特許第6773031号(P6773031)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6773031容器、並びに、自己粘着体の製造方法及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6773031
(24)【登録日】2020年10月5日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】容器、並びに、自己粘着体の製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/20 20060101AFI20201012BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   B65D33/20
   B65D5/66 301G
【請求項の数】13
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-523157(P2017-523157)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2016063493
(87)【国際公開番号】WO2016199523
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2019年4月17日
(31)【優先権主張番号】特願2015-115999(P2015-115999)
(32)【優先日】2015年6月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典輝
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】安部 光智
(72)【発明者】
【氏名】曽根 篤
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−521195(JP,A)
【文献】 特開2008−265839(JP,A)
【文献】 実開昭57−105218(JP,U)
【文献】 特開2008−155987(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0131926(US,A1)
【文献】 特開2010−254961(JP,A)
【文献】 特開2007−039607(JP,A)
【文献】 特開2006−176693(JP,A)
【文献】 特開平08−169485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00− 33/38
B65D 5/66
C08J 9/00− 9/42
C09J 9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する空間と、前記空間と外部とを連通する開口部と、を有し、
N−メチロール基を有し、ガラス転移温度が−22.8℃以上である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)の架橋体からなる自己粘着体(E)により、前記開口部を繰り返し開封及び封止可能である容器。
【請求項2】
前記内容物を収容する前記空間を有し、前記開口部が形成された容器本体と、前記容器本体の前記開口部を覆うことが可能な蓋体と、を備える容器であって、
前記容器の閉鎖の姿勢において、前記容器本体と前記蓋体とは互いに当接する当接部分を有し、
前記自己粘着体(E)が、前記当接部分の少なくとも一部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)のガラス転移温度が−10℃以下である、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)ゲル分率が70%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記樹脂組成物(C)が、発泡された樹脂組成物発泡体(D)である、請求項1〜4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記樹脂組成物(C)が、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)100質量部に対して、カルボジイミド系架橋剤(B1)0.1〜20質量部を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
前記容器が、紙又はプラスチック製容器である請求項1〜6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の容器に配置する自己粘着体(E)の製造方法であって、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び前記架橋剤(B)を含む前記樹脂組成物(C)を作製する樹脂組成物作製工程と、
前記樹脂組成物(C)を架橋させる架橋工程と、
を含む、自己粘着体(E)の製造方法。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれかに記載の容器に配置する自己粘着体(E)の製造方法であって、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び前記架橋剤(B)を含む前記樹脂組成物(C)を作製する樹脂組成物作製工程と、
前記樹脂組成物(C)を発泡させ、樹脂組成物発泡体(D)を作製する発泡工程と、
前記樹脂組成物発泡体(D)を架橋させる架橋工程と、
を含む、自己粘着体(E)の製造方法。
【請求項10】
前記架橋工程を前記容器の表面で行う、請求項8又は9に記載の自己粘着体(E)の製造方法。
【請求項11】
内容物を収容する空間と、前記空間と外部とを連通する開口部と、を有し、前記開口部を繰り返し開封及び封止可能である容器における、前記開口部を封止するための接着用途への自己粘着体(E)の使用方法であって、
前記自己粘着体(E)はN−メチロール基を有し、ガラス転移温度が−22.8℃以上である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)の架橋体からなる、
自己粘着体(E)の使用方法。
【請求項12】
前記容器が、前記内容物を収容する前記空間を有し、前記開口部が形成された容器本体と、前記容器本体の前記開口部を覆うことが可能な蓋体と、を備え、
前記接着が、前記容器本体と前記蓋体との当接部分の接着である、請求項11に記載の自己粘着体(E)の使用方法。
【請求項13】
前記自己粘着体(E)が発泡体である、請求項11又は12に記載の自己粘着体(E)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し封止可能な容器、並びに、該容器に配置する自己粘着体の製造方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
菓子等の包装容器には、従来、厚紙製の箱型容器が使用される。このような容器は、通常、開口部を有するカップ形の底容器、及び、該底容器の上縁部(通常、矩形の開口部の一辺)に蝶番留めされたカップ形の上蓋(以下、「蝶番式蓋」ということがある。)を有し、上縁部を中心に蝶番式蓋を回転させることにより、容器を開閉することが可能となっている。
【0003】
蝶番式蓋を有する容器にチョコレート等の菓子を封入する場合、製造機から出された菓子は、通常、所定個数ごとに樹脂製のフィルムにアルミ蒸着を施した複合フィルム等により包装されて密閉された後、紙製の箱に入れられる。
【0004】
蝶番式蓋を有する容器を封止する方法として、種々の方法が検討されている。例えば、特許文献1には、カップ形容器、カップ形蓋、及び、カップ形容器の開放端部から外方へ突出するカラーから成る箱において、カップ形蓋が内強化タブを有する前壁を有し、前壁の一部がカラーの一部へ粘着されており、前壁の一部又はカラーの一部を破断することにより開封する箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−169485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、蝶番式蓋を有する容器の開封前の封止技術に関するものであり、開封時には部材の破断を伴うため、開封後に再度容器を封止することができなかった。
上記例示した菓子の場合には容器の内側の複合フィルムを開封することにより、包装容器の気密性が損なわれ、内容物が劣化し易くなる。そのため、初回の開封後に、再度、密閉性を付与可能な容器が求められていた。
【0007】
そこで本発明は、初回の開封後に繰り返し封止することが可能な容器、並びに、該容器に用いる自己粘着体の製造方法及び使用方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の第1の態様は、内容物を収容する空間と、上記空間と外部とを連通する開口部と、を有し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)の架橋体からなる自己粘着体(E)により、上記開口部を繰り返し開封及び封止可能である容器である。
【0009】
本発明において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル、及び/又は、メタクリル」を意味する。
また、「樹脂組成物物(C)の架橋体」とは、樹脂組成物物(C)中において、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子内又は分子間に、架橋構造が形成されている架橋体ことを意味する。
【0010】
