特許第6671249号(P6671249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671249
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】用水路監視装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/20 20060101AFI20200316BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20200316BHJP
   G01F 1/00 20060101ALN20200316BHJP
【FI】
   E02B7/20 105
   G06Q50/26
   !G01F1/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-115964(P2016-115964)
(22)【出願日】2016年6月10日
(65)【公開番号】特開2017-218856(P2017-218856A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2018年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】特許業務法人ぱるも特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(72)【発明者】
【氏名】高倉 健次
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0251478(US,A1)
【文献】 特開平09−003848(JP,A)
【文献】 米国特許第05812421(US,A)
【文献】 特開平08−180109(JP,A)
【文献】 特開平10−204966(JP,A)
【文献】 特開2009−209544(JP,A)
【文献】 特開平09−111732(JP,A)
【文献】 特開2003−066141(JP,A)
【文献】 特開2008−083167(JP,A)
【文献】 特開2007−148611(JP,A)
【文献】 特開2006−125001(JP,A)
【文献】 特開2010−128617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 7/20−7/54
E02B 1/00−3/02
E02B 3/16−3/28
E02B 8/02−8/04
G05D 9/00−11/16
G05D 21/00−22/02
G05D 24/00−29/00
G06F 3/01
G06F 3/048−3/0489
G06Q 10/00−10/10
G06Q 30/00−30/08
G06Q 50/00−50/20
G06Q 50/26−90/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用水路の水情報を取得すると共に、前記用水路に関連する設備に制御信号を出力する入出力部と、
前記水情報を蓄積すると共に前記設備を制御する前記制御信号を生成する制御部とを備え、
前記制御部は、
複数の前記用水路の接続関係および配置関係を、複数の前記用水路にそれぞれ付された識別番号を用いて示す模式図情報を有し、
前記水情報および前記模式図情報に基づいて、前記用水路の特定箇所における特定水情報を算出すると共に、前記特定箇所に関連する前記設備の前記制御信号を前記特定水情報に基づいて生成する、
用水路監視装置。
【請求項2】
前記入出力部は、前記用水路の周辺状態を示す環境情報を取得し、
前記制御部は、
前記特定水情報の算出において、前記水情報および前記模式図情報に加えて、前記環境情報を用いる、
請求項1に記載の用水路監視装置。
【請求項3】
前記模式図情報は、前記用水路の、幅、深さ、勾配を示す構造関係を有する、
請求項2に記載の用水路監視装置。
【請求項4】
前記入出力部が取得する前記環境情報は、気象情報、地震情報、津波情報、潮位情報、ダムの放水情報、の少なくとも一つである、
請求項2または請求項3に記載の用水路監視装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記環境情報に基づいて前記特定箇所を決定する、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の用水路監視装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記特定水情報の算出において、前記入出力部により取得された前記環境情報の内から、所定の日時までの前記環境情報を用いる、
