(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
デジタル放送やインターネットの発展により、視聴者が見たいテレビ番組を探す際に、新聞等のテレビ欄ではなく、デジタル放送の電子番組ガイド(Electronic Program Guide:以降「EPG」と記載する。)や、インターネット上の番組表サイトなどを利用することができるようになった。視聴者が番組を選ぶ際には、これらの番組表に表示される内容(番組内容や出演者など)を参考にすることが多いが、その番組にどのくらいの「話題性」があるかによって視聴するかしないかを判断したい場合も考えられる。そこで、本発明の実施形態による番組情報配信システムは、視聴者が閲覧する番組表に、各番組に「どのくらい話題性があるのか」の情報を表示する。
【0017】
近年は、インターネット上の掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service:以降、「SNS」と記載する。)の登場により、ユーザ同士が興味のある話題を共有する場が増えてきた。SNSは、複数のユーザにより書込み及び閲覧が可能なサイトであり、インターネットを通じたユーザ間のコミュニケーションの場を電子的に提供する。ある話題に対する投稿の量は、その話題を扱う番組に「話題性」があることを示す指標となることが考えられる。また、SNSによって、番組の情報や番組への感想・評価などを共有する場も増えてきた。実際にインターネット上ではテレビ番組専用の掲示場などが開設され、日々番組に関する言及が多数投稿されている。このような、番組に対する投稿の量は、そのままその番組の「話題性」を示す指標となることが考えられる。また、視聴者のいる場所と近い場所に関する番組は、その視聴者にとっては興味の対象となることが多い。そこで、視聴者のいる場所との番組が扱っている場所との距離が、その視聴者に対する「話題性」を示す指標となることが考えられる。実施形態による番組情報配信システムは、番組表に、そのような各番組の話題性を視覚化して示すことにより、「話題性の高い番組を見たい」という視聴者の要求に応える。
【0018】
本実施形態の番組情報配信システムは、放送予定番組も含めた番組表を視聴者の端末やテレビジョン受信機に表示する際に、その番組にどのくらいの話題性があるかの指標をインターネット上の情報に基づいて取得する。番組情報配信システムは、取得した指標に基づき判断した話題性を、番組表上で可視化する。このとき、番組情報配信システムは、各番組に関して、話題性の種類や話題性の度合いなどを提示する。これにより、視聴者が視聴する番組の選択を容易に行えるようにする。
【0019】
本実施形態の番組情報配信システムは、番組に関する情報からその番組の特徴を表す言葉である重要語を抽出する。番組情報配信システムは、その重要語がインターネット上でのどの程度話題となっているかの指標や、視聴者のいる場所との距離を、複数種のインターネット上の情報源に基づき抽出する。番組に関する情報には、EPGに用いられる番組概要文などを用いることができる。また、番組制作者が事前に「テーマ」となるキーワードを番組に関する情報に付与しておくことにより、番組情報配信システムは、番組概要文などには含まれないキーワードを利用して、世間における話題性を判断することもできる。番組情報配信システムは、番組表を提供する際に、その話題性を表す情報を可視化して付与する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による番組情報配信システム1の構成例を示す図である。番組情報配信システム1は、番組情報提供装置2と、外部データ提供装置3−1〜3−n(同図ではn=3)と、番組情報配信装置4と、表示装置5とを備えて構成される。各装置間は、ネットワーク9を介して接続される。ネットワーク9は、インターネットなどの公衆網である。なお、番組情報提供装置2と番組情報配信装置4との間や、外部データ提供装置3−1〜3−nと番組情報配信装置4との間は、私設網により接続されてもよい。
【0021】
番組情報提供装置2は、各番組の番組情報を番組情報配信装置4に提供する。番組情報は、例えば、EPGなどの番組表の生成に用いられる情報であり、EPG自体であってもよい。
【0022】
外部データ提供装置3−1は、外部のSNSのデータを専門に扱う。外部データ提供装置3−1は、ユーザが自分に関する情報をインターネット上で他のユーザに知らたり、複数のユーザが意見を交換するSNSにおいて、ある言葉が出現する頻度の情報を提供する。このような外部データ提供装置3−1として、Twitter社が提供するAPI(Application Program Interface)を実装するサーバを用いることができる。このAPIでは、「Twitter(登録商標)」においてある言葉が出現する頻度の情報を提供する。頻度には、出現の回数を用いることができる。
