(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
図1は、冷却システム1の概略的な構成を説明する図である。
図1に示すように、冷却システム1は、冷却装置10、気象情報装置12および通信ネットワーク14を備える。
【0017】
冷却装置10は、発熱機器、物品、空気等の冷却対象を冷却する。冷却装置10は、例えば、ビルの屋上に設置される。冷却装置10は、通信ネットワーク14を介して気象情報装置12と接続される。
【0018】
気象情報装置12は、予め設定された複数の計測地点での現在の気温、湿度、湿球温度等の気象情報を取得する。また、気象情報装置12は、複数の計測地点での将来(例えば、30分間隔ごと)の気象情報の予測値を導出する。そして、気象情報装置12は、現在の気象情報、および、将来の気象情報の予測値を含む気象予測情報を、通信ネットワーク14を介して冷却装置10に送信する。
【0019】
通信ネットワーク14は、携帯電話網、インターネット網、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、冷却装置10と気象情報装置12との無線もしくは有線による通信接続を実現する。
【0020】
図2は、冷却装置10の構成を説明する図である。
図2に示すように、冷却装置10は、第1冷却装置20、第2冷却装置22、負荷側循環路24、負荷側ポンプ26、負荷バルブ28、負荷熱交換器30、引込路32、引込ポンプ34、温度計36a、36b、36cを備える。
【0021】
第1冷却装置20は、冷凍機40、第1冷却塔42、冷凍機側循環路44、冷凍機側ポンプ46を備える。第1冷却装置20では、冷凍機40と第1冷却塔42とが冷凍機側循環路44を介して接続されており、冷却水W1が冷凍機側循環路44を介して冷凍機40と第1冷却塔42との間で循環する。
【0022】
冷凍機側循環路44は、冷凍機40から第1冷却塔42に向かって冷却水W1が排出される冷凍機側排出路44aと、第1冷却塔42から冷凍機40に向かって冷却水W1が供給される冷凍機側供給路44bとを備える。
【0023】
冷凍機40は、第1冷却塔42から冷却水W1を受け取り、ヒートポンプの原理により、負荷側循環路24を循環する冷水(冷却媒体)W2を冷却し、目標温度の冷水W2を生成する。冷凍機40は、例えば、ターボ冷凍機や吸収式冷凍機等である。冷凍機40は、冷水W2を冷却する際に発生する熱を冷却水W1により冷却する。
【0024】
第1冷却塔42は、筐体50、ノズル群52、ファン54、貯水槽56、モータ58を備える。ノズル群52、ファン54、貯水槽56、モータ58は、筐体50内に収容されている。
【0025】
ノズル群52は、冷凍機側排出路44aに接続され、筐体50内に冷却水W1を散布する。
【0026】
ファン54は、筐体50内におけるノズル群52よりも上方に設けられ、モータ58によって回転駆動される。ファン54は、回転駆動することにより、ノズル群52から散布された冷却水W1を外空気に晒して、冷却水W1を冷却する。そして、ノズル群52から散布され、ファン54によって外空気に晒されて冷却された冷却水W1は、筐体50の下部に設けられた貯水槽56内に貯留される。
【0027】
貯水槽56には、冷凍機側供給路44bが接続される。冷凍機側供給路44bの途中には、冷凍機側ポンプ46が設けられる。貯水槽56内に貯留された冷却水W1は、冷凍機側ポンプ46によって、冷凍機40内に供給される。
【0028】
冷却装置10では、第1冷却装置20の冷凍機40と、負荷熱交換器30とが負荷側循環路24を介して接続されている。冷水W2は、負荷側循環路24を介して冷凍機40と負荷熱交換器30との間で循環する。
【0029】
負荷側循環路24は、冷凍機40から負荷熱交換器30に向かって冷水W2が供給される負荷側供給路24aと、負荷熱交換器30から冷凍機40に向かって冷水W2が排出される負荷側排出路24bとを備える。
【0030】
負荷熱交換器30は、発熱機器や物品を冷却するための熱交換器、または、空気を冷却するための冷房等であり、1つまたは複数設けられる。負荷熱交換器30は、負荷バルブ28を介して負荷側供給路24aに接続されているとともに、負荷側排出路24bに接続されている。負荷側排出路24bの途中には、負荷側ポンプ26が設けられ、負荷側ポンプ26によって、負荷熱交換器30から冷凍機40に向けて冷水W2が供給される。
