特許第6764760号(P6764760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6764760
(24)【登録日】2020年9月16日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】検出データ収集装置
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/00 20060101AFI20200928BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
   G08C19/00 301A
   G08C19/00 S
   G08C15/06 J
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-213691(P2016-213691)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-73207(P2018-73207A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 敏明
(72)【発明者】
【氏名】林 雅秀
(72)【発明者】
【氏名】都留 康隆
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/038340(WO,A1)
【文献】 特開2015−79342(JP,A)
【文献】 特開2015−184738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 19/00−19/48
G08C 15/00−15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出する複数のセンサと、
上記複数のセンサに通信開始信号及び指令信号を送信し、上記複数のセンサが検出したデータを収集する制御ユニットと、
上記制御ユニットからの上記通信開始信号を上記複数のセンサが受信したときにおける上記複数のセンサが検出した物理量を示すデータを格納するメモリと、
を備え
上記複数のセンサのそれぞれは、上記メモリに格納されたデータから、上記制御ユニットからの指令信号に応じたデータを選択し、選択したデータを、上記複数のセンサから連続して出力し、上記制御ユニットに収集され、
上記複数のセンサのうちの少なくとも一つには、上記複数のセンサから連続して出力されたデータに続き、通信の誤り検出符号を算出し出力する誤り検出符号作成部を有し、
上記複数のセンサの信号線はデイジーチェーン接続され、このデイジーチェーン接続された信号線により、上記制御ユニットと信号の送受が行われ、
上記デイジーチェーン接続された複数のセンサの最終段に接続されたセンサは、上記複数のセンサのそれぞれの検出データの誤り検出符号を算出し、上記制御ユニットへのデータ送信の後に上記算出した誤り検出符号を送信することを特徴とする検出データ収集装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検出データ収集装置において、
上記複数のセンサのそれぞれは、物理量を検出するセンサ素子と、該センサ素子が検出した物理量を示すデータを格納する上記メモリと、該メモリに格納されデータ及び上記制御ユニットからの指令信号を受信し送信する通信部とを有することを特徴とする検出データ収集装置。
【請求項3】
請求項に記載の検出データ収集装置において、
上記複数のセンサのそれぞれは、
上記制御ユニットから送信された上記通信開始信号に従って、上記センサ素子が検出した物理量を示すデータをメモリに格納させる通信開始判断部と、
上記制御ユニットから送信された指令信号に従って上記メモリに格納された物理量を示すデータを読み出す指令判断部と、
上記物理量を示すデータの誤り検出符号を作成する誤り検出符号作成部と、
上記指令判断部によって読み出された物理量を示すデータ、前段のセンサから送信されたデータ及び上記誤り検出符号作成部により作成された誤り検出符号をするか否かを判断し、転送すべきデータを出力するデータ転送判断部と、
上記データ転送部から出力されたデータを次段の上記センサ又は上記制御ユニットに出力するデータ出力部と、を有することを特徴とする検出データ収集装置。
【請求項4】
請求項1からのうちのいずれか一項に記載の検出データ収集装置において、
