017】
利用管理サーバ20は、キャッシュカードの利用を管理するコンピュータシステムであり、利用管理システムとして機能する。この利用管理サーバ20は、制御部21、利用管理情報記憶部22、ATM情報記憶部23、ビーコン情報記憶部24、接近情報記憶部25を備えている。
【0018】
制御部21は、図示しないCPU等の制御手段、RAM及びROM等のメモリを有し、後述する処理(ユーザ情報登録段階、ユーザ認証段階、接近管理段階、利用判定段階等の各処理等)を行なう。そして、利用管理プログラムを実行することにより、制御部21は、ユーザ情報登録部211、ユーザ認証部212、接近管理部213、利用判定部214として機能する。
【0019】
ユーザ情報登録部211は、本サービスを利用するユーザに関する情報を登録する処理を実行する。
ユーザ認証部212は、利用管理サーバ20にアクセスしたユーザの本人認証処理を実行する。
接近管理部213は、ビーコン装置30に接近したユーザを管理する処理を実行する。
利用判定部214は、ATM45の利用の可否を判定する処理を実行する。
【0020】
図2(a)に示すように、利用管理情報記憶部22には、本サービスのユーザについてのユーザ管理レコード220、利用条件レコード221が記録されている。この利用条件レコード221は、ユーザ管理レコード220に関連付けられている。ユーザ管理レコード220は、ユーザ登録を行なった場合に記録され、利用条件レコード221は、ATM45の利用条件が登録された場合に記録される。
【0021】
ユーザ管理レコード220には、ユーザID、パスワード、端末コード、カード番号に関するデータが記録される。
ユーザIDデータ領域には、各ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、ユーザIDとして、ユーザの電子メールアドレスを用いる。
【0022】
パスワードデータ領域には、このユーザの本人認証を行なうためのパスワードに関するデータが記録される。
端末コードデータ領域には、このユーザが利用するユーザ端末10を特定するための識別子(端末識別情報)に関するデータが記録される。
【0023】
カード番号データ領域には、このユーザが保有する口座を特定するための識別子(銀行コード、本支店コード、種別コード、口座番号等)に関するデータが記録される。
【0024】
利用条件レコード221には、利用店舗、利用期間、通常利用制限、現地登録制限に関するデータが記録される。
利用店舗データ領域には、このユーザが利用を希望するATM45が設置された店舗を特定するための識別子(店舗コード)に関するデータ(利用可能場所情報)が記録される。更に、後述する追加対応処理により、現地で登録された店舗コードには、現地登録フラグが関連付けられて記憶される。
【0025】
利用期間データ領域には、この店舗のATM45を利用できる期間に関するデータが記録される。
通常利用制限データ領域には、この店舗のATM45の利用時の制限に関するデータが記録される。本実施形態では、予め利用登録されたATM45における現金引出の限度額に関するデータが記録される。
【0026】
現地登録制限データ領域には、現地で新たに利用店舗を登録する場合の制限に関するデータが記録される。本実施形態では、後述する追加対応処理時の照合を行なう場合の現地登録パスワード、及び現地において追加登録された店舗のATM45における現金引出の限度額に関するデータが記録される。
【0027】
図2(b)に示すように、ATM情報記憶部23には、金融機関の店舗に設置されたATM45についてのATM管理レコード230が記録されている。ATM管理レコード230は、新たなATM45が金融機関の店舗に設置された場合に記録される。ATM管理レコード230には、ATMコード、店舗コード、設置場所に関するデータが記録される。
【0028】
ATMコードデータ領域には、各ATM45を特定するための識別子に関するデータが記録される。
店舗コードデータ領域には、このATM45が設置された店舗を特定するための識別子に関するデータが記録される。
設置場所データ領域には、このATM45が設置された店舗の住所に関するデータが記録される。
【0029】
図2(c)に示すように、ビーコン情報記憶部24には、金融機関の店舗に設置されたビーコン装置30についてのビーコン管理レコード240が記録されている。ビーコン管理レコード240は、金融機関の店舗にビーコン装置30が設置された場合に記録される。ビーコン管理レコード240には、ビーコンコード、店舗コード、設置場所に関するデータが記録される。
【0030】
ビーコンコードデータ領域には、各ビーコン装置30を特定するための識別子に関するデータが記録される。
店舗コードデータ領域には、このビーコン装置30が設置された店舗を特定するための識別子に関するデータが記録される。
設置場所データ領域には、このビーコン装置30が設置された店舗の住所に関するデータが記録される。
【0031】
図2(d)に示すように、接近情報記憶部25には、ビーコン装置30が設置された店舗に来店したユーザ(来店顧客)についての接近管理レコード250が記録されている。接近管理レコード250は、ユーザ端末10がビーコン装置30を検知した場合に記録される。接近管理レコード250には、ビーコンコード、端末コードに関するデータが記録される。
【0032】
ビーコンコードデータ領域には、ユーザ端末10が検知したビーコン装置30を特定するための識別子に関するデータが記録される。このビーコンコードに基づいて、ユーザの現在位置を特定することができる。
端末コードデータ領域には、ビーコン装置30から送信されたビーコン電波を受信したユーザ端末10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0033】
ビーコン装置30は、ATM45が設置された金融機関の店舗内に設置される。このビーコン装置30は、店舗内にビーコン電波を送出する。このビーコン電波には、ビーコン装置30を特定するための識別子(ビーコンコード)に関するデータを含める。
【0034】
金融機関サーバ40は、金融機関に開設された顧客の口座を管理し、この口座を利用しての決済を支援するコンピュータシステムである。この金融機関サーバ40は、口座情報記憶部42を備えている。この口座情報記憶部42には、顧客の口座に関する口座管理レコードが記録されている。この口座管理レコードは、口座が開設された場合に記録される。口座管理レコードには、口座識別子、名義人、暗証番号、口座残高、入出金情報に関するデータが記録される。
【0035】