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の用水路監視装置。
【請求項7】
外部からの操作信号を入力する操作卓を、前記入出力部と前記制御部と一体に備え、
前記制御部は、前記特定水情報に加えて、前記操作信号を用いて前記制御信号を生成する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の用水路監視装置。
【請求項8】
ネットワークを介して外部に前記水情報と前記特定水情報とを配信するWEBサーバ部を前記入出力部と前記制御部と前記操作卓と一体に備えた、
請求項7に記載の用水路監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用水路の水位などを監視して、樋門などの開閉を制御することで、用水路における溢水を抑止し、農地、住宅などの浸水被害を防止する用水路監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、水道施設、農業用用水路などに設置した水位計、流量計などにより、水位データ、流量データなどを収集し、水位、流量の異常の判定を行う以下のような監視装置が開示されている。
【0003】
データ収集PCは、各監視局グループから、A市、B市の水道施設から、水温、水圧、流量および残留塩素濃度の各計測データを収集する。そして、データ収集PCによって収集された計測データは、ウェブサーバに与えられる。このウェブサーバに与えられた計測データに基づいて、解析用PCが各種解析を実行する。この解析用PCが解析するのは、たとえば直結給水の是非、破裂事故警報、水質異常、マッピングへのデータ配信などである。
【0004】
ウェブサーバは、ルータを介してインタネット網に接続される。各市の水道担当部署は、システム運営者が設置した監視局で計測した計測データ、それに基づく各種情報などを、ウェブサーバのホームページから、各事業体PCに取り込んだり、表示したりすることができる。警報発生要件データベースは、各顧客毎に、各計測項目データにどのような異常が発生したとき警報を出すかを決める基準値または閾値を設定しておくもので、流量、水圧、残塩濃度、濁度、色度、電気伝導率、pH、および水温について、それぞれ上限値および下限値を登録しておく。これらの警報発生要件のいずれに該当したとき、ウェブサーバから該当の事業体PCに警報が出される。
【0005】
また、監視局は、全ての水温計、水圧センサ、流量センサおよび残塩センサをスキャンし終えたかどうか判断する。監視局は、計測データをサンプリングした結果、各計測データの移動平均値を演算する。そして、計算した移動平均値が異常な値を示していないかどうか判断する。監視局は異常値を検知すると、ウェブサーバに異常の発生を報知する。ウェブサーバは、異常発呼であると判断し、警報を発生する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−133044号公報 (段落[0032]〜[0045]、[0070]、図1図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来の監視装置では、各監視局にて計測した計測データが、設定された上限値および下限値を逸脱していないかを判定している。しかしながら、複数の用水路が分流、合流するような複雑な接続関係を有する用水路系の場合では、用水路の特定箇所において予想しなかった水位上昇が発生することがある。このような用水路の特定箇所において予め監視局を設置していない場合では、この特定箇所における水位上昇を計測できない。そのため、用水路に設けられた樋門などの開閉制御を適切に行うことができず、溢水が生じる可能性があるという問題点があった。
【0008】
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、用水路の特定箇所における特定水情報を算出し、設備の制御を行うことができる用水路監視装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る用水路監視装置は、
複数の用水路の水情報を取得すると共に、前記用水路に関連する設備に制御信号を出力する入出力部と、
前記水情報を蓄積すると共に前記設備を制御する前記制御信号を生成する制御部とを備え、
前記制御部は、
複数の前記用水路の接続関係および配置関係を、複数の前記用水路にそれぞれ付された識別番号を用いて示す模式図情報を有し、
前記水情報および前記模式図情報に基づいて、前記用水路の特定箇所における特定水情報を算出すると共に、前記特定箇所に関連する前記設備の前記制御信号を前記特定水情報に基づいて生成するものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る用水路監視装置によれば、用水路の特定箇所における特定水情報を算出して、特定箇所に関連する設備を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1による用水路監視装置の概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態1による用水路の水系模式図である。
