特許第6761937号(P6761937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761937
(24)【登録日】2020年9月10日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】洗剤入れを備える洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20200917BHJP
【FI】
   D06F39/02 B
   D06F39/02 Z
【請求項の数】1
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-160241(P2017-160241)
(22)【出願日】2017年8月23日
(65)【公開番号】特開2019-37358(P2019-37358A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2019年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】川上 泰広
(72)【発明者】
【氏名】村尾 剛
(72)【発明者】
【氏名】植田 健大
(72)【発明者】
【氏名】手島 賢
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−215296(JP,A)
【文献】 実開平02−098883(JP,U)
【文献】 特開2006−198291(JP,A)
【文献】 特表2017−509464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する筐体と、
前記筐体内に弾性防振支持された水槽と、
前記水槽内に回転可能に配設された有底円筒形状の洗濯槽と、
前記筐体に設けられ水道水の給水を制御する給水弁と、
前記水槽よりも上部に設けられ洗剤を投入する収容部を有する洗剤入れと、を備え、
前記洗剤入れの壁面には、高さ方向の複数位置に前記給水弁と連通する注水口が形成され、前記洗剤入れの底部には排水口が形成される洗濯機であって、
前記洗剤入れの前記収容部内に設けられ液剤を収容するタンクと、
前記洗剤入れの前記収容部内に設けられ粉末洗剤を投入する洗剤ケースと、
前記筐体上部に設けられ前記タンク内の液剤を前記洗濯槽へ自動供給する液剤自動投入装置と、を備え、
前記液剤自動投入装置は、前記給水弁及び前記タンクと連通する切り替え手段と、前記切り替え手段の吐出水路と連通するポンプユニットと、を有し、前記切り替え手段は、前記給水弁から流入する水道水または前記タンクから流入する液剤のいずれかを前記ポンプユニットへ流し、前記ポンプユニットは、前記切り替え手段から流入する水道水または液剤を吸引し、前記水槽へ吐出するよう構成され、
前記給水弁と前記切り替え手段とを連通する水路には迂回水路が下方に分岐形成され、前記迂回水路は、高さ方向の複数位置に形成された前記注水口のうち、下部に形成された前記注水口と連通する洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗剤入れを備える洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、洗剤入れに投入された粉末洗剤が、給水弁から給水された水道水により水槽内へ供給される洗濯機を開示する。
【0003】
この洗濯機は、筐体と、筐体内に弾性防振支持された水槽と、水槽内に回転可能に配設された洗濯槽と、下方に排出口を有し洗剤投入用の収容部を有する洗剤入れと、一端が給水弁と連通し他端が洗剤入れ上部に形成された注水口と連通する注水路と、洗剤入れの排水口と水槽とを連通する給水ホースと、を備える。
【0004】
給水された水道水は、注水路を流れて洗剤入れの注水口から洗剤入れ内に流入し、粉末洗剤を溶かしながら水槽へ流れる洗い流すことができる。これにより、洗剤入れ内の粉末洗剤を水槽内へ供給できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−105833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成の洗濯機では、給水後も洗剤入れに粉末洗剤が残留する虞があった。洗剤入れ内に粉末洗剤が残留すると、残留した粉末洗剤が不要なタイミングで溶け出し、洗い、すすぎなどの基本性能を阻害する可能性があった。また、粉末洗剤等を溶かし切れるよう洗剤入れに勢いよく注水するためには、洗剤入れ自体に高さが必要となり、洗剤ケースが大型化などの課題を有していた。
【0007】
本発明は従来技術の課題を解決するもので、洗剤入れのサイズを抑えつつ、給水後も粉末洗剤が洗剤入れ内に残留、固着することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、外郭を形成する筐体と、前記筐体内に弾性防振支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に配設された有底円筒形状の洗濯槽と、前記筐体に設けられ水道水の給水を制御する給水弁と、前記水槽よりも上部に設
けられ洗剤を投入する収容部を有する洗剤入れと、を備え、前記洗剤入れの壁面には、高さ方向の複数位置に前記給水弁と連通する注水口が形成され、前記洗剤入れの底部には排水口が形成される洗濯機であって、前記洗剤入れの前記収容部内に設けられ液剤を収容するタンクと、前記洗剤入れの前記収容部内に設けられ粉末洗剤を投入する洗剤ケースと、前記筐体上部に設けられ前記タンク内の液剤を前記洗濯槽へ自動供給する液剤自動投入装置と、を備え、前記液剤自動投入装置は、前記給水弁及び前記タンクと連通する切り替え手段と、前記切り替え手段の吐出水路と連通するポンプユニットと、を有し、前記切り替え手段は、前記給水弁から流入する水道水または前記タンクから流入する液剤のいずれかを前記ポンプユニットへ流し、前記ポンプユニットは、前記切り替え手段から流入する水道水または液剤を吸引し、前記水槽へ吐出するよう構成され、前記給水弁と前記切り替え手段とを連通する水路には迂回水路が下方に分岐形成され、前記迂回水路は、高さ方向の複数位置に形成された前記注水口のうち、下部に形成された前記注水口と連通するものである。これにより、高さ方向の複数位置に形成された注水口から洗剤入れの収容部へ水道水を給水することで、洗剤入れ内の洗剤を残留、固着することなく洗い流すことができるとともに、切り替え手段の故障によりタンクの液剤が給水経路を逆流した場合でも、逆流した液剤は迂回水路を流れるため、給水弁にまで逆流することを防止でき、給水弁が故障することを抑制できる
【発明の効果】
【0009】
本発明による洗濯機は、給水後も、粉末洗剤が洗剤入れ内に残留、固着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1における洗濯機の斜視図
図2】本発明の実施の形態1における洗濯機の縦断面図
図3】本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の平面図
図4】本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の右側面図
図5】本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の左側面図
図6】本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の左側断面図
図7】本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の分解斜視図
図8】(a)本発明の実施の形態1における洗濯機の水道水を給水するときの三方弁ユニットの概略図、(b)本発明の実施の形態1における洗濯機の柔軟剤液を供給するときの三方弁ユニットの概略図、(c)本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤液を供給するときの三方弁ユニットの概略図
図9】本発明の実施の形態1における洗濯機のポンプユニットの断面図
図10】本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクの要部断面図
図11】本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の概略構成図
図12】本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクの分解斜視図
図13】本発明の実施の形態1における洗濯機のフロート部が取り付けられた洗剤タンク蓋の下面斜視図
図14】(a)本発明の実施の形態1における洗濯機の残量検知手段を示す概略側断面図、(b)本発明の実施の形態1における洗濯機のフロート部が取り付けられた洗剤タンク蓋の下面の概略図
図15】本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンク内に洗剤液が満たされた状態での残量検知手段を示す概略側断面図
図16】リニアホール素子の検知磁力と出力電圧との関係図
図17】本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤残量検知手段の洗剤投入回数とリニアホール素子の出力電圧の関係図
