特許第6671263号(P6671263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6671263混雑予測装置、混雑予測方法及び混雑予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671263
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】混雑予測装置、混雑予測方法及び混雑予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20200316BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   G08G1/00 A
   G08G1/01 F
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-154456(P2016-154456)
(22)【出願日】2016年8月5日
(65)【公開番号】特開2018-22413(P2018-22413A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2018年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(74)【代理人】
【識別番号】100187300
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖子
(72)【発明者】
【氏名】宮城 惇矢
(72)【発明者】
【氏名】松田 幸成
(72)【発明者】
【氏名】服部 亮史
(72)【発明者】
【氏名】守屋 芳美
(72)【発明者】
【氏名】西成 活裕
(72)【発明者】
【氏名】志村 憲一郎
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−207041(JP,A)
【文献】 特開平05−006500(JP,A)
【文献】 特開平10−124791(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0204320(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 99/00
G01C 21/00 − 21/36
G01C 23/00 − 25/00
G06T 1/00 − 1/40
G06T 3/00 − 5/50
G06T 9/00 − 9/40
G08B 13/00 − 15/02
G08B 23/00 − 31/00
G06Q 10/00 − 10/10
G06Q 30/00 − 30/08
G06Q 50/00 − 50/20
G06Q 50/26 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混雑状況を予測する対象の経路である予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置において、
前記予測対象領域に設けられた計測地点を往路方向または復路方向へ通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数の時系列データを予想データとして生成する予想データ生成部と、
時刻と前記予測対象領域の混雑状況を表す混雑状況結果とを対応付けて記憶する混雑状況結果記憶部と、
現在時刻における前記計測データと、前記混雑状況結果記憶部に記憶されている混雑状況結果のうち前回記憶された混雑状況結果とに基づいて、現在時刻における混雑状況結果を生成し、生成した混雑状況結果を前記混雑状況結果記憶部に記憶する空間的予測処理部と、
記予想データと、前記現在時刻における混雑状況結果とを用いて、現在時刻から前記予測時間が経過するまでの前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果を生成する混雑予測処理部と
を備えた混雑予測装置。
【請求項2】
前記混雑予測装置は、
前記計測地点に設けられたセンサーから出力された前記計測データを記憶する計測データ記憶部を備え、
前記混雑予測処理部は、
予め定められた設定範囲の計測データを予想データ生成部に出力することを要求する計測データ要求通知を計測データ記憶部に送信すると共に、前記空間的予測処理部により生成された前記混雑状況結果の取得を要求する混雑状況結果要求通知を前記空間的予測処理部に送信し、
前記計測データ記憶部は、
前記計測データ要求通知を受信すると、前記設定範囲の計測データを前記予想データ生成部に出力し、
前記予想データ生成部は、
前記設定範囲の計測データに基づいて、前記予想データを生成し、
前記空間的予測処理部は、
前記混雑状況結果要求通知を受信すると、生成した混雑状況結果を前記混雑予測処理部に出力する請求項1に記載の混雑予測装置。
【請求項3】
混雑状況を予測する対象の経路である予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置において、
予測時間の時間範囲と前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果とを対応付けて記憶する混雑予測結果記憶部と、
前記予測対象領域に設けられた計測地点を往路方向または復路方向へ通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数の時系列データを予想データとして生成する予想データ生成部と、
前記予想データと、前記混雑予測結果記憶部に前回記憶された混雑予測結果とに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでの混雑予測結果を生成し、生成した混雑予測結果を前記混雑予測結果記憶部に記憶する混雑予測処理部と
を備えた混雑予測装置。
【請求項4】
混雑状況を予測する対象の経路である予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置の混雑予測方法において、
予想データ生成部が、前記予測対象領域に設けられた計測地点を往路方向または復路方向へ通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数の時系列データを予想データとして生成し、
