特許第6764831号(P6764831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6764831
(24)【登録日】2020年9月16日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】コネクタ装置および電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/55 20110101AFI20200928BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20200928BHJP
【FI】
   H01R12/55
   H01R12/71
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-117183(P2017-117183)
(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公開番号】特開2019-3813(P2019-3813A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 良育
(72)【発明者】
【氏名】福沢 尭之
(72)【発明者】
【氏名】河合 義夫
【審査官】 杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−095568(JP,U)
【文献】 特開2016−103382(JP,A)
【文献】 特開2003−331960(JP,A)
【文献】 特開2012−069323(JP,A)
【文献】 実開昭53−101291(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00−12/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、
前記電子部品が実装され、複数の貫通孔および前記各貫通孔の周囲に形成されたランドを有する回路基板と、
相互に間隔をおいてほぼ直線状に配列された複数の接続ピンを有し、前記各接続ピンの一端側が前記回路基板の前記貫通孔のいずれかに挿通され、前記各ランドにはんだ付けされたコネクタとを備え、
前記コネクタの前記各接続ピンは、前記貫通孔に挿通される側の先端部における、配列方向の一方側の側部と前記先端部の最先端との間に片側面取り部を有し、かつ、前記各接続ピンの前記片側面取り部が、同一方向に向けて配置されている、コネクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記接続ピンは、その断面がほぼ円形状を有し、前記片側面取り部は、配列方向に沿う方向に長軸を有するほぼ楕円形状を有する、コネクタ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記接続ピンは、断面矩形形状を有し、前記片側面取り部は、配列方向に沿う方向に長辺を有する長方形状を有する、コネクタ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記片側面取り部は、配列方向に直交する方向の一方側の側部と前記先端部の最先端側との間に形成された第2の片側面取り部を含む、コネクタ装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコネクタ装置おいて、
ほぼ直線状に配列された複数の接続ピンの列が、配列方向に交差する方向に複数列配列されている、コネクタ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
配列方向において隣接する前記接続ピン同士は、前記回路基板から突出する長さが異なる、コネクタ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のコネクタ装置において、
前記接続ピンは、行方向と、該行方向に直交する列方向に配列され、
行方向において隣接する前記接続ピン同士は、前記回路基板から突出する長さが異なり、かつ、列方向において隣接する前記接続ピン同士は、前記回路基板から突出する長さが異なる、コネクタ装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載のコネクタ装置と、
