特許第6767304号(P6767304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6767304
(24)【登録日】2020年9月23日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】アクリルフォーム層を含む接着剤物品
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/20 20180101AFI20201005BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20201005BHJP
   B32B 25/08 20060101ALI20201005BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20201005BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20201005BHJP
   C09J 109/00 20060101ALI20201005BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20201005BHJP
   C09J 153/00 20060101ALI20201005BHJP
   C09J 153/02 20060101ALI20201005BHJP
   F16B 47/00 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   C09J7/20
   B32B5/18
   B32B25/08
   B32B27/00 M
   B32B27/30 A
   C09J109/00
   C09J133/00
   C09J153/00
   C09J153/02
   F16B47/00 V
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-86536(P2017-86536)
(22)【出願日】2017年4月25日
(62)【分割の表示】特願2011-552977(P2011-552977)の分割
【原出願日】2010年2月23日
(65)【公開番号】特開2017-165971(P2017-165971A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年5月22日
【審判番号】不服-609(P-609/J1)
【審判請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】09154408.0
(32)【優先日】2009年3月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルケ, ジークフリート ケー.
(72)【発明者】
【氏名】パシュマン, フォルカー
【合議体】
【審判長】 蔵野 雅昭
【審判官】 瀬下 浩一
【審判官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−125776(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/070386(WO,A1)
【文献】 特表2003−522249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の主面を有するフォーム層と、前記フォーム層の前記第1及び第2の主面の少なくとも一方と関連付けられ、かつ架橋ゴムを含む感圧性接着剤層(但し、前記フォーム層の厚さの1/3以下の厚さのものを除く)と、を含む接着剤物品であって、
前記架橋ゴムが、ブロックコポリマーが架橋されてなるものであり、前記ブロックコポリマーが多腕ブロックコポリマーであり、
前記フォーム層が、
アルキル基中に3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレート83〜97重量%と、
1種以上の極性モノマー3〜16重量%と、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート及びヘキサンジオールジアクリレートからなる群より選択される1種以上の多官能性モノマー0.01〜1重量%と、
フルオロ脂肪族ポリマー界面活性剤と、を含む重合性組成物を重合することにより得ることができるアクリルポリマーを含む、接着剤物品。
【請求項2】
請求項1に記載の接着剤物品の製造方法であって、
(i)(a)アルキル基中に3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレート83〜97重量%と、1種以上の極性モノマー3〜16重量%と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート及びヘキサンジオールジアクリレートからなる群より選択される1種以上の多官能性モノマー0.01〜1重量%と、フルオロ脂肪族ポリマー界面活性剤と、を含む重合性組成物を提供し、(b)前記重合性組成物を泡立て、及び(c)前記重合性組成物を重合する、ことにより、第1及び第2の主面を有するフォーム層を作製する工程と、
(ii)架橋可能なブロックコポリマーを含む感圧性接着剤組成物を、前記フォーム層の前記第1及び第2の主面の一方又は両方に適用して、感圧性接着剤層(但し、前記フォーム層の厚さの1/3以下の厚さのものを除く)を形成する工程と、
(iii)前記架橋可能なブロックコポリマーを架橋する工程と、
を含み、
前記架橋可能なブロックコポリマーが、多腕ブロックコポリマーである、製造方法。
【請求項3】
前記接着剤物品を、前記感圧性接着剤層を介して基材に固着することを含む、請求項1に記載の接着剤物品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクリルフォーム層と、架橋ゴムを含む感圧性接着剤層とを含む接着剤物品に関する。本開示は、更に、当該接着剤物品の製造及び接着剤物品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤及びテープは、一般的に、2個の基材を共に貼り合わせ、接着複合体を形成するのに用いられる。特定の接着テープとしては、フォーム層を有するものが挙げられる。そのようなテープ及び接着剤物品は、例えば自動車産業において使用され、様々な構成部品を車(car)又はその他の自動車の本体に接着するために使用され得る。典型的には、そのようなテープ及び接着剤物品は、エンブレム、プラスチック部品、並びにゴムガスケットのような部品をドアに接着するために使用される。
接着テープの例は、例えば、国際公開特許WO 2008/070386、米国特許第6,503,621号、及び米国特許第4,415,615号に記載されている。
【0003】
広範な接着剤及びテープが利用可能であるが、基材及び最終用途要件の向上は、新規接着剤の配合及びテープの構造に対する必要性を駆り立て続けている。例えば、接着テープが接着されるべき自動車部品上の、塗料及びコーティングの開発は、特に難しいことが分かっている。典型的には、これらコーティング及び塗料の、表面エネルギーは低く、特別な接着テープの開発が必要である。同様に、燃料消費を節約するために、例えば車の重量を更に低減するという継続的な傾向が、輸送部門、特に自動車産業において存在している。この傾向は結果として、以前は接着テープが使用されていなかった場所への接着テープの使用及び活用、又は、例えば接着テープが受ける可能性がある応力ひずみに対する要求が高い新しい構造におけるテープの活用をもたらしている。性能特性に加えて、環境制御及び加工費もまた、製品の配合要件に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、1つ以上の改善された性能特性を有する更なる接着剤物品を見出すことが望ましいであろう。例として、例えば自動車部品の塗面及びコーティング表面といった低エネルギー面への固着において、改善された接着性能を有する接着剤物品を見出すことが望ましいであろう。経済的で費用効率の高い方法で容易に製造可能な接着剤物品を見出すことが、更に望ましいであろう。また更に、良好な環境特性を有する接着剤物品を見出すことが望ましいであろう。また、接着剤物品を使用する既存の製造方法に適合する接着剤物品が望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本開示は、第1及び第2の主面を有するフォーム層と、フォーム層の第1及び第2の主面の少なくとも一方と関連付けられ、かつ架橋ゴムを含む感圧性接着剤層と、を含む接着剤物品であって、フォーム層が、アルキル基中に平均で3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレートと、1種以上の極性モノマーと、少なくとも2つのフリーラジカル重合可能な基を有する1種以上の多官能性モノマーとを含む重合性組成物を重合することにより得ることができるアクリルポリマーを含む、接着剤物品を提供する。
