特許第6710069号(P6710069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6710069
(24)【登録日】2020年5月28日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】ケーブルドラム及びケーブルの搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/18 20060101AFI20200608BHJP
   B65H 75/10 20060101ALI20200608BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20200608BHJP
   B66B 7/06 20060101ALN20200608BHJP
【FI】
   B65H75/18 Z
   B65H75/10
   H02G1/06
   !B66B7/06 M
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-45916(P2016-45916)
(22)【出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2017-160006(P2017-160006A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 洋二
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−007803(JP,U)
【文献】 実開昭57−196066(JP,U)
【文献】 特開平06−305682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 49/00−49/38
B65H 75/00−75/32
H02G 1/06
B66B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを巻回保持するケーブルドラムにおいて、
互いに間隔をおいて一方向に対向する第1巻回保持部及び第2巻回保持部であって、夫々が、前記一方向の外側に凸で、かつ、高さ方向の下方位置からその下方位置よりも高い上方位置まで湾曲するケーブル巻回面を有する前記第1巻回保持部及び前記第2巻回保持部と、
前記第1巻回保持部側の前記上方位置から前記第2巻回保持部側の前記上方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にすると共に、前記第1巻回保持部側の前記下方位置から前記第2巻回保持部側の前記下方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にし、かつ、前記第1巻回保持部と前記第2巻回保持部とを連結する連結部と、
を備え
前記連結部は、前記一方向の長さが変更可能であり、
前記連結部は、前記第1巻回保持部の側面から前記第2巻回保持部側に略前記一方向に延在する第1延在板と、前記第2巻回保持部の側面から前記第1巻回保持部側に略前記一方向に延在する第2延在板と、前記第1延在板と前記第2延在板が固定されるブロック状部材とを有し、
前記第1延在板及び前記第2延在板の夫々は、前記一方向に互いに間隔をおいて設けられた複数の貫通孔を有し、
前記第1延在板の前記貫通孔に挿通された第1締結部材により前記第1延在板が前記ブロック状部材に固定され、前記第2延在板の前記貫通孔に挿通された第2締結部材により前記第2延在板が前記ブロック状部材に固定されている、ケーブルドラム。
【請求項2】
ケーブルを巻回保持するケーブルドラムにおいて、
互いに間隔をおいて一方向に対向する第1巻回保持部及び第2巻回保持部であって、夫々が、前記一方向の外側に凸で、かつ、高さ方向の下方位置からその下方位置よりも高い上方位置まで湾曲するケーブル巻回面を有する前記第1巻回保持部及び前記第2巻回保持部と、
前記第1巻回保持部側の前記上方位置から前記第2巻回保持部側の前記上方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にすると共に、前記第1巻回保持部側の前記下方位置から前記第2巻回保持部側の前記下方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にし、かつ、前記第1巻回保持部と前記第2巻回保持部とを連結する連結部と、
を備え
前記連結部が回転自在に取り付けられる軸部材を備え、
前記軸部材は、該軸部材が載置面より上方に位置した状態で前記軸部材を支持する支持台が取付可能であり、
前記軸部材に前記支持台が取り付けられた状態で、前記第1巻回保持部、前記第2巻回保持部及び前記連結部からなるドラム本体が前記軸部材を回転中心として回動可能であり、
前記第1巻回保持部及び前記第2巻回保持部の夫々は、前記ケーブル巻回面の幅方向の両側に前記ケーブル巻回面に巻回された前記ケーブルの前記幅方向の動きを規制する一対の第1側方部及び第2側方部を有し、
前記第1側方部及び前記第2側方部には、前記ケーブル巻回面の周方向に互いに間隔をおいて配置されると共に、前記ケーブル巻回面の略径方向に突出する複数のアームが取付可能である、ケーブルドラム。
【請求項3】
請求項に記載のケーブルドラムにおいて、
前記支持台は、高さが変更可能であるケーブルドラム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載のケーブルドラムにケーブルを巻回するケーブル巻回ステップと、