上記複数のセンサが検出する物理量は、車両の角速度及び加速度であることを特徴とする検出データ収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンサからの検出データを収集する検出データ収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検出データ収集装置の一例として、慣性センサからの検出出力を収集する装置がある。この検出データ収集装置として、特許文献1、2に記載のような装置が開示され、通信方法として全二重通信方法が使用されている。
【0003】
特許文献1には、コマンドにセンサを識別する情報を入れて、チップセレクト信号(通信開始信号)を共通化する例が示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数のセンサをデイジーチェーン接続して信号線数を削減し、その通信路上で各センサにアクセスして、センサデータを取得する例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4917671号公報
【特許文献2】特開平11−211517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、車両が走行中の角速度、加速度等を検出するセンサでは、車の横滑り防止や安全運転支援のための車の姿勢制御などの利用目的に応じて、センサ側から主装置側へ送信するセンサデータの種類と数を適宜変更可能であることが望まれる。
【0007】
しかしながら、従来技術にあっては、主装置側が複数のセンサ出力を通信で受けとる場合、通常、一回の通信で1つのセンサにアクセスしてセンサ出力を受信するため、同一時点の複数のセンサ出力を受信することができない。このため、制御対象の同一時点での特性を認識することが困難であるため、制御精度の向上が困難であった。
【0008】
また、従来の技術にあっては、一回の通信毎に誤り検出符号を受信し、誤り検出処理を行う必要があるため、複数のセンサ出力を得るのに時間がかかる等の問題があり、応答性を向上することが困難であった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、において、同一時点のセンサ出力を得ること、一回の通信で複数のセンサ出力を送信すること、及び複数のセンサ出力に対する誤り検出符号を1つとすることを、主装置と複数のセンサ間の信号線数の増加を抑えながら可能な検出データ収集装置実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0011】
検出データ収集装置において、物理量を検出する複数のセンサと、上記複数のセンサに通信開始信号及び指令信号を送信し、上記複数のセンサが検出したデータを収集する制御ユニットと、上記制御ユニットからの上記通信開始信号を上記複数のセンサが受信したときにおける上記複数のセンサが検出した物理量を示すデータを格納するメモリと、を備え、上記複数のセンサのそれぞれは、上記メモリに格納されたデータから、上記制御ユニットからの指令信号に応じたデータを選択し、選択したデータを、上記複数のセンサから連続して出力し、上記制御ユニットに収集され、上記複数のセンサのうちの少なくとも一つには、上記複数のセンサから連続して出力されたデータに続き、通信の誤り検出符号を算出し出力する誤り検出符号作成部を有し、上記複数のセンサの信号線はデイジーチェーン接続され、このデイジーチェーン接続された信号線により、上記制御ユニットと信号の送受が行われ、上記デイジーチェーン接続された複数のセンサの最終段に接続されたセンサは、上記複数のセンサのそれぞれの検出データの誤り検出符号を算出し、上記制御ユニットへのデータ送信の後に上記算出した誤り検出符号を送信する


【発明の効果】
【0012】
同一時点のセンサ出力を得ること、一回の通信で複数のセンサ出力を送信すること、及び複数のセンサ出力に対する誤り検出符号を1つとすることを、主装置と複数のセンサ間の信号線数の増加を抑えながら可能な検出データ収集装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例である検出データ収集装置を車両の慣性力検出装置に適用した場合のブロック図である。
図2】ECUから6軸センサユニットに送信するコマンドの一例を示す図である。
図3】センサ識別信号の一例を示す表である。
図4】出力種別信号の一例を示す表である。
図5】コマンドの終了を示す信号の一例を示す表である。
図6】3つのセンサの通信部からECUに送信するレスポンスの一例を示す図ある。
図7図1に示したECUと6軸センサユニットとの通信動作を示すタイムチャートである。
図8】通信部の一例を示す図である。
図9図8に示した出力データ選択部の内部回路の一例を示す図である。