【0023】
外部データ提供装置3−2は、インターネット上で、あるユーザがアップロード(投稿)した質問内容について他のユーザが回答をアップロード(投稿)するユーザ参加型のQAサイトにおいて、ある言葉が出現する頻度の情報を提供する。このような外部データ提供装置3−2として、NTTレゾナント株式会社の「教えて!goo(登録商標)」のサイトが提供するAPIを実装するサーバを用いることができる。このAPIでは、「教えて!goo(登録商標)」においてある言葉が出現する頻度の情報を提供する。
【0024】
外部データ提供装置3−3は、地理情報のデータを提供する。外部データ提供装置3−3は、地名やランドマークなどの入力に対して、その地名の場所やそのランドマークがある場所の地理的な位置を示す位置情報を提供する。このような外部データ提供装置3−3として、Google株式会社が提供する「GoogleMapsGeocodingAPI」を実装するサーバを用いることができる。
【0025】
番組情報配信装置4は、番組情報提供装置2から受信した各番組の番組情報からEPGなどの番組表データを生成する。番組情報配信装置4は、外部データ提供装置3−1〜3−3から受信した各番組の話題性の有無の情報に基づいて、話題性がある番組については、番組表におけるその番組の番組情報を、他の番組とは異なる態様で表示させる。番組情報配信装置4は、生成した番組表データを視聴者の表示装置5に配信する。
表示装置5は、番組情報配信装置4から配信された番組表データを表示する。
【0026】
図2は、番組情報配信装置4の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。番組情報配信装置4は、重要語取得部41と、話題性判定部42−1〜42−3と、番組表生成部43とを備える。
重要語取得部41は、各番組の番組情報から重要語を取得する。話題性判定部42−1〜42−3は、各番組に話題性があるか否かを判定する。
【0027】
話題性判定部42−1は、番組が、多くの人が長期にわたり関心を持ってきた話題についての話題性があるか否かと、時事的な(タイムリーな)話題についての話題性があるか否かとを判定する。以下では、多くの人が長期にわたり関心を持ってきた話題を「長期的な話題」、時事的な(タイムリーな)話題を「短期的な話題」と記載する。話題性判定部42−1は、話題性指標取得部421−1と、判定部422−1とを備える。
話題性指標取得部421−1は、話題性があるか否かを判定するための指標として、SNSのサイトに書き込まれたテキストに重要語が出現する頻度を、外部データ提供装置3−1から取得する。
判定部422−1は、話題性指標取得部421−1が取得した重要語の頻度が長期的な話題であることを示す条件を満たす場合に、その重要語が得られた番組は、長期的な話題に関すると判定する。また、判定部422−1は、話題性指標取得部421−1が取得した重要語の頻度が、短期間の増加を示す条件を満たす場合に、その重要語が得られた番組は、短期的な話題に関すると判定する。判定部422−2は、番組が長期的な話題に関するか否か、及び、短期的な話題に関するか否かの判定結果を示す情報を番組表生成部43に出力する。
【0028】
話題性判定部42−2は、番組が、多くの人が疑問や関心を持っている話題についての話題性があるか否かを判定する。以下では、多くの人が疑問や関心を持っている話題を、「疑問を持たれている話題」と記載する。話題性判定部42−2は、話題性指標取得部421−2と、判定部422−2とを備える。
話題性指標取得部421−2は、話題性があるか否かを判定するための指標として、所定の期間内においてQAサイトに書き込まれたテキストに重要語が出現する頻度を、外部データ提供装置3−2から取得する。
判定部422−2は、話題性指標取得部421−2が取得した頻度が閾値以上である場合に、その重要語が得られた番組は、多くの人に疑問を持たれている話題に関すると判定する。判定部422−2は、番組が、疑問を持たれている話題に関する否かの判定結果を番組表生成部43に出力する。
【0029】
話題性判定部42−3は、番組が、視聴者の位置との関連が高い話題についての話題性があるか否かを判定する。以下では、視聴者の位置との関連が高い話題を、「地域の話題」と記載する。話題性判定部42−3は、話題性指標取得部421−3と、判定部422−3とを備える。
