(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、第1の実施形態について、
図1乃至
図5を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
【0008】
図1は、第1の実施形態に係る真空遮断器10を示す平面図である。
図2は、第1の実施形態の真空遮断器10を概略的に示す平面図である。
図3は、第1の実施形態の真空遮断器10を示す正面図である。
図4は、第1の実施形態の真空遮断器10を示す側面図である。
図5は、第1の実施形態の真空遮断器10を概略的に示す斜視図である。
【0009】
各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、真空遮断器10の幅に沿う。Y軸は、真空遮断器10の奥行きに沿う。Z軸は、真空遮断器10の高さに沿う。本実施形態において、Z軸は鉛直方向(上下方向、垂直方向)に延びる。なお、Z軸は鉛直方向に対して傾いた方向に延びても良い。
【0010】
真空遮断器10は、例えば、直流高速度真空遮断器(HSCB)であり、直流電流の遮断に用いられる。なお、真空遮断器10はこれに限らず、交流電流の遮断に用いられても良い。真空遮断器10は、例えば、スイッチギヤに搭載される。
【0011】
図2及び
図5に示すように、真空遮断器10は、固定側導電部11と、二つの真空バルブ12と、二つの可動側導電部13と、四つの主回路断路部14と、四つの支持部材15と、二つの第1のボルト16と、八つの第2のボルト17とを有する。さらに、
図3に示すように、真空遮断器10は、二つの駆動機構18を有する。固定側導電部11は、第1の導体の一例である。可動側導電部13は、第2の導体の一例である。
【0012】
図1に示すように、真空遮断器10は、八つの第1のヒートシンク21と、二つの第2のヒートシンク22と、第3のヒートシンク23と、四つの第4のヒートシンク24と、をさらに有する。
図2は、説明のため、第1乃至第4のヒートシンク21〜24を二点鎖線で概略的に示す。
図5は、説明のため、第1乃至第4のヒートシンク21〜24を省略して、真空遮断器10を示す。
【0013】
図2に示すように、固定側導電部11は、固定側導体31を有する。固定側導体31は、略矩形(四角形)の板状に形成される。固定側導体31は、タフピッチ銅、又は他の導体によって作られる。固定側導体31は、上面31aと、四つの側面31b,31c,31d,31eと、
図3に示される下面31fとを有する。
【0014】
図3に示すように、固定側導体31の上面31aは、Z軸に沿う正方向(Z軸の矢印が向く方向、上方向)に向く、略平坦な面である。下面31fは、Z軸に沿う負方向(Z軸の矢印の反対方向、下方向)に向く、略平坦な面である。言い換えると、上面31a及び下面31fは、略鉛直方向に向く。
【0015】
図2に示すように、二つの側面31b,31cは、X軸に沿う方向(左右方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。二つの側面31d,31eは、Y軸に沿う方向(前後方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。
【0016】
二つの側面31b,31cは、互いに反対側に位置し、上面31aと下面31fとを接続する。二つの側面31d,31eも、互いに反対側に位置し、上面31aと下面31fとを接続する。
【0017】
固定側導体31は、X‐Y平面で広がり、且つX軸に沿う方向に延びるよう配置される。固定側導体31の上面31a及び下面31fは、略水平方向に広がる。上面31a及び下面31fのそれぞれの面積は、側面31b,31c,31d,31eのいずれの面積よりも広い。このように、固定側導体31は、四角形の板状に形成されることで、広い表面積を有するとともに、面積の大きい上面31a及び下面31fを有する。
【0018】
固定側導体31の鉛直方向における長さ(厚さ)は、水平な方向における長さよりも短い。例えば、固定側導体31の鉛直方向における長さは、X軸に沿う方向における長さよりも短く、且つY軸に沿う方向における長さよりも短い。
【0019】
図4に示すように、真空バルブ12はそれぞれ、容器35と、固定軸36と、可動軸37とを有する。固定軸36は、第1の端子の一例である。可動軸37は、第2の端子の一例である。
【0020】
容器35は、例えば、絶縁体によって作られる。容器35の内部は、真空、又は容器35の外部よりも低い圧力に保たれる。固定軸36及び可動軸37はそれぞれ、部分的に容器35の内部に挿入される。
【0021】
固定軸36は、容器35に固定され、容器35からZ軸に沿う正方向に突出する。可動軸37は、Z軸に沿う方向に移動可能に容器35に取り付けられ、容器35からZ軸に沿う負方向に突出する。可動軸37は、固定軸36に対して相対的に移動可能である。固定軸36及び可動軸37は、略鉛直方向に延びる。
【0022】
固定軸36及び可動軸37は、タフピッチ銅、又は他の導体によって作られる。固定軸36及び可動軸37はそれぞれ電極を有し、当該電極は容器35の内部で互いに接触及び離間可能である。固定軸36及び可動軸37の電極が互いに引き外されることで、真空バルブ12は電流を遮断する。