前記ケーブルが巻回された前記ケーブルドラムであるケーブル巻回済ドラムを、建造物のハッチを通過させて前記建造物の内部スペースに進入させるドラム進入ステップと、
前記ドラム進入ステップの後、前記ケーブル巻回済ドラムを前記内部スペース内に設けられたエレベータのカゴの底面部から吊り下げるドラム吊下ステップと、
前記ドラム吊下ステップの後、前記カゴを昇降路内を下側に移動させて、前記ケーブル巻回済ドラムを前記昇降路の下側にあるピットまで移動させるドラム移動ステップと、
を含むケーブルの搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを巻回保持するためのケーブルドラムおよびケーブルドラムを利用するケーブルの搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
橋脚で高所にある機器等をメンテナンスするために使用されるエレベータでは、制御盤が昇降路下側にあるピットに設置されることが多い。また、そのようなエレベータでは、カゴ内の操作部と制御盤との間を接続するケーブルが長くなることが多い。そのような場合、ケーブルは、ケーブルドラムに巻回保持された状態で橋脚外部から橋脚内スペースに設けられた昇降路下側のピットまで搬送される。なお、特許文献1には、ケーブルを巻回保持するケーブルドラムであって円筒形状の巻芯部を有するものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−228429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ケーブルを巻回済のケーブルドラムを橋脚外部から橋脚内スペースに搬送する際、該ケーブル巻回済ドラムを橋脚外部から橋脚内スペースに出入りするためのハッチ(出入口)を通過させる必要がある。
しかし、橋脚によってはハッチの高さが低く、ケーブル巻回済ドラムの高さがハッチの高さを上回って、ケーブル巻回済ドラムがハッチを通過できないことがある。
【0005】
本発明の目的は、ケーブル巻回状態で建造物のハッチを通過し易いケーブルドラムを提供することにある。また、本発明の目的は、ケーブルを建造物の外部から建造物に設けられたエレベータの昇降路下方のピットまで搬送し易いケーブルの搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様であるケーブルドラムは、ケーブルを巻回保持するケーブルドラムにおいて、互いに間隔をおいて一方向に対向する第1巻回保持部及び第2巻回保持部であって、夫々が、前記一方向の外側に凸で、かつ、高さ方向の下方位置からその下方位置よりも高い上方位置まで湾曲するケーブル巻回面を有する前記第1巻回保持部及び前記第2巻回保持部と、前記第1巻回保持部側の前記上方位置から前記第2巻回保持部側の前記上方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にすると共に、前記第1巻回保持部側の前記下方位置から前記第2巻回保持部側の前記下方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にし、かつ、前記第1巻回保持部と前記第2巻回保持部とを連結する連結部と、を備え、前記連結部は、前記一方向の長さが変更可能であり、前記連結部は、前記第1巻回保持部の側面から前記第2巻回保持部側に略前記一方向に延在する第1延在板と、前記第2巻回保持部の側面から前記第1巻回保持部側に略前記一方向に延在する第2延在板と、前記第1延在板と前記第2延在板が固定されるブロック状部材とを有し、前記第1延在板及び前記第2延在板の夫々は、前記一方向に互いに間隔をおいて設けられた複数の貫通孔を有し、前記第1延在板の前記貫通孔に挿通された第1締結部材により前記第1延在板が前記ブロック状部材に固定され、前記第2延在板の前記貫通孔に挿通された第2締結部材により前記第2延在板が前記ブロック状部材に固定されている
【0007】
本発明によれば、連結部によってケーブルが一方向に離間されて対向する第1巻回保持部と第2巻回保持部との間を略直線形状で延在することが可能になる。したがって、ケーブルの全てが円筒面の巻回保持部に巻回される場合と比較して、第1及び第2巻回保持部で巻回保持するケーブル部分を、ケーブルにおいて略直線状に延在している部分だけ短くできる。よって、巻回保持部に巻回されるケーブルの高さを低くできるから、ケーブルが巻回保持されたケーブルドラム(以下、ケーブル巻回済ドラムという)の高さも低くできる。その結果、建造物のハッチの高さが低い場合であっても、ケーブル巻回済ドラムがハッチを通過し易くなる。
【0009】
また、連結部の一方向の長さを適宜変更させることによって、略直線状に延在するケーブル部分の長さを適宜調整できる。よって、ケーブル巻回済ドラムの高さを適宜調整できるので、ケーブル巻回済ドラムがハッチを更に通過し易くなる。
【0011】
また、第1締結部材を挿通させる第1延在板の貫通孔と、第2締結部材を挿通させる第2延在板の貫通孔とのうちの少なくとも一方を変えるだけで、連結部の一方向の長さを変えることができる。よって、一方向に伸縮可能な連結部を簡易な構成で実現できる。
【0012】