話題性指標取得部421−3は、重要語取得部41が取得した重要語の中から地名やランドマークなどの地域や場所を表す重要語を選択する。話題性指標取得部421−3は、選択した重要語を外部データ提供装置3−3に出力して位置を問い合わせ、各重要語に対応した地理的な位置を示す位置情報を取得する。話題性指標取得部421−3は、話題性があるか否かを判定するための指標として、表示装置5から受信した位置情報が示す視聴者の地理的な位置と、外部データ提供装置3−3から受信した位置情報が示す地理的な位置との距離を算出する。なお、視聴者の位置情報が地名を示す場合、話題性指標取得部421−3は、外部データ提供装置3−3に問い合わせ、地理的な位置の情報を取得する。
判定部422−3は、話題性指標取得部421−3が算出した距離が閾値以下である場合に、その重要語が得られた番組は視聴者の地域の話題に関すると判定する。判定部422−3は、番組が地域に話題に関するか否かの判定結果を番組表生成部43に出力する。
【0030】
番組表生成部43は、番組情報取得部431と、話題性判定結果取得部432と、表示データ生成部433とを備える。
番組情報取得部431は、番組情報提供装置2から提供された番組情報を取得する。
話題性判定結果取得部432は、話題性判定部42−1〜42−3のそれぞれから、各番組に各種の話題性があるか否かの判定結果を受信する。
表示データ生成部433は、番組情報取得部431が取得した番組情報から番組表の表示データを生成する。表示データ生成部433は、番組表に、話題性判定部42−1〜42−3によりいずれかの種類の話題性があると判定された番組の情報を、話題性の種類に応じた態様により表示させる。例えば、表示データ生成部433は、番組情報の表示にアイコンを付加する、番組情報の表示領域を大きくする、番組情報の背景色を変える、番組情報の表示色を変えるなどして、話題性があることを表す。背景色や表示色を変えるとは、色相、明度、彩度のうち一以上を変化させることを示す。
【0031】
なお、番組情報配信装置4は、1台以上のコンピュータ装置により実現することができる。番組情報配信装置4が複数台のコンピュータ装置により実現される場合、いずれのコンピュータ装置によりいずれの機能部を実現するかは任意とすることができる。また、同じ機能部を複数のコンピュータ装置により実現してもよい。
【0032】
図3は、表示装置5の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。表示装置5は、視聴者が保有するテレビジョン受信機、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などである。表示装置5は、通信部51と、位置情報通知部52と、放送受信部53と、表示制御部54と、表示部55とを備える。
通信部51は、通信によりデータを送受信する。位置情報通知部52は、位置情報を通知する。位置情報は、表示装置5が備える図示しないGPS(Global Positioning System)から取得してもよく、視聴者が表示装置5に入力した地名の情報であってもよい。放送受信部53は、放送波を受信する。表示制御部54は、通信部51が受信した番組表データや番組コンテンツデータなどの各種データや、放送受信部53が受信した放送波から分離された番組表データや番組コンテンツデータなどの各種データを表示部55に表示する。表示部55は、ディスプレイであり、画像を表示する。
【0033】
なお、表示装置5がテレビジョン受信機である場合、通信部51や位置情報通知部52を備えなくてもよい。また、表示装置5がパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などである場合、位置情報通知部52や放送受信部53を備えなくてもよい。
【0034】
また、表示装置5が、番組情報配信装置4の一部又は全ての機能部を実現してもよい。
例えば、表示装置5が位置情報通知部52を備えていない場合や、通信部51を備えていない場合、表示装置5が話題性判定部42−3を備えてもよい。この場合、表示装置5は、番組表生成部43の一部の機能をさらに有し、話題性判定部42−3により地域の話題に関する話題性があると判定された番組については、番組情報配信装置4から受信した番組表データにおける番組情報の表示の態様を変更する。特に、表示装置5が通信部51を備えていない場合は、地名を位置情報に変換するためのデータベースを表示装置5に備えておく。
【0035】
図4は、番組情報配信システム1の動作を示す図である。