【0023】
二つの真空バルブ12の固定軸36は、固定側導体31に接続される。例えば、固定軸36は、固定側導体31の下面31fに接触した状態で、第1のボルト16により固定側導体31に固定される。このため、固定軸36は、固定側導体31に電気的且つ熱的に接続される。なお、固定軸36は、導体を介して間接的に固定側導体31に接続されても良い。
【0024】
図3に示すように、二つの真空バルブ12は、X軸に沿う方向に互いに離間した位置で、固定側導体31に接続される。一方の真空バルブ12の固定軸36は、固定側導体31を介して、他方の真空バルブ12の固定軸36に電気的に接続される。言い換えると、二つの真空バルブ12は、固定側導体31を介して互いに電気的に接続される。このように、二つの真空バルブ12は直列に接続される。
【0025】
二つの可動側導電部13は、可動側導体41と、カップリング導体42と、接触子43と、二つの腕導体44とをそれぞれ有する。二つの腕導体44はそれぞれ、第1の部材の一例である。
【0026】
可動側導電部13の可動側導体41、カップリング導体42、接触子43、及び腕導体44はそれぞれ、タフピッチ銅、又は他の導体によって作られる。可動側導体41、カップリング導体42、接触子43、及び腕導体44は、互いに異なる材料で作られても良い。
【0027】
可動側導体41は、真空バルブ12の可動軸37に取り付けられる。可動側導体41は、例えば、可動軸37からZ軸に沿う負方向に延びる円柱状に形成される。なお、可動側導体41は、可動軸37と一体に形成されても良い。可動側導体41は、可動軸37と一体的に、固定軸36に対して相対的に移動可能である。
【0028】
カップリング導体42は、略四角柱状に形成される。カップリング導体42に、例えば、Z軸に沿う方向に延びる略円形の孔42aが設けられる。可動側導体41は、Z軸に沿う方向に移動可能に孔42aに通される。
【0029】
接触子43は、カップリング導体42に収容される。接触子43は、例えば、板バネであり、カップリング導体42に取り付けられるとともに、可動側導体41に弾性的に接触する。このため、接触子43は、可動側導体41とカップリング導体42とを電気的に接続する。
【0030】
可動側導体41がカップリング導体42に対して相対的に移動するとき、接触子43は、可動側導体41に弾性的に接触し続ける。すなわち、接触子43は、可動側導体41と摺動し、可動側導体41とカップリング導体42との電気的接続を保つ。
【0031】
二つの腕導体44はそれぞれ、略矩形(四角形)の板状に形成される。二つの腕導体44は、互いに異なる形状に形成されても良い。
図2及び
図3に示すように、腕導体44は、上面44aと、四つの側面44b,44c,44d,44eと、下面44fとを有する。
【0032】
腕導体44の上面44aは、Z軸に沿う正方向(上方向)に向く、略平坦な面である。下面44fは、Z軸に沿う負方向(下方向)に向く、略平坦な面である。言い換えると、上面44a及び下面44fは、略鉛直方向に向く。
【0033】
二つの側面44b,44cは、X軸に沿う方向(左右方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。二つの側面44d,44eは、Y軸に沿う方向(前後方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。
【0034】
二つの側面44b,44cは、互いに反対側に位置し、上面44aと下面44fとを接続する。二つの側面44d,44eも、互いに反対側に位置し、上面44aと下面44fとを接続する。
【0035】
腕導体44は、Z‐Y平面で広がり、且つY軸に沿う方向に延びるよう配置される。腕導体44の側面44b,44cは、略鉛直方向に広がる。側面44b,44cの面積は、上面44a、側面44d,44e、及び下面44fのいずれの面積よりも広い。このように、腕導体44は、四角形の板状に形成されることで、広い表面積を有するとともに、面積の大きい側面44b,44cを有する。
【0036】
腕導体44のX軸に沿う方向における長さ(厚さ)は、鉛直方向における長さ(幅)よりも短い。X軸に沿う方向は、第1の方向の一例であり、水平な一つの方向である。さらに、腕導体44のY軸に沿う方向における長さは、X軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0037】
側面44bから側面44cに向かう方向(腕導体44の厚さ方向)は、X軸に沿う。腕導体44の厚さ方向は、X軸に対して斜めに交差しても良い。しかし、腕導体44の厚さ方向は、Z軸と交差する方向であり、Z軸に沿う方向と一致しない。
【0038】
二つの腕導体44が、X軸に沿う方向に並べられる。二つの腕導体44の間に、カップリング導体42が配置される。カップリング導体42は、一方の腕導体44の側面44bに接触するとともに、他方の腕導体44の側面44cに接触する。二つの腕導体44はそれぞれ、二つの第2のボルト17によってカップリング導体42に固定される。これにより、二つの腕導体44はそれぞれ、カップリング導体42に電気的に接続される。なお、腕導体44は、例えば、ロウ付けのような他の手段によってカップリング導体42に固定されても良いし、カップリング導体42と一体成形されても良い。