図18】本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤残量不足判定方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
の発明における洗濯機は、外郭を形成する筐体と、前記筐体内に弾性防振支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に配設された有底円筒形状の洗濯槽と、前記筐体に設けられ水道水の給水を制御する給水弁と、前記水槽よりも上部に設けられ洗剤を投入する収容部を有する洗剤入れと、を備え、前記洗剤入れの壁面には、高さ方向の複数位置に前記給水弁と連通する注水口が形成され、前記洗剤入れの底部には排水口が形成される洗濯機であって、前記洗剤入れの前記収容部内に設けられ液剤を収容するタンクと、前記洗剤入れの前記収容部内に設けられ粉末洗剤を投入する洗剤ケースと、前記筐体上部に設けられ前記タンク内の液剤を前記洗濯槽へ自動供給する液剤自動投入装置と、を備え、前記液剤自動投入装置は、前記給水弁及び前記タンクと連通する切り替え手段と、前記切り替え手段の吐出水路と連通するポンプユニットと、を有し、前記切り替え手段は、前記給水弁から流入する水道水または前記タンクから流入する液剤のいずれかを前記ポンプユニットへ流し、前記ポンプユニットは、前記切り替え手段から流入する水道水または液剤を吸引し、前記水槽へ吐出するよう構成され、前記給水弁と前記切り替え手段とを連通する水路には迂回水路が下方に分岐形成され、前記迂回水路は、高さ方向の複数位置に形成された前記注水口のうち、下部に形成された前記注水口と連通する構成としたものである。
【0014】
これにより、給水時においては、高さ方向の複数位置に形成された注水口から洗剤入れの収容部へ水道水を給水することで、洗剤入れ内の洗剤を残留、固着することなく洗い流すことができる。また、切り替え手段の故障によりタンクの液剤が給水経路を逆流した場合でも、逆流した液剤は迂回水路を流れるため、給水弁にまで逆流することを防止でき、給水弁が故障することを抑制できる。
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
[目次]
1.実施の形態1
1−1.構成
1−1―1.洗濯機の構成
1−1―2.液剤自動投入装置の構成
1−1―3.残量検知手段の構成
1−2.動作、作用
1−2−1.洗濯運転動作
1−2−2.給水方法、及び液剤の供給方法
1−2−3.手動投入した洗剤、柔軟剤の水槽への供給方法
1―2―4.洗剤タンク、又は柔軟剤タンク内の液剤残量検出方法
1−3.効果等
2.他の実施の形態
【0017】
(実施の形態1) 以下、図1〜18を用いて、実施の形態1を説明する。
【0018】
[1−1.構成]
[1−1−1.洗濯機の構成]
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯機の斜視図、図2は、本発明の実施の形態1における洗濯機の縦断面図である。
【0019】
図1及び図2において、洗濯機100の外郭である筐体101の内部には、有底円筒形の水槽105が複数のサスペンション(図示せず)およびダンパー163により弾性的に防振支持されている。水槽105内には、有底円筒形のドラム106(洗濯槽)が回転可能に配設される。ドラム106の内壁面には、バッフル106aが複数個設けられている。ドラム106を低速で回転させることにより、バッフル106aが衣類を引っ掛けて上方に持ち上げ、落下させるといった撹拌動作を与えることができる。ドラム106の周面には、貫通された複数の小孔(図示せず)が形成されている。水槽105の底部には、ドラム106を回転駆動させる槽回転モータ(図示せず)が配設される。
【0020】
筐体101の前面には、衣類を出し入れするため開口された衣類投入取出口103が形成されている。筐体101の前面には、蓋体102が設けられている。蓋体102は、衣類投入取出口103を開閉自在に覆っている。蓋体102を開放することにより、衣類投入取出口103からドラム106内へ衣類を投入できる。
【0021】
筐体101の水槽105よりも上部には、液剤自動投入装置109が設けられている。液剤自動投入装置109の構成については、[1−1−2.液剤自動投入装置の構成]で詳述する。
【0022】
筐体101上部には、開閉可能な蓋体114aが設けられる。蓋体114aを開け、開口114b内に洗剤タンク117(タンク)及び柔軟剤タンク126(タンク)を着脱可能に装着できる。
【0023】
蓋体102上部には、運転を操作する操作部と、運転状態を表示する表示部とを備える操作表示部104が配設される。
【0024】
筐体101には、槽回転モータ等を制御し、洗い、濯ぎ、脱水等の一連の工程を逐次実行するコントローラ(図示せず)が配設される。コントローラは、布量判定部(図示せず)と、液剤投入量算出部(図示せず)を有する。布量判定部は、例えば、槽回転モータを一定回転数で回転させた時のトルク電流値により、10kgまでの洗濯物を10段階程度に分類する機能を提供する。また、布量判定結果に応じて、洗濯で使用する水量を決定する。液剤投入量算出部は、布量判定部により検出した布量から、洗剤投入量及び柔軟座投入量を算出する。
【0025】
洗濯機100には、記憶部(図示せず)が設けられている。記憶部は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)からなる。記憶部には、洗剤種類に関する情報を記憶する洗剤種類記憶部(図示せず)を含む、洗濯運転に関する各種設定情報が記憶される。
【0026】
[1−1−2.液剤自動投入装置109の構成]
図3は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の平面図、図4は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の右側面図、図5は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の左側面図、図6は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の左側断面図、図7は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の分解斜視図、図8(a)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の水道水を給水するときの三方弁ユニットの概略図、図8(b)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の柔軟剤液を供給するときの三方弁ユニットの概略図、図8(c)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤液を供給するときの三方弁ユニットの概略図である、図9は、本発明の実施の形態1における洗濯機のポンプユニットの断面図、図10は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクの要部断面図、図11は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の概略構成図である。
【0027】
液剤自動投入装置109は、筐体101の水槽105よりも上部に設けられている。液剤自動投入装置109は、給水器110と、ポンプユニット111と、三方弁ユニット113と、洗剤タンク117及び柔軟剤タンク126が装着されるタンク収容ケース114から構成される。
【0028】
(給水器110)
給水器110は、筐体101上部に設けられ、給水路110cと、第1の給水弁110a(給水弁)と、第2の給水弁110bから構成される。
【0029】
給水路110cの一端は、給水ホース(図示せず)を介して蛇口と連通している。第1の給水弁110aと第2の給水弁110bの開閉を制御することで、水道水が流れる水路を制御できる。水道水の水路については、(水路の構成)で説明する。
【0030】
(三方弁ユニット113)
三方弁ユニット113は、タンク収容ケース114に装着された洗剤タンク117の液剤と柔軟剤タンク126の液剤を選択的にピストンポンプユニット112へ吐出するユニットである。
【0031】
図7に示すように、三方弁ユニット113は、洗剤側三方弁113aと、柔軟剤側三方弁113bと、洗剤側三方弁113aを駆動する洗剤側コイル113dと、柔軟剤側三方弁113bを駆動する柔軟剤側コイル113iから構成される。
【0032】
図11に示すように、洗剤液や柔軟剤液をポンプユニット111へ流すための水路124が設けられている。水路124は、三方弁ユニット113により水の流れを制御される。水路124の前方では、洗剤側筒部111b及び柔軟剤側筒部111fと連通している。また、水路124は、第2の水路182(水路)や、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hとも連通している。
【0033】
洗剤側三方弁113aは、図11に示すように、第2の水路182を流れる水道水の流れと、洗剤タンク117から流れる洗剤液の流れを選択的に切り替え、いずれか一方を柔軟剤側三方弁113bへ供給するよう構成されている。
【0034】