同図では、放送局などのコンテンツプロバイダーは、番組情報提供装置2から番組情報配信装置4に各番組の番組情報P1、P2、…を配信する(ステップS1)。番組情報配信装置4の重要語取得部41及び番組表生成部43は、番組情報提供装置2が送信した番組情報P1、P2、…を受信する。番組情報P1は、番組Bのタイトル、サブタイトル、基本情報、番組概要、テーマキーワードなどの情報を含む。基本情報は、放送時間などの基本的な編成情報や、番組が属するジャンルなどを示す。テーマキーワードは、番組テーマに関連する単語群である。テーマキーワードは、番組制作者により付与される。
【0036】
番組情報配信装置4の重要語取得部41は、受信した各番組情報P1、P2、…それぞれから、番組のテーマを表すテーマキーワードを重要語として抽出する。重要語取得部41は、番組情報にテーマキーワードが含まれている場合、そのテーマキーワードを重要語として取得する。番組情報にテーマキーワードが含まれていない場合、重要語取得部41は、番組概要のテキストを解析してテーマキーワードに該当する言葉を抽出し、重要語とする。具体的には、重要語取得部41は、番組概要文を形態素解析するなどして単語に分割し、番組概要文に単語が出現する頻度が所定よりも高い単語をテーマキーワードとして取得する。例えば、重要語取得部41は、出現頻度が高い順に所定数の単語をテーマキーワードしてもよく、出現の頻度が所定回数以上の単語をテーマキーワードとしてもよい。また、重要語取得部41は、番組概要文に含まれる各単語について、TF−IDFのような単語の重要度を表す指標を求め、この指標に基づいてテーマキーワードを抽出してもよい。例えば、重要語取得部41は、TF−IDFが高い順に所定数の単語をテーマキーワードとしてもよく、TF−IDFが閾値以上の単語をテーマキーワードとしてもよい。また、重要語取得部41は、番組のタイトルを重要語に含めてもよく、番組情報に出演者や制作者などの情報が含まれていれば、その情報を重要語に含めてもよい。
【0037】
なお、重要語取得部41は、番組情報に予め付加されたテーマキーワードについてTF−IDFのような単語の重要度を表す指標を求め、この指標に基づいてテーマキーワードの中から重要語を抽出してもよい。例えば、「フランスのテロ」がテーマの番組の場合、テーマキーワードに「フランス」、「テロ」を設定した場合、これらは多くの概念と結びつく単語であるため、高い頻度が得られるものの、その頻度は必ずしも「フランスのテロ」に話題性があるかの指標にはならない可能性がある。そこで、例えば、様々な国で発生しているテロがSNS等で話題になっているときに、番組が扱うより詳細なテーマの話題性を表示したい際には、テーマキーワードとしてより限定的な「フランスのテロ」を設定することも可能である。また、多くの概念と結びつく単語については重要語として選択されないように、テーマキーワードの中でも重要度が高い言葉を重要語とすることもできる。
重要語取得部41は、番組毎に取得した重要語群を話題性判定部42−1〜42−3に出力する(ステップS2)。
【0038】
話題性判定部42−1〜42−3は、重要語取得部41から番組毎の重要語群を受信する。話題性判定部42−1〜42−3は、番組毎に重要語群のそれぞれについて取得した外部のデータを利用して、話題性の有無を判断する。
【0039】
話題性判定部42−1の話題性指標取得部421−1は、番組毎に、その番組について得られた重要語それぞれの所定期間におけるSNS上の時系列の出現頻度の情報を外部データ提供装置3−1から取得する(ステップS3)。これにより、例えば、話題性判定部42−1は、「東京五輪」という重要語が、SNS上でどの程度出現するかの頻度を得ることができる。頻度が高いほど、SNS上で言及されることが多いことを表しており、この頻度はある種の「話題性」を示す指標と考えられる。
【0040】
判定部422−1は、ある番組について得られた重要語群のうち、現在から数年、1年、半年、数か月などの長期間遡った時点までにおける出現の頻度(第一の頻度)が所定よりも高い重要語が1以上ある場合、その番組は長期的な話題に関すると判定する。また、判定部422−1は、ある番組について得られた重要語群のうち、現在から1か月、2週間、1週間、数日、数時間など遡った時点までの短期間における頻度(第二の頻度)が所定以上増加した重要語が1以上ある場合、その番組は短期的な話題に関すると判定する。判定部422−1は、各番組の判定結果の情報を番組表生成部43に出力する(ステップS4)。判定結果は、番組が、長期的な話題に関するか否か、長期的な話題に関すると判定されたときに用いられた重要語及びその重要語の長期間における頻度、短期的な話題に関するか否か、短期的な話題に関すると判定されたときに用いられた重要語及びその重要語の短期間における頻度の情報を含む。
【0041】