【0039】
二つの腕導体44は、カップリング導体42からY軸に沿う正方向(Y軸の矢印が示す方向)に延びる。なお、二つの腕導体44は、例えば、カップリング導体42からY軸に沿う負方向(Y軸の矢印の反対方向)に延びても良いし、X軸に沿う方向に延びても良い。
【0040】
図2に示すように、腕導体44の一部は、Z軸に沿う方向(鉛直方向)に平面視したときに、固定側導電部11の外に位置する。言い換えると、腕導体44の一部は、固定側導電部11に鉛直方向に重ならない。なお、Z軸に沿う方向に平面視したときに、腕導体44の全てが固定側導電部11と重なっても良い。
【0041】
腕導体44の一方の端部44gが、カップリング導体42に接続される。端部44gは、腕導体44のY軸に沿う負方向の端部であり、側面44dと、当該側面44dに隣接する部分とを含む。
【0042】
腕導体44の他方の端部44hに、主回路断路部14が接続される。端部44hは、腕導体44のY軸に沿う正方向の端部であり、側面44eと、当該側面44eに隣接する部分とを含む。主回路断路部14は、例えばフィンガーであり、スイッチギヤの主回路に接続される。
【0043】
上述のように、
図3に示す可動側導電部13の可動側導体41が、真空バルブ12の可動軸37に取り付けられる。このため、可動側導電部13は、真空バルブ12の可動軸37に接続される。
【0044】
腕導体44は、カップリング導体42、接触子43、及び可動側導体41を介して、真空バルブ12の可動軸37に電気的且つ熱的に接続される。なお、腕導体44は、直接的に可動軸37に電気的且つ熱的に接続されても良い。
【0045】
支持部材15は、例えば、合成樹脂、又はセラミックスのような絶縁体によって作られる。支持部材15の一方の端部15aは、固定側導体31に、例えばネジによって固定される。支持部材15の他方の端部15bは、カップリング導体42に、例えばネジによって固定される。このため、支持部材15は、カップリング導体42に対して固定側導体31を保持する。言い換えると、支持部材15は、固定側導体31を支持する。
【0046】
図2に示すように、二つの支持部材15が、Y軸に沿う方向に並べられる。二つの支持部材15の間に、真空バルブ12が配置される。二つの支持部材15は、真空バルブ12を挟んで対称に配置される。支持部材15の配置はこれに限らない。
【0047】
図3に示すように、駆動機構18は、可動側導体41又は可動軸37に接続される。駆動機構18は、例えば、モータ、リンク、及びカムのような種々の要素を有し、可動側導体41及び可動軸37を、Z軸に沿う方向に移動させる。
【0048】
二つの駆動機構18は、二つの真空バルブ12の可動軸37を一体的に移動させても良いし、別々に移動させても良い。例えば、二つの駆動機構18は、共通のモータ又はアクチュエータにより駆動させられ、二つの真空バルブ12の可動軸37を移動させても良い。
【0049】
第1乃至第4のヒートシンク21〜24はそれぞれ、タフピッチ銅、又は他の導体によって作られる。第1乃至第4のヒートシンク21〜24は、高い熱伝導性を有する他の材料によって作られても良い。
【0050】
図2に示すように、八つの第1のヒートシンク21は、可動側導電部13の腕導体44の側面44b,44cに、例えばネジによって取り付けられる。腕導体44と第1のヒートシンク21との間に、例えばグリスが介在しても良い。また、第1のヒートシンク21が、ロウ付けによって腕導体44に取り付けられても良い。
図1に示すように、第1のヒートシンク21はそれぞれ、複数の第1の放熱フィン51を有する。第1の放熱フィン51は、第1のフィンの一例である。
【0051】
複数の第1の放熱フィン51を有する第1のヒートシンク21が、可動側導電部13の腕導体44に取り付けられる。言い換えると、複数の第1の放熱フィン51が、可動側導電部13に設けられる。なお、複数の第1の放熱フィン51が、腕導体44と一体に形成されても良い。
【0052】
第1の放熱フィン51は、X軸に沿う方向に突出するとともに、Z軸に沿う方向(鉛直方向)に延びる。言い換えると、第1の放熱フィン51は、第1のヒートシンク21が取り付けられた側面44b,44cが向く方向に突出する。
【0053】
それぞれの第1の放熱フィン51の、Y軸に沿う方向における長さは、鉛直方向における長さよりも短い。Y軸に沿う方向は、第4の方向の一例であり、水平な一つの方向である。さらに、第1の放熱フィン51のX軸に沿う方向における長さは、Y軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0054】
第1の放熱フィン51の厚さ方向は、Y軸に沿う。第1の放熱フィン51の厚さ方向は、Y軸に対して斜めに交差しても良い。しかし、第1の放熱フィン51の厚さ方向は、Z軸と交差する方向であり、Z軸に沿う方向と一致しない。
【0055】
二つの第2のヒートシンク22は、