混雑状況結果記憶部が、時刻と前記予測対象領域の混雑状況を表す混雑状況結果とを対応付けて記憶し、
空間的予測処理部が、現在時刻における前記計測データと、前記混雑状況結果記憶部に記憶されている混雑状況結果のうち前回記憶された混雑状況結果とに基づいて、現在時刻における混雑状況結果を生成し、生成した前記現在時刻における混雑状況結果を前記混雑状況結果記憶部に記憶し、
混雑予測処理部が、前記予想データと、前記現在時刻における混雑状況結果とを用いて、現在時刻から前記予測時間が経過するまでの前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果を生成する混雑予測方法。
【請求項5】
混雑状況を予測する対象の経路である予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置の混雑予測方法において、
混雑予測結果記憶部が、予測時間の時間範囲と前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果とを対応付けて記憶し、
予想データ生成部が、前記予測対象領域に設けられた計測地点を往路方向または復路方向へ通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数の時系列データを予想データとして生成し、
混雑予測処理部が、前記予想データと、前記混雑予測結果記憶部に記憶されている混雑予測結果のうち前回記憶された混雑予測結果とに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでの時間範囲の混雑予測結果を生成し、生成した混雑予測結果を前記混雑予測結果記憶部に記憶する混雑予測方法。
【請求項6】
混雑状況を予測する対象の経路である予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置の混雑予測プログラムにおいて、
前記混雑予測装置は、時刻と前記予測対象領域の混雑状況を表す混雑状況結果とを対応付けて記憶する混雑状況結果記憶部を備え、
前記予測対象領域に設けられた計測地点を往路方向または復路方向へ通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数の時系列データを予想データとして生成する予想データ生成処理と、
現在時刻における前記計測データと、前記混雑状況結果記憶部に記憶されている混雑状況結果のうち前回記憶された混雑状況結果とに基づいて、現在時刻における混雑状況結果を生成し、生成した混雑状況結果を前記混雑状況結果記憶部に記憶する空間的予測処理と、
記予想データと、前記現在時刻における混雑状況結果とを用いて、現在時刻から前記予測時間が経過するまでの前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果を生成する混雑予測実行処理と
をコンピュータである前記混雑予測装置に実行させる混雑予測プログラム。
【請求項7】
混雑状況を予測する対象の経路である予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置の混雑予測プログラムにおいて、
前記混雑予測装置は、予測時間の時間範囲と前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果とを対応付けて記憶する混雑予測結果記憶部を備え、
前記予測対象領域に設けられた計測地点を往路方向または復路方向へ通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数の時系列データを予想データとして生成する予想データ生成処理と、
前記予想データと、前記混雑予測結果記憶部に前回記憶された混雑予測結果とに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでの混雑予測結果を生成し、生成した混雑予測結果を前記混雑予測結果記憶部に記憶する混雑予測実行処理と
をコンピュータである前記混雑予測装置に実行させる混雑予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑予測装置、混雑予測方法及び混雑予測プログラムに関する。特に、イベント開催時などの混雑予測を行う混雑予測装置、混雑予測方法及び混雑予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたイベント警備監視方法では、事前に、過去の実績またはデータをもとに、イベント会場または通路等の警備対象区域の人出に直接関連する交通機関等の流出入地点における人出が予想され、人出の流出入データが準備される。警備実施時、カメラが、警備対象区域の人出に関連深い周辺地点に設置され、画像を撮像する。そして、イベント警備監視装置が、撮像された画像を画像処理することにより前記周辺地点における人流を計測し、人流の実測値と事前に準備された人出の流出入データとを用いて、周辺地点および警備対象区域の混雑を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−178358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
未来の混雑予測の精度向上のためには、入力値となる予測開始時点の混雑状況を高精度に把握する必要がある。しかし従来の混雑予測装置は、予測開始時点の混雑状況の情報はカメラが設置されている箇所を除き、取得できない。そのため未来の混雑予測の精度は悪い。予測開始時点における予測対象領域の混雑状況、すなわち初期状態をどのようにして正確に、かつ少ないセンサーで取得するかが課題である。
【0005】
本発明は、予測開始時点における予測対象領域の混雑状況を正確に取得することにより、高精度に混雑予測を実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る混雑予測装置は、予測対象領域の混雑状況を予測する混雑予測装置において、
前記予測対象領域に設けられた計測地点を通過した人の人数を表す計測データに基づいて、現在時刻から予測時間が経過するまでに前記計測地点を通過する人の人数を予想データとして生成する予想データ生成部と、