本発明の第1の態様に係る容器は、上記内容物を収容する上記空間を有し、上記開口部が形成された容器本体と、上記容器本体の上記開口部を覆うことが可能な蓋体と、を備える容器であって、上記容器の閉鎖の姿勢において、上記容器本体と上記蓋体とは互いに当接する当接部分を有し、上記自己粘着体(E)が、上記当接部分の少なくとも一部に配置されていてもよい。
【0011】
本発明の第1の態様において、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)のガラス転移温度が−10℃以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の第1の態様において、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)がN−メチロール基を有し、且つ、ゲル分率が70%以下であることが好ましい。
【0013】
本発明の第1の態様において、上記樹脂組成物(C)が、発泡された樹脂組成物発泡体(D)であることが好ましい。
【0014】
本発明の第1の態様において、樹脂組成物(C)が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)100質量部に対して、カルボジイミド系架橋剤(B1)0.1〜20質量部を含むことが好ましい。
【0015】
本発明の第1の態様において、容器が、紙製容器であることが好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様に係る容器に配置する自己粘着体(E)の製造方法であって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)を作製する樹脂組成物作製工程と、樹脂組成物(C)を架橋させる架橋工程と、を含む、自己粘着体(E)の製造方法;又は、上記本発明の第1の態様に係る容器に配置する自己粘着体(E)の製造方法であって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)を作製する樹脂組成物作製工程と、樹脂組成物(C)を発泡させ、樹脂組成物発泡体(D)を作製する発泡工程と、樹脂組成物発泡体(D)を架橋させる架橋工程と、を含む、自己粘着体(E)の製造方法である。
【0017】
本発明の第2の態様において、上記架橋工程を上記容器の表面で行うことが好ましい。
【0018】
本発明の第3の態様は、内容物を収容する空間と、上記空間と外部とを連通する開口部とを有し、上記開口部を繰り返し開封及び封止可能である容器における、上記開口部を封止するための接着用途への自己粘着体(E)の使用方法である。
【0019】
本発明の第3の態様において、上記容器が、上記内容物を収容する上記空間を有し、上記開口部が形成された容器本体と、上記容器本体の上記開口部を覆うことが可能な蓋体と、を備え、上記接着が、上記容器本体と上記蓋体との当接部分の接着であってもよい。
【0020】
本発明の第3の態様において、上記自己粘着体(E)が発泡体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、初回の開封後に繰り返し封止することが可能な容器、並びに、該容器に用いる自己粘着体の製造方法及び使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1(a)は容器10の開放の姿勢を示す斜視図、図1(b)は容器10の閉鎖の姿勢を示す斜視図である。
図2図2(a)、(c)、(d)はそれぞれ、容器20、30、40の開放の姿勢を示す斜視図、図2(b)は容器20の閉鎖の姿勢を示す斜視図である。
図3図3(a)は容器50の閉鎖の姿勢を示す斜視図、図3(b)は容器50の開放の姿勢を示す斜視図である。
図4図4(a)、(b)はそれぞれ、容器60、70の開放の姿勢を示す斜視図である。
図5図5(a)は容器80の閉鎖の姿勢を示す斜視図、図5(b)は容器80の開放の姿勢を示す斜視図である。
図6図6(a)、(b)はそれぞれ、容器90、100の開放の姿勢を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る容器の開放及び閉鎖の姿勢を示す斜視図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態に係る容器の開放及び閉鎖の姿勢を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る自己粘着体(E)の製造方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。また、各図では、必要に応じて部材を省略及び/又は透視して表す。
【0024】
1.容器
本発明の容器は、内容物を収容する空間と、上記空間と外部とを連通する開口部と、を有し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)を架橋させてなる自己粘着体(E)により、上記開口部を繰り返し開封及び封止可能である容器である。
以下、本発明の一実施形態に係る容器10について、図1を参照しつつ説明する。
【0025】
図1(a)は容器10の開放の姿勢における斜視図、図1(b)は容器10の閉鎖の姿勢における斜視図である。容器10はボトムシール型の容器であり、内容物を収容する空間1と、上記空間1と外部とを連通する開口部2と、を有している。容器10において、開口部2を形成する容器10の対向する部位10a及び10bのうち、少なくとも一方の容器内側の面には自己粘着体(E)3が配置されている。自己粘着体(E)の粘着様式には、シートの材質自体の粘着性を利用した糊粘着と、シートに形成される微細な空孔を利用した吸盤効果による被着体への吸着とがあり、自己粘着体(E)は、一方又は両方の粘着様式により被着体に粘着することができる。自己粘着体(E)は、糊残りがなく貼り直しが容易である。
【0026】
容器10は、図1(a)に示す開放の姿勢において部位10aと10bとを容器外側から押圧することにより、図1(b)に示す閉鎖の姿勢を容易にとることが可能となっている。このとき、部位10a及び10bのうち一方の容器内側の面に自己粘着体(E)3が配置されている場合には自己粘着体(E)3が対向する部位10a若しくは10bの容器内面に自己粘着することにより、又は、部位10a及び10bのうち両方の容器内側の面に自己粘着体(E)3が配置されている場合には自己粘着体(E)3同士が自己粘着することにより、容器10が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。容器10を再度開封する際には、容器10の上縁から容器内に指等を入れ、開口部2上部の空間を押し広げることにより、自己粘着体(E)3と部位10a若しくは10bと、又は、自己粘着体(E)3同士が脱離し、容易に開封することができる。開封の際、自己粘着体(E)3の自己粘着性は損なわれることがないため、上記容器10の封止及び開封を繰り返し行うことができる。なお、自己粘着体(E)3同士が自己粘着する形態は、容器10が、自己粘着体(E)6が自己粘着し難い材質により構成されていた場合に、特に好ましく採用することができる。
【0027】
次に、本発明の他の実施形態に係る容器20、30、40について、図2を参照しつつ説明する。図2(a)は容器20の開放の姿勢を、図1(a)と同一の視点から見た図である。また、図2(b)は容器20の閉鎖の姿勢を、図1(b)と同一の視点から見た図である。容器20は封筒型の容器であり、内容物を収容する空間11を有し、開口部12が形成された容器本体4と、容器本体4の開口部12を覆うことが可能な蓋体5と、を備えており、容器本体4と蓋体5とは容器本体4の上部縁6で接合している。蓋体5は蝶番式蓋であり、上部縁6を中心に回動することにより、開放の姿勢(少なくとも図2(a))及び閉鎖の姿勢(図2(b))をとることが可能となっている。図2(b)に示すように、容器20の閉鎖の姿勢において、容器本体4と蓋体5とは互いに当接する当接部分を有しており、当接部分の少なくとも一部に自己粘着体(E)13が配置されている。
【0028】
容器20において、自己粘着体(E)13は容器本体4に接着固定されており、容器20の閉鎖時には自己粘着体(E)13が蓋体5の裏面に自己粘着し、容器20が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。容器20を再度開封する際には、蓋体5の下縁に爪等を引っ掛ける等することにより、自己粘着体(E)13と蓋体5とが脱離し、容易に開封することができる。開封の際、自己粘着体(E)13の自己粘着性は損なわれることがないため、上記容器20の封止及び開封を繰り返し行うことができる。
【0029】
次に容器30について、図2(c)を参照しつつ説明する。図2(c)は容器30の開放の姿勢を、図2(a)と同一の視点から見た図である。容器30では、自己粘着体(E)13が蓋体5の裏面に配置され、接着固定されている。その他の構成は容器20と同様である。容器30の閉鎖時には自己粘着体(E)13が容器本体4の表面に自己粘着し、容器30が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。また、容器30を開封する際には容器20と同様の方法により、容易に開封することができる。よって、このような形態の容器20によっても、封止及び開封を繰り返し行うことができる。
【0030】