図3の可動側導電部13のカップリング導体42に、例えばネジによって取り付けられる。カップリング導体42と第2のヒートシンク22との間に、例えばグリスが介在しても良い。また、第2のヒートシンク22が、ロウ付けによってカップリング導体42に取り付けられても良い。第2のヒートシンク22はそれぞれ、複数の第2の放熱フィン52を有する。第2の放熱フィン52は、第1のフィンの一例である。
【0056】
複数の第2の放熱フィン52を有する第2のヒートシンク22が、可動側導電部13のカップリング導体42に取り付けられる。言い換えると、複数の第2の放熱フィン52が、可動側導電部13に設けられる。なお、複数の第2の放熱フィン52が、カップリング導体42と一体に形成されても良い。
【0057】
第2の放熱フィン52は、Y軸に沿う方向に突出するとともに、Z軸に沿う方向(鉛直方向)に延びる。それぞれの第2の放熱フィン52の、X軸に沿う方向における長さは、鉛直方向における長さよりも短い。X軸に沿う方向は、第4の方向の一例であり、水平な一つの方向である。さらに、第2の放熱フィン52のY軸に沿う方向における長さは、X軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0058】
第2の放熱フィン52の厚さ方向は、X軸に沿う。第2の放熱フィン52の厚さ方向は、X軸に対して斜めに交差しても良い。しかし、第2の放熱フィン52の厚さ方向は、Z軸と交差する方向であり、Z軸に沿う方向と一致しない。
【0059】
図3に示すように、第3のヒートシンク23は、固定側導電部11の固定側導体31の上面31aに、例えばネジによって取り付けられる。固定側導体31と第3のヒートシンク23との間に、例えばグリスが介在しても良い。また、第3のヒートシンク23が、ロウ付けによって固定側導体31に取り付けられても良い。第3のヒートシンク23は、複数の第3の放熱フィン53を有する。第3の放熱フィン53は、第2のフィンの一例である。
【0060】
複数の第3の放熱フィン53を有する第3のヒートシンク23が、固定側導電部11の固定側導体31に取り付けられる。言い換えると、複数の第3の放熱フィン53が、固定側導電部11に設けられる。なお、複数の第3の放熱フィン53が、固定側導体31と一体に形成されても良い。
【0061】
第3の放熱フィン53は、Z軸に沿う方向に突出するとともに、X軸に沿う方向に延びる。言い換えると、第3の放熱フィン53は、第3のヒートシンク23が取り付けられた上面31aが向く方向に突出する。
【0062】
第3の放熱フィン53の、Y軸に沿う方向における長さは、鉛直方向における長さよりも短い。さらに、第3の放熱フィン53のX軸に沿う方向における長さは、Y軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0063】
図1に示すように、四つの第4のヒートシンク24は、固定側導電部11の固定側導体31の側面31b,31c,31d,31eに、例えばネジによって取り付けられる。固定側導体31と第4のヒートシンク24との間に、例えばグリスが介在しても良い。また、第4のヒートシンク24が、ロウ付けによって固定側導体31に取り付けられても良い。第4のヒートシンク24はそれぞれ、複数の第4の放熱フィン54を有する。第4の放熱フィン54は、第2のフィンの一例である。
【0064】
複数の第4の放熱フィン54を有する第4のヒートシンク24が、固定側導電部11の固定側導体31に取り付けられる。言い換えると、複数の第4の放熱フィン54が、固定側導電部11に設けられる。なお、複数の第4の放熱フィン54が、固定側導体31と一体に形成されても良い。
【0065】
側面31b,31cに取り付けられた第4のヒートシンク24の第4の放熱フィン54は、X軸に沿う方向に突出するとともに、Z軸に沿う方向(鉛直方向)に延びる。側面31d,31eに取り付けられた第4のヒートシンク24の第4の放熱フィン54は、Y軸に沿う方向に突出するとともに、Z軸に沿う方向(鉛直方向)に延びる。言い換えると、第4の放熱フィン54は、第4のヒートシンク24が取り付けられた側面31b,31c,31d,31eが向く方向に突出する。
【0066】
側面31b,31cに取り付けられた第4のヒートシンク24の第4の放熱フィン54の、Y軸に沿う方向における長さは、鉛直方向における長さよりも短い。Y軸に沿う方向は、第5の方向の一例であり、水平な一つの方向である。当該第4の放熱フィン54の厚さ方向は、Y軸に沿う。さらに、当該第4の放熱フィン54のX軸に沿う方向における長さは、Y軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0067】
側面31d,31eに取り付けられた第4のヒートシンク24の第4の放熱フィン54の、X軸に沿う方向における長さは、鉛直方向における長さよりも短い。X軸に沿う方向は、第5の方向の一例であり、水平な一つの方向である。当該第4の放熱フィン54の厚さ方向は、X軸に沿う。さらに、当該第4の放熱フィン54のY軸に沿う方向における長さは、X軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0068】