ATM45は、金融機関の店舗に設置されたキャッシュカードや現金を用いての取引を行なう現金自動預払機であり、カード利用端末として機能する。このATM45は、金融機関サーバ40に、金融機関ネットワークを介して接続されている。そして、ATM45は、タッチパネルディスプレイを備える。そして、このタッチパネルディスプレイに、各種サービス項目を出力する。ATM45は、タッチパネルディスプレイにおいて選択されたサービス内容に関する要求(預金口座への入金や預金口座からの現金引出、指定された振込先口座への入金等)を、金融機関サーバ40に送信する。本実施形態では、ATM45からの各種要求は、利用管理サーバ20を経由して、金融機関サーバ40に送信される場合を想定する。
【0036】
次に、この利用管理システムにおける処理手順を、図3図6を用いて説明する。
(事前登録処理)
まず、図3を用いて、事前登録処理を説明する。
ここでは、ユーザ端末10は、ユーザ情報の送信処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、サービスの利用を希望する場合、ユーザ端末10を用いて、利用管理サーバ20にアクセスする。そして、ユーザ端末10は、利用管理サーバ20から、ユーザ登録画面を取得する。このユーザ登録画面には、ユーザID、パスワードの入力欄、送信ボタンが設けられている。そして、ユーザ登録画面に、ユーザID、パスワードを入力し、送信ボタンを選択した場合には、ユーザ端末10は、ユーザ登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。このユーザ登録要求には、ユーザ登録画面に入力されたユーザID及びパスワードに関するデータを含める。
【0037】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、ユーザ登録処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、ユーザ管理レコード220を生成する。このユーザ管理レコード220には、ユーザ登録要求に含まれるユーザID及びパスワードを記録する。
【0038】
次に、サービスの利用に用いるユーザ端末10を用いて、利用管理サーバ20にアクセスする。
この場合、ユーザ端末10は、認証情報の送信処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、ユーザ端末10は、利用管理サーバ20からログイン画面を取得する。このログイン画面には、ユーザID、パスワードの入力欄、送信ボタンが設けられている。そして、ログイン画面に、ユーザID、パスワードが入力されて、送信ボタンが選択された場合には、ユーザ端末10は、ログイン要求を、利用管理サーバ20に送信する。このログイン要求には、ログイン画面に入力されたユーザID及びパスワードに関するデータを含める。
【0039】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、ユーザ認証処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21のユーザ認証部212は、利用管理情報記憶部22において、ログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードが記録されたユーザ管理レコード220を検索する。ログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードが記録されたユーザ管理レコード220を抽出できた場合には、ユーザ認証部212は、ユーザ認証を完了する。一方、ログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードが記録されたユーザ管理レコード220を抽出できない場合には、ユーザ認証部212は、ログインを拒否する。ログインを完了した場合、ユーザ認証部212は、ユーザ端末10に対して、端末情報設定画面を送信する。この端末情報設定画面には、端末情報を取得するためのスクリプトが含まれる。
【0040】
次に、ユーザ端末10は、端末情報の送信処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、ユーザ端末10は、タッチパネルディスプレイに端末情報設定画面を出力する。この端末情報設定画面には、端末情報を送信することについての確認メッセージ、送信ボタンが含まれる。そして、送信ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、スクリプトを実行し、ユーザ端末10に設定されている端末コードを取得する。そして、ユーザ端末10は、取得した端末コードを含めた端末情報登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。
【0041】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、端末登録処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、受信した端末情報登録要求に含まれる端末コードを、ユーザ管理レコード220に記録する。
【0042】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、アプリケーションのダウンロード依頼処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、サービス利用時に用いるアプリケーションのダウンロード依頼を、ユーザ端末10に送信する。このダウンロード依頼には、アプリケーションをダウンロード可能なアプリケーション提供サイトのアドレス情報を含める。なお、利用管理サーバ20が、サービス利用時に用いるアプリケーションを、ユーザ端末10に提供するようにしてもよい。
【0043】
次に、ユーザ端末10は、アプリケーションのインストール処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、ユーザは、ユーザ端末10を用いて、ダウンロード依頼に含まれるアドレス情報に基づいて、アプリケーション提供サイトにアクセスする。そして、ユーザ端末10は、アプリケーション提供サイトから、サービス利用時に用いるアプリケーションをダウンロードし、インストールを実行する。このアプリケーションにより、ユーザ端末10の制御部は通信制御部101として機能する。
【0044】
次に、サービスの利用に用いるユーザ端末10を用いて、利用管理サーバ20にアクセスする。
この場合、ユーザ端末10は、ステップS1−3と同様に、認証情報の送信処理を実行する(ステップS1−9)。
【0045】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−4と同様に、ユーザ認証処理を実行する(ステップS1−10)。ログインを完了した場合、ユーザ認証部212は、ユーザ端末10に対して、カード情報設定画面を送信する。