次に容器40について、図2(d)を参照しつつ説明する。図2(d)は容器40の開放の姿勢を、図2(a)と同一の視点から見た図である。容器40では、自己粘着体(E)13が容器本体4の表面、及び、蓋体5の裏面に配置され、それぞれ接着固定されている。その他の構成は容器20と同様である。容器40の閉鎖時には自己粘着体(E)13同士が自己粘着し合うことにより、容器40が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。また、容器40を開封する際には容器20と同様の方法により、容易に開封することができる。よって、このような形態の容器40によっても、封止及び開封を繰り返し行うことができる。なお、容器40では、自己粘着体(E)13同士が自己粘着するため、容器本体4及び蓋体5が自己粘着体(E)13が自己粘着し難い材質により構成されていた場合に、特に好ましく採用することができる。
【0031】
次に、本発明の他の実施形態に係る容器50について、図3を参照しつつ説明する。
図3(a)は容器50の閉鎖の姿勢における斜視図、図3(b)は容器50の開放の姿勢における斜視図である。容器50は開口部22が形成された箱型の容器本体14と、容器本体14の開口部22を覆う蓋体15とを備えており、容器本体14と蓋体15とは容器本体14の上部縁16で接合している。蓋体15は蝶番式蓋であり、上部縁16を中心に回動することにより、閉鎖の姿勢(図3(a))及び開放の姿勢(少なくとも図3(b))をとることが可能となっている。
容器本体14は、一部が容器本体14の内面に接着し、一部が容器本体14の開口部22から外方へ突出するカラー7を備えている。図3(a)に表れているように、カラー7は容器本体14の内面に接着する内前壁7a及び内側壁7b、7b、並びに、容器本体14の開口部22から外方へ突出する外前壁7c及び外側壁7d、7dを有する。本形態では、容器50の閉鎖の姿勢において、容器本体14と蓋体15とは外前壁7c及び外側壁7d、7dの表側の面において互いに当接する。
【0032】
容器50において、容器本体14と蓋体15との当接部分である外前壁7c及び外側壁7d、7dのうち、外前壁7cには自己粘着体(E)23が配置されている。
容器50では、外前壁7cの表面に自己粘着体(E)23が接着固定されており、容器50の閉鎖時には自己粘着体(E)23が蓋体15の前壁15aの裏面に自己粘着し、容器50が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。容器50を再度開封する際には、蓋体15の前壁15aの下縁に爪等を引っ掛けるか、又は、容器本体14の前壁15aを外側から押圧することにより、自己粘着体(E)23と蓋体15の前壁15aとが脱離し、容易に開封することができる。開封の際、自己粘着体(E)23の自己粘着性は損なわれることがないため、上記容器50の封止及び開封を繰り返し行うことができる。
【0033】
容器50の密閉性を高める観点から、自己粘着体(E)23は、容器本体14と蓋体15との当接部分全体(すなわち、前外壁7cだけでなく側外壁7d、7dにも)配置されていることが好ましい。一方、開封を容易にする観点からは、自己粘着体(E)23は外前壁7cのみに配置されていることが好ましい。容器本体と蓋体との当接部分のうち、自己粘着体(E)を配置する位置は容器に要求される密閉性及び開封容易性に応じて適宜設定することができる。
【0034】
次に、本発明の他の実施形態に係る容器60について、図4(a)を参照しつつ説明する。図4(a)は容器60の開放の姿勢を、図3(b)と同一の視点から見た図である。容器60では、自己粘着体(E)23が蓋体15の前壁15aの裏面に配置され、接着固定されている。その他の構成は容器50と同様である。容器60の閉鎖時には自己粘着体(E)23が容器本体14の外前壁7cの表面に自己粘着し、容器60が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。また、容器60を開封する際には容器50と同様の方法により、容易に開封することができる。よって、このような形態の容器60によっても、封止及び開封を繰り返し行うことができる。
【0035】
次に、本発明の他の実施形態に係る容器70について、図4(b)を参照しつつ説明する。図4(b)は容器70の開放の姿勢を、図3(b)と同一の視点から見た図である。容器70では、自己粘着体(E)23が容器本体14の外前壁7cの表面、及び、蓋体15の前壁15aの裏面に配置され、それぞれ接着固定されている。その他の構成は容器50と同様である。容器70の閉鎖時には自己粘着体(E)23同士が自己粘着し合うことにより、容器70が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。また、容器70を開封する際には容器50と同様の方法により、容易に開封することができる。よって、このような形態の容器70によっても、封止及び開封を繰り返し行うことができる。なお、容器70によれば、自己粘着体(E)23同士が自己粘着するため、容器本体14及び/又は蓋体15が、自己粘着体(E)23が自己粘着し難い材質により構成されていた場合に、特に好ましく採用することができる。
【0036】
次に、本発明のさらに異なる実施形態に係る容器80について、図5を参照しつつ説明する。図5(a)は容器80の閉鎖の姿勢における斜視図、図5(b)は容器80の開放の姿勢における斜視図である。容器80は開口部32が形成された容器本体24と、容器本体24の開口部32を覆う蓋体25とを備えており、容器本体24と蓋体25とは容器本体24の上部縁26で接合している。蓋体25は蝶番式蓋であり、上部縁26を中心に回動することにより、閉鎖の姿勢(図5(a))及び開放の姿勢(少なくとも図5(b))をとることが可能となっている。容器80にはラップフィルム18が収納されている。
本形態では、容器80の閉鎖の姿勢において、容器本体24と蓋体25とは、蓋体25の前壁25a及び側壁25b、25bの裏側の面において互いに当接する。
【0037】
容器80において、容器本体24の前壁24aの表面のうち、蓋体25の前壁25aの裏面と当接する部位に、自己粘着体(E)33が配置されている。
容器80では、前壁24aの表面に自己粘着体(E)33が接着固定されており、容器80の閉鎖時には自己粘着体(E)33が蓋体25の前壁25aの裏面に自己粘着し、容器80が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。容器80を再度開封する際には、蓋体25の前壁25aの下縁に爪等を引っ掛けるか、又は、容器本体24の前壁24aを外側から押圧することにより、自己粘着体(E)33と蓋体25の前壁25aとが脱離し、容易に開封することができる。開封の際、自己粘着体(E)33の自己粘着性は損なわれることがないため、上記容器80の封止及び開封を繰り返し行うことができる。
【0038】
容器80の密閉性を高める観点から、自己粘着体(E)33は、容器本体24と蓋体25との当接部分全体(すなわち、前壁24aだけでなく容器本体24の側壁24b、24bにも)配置されていることが好ましい。一方、開封を容易にする観点からは、自己粘着体(E)33は外壁24aのみに配置されていることが好ましい。容器本体と蓋体との当接部分のうち、自己粘着体(E)を配置する位置は容器に要求される密閉性及び開封容易性に応じて適宜設定することができる。
【0039】
次に、本発明の他の実施形態に係る容器90について、図6(a)を参照しつつ説明する。図6(a)は容器90の開放の姿勢を、図5(b)と同一の視点から見た図である。容器90では、自己粘着体(E)33が蓋体25の前壁25aの裏面に配置され、接着固定されている。その他の構成は容器80と同様である。容器90の閉鎖時には自己粘着体(E)33が容器本体24の前壁24aの表面に自己粘着し、容器90が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。また、容器90を開封する際には容器80と同様の方法により、容易に開封することができる。よって、このような形態の容器90によっても、封止及び開封を繰り返し行うことができる。
【0040】
次に、本発明の他の実施形態に係る容器100について、図6(b)を参照しつつ説明する。図6(b)は容器100の開放の姿勢を、図5(b)と同一の視点から見た図である。容器100では、自己粘着体(E)33が容器本体24の前壁24aの表面、及び、蓋体25の前壁25aの裏面に配置され、それぞれ接着固定されている。その他の構成は容器80と同様である。容器100の閉鎖時には自己粘着体(E)33同士が自己粘着し合うことにより、容器100が封止される。これにより、開封後においても再度密閉性を高めることが可能となる。また、容器100を開封する際には容器80と同様の方法により、容易に開封することができる。よって、このような形態の容器100によっても、封止及び開封を繰り返し行うことができる。なお、容器100によれば、自己粘着体(E)33同士が自己粘着するため、容器本体24及び/又は蓋体25が、自己粘着体(E)33が自己粘着し難い材質により構成されていた場合に、特に好ましく採用することができる。
【0041】
本発明の容器において、自己粘着体(E)以外の構造は、蝶番式蓋を有し、容器本体と蓋体(蝶番式蓋)との当接部分が存在するものであれば特に限定されず、公知の構造を採用することができる。
【0042】
本発明の容器において、自己粘着体(E)以外の部材の材質は特に限定されないが、自己粘着体(E)が自己粘着し易い材質であることが好ましく、例えば、樹脂製、金属製、紙製等とすることができる。中でも、軽量、低コスト、環境負荷低減などの観点から紙製であることが好ましい。
【0043】
容器本体と蓋体との当接部分の少なくとも一部に自己粘着体(E)を付与する方法は特に限定されない。例えば、箱状に組み立てる前の平板状のブランクに予め自己粘着体(E)を接着固定した後にブランクを箱状に組み立てても良く、ブランクを箱状に組み立てた後に自己粘着体(E)を接着固定してもよい。自己粘着体(E)を容器本体及び/又は蓋体に接着する方法は特に限定されず、公知の接着剤により接着することができる。
【0044】