【0006】
本開示に関連して用いられる用語「関連付けられた」とは、関連層が、表面上に直接的に、又は、例えばプライマー層などの1つ以上の層を介して間接的に、設けられることを意味する。
【0007】
当該接着剤物品は、良好ないし極めて優れた接着性能を示すことが見出されている。例えば、当該接着剤物品は、良好な90°剥離接着性能、並びに静的及び動的剪断試験下での性能といった、良好又は極めて優れた接着性能を低エネルギー面に提供し得る。
【0008】
本開示の更なる態様では、接着剤物品の製造方法が提供され、当該方法は、
(i)(a)アルキル基中に平均して3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレートと、1種以上の極性モノマーと、少なくとも2つのフリーラジカル重合可能な基を有する1種以上の多官能性モノマーとを含む重合性組成物を提供し、(b)当該重合性組成物を泡立て、及び(c)当該重合性組成物を重合する、ことにより、第1及び第2の主面を有するフォーム層を作製する工程と、
(ii)架橋性ゴムを含む感圧性接着剤組成物を、フォーム層の第1及び第2の主面の一方又は両方に適用して、感圧性接着剤層を形成する工程と、
(iii)架橋性ゴムを架橋する工程と、を含む。
【0009】
更なる態様において、本開示は、前記感圧性接着剤層を介して接着剤物品を基材に固着することを含む、接着剤物品の使用を提供する。
【0010】
本開示の特定の実施形態は、次のように要約される。
【0011】
1.第1及び第2の主面を有するフォーム層と、フォーム層の第1及び第2の主面の少なくとも一方と関連付けられ、かつ架橋ゴムを含む感圧性接着剤層と、を含む接着剤物品であって、フォーム層が、アルキル基中に平均で3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレートと、1種以上の極性モノマーと、少なくとも2つのフリーラジカル重合可能な基を有する1種以上の多官能性モノマーとを含む重合性組成物を重合することにより得ることができるアクリルポリマーを含む、接着剤物品。
【0012】
2.前記重合性組成物が、83〜97重量%のアルキルアクリレートと、3〜16重量%の極性モノマーと、0.01〜1重量%の多官能性モノマーとを含む、実施形態1に記載の接着剤物品。
【0013】
3.前記フォーム層がチキソトロープ剤を更に含む、実施形態1又は2に記載の接着剤物品。
【0014】
4.前記チキソトロープ剤がヒュームドシリカを含む、実施形態3に記載の接着剤物品。
【0015】
5.前記フォーム層が起泡フォームを含む、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0016】
6.前記感圧性接着剤層が、アクリル系感圧接着剤組成物を含む、実施形態1〜5のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0017】
7.前記アクリル系感圧接着剤組成物が、アルキル基中に3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレート及び1種以上の極性モノマーから誘導される繰り返し単位を有するアクリルポリマーを含む、実施形態6に記載の接着剤物品。
【0018】
8.前記極性モノマーが、アクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1〜7のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0019】
9.架橋ゴムが、ゴム状ブロックとガラス状ブロックとを有する架橋ブロックコポリマーを含む、実施形態1〜8のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0020】
10.前記ゴム状ブロックが、第1重合共役ジエン、その水素添加誘導体、又はこれらの組み合わせを含み、前記ガラス状ブロックがモノビニル芳香族モノマーを含む、実施形態9に記載の接着剤物品。
【0021】
11.前記感圧性接着剤層が、感圧性接着剤層の総重量を基準として、30〜50重量部の前記ブロックコポリマーと、感圧性接着剤層の総重量を基準として、0.1〜10重量部の前記アクリル系感圧接着剤組成物とを含む、実施形態9又は10に記載の接着剤物品。
【0022】
12.前記感圧性接着剤層が、感圧性接着剤層の総重量を基準として、10〜20重量部の前記ブロックコポリマーと、感圧性接着剤層の総重量を基準として、40〜60重量部の前記アクリル系感圧接着剤組成物とを含む、実施形態9又は10に記載の接着剤物品。
【0023】
13.前記接着剤物品の前記第1及び第2の主面のそれぞれが、感圧性接着剤層と関連付けられている、実施形態1〜12のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0024】
14.前記接着剤物品が、前記第1の主面と関連付けられた前記感圧性接着剤層を有し、前記第2の主面が、第2の主面と関連付けられた接着剤層を有さない、実施形態1〜12のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0025】
15.前記接着剤物品が、前記第1の主面と関連付けられた前記感圧性接着剤層を有し、前記第2の主面が、第2の主面と関連付けられた更なる接着剤層を有する、実施形態1〜12のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0026】
16.前記更なる接着剤層が、感圧性接着剤成分又は熱活性化可能な接着剤成分を含む、実施形態13に記載の接着剤物品。
【0027】
17.前記フォーム層の厚さが0.3mm〜2mmであり、前記感圧性接着剤層の面積当たりの重量が40g/m2〜100g/m2である、実施形態1〜16のいずれか一項に記載の接着剤物品。
【0028】
18.接着剤物品の製造方法であって、
(i)(a)アルキル基中に平均して3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレートと、1種以上の極性モノマーと、少なくとも2つのフリーラジカル重合可能な基を有する1種以上の多官能性モノマーと含む重合性組成物を提供し、(b)当該重合性組成物を泡立て、及び(c)前記重合性組成物を重合する、ことにより、第1及び第2の主面を有するフォーム層を作製する工程と、
(ii)架橋性ゴムを含む感圧性接着剤組成物を、前記フォーム層の前記第1及び第2の主面の一方又は両方に適用して、感圧性接着剤層を形成する工程と、
(iii)前記架橋性ゴムを架橋する工程と、を含む、実施形態1〜17のいずれか一項に記載の接着剤物品の製造方法。
【0029】
19.前記架橋が、前記架橋性ゴムを電子ビーム照射に暴露することを含む、実施形態18に記載の方法。
【0030】
20.前記感圧性接着剤組成物が、前記フォーム層の上に直接設けられ、前記電子ビームが、前記フォーム層と前記感圧性接着剤組成物との間に画定された境界面に又は境界面付近に収束される、実施形態19に記載の方法。
【0031】
21.前記重合性組成物が紫外線感光開始剤であり、前記重合性組成物が紫外線に暴露される、実施形態18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【0032】
22.前記泡立てが、前記重合の前に又は前記重合と同時に行われる、実施形態18〜21のいずれか一項に記載の方法。
【0033】
23.前記泡立てが、不活性ガスと共に重合性組成物をホイップする(whipping)ことによって行われる、実施形態18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【0034】
24.前記接着剤物品を、前記感圧性接着剤層を介して基材に固着することを含む、実施形態1〜17のいずれか一項に記載の接着剤物品の使用。
【0035】
25.前記基材が、45ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する表面を有し、前記接着剤物品が、前記感圧性接着剤層を介して前記表面に固着される、実施形態24に記載の接着剤物品の使用。
【0036】
26.前記接着剤物品が、感圧性接着剤層を含む側の反対側の主面上に更なる接着剤層を含み、前記接着剤物品が、更なる接着剤層を介してゴムガスケットに固着される、実施形態24又は25に記載の接着剤物品の使用。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
本出願の本開示では、他に指示がない限り、以下の用語は次のように定義される。
【0038】
「アクリル」は、アクリル並びにメタクリルモノマー及びポリマーの両方を識別するために使用される。
【0039】
「単官能性モノマー」とは、重合可能な基を1つだけ有するモノマーを意味する。
【0040】
「多官能性モノマー」とは、2つ以上の重合可能な基を有するモノマーを意味する。