【0031】
負荷熱交換器30は、負荷側供給路24aから供給された冷水W2と、発熱機器や物品、または、空気等の冷却対象との間で熱交換を行い、冷却対象を冷却する。冷却対象を冷却することで温められた冷水W2は、負荷側排出路24bを介して冷凍機40に排出される。なお、負荷バルブ28は、負荷熱交換器30ごとに設けられ、負荷熱交換器30に対して冷水W2の供給および停止を切り替える。
【0032】
第2冷却装置22は、熱交換器60、第2冷却塔62、フリークーリング側循環路64、フリークーリング側ポンプ66を備える。
【0033】
第2冷却装置22では、熱交換器60と第2冷却塔62とがフリークーリング側循環路64を介して接続されており、冷却水W3がフリークーリング側循環路64を介して熱交換器60と第2冷却塔62との間で循環する。
【0034】
フリークーリング側循環路64は、熱交換器60から第2冷却塔62に向かって冷却水W3が排出されるフリークーリング側排出路64aと、第2冷却塔62から熱交換器60に向かって冷却水W3が供給されるフリークーリング側供給路64bとを備える。
【0035】
熱交換器60は、フリークーリング側循環路64内を循環する冷却水W3と、引込路32内を流通する冷水W2との間で熱交換を行う。具体的には、熱交換器60は、引込路32内を流通する冷水W2の熱を、フリークーリング側循環路64内を循環する冷却水W3に伝達させる。これにより、熱交換器60は、引込路32内を流通する冷水W2を冷却する。
【0036】
第2冷却塔62は、筐体70、ノズル群72、ファン74、貯水槽76、モータ78を備える。ノズル群72、ファン74、貯水槽76、モータ78は、筐体70内に収容されている。
【0037】
ノズル群72は、フリークーリング側排出路64aに接続され、筐体70内に冷却水W3を散布する。
【0038】
ファン74は、筐体70内におけるノズル群72よりも上方に設けられ、モータ78によって回転駆動される。ファン74は、回転駆動することにより、ノズル群72から散布された冷却水W3を外空気に晒して、冷却水W3を冷却する。そして、ノズル群72から散布され、ファン74によって外空気に晒され冷却された冷却水W3は、筐体70の下部に設けられた貯水槽76内に貯留される。
【0039】
貯水槽76には、フリークーリング側供給路64bが接続される。フリークーリング側供給路64bの途中には、フリークーリング側ポンプ66が設けられる。貯水槽76内に貯留された冷却水W3は、フリークーリング側ポンプ66によって、熱交換器60内に供給される。
【0040】
引込路32は、引込供給路32aおよび引込排出路32bを備える。引込路32は、負荷側排出路24bの途中に接続される。引込供給路32aは、負荷側排出路24bの途中である上流側分岐点24cと熱交換器60とを接続し、負荷側排出路24bを流通する冷水W2の一部または全部を熱交換器60に導く。引込排出路32bは、負荷側排出路24bにおける上流側分岐点24cよりも下流側の下流側分岐点24dと熱交換器60とを接続し、熱交換器60から排出された冷水W2を負荷側排出路24bに戻す。
【0041】
引込供給路32aの途中には、引込ポンプ34が設けられる。引込ポンプ34は、負荷側排出路24bを流通する冷水W2を熱交換器60に引き込む(流通させる)。
【0042】
このように、第2冷却装置22は、冷凍機を用いずにフリークーリングによって熱交換器60が冷水W2を冷却する。
【0043】
温度計36aは、負荷側排出路24bにおける上流側分岐点24cと負荷熱交換器30との間に設けられる。温度計36aは、引込路32に導入される冷水W2の温度を計測する。
【0044】
温度計36bは、負荷側排出路24bにおける下流側分岐点24dと冷凍機40との間に設けられる。温度計36bは、冷凍機40に導入される冷水W2の温度を計測する。
【0045】
温度計36cは、負荷側供給路24aにおける冷凍機40と負荷バルブ28との間に設けられる。温度計36cは、冷凍機40から負荷熱交換器30に供給される冷水W2の温度を計測する。
【0046】
図3は、冷却装置10の電気的な構成を説明する図である。
図3に示すように、冷却装置10は、制御装置80および湿球温度計90を備える。
【0047】