図3】本発明の実施の形態1による用水路監視装置により得られる水情報と特定水情報とを示す図である。
図4】本発明の実施の形態2による用水路監視装置の概略構成図である。
図5】本発明の実施の形態3による用水路監視装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1による用水路監視装置100について図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による用水路監視装置100と、この用水路監視装置100に接続される機器、設備とを示す概略構成図である。
図2は、本発明の実施の形態1による用水路Yの水系模式図40である。
図3は、本発明の実施の形態1による用水路監視装置100により得られる、水情報と特定水情報とを示す図である。
本実施の形態の用水路監視装置100は、複数の用水路Yで構成される用水路系を監視する管理センタに設けられるものであり、用水路Yの水位、流量などを計測して、用水路Yに関連する設備(樋門、バルブ)などの開閉制御して水位などを調節するものである。
【0013】
用水路Yの各地には、用水路Yを流れる水の水位、流量などの水情報J1を計測する水位計、流量計などの測量機1A、1B、1Cが設けられている。これら測量機1A、1B、1Cで計測された水情報J1は、テレメータ、テレコン子局装置(以降、TM子局部と称す)21、22、23、24、25を介して用水路監視装置100に伝送される。
【0014】
図2に示す模式図情報としての水系模式図40は、複数の用水路Yにより構成される用水路系において、各用水路Yが分流、合流する接続関係、配置関係を示すものである。図中直線で示す箇所が用水路Yであり、4つの用水路Yが図中右側に示す川に接続されている。
また、各測量機1A、1B、1Cの配置位置が三角印で示されており、この配置位置において用水路Yの水情報J1を取得する。また、設備としての樋門10A、10B、10Cの配置位置が長方形で示されている。
【0015】
また、水系模式図40は、用水路Yの、幅、深さ、勾配を示す構造関係Kを有している。図2において全ての用水路Yの構造関係Kは図示していないが、それぞれの用水路Yにそれぞれの構造関係Kが登録されている。この構造関係Kは、例えば用水路Y毎に識別番号を振り、識別番号毎に構造関係Kをデータベース化するなどして登録されている。
【0016】
用水路監視装置100は、各TM子局部21、22、23、24、25から電送される水情報J1を取得し、樋門10A、10B、10Cに制御信号Pを出力する入出力部としてのテレメータ、テレコン親局装置(以降、TM親局部と称す)51と、取得された各水情報J1を蓄積し、樋門10A、10B、10Cを制御するための制御信号Pを生成する制御部としてのサーバ50と、サーバ50から出力される情報を表示するモニタ54と、サーバ50から出力される情報をネットワーク20を介して外部に配信するWEBサーバ部52とを一体構成で備える。
また、サーバ50は、図2に示した水系模式図40を有している。
【0017】
以下、上記のように構成された用水路監視装置100を用いた用水路の監視方法について説明する。
各測量機1A、1B、1Cにより計測された用水路Yの水情報J1は、用水路監視装置100のサーバ50に随時蓄積される。そしてサーバ50は、サーバ50に蓄積された水情報J1と、水系模式図40に示される用水路Yの接続関係、配置関係の情報とに基づいて、例えば水系模式図40に特定箇所T1、T2として示す箇所における水位、流量などを示す特定水情報J2を算出する。
【0018】
例えば大雨が降り、図2に示す川が増水したとする。そして図3に示すように、測量機1Aの設置箇所における水情報J1の水位が3m、測量機1Bにおける水位が1.6m、測量機1Cにおける水位が3.5mであったとする。この場合、サーバ50は、この水情報J1と水系模式図40とに基づいて、特定箇所T1における特定水情報J2(水位)を1.8m、特定箇所T2における特定水情報J2(水位)を2.5mと演算する。
またサーバ50は、取得した水情報J1と、算出した特定水情報J2とを、グラフ化または一覧表化して、水系模式図40と共にモニタ54に表示する。
【0019】
次にサーバ50は、各特定箇所T1、T2における特定水情報J2(水位)が、溢水が生じるような警戒水位に達しているかを判断する。この場合、例えば特定箇所T1における特定水情報J2(水位)は問題がないが、特定箇所T2における特定水情報J2(水位)は警戒レベルに達していると判断する。