また、本発明の他の態様のケーブルドラムは、ケーブルを巻回保持するケーブルドラムにおいて、互いに間隔をおいて一方向に対向する第1巻回保持部及び第2巻回保持部であって、夫々が、前記一方向の外側に凸で、かつ、高さ方向の下方位置からその下方位置よりも高い上方位置まで湾曲するケーブル巻回面を有する前記第1巻回保持部及び前記第2巻回保持部と、前記第1巻回保持部側の前記上方位置から前記第2巻回保持部側の前記上方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にすると共に、前記第1巻回保持部側の前記下方位置から前記第2巻回保持部側の前記下方位置まで前記ケーブルの略直線形状での延在を可能にし、かつ、前記第1巻回保持部と前記第2巻回保持部とを連結する連結部と、を備え、前記連結部が回転自在に取り付けられる軸部材を備え、前記軸部材は、該軸部材が載置面より上方に位置した状態で前記軸部材を支持する支持台が取付可能であり、前記軸部材に前記支持台が取り付けられた状態で、前記第1巻回保持部、前記第2巻回保持部及び前記連結部からなるドラム本体が前記軸部材を回転中心として回動可能であり、前記第1巻回保持部及び前記第2巻回保持部の夫々は、前記ケーブル巻回面の幅方向の両側に前記ケーブル巻回面に巻回された前記ケーブルの前記幅方向の動きを規制する一対の第1側方部及び第2側方部を有し、前記第1側方部及び前記第2側方部には、前記ケーブル巻回面の周方向に互いに間隔をおいて配置されると共に、前記ケーブル巻回面の略径方向に突出する複数のアームが取付可能である
【0013】
本発明によれば、支持台への軸部材の取り付けによって、ドラム本体を、軸部材を回転中心として回動させることができる。よって、当該ドラム本体の回転でケーブルドラムにケーブルを容易に巻回できる。
【0014】
なお、本発明において、前記支持台は、高さが変更可能であってもよい。
【0015】
この場合、支持台の高さが変更可能であるので、支持台を異なる仕様のケーブルドラムに使用できて、支持台の汎用性が向上する。
【0017】
また、本発明によれば、各巻回保持部の各側方部に、ケーブル巻回面の周方向に互いに間隔をおいて配置されると共に、ケーブル巻回面の略径方向に突出する複数のアームを取り付けできる。したがって、ケーブル巻回面の両側に設けられた複数のアームで側方部よりも径方向の外方側に位置するケーブルを挟み込んで支えることができるので、側方部よりも径方向の外方側にもケーブルを巻回でき、巻回可能なケーブルの長さを長くできる。よって、ケーブルの長さが非常に長くて、建造物のハッチの高さ上の制限からケーブルを2つのケーブルドラムに分配してハッチを通過させなければならない場合であっても、2つのケーブルドラムのハッチの通過後に全てのケーブルを一方のケーブルドラムのみに巻き直すことができる。その結果、ケーブルが2つのケーブルドラムに巻回されている状態では外部に露出していないケーブルの両端部のうちの一方を外部に露出させることができ、例えば、この端部をエレベータのカゴの所定の箇所に接続できる。
【0018】
また、本発明の別の態様であるケーブルの搬送方法は、本発明のケーブルドラムにケーブルを巻回するケーブル巻回ステップと、前記ケーブルが巻回された前記ケーブルドラムからなるケーブル巻回済ドラムを、建造物のハッチを通過させて前記建造物の内部スペースに進入させるドラム進入ステップと、前記ドラム進入ステップの後、前記ケーブル巻回済ドラムを前記内部スペース内に設けられたエレベータのカゴの底面部から吊り下げるドラム吊下ステップと、前記ドラム吊下ステップの後、前記カゴを昇降路内を下側に移動させて、前記ケーブル巻回済ドラムを前記昇降路の下側にあるピットまで移動させるドラム移動ステップと、を含む。
【0019】
本発明によれば、ケーブルを巻回保持するケーブルドラムが本発明のケーブルドラムであるので、ケーブル巻回済ドラムが建造物のハッチを通過し易くなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のケーブルドラムによれば、ケーブル巻回状態で建造物のハッチを通過し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るケーブルドラムの模式正面図である。
図2】上記ケーブルドラムの第1巻回保持部の正面図と、第1巻回保持部の奥行方向の構造を示す側面図との関係を表す模式図である。
図3】(a)は、図1における連結部周辺の拡大図であり、(b)は、(a)を上方から見た時の模式図である。また、(c)は、連結部を(b)に矢印Bで示す方向から見たときのB矢視図である。
図4】(a)は、連結部において第1巻回保持部に固定される部材を示す模式図であり、(b)は、(a)を矢印Cで示す方向から見たときのC矢視図である。
図5】支持台の取付構造を側方から見たときの模式図である。
図6図2にRで示す領域の模式拡大図である。
図7図1に示すケーブドラムにおいてケーブルをアームで支持する径方向外側部分まで巻回した状態を示す模式正面図である。
図8】(a)は、一例の橋脚の模式平面図であり、(b)は橋脚のハッチの開口形状を示す模式正面図である。
図9】一本のケーブルをシェアした状態で異なる台車を介して橋脚の歩道上に載置された第1及び第2ケーブルドラムを示す模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、実施の形態で、鉛直方向に関係する文言、例えば、下方位置、上方位置、鉛直方向、水平方向等が使用された場合、それらの文言は、ケーブルドラム50が水平面に載置されている状態で表現されたものである。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るケーブルドラム50の模式正面図である。また、図2は、アーム70が取り付けられた第1巻回保持部1の正面図と、該アーム70が取り付けられた第1巻回保持部1の奥行き方向の構造を示す側面図との関係を表す模式図である。なお、図1及び下記の図2図5,図7において、Xは、一方向としてのケーブルドラム50の幅方向を示し、Yは、ケーブルドラム50の奥行方向を示す。また、Zは、ケーブルドラム50の高さ方向を示す。