以上、容器10、20、30、40、50、60,70、80、90、100を例に、本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、さらに図7(a)〜(e)に示すような容器であってもよい。図7(a)〜(e)の上段は各容器の開放の姿勢、下段は各容器の閉鎖の姿勢を示す斜視図である。なお、図7(a)〜(e)には、閉鎖の姿勢において自己粘着体同士が自己粘着する形態を示したが、自己粘着体は容器本体又は蓋体のいずれか(図7(e)においては、容器本体且つ蓋体である2つの箱の一方)に配置されており、閉鎖の姿勢において自己粘着体と容器本体又は蓋体とが自己粘着する形態であってもよい。
【0045】
本発明の容器は、さらに図8(a)及び(b)に示すようにスライド式の箱(スライド箱)であってもよい。図8(a)及び(b)において、上段は各容器の開放の姿勢、下段は各容器の閉鎖の姿勢を示している。スライド箱は、上面が開放された内箱(容器本体)とその外側を取り囲む外箱(蓋部)とからなる。図8(a)に示す容器は、内箱の端部に蝶番式に回動可能な回動片を有し、閉鎖の姿勢において、該回動片に配置された自己粘着体と外箱の上面に配置された自己粘着体とが自己粘着することにより容器が封止される。また、図8(b)に示す容器は、内箱の端部の上面に配置された自己粘着体と外箱の上面の内箱側の表面に配置された自己粘とが自己粘着することにより容器が封止される。なお、図8(a)及び(b)には、閉鎖の姿勢において自己粘着体同士が自己粘着する形態を示したが、自己粘着体は容器本体又は蓋体のいずれかに配置されており、閉鎖の姿勢において自己粘着体と容器本体又は蓋体とが自己粘着する形態であってもよい。
【0046】
2.自己粘着体(E)
次に、自己粘着体(E)について説明する。本発明の自己粘着体(E)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)の架橋体である。
【0047】
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)>
以下、本発明に用いる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)について説明する。
本発明に用いる(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)は、特に限定されないが、そのガラス転移温度が−10℃以下であることが好ましく、−13℃以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)のガラス転移温度を上記上限値以下とすることによって、後述する(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)のゲル分率を所定の上限値以下とし易くなり、結果として適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れた自己粘着体(E)を作製し易くなる。特に下限はないが−40℃以上であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)として、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等の光硬化性の樹脂を使用すると光硬化反応できる。
【0048】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位50質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位50質量%以下とからなり、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位70質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位30質量%以下とからなることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位80質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位20質量%以下とからなることがより好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位80質量%以上とこれと共重合可能な単量体からの単量体単位20質量%以下とからなることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体からの単量体単位の含有量を上記範囲内とすることによって、適度な粘着性を付与することが可能となる。
【0049】
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)は、N−メチロール基を有することが好ましい。N−メチロール基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)を用いることにより、後述するゲル分率を所定の上限値以下とし易くなり、結果として適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れた自己粘着体(E)を作製し易くなる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)がN−メチロール基を有する場合、N−メチロール基は、通常、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体単位に含まれるが、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位に含まれていてもよい。
【0050】
本発明に用いることができる(メタ)アクリル酸エステル単量体は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)のガラス転移温度を、好ましい形態である−10℃以下にし易くする観点から、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位を含有することが好ましい。
【0051】
上記ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体は特に限定されないが、例えば、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸n−プロピル(同−37℃)、アクリル酸n−ブチル(同−54℃)、アクリル酸sec−ブチル(同−22℃)、アクリル酸n−ヘプチル(同−60℃)、アクリル酸n−ヘキシル(同−61℃)、アクリル酸n−オクチル(同−65℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(同−50℃)、メタクリル酸n−オクチル(同−25℃)、メタクリル酸n−デシル(同−49℃)などの、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル(同−50℃)、アクリル酸3−メトキシプロピル(同−75℃)、アクリル酸3−メトキシブチル(同−56℃)、アクリル酸エトキシメチル(同−50℃)などの、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;などを挙げることができる。中でも、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
なお、上記ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体以外に、アクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度は、10℃)、メタクリル酸メチル(同105℃)、メタクリル酸エチル(同63℃)、メタクリル酸n−プロピル(同25℃)、メタクリル酸n−ブチル(同20℃)などを用いてもよい。
【0052】
これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0053】
(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な単量体(以下、「共重合用単量体」という。)には、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のN−メチロール基を有する単量体を使用することが好ましい。N−メチロール基を有する単量体を使用することにより、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)にN−メチロール基が含まれることとなるため、上述の通り、適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れた自己粘着体(E)を作製し易くなる。かかる観点から、N−メチロール基を有する単量体の使用割合は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)を100質量%として、N−メチロール基を有する単量体から導入される単量体単位が、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
【0054】
共重合用単量体には、上記N−メチロール基を有する単量体に加えて、又は上記N−メチロール基を有する単量体に代えて、他の単量体を併用してもよい。N−メチロール基を有する単量体以外に併用される単量体は特に限定されないが、その具体例として、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステル、アルケニル芳香族単量体、シアン化ビニル単量体、カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン系単量体、その他官能基を有する単量体などを挙げることができる。これらの単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0055】