【0020】
次にサーバ50は、特定箇所T2の水位に影響を与える樋門を制御対象として選出し、選出された樋門をモニタ54に表示する。ここでは、樋門10B、10Cの2つが特定箇所T2の水位に影響を与えると判断されたとする。そしてサーバ50は、樋門10B、10Cを閉じるため、樋門10B、10Cを制御するための制御信号Pを自動で生成する。生成された制御信号Pは、TM親局部51、TM子局部24、25を介して、樋門10Bと10Cに伝送される。こうして、樋門10Bと10Cが自動で一括に閉じられ、増水した川からの逆流が防止されることで、特定箇所T2における溢水が防止される。
【0021】
また、サーバ50は、既に表示されている水情報J1、特定水情報J2に加えて、溢水の恐れがあると判断した特定箇所T2の情報、制御をおこなった樋門10B、10Cの情報などをモニタ54に表示する。同時にサーバ50は、モニタ54に表示されたこれらの情報を、WEBサーバ部52を介してインターネット公開すると共に、危険検知情報として予め指定された外部のスマートフォン7、パソコン6などに送信する。これにより、管理センタ外に居る職員が、用水路Yの状態、樋門10A、10B、10Cの開閉状態を把握することができる。
【0022】
上記のように構成された本実施の形態の用水路監視装置100によると、サーバ50が各測量機1A〜1Cにより計測された水位、流量などの水情報J1と、用水路Yの水系模式図40とに基づいて、測量機が設けられていない特定箇所における水位、流量などの特定水情報J2を算出することができる。そして、サーバ50は、溢水が生じると判断した特定箇所に関連する樋門の制御を自動で行う。こうして用水路Yの溢水を防止して浸水被害を防止することができる。
【0023】
また、用水路監視装置100は、サーバ50と、TM親局部51と、WEBサーバ部52とを一体化して構成されるものである。そのため、用水路監視装置100の1台で、水情報J1の収集、特定水情報J2の演算、樋門10A〜10Cの制御、モニタ54への表示、インターネットへの情報公開を行ことができる。これにより、装置数を減らして、省スペース化、省電力化を図ることができる。
また、水系模式図40は、用水路Yの、幅、深さ、勾配を示す構造関係Kを有しているため、サーバ50による特定水情報J2の算出精度を向上させることができる。
【0024】
なお、各TM子局部21、22、23、24、25とTM親局部51との間で行われる、水情報J1、制御信号Pなどのデータ伝送には、無線LAN回線、MCA無線回線、省電力無線回線、携帯電話回線、光ケーブル回線、メタルIP回線、などの地域特性に応じた回線が用いられる。
【0025】
また上記では、用水路Yに設けられた樋門10A〜10Cの開閉制御を実施することについて述べたが、樋門の制御に限定するものではなく、用水路Yの水位に影響を与える、一級河川や二級河川に設けられる水門、海岸沿いの津波用水門などの設備を制御するものでもよい。
また、上記では、特定箇所T1、T2を測量機1A〜1Cが設けられていない箇所を例として説明したが、測量機1A〜1Cが設けられている場所を特定箇所としてもよい。その場合、実際に測定された水情報J1と算出した特定水情報J2とに誤差がないかなどの確認を行うことができる。
【0026】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態1による用水路監視装置200と、この用水路監視装置200に接続される機器とを示す概略構成図である。
本実施の形態の用水路監視装置200は、操作者5により操作される操作卓253を備える。
実施の形態1では、サーバ50は、特定箇所の水位に影響を与える樋門を閉じるための制御信号Pを、特定水情報J2に基づいて生成していた。本実施の形態では、この制御信号Pを生成する際に、上記特定水情報J2に加えて、操作者5により操作卓253から外部入力される操作信号Sを用いる。
【0027】
以下、上記のように構成された用水路監視装置200を用いた用水路の監視方法について説明する。実施の形態1と同様に、サーバ50は、測量機1A〜1Cにより取得された水情報J1、算出した特定水情報J2に基づいて制御対象の樋門を選出してモニタ54に表示する。ここで、特定箇所T1における水位が警戒レベルに達し、樋門10Cのみが制御対象として選出されてモニタ54に表示されているとする。
【0028】
操作者5は、自身の経験則により、制御対象の樋門が、樋門10Cのみの制御でよいか否かを判定する。例えば操作者5が、樋門10Cに併せて樋門10Bも閉じる制御を行う必要があると判断した場合は、樋門10Bを閉じるための操作信号Sを操作卓253を介して入力する。
【0029】