図8を用いて、洗剤側三方弁113aについて説明する。洗剤側三方弁113aは、洗剤側シリンダ113lと、洗剤側シリンダ113l内に設けられ前後に往復運動する洗剤側プランジャ113eと、洗剤側プランジャ113eの前方端部に設けられる洗剤側弁体113fと、一端が洗剤側シリンダ113lの後壁に位置し他端が洗剤側プランジャ113eの後方端部に位置する洗剤側バネ113cと、から構成される。洗剤側シリンダ113lは、前方端部に開口部aが形成される。洗剤側シリンダ113lの周囲には、洗剤側プランジャ113eを覆うように洗剤側コイル113dが設けられている。
【0035】
図8(a)、図8(c)に示すように、洗剤側コイル113dが通電していない状態では、洗剤側プランジャ113eは、洗剤側バネ113cから前方への付勢力を受け、剤側弁体113fが、洗剤側筒部111bの後方端部に形成された開口部bを塞ぐよう構成されている。このため、洗剤タンク117からの洗剤液の流れは、洗剤側弁体113fにより遮られる。また、開口部aは開放されているため、第2の水路182内を矢印X1方向に水路124内に流入する水道水は、開口部a内を通り(矢印X2)、柔軟剤側三方弁113bへと流れる(矢印X3)。
【0036】
図8(b)に示すように、洗剤側コイル113dが通電すると、洗剤側コイル113dに磁界が発生する。このため、洗剤側プランジャ113eは、磁場から受ける電磁力により洗剤側バネ113cの付勢力に抗して後方に移動する。これにより、開口部bが開放される。よって、洗剤タンク117の洗剤液は、矢印X5、矢印X6のように、開口部b内を通り柔軟剤側三方弁113bへと流れる。また、開口部aは、洗剤側弁体113fにより塞がれるため、第2の水路182を流れる水道水の流れは、洗剤側弁体113fにより遮られる。
【0037】
以上のように、洗剤側三方弁113aにより、第2の水路182からの水道水の流れと、洗剤タンク117からの洗剤液の流れを切り替え、選択的に柔軟剤側三方弁113bへ供給することができる。
【0038】
柔軟剤側三方弁113bは、洗剤側三方弁113aから流れる液体の流れと、柔軟剤タンク126から流れる柔軟剤液の流れを選択的に切り替え、いずれか一方をピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ供給するよう構成されている。
【0039】
柔軟剤側三方弁113bも洗剤側三方弁113aと同様、柔軟剤側シリンダ113mと、洗剤側シリンダ113l内に設けられ前後に往復運動する柔軟剤側プランジャ113jと、柔軟剤側プランジャ113jの前方端部に設けられる柔軟剤側弁体113kと、一端が柔軟剤側シリンダ113mの後壁に位置し他端が柔軟剤側プランジャ113jの後方端部に位置する柔軟剤側バネ113hと、から構成される。柔軟剤側シリンダ113mは、洗剤側三方弁113aからの液体が流入するよう構成される。柔軟剤側シリンダ113mは、前方端部に開口部cを有する。柔軟剤側シリンダ113mの周囲には、柔軟剤側プランジャ113jを覆うように柔軟剤側コイル113iが設けられている。
【0040】
図8(a)、図8(b)に示すように、柔軟剤側コイル113iが通電していない状態では、柔軟剤側プランジャ113jは柔軟剤側バネ113hの前方への付勢力を受ける。これにより、柔軟剤側筒部111fの後方端部に形成された開口部dは、柔軟剤側弁体1113kにより塞がれる。このため、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の流れは、開口部dを塞ぐ柔軟剤側弁体113kにより遮られる。また、開口部cは開放されているため、洗剤側三方弁113aから柔軟剤側三方弁113bへ供給された洗剤液または水道水は、矢印X4や矢印X7のように、開口部cからピストンポンプユニット112の吸入水路112hへと流れる。
【0041】
図8(c)に示すように、柔軟剤側コイル113iが通電すると、柔軟剤側プランジャ113jは、磁場から受ける電磁力により、柔軟剤側バネ113hの付勢力に抗して後方へ移動する。これにより、開口部dが開放される。よって、柔軟剤タンク126の柔軟剤液は、矢印X8、矢印X9のように、開口部dからピストンポンプユニット112の吸入水路112hへと流れる。また、開口部cは、柔軟剤側弁体113kにより塞がれるため、洗剤側三方弁113aからの液体の流れは柔軟剤側弁体113kにより遮られる。
【0042】
以上のように、柔軟剤側弁体113kにより、洗剤側三方弁113aからの液体の流れと、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の流れを切り替え、選択的に吸入水路112hへ供給することができる。
【0043】
上記構成とすることで、図8(a)のように、洗剤側コイル113dと柔軟剤側コイル113iを共に非通電をすると、第2の水路内の水道水が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。また、図8(b)のように、洗剤側コイル113dを通電し、柔軟剤側コイル113iを非通電とすると、洗剤タンク117の洗剤液が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。また、図8(c)のように、洗剤側コイル113dを非通電とし、柔軟剤側コイル113iを通電状態にすると、柔軟剤タンク126の柔軟剤液が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。
【0044】
(ポンプユニット111)
ポンプユニット111は、洗剤タンク117内の洗剤液、又は柔軟剤タンク126内の柔軟剤液を吸引し、水槽105へ吐出するためのユニットである。
【0045】
図7に示すように、ポンプユニット111は、外枠111aと、外枠111a内に設けられたピストンポンプユニット112から構成されている。
【0046】
外枠111aは、樹脂で形成されており、ピストンポンプユニット112を囲い保護している。図5に示すように、外枠111aは、給水器110とタンク収容ケース114の間に配設されている。
【0047】
図7図10に示すように、外枠111aの外壁前面の下方には、洗剤側筒部111bが前方と後方に延伸形成される。洗剤側筒部111bの前方端部は、図10に示すように、洗剤タンク117の下方後壁に形成された筒部123内に挿入される。洗剤側筒部111bの前方外周面には、離間した複数のパッキン111cが設けられている。図10に示すように、洗剤側筒部111bの前方には、前方向に延伸した突出リブ111eが形成される。洗剤側筒部111bの後方端部は、図8に示すように、水路124と連通接続されている。水路124は、ポンプユニット111の吸入水路112hと連通している。
【0048】
また、図7に示すように、外枠111aの外壁前面の下方には、前方及び後方に延伸する柔軟剤側筒部111fが形成される。柔軟剤側筒部111fの前方端部は、図示しないが、柔軟剤タンク126の下方後壁に形成された筒部(図示せず)内に挿入される。柔軟剤側筒部111fの後方端部は、図8に示すように、水路124と連通接続されている。
【0049】
図7及び図9に示すように、ピストンポンプユニット112は、シリンダ112dと、シリンダ112d内に液剤が流入する吸入水路112hと、シリンダ112dから液剤を吐出する吐出水路112gと、シリンダ112d内に設けられ上下に往復運動可能なピストン112eと、ピストン112eを駆動させる駆動モータ112fを有する。
【0050】
シリンダ112dは、中空の略円筒形状で形成されており、シリンダ112dの内部には、ピストン112eが上下に往復運動可能に配設されている。ピストン112eは、リンク112a及びカム112bを介して、駆動モータ112fと連結している。上記構成により、駆動モータ112fの回転は、リンク112a及びカム112bを介してピストン112eに伝達され、ピストン112eが上下運動する。
【0051】
シリンダ112dの下部には、吸入水路112h及び吐出水路112gが連通して取り付けられている。吸入水路112h及び吐出水路112gは、ピストン112eよりも下方に配設されている。これにより、ピストン112eにより吐出された液剤は、勢いよく下方に吐出することができる。
【0052】
吸入水路112hは、水路124の吐出口eと連通しており、柔軟剤側三方弁113bから吐出された液体が、シリンダ112d内の収容部112cへ吸引する水路である。
【0053】
吸入水路112h内には、吸入側逆止弁164が設けられている。吸入側逆止弁164は、下部に凸部164aが形成されている。吸入水路112hには、吸入側逆止弁164を下方に付勢するバネ164bが配設されている。これにより、凸部164aは、吸入水路112hの内壁面112iと当接するため、吸入側逆止弁164は、上方には移動するが、シリンダ下方には、吸入水路112hの内壁面112i以上移動しない構成となっている。
【0054】
吐出水路112gは、シリンダ112d内の液体が吐出される水路で、図5に示すように、連結ホース129の分岐水路129aと接続されている。
【0055】
吐出水路112g内には、吐出側逆止弁165が設けられている。吐出側逆止弁165は、上部に凸部165aが形成されている。吐出水路112gには、吐出側逆止弁165を上方に付勢するバネ165bが配設されている。このため、凸部165aは、吐出水路112gの内壁面112jと当接するため、吐出側逆止弁165は下方には移動するが、上方には吐出水路112gの内壁面112j以上移動しない構成となっている。