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチルなどを挙げることができる。
【0056】
アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、及びビニルトルエンなどを挙げることができる。
【0057】
シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができる。
【0058】
カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニルなどを挙げることができる。
【0059】
オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどを挙げることができる。
【0060】
共重合用単量体には、共重合体内部間又は共重合体間の架橋を効率的に行わせることを目的として、官能基を有する単量体を使用してもよい。
ここでいう官能基としては、有機酸基、水酸基、アミノ基、アミド基、メルカプト基、エポキシ基等を挙げることができる。
【0061】
有機酸基を有する単量体は特に限定されないが、その代表的なものとして、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基などの有機酸基を有する単量体を挙げることができる。また、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基、燐酸基などを含有する単量体も使用することができる。
【0062】
カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の他、イタコン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノプロピルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステルなどを挙げることができる。また、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの、加水分解などによりカルボキシル基に誘導することができる基を有するものも同様に使用することができる。
【0063】
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのα,β−不飽和スルホン酸、及び、これらの塩を挙げることができる。
【0064】
有機酸基を有する単量体を使用する場合、それから導かれる単量体単位が(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)を100質量%として、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下となるような量で重合に供する。有機酸基を有する単量体の使用量が上記範囲内であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になり、また、共重合体の架橋が過度に進行して自己粘着体(E)の自己粘着性が損なわれることを防止し易くなる。
【0065】
なお、有機酸基を有する単量体単位は、有機酸基を有する単量体の重合によって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)中に導入するのが簡便であり好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)生成後に、公知の高分子反応により、有機酸基を導入してもよい。
【0066】
水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどを挙げることができる。
【0067】
アミノ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アミノスチレンなどを挙げることができる。
【0068】
アミド基を有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体などを挙げることができる。
【0069】
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0070】
これらの有機酸基以外の官能基を有する単量体を使用する場合、それから導かれる単量体単位が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)を100質量%として、10質量%以下となるような量で重合に使用することが好ましい。有機酸基以外の官能基の使用量が10質量%以下であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になり、また、共重合体の架橋が過度に進行して自己粘着体(E)の自己粘着性が損なわれることを防止し易くなる。
【0071】
また、共重合用単量体として、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体を併用してもよい。多官能性単量体は、該不飽和結合を末端に有することが好ましい。このような多官能性単量体を用いることによって、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)に分子内及び/又は分子間架橋を導入し、凝集力を高めることができる。
【0072】
多官能性単量体としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチレン−5−トリアジンなどの置換トリアジンの他、4−アクリルオキシベンゾフェノンのようなモノエチレン系不飽和芳香族ケトンなどを用いることができる。多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートがより好ましい。多官能性単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0073】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合用単量体とを共重合することによって得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)を得る際の重合方法は特に限定されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などのいずれであってもよく、これら以外の方法でもよい。重合に用いる重合開始剤、乳化剤、分散剤等の種類や量にも特に制限はない。重合に際して、単量体、重合開始剤、乳化剤、分散剤等の添加方法にも特に制限はない。また、重合温度や圧力、撹拌条件等にも制限はない。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)の性状は、固体状であっても分散体状であってもよいが、乳化重合や分散重合でエマルション又はディスパージョンとして得たものをそのまま使用すると、架橋剤や導電性化合物と混合する上で操作が容易であり、また、得られたエマルション又はディスパージョンを発泡させるにも都合がよい。
【0074】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)のゲル分率は70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましい。ゲル分率が上記範囲であることにより、適切な自着力を有し、且つ、平滑性に優れた自己粘着体(E)を作製し易くなる。
本発明におけるゲル分率とは、アクリル酸エステル共重合体樹脂のサンプル500mgを酢酸エチル100ml中に常温で3日間浸漬した後、不溶分を200メッシュの金網で濾過し、15時間常温下で風乾し、その後100℃で2時間乾燥させ、不溶解分の乾燥質量を測定し、次式により求められる値である。
ゲル分率(質量%)=((酢酸エチル浸漬後の不溶解分の乾燥質量)/(酢酸エチル浸漬前のサンプル質量))×100
【0075】
<架橋剤(B)>
本発明に用いる架橋剤(B)は、特に限定されず、例えば、従来、強度等を高める観点から発泡材料に好ましく使用されてきたメラミン系架橋剤を用いることができる。
【0076】
本発明に用いるメラミン系架橋剤は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドとを縮合して得られるメチロールメラミン、メチロールメラミンに低級アルコールを反応させて部分的又は完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。またメラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。
上記メチロールメラミンとしては、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。
上記メチロールメラミンのエーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。
【0077】
メラミン系架橋剤に含まれる化合物は、例えば官能基として、イミノ基、メチロール基、又はメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有する。このような化合物としては、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミンなどが挙げられる。
【0078】