第4の放熱フィン54の厚さ方向は、X軸又はY軸に対して斜めに交差しても良い。しかし、第4の放熱フィン54の厚さ方向は、Z軸と交差する方向であり、Z軸に沿う方向と一致しない。
【0069】
真空遮断器10に電気が流れるとき、及び真空遮断器10が電流を遮断するとき、真空バルブ12が発熱する。具体的には、真空バルブ12の内部で、電気抵抗やアークによる熱が発生する。
【0070】
真空バルブ12の熱は、
図3に示される固定軸36を通じて、固定側導電部11に伝導する。さらに、真空バルブ12の熱は、可動軸37を通じて、可動側導電部13に伝導する。固定側導電部11及び可動側導電部13からも、電気抵抗による熱が発生する。
【0071】
固定側導電部11に伝導した熱は、固定側導電部11に設けられた第3のヒートシンク23及び第4のヒートシンク24に伝導する。第3のヒートシンク23及び第4のヒートシンク24の熱は、複数の第3の放熱フィン53及び複数の第4の放熱フィン54から放出される。また、固定側導体31からも、熱が放出される。
【0072】
第3の放熱フィン53から放出された熱は、周りの気体を加熱し、
図3に矢印で示す上昇気流Fを発生させる。第3の放熱フィン53は鉛直方向に延び、上昇気流Fを遮り難い。言い換えると、上昇気流Fは、第3の放熱フィン53に沿って上る。このように生ずる対流により、第3のヒートシンク23及び固定側導電部11が冷却される。
【0073】
第4の放熱フィン54から放出された熱は、周りの気体を加熱し、上昇気流Fを発生させる。第4の放熱フィン54は鉛直方向に延び、上昇気流Fを遮り難い。言い換えると、上昇気流Fは、第4の放熱フィン54に沿って上る。このように生ずる対流により、第4のヒートシンク24及び固定側導電部11が冷却される。
【0074】
可動側導電部13に伝導した熱は、可動側導電部13に設けられた第1のヒートシンク21及び第2のヒートシンク22に伝導する。第1のヒートシンク21及び第2のヒートシンク22の熱は、複数の第1の放熱フィン51及び複数の第2の放熱フィン52から放出される。また、可動側導電部13の可動側導体41、カップリング導体42、接触子43、及び腕導体44からも、熱が放出される。
【0075】
第1の放熱フィン51から放出された熱は、周りの気体を加熱し、上昇気流Fを発生させる。第1の放熱フィン51は鉛直方向に延び、上昇気流Fを遮り難い。言い換えると、上昇気流Fは、第1の放熱フィン51に沿って上る。このように生ずる対流により、第1のヒートシンク21及び可動側導電部13の腕導体44が冷却される。
【0076】
第2の放熱フィン52から放出された熱は、周りの気体を加熱し、上昇気流Fを発生させる。第2の放熱フィン52は鉛直方向に延び、上昇気流Fを遮り難い。言い換えると、上昇気流Fは、第2の放熱フィン52に沿って上る。このように生ずる対流により、第2のヒートシンク22及び可動側導電部13のカップリング導体42が冷却される。
【0077】
腕導体44から放出された熱は、周りの気体を加熱し、上昇気流Fを発生させる。腕導体44は鉛直方向に延び、上昇気流Fを遮り難い。例えば、上昇気流Fは、腕導体44の側面44b,44cに沿って上る。このように生ずる対流により、可動側導電部13の腕導体44が冷却される。
【0078】
図3に示すように、Y軸に沿う方向に平面視した場合、固定側導電部11及び可動側導電部13はそれぞれ、真空バルブ12の外に位置し、真空バルブ12と重ならない。このため、真空バルブ12の周りに、開放部Sが設けられる。開放部Sが設けられることで、真空バルブ12に高電圧が印加されるときに、真空遮断器10を流れる電気に影響が生じることが抑制される。
【0079】
腕導体44により生じた上昇気流Fが、固定側導体31にぶつかることがある。しかし、上昇気流Fは固定側導体31に沿って流れ、開放部Sから真空遮断器10の外に出る。このため、対流が大きくなり、可動側導電部13の腕導体44がより冷却されやすい。
【0080】
固定側導体31に、Z軸に沿う方向に延びる孔やスリットが設けられても良い。上昇気流Fが当該孔を通ることにより、対流が大きくなり、可動側導電部13の腕導体44がより冷却されやすい。
【0081】
固定側導体31及び腕導体44は、板状の導体を切断し、孔を空けるだけで容易に形成される。固定側導体31は、第1のボルト16により容易に真空バルブ12の固定軸36に接続される。腕導体44は、第2のボルト17により容易にカップリング導体42に接続される。
【0082】
以上説明された第1の実施形態に係る真空遮断器10において、真空バルブ12の内部で電気抵抗やアークによる熱が発生する。このため、真空バルブ12の固定軸36と可動軸37との温度は上昇しやすい。可動軸37から腕導体44に伝導した熱は、腕導体44から放出され、上昇気流Fを生じさせる。本実施形態において、可動側導電部13の腕導体44は、水平な一つの方向であるX軸に沿う方向における長さが鉛直方向における長さよりも短い。このため、上昇気流Fが腕導体44に遮られることが抑制され、対流により腕導体44が冷却される。従って、真空遮断器10は、冷却されやすく、通電性能が向上し得る。
【0083】