【0056】
ピストン112eが上方へ移動すると、シリンダ112dの収容部112c内が負圧となり、吸入側逆止弁164に上向きの力が加わる。負圧により吸入側逆止弁164に生じる上向きの力が、吸入側逆止弁164の重力とバネ164bの弾性力との合力よりも大きい場合、吸入側逆止弁164は上向きに移動し、凸部164aと吸入水路112hの内壁面112iとの間に隙間が生じる。これにより、三方弁ユニット113を経由した液体が、隙間から吸入水路112hを流れてシリンダ112d内に流入する。
【0057】
ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ内の収容部112c内が正圧となり、吐出側逆止弁165に下向きの力が加わる。吐出側逆止弁165に係る重力と、ピストン112eが下方へ移動したことより吐出側逆止弁165に生じる下向きの力との合力が、吐出側逆止弁165に係る上向きのバネ165bの弾性力よりも大きい場合、吐出側逆止弁165は下方に移動する。これにより、凸部165aと吐出水路112gの内壁面112jとの間に隙間が生じるため、シリンダ内の収容部112c内の液体が隙間から吐出水路112gを流れ、吐出される。
【0058】
また図5に示すように、吐出水路112gは、連結ホース129の分岐水路129aと連通接続される。連結ホース129は、タンク収容ケース114の排水口114cと水槽105とを連通するホースである。これにより、ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ内の収容部112c内の液剤は、吐出水路112gから連結ホース129を経由して水槽105へと吐出される。
【0059】
以上のように、ピストン112eが上下運動を繰り返すことで、洗剤タンク117の洗剤液や連結ホース129の柔軟剤液をポンプユニット111内に吸引し、水槽105へ吐出することができる。
【0060】
また、吸入水路112h、吐出水路112g及び分岐水路129aは、略鉛直方向に形成されている。
【0061】
(タンク収容ケース114)
タンク収容ケース114は、上面が開口した収容部を有する容器である。図3に示すように、タンク収容ケース114の収容部後方には、洗剤タンク117と柔軟剤タンク126が着脱可能に取り付けられる。タンク収容ケース114の収容部前方には、洗剤ケース115が着脱可能に取り付けられる。
【0062】
図10に示すように、タンク収容ケース114の下方後壁には、挿入孔114dが形成される。挿入孔114dには、ポンプユニット111の洗剤側筒部111bが挿入される。
【0063】
図3図4に示すように、タンク収容ケース114上部には、水道水が流れる注水水路116が配設されている。注水水路116は、タンク収容ケース114上部の左右側壁に形成された第1の上部注水口114e及び第2の上部注水口114fと連通している。注水水路116を流れる水道水は、第1の上部注水口114eから洗剤ケース115の洗剤収容部115bへ注水される。また、注水水路116を流れる水道水は、第2の上部注水口114fから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cへ注水される。
【0064】
図5に示すように、タンク収容ケースの左右側壁には、リニアホール素子136が設けられている。第1リニアホール素子136は、アナログ方式で構成される。
【0065】
図4に示すように、タンク収容ケース114の側壁下部には、下部注水口114gが形成されている。下部注水口114gは、後述する迂回水路184と連通している。
【0066】
図6に示すように、タンク収容ケース114の底部には排水口114cが形成される。排水口114cは、連結ホース129の一端が接続されている。連結ホース129の他端は、水槽105に揺動可能に接続される。連結ホース129は、途中から分岐水路129aが鉛直方向に分岐している。分岐水路129aは、ポンプユニット111の吐出水路112gと連通している。
【0067】
(洗剤タンク117、柔軟剤タンク126)
洗剤タンク117及び柔軟剤タンク126は、上部に上面開口部118を有する容器である。
【0068】
図10に示すように、洗剤タンク117の上部周縁には、第1のリブ117d及び第2のリブ117eが形成されている。第1のリブ117d及び第2のリブ117eは、外周方向に延伸している。第1のリブ117dと第2のリブ117eの間には、パッキン117fが設けられる。
【0069】
洗剤タンク117の上部には、上面開口部118を開閉可能に覆う洗剤タンク蓋119が取り付けられる。洗剤タンク蓋119が洗剤タンク117上部に取り付けられると、パッキン117fが押し潰され、水密に固定できる。これにより、洗剤タンク117を横に倒してしまった場合でも、内部の洗剤液がこぼれることを防止できる。なお、パッキン117fは、洗剤タンク117側でなく、洗剤タンク蓋119側に設けられる構成でもよい。
【0070】
図10に示すように、洗剤タンク117の後壁117a下方には、後方に延伸する筒部123が形成されている。筒部123内には、貫通孔123aが形成されており、筒部123の内周面には、逆止弁123bが取り付けられている。逆止弁123bは、洗剤タンク117内側(図10の前方向)へは回動するが、洗剤タンク117外側(図10の後方側)へは回動しないよう構成されている。
【0071】
洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着すると、筒部123にポンプユニット111の洗剤側筒部111bが挿入される。このとき、洗剤側筒部111bの突出リブ111eが逆止弁123bを押し広げるので、洗剤タンク117内の洗剤液は、貫通孔123aを通って三方弁ユニット113へと流れる。また、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を引き抜いた場合、逆止弁123bは図10の後方へ回動し閉じた状態となる。これにより、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を引き抜いても、洗剤タンク117から洗剤液が漏れることを防止できる。
【0072】
図12に示すように、洗剤タンク117の前方外壁面には、掴み部117gが形成される。掴み部117gは、洗剤タンク117の壁面と距離を置いて設けられている。使用者は、掴み部117gを掴み、洗剤タンク117を手前へ引くことで、タンク収容ケース114内から洗剤タンク117を引き抜くことができる。また、使用者は掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に指を上から挿入することもできるし、下から挿入することもできる。また、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に指を上から挿入するとともに、下からも挿入することで、掴み部117gを握ることもできる。
【0073】
タンク収容ケース114の収容部に挿入された洗剤タンク117を、下から掴み部117gを掴んで引き抜こうとすると、洗剤ケース115収容部の狭いスペース内に手首を入れる必要があるため手首が窮屈になる。一方、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に上から指を挿入することで、手首が窮屈な姿勢になることなく、洗剤タンク117を容易に引き抜くことができる。
【0074】
柔軟剤タンク126は洗剤タンク117と同様の構成なので、説明は割愛する。
【0075】
(メッシュ部材122)
メッシュ部材122は、洗剤タンク117内に着脱可能に設けられる。メッシュ部材122は、樹脂で構成され、表裏に貫通する貫通孔が網目状に形成されている。洗剤タンク117内の洗剤液は、メッシュ部材122によりろ過され、異物や固着した洗剤液が洗剤側筒部111b内で詰まることを抑制できる。
【0076】
メッシュ部材122は、両端部が折れ曲がっており、背面には係合爪が形成されている。係合爪は、メッシュ部材122の背面方向に延伸する係合リブ122bと、係合リブ122bの先端部分に凸状に形成される凸部122cから形成される。
【0077】
図10に示すように、洗剤タンク117の底面120には、引掛部121が形成される。引掛部121は、洗剤タンク117の底面120から略垂直に立設した立設部121aと、立設部121aの先端から洗剤タンク117の後方側へ遠設する延設部121bにより形成される。引掛部121は、メッシュ部材122の下端122dと係合される。洗剤タンク117の後壁117aには、洗剤タンク117の内側へ突出した突出部117bが形成される。突出部117bは、メッシュ部材122の係合爪と係合される。上記構成により、メッシュ部材122を斜め方向に係合固定できる。
【0078】
一般に、洗剤液は粘度が高いので、メッシュ部材122を洗剤タンク117に水平方向に設置すると、液剤がメッシュ部材122を通らず、洗剤タンク117のメッシュ部材122よりも下方に空気溜まりができる虞がある。ここで、メッシュ部材122を洗剤タンク117に斜めに設置すると、洗剤液はメッシュ部材の重力に従ってメッシュ部材122の表面を下方へ流れる。このため、洗剤タンク117のメッシュ部材122よりも下方に空気溜まりができることを抑制できる。
【0079】