【0024】
ケーブルドラム50は、通常金属材料で構成される。図1に示すように、ケーブルドラム50は、第1巻回保持部1、第2巻回保持部2、連結部3及び支持台4を備える。第1巻回保持部1と、第2巻回保持部2とは、略同一で対をなす。第1巻回保持部1と第2巻回保持部2は、X方向に間隔を置いた状態で対向している。後に詳述するが、第1巻回保持部1及び第2巻回保持部2の夫々には、ケーブルが巻回される半円柱状の巻き芯1d,2dが設けられ、その外周にケーブル巻回面1c,2cが設けられる。
【0025】
連結部3は、第1巻回保持部1と、第2巻回保持部2とを連結している。第1巻回保持部1、第2巻回保持部2及び連結部3は、一体のドラム本体10を構成する。連結部3には、該連結部3を貫くようにY方向に延在する軸部材15が配置され、連結部3は軸部材15に対して回転自在に取り付けられている。
【0026】
連結部3のY方向の両側には、軸部材15において連結部3から突出する一対の突出部15aが設けられ、この突出部15aが支持台4に取り付けられる。支持台4は、軸部材15が載置面67に対してZ方向に間隔をおいた状態(上方)で軸部材15を支持する。
【0027】
軸部材15に支持台4が取り付けられた状態で、ドラム本体10は、軸部材15を回転中心として図1に矢印Aで示す方向に(X,Z平面内で)回動可能になっている。ケーブルドラム50は、回転することによって外部から供給されるケーブルを巻き取ったり、巻回されたケーブルを外部に引き出すことができる。ケーブルドラム50は、X方向に離間配置されたケーブル巻回面1c及びケーブル巻回面2cにケーブルを交互に巻回し、図7に示すようにZ方向に複数層からなる1本のケーブルを巻回保持するようになっている。
【0028】
以下、第1巻回保持部1、連結部3及び支持台4の詳しい説明を行う。先ず、図1及び図2を用いて、第1巻回保持部1の構造について説明する。なお、第2巻回保持部2の構造の説明は、それに類似する第1巻回保持部1の構造の説明をもって省略する。
【0029】
図2に示すように、第1巻回保持部1は、一対の第1及び第2側方部1a,1bと、ケーブル巻回面1cを有する巻き芯1dとを有する。一対の第1側方部1a及び第2側方部1bは、巻き芯1dを挟み込むように巻き芯1dの幅方向(Y方向に一致)の両側に配置される。第1側方部1aは、第2側方部1bと略同一であり、略半オーバル形状の平板で構成される。図1に示すように、巻き芯1dは、X方向の外側に凸で、巻き芯のX方向の外側面であるケーブル巻回面1cは、高さ方向Zの下方位置からその下方位置よりも高い上方位置まで湾曲した形状を有し、巻き芯1dの内側面は平面になっている。詳しくは、巻き芯1dは、円柱をその中心軸を含む平面で切断してなる形状を有し、断面半円状の断面形状を有する。図1に示すように、ケーブル巻回面1cの上端とケーブル巻回面1cの下端とは、略同じX方向位置に存在している。
【0030】
図2に示すように、第1及び第2側方部1a,1bは、ケーブル巻回面1cよりもケーブル巻回面1cの径方向外側まで広がるフランジ構造を有する。第1及び第2側方部1a,2aは、ケーブル巻回面1cの幅方向の両側でケーブル巻回面1cを覆っている。ケーブルドラム50が一方向に回転してケーブルの巻回が行われる際、ケーブルは、第1及び第2側方部1a,1bによってケーブル巻回面1cの幅方向(Y方向)の両側から支持される。その結果、ケーブルは、高さ方向Zに複数層安定に巻回されることができる。
【0031】
図1及び図2に示すように、第1及び第2巻回保持部1,2の第1及び第2側方部1a,1bには、断面半円状の巻き芯1d,2dの略径方向に延在するアーム70が取付可能になっている。アーム70の取付構造及びアーム70が必要な理由については、後に図6等を用いて詳述する。
【0032】
次に、図3及び図4を用いて、連結部3の構造について説明する。図3(a)は、図1における連結部3周辺の拡大図であり、図3(b)は、図3(a)を上方から見た時の模式図である。また、図3(c)は、連結部3を図3(b)に矢印Bで示す方向から見たときの連結部3のB矢視図である。また、図4(a)は、連結部3において第1巻回保持部1に固定される部材を示す模式図であり、図4(b)は、図4(a)を矢印Cで示す方向から見たときのC矢視図である。
【0033】
図3(a)に示すように、連結部3は、略矩形の平板形状を有する2つの第1延在板31a,31bと、略矩形の平板形状を有する2つの第2延在板32a,32bと、略直方体状のブロック状部材35とを含む。第1延在板31aは上方を第1巻回保持部1から伸び、第1延在板31bは下方を第1巻回保持部1から伸び、第1延在板31aはY方向手前側、第1延在板31bはY方向奥側に位置する。すなわち、第1延在板31a,31bはX方向においてほぼ同一の位置に位置するが、Z方向及びX方向の位置がずれている。第2延在板32aは上方を第2巻回保持部2から伸び、第2延在板32bは下方を第2巻回保持部2から伸び、第2延在板32aはY方向奥側、第2延在板32bは手前側に位置する。すなわち、第2延在板32a,32bはX方向においてほぼ同一の位置に位置するが、Z方向及びX方向の位置がずれている。