【0046】
次に、ユーザ端末10は、カード情報の送信処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、ユーザ端末10は、タッチパネルディスプレイにカード情報設定画面を出力する。このカード情報設定画面には、カード番号の入力欄、送信ボタンが含まれる。そして、カード番号が入力され、送信ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、取得したカード番号を含めたカード情報登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。
【0047】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、カード情報の登録処理を実行する(ステップS1−12)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、カード情報登録要求に含まれるカード番号を、ユーザ管理レコード220に記録する。そして、ユーザ情報登録部211は、ユーザ端末10に対して、ATM指定画面を送信する。
【0048】
次に、ユーザ端末10は、利用ATMの指定処理を実行する(ステップS1−13)。具体的には、ユーザ端末10は、タッチパネルディスプレイにATM指定画面を出力する。このATM指定画面には、利用を希望するATM45が設置された店舗を設定するための入力欄、送信ボタンが含まれる。例えば、ユーザが訪問予定の訪問地の住所が入力された場合、ユーザ情報登録部211が、ATM情報記憶部23において、訪問地の住所から所定範囲内に所在する店舗のATM45を抽出し、選択候補としてATM指定画面に表示するようにしてもよい。そして、利用を希望するATM45が設置された店舗が入力され、送信ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、店舗コードを含めた利用店舗登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。
【0049】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、利用ATMの登録処理を実行する(ステップS1−14)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、利用条件レコード221を生成する。この利用条件レコード221に、ユーザ端末10から取得した店舗コードを記録する。次に、ユーザ情報登録部211は、ユーザ端末10に対して、利用期間指定画面を送信する。
【0050】
次に、ユーザ端末10は、利用ATMの利用期間の指定処理を実行する(ステップS1−15)。具体的には、ユーザ端末10は、タッチパネルディスプレイに利用期間指定画面を出力する。この利用期間指定画面には、ATMの利用を希望する期間を設定するための入力欄、送信ボタンが含まれる。そして、利用を希望する期間が入力され、送信ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、利用希望期間を含めた制限登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。
【0051】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、利用ATMの利用期間の登録処理を実行する(ステップS1−16)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、利用条件レコード221に、ユーザ端末10から取得した利用期間を記録する。次に、ユーザ情報登録部211は、ユーザ端末10に対して、通常利用時制限指定画面を送信する。
【0052】
次に、ユーザ端末10は、通常利用時の制限の設定処理を実行する(ステップS1−17)。具体的には、ユーザ端末10は、タッチパネルディスプレイに通常利用時制限指定画面を出力する。この通常利用時制限指定画面には、ATM45の通常利用時の制限を設定するための入力欄、送信ボタンが含まれる。ここでは、通常利用時の制限として、1回あたりの引出金額を設定する場合を想定する。そして、通常利用時の制限が入力され、送信ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、通常利用時の制限を含めた通常利用時制限登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。
【0053】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、通常利用時の制限の登録処理を実行する(ステップS1−18)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、利用条件レコード221に、ユーザ端末10から取得した通常利用時の制限情報を記録する。次に、ユーザ情報登録部211は、ユーザ端末10に対して、現地登録時制限指定画面を送信する。
【0054】
次に、ユーザ端末10は、現地登録時の制限の設定処理を実行する(ステップS1−19)。具体的には、ユーザ端末10は、タッチパネルディスプレイに現地登録時制限指定画面を出力する。この現地登録時制限指定画面には、ATM45の現地登録時の制限を設定するための入力欄、送信ボタンが含まれる。ここでは、現地登録時の制限として、現地登録パスワード、及び現地において追加登録された店舗のATM45における現金引出の限度額を設定する。そして、現地登録時の制限が入力され、送信ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、現地登録時の制限を含めた現地登録時制限登録要求を、利用管理サーバ20に送信する。
【0055】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、現地登録時の制限の登録処理を実行する(ステップS1−20)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、この利用条件レコード221に、ユーザ端末10から取得した現地登録時の制限情報を記録する。
【0056】
(来店時処理)
次に、図4を用いて、来店時処理を説明する。この処理は、ビーコン装置30が設置された金融機関の店舗に、ユーザ端末10を持参して来店した場合に行なわれる。
【0057】
まず、ユーザ端末10は、ビーコン電波の認識処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、ユーザ端末10の通信制御部101は、来店店舗内に設置されたビーコン装置30から送信されたビーコン電波を受信する。この場合、通信制御部101は、ビーコン電波の中に含まれるビーコンコードを取得する。