図10図8に示した通信部を機能ブロック化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例である検出データ収集装置を車両の慣性力検出装置(物理量として慣性力(角速度、加速度)を検出する装置)に適用した場合のブロック図である。
【0016】
図1において、6軸センサユニット101は、3軸(x、y、z軸)の角速度(Yaw)と3軸の加速度(G)を検出する。6軸センサユニット101の内部は、センサA103、センサB104およびセンサC105を備えている。
【0017】
センサA103は、x軸方向の角速度(xYaw)検出素子111、x軸方向の加速度(xG)検出素子112および外部装置からのコマンド(指令信号)に応じて検出したセンサデータを送信する通信部113を備えている。
【0018】
センサB104およびセンサC105も、センサA103とほぼ同様な構成であり、センサB104はy軸方向の角速度(yYaw)検出素子121と、y軸方向の加速度(yG)122と、通信部123とを備える。また、センサC105はz軸方向の角速度(zYaw)131と、z軸方向の加速度(zG)132と、通信部133とを備える。
【0019】
ECU(エレクトロニックコントロールユニット(制御ユニット))102は、6軸センサユニット101に対して、要求するセンサデータの種類をコマンド(指令信号)として送信する。6軸センサユニット101は、ECU102からのコマンドに対し、レスポンスとして要求されたセンサデータを返信する。通信のための信号線は、ECU102と、3つのセンサ103、104、105をデイジーチェーン接続とする。
【0020】
具体的には、ECU102からのコマンドは、センサA103の通信部113の受信部に送信する。通信部113の送信部はセンサB104の通信部123の受信部に接続する。通信部123の送信部はセンサC105の通信部133の受信部に接続する。そして、デイジーチェーン接続された最終段のセンサC105の通信部133の送信部はECU102のレスポンス受信部に接続する。
【0021】
ECU102から出力するクロック(クロック信号)は、通信の同期を取るための信号であり、1クロックで1ビットのデータを送受信する。また、チップセレクト(通信開始信号)は1回の通信を行う期間を示す信号であり、信号レベルがL(ロウ)の期間に6軸センサユニット101との通信が実行される。クロック信号線とチップセレクト信号線は3つのセンサA103、センサB104、及びセンサC105に同時に入力する必要があるため、ECU102と3つのセンサA103、センサB104、及びセンサC105間は直接接続する。
【0022】
図2は、ECU102から6軸センサユニット101に送信するコマンドの一例を示す図である。コマンドは1本の信号線で送信され、クロックの立下りに同期してデータが変化する。6軸センサユニット101の通信部113、123、133はクロックの立ち上がりでコマンドデータを取り込む。コマンドの内容は、センサ識別信号、出力種別信号およびコマンドの終了を示すEOC(エンド・オブ・コマンド)の3つである。
【0023】
送信する信号のフォーマットは図2に示すように、連続する4ビットの組でセンサ識別1と出力種別1、センサ識別2と出力種別2、センサ識別3と出力種別3、EOCの順で送出する。ここで、例えば1つのセンサ出力のみ要求する場合は、センサ識別1と出力種別1の後にEOCを送信する。
【0024】
図3はセンサ識別信号の一例を示す表である。図3において、2ビットの組み合わせのデータで、3つのセンサ103、014、105のうち、どのセンサに対してデータを要求するかを示す信号である。
【0025】
図4は出力種別信号の一例を示す表である。図4において、2ビットの組み合わせで、センサの出力として、角速度、加速度およびセンサの自己診断結果のうち、どのデータを要求するかを示す信号である。
【0026】
図5はコマンドの終了を示す信号の一例を示す表である。図5において、4ビット連続して0を送信することでEOC(エンド・オブ・コマンド)を通知する。
【0027】
図6は3つのセンサ103、104、105の通信部113、123、133からECU102に送信するレスポンスの一例を示す図である。図6において、レスポンスデータはチップセレクトが立下がってから、立上るまでのLレベルの期間、クロックの立下りに同期してデータを変化させる。ECU102はクロックの立ち上がりでコマンドデータを取り込む。1つの返信データの長さは16ビットである。センサC105は返信1から返信5までの最大5つの返信データを送出する。
【0028】
図7は、図1に示したECU102と6軸センサユニット101との通信動作を示すタイムチャートである。図7において、ECU102から6軸センサユニット101に対し、チップセレクト、クロックおよびコマンドが送信される。チップセレクトの立下りに同期して3つのセンサ103、104、105はそれぞれが持つ角速度検出素子111、121、131と加速度検出素子112、122、132からの出力を、通信部113、123、133に記憶する。