こうしてサーバ50は、特定水情報J2に基づいて自動選出された樋門10Cに加えて、操作信号Sにより指定された樋門10Bを併せて制御するための制御信号Pを生成する。こうして、樋門10B、10Cの両方が閉じられ、特定箇所T1における溢水が防止される。
【0030】
上記のように構成された本実施の形態の用水路監視装置200によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、測量機が設けられていない特定箇所における水位、流量などの特定水情報J2を算出し、特定箇所に関連する樋門を制御することができる。こうして用水路Yの溢水を防止して浸水被害を防止することができる。
さらに、操作者5の経験則に基づいて制御対象の樋門を選出、調整することができるので、総合的、多角的な判断の基に樋門を制御することができる。これにより用水路Yの溢水防止効果がさらに向上する。
【0031】
なお、特定水情報J2を算出する特定箇所は、操作者5が、操作卓253を介して指定するものでもよい。
【0032】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態1による用水路監視装置300と、この用水路監視装置300に接続される機器とを示す概略構成図である。
本実施の形態の用水路監視装置300では、TM親局部351が、各測量機1A〜1Cから伝送される水情報J1の取得に加え、環境情報J3を取得する。
【0033】
環境情報J3とは、用水路Yの周辺状態を示す気象情報、地震情報、津波情報、潮位情報、ダムの放水情報、などである。
そしてサーバ50は、特定水情報J2の算出において、水情報J1、水系模式図40に加えて、上記の環境情報J3を用いる。
例えば、環境情報J3として気象情報(大雨警報、降雨量毎時40mm)を取得したとすると、水情報J1、水系模式図40に加えて、この大雨警報(環境情報J3)を用いて特定水情報J2を算出する。これにより、さらに正確な特定水情報J2の算出が可能になる。
【0034】
また、用水路監視装置300は、以下のような制御を行うものでもよい。
サーバ50は、TM親局部351により取得された環境情報J3の内から、所定の日時までの環境情報J3を、水情報J1、水系模式図40に加えて用いて特定水情報J2の算出を行う。例えば所定の日時を7時間後とし、この7時間後までの環境情報J3が、大雨警報、降雨量は現在〜3時間後までが30mm、3時間後〜7時間後までが毎時40mmであるとき、この情報を加えて7時間後までの特定水情報J2を予測算出する。これにより、所定の日時までの特定水情報J2を予測することができる。
【0035】
また、用水路監視装置300は、以下のような制御を行うものでもよい。
特定水情報J2を算出する特定箇所を、サーバ50が、取得した環境情報J3に基づいて決定するものでもよい。
【0036】
例えば、環境情報J3としてダムの放水情報(Q川上流、毎秒500立方メートル)が取得された場合は、このQ川のダムの放水に関連のある箇所のみを特定箇所T3として決定し、決定された特定箇所T3のみ特定水情報J2の算出を行う。
このような制御とすることで、特定水情報J2を算出する際の制御負荷を軽減して、特定水情報J2の算出速度を速めることができる。
【0037】
上記のように構成された本実施の形態の用水路監視装置300によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、測量機が設けられていない特定箇所における水位、流量などの特定水情報J2を算出し、特定箇所に関連する樋門を制御することができる。こうして用水路Yの溢水を防止して浸水被害を防止することができる。
【0038】
さらに、特定水情報J2の算出において、気象情報などの環境情報J3を用いるものなので、特定水情報J2の算出精度を向上させることができる。これによりさらに用水路Yの溢水防止効果が向上する。
また、所定の日時までの特定水情報J2を予測することができるため、作業員のスケジュールなどを前もって計画することができる。
また環境情報J3に基づいて、特定水情報J2が必要な特定箇所を決定して、この決定された特定箇所のみ特定水情報J2を算出するため、サーバ50の制御速度を速めることができる。
【0039】
なお、環境情報J3を加えて特定水情報J2を算出する際において、複数の環境情報J3、例えば津波情報(地震の震度、津波の高さ)と潮位情報、を組み合わせてもよい。
【0040】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
10A,10B,10C 樋門(設備)、20 ネットワーク、
40 水系模式図(模式図情報)、50 サーバ(制御部)、
51,351 TM親局部(入出力部)、52 WEBサーバ部、253 操作卓、
Y 用水路、K 構造関係、100,200,300 用水路監視装置。
図1
図2
図3
図4
図5