【0041】
本発明で特定されるあらゆる範囲は、明示的に別段の定めをした場合を除き、両端点を含むと理解されるべきである。
【0042】
用語「感圧性接着剤」は、本質的に粘着性であるか、又は粘着付与樹脂を添加して粘着付与されているかのいずれかである材料(例えば、エラストマー)を示すために用いられる。本開示による感圧性接着剤は、感圧性接着剤を識別するための既知の方法のいずれかによって識別され得る感圧性接着剤を含み、特に、以下の方法の1つ以上によって識別され得る感圧性接着剤を含む。第1の方法によると、感圧性接着剤は、使用温度における、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,D.Satas,2nd ed.,page 172(1989)に記載のダルキスト基準によって定義される。この基準は、良好な感圧性接着剤を、1×10−6cm2/ダイン(0.0001mPa)を超える1秒クリープコンプライアンスを有するものとして定義する。あるいは、弾性率は1次近似まではコンプライアンスの逆数であるため、感圧性接着剤は1×106ダイン/cm2(100kPa)未満の弾性率を有する接着剤として定義され得る。
【0043】
感圧接着剤を識別する別の方法は、感圧テープ評議会(PressureSensitive Tape Council)によって提供される「感圧テープ業界で使用される技術用語集(Glossaryof Terms Used in the Pressure Sensitive Tape Industry)」、1985年8月に記載されているように、当該接着剤が、室温で積極的かつ永久的に粘着性があり、指又は手の圧力を超える必要なしに単に接触させるだけで様々な異種表面に堅固に接着することである。
【0044】
感圧性接着剤の別の好適な識別方法は、25℃における周波数に対する弾性率のグラフにプロットしたときに、次の点によって画定される区域内に、感圧性接着剤が室温貯蔵弾性率を好ましくは有することである:およそ0.1ラジアン/秒(0.017Hz)の周波数における、およそ2×105〜4×105ダイン/cm2(20kPa〜40kPa)の弾性率範囲、及びおよそ100ラジアン/秒(17Hz)の周波数における、およそ2×106〜8×106ダイン/cm2(200kPa〜800kPa)の弾性率範囲(例えば、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(D.Satas,2nd ed.,(1989))、p.173、図8〜16参照)。
【0045】
以下において、本発明は、特定の実施形態を参照してより詳細に記載されるが、これら特定の実施形態は本発明を限定することを意図しない。
【0046】
接着剤物品は、重合性組成物の重合によって得られるアクリルポリマーを有するフォーム層を含み、当該重合性組成物は、アルキル基中に平均で3〜14個の炭素原子を有する1種以上のアルキルアクリレートと、1種以上の極性モノマーと、少なくとも2つのフリーラジカル重合可能な基を有する1種以上の多官能性モノマーと、を含む。
【0047】
重合性組成物の1種以上のアルキルアクリレートは、典型的には単官能性モノマーであり、特に、アルキル基が、少なくとも約3個の炭素原子(平均して)、好ましくは約4〜約14個の炭素原子(平均して)を含む非第三級アルコールのアクリル酸エステルを含む。典型的には、このようなモノマーのホモポリマーは、約0℃以下のTgを有する。好適なアクリル酸エステルの部類の例としては、2−メチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−デシルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、及びイソノニルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。使用することができる好ましいアクリル酸エステルには、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、及び2−メチルブチルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。このようなモノマーの様々な組み合わせを使用することができる。例えば、2−エチルヘキシルアクリレートとイソオクチルアクリレートの組み合わせといった、2種以上のアルキルアクリレートの組み合わせを使用してもよい。
【0048】
重合性組成物は、1種以上の極性モノマー、典型的には重合可能な極性モノマーを更に含む。極性モノマーの例としては、とりわけ、カルボン酸モノマーなどの酸性モノマー、並びに種々のアクリルアミドが挙げられる。極性モノマーの特定の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換及びN,N−二置換アクリルアミド、例えばN−エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及びN−エチル−N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、並びに無水マレイン酸が挙げられる。好ましい極性モノマーには、アクリル酸、イタコン酸、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムが挙げられるが、これらに限定されない。かかる極性モノマーの様々な組み合わせを使用することができ、特定の実施形態では、例えばアクリル酸とイタコン酸との組み合わせといった、2種以上の極性モノマーの組み合わせが考えられる。
【0049】
フォーム層のアクリルポリマーを誘導することができる重合性組成物は、2個以上のエチレン性不飽和基を有する1種以上の多官能性モノマーを更に含む。多官能性モノマーの例としては、特に多官能性アクリルモノマーであるが、ブタジエン及び、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジンなどのビニル−ハロメチル−s−トリアジン型化合物といった置換トリアジンなどの、他の多官能性モノマー挙げられる。好ましいのは、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレートなどのポリアクリル系−官能性モノマーである。多官能性アクリルモノマーの特に好ましい例としては、1,2−エチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
【0050】
フォーム層のアクリルポリマーは、典型的には、多量の、例えば少なくとも84重量%(組成物中のモノマーの総重量を基準として)の1種以上のアルキルアクリレートを有する重合性組成物から得ることができる。典型的な範囲は、84〜97重量%、又は88〜94重量%である。重合性組成物中の多官能性モノマー又はモノマーの量は、典型的には少なくとも0.01重量%であり、組成物中のモノマーの総重の0.01重量%から1重量%以下、又は、例えば0.1〜0.5重量%の範囲であってもよい。極性モノマー又はモノマーは、典型的には、組成物中のモノマーの総重量の少なくとも3重量%の量で存在し、代表的な範囲は、3〜16重量%又は5〜12重量%である。
【0051】
重合性組成物は、特にチキソトロープ剤などの更なる成分を含有してもよい。チキソトロープ剤の例としては、ヒュームドシリカが挙げられる。重合性組成物はまた、例えば中空のガラスバブル又はポリマー微小球などの微小球を含有してもよい。更に、重合性組成物中に界面活性剤を含むのが望ましくあり得る。粘着付与剤、特にアクリル接着剤と共に使用するのに好適な粘着付与剤もまた、添加されてもよい。粘着付与剤の例としては、特に、ロジンエステル、芳香族樹脂、脂肪族樹脂、テルペン、並びに部分的水素化及び水素化樹脂が挙げられる。
【0052】
重合性組成物は、典型的には、熱開始剤並びに光開始剤といった、フリーラジカル重合を開始するための反応開始剤も含む。光開始剤は、本開示に関連して使用するのに好ましい。反応開始剤の例は、米国特許第4,181,752号(Martensら)、同第4,833,179号(Youngら)、同第5,804,610号(Hamerら)、同第5,382,451号(Johnsonら)、同第4,619,979号(Kotnourら)、同第4,843,134号(Kotnourら)、及び同第5,637,646号(Ellis)に見出すことができる。特定の例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンが挙げられる。
【0053】
接着剤物品のフォーム層は、典型的には、少なくとも0.3mm、例えば少なくとも0.5mmの厚さを有する。フォーム層の典型的な厚さ範囲は、0.3mmから最大2mm、例えば0.5mmから最大1.5mm、又は0.7mm〜1.2mmである。フォーム層は、典型的には、15〜85%の空隙を有し得る気泡状の膜構造を有する。
【0054】