制御装置80は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含むマイクロコンピュータでなる。制御装置80は、本実施形態において、駆動制御部82、取得部84および補正部86として機能する。
【0048】
制御装置80は、通信ネットワーク14を介して気象情報装置12と通信可能である。また、制御装置80は、第1冷却装置20、第2冷却装置22、負荷側ポンプ26、温度計36a、36b、36cおよび湿球温度計90と接続される。
【0049】
より具体的には、制御装置80は、第1冷却装置20の冷凍機40、冷凍機側ポンプ46およびモータ58と接続される。また、制御装置80は、第2冷却装置22のフリークーリング側ポンプ66およびモータ78と接続される。
【0050】
また、冷却装置10は、運転モードとして、第1冷却装置20のみを駆動させる第1モード、第1冷却装置20および第2冷却装置22の双方を駆動させる第2モード、および、第2冷却装置22のみを駆動させる第3モードが設けられている。運転モードは、駆動制御部82によって切り替えられる。
【0051】
図4は、制御装置80の制御処理を示すフローチャートである。制御装置80は、所定間隔ごとに、
図4に示す制御処理を繰り返し実行する。また、
図4に示す制御処理は、第1冷却装置20および第2冷却装置22の少なくとも一方が既に駆動されている状態で実行される。
【0052】
制御処理を開始すると、取得部84は、温度計36a、36b、36cにより計測された冷水W2の温度、湿球温度計90で計測された外気の湿球温度(計測気象情報)を取得する。また、取得部84は、冷却装置10(第1冷却装置20および第2冷却装置22)が設けられた場所に最も近い計測地点の気象予測情報を気象情報装置12から取得する(S1)。
【0053】
駆動制御部82は、温度計36aにより計測された冷水W2の温度、すなわち、引込路32に導かれる冷水W2の温度が第1閾値以下であるか判定する(S2)。第1閾値は、湿球温度計90で計測された湿球温度に所定値が加算された温度である。所定値は、第2冷却塔62の仕様や、第2冷却装置22の熱損失などを考慮して予め設定された正の値である。したがって、第1閾値は、第2冷却装置22で冷水W2を冷却可能な温度を示すことになる。
【0054】
そして、引込路32に導かれる冷水W2の温度が第1閾値以下でない場合(S2のNO)、すなわち、外気温が高く、第2冷却装置22で冷水W2を冷却可能でない場合、駆動制御部82は、運転モードを第1モードに設定する(S3)。
【0055】
運転モードが第1モードに設定された場合、駆動制御部82は、温度計36cで計測される冷水W2の温度が目標温度となるように、負荷側ポンプ26、第1冷却装置20の冷凍機40、冷凍機側ポンプ46およびモータ58を駆動させる。
【0056】
一方、引込路32に導かれる冷水W2の温度が第1閾値以下である場合(S2のYES)、すなわち、外気温が低く、第2冷却装置22で冷水W2を冷却可能である場合、駆動制御部82は、第3モードに設定されているかを判定する(S4)。
【0057】
そして、第3モードに設定されている場合(S4のYES)、補正部86は、湿球温度計90で計測された湿球温度に基づいて、気象情報装置12から取得された気象予測情報を補正して補正気象予測情報を導出する(S5)。
【0058】
ここで、第3モードに設定されている場合、駆動制御部82は、温度計36cで計測される冷水W2の温度が目標温度となるように、負荷側ポンプ26、第2冷却装置22のフリークーリング側ポンプ66およびモータ78を駆動させる。つまり、第3モードでは、フリークーリングによって冷水W2を冷却している。
【0059】
そして、外気温(湿球温度)が上昇すると、フリークーリングのみでは冷水W2を目標温度に維持できなくなる。このような場合、運転モードを第2モードに切り替え、第1冷却装置20を駆動させることになる。
【0060】
ここで、冷凍機40は、始動してから安定的に冷水W2を冷却させる状態になるまでに、例えば30分から1時間の予備運転が必要になる。
【0061】
そこで、駆動制御部82は、気象情報装置12から取得したて気象予測情報に基づいて、第3モードから第2モードに切り替えるタイミングを予測し、予測した時刻よりも前に冷凍機40を始動させる。