【0058】
次に、ユーザ端末10は、接近情報の送信処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、ユーザ端末10の通信制御部101は、通信ネットワークを介して、利用管理サーバ20に対して、接近情報を送信する。この接近情報には、ビーコン電波から取得したビーコンコード、及びユーザ端末10の端末コードに関するデータを含める。
【0059】
接近情報を受信した利用管理サーバ20の制御部21は、接近情報の仮登録処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の接近管理部213は、接近管理レコード250を生成し、接近情報記憶部25に記録する。この接近管理レコード250には、ユーザ端末10から取得した接近情報に含まれる端末コード及びビーコンコードを記録する。
【0060】
次に、ユーザ端末10は、ビーコン電波受信状態の監視処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、ユーザ端末10の通信制御部101は、ビーコン装置30からのビーコン電波の受信状態を監視する。
【0061】
次に、ユーザ端末10は、ビーコン電波の受信が途切れたかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、ユーザ端末10の通信制御部101は、ビーコン電波を受信できなくなった場合、ビーコン電波が途切れたと判定する。
【0062】
ビーコン電波の受信が途切れていないと判定した場合(ステップS2−5において「NO」の場合)、ユーザ端末10は、ビーコン電波受信状態の監視処理(ステップS2−4)を継続する。
【0063】
一方、ビーコン電波の受信が途切れたと判定した場合(ステップS2−5において「YES」の場合)、ユーザ端末10は、離脱情報の送信処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、ユーザ端末10の通信制御部101は、通信ネットワークを介して、利用管理サーバ20に対して、離脱情報を送信する。この離脱情報には、ビーコン電波から取得したビーコンコード、及びユーザ端末10の端末コードに関するデータを含める。
【0064】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、仮登録の削除処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の接近管理部213は、接近情報記憶部25から、離脱情報に含まれる端末コード及びビーコンコードが記録された接近管理レコード250を削除する。
【0065】
(ATM利用時処理)
次に、図5を用いて、ATM利用時処理を説明する。この処理は、金融機関の店舗内に設置されたATM45を利用する場合に行なわれる。
【0066】
まず、ATM45は、カード検知処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、来店顧客がATM45に、キャッシュカードを挿入した場合、ATM45は、キャッシュカードからカード番号を読み取る。
【0067】
次に、ATM45は、カード情報送信処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、ATM45は、金融機関ネットワークを介して、利用管理サーバ20に対して、カード情報を送信する。このカード情報には、キャッシュカードから読み取ったカード番号、及びキャッシュカードを受け付けたATM45のATMコードに関するデータを含める。
【0068】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、サービス利用登録の確認処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、利用管理情報記憶部22において、ATM45から取得したカード情報に含まれるカード番号が記録されたユーザ管理レコード220を検索する。
【0069】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、サービスの利用登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、カード番号が記録されたユーザ管理レコード220を取得できた場合には、サービス利用登録があると判定する。
【0070】
カード番号が記録されたユーザ管理レコード220を取得できず、サービスの利用登録がないと判定した場合(ステップS3−4において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、通常サービス処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、金融機関サーバ40に処理を引き継ぐ。この場合、金融機関サーバ40は、ATM45からの依頼に基づいて、通常サービスを提供する。
【0071】
一方、カード番号が記録されたユーザ管理レコード220を取得し、サービス利用登録があると判定した場合(ステップS3−4において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、接近情報の登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、キャッシュカードを受け付けたATM45のATMコードが記録されたATM管理レコード230をATM情報記憶部23から取得する。次に、利用判定部214は、取得したATM管理レコード230に記録されている店舗コードを取得する。次に、利用判定部214は、ビーコン情報記憶部24から、来店店舗の店舗コードが記録されたビーコン管理レコード240を取得し、ビーコンコードを特定する。
【0072】
次に、利用判定部214は、利用管理情報記憶部22から、ATM45から取得したカード番号が記録されたユーザ管理レコード220を抽出し、このユーザ管理レコード220に記録されている端末コードを取得する。
【0073】
そして、利用判定部214は、利用管理情報記憶部22から取得した端末コード、来店店舗に設置されたビーコン装置30のビーコンコードが記録された接近管理レコード250を接近情報記憶部25において検索する。この接近管理レコード250を抽出できた場合には、接近情報の登録があると判定する。
【0074】