フォーム層は、典型的には、米国特許第4,415,615号に記載の方法に従って得られる及び作製される。当該プロセスは、典型的には、重合性組成物を泡立たせる工程と、この気泡物を、例えば剥離ライナなどの裏材にコーティングする工程と、重合性組成物を重合する工程とを含む。
【0055】
泡立ては、重合可能な組成物にガスを高速撹拌導入(whipping)することによって達成するのが便利である。有用な気泡ガスは、典型的には不活性であり、窒素ガス又は二酸化炭素を含む。特定の実施形態では、重合性組成物のモノマーは、泡立て工程で望ましい粘度を達成するために、泡立ての前に部分的に重合されてもよい。組成物を泡立たせるのに有用な粘度は、1000〜40,0000cpsである。粘度は、典型的には、所望の気泡均一性を達成するように選択される。例えば、5000cps以上で、典型的には高い気泡均一性が得られる。
【0056】
所望の粘度を達成するために予備重合を用いるのに加えて、及び別の方法として、ヒュームドシリカなどのチキソトロープ剤が使用されてもよい。そのような場合には、重合は1工程で行われてもよい。
【0057】
重合性組成物の重合は熱活性化によって行われてもよいが、光開始されるのが好ましく、したがって、重合性組成物は、典型的には光開始剤を含有する。典型的には、光反応開始は紫外線照射によって行われ、紫外線反応開始剤が使用される。重合が2工程で行われる場合(上記のように、好適な粘度を可能にするために予備重合する場合)、最初に使用する光開始剤の量は、更なる重合を開始させるのに十分であり得る。しかしながら、典型的には、泡立ての後に更なる重合を開始するために、光開始剤を更に添加するのが望ましくあり得る。
【0058】
重合が紫外線照射によって達成される場合、重合性コーティングは、紫外線照射をかなり通し、低粘着性表面を有するプラスチックフィルムオーバーレイによって空気から保護されるのが好ましい。紫外線照射を約75%通す2軸配向されたポリエチレンテレフタレートフィルムは、非常に有用である。その下にある裏材もまた低粘着性表面を有する場合は、目的物を取り付けるために気泡状接着剤膜を用いることができるように、裏材及び透明プラスチックフィルムの両方を剥ぎ取ることができる。そのような用途について、適用される前に裏材及び透明なオーバーレイの両方から取り除かれる場合に当該膜がひずむのを回避するために、気泡状の膜は組織様のウェブで強化されてもよい。
【0059】
重合性コーティングで被覆する代わりに、不活性雰囲気中で重合を行う場合、米国特許第4,303,485号(Levens)が教示するように、被酸価性スズ化合物を重合性組成物に混合することで、不活性雰囲気の許容酸素含有量を増大させることができ、当該特許はまた、そうすることにより、厚いコーティングを空気中で重合させることができることを教示している。
【0060】
接着剤膜の気泡構造を形成するプロセスに関わらず、界面活性剤、好ましくは、低表面張力を有する有機液体を形成するのに有用であることが知られているシリコーン又はフッ素性化学物質を、組成物中に含めるのが好ましい。そうすることにより、良好な均一性の気泡状接着剤膜を有するフォームを作り出すことができ、気泡は、0.05〜0.3mmの範囲内の平均直径を有する。典型的には、接着剤膜の気泡の90%は、2:1以下で大小の差があるが、接着剤膜の一部は、気泡サイズに大きなばらつきがあることで特徴付けられている。
【0061】
フォーム層の対向する両主面の一方又は両方には、架橋ゴムを含む感圧性接着剤層(表面薄層とも呼ばれる)が設けられる。架橋ゴムは、ゴム状ブロックとガラス状ブロックとを有する架橋可能なブロックコポリマーの架橋、典型的には電子ビームによって得ることができる。一般に、ゴム状ブロックは、室温未満のガラス転移温度(Tg)を示す。ある実施形態では、ゴム状ブロックのTgは約0℃未満、又は更に約−10℃未満である。ある実施形態では、ゴム状ブロックのTgは約−40℃未満、又は更に約−60℃未満である。
【0062】
一般に、ガラス状ブロックは、室温を超えるTgを示す。ある実施形態では、ガラス状ブロックのTgは、少なくとも約40℃、少なくとも約60℃、少なくとも約80℃、又は更に少なくとも約100℃である。
【0063】
好適なブロックコポリマーは、1つ以上のゴム状ブロックRと、1つ以上のガラス状ブロックGとを含む。ある実施形態では、ブロックコポリマーは、少なくとも3つのガラス状ブロックを含む。ある実施形態では、ブロックコポリマーは、3以上5以下のガラス状ブロックを含む。ある実施形態では、ブロックコポリマーは、4つのガラス状ブロックを含む。
【0064】
ある実施形態では、ブロックコポリマーは、一般式Qn−Y(式中、Qは多腕ブロックコポリマーの腕を表し、nは腕の数を表し、少なくとも3の整数であり、Yは多官能性カップリング剤の残基である)を有する多腕ブロックコポリマーである。各腕Qは、独立して式R−Gを有し、式中Gはガラス状ブロックを表し、Rはゴム状ブロックを表す。
【0065】
ある実施形態では、ゴム状ブロックは、重合共役ジエン、重合共役ジエンの水素添加誘導体、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態では、共役ジエンは4〜12個の炭素原子を含む。代表的な共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、エチルブタジエン、フェニルブタジエン、ピペリレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、エチルヘキサジエン、及びジメチルブタジエンが挙げられる。重合共役ジエンは、個別に又は互いにコポリマーとして用いることができる。ある実施形態では、共役ジエンは、イソプレン、ブタジエン、エチレンブタジエンコポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0066】
ある実施形態では、少なくとも1個のガラス状ブロックが重合モノビニル芳香族モノマーを含む。ある実施形態では、トリブロックコポリマーのガラス状ブロックは両方、重合モノビニル芳香族モノマーを含む。ある実施形態では、モノビニル芳香族モノマーは8〜18個の炭素原子を含む。代表的なモノビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、ビニルピリジン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジ−n−ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、他のアルキル化スチレン、スチレン類似体、及びスチレン同族体が挙げられる。ある実施形態では、モノビニル芳香族モノマーは、スチレン、スチレン適合性モノマー又はモノマーブレンド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0067】
本明細書で使用するとき、「スチレン適合性モノマー又はモノマーブレンド」とは、優先的にポリスチレン又はブロックコポリマーのポリスチレン末端ブロックと結合する、重合又は共重合することができる、モノマー又はモノマーブレンドを指す。適合性は、単量体スチレンとの実際の共重合、ホットメルト又は溶媒処理中ポリスチレン相内の適合性モノマー若しくはブレンド、又は重合モノマー若しくはブレンドの溶解度、又は、処理後の静置時における、モノマー若しくはブレンドとスチレンが豊富な相のドメインとの結合に起因する可能性がある。
【0068】
本開示のある多腕ブロックコポリマーの一般式、Qn−Yでは、nは腕の数を表し、少なくとも3の整数である、即ち、多腕ブロックコポリマーは星型ブロックコポリマーである。ある実施形態では、nは3〜10の範囲である。ある実施形態では、nは3〜5の範囲である。ある実施形態では、nは4である。ある実施形態では、nは6以上に相当する。
【0069】
ある実施形態では、第1ブロックコポリマーは多モードブロックコポリマーである。本明細書で使用するとき、「ポリモーダル」という用語は、コポリマーが少なくとも2つの異なる分子量を有するガラス状ブロックを含むことを意味する。このようなブロックコポリマーはまた、少なくとも1つの「高」分子量ガラス状ブロック、及び少なくとも1つの「低」分子量ガラス状ブロックを有することにより特徴付けることができ、ここで高及び低という用語は互いに相対的に用いられる。ある実施形態では、高分子量ガラス状ブロックの数平均分子量(Mn)Hと、低分子量ガラス状ブロックの数平均分子量(Mn)Lとの比は、少なくとも約1.25である。
【0070】
ある実施形態では、(Mn)Hは、約5,000〜約50,000g/molの範囲である。ある実施形態では、(Mn)Hは少なくとも約8,000であり、またある実施形態では少なくとも約10,000である。ある実施形態では、(Mn)Hは約35,000g/mol以下である。ある実施形態では、(Mn)Lは、約1,000〜約10,000g/molの範囲である。ある実施形態では、(Mn)Lは少なくとも約2,000であり、またある実施形態では少なくとも約4,000である。ある実施形態では、(Mn)Lは、約9,000g/mol未満であり、ある実施形態では、約8,000g/mol未満である。