前記コネクタ装置を収容する筐体とを備える電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置および電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電子制御装置、例えば、エンジンコントロールユニットや自動変速用コントロールユニット等では、筐体内に、電子部品が実装された回路基板と、該回路基板に半田付けされる外部接続用のコネクタが収容されている。コネクタは、複数の接続ピンを有し、各接続ピンの一端は、回路基板に設けられたビアホールを挿通され、回路基板のランドにはんだ付けされる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−103382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子制御装置等に搭載されるコネクタ装置を作製するには、コネクタの各接続ピンを回路基板のビアホールに挿通し、この状態で、フローはんだ付けにより、各接続ピンと回路基板のランドとをはんだ付けする。しかし、従来のコネクタでは、接続ピンの間隔が狭くなってくると、隣接する接続ピン同士が短絡する可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、コネクタ装置は、電子部品と、前記電子部品が実装され、複数の貫通孔および前記各貫通孔の周囲に形成されたランドを有する回路基板と、相互に間隔をおいてほぼ直線状に配列された複数の接続ピンを有し、前記各接続ピンの一端側が前記回路基板の前記貫通孔のいずれかに挿通され、前記各ランドにはんだ付けされたコネクタとを備え、前記コネクタの前記各接続ピンは、前記貫通孔に挿通される側の先端部における、配列方向の一方側の側部と前記先端部の最先端との間に片側面取り部を有し、かつ、前記各接続ピンの前記片側面取り部が、同一方向に向けて配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、はんだによる隣接する接続ピン同士の短絡を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の電子制御装置の第1の実施形態を示す外観斜視図。
図2図1に図示された電子制御装置の分解斜視図。
図3図1のIII−III線断面図。
図4】(a)は、図3の領域IVaの拡大側面図、(b)は、従来の接続ピンのはんだ付け構造を示す拡大側面図。
図5図4(a)に図示されたコネクタの接続ピンの、回路基板から突出する先端部の配列状態を示す拡大平面図。
図6】(a)〜(h)は、図5に図示された接続ピンの先端部の変形例を示す拡大斜視図。
図7】本発明の電子制御装置用のコネクタ装置の第2の実施形態の側面図。
図8図7に図示されたコネクタの接続ピンの、回路基板から突出する先端部の配列状態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施形態−
以下、図1図5を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の電子制御装置の第1の実施形態を示す外観斜視図である。
電子制御装置100は、金属ベース2と樹脂カバー1とにより構成される筐体3を有する。筐体3は、扁平なボックス形状を有する。電子制御装置100の一側辺に沿って、複数(本実施形態では3つ)のコネクタ11が直線状に配列されている。樹脂カバー1の一側辺側は、対向する他側片側よりも厚く形成されており、各コネクタ11は、一部が筐体3の内部に配置され、残りの部分が、筐体から突出するように設けられている。各コネクタ11には、電子制御装置100を、電源装置や制御装置等の外部の機器に接続する外部接続用コネクタ(図示せず)が接続される。
【0009】
図2は、図1に図示された電子制御装置の分解斜視図である。
電子制御装置100の筐体3内には、半導体装置等の能動部品や抵抗、コンデンサ等の受動部品である電子部品5が実装された回路基板4が収容されている。金属ベース2には、外周側面に沿って溝2aが環状に形成されている。溝2a内には防水シール6aが嵌入される。防水シール6aは、例えば、Oリングである。防水シール6aとして、液状接着剤を充填して硬化させる構造としてもよい。各コネクタ11の回路基板4に対面する下面以外の3つの側面には、シール取付部31が形成されている。シール取付部31には、防水シール6bが嵌入される。樹脂カバー1と金属ベース2とを固定する際の加圧力により、防水シール6a、6bが圧縮され、筐体3の回路基板4が収容された空間が外部から密封される。
【0010】
各コネクタ11には、x方向およびy方向に配列された複数の接続ピン12が設けられている。なお、以下の説明において、x方向、y方向は、各図に図示の通りとする。