前記予想データ生成部により生成された前記予想データと、現在時刻における前記予測対象領域の混雑状況を表す混雑状況結果とを用いて、現在時刻から前記予測時間が経過するまでの前記予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果を生成する混雑予測処理部とを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る混雑予測装置は、予想データ生成部が、現在時刻から予測時間が経過するまでに計測地点を通過する人の人数を予想データとして生成し、混雑予測処理部が、予想データと、現在時刻における予測対象領域の混雑状況を表す混雑状況結果とを用いて、現在時刻から予測時間が経過するまでの予測対象領域の混雑状況を予測した混雑予測結果を生成する。よって、本発明に係る混雑予測装置によれば、現在時刻における混雑状況結果に基づいて混雑予測結果を生成することができ、未来の混雑予測の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る混雑予測装置2の構成図。
図2】実施の形態1に係る混雑予測装置2の混雑予測方法510及び混雑予測プログラム520の混雑予測処理S100を示すフローチャート。
図3】実施の形態1に係る混雑予測装置2の計測データ記憶部10による計測データ記憶処理S110を示すフローチャート。
図4】実施の形態1に係る混雑予測装置2の空間的予測処理部20による空間的予測実行処理S120を示すフローチャート。
図5】実施の形態1に係る混雑予測装置2の予想データ生成部30による予想データ生成処理S130を示すフローチャート。
図6】実施の形態1に係る混雑予測装置2の時間的予測処理部40による時間的予測実行処理S140を示すフローチャート。
図7】実施の形態1の変形例に係る混雑予測装置2の構成図。
図8】実施の形態2に係る混雑予測装置2aの構成図。
図9】実施の形態2に係る混雑予測装置2aの混雑予測方法510a及び混雑予測プログラム520aの混雑予測処理S100aを示すフローチャート。
図10】実施の形態2に係る混雑予測装置2aの計測データ記憶部10による計測データ記憶処理S110aを示すフローチャート。
図11】実施の形態2に係る混雑予測装置2aの予想データ生成部30による予想データ生成処理S130aを示すフローチャート。
図12】実施の形態2に係る混雑予測装置2aの時空間予測処理部50による時空間予測実行処理S150を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る混雑予測装置2の構成を示す図である。
混雑予測装置2は、イベント開催時、駅もしくはバス停留所等の公共交通機関または駐車場等、人が発生する場所からイベント会場までの経路の混雑状況を予測するものである。以下、予測の対象となる経路全体を予測対象領域60と呼ぶ。人が発生する場所からイベント会場までの経路にはセンサー1が設置され、センサー1と混雑予測装置2とが接続される。
また、人が発生する場所からイベント会場までの経路において、センサー1が設置された位置を計測地点61と呼ぶ。センサー1は、計測地点61を往路方向または復路方向へ通過した人物の人数を計測し、時系列データを生成して、混雑予測装置2へ出力する。このセンサー1は、例えばカメラを備え、カメラにより撮像した画像を画像処理して通過人数を計測する。以下、センサー1が生成した時系列データを計測データ11と呼ぶ。
【0011】
<<ハードウェア構成の説明>>
まず、本実施の形態に係る混雑予測装置2のハードウェア構成について説明する。
本実施の形態において、混雑予測装置2は、コンピュータである。混雑予測装置2は、プロセッサ910を備えると共に、記憶装置920、入力インタフェース930、出力インタフェース940といった他のハードウェアを備える。記憶装置920は、メモリと補助記憶装置とを有する。
【0012】
図1に示すように、混雑予測装置2は、機能構成として、記憶部100と、空間的予測処理部20と、予想データ生成部30と、時間的予測処理部40とを備える。記憶部100は、計測データ記憶部10と、混雑状況結果記憶部15とを備える。計測データ記憶部10は、計測データ11を記憶する。混雑状況結果記憶部15は、空間的予測結果21を記憶する。
以下の説明では、混雑予測装置2における空間的予測処理部20と、予想データ生成部30と、時間的予測処理部40との機能を、混雑予測装置2の「部」の機能という。
混雑予測装置2の「部」の機能は、ソフトウェアで実現される。
また、記憶部100は、記憶装置920で実現される。
【0013】
プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
プロセッサ910は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)ともいう。
【0014】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、タッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示装置のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、例えば、USB端子、またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal
Display)である。
【0015】
記憶装置920は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等である。補助記憶装置は、具体的には、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、またはHDD(Hard Disk Drive)である。メモリは、具体的には、RAM(Random Access Memory)である。記憶部100は、補助記憶装置により実現されてもよいし、メモリにより実現されてもよいし、メモリと補助記憶装置とにより実現されていてもよい。記憶部100の実現方法は任意である。
【0016】