【0034】
第1延在板31a,31bの先端部分と、第2延在板32a,32bの先端部分は、X方向において所定距離だけ重なるようになっており、第1延在板31a,31b、第2延在板32a,32bの先端部分の間にY方向に伸びるブロック状部材35が固定される。
【0035】
すなわち、図3(a)及び図4(a)に示すように、ケーブルドラム50は、2つの第1延在板31a,31bが第1巻回保持部1から第2巻回保持部2側にX方向に突出する第1延在板突出構造を有する。詳しくは、図4(a)及び図4(b)に示すように、一方の第1延在板31aは、その上端の高さがケーブル巻回面1cの上端の高さに略一致した状態で第1側方部1aからX方向に延在する。また、他方の第1延在板31bは、その下端の高さがケーブル巻回面1cの下端の高さに略一致した状態で第2側方部1bからX方向に延在する。また、図4(a)に示すように、第1延在板突出構造では、上側の一方の延在板31aは、X方向に間隔をおいて延在する複数の貫通孔33aを有し、下側の他方の延在板31bは、X方向に間隔をおいて延在する複数の貫通孔33bを有する。
【0036】
これに対し、2つの第2延在板32a,32bが第2巻回保持部2から突出する第2延在板突出構造は、上述の第1突出板延在構造との比較で、上側の第2延在板32a(図3(a)参照)が第2巻回保持部2の第2側方部から第1巻回保持部1側にX方向に延在する一方、下側の第2延在板32bが第2巻回保持部2の第1側方部2aから第1巻回保持部1側にX方向に延在する点が異なる。第2延在板突出構造の詳しい説明は、それに類似する第1延在板突出構造の説明をもって省略する。
【0037】
図3(a)を参照して、ブロック状部材35には、第1延在板固定用の2つの第1タップ孔(図示せず)及び第2延在板固定用の2つの第2タップ孔(図示せず)が設けられる。各第1延在板31a,31bのいずれかの貫通孔33a,33bに第1ねじ部材38を挿通した後に第1ねじ部材38の軸部を第1タップ孔に締め込むことによって、各第1延在板31a,31bをブロック状部材35に固定する。また、各第2延在板32a,32bのいずれかの貫通孔34a,34bに第2ねじ部材39を挿通した後に第2ねじ部材39の軸部を第2タップ孔に締め込むことによって、各第2延在板32a,32bをブロック状部材35に固定する。
【0038】
係る連結部3の構成により、第1ねじ部材38を挿通させる第1延在板31a,31bの貫通孔33a,33bと、第2ねじ部材39を挿通させる第2延在板32a,32bの貫通孔34a,34bとのうちの少なくとも一方を変えるだけで、連結部3のX方向の長さを変えることができる。第1ねじ部材38は、第1締結部材を構成し、第2ねじ部材39は、第2締結部材を構成する。
【0039】
なお、第1及び第2延在板31a,31b,32a,32bの両方がX方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔33a,33b,34a,34bを有して、連結部3のX方向長さを変更可能な場合について説明した。しかし、第1及び第2延在板のうちの一方の貫通孔が1つのみであっても、他方がX方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔を有していれば、連結部のX方向長さを変更可能とできることは言うまでもない。また、連結部は、例えば、突っ張り棒の伸縮機構と同一の機構によってX方向に伸縮可能であってもよい。また、連結部は、X方向に伸縮不可能でもよい。
【0040】
図3(a)に示すように、ブロック状部材35が第1及び第2巻回保持部1,2に固定された状態で、ブロック状部材35は、第1及び第2ケーブル巻回面1c,2cと略同じ高さを有し、かつ第1及び第2ケーブル巻回面1c,2cと略同じ高さ位置に配置される。また、図3(b)に示すように、ブロック状部材35は第1及び第2巻回保持部1,2と略同一のY方向長さを有する。係るブロック状部材35の構成は、第1ケーブル巻回面1cの上端から第2ケーブル巻回面2cの上端まで張力によってX方向に延在するケーブルを、第1巻回保持部1と第2巻回保持部2の略中間に設けられたブロック状部材35の上面で支持することを可能にする。このことから、ケーブルが第1巻回保持部1と第2巻回保持部2との間で緩んで撓むことが抑制される。
【0041】
次に、図1及び図5を用いて、支持台4の取付構造について説明する。図5は、支持台4の取付構造をX方向の外方から見たときの模式図である。
【0042】
図1及び図5を参照して、支持台4の取付構造(以下、単に取付構造という)は、一方側取付構造58、他方側取付構造及び2つの架橋補強部55を有する。一方側取付構造58は、ドラム本体10のY方向の一方側に設けられ、他方側取付構造は、ドラム本体10のY方向の他方側に設けられる。他方側取付構造は、一方側取付構造58と略同一の構成を有し、Y方向から見たとき一方側取付構造58に略重なる。以下では、一方側取付構造58の構成のみを説明し、一方側取付構造58と類似の構成を有する他方側取付構造については説明を省略する。
【0043】