メラミン系架橋剤は、それが有する上記官能基と上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)中のN−メチロール基との反応により、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子内又は分子間に架橋構造を形成する。メラミン系架橋剤は、120℃以上の高温での架橋効果に優れ、強度や自己粘着性に優れた自己粘着体(E)を形成することができるので好ましい。
【0079】
架橋剤(B)としてメラミン系架橋剤を使用する場合、メラミン系架橋剤の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)100質量部に対して、固形分として、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。メラミン系架橋剤の使用量が上記範囲内であることにより、適度な自着力を有し、且つ、架橋後の樹脂強度を高めることができる。
【0080】
また、本発明に用いる架橋剤(B)には、メラミン系架橋剤に代えて、又は、メラミン系架橋剤とともに、カルボジイミド系架橋剤(B1)を用いてもよい。カルボジイミド系架橋剤(B1)を用いることにより、N−メチロール基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)の架橋反応時に発生するホルムアルデヒドの発生量を少なくすることができるため、ホルムアルデヒドの発生量が低減された自己粘着体(E)を作製することができる。
【0081】
本発明に用いるカルボジイミド系架橋剤(B1)は、特に限定されないが、2以上のカルボジイミド基を一分子内に有する化合物が好ましく用いられる。このような化合物としては、公知のカルボジイミド化合物を用いることができる。
【0082】
上記公知のカルボジイミド化合物は、合成してもよく、市販品を使用してもよい。市販品のカルボジイミド化合物としては、例えば、DIC社製の「DICNAL HX」、日清紡ケミカル製の「カルボジライト」などが挙げられる。カルボジイミド化合物を合成する場合には、例えば、カルボジイミド化触媒の存在下、ポリイソシアネートを脱炭酸縮合反応によりカルボジイミド化したポリカルボジイミド化合物を使用することができる。
【0083】
原料ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,12−ジイソシアネートデカン(DDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、及び2,4−ビス−(8−イソシアネートオクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン(OCDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4,6−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート(TIDI)、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)などが使用でき、0〜200℃の範囲内で不活性気体の気流下または、バブリング下、任意の時間攪拌、混合しておき、その後カルボジイミド化触媒とともに加え、攪拌、混合することにより合成することができる。
【0084】
ここで、上記カルボジイミド化触媒としては有機リン系化合物が好ましく、特に活性の面からホスホレンオキシド類が好ましい。具体的には3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体などが挙げられる。
【0085】
カルボジイミド系架橋剤(B1)は、それが有するカルボジイミ基と上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)中のN−メチロール基との反応により、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子内又は分子間に架橋構造を形成する。カルボジイミド系架橋剤(B1)は、特に低温での架橋効果に優れ、強度や自己粘着性に優れた自己粘着体(E)を形成することができるので好ましい。
【0086】
架橋剤(B)としてカルボジイミド系架橋剤(B1)を使用する場合、カルボジイミド系架橋剤(B1)の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)100質量部に対して、固形分として、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。カルボジイミド系架橋剤(B1)の使用量が上記範囲内であることにより、適度な自着力を有し、且つ、架橋後の樹脂強度を高めることができる。
【0087】
上記メラミン系架橋剤及び/若しくはカルボジイミド系架橋剤(B1)に代えて、又は、該メラミン系架橋剤及び/若しくはカルボジイミド系架橋剤(B1)とともに、他の架橋剤(例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAポリグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂;アルデヒドやアクロレイン等のエチレンイミン誘導体等のアジリジン系化合物;トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネート等の多官能性イソシアネート系架橋剤;オキサゾリン系架橋剤;金属塩系架橋剤;金属キレート系架橋剤;過酸化物系架橋剤;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂等のアルデヒド樹脂;ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、スルホニウム系、ヨードニウム系等の光開始剤;等)を使用することもできる。
【0088】
(その他の添加剤)
樹脂組成物(C)は、ホルムアルデヒド捕捉剤を含有していてもよい。
本発明で使用し得るホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデヒドを物理的に粘着し又はホルムアルデヒドと化学的に反応し得る化合物であれば特に限定されず、無機化合物であっても、重合体をも含む有機化合物であってもよい。
本発明で使用し得るホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデヒドを物理的に粘着し又はホルムアルデヒドと化学的に反応し得る化合物であれば特に限定されず、無機化合物であっても、重合体をも含む有機化合物であってもよい。
ホルムアルデヒド捕捉剤の具体例としては、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、酢酸アンモニウム、尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂、トリアジン化合物、ヒドラジド化合物等の含窒素化合物;安定化二酸化塩素等のハロゲン酸化物;リン酸水素二ナトリウム、硫酸亜鉛、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩;等が挙げられる。これらのうち、入手容易性、取扱い性及びホルムアルヒド捕捉性の観点から、含窒素化合物が好ましく、硫酸ヒドロキシルアミンが特に好ましい。
これらのホルムアルデヒド捕捉剤は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0089】
樹脂組成物(C)は、必要により、自己粘着体(E)の製造工程における加工性向上や、得られる自己粘着体(E)の性能向上のために、各種添加剤を含有することができる。
添加剤の例としては、整泡剤、発泡助剤、増粘剤、充填材、防腐剤、防かび剤、ゲル化剤、難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与剤、光増感剤、導電性化合物等を挙げることができる。
【0090】
整泡剤としては、ステアリン酸アンモニウム等の脂肪酸アンモニウム、アルキルスルホサクシネート等のスルホン酸型アニオン界面活性剤、四級アルキルアンモニウムクロライド、アルキルベタイン両性化物、脂肪酸アルカノールアミン等が使用できる。
【0091】
発泡助剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等が使用できる。
【0092】
増粘剤としては、アクリル系ポリマー粒子、微粒シリカ等の無機化合物微粒子、酸化マグネシウム等のような反応性無機化合物を使用することできる。
【0093】
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、クレー、カオリン、ガラス粉等を使用することができる。
【0094】
防腐剤、防かび剤としては、例えばジヒドロキシジクロロフェニルメタン、ナトリウムペンタクロロフェネート、2,3,4,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、ビス(トリブチル錫)オキサイド、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、銀錯体、亜鉛錯体等が使用できる。
【0095】
ゲル化剤としては、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルポリホルマール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シリコーン系感熱化剤等が使用できる。
【0096】
難燃剤としては、リン酸エステル系化合物、ハロゲンリン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、錫化合物、有機リン系化合物、赤リン系化合物、シリコーン系難燃剤等が使用できる。