補助記憶装置には、「部」の機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、メモリにロードされ、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。補助記憶装置には、OS(Operating System)も記憶されている。OSの少なくとも一部がメモリにロードされ、プロセッサ910はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
【0017】
混雑予測装置2は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これらの複数のプロセッサは、「部」の機能を実現するプログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、プロセッシングを行うICである。
【0018】
「部」の機能による処理の結果を示す情報、データ、信号値、及び、変数値は、メモリ、補助記憶装置、プロセッサ910内のレジスタ、またはキャッシュメモリに記憶される。なお、図1において、各部と記憶部とを結ぶ矢印は、各部が処理の結果を記憶部に記憶すること、或いは、各部が記憶部から情報を読み出すことを表している。また、各部を結ぶ矢印は、制御の流れを表している。
【0019】
混雑予測装置2の「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)といった可搬記録媒体に記憶されてもよい。
なお、混雑予測装置2の「部」の機能を実現するプログラムを混雑予測プログラム520ともいう。また、混雑予測プログラムプロダクトと称されるものは、混雑予測プログラム520が記録された記憶媒体及び記憶装置であり、見た目の形式に関わらず、コンピュータ読み取り可能なプログラムをロードしているものである。
【0020】
<<機能構成の説明>>
次に、本実施の形態に係る混雑予測装置2の機能構成について説明する。
計測データ記憶部10は、計測地点61に設けられたセンサー1から出力された計測データ11を記憶する。入力インタフェース930は、センサー1から取得した計測データ11を計測データ記憶部10へ出力する。
【0021】
空間的予測処理部20は、計測データ記憶部10が記憶している計測データ11を用いて、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を予測した空間的予測結果21を生成し、生成した空間的予測結果21を外部に出力する。出力インタフェース940は、空間的予測処理部20から出力された空間的予測結果21を、ディスプレイ等の外部装置へ出力する。また、空間的予測処理部20は、生成した空間的予測結果21を混雑状況結果記憶部15に記憶する。空間的予測結果21は、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を表す混雑状況結果210の例である。なお、空間的予測処理部20は、計測データ11と、混雑状況結果記憶部15に前回記憶された空間的予測結果とを用いて、現在時刻における空間的予測結果21を生成する。
【0022】
予想データ生成部30は、予測対象領域60に設けられた計測地点61を通過した人の人数を表す計測データ11に基づいて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでに計測地点61を通過する人の人数を予想データ31として生成する。すなわち、予想データ生成部30は、計測データ記憶部10が記憶している計測データ11に基づいて、計測地点61における未来の通過人数を予測して時系列データを生成し、生成した時系列データを予想データ31として出力する。予想データ31は、計測地点61における未来の通過人数を予測した時系列データである。
【0023】
時間的予測処理部40は、空間的予測処理部20により生成された空間的予測結果21と、予想データ生成部30により生成された予想データ31とを用いて、予測対象領域60の未来の混雑状況を予測した時間的予測結果41を生成し、生成した時間的予測結果41を外部に出力する。出力インタフェース940は、時間的予測処理部40から出力された時間的予測結果41を、ディスプレイ等の外部装置へ出力する。時間的予測処理部40は、予想データ31と、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を表す混雑状況結果210とを用いて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでの予測対象領域60の混雑状況を予測した混雑予測結果410を生成する混雑予測処理部400の例である。また、時間的予測結果41は、現在時刻から予測時間Tが経過するまでの予測対象領域60の混雑状況を予測した混雑予測結果410の例である。
【0024】
なお、時間的予測処理部40は、予め定められた設定範囲の計測データ11を予想データ生成部30に出力することを要求する計測データ要求通知401aを計測データ記憶部10に送信する。また、時間的予測処理部40は、空間的予測処理部20により生成された混雑状況結果210の出力を要求する混雑状況結果要求通知401bを空間的予測処理部20に送信する。後述する通知401は、計測データ要求通知401aおよび混雑状況結果要求通知401bの例である。
計測データ記憶部10は、計測データ要求通知401aを受信すると、設定範囲の計測データ11を予想用計測データ111として予想データ生成部30に出力する。
予想データ生成部30は、予想用計測データ111に基づいて、予想データ31を生成する。
空間的予測処理部20は、混雑状況結果要求通知401bを受信すると、生成した空間的予測結果21を時間的予測処理部40に出力する。
【0025】
***動作の説明***
次に、図2から図6を用いて、本実施の形態に係る混雑予測装置2の混雑予測方法510及び混雑予測プログラム520の混雑予測処理S100について説明する。
図2に示すように、混雑予測処理S100は、計測データ記憶処理S110と、空間的予測実行処理S120と、予想データ生成処理S130と、時間的予測実行処理S140とを有する。時間的予測実行処理S140は、混雑予測実行処理の例である。
【0026】
<<計測データ記憶処理S110>>