【0071】
ある実施形態では、第1ブロックコポリマーは非対称なブロックコポリマーである。本明細書で使用するとき、「非対称」という用語は、ブロックコポリマーの腕の全てが同一とは限らないことを意味する。一般に、多モードブロックコポリマーは、ガラス状ブロックの分子量が全て同じとは限らないので、多モードブロックコポリマーの全ての腕が同一とは限らないため、非対称なブロックコポリマー(即ち、多モードで非対称なブロックコポリマー)である。ある実施形態では、本開示のブロックコポリマーは、多モードで非対称なブロックコポリマーである。非対称な多モードブロックコポリマーを製造する方法は、例えば、米国特許第5,296,547号に記載されている。
【0072】
一般に、多官能性カップリング剤は、任意のポリアルケニルカップリング剤又は、リビングポリマーのカルバニオンと反応して架橋ポリマーを形成することができる官能基を有することが知られている他の物質であってよい。ポリアルケニルカップリング剤は、脂肪族、芳香族又は複素環式であってよい。代表的な脂肪族ポリアルケニルカップリング剤としては、ポリビニル及びポリアルキルアセチレン、ジアセチレン、リン酸塩、亜リン酸塩、及びジメタクリレート(例えば、エチレンジメタクリレート)が挙げられる。代表的な芳香族ポリアルケニルカップリング剤としては、ポリビニルベンゼン、ポリビニルトルエン、ポリビニルキシレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルナフタレン、及びジビニルジュレンが挙げられる。代表的なポリビニル基としては、ジビニル、トリビニル及びテトラビニル基が挙げられる。ある実施形態では、ジビニルベンゼン(DVB)を用いることもでき、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、及びこれらのブレンドを挙げることができる。代表的な複素環式ポリアルケニルカップリング剤としては、ジビニルピリジン、及びジビニルチオフェンが挙げられる。他の代表的な多官能性カップリング剤としては、ハロゲン化ケイ素、ポリエポキシド、ポリイソシアネート、ポリケトン、ポリ無水物(polyanhydride)、及びジカルボン酸エステルが挙げられる。
【0073】
更に、感圧性接着剤層の架橋ゴムは、次式の直鎖ブロックコポリマーの架橋によって得てもよい。
R−(G)m
(式中、Rはゴム状ブロックを表し、Gはガラス状ブロックを表し、ガラス状ブロックの数であるmは1又は2である)により記述することができる。ある実施形態では、mは1であり、直鎖ブロックコポリマーは1個のゴム状ブロックと1個のガラス状ブロックを含むジブロックコポリマーである。ある実施形態では、mは2であり、直鎖ブロックコポリマーは、2個のガラス状末端ブロックと1個のゴム状中央ブロックを含む、即ち、直鎖ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。
【0074】
ある実施形態では、直鎖ブロックコポリマーのゴム状ブロックは、重合共役ジエン、その水素添加誘導体、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態では、共役ジエンは4〜12個の炭素原子を含む。第2ブロックコポリマーで有用な代表的な共役ジエンとしては、上記の代表的な共役ジエンのいずれかが挙げられる。
【0075】
ある実施形態では、少なくとも1つのガラス状ブロック、ある実施形態では、直鎖ブロックコポリマーの各ガラス状ブロックが、重合モノビニル芳香族モノマーを含む。ある実施形態では、モノビニル芳香族モノマーは8〜18個の炭素原子を含む。第2ブロックコポリマーで有用な代表的な重合モノビニル芳香族モノマーとしては、上記代表的な重合モノビニル芳香族モノマーのいずれかが挙げられる。
【0076】
特定の実施形態では、直鎖ブロックコポリマーと、前述されかつ説明されている多腕ブロックコポリマーとの混合物を使用して、感圧性接着剤層の架橋ゴムを得る。ある実施形態では、多腕ブロックコポリマーと、直鎖ブロックコポリマーとの比は、1.5:1〜9:1の範囲である。ある実施形態では、多腕ブロックコポリマーと、直鎖ブロックコポリマーとの比は、少なくとも1.85:1、又は更に少なくとも3:1である。ある実施形態では、多腕ブロックコポリマーと、直鎖ブロックコポリマーとの比は、5.7:1以下、又は更に4:1以下である。
【0077】
感圧性接着剤層は、特定の実施形態において、1種以上の粘着付与剤と、任意に1種以上の可塑剤とを更に含む。一般に、粘着付与剤は、架橋ゴムを得るために使用する場合があるブロックコポリマーのゴム状ブロックに適合するように選択される。本明細書で使用するとき、粘着付与剤は、ブロックと混和性である場合、ブロックに「適合する」。一般に、ブロックと粘着付与剤との混和性は、そのブロックのTgに対する粘着付与剤の効果を測定することにより決定できる。粘着付与剤がブロックと混和性である場合、粘着付与剤はそのブロックのTgを変化させる(例えば、上昇させる)。
【0078】
粘着付与剤は、少なくともそのブロックと混和性である場合、ブロックと「主に適合」するが、他のブロックとも混和性である場合がある。例えば、主にゴム状ブロックに適合する粘着付与剤は、ゴム状ブロックと混和性であるが、ガラス状ブロックとも混和性である場合がある。
【0079】
一般に、比較的低い溶解パラメータを有する樹脂は、ゴム状ブロックと結合する傾向があるが、そのガラス状ブロックへの溶解度は、これらの樹脂の分子量又は軟化点が低下するとき、上昇する傾向がある。主にゴム状ブロックに適合する代表的な粘着付与剤としては、重合テルペン、ヘテロ官能性テルペン、クマロン−インデン樹脂、ロジン酸エステル、不均化ロジン酸エステル、水素添加ロジン酸、C5脂肪族樹脂、C9水素添加芳香族樹脂、C5/C9脂肪族/芳香族樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、C5/C9及びジシクロペンタジエン前躯体由来の水素添加炭化水素樹脂、水素添加スチレンモノマー樹脂、及びこれらのブレンドが挙げられる。
【0080】
特定の実施形態では、第1高Tg粘着付与剤は、少なくとも60セルシウス度(℃)のガラス転移温度(Tg)を有する。本明細書で使用するとき、「高ガラス転移温度粘着付与剤」及び「高Tg粘着付与剤」という用語は、少なくとも60℃のガラス転移温度を有する粘着付与剤を指す。ある実施形態では、第1高Tg粘着付与剤のTgは、少なくとも65℃、又は更に少なくとも70℃である。ある実施形態では、第1高Tg粘着付与剤は、少なくとも約115℃の軟化点を有し、またある実施形態では、少なくとも約120℃の軟化点を有する。
【0081】
ある実施形態では、ブロックコポリマー接着剤組成物は、主に多腕ブロックコポリマーのガラス状ブロック(1つ又は複数)、任意に、直鎖ブロックコポリマーのガラス状ブロック(1つ又は複数)に適合する第2高Tg粘着付与剤を含む。一般に、ガラス状ブロックに主に適合する粘着付与剤は、ガラス状ブロックと混和性であり、またゴム状ブロックと混和性である場合もある。
【0082】
一般に、比較的高い溶解パラメータを有する樹脂は、ガラス状ブロックと結合する傾向があるが、これらの樹脂の分子量又は軟化点が低下するとき、ゴム状ブロックへの溶解性が上昇する傾向がある。主にガラス状ブロックに適合する代表的な粘着付与剤としては、クマロン−インデン樹脂、ロジン酸、ロジン酸エステル、不均化ロジン酸エステル、C9芳香族、α−メチルスチレン、C9/C5芳香族修飾脂肪族炭化水素、及びこれらのブレンドが挙げられる。
【0083】
ある実施形態では、感圧性接着剤層は、低Tg粘着付与剤、可塑剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の成分を更に含む。本明細書で使用するとき、「低ガラス転移温度粘着付与剤」という用語は、60℃未満のガラス転移温度を有する粘着付与剤を指す。代表的な低Tg粘着付与剤としては、ポリブテンが挙げられる。
【0084】
一般に、可塑剤は、直鎖ブロックコポリマーの1個若しくはそれ以上のブロック及び/又は多腕ブロックコポリマーの1個若しくはそれ以上のブロックに適合する。一般に、ブロックに適合する可塑剤は、そのブロックと混和性であり、かつ、そのブロックのTgを低下させる。代表的な可塑剤としては、ナフテン油、液体ポリブテン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、及び液体イソプレンポリマーが挙げられる。
【0085】
ある実施形態では、高ガラス転移温度粘着付与剤と、ブロックコポリマーとの総量の比は、0.8:1〜1.25:1の範囲である。ある実施形態では、高Tg粘着付与剤と、ブロックコポリマーとの総量の比は、少なくとも0.85:1、又は更に少なくとも0.9:1である。ある実施形態では、高Tg粘着付与剤と、ブロックコポリマーとの総量の比は、1.15:1以下、又は更に1.1:1以下である。
【0086】