ここで、来店顧客のユーザ端末10の端末コード、及び来店店舗のビーコン装置30のビーコンコードが記録されている接近管理レコード250を抽出できず、接近情報の登録がないと判定した場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、対応不可指示処理を実行する(ステップS3−15)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、金融機関サーバ40に対して、現金引出の中止を指示する。
【0075】
一方、接近情報の登録があると判定した場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、事前登録店舗かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、利用管理情報記憶部22から、この来店顧客のユーザ管理レコード220に関連付けられている利用条件レコード221を抽出する。そして、利用判定部214は、来店店舗の店舗コードが記録された利用条件レコード221が抽出できた場合には、事前登録店舗と判定する。
【0076】
来店店舗の店舗コードが記録された利用条件レコード221を抽出できず、事前登録店舗でないと判定した場合(ステップS3−7において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、追加対応処理を実行する(ステップS3−8)。この追加対応処理については、図6を用いて後述する。
【0077】
一方、来店店舗の店舗コードが記録された利用条件レコード221を抽出し、事前登録店舗と判定した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、引出情報の待機処理を実行する(ステップS3−9)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、ATM45における取引情報の入力を待機する。
【0078】
そして、ATM45は、引出金額の送信処理を実行する(ステップS3−10)。具体的には、来店顧客により、ATM45のタッチパネルディスプレイにおいて、現金引出のサービス項目が選択され、引出金額が入力された場合、ATM45は、現金引出要求を、金融機関ネットワークを介して、利用管理サーバ20に送信する。
【0079】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、引出金額の受信処理を実行する(ステップS3−11)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、ATM45において入力された引出金額を取得する。
【0080】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、引出条件を満足するかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−12)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、利用管理情報記憶部22から、この来店顧客のカード番号に関連付けられた利用条件レコード221を取得する。ここで、利用判定部214は、現地登録フラグが記録されていない店舗コードの店舗に設置されたATM45を利用する場合には、利用条件レコード221に記録されている通常利用制限を取得する。一方、現地登録フラグが記録されている店舗コードの店舗に設置されたATM45を利用する場合には、利用判定部214は、利用条件レコード221に記録されている現地登録制限を取得する。そして、利用判定部214は、事前登録店舗又は現地登録店舗に応じて、それぞれ通常利用制限又は現地登録制限の限度額と、ATM45から取得した引出金額とを比較する。引出金額が、限度額内の場合には、引出条件を満足すると判定する。
【0081】
ここで、引出金額が限度額内であり、引出条件を満足すると判定した場合(ステップS3−12において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、対応可能指示処理を実行する(ステップS3−13)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、金融機関サーバ40に対して、現金引出の許可を指示する。
【0082】
この場合、金融機関サーバ40は、現金引出対応処理を実行する(ステップS3−14)。具体的には、金融機関サーバ40は、ATM45において、キャッシュカードのカード番号の口座からの引出金額の現金を提供する。
【0083】
一方、引出金額が限度額を超えており、引出条件を満足しないと判定した場合(ステップS3−12において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、対応不可指示処理を実行する(ステップS3−15)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、金融機関サーバ40に対して、現金引出の中止を指示する。
【0084】
この場合、金融機関サーバ40は、現金引出不可処理を実行する(ステップS3−16)。具体的には、金融機関サーバ40は、ATM45のタッチパネルディスプレイに、キャッシュカードを利用しての現金引出ができないことを示すメッセージを出力する。
【0085】
(追加対応処理)
次に、図6を用いて、追加対応処理(ステップS3−8)を説明する。この処理は、事前登録店舗以外の店舗に来店している場合(ステップS3−7において「NO」の場合)に行なわれる。
【0086】
まず、利用管理サーバ20の制御部21は、端末へのメッセージ送信処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、ユーザ管理レコード220に記録されている端末コードを取得する。そして、利用判定部214は、この端末コードのユーザ端末10に対して、注意喚起画面を送信する。この注意喚起画面には、利用登録されていない店舗に来店していることを示すメッセージ、現地登録パスワードの入力欄を含める。
【0087】
次に、ユーザ端末10は、メッセージ出力処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、ユーザ端末10は、利用管理サーバ20から取得したメッセージを含めた注意喚起画面を、タッチパネルディスプレイに出力する。
【0088】
次に、ユーザ端末10は、現地登録パスワードの入力処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、ユーザは、この金融機関店舗に設置されたATM45の利用を希望する場合には、注意喚起画面に現地登録パスワードを入力する。この場合、ユーザ端末10は、利用管理サーバ20に対して、現地登録要求を送信する。この現地登録要求には、注意喚起画面に入力された現地登録パスワードに関するデータを含める。