【0062】
しかしながら、気象情報装置12から取得した気象予測情報は、実際に冷却装置10が設けられた場所に最も近い計測地点の気象予測情報である。したがって、実際に冷却装置10が設けられた場所と、取得した気象予測情報の計測地点とは一致していない。そのため、取得した気象予測情報は、冷却装置が設けられた場所の将来的な気象情報(湿球温度)と異なることになる。そのため、取得した気象予測情報をそのまま利用すると、冷水W2を目標温度に維持できなくなるおそれがある。一方で、実際に冷却装置10が設けられた場所と、取得した気象予測情報の計測地点とは近いため、将来的な気象情報の変化の傾向は同じまたは近いものとなり、冷水W2を目標温度に維持することが可能となる。
【0063】
そこで、補正部86は、湿球温度計90で計測された湿球温度に基づいて、気象情報装置12から取得された気象情報装置を補正して補正気象予測情報を導出する。
【0064】
図5は、気象予測情報が示す湿球温度、および、補正気象予測情報に基づく湿球温度曲線、および、フリークーリング可能温度曲線を説明する図である。
【0065】
図5に示すように、補正部86は、湿球温度計90で計測された現在の時刻S1の湿球温度T1と、気象予測情報に含まれる現在の時刻S1の湿球温度T2との差分ΔT(湿球温度T2−湿球温度T1)を導出する。
【0066】
そして、補正部86は、気象予測情報に含まれる現在および将来の湿球温度(図中、黒丸で示す)に対して、差分ΔTをそれぞれ減算することにより、補正された湿球温度(図中、白丸で示す)を補正気象予測情報として導出する。
【0067】
続いて、補正部86は、補正気象予測情報に含まれる各時刻での湿球温度を曲線近似した湿球温度曲線C1を導出する。なお、曲線近似は、どのような方法で導出してもよい。また、湿球温度曲線C1の代わりに、補正気象予測情報に含まれる各時刻での湿球温度を直線で結んだ線分を用いるようにしてもよい。
【0068】
その後、補正部86は、導出した湿球温度曲線C1に対して、パラメータ値Pを加算することにより、フリークーリング可能温度曲線C2(
図4では、FC可能温度曲線)を導出する(S5)。ここで、パラメータ値Pは、第2冷却装置22で冷水W2を冷却可能な最大の温度差、第2冷却装置22の熱損失などを考慮して予め設定された正の値である。したがって、フリークーリング可能温度曲線C2は、各時刻において、第2冷却装置22によって生成することができる冷水W2の温度、すなわち、熱交換器60から排出することができる冷水W2の最低温度を示すことになる。
【0069】
駆動制御部82は、フリークーリング可能温度曲線C2における現在(
図5中、時刻S3で示す)から第1時間後(
図5中、時刻S2で示す)の温度(FC可能温度、補正気象予測情報に基づく値)が、第2閾値(温度閾値)以上であるかを判定する(S6)。なお、第1時間は、冷凍機40の予備運転が行われる時間に設定されている。また、第2閾値は、目標温度に設定されている。
【0070】
そして、フリークーリング可能温度曲線C2における第1時間後(時刻S2)の湿球温度が第2閾値以上である場合(S6のYES)、すなわち、第1時間後において第2冷却装置22を最大限駆動しても冷水W2を目標温度に冷却することができない場合、駆動制御部82は、冷凍機40を始動させる(S7)。ここでは、駆動制御部82は、第2冷却装置22のフリークーリング側ポンプ66およびモータ78を最小回転数で駆動させる。
【0071】
その後、駆動制御部82は、冷凍機40を始動させてから第1時間が経過すると(S8のYES)、運転モードを第2モードに切り替える(S9)。
【0072】
第2モードに設定されている場合、駆動制御部82は、温度計36cで計測される冷水W2の温度が目標温度となるように、負荷側ポンプ26、第1冷却装置20の冷凍機40、冷凍機側ポンプ46およびモータ58、第2冷却装置22のフリークーリング側ポンプ66およびモータ78を駆動させる。
【0073】
より具体的には、駆動制御部82は、第2冷却装置22のフリークーリング側ポンプ66およびモータ78を最大限駆動させ、できるだけフリークーリングで冷水W2を冷却させる。そして、駆動制御部82は、温度計36bで計測される温度、すなわち、第2冷却装置22で冷却された後の冷水W2の温度、および、目標温度に基づいて、第1冷却装置20の冷凍機40、冷凍機側ポンプ46およびモータ58を駆動させる。つまり、第1冷却装置20は、第2冷却装置22で冷却しきれなかった分を冷却することになる。