図1に示すように、一方側取付構造58は、軸支持部材41と、2つのL型アングル42a,42bと、土台部材43とを有する。図5に示すように、各L型アングル42a,42bは、軸支持部材41においてY方向の端にある端面に締結部材47によって固定される。詳しくは、各L型アングル42a,42bには、軸支持部材41側の端部にL字状でなくて平面状の取付部が設けられる。一方のL型アングル42aの取付部と他方のL型アングル42bの取付部とをY方向に重ね、各取付部に設けられた1つの取付孔を用いて2つのL型アングル42a,42bを1つの締結部材47で同時に軸支持部材41の端面に固定している。この例では、締結部材47がボルト47aとナット47bで構成されるが、他の種類の締結部材、例えばタッピングネジが用いられてもよい。
【0044】
図1に示すように、当該固定状態で一方のL型アングル42aと他方のL型アングル42bとは角度θをなした状態で交差している。また、図5を参照して、各L型アングル42a,42bは、2つのL型アングル部品で構成される。以下、L型アングル42aを例に説明を行い、L型アングル42bの説明は、それと類似の構造を有するL型アングル42aの説明をもって省略する。L型アングル42aは、上述の取付部を有する上側部品42a‐1と、それに組み合わされる下側部品42a‐2とで構成される。上側及び下側部品42a‐1,42a‐2の夫々は、X方向に向いた側面にZ方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔45a‐1,45a‐2を有する。上側部品42a‐1のいずれかの貫通孔45a‐1に下側部品42a‐2のいずれかの貫通孔45a‐2が重なっている状態で上側部品42a‐1と下側部品42a‐2とを締結部材48で固定するようになっている。締結部材48としては、ボルト及びナットを好適に採用できる。締結部材48が挿通される上側及び下側部品42a‐1,42a‐2の貫通孔の少なくとも一方を変えることによって、L型アングル42aの高さを適宜変更させることができるようになっている。
【0045】
なお、上側及び下側部品42a‐1,42a‐2の夫々が、X方向に向いた側面にZ方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔を有する場合について説明した。しかし、上側部品と下側部品とのうちの一方が1つのみの貫通孔しか有しない場合であっても、他方がX方向に向いた側面にZ方向に間隔をおいて配置される複数の貫通孔を有していれば、支持台の高さを変更させることができる。また、各L型アングル42a,42bを2つの上側及び下側部品42a‐1,42a‐2で構成して、支持台4の高さが変更可能である場合について説明したが、各L型アングルが1つの部材のみで構成されて、支持台の高さが変更不可能でもよい。なお、連結部3のブロック状部材35はその中心部分にY方向に延在する貫通孔を有し、この貫通項に軸部材15が挿通される。
【0046】
図1及び図5を参照して、支持台4について説明する。支持台4は、下部が床面などの載置面上に固定され、上端において軸部材15を保持することで、連結部3、第1巻回保持部1、第2巻回保持部2を軸部材15を中心として回動自在に保持する。各L型アングル42a,42bの下側部品42a‐2,42b‐2は、土台部材43においてX方向に延在する柱部43aの両端部に設けられたブロック状の取付部43bに締結部材46で固定されている。
【0047】
係る支持台4の構成によれば、2つのL型アングル42a,42bがなす角度θを調整できるので、支持台4の高さを変更させても、L型アングル42a,42bをX方向の長さが不変の柱部43aに固定できる。よって、支持台4を広範な仕様のドラム10本体に適用できて、支持台4が汎用性に優れたものになる。
【0048】
更に、支持台4の取付構造に対する説明を続けると、連結部3のブロック状部材35はY方向に延在する貫通孔を有する。軸部材15は、この貫通孔の内面に図示しない転がり軸受やすべり軸受を介してブロック状部材35に対して回動自在に取り付けられる。軸部材15は、連結部3のY方向の両側から突出している。図1及び図5に示すように、軸部材15において連結部3から突出している突出部15aは、U字ボルト53とナット54で軸支持部材41に固定される。その結果、軸部材15が軸支持部材41によって下側から支持され、ドラム本体10が矢印Aに回転可能な状態が維持される。
【0049】
図5を参照して、支持台4の2つの架橋補強部55はY方向に延在する。2つの架橋補強部55はX方向に間隔をおいた状態で略平行に配置される。一方の架橋補強部55は、溶接や締結部材等によって、そのY方向の一端部が一方側取付構造58の柱部43aにおけるX方向の一端部に固定され、Y方向の他端部が他方側取付構造の柱部におけるX方向の一端部に固定されている。また、他方の架橋補強部55は、溶接や締結部材等によって、そのY方向の一端部が一方側取付構造58の柱部43aにおけるX方向の他端部に固定され、Y方向の他端部が他方側取付構造の柱部におけるX方向の他端部に固定されている。X方向の両側で一方側取付構造58と他方側取付部材とを架橋補強部55でY方向に連結することによって、支持台4の剛性(強度)を大きくしている。
【0050】
再度、図1及び図2を参照して、ケーブルドラム50には、複数のアーム70が取付可能になっている。詳しくは、第1及び第2巻回保持部1,2の夫々の第1及び第2側方部1a,1b,2aにおけるY方向の外側面には、ケーブル巻回面1c,2cの周方向に互いに間隔をおいて配置された複数のアーム70が締結部材75で取り付けられている。各アーム70は、第1及び第2側方部1a,1b,2aからケーブル巻回面1c,2cの径方向外方に突出している。Y方向から見たとき、各巻回保持部1,2の第1側方部1a,2aに取り付けられた複数のアーム70は第2側方部1bに取り付けられた複数のアーム70に重なる。