【0089】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、現地登録パスワードの照合処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、ユーザ管理レコード220に関連付けられている利用条件レコード221に記録されている現地登録制限(現地登録パスワード)を取得する。そして、利用判定部214は、ユーザ端末10から取得したパスワードと、現地登録パスワードとを比較する。
【0090】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、照合完了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、ユーザ端末10から取得したパスワードと現地登録パスワードとが一致した場合には、照合完了と判定する。
【0091】
ユーザ端末10から取得したパスワードと現地登録パスワードとが一致せず、照合完了でないと判定した場合(ステップS4−5において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、追加不可メッセージ処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、ユーザ端末10に対して、追加不可メッセージを送信する。この追加不可メッセージには、現地登録パスワードを照合できなかったことを示すメッセージを含める。
【0092】
一方、ユーザ端末10から取得したパスワードと現地登録パスワードとが一致し、照合完了と判定した場合(ステップS4−5において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、追加完了メッセージ処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21の利用判定部214は、利用条件レコード221に、この店舗の店舗コードを、利用店舗データ領域に追加する。この店舗コードには、現地登録フラグを関連付けて記録しておく。そして、利用判定部214は、ユーザ端末10に対して、追加完了メッセージを送信する。この追加完了メッセージには、来店店舗のATM45を利用できることを示すメッセージを含める。
【0093】
次に、ユーザ端末10は、メッセージ出力処理を実行する(ステップS4−8)。具体的には、ユーザ端末10は、利用管理サーバ20から取得した追加不可メッセージ又は追加完了メッセージを、タッチパネルディスプレイに出力する。
【0094】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ユーザ端末10は、ビーコン電波の認識処理(ステップS2−1)、接近情報の送信処理(ステップS2−2)を実行する。これにより、利用管理サーバ20は、ユーザの来店を検知することができる。
【0095】
ビーコン電波の受信が途切れたと判定した場合(ステップS2−5において「YES」の場合)、ユーザ端末10は、離脱情報の送信処理を実行する(ステップS2−6)。これにより、ユーザが店外に出たことを検知することができる。
【0096】
(2)本実施形態では、利用管理サーバ20の制御部21は、サービス利用登録の確認処理を実行する(ステップS3−3)。サービスの利用登録がないと判定した場合(ステップS3−4において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、通常サービス処理を実行する(ステップS3−5)。これにより、サービス利用を登録していない顧客に対しては、通常サービスを提供することができる。
【0097】
(3)本実施形態では、カード番号が記録されたユーザ管理レコード220を取得し、サービス利用登録があると判定した場合(ステップS3−4において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、接近情報の登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。接近情報の登録がないと判定した場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、対応不可指示処理を実行する(ステップS3−15)。これにより、ユーザ端末10を用いて、接近情報に基づいて、ユーザの所在を確認して、的確なサービス提供を行なうことができる。
【0098】
(4)本実施形態では、接近情報の登録があると判定した場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、事前登録店舗かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−7)。事前登録店舗でないと判定した場合(ステップS3−7において「NO」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、追加対応処理を実行する(ステップS3−8)。これにより、状況に応じて、予定外の店舗においてもATM45を利用することができる。
【0099】
(5)本実施形態では、事前登録店舗と判定した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、引出情報の待機処理(ステップS3−9)、引出金額の受信処理(ステップS3−11)、引出条件を満足するかどうかについての判定処理(ステップS3−12)を実行する。これにより、事前登録した条件に基づいて、的確なサービスを提供することができる。
【0100】
更に、現地登録フラグが記録されていない店舗コードの店舗に設置されたATM45を利用する場合には、利用条件レコード221に記録されている通常利用制限を取得する。一方、現地登録フラグが記録されている店舗コードの店舗に設置されたATM45を利用する場合には、利用判定部214は、利用条件レコード221に記録されている現地登録制限を取得する。これにより、事前登録と現地登録とを識別して、状況に応じた安全性を考慮したサービス提供を行なうことができる。
【0101】
(6)本実施形態では、利用管理サーバ20の制御部21は、現地登録パスワードの照合処理を実行する(ステップS4−4)。照合完了と判定した場合(ステップS4−5において「YES」の場合)、利用管理サーバ20の制御部21は、追加完了メッセージ処理を実行する(ステップS4−7)。これにより、予定外のATM45を利用する場合には、ユーザ端末10において本人を確認して、的確なサービス提供を行なうことができる。
【0102】