図3は、本実施の形態に係る混雑予測装置2の計測データ記憶部10による計測データ記憶処理S110を示すフローチャートである。
【0027】
ステップS101において、計測データ記憶部10は、センサー1から入力インタフェース930を介した計測データ11の受信の有無を確認する。計測データ記憶部10は、計測データ11の受信がある場合(ステップS101でYES)、ステップS102へ進み、受信がない場合(ステップS101でNO)、ステップS104へ進む。
【0028】
ステップS102において、計測データ記憶部10は、センサー1から入力インタフェース930を介して計測データ11を受信し、記憶する。
【0029】
ステップS103において、計測データ記憶部10は、受信した計測データ11を空間的予測処理部20に送信する。
【0030】
ステップ104おいて、計測データ記憶部10は、時間的予測処理部40からの通知401(計測データ要求通知401a)の有無を確認する。計測データ記憶部10は、時間的予測処理部40からの通知401がある場合(ステップS104でYES)、ステップS105へ進み、通知401がない場合(ステップS104でNO)、ステップS101へ戻る。
【0031】
ステップS105において、計測データ記憶部10は、記憶している計測データ11の中から設定範囲の計測データ11を選択し、予想用計測データ111として予想データ生成部30に送信する。設定範囲は、計測データ記憶部10に予め設定されていてもよいし、必要に応じて混雑予測装置2の外から設定されてもよい。具体的には、計測データ記憶部10は、時間的予測処理部40からの通知401を受信すると、通知401を受信した時点から設定範囲分さかのぼった時点までの計測データ11を、予想用計測データ111として予想データ生成部30に送信する。すなわち、計測データ記憶部10は、通知401を受信すると、通知401を受信した時点から設定範囲分さかのぼった時点までにおける、計測地点61を通過した人物の人数を計測した時系列データを予想用計測データ111として予想データ生成部30に送信する。
予想用計測データ111は、予想データ31を生成するために用いられる予想データ生成用計測データである。
計測データ記憶部10は、ステップS105の後、ステップS101へ戻る。
【0032】
<<空間的予測実行処理S120>>
図4は、本実施の形態に係る混雑予測装置2の空間的予測処理部20による空間的予測実行処理S120を示すフローチャートである。
【0033】
ステップS201において、空間的予測処理部20は、計測データ記憶部10からの計測データ11の受信の有無を確認する。空間的予測処理部20は、計測データ記憶部10からの計測データ11の受信がある場合(ステップS201でYES)、ステップS202へ進み、受信がない場合(ステップS202でNO)、ステップS204へ進む。
【0034】
ステップS202において、空間的予測処理部20は、計測データ記憶部10から計測データ11を受信し、メモリに記憶する。
【0035】
ステップS203において、空間的予測処理部20は、ステップS202でメモリに記憶した計測データ11と、前回のステップS203で混雑状況結果記憶部15に記憶した空間的予測結果(ない場合には0)とを入力値とし、空間的予測処理を実行する。空間的予測処理とは、例えば、マルチエージェントシミュレーション等の手法により現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を予測した空間的予測結果21を生成する処理である。空間的予測処理部20は、空間的予測処理により生成した空間的予測結果21を混雑状況結果記憶部15に記憶する。
【0036】
ステップS204において、空間的予測処理部20は、時間的予測処理部40からの通知401(混雑状況結果要求通知401b)の有無を確認する。空間的予測処理部20は、時間的予測処理部40から通知401がある場合(ステップS204でYES)、ステップS205へ進み、通知401がない場合(ステップS206でNO)、ステップS206へ進む。
【0037】
ステップS205において、空間的予測処理部20は、混雑状況結果記憶部15に記憶した空間的予測結果21を時間的予測処理部40に送信する。すなわち、空間的予測処理部20は、通知401を受信すると、最新の空間的予測結果21を時間的予測処理部40に送信する。
【0038】
ステップS206において、空間的予測処理部20は、混雑状況結果記憶部15に記憶した空間的予測結果21を外部に出力する。
空間的予測処理部20は、ステップS206の後、ステップS201へ戻る。
【0039】
<<予想データ生成処理S130>>
図5は、実施の形態1に係る混雑予測装置2の予想データ生成部30による予想データ生成処理S130を示すフローチャートである。
【0040】
ステップS301において、予想データ生成部30は、計測データ記憶部10から予想用計測データ111の受信の有無を確認する。予想データ生成部30は、計測データ記憶部10からの受信がある場合(ステップS301でYES)、ステップS302へ進み、受信がない場合(ステップS301でNO)、このステップS301を繰り返す。
【0041】
ステップS302において、予想データ生成部30は、計測データ記憶部10から予想用計測データ111を受信し、メモリに記憶する。
【0042】
ステップS303において、予想データ生成部30は、メモリに記憶した予想用計測データ111を用いて、例えば、線形近似、回帰、機械学習等の手法により、予想データ生成範囲に応じた未来の計測地点61における通過人数を予想した予想データ31を生成する。予想データ生成範囲は、現在時刻からどれくらい先の未来までの通過人数を予想するかを決めるパラメータである。すなわち、予想データ生成範囲は、現在時刻から予測時間Tが経過するまでの範囲である。予想データ生成範囲、すなわち予測時間Tは、予想データ生成部30に予め設定されていてもよいし、必要に応じて混雑予測装置2の外から設定されてもよい。
【0043】
ステップS304において、予想データ生成部30はステップS303で生成した予想データ31を時間的予測処理部40へ送信する。
予想データ生成部30はステップS304の後、ステップS301へ戻る。
【0044】
<<時間的予測実行処理S140>>
図6は、本実施の形態に係る混雑予測装置2の時間的予測処理部40による時間的予測実行処理S140を示すフローチャートである。