【0097】
酸化防止剤としては、ポリフェノール系、ハイドロキノン系、ヒンダードアミン系等の酸化防止剤を使用することができる。
【0098】
顔料、染料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、べんがら、キナクリドン等を挙げることができる。
【0099】
粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジン・グリセリンエステル、水添ロジン・グリセリンエステル等のロジン系樹脂;テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等の石油系樹脂;クマロンインデン樹脂;テルペンフェノール系樹脂;フェノール系樹脂;水添ロジンエステル;不均化ロジンエステル;キシレン樹脂等から選ばれる化合物が使用できる。
【0100】
光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ピペリジン、N,N−ジメチルアニリン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミン類、O−トリルチオウレアのような尿素系化合物、s−ベンジル−イソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート等の硫黄化合物、N,N−ジメチル−p−アミノベンゾニトリル等のニトリル類、ナトリウムジエチルチオフォスフェート等のリン化合物等が使用できる。光増感剤とは、それ自身単独では紫外線等の照射によって活性化しないが、光重合開始剤と併用すると、光重合開始剤単独の場合よりも、ラジカル重合を進行しやすくさせる機能を有する添加剤である。
【0101】
自己粘着体(E)は基材に積層されていてもよい。自己粘着体(E)が基材に積層されていることにより、自己粘着体(E)を上記容器の容器本体及び/又は蓋体に接着固定する際に、基材側の面と容器本体及び/又は蓋体とを接着させることにより、接着剤成分が表面(自己粘着体(E)側の面)にブリードし、自己粘着性が損なわれることを防止することができる。
基材の具体例としては、例えば、紙基材、プラスチックシート等を用いることができる。
ここで、紙基材としては、例えば上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、カートン紙、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等が挙げられる。
一方、プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ(エチレン―ビニルアルコール共重合)系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物又は積層物からなるシートを用いることができる。
基材からなる支持体層の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜200μmである。
【0102】
<樹脂組成物発泡体(D)>
本発明において、樹脂組成物(C)は発泡された樹脂組成物発泡体(D)であることが好ましい。樹脂組成物(C)は発泡された樹脂組成物発泡体(D)であることにより、樹脂組成物(C)の架橋体が発泡構造を有し、該架橋体からなる自己粘着体(E)が微細な空孔を利用した吸盤効果による吸着性を示すことができる。樹脂組成物(C)を発泡させる方法については、後述する製造方法の発泡工程S12において詳述する。吸着により接着する自己粘着体(E)は、糊粘着のみにより接着する自己粘着体(E)よりも剥離性に優れ、糊残りが発生し難い。また、発泡セルが連通しているため、エア抜け性が良好でだれでもきれいに貼付できる。
【0103】
3.自己粘着体(E)の製造方法
以下、自己粘着体(E)の製造方法について説明する。
【0104】
図9は、本発明の自己粘着体(E)の製造方法S10(以下、「本製造方法S10」と略記することがある。)を説明するフローチャートである。図9に示すように本製造方法S10は、樹脂組成物作製工程S1と、架橋工程S2とをこの順に含み、樹脂組成物作製工程S1と架橋工程S2との間に発泡工程S12を有することが好ましい。以下、各工程について説明する。
【0105】
(樹脂組成物作製工程S1)
樹脂組成物作製工程S1は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)を含む樹脂組成物(C)を作製する工程である。
【0106】
樹脂組成物作製工程S1において、必須成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)及び架橋剤(B)、並びに、所望により用いられるその他の成分を、任意の方法で混合することにより、樹脂組成物(C)を作製することができる。本工程で用いる各物質や、各物質の使用割合等は上述した通りであり、ここでは説明を省略する。
【0107】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)が、エマルション又はディスパージョンである場合には、これに、架橋剤、その他の成分を、水分散体、水溶液等の状態で、撹拌下に添加するだけで、容易に混合することができる。
【0108】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)が固体状の場合も、混合の方法に特に限定はなく、例えば、ロール、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を用いて混合すればよい。混合は、バッチ式でも連続式でもよい。
バッチ式混合機としては、擂潰機、ニーダー、インターナルミキサー、プラネタリーミキサー等の高粘度原料用混練機や攪拌機が挙げられる。連続式混合機としては、ローターとスクリューを組み合わせたファレル型連続混練機等やスクリュー式の特殊な構造の混練機が挙げられる。また、押出し加工に使用されている単軸押出機や二軸押出機が挙げられる。これらの押出機や混練機は、二種類以上組み合わせてもよいし、同型の機械を複数連結して使用してもよい。
【0109】
本発明の樹脂組成物(C)の形態は、特に限定されないが、エマルション又はディスパージョンの形態であると、自己粘着体(E)を得るのに好都合である。
エマルション又はディスパージョンの粘度は、2,000〜10,000mPa・sとするのが好ましく、3,500〜5,500mPa・sとするのがより好ましい。
【0110】
(架橋工程S2)
架橋工程S2は、樹脂組成物(C)を架橋させる工程である。また、後述する発泡工程S12を有する形態において、架橋工程S2は、樹脂組成物発泡体(D)を架橋させる工程である。
【0111】
架橋工程S2において、樹脂組成物(C)中において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)の架橋反応を行うことにより、樹脂組成物(C)が固化してなる自己粘着体(E)を得ることができる。架橋工程S2により得られた自己粘着体(E)は、自己粘着体(E)を配置する部位(容器の容器本体と蓋体との当接部分の少なくとも一部)の形状に合わせて、切断加工や打ち抜き加工により所望の形状に加工される。
【0112】
架橋反応S2を行う前に、樹脂組成物(C)をシート状に成形することが好ましい。樹脂組成物(C)をシート状に成形しておくことにより、架橋反応S2後にシート状の自己粘着体(E)を作製することができる。シート状の自己粘着体(E)は均一な厚みを有し、自己粘着体(E)を配置する部位の形状に合わせて、所望の形状に加工することが容易となる。
なお、樹脂組成物(C)を所望の形状の型枠内に入れる等の方法により、所望の形状に成形した後、架橋工程S2を行うことにより、所望の形状の自己粘着体(E)を得ることも可能である。
【0113】
樹脂組成物(C)をシート状に成形する方法は特に限定されない。好適な方法としては、例えば、離型処理されたポリエステルフィルムなどの工程紙の上に上記樹脂組成物(C)をコーティングしてシート状に成形する方法などが挙げられる。
【0114】
工程紙上に樹脂組成物(C)をコーティングする方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、スクリーンコーター、ドクターナイフコーター、コンマナイフコーター、グラビアコーター等の一般に知られているコーティング装置が使用でき、特にドクターナイフコーターを使用すると均一な塗布厚みを得ることができる。
【0115】
上記のようにして工程紙上で樹脂組成物(C)をシート状に成形した後、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)の架橋反応を行うことにより、工程紙上に、シート状の樹脂組成物(C)が固化してなる自己粘着体(E)を形成することができる。このとき、工程紙として剥離性を有するものを使用していれば、工程紙から自己粘着体(E)を容易に分離することができる。
【0116】
基材に積層された自己粘着体(E)を製造する場合には、工程紙として、上述した基材を用いることにより、架橋工程S2において、基材上に自己粘着体(E)を形成することができ、自己粘着体(E)と基材とからなる積層シートを製造することができる。
【0117】