コネクタ11は、PBT(Poly Butylene Terephthalate)やPPS(Poly Phenylene Sulfide)等の樹脂により形成されたコネクタ本体を有し、各接続ピン12がその長さ方向の中間部でコネクタ本体に一体成形された構造を有する。
【0011】
回路基板4は、4つのコーナー部に設けられた取付孔に挿通され、金属ベース2のねじ孔に締結されるねじ33により金属ベース2に固定される。金属ベース2と回路基板4との間には、熱伝導剤7が介装される。回路基板4に実装された電子部品5から放出された熱は、熱伝導剤7を介して効率的に金属ベース2に伝導し、外部に放出される。熱伝導剤7としては、放熱接着剤や放熱グリス等を用いることができる。
【0012】
樹脂カバー1には、通気孔1aが形成されている。樹脂カバー1の内側には通気孔1aを塞ぐ呼吸フィルタ9が熱溶着されている。呼吸フィルタ9は、水やコンタミは通さずに空気のみを通す機能を有する。
【0013】
樹脂カバー1の4つのコーナー部には、金属ベース2側に向けて突出するボス部1bが設けられている。樹脂カバー1の各ボス部1bを金属ベース2に設けられた固定用孔2bに挿通し、樹脂カバー1を金属ベース2に押圧した状態で、各ボス部1bを熱溶着することにより、筐体3が構成される。
金属ベース2には、取付孔2cおよび取付用切欠き2dが形成されている。電子制御装置100は、取付孔2cおよび取付用切欠き2dに挿通される不図示のボルトにより、車体に固定される。
【0014】
図3は、図1のIII−III線断面図あり、図4(a)は、図3の領域IVaの拡大側面図である。
図3図4に図示されるように、回路基板4は、コネクタ11の各接続ピン12が挿通されるビアホール(貫通孔)4a、およびビアホール4aの周縁部に形成されたランド4b、4cを有する。ランド4b、4cは、それぞれ、回路基板4の一面4dおよび他面4eに形成されており、銅等の配線材料により形成されている。ビアホール4aの内面には、配線材料と同じ材料が設けられており、ランド4b、4cに接続されている。
【0015】
各接続ピン12は、回路基板4に対して垂直な方向に延在する垂直部と、該垂直部に対して直角に屈曲される水平部(図示せず)とを有するほぼL字形状に形成されている。接続ピン12の垂直部の先端部13(以下、単に、「接続ピン12の先端部13」という)には、面取り部14が形成されている。各接続ピン12の先端部13は、回路基板4の一面4d側からビアホール4aに挿通され、回路基板4の他面4e側に突出されている。接続ピン12の先端部13の回路基板4の一面4dおよび他面4eの根元部分は、それぞれ、はんだ16によりランド4c、4dにはんだ付けされている。回路基板4の他面4e側においては、接続ピン12の先端部13とランド4cとを接続するはんだ16の高さは、面取り部14まで達していない。コネクタ11と回路基板4とは、はんだ付けにより一体化され、コネクタ装置10を構成する。
【0016】
回路基板4上のコネクタ11の接続ピン12のy方向における手前側には、ガイド板32が設けられている。ガイド板32は、回路基板4のx方向における両端側で、支持部材34(図3参照)により支持され、回路基板4の一面4dから離間した位置にコネクタ11のx方向全長に亘り延在されている。ガイド板32は、コネクタ11の接続ピン12を回路基板4のビアホール4aに挿入する際のガイド部材である。すなわち、コネクタ11の接続ピン12をy方向に移動してガイド板32に当接すると、各接続ピン12のy方向の位置が、ビアホール4aに位置合わせされる。
【0017】
図5は、図4(a)に図示されたコネクタの接続ピンの、回路基板から突出する先端の配列状態を示す平面図である
接続ピン12は、断面矩形状の線状部材であり、所定の間隔で、x方向、およびx方向に直交するy方向に配列されている。各接続ピン12の先端部13は、一側面13a、該一側面13aに対向する対向側面13b、および一側面13aと対向側面13bに隣接する一対の隣接側面13c、13dを有する。先端部13の面取り部14は、対向側面13bと最先端13eとの間に設けられている。最先端13eは、面取り部14の傾斜状の上面と一側面13aとが交差する線である。面取り部14は、最先端13e側から対向側面13bに向けて、ほぼ直線的に根元側に接近する下り勾配の傾斜面として形成されている。従って、面取り部14は、配列方向に沿う長辺を有する長方形状を有する。先端部13は、その逆方向に向く面取り部、すなわち、一側面13aと最先端13eとの間に、最先端13e側から一側面13a側に向けて根元側に接近する傾斜状の面取り部を有していない。本明細書においては、このように、対向側面13bと最先端13eとの間に面取り部14が形成され、一側面13aと最先端13eとの間に面取り部14が形成されていない接続ピン12を、片側面取り部14を有する接続ピン12という。片側面取り部14は、対向側面13bと最先端13eとの間ではなく、一側面13aと対向側面13b側の最先端13eとの間に形成してもよい。