【0045】
ステップS401において、時間的予測処理部40は、予想データ生成部30から予想データ31の受信の有無を確認する。時間的予測処理部40は、予想データ生成部30から予想データ31の受信があった場合(ステップS401でYES)、ステップS402へ進み、受信がない場合(ステップS401でNO)、このステップS401を繰り返す。
【0046】
ステップS402において、時間的予測処理部40は、予想データ生成部30から予想データ31を受信し、メモリに記憶する。
【0047】
ステップS403において、時間的予測処理部40は、空間的予測処理部20から空間的予測結果21の受信の有無を確認する。時間的予測処理部40は、空間的予測処理部20から空間的予測結果21の受信があった場合(ステップS403でYES)、ステップS404へ進み、受信がない場合(ステップS403でNO)、このステップS403を繰り返す。
【0048】
ステップS404において、時間的予測処理部40は、空間的予測処理部20から空間的予測結果21を受信し、メモリに記憶する。
【0049】
ステップS405において、時間的予測処理部40は、ステップS402でメモリに記憶した予想データ31と、ステップS404でメモリに記憶した空間的予測結果21とを入力値とし、時間的予測処理を実行する。時間的予測処理とは、具体的には、マルチエージェントシミュレーション等の手法により、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況から未来における予測対象領域60の混雑状況を予測した時間的予測結果41を生成する処理である。すなわち、時間的予測処理部40は、予想データ31と、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を表す空間的予測結果21(混雑状況結果210)とを用いて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでの予測対象領域60の混雑状況を予測した時間的予測結果41(混雑予測結果410)を生成する。時間的予測処理部40は、時間的予測処理により生成した時間的予測結果41をメモリに記憶する。ここでは、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況結果210として、空間的予測処理部20により生成された空間的予測結果21を用いている。
【0050】
ステップS406において、時間的予測処理部40は、ステップS405でメモリに記憶した時間的予測結果41を外部に出力する。
【0051】
ステップS407において、時間的予測処理部40は、計測データ記憶部10と空間的予測処理部20に通知401を送信する。
時間的予測処理部40は、ステップS407の後、ステップS401へ戻る。
【0052】
以上のように、混雑予測装置2は、プロセッサ910によって実行されるときに、計測データ11を用いて空間的予測結果21を生成するステップと、予想データ31を生成するステップと、空間的予測結果21と予想データ31とを用いて時間的予測結果41を生成するステップとが結果的に実行されることになる混雑予測プログラム520を格納する記憶装置920を備える。また、これらの混雑予測プログラム520は、空間的予測処理部20および予想データ生成部30および時間的予測処理部40の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0053】
***他の構成***
混雑予測装置2は、他のネットワークと通信する通信インタフェースを有していてもよい。通信インタフェースは、レシーバとトランスミッタとを備える。具体的には、通信インタフェースは通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。通信インタフェースはデータを通信する通信部として機能する。レシーバはデータを受信する受信部として機能し、トランスミッタはデータを送信する送信部として機能する。混雑予測装置2は、通信インタフェースを介してセンサー1から計測データ11を受信してもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、混雑予測装置2の機能がソフトウェアで実現されるが、変形例として、混雑予測装置2の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図7は、本実施の形態の変形例に係る混雑予測装置2の構成を示す図である。
図7に示すように、混雑予測装置2は、処理回路909、入力インタフェース930、出力インタフェース940といったハードウェアを備える。
【0055】
処理回路909は、上述した「部」の機能及び記憶部を実現する専用の電子回路である。処理回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または、FPGA(Field−Programmable Gate Array)である。
【0056】
混雑予測装置2は、処理回路909を代替する複数の処理回路を備えていてもよい。これら複数の処理回路により、全体として「部」の機能が実現される。それぞれの処理回路は、処理回路909と同じように、専用の電子回路である。
【0057】
別の変形例として、混雑予測装置2の機能がソフトウェアとハードウェアとの組合せで実現されてもよい。すなわち、混雑予測装置2において一部の機能が専用のハードウェアで実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
【0058】
プロセッサ910、記憶装置920、及び、処理回路909を、総称して「プロセッシングサーキットリ」という。つまり、混雑予測装置2の構成が図1及び図7のいずれに示した構成であっても、「部」の機能及び記憶部は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0059】