【0029】
このようにして、同一時点の6つのセンサ103、104、105の出力を全て記憶する。なお、同一時点とは、全くの同一でなくともよく、車両等の挙動に関して同一とみなすことができる時点である。
【0030】
次に、ECU102から送出するコマンドを3つのセンサ103、104、105のデイジーチェーン接続を介して3つの通信部113、123、133に同時に入力する。コマンドの入力が終わった時点で、各センサ103、104、105は自身が何番目の返信データに何の出力を送出するかを認識する。このようにして、デイジーチェーン接続された信号線により、各センサ103、104、105と制御ユニット102と信号の送受が行われる
図7に示した1回目の通信の例では、コマンドの内容が最初にセンサA103のxYaw111の出力、2番目にセンサB104のyYaw121の出力、3番目にセンサC105のzYaw131の出力を要求している。
【0031】
したがって、16ビットのコマンド入力が終わった直後にセンサA103の通信部113からxYaw111の出力が通信部123と通信部133の内部を通過してECU102に送出される。このとき、デイジーチェーン接続の最終段であるセンサC105の通信部133ではxYaw111の出力と同時に、最後に送出する通信の誤り検出符号であるCRCの演算が行われる。
【0032】
次に、2番目の送出データとしてセンサB104の通信部123からyYaw121の出力が通信部133の内部を通過してECU102に送出される。このとき、センサC105の通信部133ではyYaw121の出力と同時に、最後に送出する誤り検出符号であるCRCの演算が行われる。
【0033】
次に、3番目の送出データとしてセンサC105の通信部133からzYaw131の出力がECU102に送出される。このとき、センサC105の通信部133ではzYaw131の出力と同時に、最後に送出する誤り検出符号であるCRCの演算が行われる。
【0034】
その後、通信部133は連続するxYaw111、yYaw121、zYaw131の出力から求まったCRCデータを最後に送出して通信を完了する。
【0035】
2回目の通信の例では、コマンドの内容が最初にセンサC105のzG132の出力、2番目にセンサA103のxYaw111の出力を要求している。
【0036】
したがって、16ビットのコマンド入力が終わった直後にセンサC105の通信部133からzG132の出力がECU102に送出される。このとき、センサC105の通信部133ではzG132の出力と同時に、CRCの演算が行われる。
【0037】
次に、2番目の送出データとしてセンサA103の通信部113からxYaw111の出力が通信部123、通信部133の内部を通過してECU102に送出される。このとき、センサC105の通信部133ではxYaw111の出力と同時に、最後に送出する誤り検出符号であるCRCの演算が行われる。その後、通信部133は連続するzG132とxYaw111の出力から求まったCRCデータを最後に送出して通信を完了する。
【0038】
これにより、ECU102は、センサ103、104、105から連続して出力される検出データを収集する。
【0039】
図8は、通信部113の一例を示す図である。なお、通信部123および通信部133も同様な構成である。
【0040】
図8において、角速度格納部201は角速度検出素子(センサ素子)111から出力される角速度データを一時記憶するレジスタであり、チップセレクト信号の立下りに同期して角速度データを記憶する。
【0041】
加速度格納部202は加速度検出素子(センサ素子)112から出力される加速度データを一時記憶するレジスタである。チップセレクト信号の立下りに同期して加速度データを記憶する。スイッチ203は、出力データ選択部211の慣性力選択信号により、角速度データか加速度データを選択して出力する。パラレルシリアル変換部204は、16ビットのパラレルデータを外部装置に送出するために1ビットのシリアルデータに変換する。
【0042】
スイッチ205は、出力データ選択部211の自センサ選択信号により、誤り検出符号であるCRCを計算するための入力データを自センサのデータとするか前段から入力されたデータとするかを選択する。
【0043】
CRC生成部206は、クロックに同期して入力されるシリアルデータに対し、順次CRC演算を実行し、演算結果を順次シリアルデータで出力するスイッチ207に供給する。
【0044】