話題性判定部42−2の話題性指標取得部421−2は、番組毎に、その番組について得られた重要語それぞれの所定期間におけるQAサイト上の出現の頻度(第三の頻度)の情報を外部データ提供装置3−2から取得する(ステップS5)。例えば、話題性指標取得部421−2は、ある番組について得られた重要語「東京五輪」が、QAサイト上で出現する頻度を得る。このとき、外部データ提供装置3−2からは、質問に「東京五輪」という単語が出現する頻度が得るが、質問における頻度と回答における頻度との合計を得てもよい。この頻度が高いほど、「東京五輪」という単語に関する質問が多いことを示しており、頻度は、視聴者の疑問や関心を持つ度合いなどを表す指標と考えられる。
【0042】
判定部422−2は、ある番組について得られた重要語群のうち、QAサイトへの出現の頻度が所定よりも高い重要語が1以上ある場合、その番組は多くの人に疑問や関心を持たれている話題に関すると判定する。判定部422−2は、各番組の判定結果の情報を番組表生成部43に出力する(ステップS6)。判定結果は、多くの人に疑問を持たれている話題に関するか否か、多くの人に疑問を持たれている話題と判定されたときに用いられた重要語の情報を含む。
【0043】
また、話題性判定部42−3の話題性指標取得部421−3は、番組毎に、その番組について得られた重要語群から地名を表す重要語を選択する。例えば、話題性指標取得部421−3を形態素解析し、形態素解析の結果得られた各単語の品詞から地名を表す重要語を選択する。話題性指標取得部421−3は、選択した重要語が表す地名の地理的な位置を示す位置情報を外部データ提供装置3−3から取得する(ステップS7)。
【0044】
例えば、話題性指標取得部421−3は、ある番組について得られた重要語「代々木」が表す地名の緯度経度を表す位置情報を、外部データ提供装置3−3から取得する。
【0045】
なお、話題性指標取得部421−3は、地名を表す単語のデータベースを予め記憶しておき、そのデータベースを参照して、重要語が地名を表す単語か否かを判定してもよい。また、話題性指標取得部421−3は、地名を表す単語とその地名の場所の位置情報とを対応付けたデータベースを予め記憶しておき、そのデータベースを参照して、重要語が地名を表す単語である場合にその単語に対応した位置情報を取得してもよい。
【0046】
また、話題性指標取得部421−3は、表示装置5の位置情報通知部52が送信した位置情報を受信する。話題性指標取得部421−3は、表示装置5から受信した位置情報が示す視聴者の地理的な位置と、重要語が示す地名に対応して取得した位置情報が示す地理的な位置との距離を算出する。この距離が近いほど、視聴者が今いる位置に関連する度合いが高く、地域の話題についての話題性が高いことを表していると考えることができる。つまり、この距離は、地域の話題に関連する度合いを表す指標と考えられる。
【0047】
判定部422−3は、ある番組について得られた地名を表す重要語それぞれについて算出された距離のうち、所定の閾値よりも短いものが1以上ある場合、その番組は地域の話題に関すると判定する。判定部422−3は、各番組の判定結果の情報を番組表生成部43に出力する(ステップS8)。判定結果は、地域の話題に関するか否か、地域の話題に関すると判定された距離が得られた重要語の情報を含む。
【0048】
番組表生成部43の表示データ生成部433は、番組情報取得部431が取得した番組情報と、話題性判定結果取得部432が取得した話題性判定部42−1〜42−3における各番組の話題性の判定結果の情報を利用して、番組表データを生成する。表示データ生成部433は、従来と同様に、番組情報から、チャンネルごとに放送時間帯に応じて各番組のタイトルやサブタイトルなどを含む番組情報を表示するEPGなどの番組表データを生成する。表示データ生成部433は、話題性判定部42−1〜42−3から受信した判定結果に話題性があることが示される番組の番組情報については、話題性の種類に応じた態様の表示となるよう番組表データを加工する。表示データ生成部433は、生成した番組表データを表示装置5に通信又は放送波で送信する(ステップS9)。表示装置5の表示制御部54は、通信部51が受信した番組表データ、あるいは、放送受信部53が受信した放送波から分離した番組表データを表示部55に表示する。
【0049】
図5は、話題性を可視化した番組表データの表示例を示す図である。同図では、あるチャンネルのある時間帯の番組の一覧の表示を示している。