メッシュ部材122を洗剤タンク117内に取り付ける際は、洗剤タンク117の延設部121bと底面120との間にメッシュ部材122の下端122dを挿入した状態で、メッシュ部材122を図10の矢印C方向に押しこむ。これにより、メッシュ部材122の凸部122cが矢印D方向にたわむとともに(図10の2点鎖線)、後壁117aが矢印E方向にたわむ(図10の2点鎖線)。そのため、凸部122cが突出部117bの下方に入り込み、係合爪と突出部117bとが係合され、メッシュ部材122は洗剤タンク117内で保持される。
【0080】
また、洗剤タンク117からメッシュ部材122を取り外す際は、メッシュ部材122を図10の矢印C方向へ押し、後壁117aを図10の矢印E方向へ撓ませることで、係合爪と突出部117bとの係合を外し、洗剤タンク117からメッシュ部材122を引き抜くことができる。
【0081】
(洗剤ケース115)
図3に示すように、タンク収容ケース114の洗剤タンク117及び柔軟剤タンク126よりも前方には、洗剤ケース115が着脱可能に設けられている。図6のように、洗剤ケース115は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126と当接している。このため、洗剤ケース115を取り付けることにより、洗剤ケース115は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126を後方へ押し込む。洗剤タンク117は、後方へ押し込まれることにより、筒部123内に洗剤側筒部111bを確実に挿入することができ、洗剤液漏れを防止することができる。柔軟剤タンク126も同様に、洗剤ケース115により後方へ押し込まれることで、タンク収容ケース114内へ確実に装着することができ、柔軟剤漏れを防止することができる。
【0082】
洗剤ケース115は、上面が開口した容器で、隔壁115aが形成されている。隔壁115aにより、洗剤ケース115の収容部は、洗剤収容部115bと柔軟剤収容部115cとに区画される。使用者は、洗剤収容部115bに粉末洗剤を、柔軟剤収容部115cに柔軟剤を手動投入する。
【0083】
洗剤ケース115の底面には、排出口(図示せず)が形成されている。排出口から流れる液剤は、タンク収容ケース114、連結ホース129を経由して水槽105へ供給される。図11に示すように、洗剤収容部115bに投入された粉末洗剤を洗い流す際は、第1の給水弁110aを開ける。これにより、蛇口から給水された水道水は、図11の矢印A1に示すように、第1の水路181、注水水路116を流れ、第1の上部注水口114eから洗剤収容部115bへ注水される。
【0084】
柔軟剤収容部115cには、従来周知のサイフォン機構が設けられている。柔軟剤収容部115cに投入した柔軟剤液を流す際は、第2の給水弁110bを開ける。これにより、水道水は、図11の矢印A3に示すように、第3の水路183を流れ、第2の上部注水口114fから柔軟剤収容部115cへ注水される。すると、柔軟剤収容部115c内の水位が上昇し、サイフォン機構によるサイフォン効果によって、柔軟剤収容部115cに投入された柔軟剤液を残すことなく完全に水槽105内へ流すことができる。
【0085】
(水路の構成)
図11に示すように、第1の水路181は、第1の給水弁110aから流入した水が、給水路110c及び注水水路116を流れ、第1の上部注水口114eから洗剤ケース115の洗剤収容部115b内に注水される水路である。第1の水路181は、注水水路116よりも上流側で、第2の水路182と分岐する。第2の水路182は、三方弁ユニット113、ポンプユニット111を経由して連結ホース129の分岐水路129aに流入する水路である。
【0086】
また、第2の水路182では、三方弁ユニット113よりも上流側で迂回水路184が下方に分岐している。迂回水路184は、タンク収容ケース114の下部注水口114gと連通している。洗剤側三方弁113aに異物が詰まったり、洗剤側三方弁113aが経年劣化したりして、洗剤側三方弁113aの開閉部が閉じ切らず、洗剤タンク117の洗剤液が第2の水路182内を逆流した場合でも、逆流した液剤が迂回水路184へと流れるので、給水栓まで逆流することを防止できる。
【0087】
また、第3の水路183は、第2の給水弁110bから流入した水道水が、給水路110c及び注水水路116を流れ、第2の上部注水口114fから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115c内に注水される水路である。
【0088】
[1−1−3.残量検知手段の構成]
図12は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクの分解斜視図、図13は、本発明の実施の形態1における洗濯機のフロート部が取り付けられた洗剤タンク蓋の下面斜視図、図14(a)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の残量検知手段を示す概略側断面図、図14(b)は、本発明の実施の形態1における洗濯機のフロート部が取り付けられた洗剤タンク蓋の下面の概略図、図15は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンク内に洗剤液が満たされた状態での残量検知手段の構成を示す洗剤タンクの概略側面図、図16は、リニアホール素子の検知磁力と出力電圧との関係図である。
【0089】
液剤自動投入装置109には、洗剤タンク117内の液体洗剤量を検知する第1残量検知手段130、及び、柔軟剤タンク126内の液体洗剤量を検知する第2残量検知手段(図示せず)が設けられている。
【0090】
液剤自動投入装置109には、洗剤タンク117内の洗剤量を検知する第1残量検知手段130、及び、柔軟剤タンク126内の柔軟剤量を検知する第2残量検知手段が設けられている。
【0091】
第1残量検知手段130は、フロート部130aと、リニアホール素子136から構成されている。第2残量検知手段も第1残量検知手段130と同様の構成なので、説明を割愛する。
【0092】
(フロート部130a)
図6に示すように、洗剤タンク蓋119の下面には、フロート部130aの一端が回動可能に設けられている。
【0093】
図12に示すように、フロート部130aは、リンク133と、リンク133の上端に設けられた回動軸131と、リンク133の下端に設けられたマグネットボックス135から構成される。回動軸131は、洗剤タンク蓋119の下面に回動可能に設けられる。
【0094】
マグネットボックス135は、内部が中空で構成されており、マグネットボックス135は、密閉された中空の容器である。マグネットボックス135内にはマグネット134が設けられている。マグネット134に洗剤液が付着しないよう、マグネット134は、マグネットボックス135とカバー135aにより、密封状態で覆われている。マグネットボックス135内には、マグネット134を保持する保持リブ(図示せず)が形成されている。また、マグネットボックス135は、内部が中空なので、マグネットボックス135自体が浮力を有する。このため、フロート部130aは、洗剤タンク117内の洗剤液の液面に浮遊し、洗剤液の水位変化に応じて図14(b)、図15の矢印Hのように回動するよう構成されている。
【0095】
また、マグネットボックス135の下方には、支持部135bが設けられている。洗剤タンク117内の洗剤液の水位が下がると、フロート部130aが下方へ回動するが、支持部135bとマグネットストッパー137とが当接することにより、フロート部130aがマグネットストッパー137よりも下方へ回動することを防止できる。
【0096】
また図13図14(b)、図15に示すように、洗剤タンク蓋119下面の回動軸131の周囲には、隔壁リブ119aが形成されている。
【0097】
(リニアホール素子136)
図5に示すように、リニアホール素子136は、タンク収容ケース114の左右側壁外面の下部にそれぞれ設けられている。リニアホール素子136は、検知した磁束密度に応じた電圧が出力される。
【0098】
一般に、リニアホール素子136は、図16のような特性を持つ。図16の横軸はリニアホール素子136が検出した磁力、図16の縦軸はリニアホール素子136の出力電圧値である。
【0099】
リニアホール素子136が検知する磁力が0Wb/mに近い場合、リニアホール素子136は、最大出力電圧Vdd(V)の半分である1/2Vdd(V)を出力する。磁性がN極である磁性体がリニアホール素子136に近づくと、リニアホール素子136は、N極の磁力を強く検出し、出力電圧は1/2Vddよりも大きくなる(図16の矢印J方向)。一方、磁性がN極である磁性体がリニアホール素子136に近づくと、リニアホール素子136は、S極の磁力を強く検出し、出力電圧は1/2Vddより小さくなる(図16の矢印I方向)。
【0100】
リニアホール素子136の出力電圧は、マグネットボックス135との距離が近づく程大きくなり、マグネットボックス135との距離が遠ざかる程小さくなる。また、リニアホール素子136は、タンク収容ケース114の側壁外面の下部に設けられているので、洗剤タンク117内の液体洗剤の水位が低下すると、リニアホール素子136とマグネットボックス135との距離が近づく。
【0101】