「部」を「工程」または「手順」または「処理」に読み替えてもよい。また、「部」の機能をファームウェアで実現してもよい。すなわち、混雑予測装置2の「部」の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0060】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る混雑予測装置2は、計測地点を通過した人物の人数を計測するセンサー1が出力した計測データを記憶する計測データ記憶部10と、記憶した計測データを用いて現在時刻における予測対象領域の混雑状況を予測し、空間的予測結果を生成する空間的予測処理部20とを備える。また、混雑予測装置2は、記憶した計測データを用いて、計測地点における未来の通過人数を予想して予想データを生成する予想データ生成部30と、空間的予測処理部20が生成した空間的予測結果と予想データ生成部30が生成した予想データとを用いて、未来の予測対象領域の混雑状態を予測し、時間的予測結果を生成する時間的予測処理部40とを備える。これにより、本実施の形態に係る混雑予測装置2によれば、未来の混雑状況を予測するために必要になる現在の混雑状況を少ないセンサーでかつ高精度に把握することが可能になる。その結果、未来の混雑予測の精度が向上する。
【0061】
また、本実施の形態に係る混雑予測装置2によれば、空間的予測処理部では、前回取得した空間的予測結果を用いて現在時刻の空間的予測結果を算出するので、処理時間を抑えることができる。
【0062】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1との差異について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1で説明した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
***構成の説明***
図8は、本実施の形態に係る混雑予測装置2aの構成を示す図である。
本実施の形態に係る混雑予測装置2aは、実施の形態1で説明した空間的予測処理部20と時間的予測処理部40とに替えて、空間的予測処理部20と時間的予測処理部40との両機能を備える時空間予測処理部50を備える。本実施の形態に係る混雑予測装置2aの「部」の機能は、予想データ生成部30と時空間予測処理部50との機能である。
また、記憶部100は、実施の形態1の混雑状況結果記憶部15に替えて、混雑予測結果記憶部16を備える。
【0064】
時空間予測処理部50は、予想データ生成部30により生成された予想データ31と、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を表す混雑状況結果とを用いて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでの予測対象領域60の混雑状況を予測した時空間予測結果51を生成する。時空間予測処理部50は、時空間予測結果51を生成すると共に、生成した時空間予測結果51を混雑予測結果記憶部16に記憶する混雑予測処理部400の例である。また、時空間予測結果51は、予測対象領域60における現在時刻から予測時間Tが経過するまでの混雑予測結果410の例である。
時空間予測処理部50は、予想データ31と、混雑予測結果記憶部16に前回記憶された時空間予測結果とに基づいて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでにおける混雑予測結果を時空間予測結果51として生成する。
具体的には、時空間予測処理部50は、混雑予測結果記憶部16に前回記憶された時空間予測結果のうち現在時刻に最も近い時刻に対応する時空間予測結果を選択し、選択した時空間予測結果と予想データ31とに基づいて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでにおける時空間予測結果51を生成する。また、具体的には、時空間予測処理部50は、混雑予測結果記憶部16に前回記憶された時空間予測結果のうち現在時刻における計測データに最も近い計測データを有する時空間予測結果を選択し、選択した時空間予測結果と予想データ31とに基づいて、現在時刻から予測時間Tが経過するまでにおける時空間予測結果51を生成する。すなわち、時空間予測処理部50は、予想データ生成部30が生成した予想データ31と、前回生成された時空間予測結果のうち現在時刻の混雑状況に最も近い時空間予測結果とを入力値とし、予測対象領域60における未来の混雑状況を予測した時空間予測結果51を生成する。実施の形態1では、空間的予測結果21を現在時刻における予測対象領域60の混雑状況を表す混雑状況結果210として用いた。しかし、本実施の形態では、時空間予測処理部50は、前回生成された時空間予測結果のうち現在時刻の混雑状況に最も近い時空間予測結果を混雑状況結果210として、混雑予測結果410である時空間予測結果51を生成する。
【0065】
***動作の説明***
次に、図9から図12を用いて、本実施の形態に係る混雑予測装置2aの混雑予測方法510a及び混雑予測プログラム520aの混雑予測処理S100aについて説明する。
図9に示すように、混雑予測処理S100aは、計測データ記憶処理S110aと、予想データ生成処理S130aと、時空間予測実行処理S150とを有する。時空間予測実行処理S150は、混雑予測実行処理の例である。
【0066】
<<計測データ記憶処理S110a>>
図10は、本実施の形態に係る混雑予測装置2aの計測データ記憶部10による計測データ記憶処理S110aを示すフローチャートである。
図10のステップS101、ステップS102およびステップS105の処理は、図3のステップS101、ステップS102およびステップS105の処理と同様である。
【0067】
ステップS106において、計測データ記憶部10は、時空間予測処理部50からの通知401の有無を確認する。計測データ記憶部10は、時空間予測処理部50からの通知401がある場合(ステップ106でYES)、ステップS105へ進み、通知401がない場合(ステップS106でNO)、ステップS101へ戻る。
【0068】
<<予想データ生成処理S130a>>
図11は、本実施の形態に係る混雑予測装置2aの予想データ生成部30による予想データ生成処理S130aを示すフローチャートである。
図11のステップS301からステップS303の処理は、図5のステップS301からステップS303の処理と同様である。
【0069】