話題性判定部42−1は、長期間に渡り、SNSなどで言及されてきた言葉を重要語とする番組を、長期的な話題についての話題性があると判断する。表示データ生成部433は、話題性判定部42−1から受信した判定結果を参照して、長期的な話題についての話題性があると判断された番組を特定し、その番組の番組情報の表示エリアに、「話題」というアイコン81を表示させる。アイコン81により、その番組のテーマが、人々が長期に渡り関心を持ってきたものであることを表せる。表示データ生成部433は、さらに、その番組に長期的な話題についての話題性があると判定されたときに用いられた重要語を、話題性判定部42−1から受信した判定結果から取得して表示させてもよい。
【0050】
また、話題性判定部42−1は、SNSを対象としたデータを利用して、短い期間に、一時的にSNSへの出現の頻度(ツイート数など)が増大した言葉を重要語とする番組を、短期的な話題についての話題性があると判断する。表示データ生成部433は、話題性判定部42−1から受信した判定結果を参照して、短期的な話題についての話題性があると判断された番組を特定し、その番組の番組情報の表示エリアに、「タイムリー」というアイコン82を表示させる。アイコン82により、その番組のテーマが、今まさに話題になっている、時事的な話題に関することを表わせる。表示データ生成部433は、さらに、その番組に短期的な話題についての話題性があると判定されたときに用いられた重要語を、話題性判定部42−1から受信した判定結果から取得して表示させてもよい。
【0051】
また、話題性判定部42−2は、QAサイトを対象としたデータを利用して、QAサイトの質問文に多く出現している言葉を重要語とする番組を、多くの人に疑問が持たれている話題についての話題性があると判断する。表示データ生成部433は、話題性判定部42−2から受信した判定結果を参照して、疑問が持たれている番組を特定し、その番組の番組情報の表示エリアに、「疑問」というアイコン83を表示させる。アイコン83によって、多くの人が疑問や関心を持っているテーマを扱っている番組であることを表わせる。表示データ生成部433は、さらに、その番組に多くの人に疑問が持たれている話題についての話題性があると判定されたときに用いられた重要語を、話題性判定部42−2から受信した判定結果から取得して表示させてもよい。
【0052】
また、話題性判定部42−3は、地理情報データを利用して、視聴者の位置と距離が近い地域や場所を表す言葉を重要語とする番組を、地域の話題と関連性が高いテーマの番組と判断する。表示データ生成部433は、話題性判定部42−3から受信した判定結果を参照して、地域の話題に関連する番組を特定し、その番組の番組情報の表示エリアに、「地域」というアイコン84を表示させる。アイコン84によって、視聴者が今いる位置と関連性が高いテーマを扱っている番組であることを表すことができる。
【0053】
なお、表示データ生成部433は、重要語を表示する場合、頻度が高い順にm個(mは1以上の整数)の重要語を表示してもよく、全ての重要語を表示してもよい。
なお、1つの番組に複数の種類の話題性がある場合、表示データ生成部433は、それら全ての話題性を表すアイコンを表示してもよく、予め決められた話題性の種類毎の優先度に応じて話題性を表すアイコンを所定数まで表示してもよい。
【0054】
このように、本実施形態の番組情報配信装置4によれば、番組表において放送時間やタイトルといった番組の基本情報を表示するだけではなく、それらの番組がどのような話題性をもっているかの一覧も表示装置5に表示することが可能となる。なお、番組表における話題性の可視化の方法としては、様々なものが考えられる。
【0055】
図6は、話題性を可視化した番組表データの他の表示例を示す図である。同図では、
図5と同様にアイコンを表示させるとともに、話題性の高さに応じて、その番組情報を表示するエリアの大きさを変えている。表示エリアの大きさを変更する対象の話題性の種類は、長期的な話題、短期的な話題、疑問が持たれている話題のうち1以上である。同図では、短期的な話題に関する話題性が高い番組の表示エリアを大きくしている。表示データ生成部433は、判定結果を参照し、ある種類の話題性があると判定されたときに用いられた重要語の頻度が所定の閾値よりも大きい番組については、他の番組よりも番組情報の表示エリアを大きくする。なお、表示データ生成部433は、話題性の種類に応じた閾値を用いる。また、頻度が高いほど表示エリアが大きくなるように、表示の大きさに応じた閾値を複数設けてもよい。このように表示エリアの大きさを変えることによって、視聴者は話題性の高さを容易に把握することが可能となる。
【0056】