ある実施形態では、ゴム状ブロック適合性高Tg粘着付与剤と、ガラス状ブロック適合性高Tg粘着付与剤との比は、1:1〜9:1の範囲である。ある実施形態では、ゴム状ブロック適合性高Tg粘着付与剤と、ガラス状ブロック適合性高Tg粘着付与剤との比は、少なくとも1.25:1、又は少なくとも1.5:1でさえある。ある実施形態では、ゴム状ブロック適合性高Tg粘着付与剤と、ガラス状ブロック適合性高Tg粘着付与剤との比は、4:1以下、又は更に3:1以下である。
【0087】
特に好ましい実施形態では、感圧性接着剤層は、アクリル系感圧接着剤組成物を更に含む。典型的には、感圧性接着剤層は、少なくとも約0.1部、ある実施形態では少なくとも約0.5部、少なくとも約1部、又は更に少なくとも約2部のアクリル系感圧接着剤組成物を含む。
【0088】
特定の実施形態では、感圧性接着剤層は、約10部以下、ある実施形態では約8部以下、約5部以下、又は更に約4部以下のアクリル系感圧接着剤組成物を含む。架橋ブロックコポリマーの量は、典型的には、感圧性接着剤層の総重量に対して30〜60重量部、又は30〜50重量部である。
【0089】
別の実施形態では、アクリル系感圧接着剤組成物は、40〜60重量部の量で感圧性接着剤層に含まれてもよい。この実施形態では、架橋ブロックコポリマーの量は、典型的には、感圧性接着剤層の重量に対して10〜20重量部である。
【0090】
典型的には、感圧性接着剤層のアクリル系感圧接着剤組成物は、3〜14個の炭素原子を含む非三級アルキルアルコールの1種以上のアクリル酸エステルから誘導されるアクリルポリマーである。代表的なアクリル酸エステルとしては、アクリル酸イソオクチル、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸イソボルニル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。代表的なメタクリル酸エステルとしては、これらのアクリル酸エステルのメタクリレート類似体が挙げられる。典型的には、アクリルポリマーは、例えば上記のような極性モノマーから誘導される1つ以上の単位を更に含む。
【0091】
ある実施形態では、アクリルポリマーは、少なくとも約70部、ある実施形態では少なくとも約80部、少なくとも約90部、少なくとも約95部、又は更に約100部の、少なくとも1つの、非三級アルキルアルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルを含む。ある実施形態では、アクリルポリマーは、約30部以下、ある実施形態では約20部以下、約10部以下、約5部以下、及び更に1部以下の、少なくとも1つの共重合極性モノマーを含む。ある実施形態では、アクリル接着剤組成物は、共重合極性モノマーを含まない。
【0092】
ある実施形態では、ブロックコポリマー及び高Tg粘着付与剤の組み合わせと、アクリル系感圧接着剤組成物との比は、少なくとも8.3:1である。ある実施形態では、ブロックコポリマー及び高Tg粘着付与剤の組み合わせと、アクリル系感圧接着剤組成物との比は、少なくとも12.5:1、少なくとも22:1、少なくとも90:1、又は更に少なくとも180:1である。
【0093】
ある実施形態では、ブロックコポリマー、高Tg粘着付与剤、及びアクリル系感圧接着剤組成物の組み合わせと、液体可塑剤との比が、32:1〜10:1の範囲である。ある実施形態では、ブロックコポリマー、高Tg粘着付与剤及びアクリル系感圧接着剤組成物の組み合わせと、液体可塑剤との比が、25:1以下、又は更に20:1以下である。ある実施形態では、ブロックコポリマー、高Tg粘着付与剤、及びアクリル系感圧接着剤組成物の組み合わせと、液体可塑剤との比が、少なくとも12.5:1である。
【0094】
フォーム層上に感圧性接着剤層を提供するための感圧性接着剤組成物は、当該技術分野において既知の方法を用いて作製され得る。例えば、感圧性接着剤組成物は、ブロックコポリマー、好適な粘着付与剤、任意の可塑剤、及び、アクリル系感圧接着剤組成物を含む任意のその他の添加剤類を好適な溶媒に溶解し、従来の手段(例えば、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ロッドコーティング、カーテンコーティング、スプレーコーティング、エアナイフコーティング)を用いて、剥離ライナに、又はフォーム層に直接コーティングすることによって作製され得る。ある実施形態では、感圧性接着剤層の感圧性接着剤組成物は、実質的に無溶媒プロセス(即ち、接着剤が約20重量%以下、ある実施形態では約10重量%以下、ある実施形態では約5重量%以下、ある実施形態では1重量%以下の溶媒しか含有しない、又は微量の溶媒さえ含まない(即ち、本質的に溶媒を含まない))で調製される。このような実質的に無溶媒プロセスは既知であり、例えば、カレンダー工法又はロールミル法により配合することと、押し出すこと(例えば、単軸押し出し機、2軸押し出し機、ディスク押し出し機、往復単軸押し出し機、ピンバレル単軸押し出し機(pin barrel single screw)等)とを含む。BRABENDER又はBANBURY密閉式ミキサーのような市販の設備もまた、接着剤組成物をバッチ混合するために利用可能である。配合後、接着剤をコーティングし、ダイを通して接着剤層のような所望の形態にすることができる、又は後で成形するために集めてもよい。特定の実施形態では、感圧性接着剤組成物は、フォーム層の上に押し出されてもよく、又は剥離ライナの上に押し出され、その後フォーム層に積層されてもよい。
【0095】
感圧性接着剤層は、典型的には、面積当たりの重量40〜100g/m2で、フォーム層上に適用される。
【0096】
接着剤物品の製造方法に従って、感圧層の架橋性ゴム、例えば前述の1種以上の架橋可能なブロックコポリマーは、架橋される。特定の実施形態では、架橋性ゴムは、フォーム層上の感圧性接着剤層上に電子ビーム照射を施すことにより架橋される。典型的には、電子ビーム照射は、100〜300keVの加速電圧、及び2〜9MRadの線量で実施される。特定の実施形態では、電子ビーム照射は、感圧性接着剤層及びフォーム層の境界面に収束される。別の実施形態では、電子ビームの焦点は、境界面付近、例えば境界面の約10〜30マイクロメートル内であってもよく、焦点はフォーム層又は感圧性接着剤層内にある。
【0097】
架橋性ゴムを有する感圧性接着剤組成物が、フォーム層の対向する両主面の両方に設けられる場合には、対向する両主面の両方からこのようなラミネートを、連続的に又は同時に照射するのが典型的には好ましい。
【0098】
別の実施形態では、架橋ゴムを有する感圧性接着剤層は、フォーム層の両主面の一方だけに設けられてもよい。その場合、本開示によるフォーム層は、典型的には、有用な感圧性接着特性を有しているので、残りの主面は、更なる接着剤層がない状態のままとされてもよい。代替の実施形態では、更なる接着剤層が、架橋ゴムを有する感圧性接着剤層を有する主面と反対側の主面上に設けられてもよい。そのような更なる接着剤層は、例えば、アクリル系感圧接着剤組成物、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリ−α−オレフィン等などの、任意の一般的な感圧性接着剤を含んでもよい。
【0099】
更なる実施形態では、反対側の主面上に設けられる更なる接着剤層は、熱活性化可能な接着剤層を含んでもよい。熱活性化可能な接着剤層とは、基材に接着する際にその最大接着強度を発揮するために、加熱を必要とする接着剤を意味する。熱活性化可能な接着剤は、室温(約25℃)で有用な感圧性接着剤特性を有してもよく、又は有さなくてもよい。典型的には、本開示と共に使用するための熱活性化可能な接着剤は、例えば、エチレンとプロピレンとのコポリマー、粘着付与されていてもよく又はされていなくてもよい熱可塑性ポリウレタンのフィルムなどの熱可塑性ポリマーをベースにする。
【0100】
本開示に関連した接着剤物品は、基材に接着するために使用され得る。したがって、接着剤物品の感圧性接着剤層は、物品を所望の基材に接着するために使用される。特定の実施形態では、このような基材は、例えば、45ダイン/cm未満、若しくは40ダイン/cm未満、又は35ダイン/cm以下の低表面エネルギーを有してもよい。
【0101】
接着剤物品は、例えば、エンブレム、プラスチックボディー成形品及びゴムガスケットなどの様々な構成部品を、自動車、特に車の本体に接着するのに特に好適である。例えば、一実施形態では、接着剤物品は、架橋ゴムを有するその感圧性接着剤を介して車本体に接着されてもよい。プラスチック成形品、エンブレム等は、この接着剤物品の反対側の主面に接着されてもよく、この反対側の主面は、更なる薄接着剤層を含んでいてもよく又は含んでいなくてもよい。一般に、エンブレム、プラスチック成形品又はガスケットが、最初に接着剤物品に接着され、次に、その結果得られたアセンブリが、自動車、特に車に接着されてもよい。
【0102】