なお、上記各実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記実施形態では、キャッシュカードを利用して、ATM45において現金引出を行なう場合を想定した。カードはキャッシュカードに限定されるものではない。また、制限対象の取引も、現金引出に限定されるものではない。例えば、電子マネーによる決済や、電子チケットの利用を制限対象とすることも可能である。
【0103】
・上記実施形態では、ビーコン装置30は、店舗内にビーコン電波を送信する。ユーザ端末10の所在を検知する方法は、ビーコンに限定されるものではない。例えば、GPSやWiFiの基地局を利用して、ユーザの所在地を特定することも可能である。
【0104】
・上記実施形態では、ユーザ端末10は、利用ATMの指定処理を実行する(ステップS1−13)。具体的には、ユーザ端末10において、ATM指定画面を用いて、利用希望のATM45を指定する。ここで、ユーザの移動予定の経路に基づいて、利用可能場所を登録するようにしてもよい。
ここでは、図7に示すように、空港a1を出発し、宿泊地b1、観光地c1、宿泊地b2、観光地c2、買物地d1を経由して、空港a1に戻る経路で移動する場合を想定する。
【0105】
この場合、各滞在予定地に対して、滞在期間を設定した滞在スケジュールを用いて、利用店舗の事前登録処理を行なう。この処理を、図8を用いて説明する。
(事前処理)
まず、利用管理サーバ20の制御部21は、ユーザ認証処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21のユーザ認証部212は、ユーザID及びパスワードを用いて、ユーザ認証を行なう。これにより、事前登録を行なうユーザIDを特定する。
【0106】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、移動ルートの登録処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、ATM指定画面において、滞在スケジュールを取得できるようにしておく。この滞在スケジュールには、滞在予定地に対して滞在期間(年月日)に関するデータを含めておく。
【0107】
次に、利用管理サーバ20の制御部21は、利用ATMの登録処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21のユーザ情報登録部211は、滞在期間の長さに応じて、ATM45の利用許容範囲を特定する。次に、ユーザ情報登録部211は、ATM情報記憶部23を用いて、ATM45の設置場所が、滞在予定地を中心とした利用許容範囲内に含まれるATM管理レコード230を特定する。そして、ユーザ情報登録部211は、特定したATM管理レコード230の店舗コードを、利用条件レコード221の利用店舗データ領域に記録する。更に、ユーザ情報登録部211は、滞在スケジュールに記録されている滞在期間を、利用条件レコード221の利用期間データ領域に記録する。
これにより、移動経路に基づいて特定したATM45を、滞在期間の利用対象として登録することができる。
【0108】
・上記実施形態では、キャッシュカードの名義人が、ATM45を利用する場面を想定した。ここで、キャッシュカードの名義人以外のユーザ(代理者)がATM45を利用できるようにしてもよい。
【0109】
この場合には、図9に示すように、名義人のユーザ端末10及び代理者のユーザ端末15を用いる。そして、ユーザ端末15にも、利用管理サーバ20から取得したアプリケーションをインストールしておく。
【0110】
まず、名義人のユーザ端末10は、アプリケーションの起動処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、ユーザ端末10は、サービスメニュー画面を、タッチパネルディスプレイに出力する。
【0111】
次に、ユーザ端末10は、代理者手続の制限設定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、サービスメニュー画面において、「代理者手続」を選択する。この場合、ユーザ端末10は、代理者によるATM45の利用制限を設定する代理利用制限画面を出力する。利用制限(例えば、引出限度額)が入力された場合、ユーザ端末10は、近距離で無線通信を行なうために、通信相手を相互に認証して接続するペアリングを待機する。
【0112】
ここで、ユーザ端末15においても、アプリケーションの起動処理を実行する(ステップS7−1)。
この場合、ユーザ端末10,15において、それぞれペアリング処理を実行する(ステップS6−3,S7−2)。これにより、ユーザ端末10とユーザ端末15とが、近距離無線通信を用いて、通信可能となる。
【0113】
次に、ユーザ端末10は、端末情報の送信処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、ユーザ端末10は、端末コードをユーザ端末15に送信する。
次に、ユーザ端末15は、端末情報の仮記憶処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、ユーザ端末15の通信制御部101は、ユーザ端末10から取得した端末コードを仮記憶する。
【0114】
次に、ユーザ端末10は、代理者制限情報の送信処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、ユーザ端末10の通信制御部101は、代理利用制限画面に入力された利用制限に関するデータを、ユーザ端末15に送信する。
次に、ユーザ端末15は、代理者制限情報の仮記憶処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、ユーザ端末15は、ユーザ端末10から取得した利用制限を仮記憶する。
【0115】
次に、図10を用いて、代理者が金融機関の店舗に来店した場合の処理を説明する。
ここでも、ユーザ端末15は、ステップS2−1,S2−2と同様に、ビーコン電波の認識処理(ステップS8−1)、接近情報の送信処理(ステップS8−2)を実行する。この場合、ユーザ端末15は、仮記憶したユーザ端末10の端末コード及びビーコン装置30のビーコンコードを送信する。更に、ユーザ端末15は、仮記憶した利用制限を、利用管理サーバ20に送信する。この利用制限は、引出条件を満足するかどうかについての判定処理(ステップS3−12)において利用される。
【0116】
この場合、利用管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−3と同様に、接近情報の仮登録処理を実行する(ステップS8−3)。
次に、ユーザ端末15は、ステップS2−4,S2−5と同様に、ビーコン電波受信状態の監視処理(ステップS8−4)、ビーコン電波の受信が途切れたかどうかについての判定処理(ステップS8−5)を実行する。