図7は、話題性を可視化した番組表データの他の表示例を示す図である。同図では、2種類の話題性をそれぞれ、「番組情報を表示するエリアの大きさ」および「番組情報を表示するエリアの色の彩度」で表している。例えば、表示データ生成部433は、短期的な話題に関する番組については「タイムリー」を表わすアイコンを表示させ、番組情報の表示エリアを大きくする。また、表示データ生成部433は、長期的な話題に関する番組については、「話題」を表すアイコンを表示させ、番組情報の表示エリアの色の彩度を高くする。
【0057】
図8は、話題性を可視化した番組表データの他の表示例を示す図である。同図では、各番組について、長期的な話題、短期的な話題、疑問が持たれている話題のそれぞれの種類の話題性の大きさを表す評価値を、グラフで表示する。この場合、判定部422−1は、判定結果の情報に、長期的な話題に関すると判定されなかった番組や、短期的な話題に関すると判定されなかった番組についても、その番組の重要語群から得られた頻度のうち最も大きな頻度の情報を設定する。同様に、判定部422−2は、判定結果の情報に、疑問を持たれている話題に関すると判定されなかった番組についても、その番組の重要語群から得られた頻度のうち最も大きな頻度の情報を設定する。
【0058】
表示データ生成部433は、番組毎に、各種類の話題性の評価値を、評価結果に設定されている頻度の値に、所定の係数を乗算して算出する。つまり、表示データ生成部433は、ある番組の長期的な話題に関する話題性の評価値を、長期的な話題に関するか否かの判定のためにその番組の重要語群について得られた頻度のうち最も高い頻度に所定の係数αを乗算して算出する。また、表示データ生成部433は、ある番組の短期的な話題に関する話題性の評価値を、短期的な話題に関するか否かの判定のためにその番組の重要語群について得られた頻度のうち最も高い頻度に所定の係数β(α<β)を乗算して算出する。また、表示データ生成部433は、ある番組の疑問が持たれている話題に関する話題性の評価値を、疑問が持たれている話題に関するか否かの判定のためにその番組の重要語群について得られた頻度のうち最も高い頻度に所定の係数γを乗算して算出する。
【0059】
あるいは、表示データ生成部433は、各種類の話題性の評価値を、評価結果に設定されている頻度の値と複数段階の閾値との比較によって評価値を決定してもよい。閾値は、話題の種類に応じた値とする。視聴者は、各番組について表示された棒グラフなどを見ることで、その番組の様々な種類の話題性についての評価値(指標)を一覧することができ、他の番組との比較なども容易に行うことができる。
【0060】
本実施形態のでは、このように、外部のさまざまなデータを利用して、各番組の話題性等を算出し、話題性の有無や、いずれの種類の話題性があるかを、番組表に可視化して表示することができる。外部のデータを利用する際は、企業などが提供しているAPIなどを利用する処理でもよいし、オープンデータとして公開されているデータを検索する、という処理でもよい。また、利用したい外部のデータに応じて、番組情報配信装置4に話題性判定部を追加していくことも可能である。
【0061】
続いて、番組情報配信システム1の適用例を説明する。
図9は、本実施形態の番組情報配信システム1をインターネットの番組表サービスに適用した例を示す図である。番組表サービスを実施する企業などが有する番組情報配信装置4は、放送局などのコンテンツプロバイダーの番組情報提供装置2から番組情報の提供を受け、重要語抽出、話題性判定、番組表生成などの処理を行う。視聴者は、タブレット端末やスマートフォン、PCなどのインターネットデバイスである表示装置5を利用して番組表サービスにアクセスし、番組情報配信装置4から番組表データを取得する。その際に、番組情報配信装置4は、表示装置5の位置情報などを利用して地域の話題に関する話題性の判定を行い、番組情報とともに表示することも可能となる。
【0062】
図10は、本実施形態の番組情報配信システム1をコンテンツプロバイダーが実施する番組表サービスに適用した例を示す図である。放送局などのコンテンツプロバイダーは、データ放送などで番組表データを送信する。その際に、放送局が保有する番組情報配信装置4において、番組情報からの重要語抽出、話題性判定、番組表生成などの処理を行い、生成した番組表データを放送波によりテレビジョン受信機である表示装置5に送信する。視聴者が、テレビジョン受信機で番組表表示の操作を行うと、テレビジョン受信機は、話題性の情報が付与された番組表データをテレビ画面上に表示する。なお、番組情報配信装置4は、通信によりテレビジョン受信機に番組表データを配信してもよい。
【0063】