【0051】
ケーブル巻回面1c,2cの幅方向両側に設けられる複数のアーム70は、第1及び第2側方部1a,1b,2aよりも径方向の外方側に位置するケーブルを挟み込んで支えるために設けられる。アーム70でケーブルを第1及び第2側方部1a,1b,2aよりも径方向の外方側にも巻回できるようにし、巻回可能なケーブルの長さを長くしている。
【0052】
図6は、図2にRで示す領域の模式拡大図である。図6に示すように、アーム70は、皿ボルト75aとナット75bにより第1及び第2巻回保持部1,2の第1及び第2側方部1a,1b,2aに固定されている。図2及び図6を参照して、アーム70において第1及び第2側方部1a,1b,2aから突出する突出部の幅方向内側には、第1及び第2側方部1a,1b,2aと略同じ厚さを有する板部材77が取り付けられる。よって、第1及び第2側方部1a,1b,2aによってケーブルのY方向の移動を規制する箇所の内幅が、Y方向に対向する一対のアーム70によってケーブルのY方向の移動を規制する箇所の内幅と略一致する。その結果、Z方向に複数層巻回されるケーブルがアーム70で支持される箇所で巻き乱れることが抑制される。
【0053】
ケーブルドラム50は以上の構成を有する。以下、主に図7図9を用いて、ケーブルを橋脚に設けられたエレベータに設置する手順について説明する。なお、本実施形態では、ケーブルを設置するエレベータが橋脚内に設けられる場合について説明するが、ケーブルを設置するエレベータは、橋脚以外の建造物、例えば、コンビナート内に設けられた施設や採掘場に設けられた施設等に設けられてもよい。
【0054】
先ず、一本のケーブルの一端部を図1に示すケーブルドラム50の第1巻回保持部1のケーブル巻回面1cに固定した後、ケーブルドラム50を矢印Aに複数回回転させる。そして、図7に示すように、一本のケーブル80をケーブルドラム50におけるアーム70に支持される径方向外側部分まで巻回させて、一本のケーブル80を1つのケーブルドラム50のみで巻回保持する。なお、ケーブルドラム50の回転は、軸部材15の一端をモータの回転軸に連結し、モータを回転することなどによって行うが、ハンドルを人手で回転するなどの手段でもよい。
【0055】
続いて、一本のケーブル80を巻回保持している第1ケーブルドラム50とは別に、第1ケーブルドラム50と同じ構造及び大きさの第2ケーブルドラム50を用意する。そして、第2ケーブルドラム50を支持台4が取り付けられてドラム本体10が回転可能な状態にする。その後、第1ケーブルドラム50の径方向外側にあるケーブルの他端部を第2ケーブルドラム50の第2巻回保持部2のケーブル巻回面2cに固定した後、第1及び第2ケーブルドラム50,50を同じ方向に所定回数回転させる。そして、一本のケーブル80を第1及び第2ケーブルドラム50に略均等に巻回保持させる。
【0056】
その状態で、各ケーブルドラム50が巻回保持するケーブル80部分の長さは、一本のケーブル80の半分程度になる。結果として、各ケーブルドラム50に巻回保持されるケーブル80の全ての部分は、第1及び第2側方部1a,1b,2aのみでY方向にサポートされ、アーム70でサポートされることがなくなる。
【0057】
その後、全てのアーム70が第1及び第2ケーブルドラム50,50から取り外された後、第1及び第2ケーブルドラム50,50は、クレーンや車両等を用いて図8(a)に模式平面図が示される橋脚90のハッチ96周辺の歩道92まで運搬される。なお、この運搬時において、第1及び第2ケーブルドラム50,50を図示しない結束部材で一体不可分に結束すると、運搬が容易となって好ましいが、第1及び第2ケーブルドラム50,50は、必ずしも運搬時に結束される必要はない。
【0058】
続いて、図9に示すように、一本のケーブル80をシェアしている第1及び第2ケーブルドラム50,50を異なる台車79,79を介して歩道92上に載置する。その後、歩道92上に配置された一方のケーブルドラム50を、歩道側扉93(図8(a)参照)、通常一般人が立ち入り禁止になっている立入禁止区域94及びハッチ96を経由させて、橋脚外部から橋脚内スペース97まで運搬し、続いて他方のケーブルドラム50を、歩道側扉93、立入禁止区域94及びハッチ96を経由させて、橋脚外部から橋脚内スペース97まで運搬する。
【0059】
その後、第1及び第2ケーブルドラム50,50は、2つ同時に橋脚内スペース97に設けられたエレベータ98のカゴに乗せられ、カゴに乗せされた状態で最下階まで移動させられ、最下階の乗場に配置される。続いて、片方のケーブルドラム50をカゴの底面に吊下げた後、カゴを降下させて、その一方のケーブルドラム50をカゴの昇降路下方にあるピットに配置する。この状態で、一方のケーブルドラム50はピットに配置され、他方のケーブルドラム50は最下階の乗場に配置される。
【0060】
続いて、ピットに配置された片方のケーブルドラム50を支持台4及び複数のアーム70が取り付けられた図1に示す状態にする。他方、最下階の乗場に配置された他方のケーブルドラム50を支持台が4を取り付けられた状態にし、ドラム本体10が回転可能な状態にする。
【0061】