スイッチ207は、出力データ選択211のCRC選択信号により慣性力(角速度または加速度)データかCRCデータを選択して出力する。スイッチ207でCRCの出力が選択されるのはレスポンス信号において、ECU102から要求された全てのセンサデータの送出に続く最後のデータとして送信する場合である。
【0045】
スイッチ208は出力データ選択部211の自センサ選択信号により、前段のセンサから入力されるデータ(コマンドまたは前段センサの慣性力出力)か自センサの出力(慣性力出力またはCRC出力)を選択して出力する。シリアルパラレル変換部209は、ECU102から1ビットのシリアルデータで入力されるコマンドを16ビットのパラレルデータに変換する。コマンド受信部210は、チップセレクト信号の立下り後、クロック信号が16クロック入力時に一時記憶するレジスタである。
【0046】
そして、次の通信のコマンド入力時までコマンド受信部210にデータが保持される。
【0047】
出力データ選択部211は、スイッチ203、205、207、208の切り替えを制御する。出力データ選択部211詳細は図9にて説明する。
【0048】
カウンタ212は、チップセレクト立下り後のクロックの入力数を計数する。出力データ選択部211は、カウンタ212の出力により各スイッチの切り替えタイミングを制御する。センサ識別子格納部213は自身が3つのセンサの内何番目に位置するかを認識する。図1の6軸センサユニット101の3つのセンサの通信部113、123、133には、それぞれ図3に示すデータが記憶されている。
【0049】
なお、図8に示した通信部113に、CRC作成部206が存在するが、通信部113では誤り検出符号は、作成しないので、スイッチ207は、パラレルシリアル変換部204側に設定される。これは、通信部123も同様である。
【0050】
このため、通信部113、123においては、CRC生成部206を省略することも可能である。
【0051】
図9は、図8に示した出力データ選択部211の内部回路の一例を示す図である。比較部(比較器)301、302、303はコマンド受信部210のセンサ識別1、2、3とセンサ識別子格納部213の出力とが一致していれば“1”を出力し、一致していなければ“0”を出力する。
【0052】
比較部301の出力が“1”であれば、図6に示したレスポンスの返信2に出力することを示す。同様に、比較部302の出力が“1”であれば返信3に、比較303の出力が“1”であれば返信4に出力することを示す。
【0053】
比較部304はクロックを計数するカウンタ212の出力が17から32の期間に“1”を出力する。比較部305はカウンタ212の出力が33から48の期間に“1”を出力し、比較部306はカウンタ212の出力が49から64の期間に“1”を出力する。また、比較部307はカウンタ212の出力が65から80の期間に“1”を出力する。これらの出力は図6に示した返信データ2から5の出力するタイミングを指示する。
【0054】
AND回路308〜313は論理積であり2つの入力が共に”1“のとき”1“を出力する。この出力が”1“の期間は自センサの出力を選択する期間であることを示す。
【0055】
AND回路308は、図6に示した返信2の期間、AND回路309は返信3の期間、AND回路310は返信4の期間にそれぞれ自センサの出力を選択する。AND回路311は返信2の期間に自センサが選択され、且つ、コマンド受信部210の出力種別1で加速度が選択された場合に”1“を出力する。同様に、AND回路312は返信3の期間に、AND回路313は返信4の期間にそれぞれ加速度が選択された場合に”1“を出力する。
【0056】
OR回路314は3入力論理和であり、3つの期間の自センサ選択信号を1本の自センサ選択信号として出力する。同様に、OR回路315は3つの期間の加速度選択信号を1本の加速度選択信号として出力する。定数出力部316は連続する4ビットの”0“を出力する。
【0057】
また、比較部317は、コマンド受信部210のセンサ識別1と出力種別1の連続する4ビットが”0“の場合に”1“を出力する。この出力が”1“のときはEOC(エンド・オブ・コマンド)が検出されたことを示す。
【0058】
同様に、比較部318はセンサ識別2と出力種別2に、比較部319はセンサ識別3と出力種別3に、比較部320はセンサ識別4と出力種別4にEOCが検出されたことを示す。
【0059】
AND回路321〜324は論理積であり、2つの入力が共に”1“のとき”1“を出力する。この出力が”1“の期間は誤り検出符号であるCRCを選択する期間であることを示す。AND回路321は図6に示した返信2の期間、AND回路322は返信3の期間、AND回路323は返信4の期間、AND回路324は返信5の期間にそれぞれCRC出力を選択する。OR回路325は4入力論理和であり、4つの期間のCRC選択信号を1本のCRC選択信号として出力する。