テレビジョン受信機が通信部51や位置情報通知部52を備えていない場合、表示装置5は、話題性判定部42−3と、番組表生成部43の一部の機能とを有する。話題性判定部42−3は、地名を表す単語と位置情報とを対応付けたデータベースを予め記憶する。また、テレビジョン受信機には、予め視聴者の位置の情報が入力される。話題性判定部42−3は、放送波に設定されている番組表データから番組情報を取得し、データベースを参照して、各番組が視聴者の地域の話題に関するか否かを判断する。番組表生成部43は、話題性判定部42−3による地域の話題に関する話題性の有無の判定結果に基づいて、地域の話題に関する番組の番組表データにおける番組情報の表示の態様を変更する。
【0064】
本実施形態による番組表提示技術は、コンテンツプロバイダーが提供する番組コンテンツに付与する情報として、あるいはインターネットサービスとして利用できるものである。従来は単純に番組情報を知るために用いられてきた番組表サービスに新たな価値を提供するものであり、新しいコンテンツ情報の提示手段として期待できる。
【0065】
上記では、表示データ生成部433は、EPGなどの番組表において、話題性のある番組については番組情報の表示の態様を変えて表示させるデータを生成しているが、例えば、話題性の種類毎に、話題性のある番組の番組情報の一覧を表示させるデータを生成し、表示装置5に配信してもよい。
【0066】
また、上記では、番組情報配信装置4は、各番組に、長期的な話題、短期的な話題、疑問が持たれている話題、地域の話題のそれぞれの種類の話題性があるか否かを判定していたが、一部の種類の話題性のみを判定して、話題性の可視化に用いてもよい。
【0067】
上述した実施形態によれば、番組情報配信装置4は、番組の特徴を表す重要語を取得する。番組情報配信装置4は、ネットワーク上のSNSやQAサイトにおいて重要語が出現する頻度を取得する第一の取得処理、又は、重要語が表す地域と視聴者の位置との距離を取得する第二の取得処理の少なくとも一方を行う。番組情報配信装置4は、第一の取得処理において取得された頻度に基づいて番組の話題性の有無を判定する第一の判定処理、又は、第二の取得処理において取得された距離に基づいて番組の話題性の有無を判定する第二の判定処理の少なくとも一方を行う。番組情報配信装置4は、番組に話題性があると判定した場合に、その番組に関する情報を、話題性があることを表す態様により表示させるデータを生成し、視聴者の表示装置5に配信する。例えば、番組情報配信装置4は、アイコンなどの画像を付加したり、背景色を変更したり、文字色を変更したりする。
【0068】
番組情報配信装置4は、第一の取得処理において、所定の長期の期間内にSNSのサイトに書き込まれたテキストに重要語が出現する第一の頻度を取得する。番組情報配信装置4は、第一の頻度が所定以上である場合に、番組に長期的な話題に関する話題性があると判定し、その番組に関する情報を、長期的な話題に関することを表す態様により表示させるデータを生成する。
【0069】
また、番組情報配信装置4は、第一の取得処理において、所定の期間内にSNSのサイトに書き込まれたテキストに重要語が出現する時系列の第二の頻度を取得する。番組情報配信装置4は、時系列の第二の頻度が短期間の増加を示す条件を満たすと判断した場合に、番組に短期的な話題に関する話題性があると判定し、その番組に関する情報を、短期的な話題に関することを表す態様により表示させるデータを生成する。
【0070】
また、番組情報配信装置4は、第一の取得処理において、QAサイトに重要語が出現する第三の頻度を取得する。番組情報配信装置4は、第三の頻度が閾値以上である場合に、番組は多くの人に疑問を持たれている話題に関する話題性があると判定し、その番組に関する情報を、多くの人に疑問が持たれている話題に関することを表す態様により表示させるデータを生成する。
【0071】
また、番組情報配信装置4は、第二の判定処理において、距離が所定以内である場合に、番組が視聴者の地域の話題に関すると判定し、その番組に関する情報を、視聴者の地域の話題に関することを表す態様により表示させるデータを生成する。
【0072】
上述した実施形態によれば、番組の視聴を検討している視聴者に対して話題性が高い番組の情報を配信することができる。
【0073】
なお、上述の番組情報提供装置2、外部データ提供装置3−1〜3−n、番組情報配信装置4及び表示装置5は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、番組情報提供装置2、外部データ提供装置3−1〜3−n、番組情報配信装置4及び表示装置5の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0074】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。