その後、第1及び第2ケーブルドラム50,50を同じ方向に回転させて、最下階の乗場に配置されたケーブルドラム50からピットに配置されたケーブルドラム50にケーブル80を送り、全てのケーブル80をピットに配置されたケーブルドラム50に巻き直す。この状態で、ケーブル80はアーム70にサポートされる部分まで巻かれ、ピット上のケーブルドラム50は図7に示す状態になる。また、この状態でケーブル80の一端部が橋脚内スペース97に露出した状態になる。
【0062】
続いて、この橋脚内スペース97に露出しているケーブル80の一端部をカゴの所定箇所に接続した後、カゴを上昇させることによってピット上のケーブルドラム50を回転させて該ケーブルドラム50からケーブル80を上側に送り出す。そして、このケーブル80の上側への送り出しによって、該ケーブルドラム50の最内方に位置するケーブル80の他端部を橋脚内スペース97に露出させる。その後、ケーブル80の他端部をピットに設けられた制御盤の所定箇所に接続することによって、ケーブル80のエレベータ98への設置が終了する。
【0063】
上記実施形態によれば、連結部3によってケーブル80がX方向に離間されて対向する第1巻回保持部1と第2巻回保持部2との間を略直線形状で延在することが可能になる。したがって、ケーブル80の全てが円筒面の巻回保持部に巻回される場合と比較して、第1及び第2巻回保持部1,2で巻回保持するケーブル部分を、ケーブル80において略直線状に延在している部分だけ短くできる。よって、ケーブル80が巻回保持されたケーブルドラム50の高さを低くできる。その結果、橋脚90のハッチ96の高さh(図8(b)参照)が低い場合であっても、ケーブル巻回済のケーブルドラム50がハッチ96を通過し易くなる。
【0064】
また、この実施形態によれば、連結部3のX方向の長さを適宜変更させることができ、ケーブル80において略直線状に延在する部分の長さを適宜調整できる。よって、ケーブル巻回済のケーブルドラム50の高さを適宜調整できるので、ケーブル巻回済のケーブルドラム50がハッチ96を更に通過し易くなる。
【0065】
更には、第1及び第2巻回保持部1,2の第1及び第2側方部1a,1b,2aに、ケーブル巻回面1c,2cの周方向に互いに間隔をおいて配置されると共にケーブル巻回面1c,2cの略径方向に突出する複数のアーム70を取り付けできる。したがって、ケーブル巻回面1c,2cの両側に設けられた複数のアーム70で第1及び第2側方部1a,1b,2aよりも径方向の外方側に位置するケーブル80を挟み込んで支えることができる。よって、第1及び第2側方部1a,1b,2aよりも径方向の外方側にもケーブル80を巻回でき、巻回可能なケーブル80の長さを長くできる。その結果、ケーブル80の長さが非常に長くて、橋脚90のハッチ96の高さ上の制限からケーブル80を2つのケーブルドラム50に分配してハッチ96を通過させなければならない場合であっても、2つのケーブルドラム50がハッチ96を通過した後に全てのケーブル80を一方のケーブルドラム50のみに巻き直すことができる。それで、ケーブル80が2つのケーブルドラム50に巻回されている状態では外部に露出していないケーブル80の両端部のうちの一方を外部に露出させることができ、この外部に露出した端部をエレベータのカゴにおける所定の箇所に接続できる。
【0066】
尚、本発明は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、ケーブル巻回面1c,2cが、半円状の断面形状を有する場合について説明したが、ケーブル巻回面は、X方向の外側に凸でZ方向の下方位置から上方位置まで湾曲している形状であればよく、半楕円の断面形状、放物線の一部からなる断面形状、又は双曲線の一部からなる断面形状等を有してもよい。
【0068】
また、橋脚90のハッチ96を通過した第1及び第2ケーブルドラム50をエレベータ98のカゴに載せて一旦最下階の乗場まで運搬する場合について説明した。しかし、第1及び第2ケーブルドラムをエレベータのカゴに収容できない場合、橋脚のハッチを通過した第1及び第2ケーブルドラムの一方をハッチが設けられた階の乗場でカゴの底面に吊下げて昇降路下方のピットまで運搬してもよい。そして、ハッチが設けられた階の乗場に配置された他方のケーブルドラムからピットに配置された一方のケーブルドラムにケーブルを送ってもよい。
【0069】
また、ケーブル80を2つのケーブルドラム50でシェアした状態で橋脚90のハッチ96を通過させる場合について説明した。しかし、ケーブルの長さが短い場合、ケーブルをアームが取り付けられていない1つのケーブルドラムに巻回保持した状態で、ケーブル巻回済のケーブルドラムを橋脚のハッチを通過させてもよい。この場合、ケーブルドラムにアームが取り付けられない構成でもよい。また、ケーブルドラムは支持台が取り付けられない構成でもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 第1巻回保持部、 1a, 2a 第1側方部、 1b 第2側方部、 1c, 2c ケーブル巻回面、 2 第2巻回保持部、 3 連結部、 4 支持台、 10 ドラム本体、 15 軸部材、 31a, 31b 第1延在板、 32a, 32b 第2延在板、 33a, 33b 第1延在板の貫通孔、 34a, 34b 第2延在板の貫通孔、 35 ブロック状部材、 38 第1ねじ部材、 39 第2ねじ部材、 50 ケーブルドラム、 67 載置面、 70 アーム、 80 ケーブル、 90 橋脚、 96 ハッチ、 97 橋脚内スペース 98 エレベータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9