腕導体44は、四角形の板状に形成される。これにより、腕導体44の表面積が大きく確保され、腕導体44が冷却されやすくなる。さらに、本実施形態の真空遮断器10は、単純な構造を有する腕導体44を有することにより、冷却されやすくなる。従って、真空遮断器10の製造コストの増大が抑制され得る。
【0084】
一般的に、真空遮断器10に大きな電流が流れると、真空遮断器10の温度が大きく上昇する。このため、真空遮断器10の通電性能を向上させるために、真空遮断器10の冷却性能を向上させることが行われる。本実施形態において、真空遮断器10の冷却性能が向上するため、真空遮断器10の通電性能が向上し得る。
【0085】
腕導体44の少なくとも一部は、鉛直方向に平面視したときに固定側導電部11の外に位置する。これにより、腕導体44から放出された熱によって生じた上昇気流Fが、固定側導電部11により遮られることが抑制される。従って、対流により腕導体44及び真空遮断器10が冷却されやすくなる。
【0086】
可動側導電部13に、複数の第1の放熱フィン51及び第2の放熱フィン52が設けられる。これにより、可動側導電部13の表面積が大きく確保され、可動側導電部13がより冷却されやすい。
【0087】
複数の第1の放熱フィン51及び第2の放熱フィン52は、水平な方向であるX軸に沿う方向又はY軸に沿う方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い。これにより、可動側導電部13から放出された熱により発生した上昇気流Fが、複数の第1の放熱フィン51及び第2の放熱フィン52により遮られることが抑制される。従って、可動側導電部13がより冷却されやすい。
【0088】
固定側導電部11に、複数の第4の放熱フィン54が設けられる。これにより、固定側導電部11の表面積が大きく確保され、固定側導電部11がより冷却されやすい。
【0089】
複数の第4の放熱フィン54は、水平な方向であるX軸に沿う方向又はY軸に沿う方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い。これにより、固定側導電部11から放出された熱により発生した上昇気流Fが、複数の第4の放熱フィン54により遮られることが抑制される。従って、固定側導電部11がより冷却されやすい。
【0090】
以下に、第2の実施形態について、
図6乃至
図10を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0091】
図6は、第2の実施形態に係る真空遮断器10を示す平面図である。
図7は、第2の実施形態の真空遮断器10を概略的に示す平面図である。
図7は、第1乃至第4のヒートシンク21〜24を二点鎖線で示す。
図8は、第2の実施形態の真空遮断器10を示す正面図である。
図9は、第2の実施形態の真空遮断器10を示す側面図である。
図10は、第2の実施形態の真空遮断器10を概略的に示す斜視図である。
図10は、第1乃至第4のヒートシンク21〜24を省略して、真空遮断器10を示す。
【0092】
図7に示すように、第2の実施形態の固定側導電部11は、固定側導体31の代わりに、二つの第1の固定側導体61と、二つの第2の固定側導体62とを有する。第1の固定側導体61は、第2の部材の一例である。第2の固定側導体62は、第3の部材の一例である。第1の固定側導体61及び第2の固定側導体62はそれぞれ、タフピッチ銅、又は他の導体によって作られる。
【0093】
第1の固定側導体61は、略四角形の板状に形成される。二つの第1の固定側導体61はそれぞれ、上面61aと、四つの側面61b,61c,61d,61eと、
図9に示される下面61fとを有する。
【0094】
図9に示すように、第1の固定側導体61の上面61aは、Z軸に沿う正方向(上方向)に向く、略平坦な面である。下面61fは、Z軸に沿う負方向(Z軸の矢印の反対方向、下方向)に向く、略平坦な面である。言い換えると、上面61a及び下面61fは、略鉛直方向に向く。
【0095】
図7に示すように、二つの側面61b,61cは、X軸に沿う方向(左右方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。二つの側面61d,61eは、Y軸に沿う方向(前後方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。
【0096】
二つの側面61b,61cは、互いに反対側に位置し、上面61aと下面61fとを接続する。二つの側面61d,61eも、互いに反対側に位置し、上面61aと下面61fとを接続する。
【0097】
第1の固定側導体61は、X‐Y平面で広がるよう配置される。第1の固定側導体61の上面61a及び下面61fは、略水平方向に広がる。上面61a及び下面61fのそれぞれの面積は、側面61b,61c,61d,61eのいずれの面積よりも広い。このように、第1の固定側導体61は、四角形の板状に形成されることで、広い表面積を有するとともに、面積の大きい上面61a及び下面61fを有する。
【0098】
第1の固定側導体61の鉛直方向における長さ(厚さ)は、水平な方向における長さよりも短い。例えば、第1の固定側導体61の鉛直方向における長さは、X軸に沿う方向における長さよりも短く、且つY軸に沿う方向における長さよりも短い。