【0018】
各接続ピン12の先端部13の対向側面13bは、x方向に隣接する接続ピン12の先端部13の一側面13aに対面する側に配置されている。このことは、y方向の異なる列に配列されたすべての接続ピン12について同じである。すなわち、コネクタ11に設けられたすべての接続ピン12の先端部13の面取り部14は同一方向に向けて配置されている。
【0019】
回路基板4とコネクタ11の接続ピン12とをはんだ付けする方法について説明する。
コネクタ11の各接続ピン12を回路基板4の一面4d側からビアホール4aに挿通して、先端部13を回路基板4の他面4eから突出させる。この状態で、接続ピン12の下端側および回路基板4を不図示のフローはんだ槽に漬ける。フローはんだ槽には、回路基板4の一面4dより少し上方の位置まで漬ける。これにより、回路基板4の一面4dおよび他面4eに形成されたランド4b、4cおよび接続ピン12のフローはんだ槽内に漬かっていた部分にはんだが接触する。ビアホール4aと接続ピン12とに間に大きな隙間がある場合には、その隙間にはんだが充填される。そして、回路基板4およびコネクタ11の接続ピン12をフローはんだ槽から引き上げる。引き上げにより、はんだが冷却され、回路基板4の一面4dおよび他面4eに形成されたランド4cと、該ランド4c周辺の接続ピン12の部分がはんだ付けされる。
【0020】
図4(a)、図4(b)を参照して、第1の実施形態における接続ピン同士の短絡を抑制する作用について説明する。
図4(b)は、従来の接続ピンのはんだ付け構造を示す拡大側面図である。
従来の構造では、接続ピン51は、全長に亘り同一の太さ(幅)であり、先端部52に面取り部は形成されていない。接続ピン51の先端部52が回路基板54から突出する長さは、図4(a)に示す一側面13aと同一程度の長さである。従って、接続ピン51の一側面52aと、該接続ピン51に隣接する接続ピン51の対向側面52bとの間隙Aは狭い。すなわち、後述する第1の実施の形態における間隙Bに比べて狭い。また、この隙間Aに介在するはんだが、隣接する接続ピン51同士の一側面52aと対向側面52bとに接触する面積は大きい。すなわち、後述する第1の実施の形態における面積に比べて大きい。このため、回路基板4および接続ピン51をフローはんだ槽から引き上げる際、隣接する接続ピン51同士の一側面52aと対向側面52bと、はんだとの付着力が大きくなり、はんだが接続ピン51の一側面52aおよび対向側面52bの中間で切れ難くなる。これにより、隣接する接続ピン12間で、はんだによる短絡が生じる可能性が大きくなる。
【0021】
これに対し、図4(a)に図示される本発明の第1の実施形態では、接続ピン12の対向側面13bの長さは一側面13aの長さより小さい、すなわち、面積は小さい。ここで接続ピン12の対向側面13bとは、対向する一側面13aと平行に面するピンの長手方向の領域である。したがって、対向側面13bの長さは一側面13aよりも短い(図4(b))の一側面52bよりも短い)、すなわち、面積も小さい。また、接続ピン12の対向側面13b側には面取り部14が形成されており、面取り部14と、隣接の接続ピン12の一側面13aとの間隙は、最先端13e側に向けて、漸次、大きくなる。最先端13eの位置付近では、面取り部14と、隣接の接続ピン12の一側面13aとの間隙Bは、従来の構造における、隣接する接続ピン51の一側面52aと対向側面52bとの間隙Aの2倍程度となる。このような構成の接続ピン12を使用する第1の実施の形態では、次のような理由ではんだが隣接するピン間に跨がって固着することを防止することができる。
【0022】
接続ピン12の対向側面13bおよび隣接の接続ピン12の一側面13aとの間に介在するはんだと、接続ピン12の対向側面13bおよび一側面13aとの付着力は小さい。最先端最先端さらに、面取り部14と、隣接の接続ピン12の一側面13aとの間隙Bは、従来よりも大きくなるため、面取り部14と、隣接の接続ピン12の一側面13aの中間位置で、はんだが切れ易くなり、はんだによる短絡を抑制することが可能となる。
【0023】
−変形例−
図6(a)〜(h)は、図5に図示された接続ピンの先端部の変形例を示す拡大斜視図である。
図6(a)に示す変形例1は、先端部13に、一側面13aに垂直な方向に延在する最先端13eが形成された構造を有する。図5に図示された第1の実施形態では、最先端13eは、一側面13aと面取り部14とが交差する線であった。変形例1では、最先端13eは、一側面13aと面取り部14との間に、配列方向に沿う所定の幅を有する構造となっている。