リニアホール素子136を洗剤タンク117の外底面側に配設すると、洗剤が洗剤タンク117の外底面に溜まってしまうので、洗剤タンク117内の洗剤液が減ったことを検知できない。一方、第1リニアホール素子136をタンク収容ケース114の側壁に設けると、洗剤は側壁の外面に沿って流れ落ちるため、上記の誤検知を防止できる。
【0102】
(マグネットストッパー137)
図14(b)、図15に示すように、マグネットボックス135の内底面には、マグネットストッパー137が設けられている。マグネットストッパー137は、洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量でマグネットボックス135と当接するよう構成される。上記構成により、洗剤タンク117内の洗剤液が不足していると判断される所定の洗剤水量から液面が更に低下した場合でも、マグネットボックス135は下方に回動せず、リニアホール素子136の出力電圧は変化しない。
【0103】
[1―2.動作、作用]
上記構成における洗濯機において、以下に動作・作用を示す。
【0104】
[1―2−1.洗濯運転動作]
本発明の実施形態1における洗濯運転の動作を説明する。
【0105】
洗濯機100の洗濯運転は、衣類を洗濯水に浸しドラム106を回転することで汚れを落とす『洗い工程』、洗剤水で浸った衣類を水で濯ぐ『濯ぎ工程』、水を含んだ衣類を脱水する『脱水工程』、温風をドラム106へ供給しドラム106内の衣類を乾燥させる『乾燥工程』などがある。
【0106】
使用者は洗濯を行う前に、予め、洗剤液を洗剤タンク117へ投入するとともに、柔軟剤液を柔軟剤タンク126へ投入しておく。
【0107】
洗剤タンク117に洗剤液を補充する際は、蓋体114aを開け、洗剤タンク117を取り外す。次に、洗剤タンク蓋119を開け、洗剤タンク117内に洗剤液を投入する。
【0108】
柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を補充する際も同様に、蓋体114aを開け、柔軟剤タンク126を取り外す。次に、柔軟剤タンク蓋128を開け、柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を投入する。
【0109】
また、蓋体114a、洗剤タンク蓋119、及び柔軟剤タンク蓋128は、ヒンジにより上下に回動しながら開閉する構成となっている。このため、洗剤タンク蓋119、及び柔軟剤タンク蓋128が開いた状態で、蓋体114aを閉じることで、洗剤タンク蓋119と柔軟剤タンク蓋128も閉じることができる。
【0110】
洗濯を行う際、使用者は、蓋体102を開け、衣類投入取出口103からドラム106内に衣類を投入する。次に、操作表示部104を操作して電源スイッチをONにするとともに、洗いや濯ぎ、脱水など、各種洗濯コースや洗濯条件を設定する。設定できる洗濯コースは、『洗いのみ』、『濯ぎのみ』、『脱水のみ』などである。
【0111】
以下、『洗濯コース』における運転動作を説明する。
【0112】
『洗濯コース』では、コントローラは、布量判定工程、給水工程、洗い工程、濯ぎ工程、脱水工程を逐次実行するよう制御する。布量判定工程では、布量判定部が、布量検知では、槽回転モータを一定回転数で正転方向、反転方向に繰り返し回転させた時のトルク電流値を測定することにより、ドラム106内の布量を検出する。次に、ポンプユニット111を駆動させ、液剤投入量算出部により算出された量の洗剤液を洗剤タンク117からドラム106内へ投入する。その後、第1の給水弁110aを開け、布量に応じた水量の水道水をドラム106内に給水する給水工程を実行する。
【0113】
給水工程終了後、槽回転モータを駆動させ、ドラム106を回転させることにより、ドラム106内の洗濯物を攪拌させる洗い工程を実行する。洗い工程終了後、コントローラは、脱水を実行した後、濯ぎ工程を実行する。濯ぎ工程では、第1の給水弁110aを開放させ、所定量の水道水を水槽105内へ供給した後、ポンプユニット111を駆動させ、液剤投入量算出部により算出された量の柔軟剤液を柔軟剤タンク126から水槽105内へ供給する。また、洗剤液や柔軟剤液供給の後、水道水を給水して洗剤や柔軟剤液の水路を洗い流す。
【0114】
濯ぎ工程が終了すると、脱水工程を実行し、洗濯コースが完了する。
【0115】
[1−2−2.給水方法、及び液剤の供給方法]
以下、図6図11を用いて、給水方法、及び水槽105への液剤の供給方法について説明する。
【0116】
洗い工程ではまず、水槽105に水道水を給水する。
【0117】
水道水を給水する際、コントローラは、第1の給水弁110aを開制御するとともに、第2の給水弁110bを閉制御する。また、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112fを非通電状態にする。これにより、蛇口から給水される水道水が、第1の水路181を流れ、水槽105に給水される。
【0118】
給水完了後、洗剤タンク117内の洗剤液を水槽105に供給する。この場合、コントローラは、洗剤側コイル113d、駆動モータ112fを通電状態とし、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とする。これにより、洗剤タンク117とポンプユニット111の吸入水路112hとが連通する。また、図10に示すように、逆止弁123bが後方へ回動するため、洗剤タンク117内の洗剤液は、貫通孔123a内を矢印F、矢印G方向に流れ、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113bを経由してポンプユニット111の吸入水路112hに流入する。
【0119】
また、駆動モータ112fの駆動力により、ピストン112eはシリンダ112d内で上下に往復運動する。これにより、シリンダ112d内は負圧と正圧が繰り返される。ピストン112eが上方へ移動すると、シリンダ112d内が負圧になり、吸入側逆止弁164が上方へ移動し、洗剤液が吸入側逆止弁164と吸入水路112hとの隙間からシリンダ112d内の収容部112c内に流入する。ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ112d内が正圧になり、吐出側逆止弁165が下方へ移動する。このため、シリンダ内の収容部112c内の洗剤液は、吐出側逆止弁165と吐出水路112gの内壁面112jとの隙間から分岐水路129aへ向けて真下方向に吐出される(図6の矢印B方向)。吐出された洗剤液は、連結ホース129の分岐水路129aを流れて、水槽105へと供給される。
【0120】
上記のように、ピストン112eが所定時間、上下運動を繰り返すことで、所定量の洗剤液を水槽105へと供給できる。
【0121】
ここで、第2の水路182は、水槽105と連通しているが、蓋体102が開いた状態では、水槽105内は大気開放されている。このため、ピストンポンプユニット112から水槽105までの液剤の水路内で、液剤が乾燥し、固着、堆積する虞がある。
【0122】
本実施の形態では、ポンプユニット111の吐出水路112gは、連結ホース129の分岐水路129aと接続されるため、タンク収容ケース114の注水水路116を経由せず、水槽105に向けて真下方向に自由落下して吐出される(図6の矢印B)。これにより、吐出水路の距離が短く、水路も複雑とならないため、洗剤液の固着を抑制することができる。
【0123】
洗剤液の投入完了後、コントローラは、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とするとともに、第1の給水弁110aを所定時間開放する。これにより、三方弁ユニット113やポンプユニット111には水道水が供給されるため、連結ホース129に残留した洗剤液を洗い流すことができる。
【0124】
また、給水開始時は、水の勢いが弱いため、吸入側逆止弁164及び吐出側逆止弁165が移動せず給水される水の流れが遮られる虞がある。このため、第1の給水弁110aを開け始めてから所定時間(例えば20秒間)、駆動モータ112fを駆動する構成としてもよい。上記構成とすることで、ピストン112eが上下に往復運動し、シリンダ内の収容部112c内が正圧と負圧とを繰り返される状態となるので、吸入側逆止弁164及び吐出側逆止弁165が移動し、水道水をポンプユニット111に流入させることができる。このため、三方弁ユニット113やポンプユニット111、連結ホース129に残留した洗剤液を洗い流すことができる。
【0125】
また、ポンプユニット111の吐出水路112gは、タンク収容ケース114を経由することなく、連結ホース129を介して、水槽105と連通している。このため、ポンプユニット111から水槽105までの水路に液剤が残留、固着することを防止できる。
【0126】
柔軟剤タンク126から柔軟剤液を供給する場合は、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112fを通電状態とするとともに、洗剤側コイル113dを非通電状態に制御する。柔軟剤液の供給方法は洗剤液の供給方法と同様であるため、説明を割愛する。
【0127】
また、洗剤側三方弁113aの開閉部に異物がかみ込んだ場合、洗剤側三方弁113aの開閉部に隙間が生じる虞がある。第1の給水弁110aが開放した状態で、停電や断水等となると、洗剤タンク117内の洗剤液が、洗剤側三方弁113a開閉部の隙間を流れ、第2の水路182内を給水栓に向けて逆流する虞がある。