別の実施形態では、接着剤物品の、架橋ゴムを含む感圧性接着剤層を有する主面と反対側の主面が、ゴムガスケットに接着されてもよい。このようなゴムガスケットは、接着剤物品のフォーム層に直接接着されてもよいが、典型的には、フォーム層上に設けられた更なる薄接着剤層を介してフォーム層に接着される。一実施形態では、このような薄接着剤層は、感圧性接着剤であってもよく、別の実施形態では、当該薄接着剤層は、熱活性化可能な接着剤を含む。
【0103】
前段落に記載されたようなゴムガスケットを備えた接着剤物品は、ドアシールを提供するために、例えば、車のドアに容易に適用され得る。
【0104】
以降、以下の非限定的な実施例を参照して、本発明を説明する。特に指定のない限り、全ての部は重量による。
【実施例】
【0105】
試験方法:
動的剪断試験:
ISO4587:2003の修正版を採用した。
【0106】
試験されるテープの特定側は、塗装された鋼鉄の基材で適用された。このテープの反対
側には、アルミニウムクーポン(50mm×25mm×1mm)が適用された。
【0107】
接着されたテープ区域は1.27cm×2.54cmで、水平に適用された。
【0108】
この試験で使用した塗装された鋼製パネルは、以下の別のセクションに記載の供給元から入手した。これら塗料に関する基本的な説明もまた、以下の別のセクションに示されている。
【0109】
n−ヘプタンをしみ込ませたティッシュで拭き取って、塗料A及び塗料Bを手入れした。水とイソプロパノールとの体積比1:1混合物をしみ込ませたティッシュで拭き取って、塗料Cを手入れした。この試験のために、塗装された鋼製パネル基材を、クーポン(50mm×30mm×1mm)に切断した。
【0110】
アルミニウムクーポンを、Scotchbrite(商標)品番7447(商標)スポンジタワシ(3M Companyより入手可能)で軽く研磨し、続いて、メチルエチルケトンをしみ込ませたティッシュで手入れして/拭き取って、最後に、水とイソプロパノールとの体積比1:1混合物をしみ込ませたティッシュで拭き取ってきれいにした。
【0111】
アセンブリは、まず、アルミニウムクーポンの処理した側に、1.27cm×2.54cm区域に切断されたテープ表面の露出した側を適用することで調製された。次に、特定テープ区域の反対側からライナを除去し、手入れされた塗装された鋼製パネルクーポンを、6.8kgのローラーを300mm/分の速度で試験片の上で2回転がして、このテープ表面に適用する。20分、24時間又は72時間経過した後、クロスヘッド速度10mm/分又は50mm/分で動的剪断強度試験を実施した。3つの試験試料を用いて試験を3回繰り返し、平均値を報告した。
【0112】
90°剥離接着試験:
以下の点を除いて、300mm/分での90°剥離接着を、Federation Internationale des Fabricants Europeens et Transformateurs d’Adhesifs et Thermocollants sur Papiers et autres Supports(FINAT)の試験法第2に従って測定した。
【0113】
以下の表にある通り、試験の前に、本開示の感圧性接着剤層を、基材上に20分、24時間及び/又は72時間静置させた。
【0114】
試験されるテープの幅は、FINAT試験に書かれている2.5cmでなく、1.27cmであった。
【0115】
片側が陽極酸化処理されかつ1.6cmの幅を有する、厚さ150μmのアルミニウムストリップの、陽極酸化処理された側を、試験されるテープの特定側に適用して、伸張不能な裏材を形成した。
【0116】
FINAT試験で必要とされている2kgではなく、6.8kgのローラーを使用して、試験されるテープを基材に適用した。6.8kgのローラーを300mm/分の速度で試験片の上を2回転がした。
【0117】
使用した基材は、以下の別のセクションに示されている供給元から入手した塗装された鋼製パネルであった。これら塗料に関する基本的な説明もまた、以下の別のセクションに示されている。n−ヘプタンをしみ込ませたティッシュで拭き取って、塗料A及び塗料Bを手入れした。水とイソプロパノールとの体積比1:1混合物をしみ込ませたティッシュで拭き取って、塗料Cを手入れした。
【0118】
結果は、FINAT試験に書かれているN/2.5cmではなく、N/cmで報告された。
【0119】
高温における静的剪断試験:
標準静的剪断試験を、高温で、Pressure Sensitive Tape Council(Chicago,III./USA)PSTC−107(手順G)に従って実施した。試験は、FINAT試験に書かれている49℃(120°F)ではなく、90℃で実施された。使用した基材は、以下の別のセクションに示されている供給元から入手した、塗装された鋼製パネルであった。これら塗料に関する基本的な説明もまた、以下の別のセクションに示されている。n−ヘプタンをしみ込ませたティッシュで拭き取って、塗料A及び塗料Bを手入れした。水とイソプロパノールとの体積比1:1混合物をしみ込ませたティッシュで拭き取って、塗料Cを手入れした。
【0120】
接着された試料区域は、(FINAT試験に書かれている1.27cm×1.27cmではなく)垂直方向2.54cm×幅方向1,27cmであった。その特定側が塗装された基材に適用される側と反対のテープ側には、150μmの厚さのアルミニウムストリップがテープ区域に重ね合わせて適用されて、PSTC−7に記載のような負荷重量の手段を提供する。このアルミニウムストリップは1.6cmの幅を有し、片側が陽極酸化処理される。このアルミニウムストリップの陽極酸化処理された側が、まずテープ区域に適用される。次に、6.8kgのローラーを使用して、試験されるテープ区域の特定側を、塗装された基材パネルに適用した。ローラーを300mm/分の速度で試験片の上を2回転がした。24時間経過した後、試験片を剪断スタンドに高温で懸下した。試験片を有する剪断スタンドを、高温に保たれた強制空気炉に10分間入れて適当な状態とし、(FINAT試験に書かれている1kgではなく)750gの荷重を、試験されるテープ区域に接着されたアルミニウムストリップの末端部から懸下した。接着結合が不良となるまでの時間を分で測定した。持ち時間が10000分が過ぎた後で、試験を中止した。
【0121】
上記試験で基材として使用された塗装金属パネルの説明:
塗料A:
DuPont Performance Coatings GmbH&Co.KG,Wuppertalより入手された、鋼板にコーティングされた、1Kアクリル粉末コーティング、ジェネレーション(generation)9、自動車塗料。
【0122】
塗料B:
DuPont Performance Coatings GmbH&Co.KG,Wuppertalより入手された、鋼板にコーティングされた、1K アクリル粉末コーティング、ジェネレーション8、自動車塗料。
【0123】
塗料C:
PPG Industries Lacke GmbH,Ingersheimより入手された、鋼板にコーティングされた、2Kクリヤーコート、ナノ粒子含有自動車塗料。
【0124】
実施例で使用した材料:
【表1】
【0125】
アクリルポリマーの調製:
45部のIOA、45部のBA、10部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.06部のIOTGを混合することにより、アクリルポリマー(AP−1)を調製した。包装フィルム(CTフィルム(Dallas,Texas)からVA−24フィルムとして販売されている厚さ0.0635mmのエチレンビニルアセテートコポリマーフィルム)から目立たない(Discreet)フィルム包装を形成した。AP−I組成物を、約10センチメートル(cm)×5cm×厚さ0.5cmであるフィルム包装内に密封した。約21℃〜約32℃に維持された水浴中に浸漬している間、包装を、約3.5ミリワット/平方センチメートル(mW/sq cm)の強度及びNIST単位で測定した場合に約1680ミリジュール/平方センチメートル(mJ/sq cm)の総エネルギーを有する紫外線(UV)に曝露した。包装の形成及び硬化方法は、米国特許第5,804,610号の実施例1に記載されており、当該特許の主題は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
85部の2−EHA、15部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.8部のIOTGを用いたことを除き、AP−1の手順に従ってアクリルポリマー2(AP−2)を調製した。同様に、95部の2−EHA、5部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.03部のIOTGを用いたことを除き、アクリルポリマー1の手順に従ってアクリルポリマー3(AP−3)を調製した。AP−2及びAP−3を、AP−1の手順に従って、包装内に入れ、紫外線エネルギーに曝露した。
【0127】
第1の薄接着剤(SA−1):