【0024】
図6(b)に示す変形例2は、先端部13の一側面13aの端部に縁取り13fが形成された構造を有する。縁取り13fは、接続ピン12を回路基板4のビアホール4aに挿入する際のガイド部となり、その挿入をし易くする。
【0025】
図6(c)に示す変形例3は、面取り部14が、第1の面取り部14aと第2の面取り部14bとを有する構造を有する。
第1の面取り部14aは、一側面13aと対向側面13bとの間に設けられている。第2の面取り部14bは、隣接側面13cと、第1の面取り部14aとの間に設けられている。第2の面取り部14bは、隣接側面13cに対向する隣接側面13d側において、第1の面取り部14aに交差している。すなわち、変形例3は、接続ピン12の先端部13に、接続ピン12の配列方向に沿う方向の一側面13aと最先端13e側との間に第1の片側面取り部14aを設け、配列方向に直交する方向の隣接側面13cと最先端13e側との間に第2の片側面取り部14bを設けた構造を有する。
【0026】
図6(d)に示す変形例4は、変形例3と同様、面取り部14が第1の面取り部14aと第2の面取り部14bとを有する構造を有する。しかし、変形例4では、第2の面取り部14bが、一側面13aと隣接側面13dとの交点で、第1の面取り部14aに交差している。つまり、変形例4では,一側面13aと、隣接側面13dと、最先端13eとが、1つのコーナー部で交差する構造を有する。
なお、変形例3、4において、最先端13eに縁取りを設ける構造とすることもできる。
【0027】
変形例1〜4は、いずれも、接続ピン12が矩形断面を有するものであった。しかし、接続ピン12として、ほぼ円形断面を有するものを用いることができる。この場合の先端部13の構造を図6(e)〜(h)に例示する。
【0028】
図6(e)に示す変形例5は、断面円形の接続ピン12の先端部13に、接続ピン12の外周における配列方向に沿う方向の一側部13gから、該一側部13gに対向する対向側部13hに跨る面取り部14を設けたものである。面取り部14は、一側部13gから対向側部13hに向け、漸次、先端部13の根元側に近接するように傾斜しており、接続ピン12の配列方向に長軸を有する楕円形状を有する。
【0029】
図6(f)に示す変形例6は、変形例5に対し、先端部13の最先端13eが、一側部13gと面取り部14との間に形成されている構造を有する。すなわち、変形例5では、最先端13eは、一側部13gと面取り部14とが交差する点状であるが、変形例6では、最先端13eは、一側部13gと面取り部14との間に、配列方向に沿う所定の幅を有する構造となっている。
【0030】
図6(g)に示す変形例7は、先端部13の外周における端部に縁取り13iが形成された構造を有する。縁取り13iは、接続ピン12を回路基板4のビアホール4aに挿入する際のガイド部となり、その挿入をし易くする。
【0031】
図6(h)に示す変形例8は、面取り部14が、第1の面取り部14cと第2の面取り部14dとを有する構造を有する。
第1の面取り部14cは、一側部13gから対向側部13hに向け、漸次、先端部13の根元側に近接するように傾斜する楕円形状に形成されている。第2の面取り部14dは、第1の面取り部14aの長軸から接続ピン12の配列方向に直交する方向の側部13jに向けて、漸次、先端部13の根元側に近接するように傾斜する楕円形状に形成されている。従って、第2の面取り部14dは、接続ピン12の配列方向に沿う方向および配列方向と直交する方向に傾斜している。
【0032】
本発明の第1の実施形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)コネクタ11の各接続ピン12は、回路基板4のビアホール4aに挿通される側の先端部13における、配列方向の一方側の対向側面13b(対向側部13h)と最先端13eとの間、一側面13a(一側部13g)と最先端13eとの間に片側面取り部14を有し、かつ、各接続ピン12の片側面取り部14が、同一方向に向けて配置されている。つまり、コネクタ11の各接続ピン12のうち貫通孔に挿通される側の先端部13は、配列方向で互いに対向する一対の接続ピン12の間に広がる空間が、先端部13の最先端に近い領域ほど広がるように、一方の接続ピン12の先端部13のみに斜面が形成されており、かつ、各接続ピン12の斜面が、同一方向に向けて配置されている。このため、実際に、接続ピン12の間隔を広げずとも、接続ピン12の間隔を広げた場合と同様な効果を得ることができ、はんだによる隣接する接続ピン12同士の短絡を抑制することができる。