【0128】
ここで、第2の水路182では、迂回水路184が下方に分岐形成されており、迂回水路184の出水口である下部注水口114gは、洗剤タンク117よりも下方に位置している。このため、洗剤タンク117から逆流した洗剤液は、迂回水路184へ流れ、タンク収容ケース114、連結ホース129を経由して水槽105へと流れる(図11の矢印A1)。よって、洗剤タンク117内の洗剤液が給水栓にまで逆流し、給水栓が故障することを抑制できる。
【0129】
また、迂回水路184を流れる水道水は、タンク収容ケース114に流入するので、給水時にはタンク収容ケース114に固着した洗剤液を洗い流すことにも利用できる。
【0130】
柔軟剤タンク126内の柔軟剤が逆流した場合も同様であるため、説明は割愛する。
【0131】
[1−2−3.手動投入した洗剤、柔軟剤の水槽への供給方法]
図3図11を用いて、使用者が、自動投入装置を設定せずに、洗剤の手動投入を設定した場合における、洗剤ケース115に手動投入した粉末洗剤や柔軟剤の水槽105への供給方法について説明する。
【0132】
洗剤ケース115に投入した粉末洗剤を水槽105に供給する際は、第1の給水弁110aを開制御するとともに、第2の給水弁110bを閉制御する。これにより、蛇口から給水される水道水は、第1の水路181を流れ、第1の上部注水口114eから洗剤ケース115の洗剤収容部115bに向けて注水される(図11の矢印A1)。洗剤収容部115b内の粉末洗剤は、排水口114cから連結ホース129を流れ、水槽105内に供給される。また、給水された水道水は、第2の水路182から迂回水路184内を流れて下部注水口114gからタンク収容ケース114の内底面に向けて給水される(図11の矢印A2)。上側から注水される水と下側から注水される水によって、粉末洗剤がタンク収容ケース114内に残留することなく、連結ホース129へ洗い流すことができる。
【0133】
洗剤ケース115に投入した柔軟剤を水槽105へ供給する際は、第1の給水弁110aを閉制御するとともに、第2の給水弁110bを開制御する。これにより、蛇口から給水される水道水は、第3の水路183を流れ、第2の上部注水口114fから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cへ向けて注水される(図11の矢印A3)。すると柔軟剤収容部115c内の水位が上昇し、サイフォン機構によるサイフォン効果によって、柔軟剤収容部115cに投入された柔軟剤液を残すことなく、タンク収容ケース114へ流出させることができる。タンク収容ケース114に流出した柔軟剤液は、排水口114cから連結ホース129を流れ、水槽105内へと供給される。
【0134】
[1−2−4.洗剤タンク、又は柔軟剤タンク内の液剤残量検出方法]
以下、洗剤液量の残量検出方法について説明する。液体柔軟剤の残量検出方法も同様である。
【0135】
図17は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤残量検知手段の洗剤投入回数とリニアホール素子の出力電圧の関係図である。
【0136】
図17の横軸は、洗剤液を水槽105に投入した回数である。図17の縦軸は、リニアホール素子136の出力電圧である。図17の実線は、N極の磁性体がリニアホール素子136に近づいた際の出力電圧の変化を示している。図17の破線は、S極の磁性体がリニアホール素子136に近づいた際の出力電圧の変化を示している。
【0137】
リニアホール素子136の出力電圧の上限値は5V、下限値は0Vであり、リニアホール素子136の磁束密度がほぼ0Wb/mの場合、出力電圧は2.5Vとなる。また、リニアホール素子136の上限値は5Vでなく、例えば10Vなどであってもよい。
【0138】
洗剤タンク117が洗剤液で満たされている状態では、リニアホール素子136とマグネット134との距離が大きく離れている。このため、マグネット134からの磁力線がリニアホール素子136に到達せず、リニアホール素子136は、2.5Vの電圧が出力される(図17のK区間)。その後、洗剤タンク117から洗剤液を水槽105内へ繰り返し投入すると、洗剤タンク117内の洗剤量が減少し、洗剤液の水位が低下する。洗剤液の水位が低下すると、マグネットボックス135も下方へ回動するため、マグネット134がリニアホール素子136に近づき、リニアホール素子136が検出する磁力が増加する。
【0139】
リニアホール素子136がマグネット134からN極の磁性を受けている場合、図17の実線に示すように、洗剤タンク117の洗剤液が吐出する程、リニアホール素子136の出力電圧が上昇する。さらに洗剤の投入を続けると、マグネットボックス135は、マグネットストッパー137と当接するので、リニアホール素子136の出力電圧は、所定の値(例えば、4.0V)に収束する。
【0140】
リニアホール素子136がマグネット134からS極の磁性を受けている場合、図17の破線に示すように、洗剤タンク117の洗剤液が吐出される程、リニアホール素子136の出力電圧は低下する。さらに洗剤の投入を続けると、マグネットボックス135は、マグネットストッパー137と当接するので、リニアホール素子136の出力電圧は、所定の値(例えば、1.0V)に収束する。
【0141】
以上のように、洗剤残量が所定値以下となると、洗剤液の投入に伴うリニアホール素子136の出力電圧は、所定値に収束する。このため、洗剤タンク117内の洗剤残量不足状況を把握する際、洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧と、過去洗剤が投入された後のリニアホール素子136の出力電圧値との差分を算出する。差分値が所定値以下の場合、洗剤残量が不足していると判定する。
【0142】
図18は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤残量不足判定方法のフローチャートである。
【0143】
記憶部は、洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧を記憶する第0記憶部、前回の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧を記憶する第1記憶部、前々回の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧を記憶する第2記憶部、3回前の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧を記憶する第3記憶部を有する。
【0144】
以後、第0記憶部に格納された値をY、第1記憶部に格納された値をY−1、第2記憶部に格納された値をY−2、第3憶手段に格納された値をY−3とする。また、洗剤投入後のYとY−3との差分値が0.1V未満である連続回数をCNTとする。
【0145】
以下、図18を用いて洗剤残量の不足判定手段について説明する。
【0146】
洗剤タンク117から洗い工程に必要な量の洗剤液を投入した後(ステップS0:Yes)、コントローラは、リニアホール素子136の出力電圧を第0記憶部に格納する(ステップS1)。その後、コントローラは、リニアホール素子136の出力電圧が、第1所定値(例えば、2.0V)以上であり、かつ、第2所定値(例えば、3.0V)以内であるか判定する(ステップS2)。
【0147】
リニアホール素子136の出力電圧が第1所定値以上かつ第2所定値以内の場合(ステップS2:Yes)、洗剤タンク117に洗剤液が満たされている状況なので、洗剤残量検出のための動作を行わず、第2記憶部に格納されたY−2を第3記憶部に格納し、第1記憶部に格納されたY−1の値を第2記憶部に格納し、第0記憶部に格納された値Yを第1記憶部に格納する(ステップS8)。
【0148】
リニアホール素子136の出力電圧が第1所定値未満である場合、又は、リニアホール素子136の出力電圧が第2所定値より大きい場合(ステップS2:No)は、Yと3回前の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧Y−3との差分を演算する。
【0149】
差分値Y−(Y−3)が0.1V以上の場合(ステップS3:No)、フロート部130aが下方へ回動しているため洗剤残量は不足していないと判断し、CNTをリセットしてCNT=0とする(ステップS5)。その後、第2記憶部に格納されたY−2を第3記憶部に格納し、第1記憶部に格納されたY−1の値を第2記憶部に格納し、第0記憶部に格納された値Yを第1記憶部に格納する(ステップS8)。
【0150】
差分値Y−(Y−3)が0.1V未満の場合(ステップS3:Yes)、洗剤タンク117内の洗剤水位が低下していると判断し、CNTをインクリメントする(ステップS4)。ステップS4の後、CNTが3以上であるか判定する(ステップS6)。CNTが3未満の場合(ステップS6:No)、第2記憶部に格納されたY−2を第3記憶部に格納し、第1記憶部に格納されたY−1の値を第2記憶部に格納し、第0記憶部に格納された値Yを第1記憶部に格納する(ステップS8)。CNTが3以上の場合(ステップS6:Yes)、洗剤タンク117内の洗剤残量が所定値未満であると判断し、操作表示部にその旨の通知をする(ステップS7)。その後、第2記憶部に格納されたY−2を第3記憶部に格納し、第1記憶部に格納されたY−1の値を第2記憶部に格納し、第0記憶部に格納された値Yを第1記憶部に格納する(ステップS8)。