表2に示す組成物による感圧性接着剤を、60mmの共回転2軸押出成形機(Berstorffから入手可能)(「第1接着剤押出成形機」)を用いて配合した。多モードで非対称な星型ブロックコポリマー(「PASBC」)を、主題を参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,393,373号に従って調製した。ポリマーは、ポリスチレン換算法を用いて検量されたSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)により測定した、数平均分子量約4,000ダルトン及び約21,500ダルトンの2つの末端ブロックと、127,000〜147,000ダルトンの腕と、約1,100,000ダルトンの星を有していた。ポリスチレン含量は、9.5〜11.5重量%であった。高分子量である腕のモルパーセントは、約30%と推定された。
【0128】
多モードで非対称なブロックコポリマーと直鎖スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマー(KRATON 1161−D)を、第1接着剤押出成形機の第1領域に乾式注入した。ロールフィーダ押出成形機(Berstorffから入手可能)を用いて、アクリルポリマーAP−1を加熱し、第1接着剤押出成形機の第3領域に注入した。酸化防止剤(IRGANOX 1010)、紫外線吸収剤(TINUVIN 328)、着色EVA(4900 CMB)を乾式注入し、(REGALITE R l125)、(CUMAR 130)及び(NYPLAST 222B)を、第1接着剤押出成形機の様々な領域に融解注入した。
【0129】
【表2】

* 多モードで非対称な星型ブロックコポリマー
【0130】
第2薄接着剤(SA−2):
12.70%の多モードで非対称な星型ブロックコポリマー(PASBC)、53.10(重量)%のAP−1、23.30%の粘着付与樹脂(ESCOREZ 1310LC)、3.80%の粘着付与樹脂(SUPERESTER W115)、6.20%の可塑剤(SANTICIZER 141)、0.26%の酸化防止剤(IRGANOX 1010)、0.25%の紫外線吸収剤(TINUVIN 328)、及び0.38%のCMB 4900という組成物であることを除き、第1薄接着剤で記載したのと同じ方式で、感圧性接着剤を、60mmの共回転2軸押出機(Berstorffから入手可能)(「第2接着剤押出成形機」)内で配合した。
【0131】
両面発泡体テープ試料
(実施例A)
表3に示される組成物を有する発泡体コア(FC−1)を、以下の手順で配合した。黒色に着色されたEVA(4900 CMB)を、90mmの共回転2軸押出成形機(「芯押出成形機」)(Berstorff(Hannover,Germany)から入手可能)の第1領域に乾式注入した。ロールフィーダ押出成形機(Berstorffから入手可能)を用いて、アクリルポリマーAP−2及びAP−3の両方を加熱し、芯押出成形機の第2領域に注入した。DUALITE U010−185D発泡性微小球(Henkel Corporation(Gulph Mills,Pennsylvania)から入手可能な、アクリロニトリルとメタクリルニトリルとを含有するシェル組成物、及び、イソペンタンのコアを有する膨張性微小球)を芯押出成形機の第9領域に注入した。
【0132】
【表3】
【0133】
3層の共押出テープ試料を、第1薄接着剤層、中間層としての発泡体コア層、及び第2薄接着剤層を共押出成形することにより調製した。
【0134】
第2薄接着剤を、上記のように第2接着剤押出成形機内で配合し、Cloeren Inc.(Orange,Texas)から入手した3層のマルチマニフォールドフィルムダイの外層を通した。発泡体コア層を、上記のように芯押出成形機内で配合し、3層ダイの中心層に注入した。第1薄接着剤を、上記のように第1接着剤押出成形機内で配合し、第2薄接着剤と反対の、3層ダイの外層に注入した。
【0135】
ダイから出るとき、共押出された層は、シリコーンで剥離コーティングされたキャスティングロール上に注型した。このロールを、約12℃の温度の水で冷却した。冷却した押出品を、キャスティングロールから、厚さ0.117mmの両面をシリコーンでコーティングされたポリエチレン剥離ライナに転写し、キャスティングロールと同じ速度で、ウェブ輸送ラインの末端へ移動させた。第1薄接着剤は、移動後ライナと接触していたが、一方第2薄接着剤は外気にさらされていた。ライナは、ライナを混同することなく巻き付けた後、テープを巻き出すのを可能にする、特異な剥離特性を有していた。剥離ライナは当技術分野において周知であり、任意の既知の剥離ライナを使用することができる。典型的には、剥離ライナは、剥離剤でコーティングされたフィルム又は紙基材を含む。市販の剥離ライナとしては、シリコーンコーティングされた紙、及び、ポリエステルフィルムのようなシリコーンコーティングされたフィルムが挙げられるが、これらに限定されない。好適な剥離ライナはまた、3M Innovative Properties Companyに譲渡されている、米国特許第6,835,422号、同第6,805,933号、同第6,780,484号、及び同第6,204,350号にも開示されている。
【0136】
発泡体コア及び両方の接着スキンを、ライナ上に支持されている間、電子ビーム硬化を用いてウェブ上で架橋した。テープの反対面上で行う次の2つの照射工程を使用した。第1薄接着剤はポリエチレンライナを通して照射され、一方第2薄接着剤は外気にさらした状態で照射された。電子ビームユニットは、表4で提供する加速電圧及び線量条件に従って操作された、BROADBANDカーテン型電子ビーム処理装置(PCT Engineered Systems,LLC,Davenport,IA)であった。
【0137】
【表4】
【0138】
(実施例B):
光重合性モノマー(2−EHA及びAA)の混合物中に、0.04重量%の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(「Irgacure」651として入手)を撹拌した。この混合物を紫外線照射に暴露することで部分的に重合して、粘度約3000cpsのシロップを得た。このシロップに、0.20重量%の追加の「Irgacure」651及び架橋剤HDDAを添加した。このプレポリマー混合物に、充填剤Aerosil 972及びガラスバブルを添加し、空気圧モータを備えたモータ付き撹拌棒を使用してゆっくり混合した。脱気、並びに界面活性剤及び顔料の添加後、300rpmで作動する発泡機に混合物を移した。
【0139】
窒素ガスを発泡機に注入しながら、気泡シロップを、その対向面が低接着性コーティングを有する一対の透明な2軸配向されたポリエチレンテレフタレートフィルムの間のナイフコータまで、チューブを通して供給した。ナイフコータから出てくる複合物を、蛍光ブラックライト電球(Sylvania F20T12BL)の列で照射し、この放射の90%は300〜400nmであり、感圧性接着剤のフォーム層の重合を完了するための最大値は351nmであった。スペクトル感度が250〜430nm、最大350nmのEIT UV Radiometerで測定した場合の総曝露量は、1360mJ/cm2であった。照射中に両方のフィルムに空気を吹き込んで複合物を冷却して、フィルムに皺が寄るのを回避するためにフィルムの温度を85℃未満に保持した。最後に、PETプロセスライナを剥離し、後でロールの巻き取り及び巻き出しを可能にするために、両面シリコン処理剥離紙ライナを、2つのテープ表面の一方に積層した。
【0140】
【表5】
【0141】
試料1〜8:
(実施例Aを作製するのに用いた)上記第1の薄接着剤SA−1の層を、実施例Bのフォーム層の表面上に適用し、その後続く電子ビーム照射工程を経て、次の実施例を生成した。
【0142】
いくつかの方法を用いて、第1の薄接着剤層を実施例Bのフォーム層上に適用することができる。
A)薄接着剤の配合物を、両面シリコン処理された剥離キャリアライナ上にホットメルトコーティングすることにより得た転写テープを、フォーム層に積層する(積層力:典型的には50N/ウェブ幅である)工程。
B)スロットダイを使用して、フォーム層の表面上に直接ホットメルトコーティングする工程。
C)押出ラインを介し、かつ回転ロッドダイを使用して、フォーム層の表面に直接ホットメルトコーティングする工程。
D)薄接着剤の溶媒系配合物を、フォーム層上に直接塗装し、続いてオーブン乾燥工程を行う工程。
【0143】
様々な電子ビーム照射硬化条件を採用した(電子ビームチャンバ内の酸素濃度:常に50ppmを下回っていた)。
【0144】
【表6】
【0145】
様々な試料の構造をまとめて次の表に示す。
【表7】
【0146】
表7にまとめられている試料の感圧性接着剤の表面薄層を、上記試験方法を用いて得られた結果をまとめてある下表に示される通りに、基材に固着させた。
【0147】
試験結果:
【表8】
【0148】
【表9】

不良モード:
FS=発泡体分裂
Pop=パネルのポップオフ(pop off)
2B=2結合不良モード
FS/2B=発泡体分裂と2結合不良モードの複合モード
Pop sh=パネルのショッキイポップ(shocky pop)
【0149】
【表10】