【0074】
また、第3モードに設定されていない場合(S4のNO)、駆動制御部82は、第2モードに設定されているかを判定する(S10)。第2モードに設定されている場合(S10のYES)、補正部86は、上記S5と同様に、補正気象予測情報を導出するとともに、フリークーリング可能温度曲線C2を導出する(S11)。
【0075】
駆動制御部82は、フリークーリング可能温度曲線C2における現在(
図5中、時刻S5で示す)から第2時間後(
図5中、時刻S4で示す)までに亘る温度(FC可能温度)が、継続して第2閾値以下であるかを判定する(S12)。なお、第2時間は、例えば1時間に設定されている。
【0076】
そして、フリークーリング可能温度曲線C2における現在から第2時間後までに亘る温度が第2閾値以下である場合(S12のYES)、駆動制御部82は、運転モードを第3モードに設定する(S13)。ここでは、駆動制御部82は、第1冷却装置20(冷凍機40)の駆動を停止させる。これにより、FC可能温度が第2閾値前後で頻繁に変化したときに冷凍機40の駆動および停止が、頻繁に切り替わってしまうことを抑制することができる。
【0077】
また、第2モードに設定されていない場合(S10のYES)、すなわち、第1モードに設定されている場合、駆動制御部82は、第2モードに設定する。
【0078】
このように、冷却装置10は、湿球温度計90で計測された湿球温度(計測気象情報)に基づいて、気象情報装置12から取得された気象予測情報を補正して補正気象予測情報を導出する。そして、冷却装置10は、補正気象予測情報に基づいて冷凍機40の運転状態(始動、停止)を切り替える。これにより、冷却装置10は、実際に冷却装置10が設けられた場所と、取得した気象予測情報の計測地点とが一致しないことによる、取得した気象予測情報と、冷却装置が設けられた場所の将来的な気象情報との誤差を減らすことができる。これにより、冷却装置10は、冷水W2を目標温度に維持することが可能となる。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0080】
上述した実施形態では、湿球温度計90から計測気象情報として湿球温度を取得し、気象情報装置12から気象予測情報として湿球温度を取得するようにした。しかしながら、取得部84は、温度計で計測された外気の温度、および、湿度計で計測された外気の湿度を計測気象情報として取得し、気象情報装置12から気象予測情報として温度および湿度を取得し、温度および湿度に基づいて湿球温度を導出するようにしてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態における補正気象予測情報を用いた冷凍機40の運転状態の切り替えは一例に過ぎない。冷却装置10は、補正気象予測情報に基づいて冷凍機40の運転状態の切り替えるのであれば、他の方法によって冷凍機40の運転状態を切り替えてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、第2モードに設定されている場合、フリークーリング可能温度曲線C2における現在から第2時間後までに亘る温度(FC可能温度)が、継続して第2閾値以下であるときに、冷凍機40を停止させるようにした。しかしながら、第2モードに設定されている場合、フリークーリング可能温度曲線C2における現在から第2時間後の温度(FC可能温度)が第2閾値以下であるときに、冷凍機40を停止させるようにしてもよい。
【解決手段】冷却装置10は、冷凍機40により冷却媒体を冷却する第1冷却装置20と、フリークーリングにより冷却媒体を冷却する第2冷却装置22と、第1冷却装置および第2冷却装置の駆動を制御する制御装置80と、を備え、制御装置は、第1冷却装置および第2冷却装置が設けられた場所で計測された計測気象情報と、第1冷却装置および第2冷却装置が設けられた場所に最も近い気象予測情報を取得する取得部84と、計測気象情報に基づいて、取得部で取得された気象予測情報を補正して補正気象予測情報を導出する補正部86と、補正気象予測情報に基づいて、冷凍機の運転状態を切り替える駆動制御部82と、を備える。