【0151】
以上が、洗剤残量の不足判定方法である。
【0152】
ここで、洗剤タンク117に洗剤液が十分満たされている状況では、リニアホール素子136とマグネット134との距離が大きく離れており、洗剤を投入しても、リニアホール素子136の出力電圧が約2.5Vのまま変化しない(図17のK区間)。このため、洗剤タンク117内に洗剤液が満たされている状態にも関わらず、(Y−(Y−3))が0.1V未満となり、洗剤残量が不足していると誤検知されてしまう虞がある。本実施の形態では、リニアホール素子136の出力電圧Yが、第1所定値以上、かつ、第2所定値以内の場合(ステップS2:Yes)には、洗剤残量検出のための動作を行わない構成とすることで、上記のような洗剤残量低下の誤検出を防止している。
【0153】
また、リニアホール素子136が受けるマグネット134の磁性がS極の場合、リニアホール素子136の出力電圧は、図17の破線のような波形となる。このため、例えば、リニアホール素子136が受ける磁性がS極で、Y=1.0V、Y−3=1.2Vの場合、(Y―(Y−3))=―0.2Vで差分値が0.1Vよりも小さい値となり、洗剤タンク117内に洗剤が満たされているにも関わらず、洗剤残量が不足していると誤検知される虞がある。
【0154】
上記誤検知を防止するため、図18のステップS3では、(Y―(Y−3))の絶対値と0.1Vとを比較する構成としている。これにより、マグネットの極性による誤検知を防止できる。また、マグネット134の磁性の方向性を考慮してマグネットボックス135を生産する必要がないので、マグネットボックス135の生産に要する工数と確認検査に要する工数が減少し、製造コストを抑制できる。
【0155】
上記に説明した洗剤残量の不足検出手段について、以下に具体例を用いて説明する。
【0156】
(N回目の洗剤投入)
N回目の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧Yは約4.0Vとする。また、第3記憶部に格納されている値(Y−3)は、約3.8Vとする。このとき、(Y−(Y−3))=0.2Vとなり、差分値が0.1Vよりも大きいため、CNTを0とし、第2記憶部の値Y−2を第3記憶部へ、第1記憶部の値Y−1を第2記憶部へ、第0記憶部の値Yを第1期億部へ格納する。
【0157】
(N+1回目の洗剤投入)
N+1回目の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧が約4.02V、また、第3記憶部に格納されている値(Y−3)が3.94Vとする。このとき、Y−(Y−3)=0.08Vとなり、差分値が0.1V未満となるのでCNTをインクリメントする(CNT=1)。その後、コントローラはCNTが3以上であるか確認する。今回、CNTは1であるので、洗剤残量が不足していないと判断され、第2記憶部の値Y−2を第3記憶部へ、第1記憶部の値Y−1を第2記憶部へ、第0記憶部の値Yを第1期億部へ格納する。そして、次回の洗剤タンク117からの洗剤液の供給を待機する。
【0158】
(N+2回目の洗剤投入)
N+1回目の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧が約4.03V、また、第3記憶部に格納されている値(Y−3)は、約3.95Vとすると、Y−(Y−3)=0.08Vであり、差分値が0.1V未満である。このため、CNTはインクリメントされて2となる。また、CNTは3未満であるので、洗剤残量が不足していないと判断され、第2記憶部の値Y−2を第3記憶部へ、第1記憶部の値Y−1を第2記憶部へ、第0記憶部の値Yを第1期億部へ格納する。そして、次回の洗剤タンク117からの洗剤液の供給を待機する。
【0159】
(N+3回目の洗剤投入)
N+1回目の洗剤投入後のリニアホール素子136の出力電圧が約4.05V、また、第3記憶部に格納されている値(Y−3)は、約3.99Vとすると、Y−(Y−3)=0.06Vであり、差分値が0.1V未満である。CNTがインクリメントされ3となるので、洗剤タンク117内の液体量が所定量未満になったことと判断し、操作表示部104にその旨を表示する。使用者は、操作表示部104の洗剤残量不足メッセージを確認した後、タンク収容ケース114の収容部から洗剤タンク117を取り出し、洗剤タンク117内の洗剤液を補充する。これにより、洗剤タンク117の洗剤液水位が上昇し、フロート部130aが上方に回動する。この状態で洗剤タンク117をタンク収容ケース114の収容部に再度装着すると、リニアホール素子136の出力電圧は2.5Vに近づくため、コントローラは、洗剤タンク117内に洗剤液が補充されたと判定し、操作表示部104の剤残量不足メッセージを取り消す。
【0160】
以上のように、本実施の形態では、洗剤液投入後のリニアホール素子136の出力電圧と、洗剤液を所定回前(例えば、3回前)に投入した際のリニアホール素子136の出力電圧との差分を算出する。算出した差分値が、複数回(例えば、3回)連続して所定値(例えば、0.1V)未満の場合、洗剤タンク117内の洗剤液は所定量未満になったと検出する。過去のリニアホール素子136の出力電圧との差分値を基に洗剤残量を判定することで、リニアホール素子136の配置や機器の寸法など、洗濯機の構造上のばらつきにより洗剤残量の不足判定が誤検知される可能性を低減できる。
【0161】
また、図13図14(b)に示すように、洗剤タンク蓋119下面には、フロート部130aの回動軸131の周囲に隔壁リブ119aが形成されている。これにより、図15に示すように、洗剤タンク117内に洗剤液が満たされた場合でも、隔壁リブ119aで囲まれた領域の内側には空気だまりが存在するため、洗剤液が流入されないので、フロート部130aの回動軸131に洗剤液が付着することを防止できる。また、洗剤タンク117から洗剤タンク蓋119を取り外した状態で洗剤タンク蓋119を傾斜させた場合でも、洗剤タンク蓋119下面に付着した液剤が、フロート部130aの回動軸131まで流れることを隔壁リブ119aにより遮ることができる。そのため、回動軸131が洗剤液で固着し洗剤残量の測定精度が悪化することを抑制できる。
【0162】
また、洗剤タンク117の内底面に洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量でマグネットボックス135と当接するようマグネットストッパー137が配設されることにより、液剤残量の不足状態で液剤が吐出された場合でも、フロート部130aが下方へ回動することを防止できる。よって、洗剤残量が不足状態でリニアホール素子136の出力電圧が変化し、洗剤残量が不足していないと誤検知されることを防止できる。
【0163】
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の洗濯機の液剤自動投入装置109では、第1の上部注水口114eからの給水により洗剤ケース115内の粉末洗剤やタンク収容ケース114の内壁面や内底面に付着した粉末洗剤を流すとともに、下部注水口114gからの給水によりタンク収容ケース114の内底面に固着した粉末洗剤を洗い流すことができる。このため、給水後も、タンク収容ケース114内の粉末洗剤が残留、固着することを抑制できる。
【0164】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0165】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0166】
実施の形態1では、下部注水口114gは、迂回水路184と連通する構成で説明したが、本発明はこれに限られず、下部注水口114gが何らかの水路と連通していればよい。例えば、下部注水口114gは、第1の給水弁110aと直接連通していてもよい。
【0167】
また、第1の上部注水口114eや第2の上部注水口114f、下部注水口114gがそれぞれ、複数の孔が形成されていると、より確実にタンク収容ケース114内の粉末洗剤を流すことができる。
【0168】
実施の形態1では、タンク収容ケース114壁面の高さ方向の異なった位置に注水口を2か所形成する構成を説明したが、タンク収容ケース114壁面の高さ方向の異なった位置に注水口を3か所以上形成する構成としてもよい。
【0169】
実施の形態1は、ドラム式洗濯機を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、縦型洗濯機でも同様の作用、効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0170】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、タンク収容ケース内の洗剤が上部注水口及び下部注水口から給水される水により洗い流すことができるので、粉末洗剤が残留、固着することを抑制できる。
【符号の説明】
【0171】
101 筐体
105 水槽
106 ドラム
110a 第1の給水弁
115 洗剤ケース
115b 洗剤収容部
115c 柔軟剤収容部
114 タンク収容ケース
114e 第1の上部注水口
114g 下部注水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18