【0060】
図10は、図8に示した通信部113を機能ブロック化した図である。なお、上述したように、通信部113の構成は、通信部123、133の構成と同様となっている。
【0061】
図10において、通信部113は、メモリ400と、チップセレクト立上り立下り判断部(通信開始判断部)401と、コマンド判断部(指令判断部)402と、データ転送判断部403と、CRC作成部(誤り検出符号作成部)404と、データ出力部405とを備える。
【0062】
チップセレクト立上り立下り判断部401は、チップセレクトが立ち下がったことを判断すると、角速度センサ111及び加速度センサ112の出力データを取り込み、メモリ400に格納させる。コマンド判断部402は、入力されたコマンドを判断し、メモリ400に格納されたデータを読み出す。そして、コマンド判断部402は、入力されたコマンドとメモリ400から取り出したデータとをデータ転送判断部403に送る。
【0063】
データ転送判断部403は前段からのデータがあれば、それを受け取り、コマンド判断部402からのデータ又は前段からのデータの誤り検出符号であるCRCを作成する必要があるか否かを判断し、必要があれば、CRC作成部404にデータの誤り検出符号の作成を指令する。
【0064】
そして、データ転送判断部403は、コマンド判断部402からのデータ、前段からのデータ、及びCRC作成部404が作成したデータの誤り検出符号のうちの、転送すべきデータを判断する。
【0065】
データ転送判断部403が転送すべきと判断したデータ等は、データ出力部405に出力し、データ出力部405が出力データとして次段の通信部に送る又はECU102にレスポンスとして送信する。
【0066】
以上のように、本発明の一実施例によれば、チップセレクト(通信開始信号)の立下りにより、全センサ111、112、121、122、131及び132の検出データを同時に通信部113、123、133に取り込み、同一時点のセンサ出力を得ている。
【0067】
また、本発明の一実施例によれば、ECU102と、デイジーチェーン接続された複数のセンサ103、104、105とが、データの送受信を行っているので、一回の通信で複数のセンサ出力を送信することができる。
【0068】
また、デイジーチェーン接続された複数のセンサ103、104、105のうち、最後段のセンサ105が、前段のセンサ103、104からのデータの誤り符号及びセンサ105自身のデータの誤り符号を作成しているので、作成した誤り符号を一つの誤り符号とすることができ、CRC処理が1回で済み、処理速度を向上することができる。
【0069】
さらに、本発明の一実施例によれば、チップセレクトの立下りにより複数のセンサの同一時点のセンサ出力を得ていることから、信号線を、ECU102からそれぞれのセンサ103、104、105に設ける必要が無く、主装置であるECU102とセンサ103、104、105との間の信号線の増加を伴うことが無い。
【0070】
なお、上述した例は、本発明を車両の慣性力検出装置に適用した場合の例であるが、例えば、温度、湿度、圧力等の慣性力以外の物理量を検出する装置にも適用可能である。
【0071】
また、車両以外に移動する物体における物理量検出装置にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
101・・・6軸センサユニット、102・・・ECU、103・・・センサA、104・・・センサB、105・・・センサC、111・・・x軸角速度検出素子、112・・・x軸加速度検出素子、113、123、133・・・通信部、121・・・y軸角速度検出素子、122・・・y軸加速度検出素子、131・・・z軸角速度検出素子、132・・・z軸加速度検出素子、201・・・角速度格納部、202・・・加速度格納部、203、205、207、208・・・スイッチ、204・・・パラレルシリアル変換器、206・・・CRC生成部、205・・・スイッチ、209・・・シリアルパラレル変換器、210・・・コマンド受信部、211・・・出力データ選択部、212・・・カウンタ、213・・・センサ識別子格納部、301〜307、317〜320・・・比較器、308〜313、321〜324・・・AND回路、314、315、325・・・OR回路、316・・・定数部、400・・・メモリ、401・・・チップセレクト立上り立下り判断部、402・・・コマンド判断部、403・・・データ転送判断部、405・・・データ出力部
図1
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