【0117】
ビーコン電波の受信が途切れたと判定した場合(ステップS8−5において「YES」の場合)、ユーザ端末15は、ステップS2−6と同様に、離脱情報の送信処理を実行する(ステップS8−6)。
【0118】
この場合、利用管理サーバ20の制御部21は、ステップS2−7と同様に、仮登録の削除処理を実行する(ステップS8−7)。
次に、ユーザ端末15は、仮記憶の消去処理を実行する(ステップS8−8)。具体的には、ユーザ端末15は、仮記憶したユーザ端末10の端末コードを削除する。
これにより、代理者のユーザ端末15を用いて、サービスを利用することができる。
【0119】
なお、仮記憶の消去処理(ステップS8−8)のタイミングは、ビーコン電波の受信が途切れたと判定した場合(ステップS8−5において「YES」の場合)に限定されるものではない。例えば、ATM45の利用時に、利用管理サーバ20からユーザ端末15に対して、利用完了通知を送信し、この利用完了通知に基づいて、仮登録を削除するようにしてもよい。これにより、代理者によるカード利用が完了した時点で、代理者権限を削除することができる。
【0120】
・上記実施形態では、利用管理情報記憶部22には、本サービスのユーザについてのユーザ管理レコード220、利用条件レコード221が記録されている。利用条件レコード221には、利用店舗、利用期間、通常利用制限、現地登録制限に関するデータが記録される。そして、通常利用制限データ領域には、予め利用登録されたATM45における現金引出の限度額に関するデータが記録される。ここで、利用制限は、限度額に限定されるものではない。
【0121】
例えば、利用回数を制限するようにしてもよい。この場合には、制限対象(同じATM45や同じ店舗、同じエリア、滞在期間中等)毎に利用可能回数を設定しておくことが可能である。そして、利用管理サーバ20の制御部21は、制限対象毎に利用回数をカウントし、予め設定された利用可能回数までの利用を許可する。一方、制限対象における利用回数が利用可能回数を超えた場合には、利用管理サーバ20の制御部21は、制限対象のATM45の利用を制限する。
【0122】
また、引出可能時間を制限するようにしてもよい。この場合、制限対象(同じATM45や同じ店舗、同じエリア、滞在期間中等)毎に引出可能時間帯を予め設定しておくことが可能である。そして、利用管理サーバ20の制御部21は、ATM45の利用時に利用時刻を特定し、引出可能時間帯内の利用を許可する。一方、利用管理サーバ20の制御部21は、引出可能時間帯以外でのATM45の利用を制限する。
【0123】
また、引出金額の総額を制限するようにしてもよい。この場合、制限対象(同じATM45や同じ店舗、同じエリア、滞在期間中等)における引出可能総額限度を予め設定しておくことが可能である。そして、利用管理サーバ20の制御部21は、制限対象毎に引出金額を合計し、引出可能総額限度内の利用を許可する。一方、引出可能総額制限を超えた場合には、利用管理サーバ20の制御部21は、制限対象におけるATM45の利用を制限する。
なお、事前登録や現地登録に基づいて、上述した制限対象を指定できるようにしてもよい。
【0124】
また、利用条件レコード221に記録される現地登録時の制限も、現地登録パスワード、及び現金引出の限度額に限定されるものではない。現地登録制限においても、現地登録可能なエリアや、現地登録可能な期間を設定しておくようにしてもよい。また、現金引出の限度額を、現地登録パスワードの照合処理(ステップS4−4)の完了後に、利用管理サーバ20の制御部21が、ユーザ端末10から取得し、利用条件レコード221に記録するようにしてもよい。
【0125】
・上記実施形態では、接近情報記憶部25には、ビーコン装置30が設置された店舗に来店したユーザ(来店顧客)についての接近管理レコード250が記録されている。この接近管理レコード250には、ビーコンコード、端末コードに関するデータが記録される。接近管理レコード250には、ユーザの所在を特定できる情報を記録すればよく、ビーコンコードに限定されるものではない。例えば、ビーコン情報記憶部24を用いて、ビーコンコードを店舗コードに変換し、接近管理レコード250において、店舗コードと端末コードとを関連付けて記憶してもよい。この場合には、接近情報の登録があるかどうかについての判定処理(ステップS3−6)においては、制御部21の利用判定部214は、キャッシュカードを受け付けたATM45が設置された店舗の店舗コードが記録された接近管理レコード250を検索する。
【0126】
・上記実施形態では、利用管理サーバ20は、ビーコン情報記憶部24を備えている。このビーコン情報記憶部24には、金融機関の店舗に設置されたビーコン装置30についてのビーコン管理レコード240が記録されている。ビーコン情報記憶部24の設置場所は、利用管理サーバ20に限定されるものではない。例えば、利用管理サーバ20とは別に、ビーコン情報記憶部24を備えたビーコン管理サーバを設けてもよい。この場合には、利用管理サーバ20は、ビーコン管理サーバから、ビーコン装置30が設置された店舗の店舗コードを取得する。
【0127】
また、ユーザ端末10に、ビーコン情報記憶部24を設けてもよい。この場合には、ビーコンコードと店舗コードとを関連付けた変換テーブルを、本サービスに利用するアプリケーションプログラムに含めておく。更に、接近情報記憶部25には、店舗コードと端末コードとを関連付けて記録する。
そして、ユーザ端末10は、ビーコン電波の認識処理(ステップS2−1)において、変換テーブルを用いて、ビーコンコードを店舗コードに変換する。この場合、利用管理サーバ20に対して送信する接近情報には、店舗コードと端末コードとを含める。
接近情報を取得した利用管理サーバ20の制御部21は、端末コード及び店舗コードを含めた接近管理レコード250を接近情報記憶部25に記録する。離脱情報の送信処理(ステップS2−6)においても、ユーザ端末10は、変換テーブルを用いて、ビーコンコードから変換した店舗コードを、離脱情報に含める。そして、接近情報の登録があるかどうかについての判定処理(ステップS3−6)においては、制御部21の利用判定部214は、キャッシュカードを受け付けたATM45が設置された店舗の店舗コードが記録された接近管理レコード250を検索する。
【符号の説明】
【0128】
10…ユーザ端末、101…通信制御部、20…利用管理サーバ、21…制御部、211…ユーザ情報登録部、212…ユーザ認証部、213…接近管理部、214…利用判定部、22…利用管理情報記憶部、23…ATM情報記憶部、24…ビーコン情報記憶部、25…接近情報記憶部、30…ビーコン装置、40…金融機関サーバ、42…口座情報記憶部、45…ATM。
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