【0099】
図9に示すように、二つの真空バルブ12の固定軸36は、二つの第1の固定側導体61に接続される。例えば、固定軸36は、第1の固定側導体61の下面61fに接触した状態で、第1のボルト16により第1の固定側導体61に固定される。このため、固定軸36は、第1の固定側導体61に電気的且つ熱的に接続される。なお、固定軸36は、導体を介して間接的に第1の固定側導体61に接続されても良い。
【0100】
図7に示すように、第2の固定側導体62は、略矩形(四角形)の板状に形成される。二つの第2の固定側導体62はそれぞれ、上面62aと、四つの側面62b,62c,62d,62eと、
図8に示される下面62fとを有する。
【0101】
図8に示すように、第2の固定側導体62の上面62aは、Z軸に沿う正方向(上方向)に向く、略平坦な面である。下面62fは、Z軸に沿う負方向(下方向)に向く、略平坦な面である。言い換えると、上面62a及び下面62fは、略鉛直方向に向く。
【0102】
図7に示すように、二つの側面62b,62cは、X軸に沿う方向(左右方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。二つの側面62d,62eは、Y軸に沿う方向(前後方向、略水平方向)に向く、略平坦な面である。
【0103】
二つの側面62b,62cは、互いに反対側に位置し、上面62aと下面62fとを接続する。二つの側面62d,62eも、互いに反対側に位置し、上面62aと下面62fとを接続する。
【0104】
第2の固定側導体62は、X‐Z平面で広がり、且つX軸に沿う方向に延びるよう配置される。第2の固定側導体62の側面62d,62eは、略鉛直方向に広がる。側面62d,62eのそれぞれの面積は、上面62a、側面62b,62c、及び下面62fのいずれの面積よりも広い。このように、第2の固定側導体62は、四角形の板状に形成されることで、広い表面積を有するとともに、面積の大きい側面62d,62eを有する。
【0105】
第2の固定側導体62のY軸に沿う方向における長さ(厚さ)は、鉛直方向における長さ(幅)よりも短い。Y軸に沿う方向は、第3の方向の一例であり、水平な一つの方向である。さらに、第2の固定側導体62のX軸に沿う方向における長さは、Y軸に沿う方向における長さよりも長い。
【0106】
側面62dから側面62eに向かう方向(第2の固定側導体62の厚さ方向)は、Y軸に沿う。第2の固定側導体62の厚さ方向は、Y軸に対して斜めに交差しても良い。しかし、第2の固定側導体62の厚さ方向は、Z軸と交差する方向であり、Z軸に沿う方向と一致しない。
【0107】
二つの第2の固定側導体62はそれぞれ、二つの第1の固定側導体61を接続する。言い換えると、二つの第1の固定側導体61はそれぞれ、第2の固定側導体62に接続される。
【0108】
二つの第2の固定側導体62が、Y軸に沿う方向に並べられる。二つの第2の固定側導体62の間に、二つの第1の固定側導体61が配置される。第1の固定側導体61の側面61dは、一方の第2の固定側導体62の側面62eに接触する。第1の固定側導体61の側面61eは、他方の第2の固定側導体62の側面62dに接触する。
【0109】
二つの第2の固定側導体62はそれぞれ、四つの第3のボルト65によって二つの第1の固定側導体61に固定される。これにより、二つの第2の固定側導体62はそれぞれ、二つの第1の固定側導体61に電気的に接続される。なお、第2の固定側導体62はそれぞれ、例えば、ロウ付けのような他の手段によって第1の固定側導体61に固定されても良い。
【0110】
第2の固定側導体62の上面62aは、第1の固定側導体61の上面61aと、略同一平面を形成する。第2の固定側導体62は、第1の固定側導体61の側面61d,61eからZ軸に沿う下方向(鉛直方向)に延びる。
【0111】
二つの第1の固定側導体61は、X軸に沿う方向において互いに離間している。X軸に沿う方向は、第2の方向の一例であり、水平な一つの方向である。このため、二つの第1の固定側導体61の間に、開口67が形成される。
【0112】
開口67は、固定側導電部11に設けられ、固定側導電部11をZ軸に沿う方向に貫通する孔である。開口67は、二つの第1の固定側導体61と、二つの第2の固定側導体62とによって囲まれる。
【0113】
図8に示すように、第2の実施形態の支持部材15の端部15aは、第2の固定側導体62の下面62fに固定される。このため、支持部材15は、第2の固定側導体62を支持する。
【0114】
第2の実施形態の真空遮断器10は、二つの第3のヒートシンク23を有する。二つの第3のヒートシンク23は、二つの第1の固定側導体61の上面61aに取り付けられる。第3のヒートシンク23の一部は、第2の固定側導体62の上面62aの上にも設けられる。二つの第3のヒートシンク23は、X軸に沿う方向に互いに離間する。
【0115】
図6に示すように、第2の実施形態において、四つの第4のヒートシンク24は、二つの第2の固定側導体62の側面62d,62eに取り付けられる。第4のヒートシンク24の第4の放熱フィン54は、Y軸に沿う方向に突出するとともに、Z軸に沿う方向(鉛直方向)に延びる。