ステップS304において、予想データ生成部30は、ステップS303で生成した予想データ31を時空間予測処理部50へ送信する。
【0070】
<<時空間予測実行処理S150>>
図12は、本実施の形態に係る混雑予測装置2aの時空間予測処理部50による時空間予測処理S150を示すフローチャートである。
図12のステップS501からステップS502の処理は、図6のステップS401からステップS402と同様である。
【0071】
ステップS503において、時空間予測処理部50は、前回のステップS504の実行時に混雑予測結果記憶部16に記憶した時空間予測結果の中から、入力値として用いる時空間予測結果を選択する。具体的には、時空間予測処理部50は、前回のステップS504の実行時に混雑予測結果記憶部16に記憶した時空間予測結果の中から、ステップS503を実行した時刻(現在時刻)における予測対象領域60の混雑状況に最も近い時空間予測結果を選択し、メモリに記憶する。ステップS504では、時空間予測処理部50は、ステップS504を実行した時刻から予測時間Tが経過するまで、すなわち予想データ生成範囲の混雑状況を予測した時空間予測結果が混雑予測結果記憶部16に記憶されている。最も近い結果を選択する手法としては、例えば、ステップS503を実行した時刻(現在時刻)に最も近い時刻に対応する時空間予測結果を選択する手法がある。あるいは、ステップS503を実行した時刻(現在時刻)において、センサー1から取得できる計測データに最も近い計測データを有する時空間予測結果を選択する手法もある。
【0072】
ステップS504において、時空間予測処理部50は、ステップS502でメモリに記憶した予想データ31と、ステップS503でメモリに記憶した時空間予測結果とを入力値として、時空間予測処理を行う。時空間予測処理とは、具体的には、マルチエージェントシミュレーション等の手法により、現在時刻における予測対象領域60の混雑状況から未来における予測対象領域60の混雑状況を予測した時空間予測結果51を生成する処理である。時空間予測処理部50は、生成した時空間予測結果51を混雑予測結果記憶部16に記憶する。
【0073】
ステップS505において、時空間予測処理部50は、ステップS504にて生成した時空間予測結果51を出力する。
【0074】
ステップS506において、時空間予測処理部50は、計測データ記憶部10に通知401を送信する。
時空間予測処理部50は、ステップS506の後、ステップS501へ戻る。
【0075】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る混雑予測装置2aは、計測データ記憶部と、予想データ生成部と、前回、混雑予測結果記憶部に記憶された時空間予測結果と予想データとを用いて、未来の予測対象領域の混雑状態を予測し、時空間予測結果を生成する時空間予測処理部とを備える。これにより、未来の混雑状況を予測するために必要になる現在の混雑状況を少ないセンサーでかつ高精度に把握することが可能になる。その結果、未来の混雑予測の精度が向上する。また、本実施の形態に係る混雑予測装置2aによれば、処理量を減らすことができる。
【0076】
また、上記説明における混雑予測装置はひとつのセンサー1を用いてひとつの計測地点を混雑予測する構成であったが、複数のセンサー1を用いて複数の計測地点を混雑予測する構成であってもよい。
【0077】
この発明に係る混雑予測装置は高精度に未来の混雑状況を予測することが可能である。特にイベントまたは開催場所での混雑状況を予測するのに適している。
【0078】
以上、本発明の実施の形態1から2について説明したが、これらの実施の形態の説明において「部」として説明するもののうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、いくつかの任意の組合せを採用してもよい。つまり、混雑予測装置の機能ブロックは、上記の実施の形態で説明した機能を実現することができれば、任意である。混雑予測装置は、これらの機能ブロックをどのように組合せて構成してもよいし、任意の機能ブロックで構成してもよい。また、混雑予測装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されていてもよい。
【0079】
また、実施の形態1から2について説明したが、これらの実施の形態のうち、複数の実施の形態を組み合わせて実施してもよい。また、これらの実施の形態のうち、複数の部分を組み合わせて実施してもよい。或いは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態の内容を、全体として或いは部分的に、どのように組合せて実施しても構わない。すなわち、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であり、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。上記の実施の形態は、本手法の理解を助けるためのものであって、発明を限定するためのものではない。
【符号の説明】
【0080】
1 センサー、2,2a 混雑予測装置、10 計測データ記憶部、11 計測データ、15 混雑状況結果記憶部、16 混雑予測結果記憶部、111 予想用計測データ、20 空間的予測処理部、21 空間的予測結果、30 予想データ生成部、31 予想データ、40 時間的予測処理部、41 時間的予測結果、50 時空間予測処理部、51 時空間予測結果、60 予測対象領域、61 計測地点、100 記憶部、210 混雑状況結果、400 混雑予測処理部、401 通知、401a 計測データ要求通知、401b 混雑状況結果要求通知、410 混雑予測結果、510,510a 混雑予測方法、520,520a 混雑予測プログラム、909 処理回路、910 プロセッサ、920 記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、S100,S100a 混雑予測処理、S110,S110a 計測データ記憶処理、S120 空間的予測実行処理、S130,S130a 予想データ生成処理、S140 時間的予測実行処理、S150 時空間予測実行処理、T 予測時間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12