【0033】
(2)片側面取り部14は、配列方向に直交する方向の一方側の側部と先端部13の最先端13e側との間に形成された第2の片側面取り部14b、14dを含む。このようにすることにより、接続ピン12のx方向およびy方向の両方向の接続ピンの間隔を小さくしても、はんだによる隣接する接続ピン12同士の短絡を抑制することができる。
【0034】
−第2の実施形態−
図7は、本発明の電子制御装置用のコネクタ装置の第2の実施形態の側面図であり、図8は、図7に図示されたコネクタの接続ピンの、回路基板から突出する先端部の配列状態を示す平面図である。
第2の実施形態に示されたコネクタ装置20は、コネクタ21と回路基板4とを備える。コネクタ21は、長さが異なる第1の接続ピン22aと、第2の接続ピン22bとを有する。回路基板4の他面4eから突出する第1の接続ピン22aの先端部23aの長さは、回路基板4の他面4eから突出する第2の接続ピン22bの先端部23bの長さよりも短い。
【0035】
第1の接続ピン22aと第2の接続ピン22bは、所定の間隔で、x方向およびy方向に配置されている。第1の接続ピン22aと第2の接続ピン22bは、所定の間隔でx方向に交互に配置されている。また、第1の接続ピン22aと第2の接続ピン22bは、y方向に交互に配置されている。つまり、第1の接続ピン22aのx方向の両隣、およびy方向の両隣には第2の接続ピン22bが配置され、第2の接続ピン22bのx方向の両隣、およびy方向の両隣には第1の接続ピン22aが配置されている。
【0036】
第2の接続ピン22bの先端部23bのx方向およびy方向の両隣に配置された第1の接続ピン22aの先端部23aの長さは短い。このため、先端部23bと先端部23aの間隙Aに介在するはんだと、先端部23bおよび先端部23aとの付着力は小さい。また、先端部23aよりも回路基板4から離間する領域では、x方向およびy方向に隣接する先端部23bの間隙Cは、先端部23bと先端部23aの間隙Aの2倍となる。このため、x方向およびy方向に隣接する先端部23bの間隙Cに介在するはんだは、間隙Cの中間位置で切れ易くなり、はんだによる短絡を抑制することが可能となる。
従って、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を奏する。
【0037】
なお、第2の実施形態において、第1の接続ピン22aの回路基板4から突出する先端部23aの長さは、すべてが同一の長さでなくてもよい。同様に、第2の接続ピン22bの回路基板4から突出する先端部23bの長さは、すべてが同一の長さでなくてもよい。
また、第2の実施形態においても、第1、第2の接続ピン22a、22bは、角形(断面矩形)でなく、丸形(断面円形)であってもよい。
【0038】
上記第1の実施形態においては、面取り部14は、ほぼ直線状に傾斜する平坦面として例示した。しかし、面取り部14は、凸状または凹状に湾曲する形状としてもよい。
【0039】
上記各実施形態においては、ランド4cが、回路基板4の一面4dおよび他面4eに設けられた構造として例示したが、ランド4cは、回路基板4の一面4dまたは他面4eのいずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0040】
上記第1の実施形態や変形例と第2の実施形態とを組み合わせてもよい。
【0041】
本発明のコネクタ装置10、20は、エンジンコントロールユニットや自動変速用コントロールユニット以外の電子制御装置に適用することができる。また、メモリ装置等、電子制御装置以外の電子回路装置に適用することも可能であり、要は、コネクタ11、21と回路基板4とをはんだ付けするコネクタ装置10、20にあれば、幅広く適用することが可能である。
【0042】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
3 筐体
4 回路基板
4a ビアホール(貫通孔)
4b、4c ランド
5 電子部品
10 コネクタ装置
11 コネクタ
12 接続ピン
13 先端部
13a 一側面(側部)
13b 対向側面(側部)
13e 最先端
13g 一側部(側部)
13h 対向側部(側部)
14 面取り部
14a、14c 第1の面取り部
14b、14d 第2の面取り部
20 コネクタ装置
21 コネクタ
22a 第1の接続ピン
22b 第2の接続ピン
23a 先端部
23b 先端部
100 電子制御装置
図1
図2
図3
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図7
図8