【0116】
上述のように、真空バルブ12の熱は、固定軸36を通じて、固定側導電部11に伝導する。固定側導電部11に伝導した熱は、固定側導電部11に設けられた第3のヒートシンク23及び第4のヒートシンク24に伝導する。第3のヒートシンク23及び第4のヒートシンク24の熱は、複数の第3の放熱フィン53及び複数の第4の放熱フィン54から放出される。また、第1の固定側導体61及び第2の固定側導体62からも、熱が放出される。
【0117】
図8に示すように、第1の固定側導体61、第2の固定側導体62、第3の放熱フィン53、及び第4の放熱フィン54から放出された熱は、上昇気流Fを発生させる。開口67が固定側導電部11に設けられるため、上昇気流Fは開口67を通って上る。すなわち、固定側導電部11が上昇気流Fを遮ることが抑制され、対流により第4のヒートシンク24及び固定側導電部11が冷却される。
【0118】
さらに、可動側導電部13、第1の放熱フィン51、及び第2の放熱フィン52から放出された熱が発生させる上昇気流Fも、開口67を通る。すなわち、固定側導電部11が上昇気流Fを遮ることが抑制され、対流により第1のヒートシンク21、第2のヒートシンク22、及び可動側導電部13が冷却される。
【0119】
以上説明された第2の実施形態の真空遮断器10において、固定軸36から固定側導電部11に伝導した熱は、固定側導電部11の第1の固定側導体61及び第2の固定側導体62から放出され、上昇気流Fを生じさせる。本実施形態において、第2の固定側導体62は、水平な一つの方向であるY軸に沿う方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い。このため、上昇気流Fが第2の固定側導体62に遮られることが抑制される。さらに、二つの第1の固定側導体61は、水平な一つの方向であるX軸に沿う方向において互いに離間する。このため、第1の固定側導体61及び第2の固定側導体62から放出された熱により発生した上昇気流Fが、二つの第1の固定側導体61の間の開口67を通ることができる。すなわち、上昇気流Fが第1の固定側導体61に遮られることが抑制される。以上により、対流が大きくなり、対流により固定側導電部11がより冷却されやすくなる。
【0120】
二つの第1の固定側導体61を、第2の固定側導体62が接続する。これにより、固定側導電部11に開口67が設けられても、固定側導電部11における通電面積が低減することが抑制される。
【0121】
以上の実施形態において、固定軸36及び可動軸37は、略水平方向に延びても良い。この場合、固定側導体31又は第1の固定側導体61の、水平な一つの方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短くなる。従って、上昇気流Fが固定側導体31又は第1の固定側導体61に沿って上り、対流により固定側導電部11がより冷却されやすくなる。
【0122】
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、真空バルブに接続される第1の部材の、水平な一つの方向である第1の方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い。これにより、単純な構造を有する第1の部材により真空遮断器が冷却されやすくなり、真空遮断器の製造コストが増大することが抑制され得る。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
第1の導体と、
前記第1の導体に接続される第1の端子と、前記第1の端子に対して相対的に移動可能な第2の端子と、をそれぞれ有し、前記第1の導体を介して互いに電気的に接続された、二つの真空バルブと、
水平な一つの方向である第1の方向における長さが鉛直方向における長さよりも短い第1の部材をそれぞれ有し、前記二つの真空バルブの前記第2の端子に接続される、二つの第2の導体と、
を具備する真空遮断器。
[2]
前記第1の部材の少なくとも一部は、鉛直方向に平面視したときに前記第1の導体の外に位置する、[1]の真空遮断器。
[3]
前記第1の導体は、前記二つの真空バルブの前記第1の端子にそれぞれ接続される二つの第2の部材と、前記二つの第2の部材を接続する第3の部材と、を有し、
前記二つの第2の部材は、水平な一つの方向である第2の方向において互いに離間し、
前記第3の部材は、水平な一つの方向である第3の方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い、
[1]又は[2]の真空遮断器。
[4]
前記第2の導体に設けられ、水平な一つの方向である第4の方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い、複数の第1のフィン、をさらに具備する[1]乃至[3]のいずれか一つの真空遮断器。
[5]
前記第1の導体に設けられ、水平な一つの方向である第5の方向における長さが、鉛直方向における長さよりも短い、複数の第2のフィン、をさらに具備する[1]乃至[4]のいずれか一つの真空遮断器。