架橋工程S2において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)の架橋反応を行う際には、加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥の方法としては、工程紙上にコーティングされた発泡エマルジョンを乾燥、架橋させることができる方法であれば特に限定されず、通常の熱風循環型のオーブン、熱油循環熱風チャンバー、遠赤外線ヒーターチャンバー等を使用することができる。乾燥温度は60℃〜180℃が適当であり、エマルジョンの性質、塗布量、塗布厚み等により乾燥の条件を適宜選定することができる。乾燥を一定温度で実施するのではなく、初期には低温で内部から乾燥させ、後期に、より高温で十分乾燥させるような多段階乾燥を行うことが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A)として光硬化性の樹脂を使用した場合には、UV等の光でも光硬化することができる。光硬化性樹脂と光開始剤を含有した樹脂組成物に高圧水銀灯(メイン波長365nm)等のランプによって所定量光を照射することによって硬化物が得られる。架橋工程S2において光硬化を行う形態によれば、硬化時間を短くすることができるので、生産性が上がる。
【0118】
得られる自己粘着体(E)の密度、厚さ、硬度等は、樹脂組成物(C)の組成、固形分濃度、加熱乾燥固化の条件、後述する発泡工程S12を有する形態における気泡の混入比率等により調整する。自己粘着体(E)の厚みは、0.03〜3mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1mm、特に好ましくは0.05〜0.5mmである。本発明の自己粘着体(E)を容器の容器本体と蓋体との接着用途に用いる場合に、厚みが0.03mm以上であることにより、自己粘着体(E)の強度が増す。一方、厚みが、3mm以下であることにより、操作性がよくなり、コストも安くなる。自己粘着体(E)の密度は、特に限定されるものではないが、衝撃吸収性の観点から0.1〜1.0g/cmが好ましい。
【0119】
(発泡工程S12)
上述した通り、樹脂組成物作製工程S1と架橋工程S2との間に、発泡工程S12を有することが好ましい。発泡工程S12を有することにより、発泡構造を有し、微細な空孔を利用した吸盤効果による吸着性を示す自己接着性シートを製造することができる。
発泡工程S12は、樹脂組成物(C)を発泡させ、樹脂組成物発泡体(D)を作製する工程である。
【0120】
発泡工程S12において、樹脂組成物作製工程S1で作製した樹脂組成物(C)を発泡させることにより、未固化状態の樹脂組成物発泡体(D)を得ることができる。樹脂組成物(C)がエマルション又はディスパージョンの形態である場合には、発泡エマルション又は発泡ディスパージョンが得られる。
【0121】
発泡の方法としては、通常、機械発泡を採用する。発泡倍率は、適宜、調整すればよいが、通常1.2〜5倍、好ましくは1.5〜4倍である。機械発泡の方法は、特に限定されないが、樹脂組成物のエマルジョン中に一定量の空気を混入しオークスミキサー、ホイッパー等により連続的又はバッチ式に撹拌することにより行うことができる。こうして得られた発泡エマルジョンはクリーム状になる。
なお、上記機械発泡の代わりに、例えば塩化ビニリデン共重合体等の適当な合成樹脂を殻壁とし、低沸点炭化水素系化合物を内包する熱膨張性マイクロカプセルを、アクリル樹脂エマルジョンやブタジエン系合成ゴムエマルジョンに添加する方法等により、樹脂組成物発泡体(D)を調製することもできる。
【0122】
4.自己粘着体(E)の使用方法
本発明の自己粘着体(E)の使用方法は、内容物を収容する空間と、上記空間と外部とを連通する開口部と、を有し、上記開口部を繰り返し開封及び封止可能である容器における、上記開口部を封止するための接着用途への使用である。また、上記容器が、上記内容物を収容する上記空間を有し、上記開口部が形成された容器本体と、上記容器本体の上記開口部を覆うことが可能な蓋体と、を備え、上記接着が、上記容器本体と上記蓋体との当接部分の接着であることが好ましい。本発明の自己粘着体(E)の使用方法については、上記容器の説明に関連し、図1〜8を用いて説明した通りである。
なお、上記説明では、蝶番式蓋を有する容器における使用方法を説明したが、自己粘着体(E)を使用可能な容器はこれに限定されず、例えば、A式箱におけるフラップ間の当接部分、スリーブ箱における容器本体(身)と蓋体(スリーブ)と当接部分、C式箱(身蓋箱)における容器本体(身)と蓋体(蓋)との当接部分、ケーキ箱における持ち手を構成する部材間の当接部分等の接着用途に使用してもよい。また、自己粘着体(E)には食品や嗜好品等の細かいカスが付着し難いため、特に細かいカスが外に散らばり易い容器の開口後の一時仮止めの用途に、好ましく使用することができる。更に、自己粘着体(E)は箱や袋等の容器内の気密性を増し、内容物をフレッシュな状態を保ち、酸素や水分等による傷みから防ぐことができる。したがって、上記のように、開閉を繰り返すことがある用途や、内容物をフレッシュな状態に保つ必要がある用途として、例えば、菓子、コーヒー、茶、たばこ、洗剤等のパッケージに使用することができる。
【実施例】
【0123】
以下に、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、ここで用いる「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
【0124】
[材料特性]
<アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
後述する自己粘着体の材料として用いるアクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)を、以下の方法で測定した。アクリル酸エステル共重合体樹脂を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に250μmのアプリケーターで塗布し、常温下で24時間乾燥させて、樹脂フィルムを得た。このフィルムをサンプルとして、JIS K 7121に準じて、測定温度−50℃〜160℃、昇温速度10℃/分、示差走査熱量分析計(SIIナノテクノロジー社製、DSC6220)を用いてガラス転移温度(℃)を測定した。結果を表1に示す。
【0125】
<アクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率の測定>
後述する自己粘着体に用いるアクリル酸エステル共重合体樹脂のゲル分率を、以下の方法で測定した。アクリル酸エステル共重合体樹脂を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に250μmのアプリケーターで塗布し、常温下で24時間乾燥させて、樹脂フィルムを得た。このフィルムをサンプルとして、所定量(X)(約500mg)を精秤し、これを酢酸エチル100ml中に常温で3日間浸漬した後、不溶分を200メッシュの金網で濾過し、15時間常温下で風乾し、その後100℃で2時間乾燥させ、常温下で冷却した後に試料の質量(Y)を測定した。X及びYを次式に代入することにより、ゲル分率を算出した。結果を表1に示す。
ゲル分率(%)=(Y)/(X)×100
【0126】
[評価項目]
<自着力>
(対紙)
後に説明するようにして基材上に自己粘着体からなる自己粘着層が積層されたシート(以下、「自己粘着性積層シート」という。)を作製後、125mm×25mmのサイズに切り出した試験片を用意した。表面の平滑なミルクカートン紙(株式会社ケーピープラテック社製、KM−3)に、試験片の自己粘着層側面を貼り合わせ、試験片の上から2kgfの荷重ローラーで圧着し、23℃,50%RH環境下にて1時間放置した。その後、試験片の端部をオートグラフ(島津製作所社製 AG−IS)の上側チャックに固定し、ミルクカートン紙を下側チャックに固定し、23℃,50%RH環境下にて180度剥離試験を300mm/分の速度で実施した。この時の試験力を自着力(N/cm)とした。結果を表1に示す。この評価による結果が、0.01〜2.5N/cmであれば、適切な自着力を有しているといえる。
(自己粘着層同士)
後に説明するようにして自己粘着性積層シートを作製後、125mm×25mmのサイズに切り出した試験片を2枚用意した。どちらか片側の基材側面をSUS板に張り付けて、自己粘着層同士を貼り合わせ、試験片の上から2kgfの荷重ローラーで圧着し、23℃,50%RH環境下にて1時間放置した。その後(SUS板を張り付けていない側の)自己粘着性積層シートの試験片の端部の自己粘着層の界面をめくり、めくった端部をオートグラフ(島津製作所社製 AG−IS)の上側チャックに固定し、SUS板を下側チャックに固定し、23℃,50%RH環境下にて180度剥離試験を300mm/分の速度で実施した。結果を表1に示す。この評価による結果が、0.01〜2.5N/cmであれば、適切な自着力を有しているといえる。
【0127】
<凝集剥離>
上記自着力測定後の基材面及び自己粘着層を目視し、次の2段階で評価した。
○;基材面上に自己粘着層の凝集物が確認されない
×;基材面上に自己粘着層の凝集物が確認される、又は自己粘着層上に基材の凝集物が確認される。
※但し両面剥離の場合は、片側の自己粘着層上に、他方の自己粘着層が確認されないものを○とし、確認されるものを×とした。
自着力測定の結果が0.01〜2.5N/cmであり、かつ、凝集剥離評価の結果が「○」であれば、繰り返し粘着性を有すると言える。
【0128】
<ホルムアルデヒド放散評価>
後に説明するようにして自己粘着性積層シートを作製し、さらに、自己粘着層表面にセパレーターフィルムを貼り付けた後、200mm×200mmのサイズに切り出した試験片を用意した。試験片を容積5Lのテドラーバッグに入れ、密閉した。その中に2Lの空気を封入し、23℃,50%RHに設定した恒温槽内で6時間放置した後、検知管(ガステック社製、No.91L)にてバッグ内のホルムアルデヒド濃度を測定した。ホルムアルデヒド濃度が0.2ppm以下である場合を「○」、0.2ppmを越える場合を「×」として、その結果を表1に示す。
【0129】
<光沢度(60°グロス)>
自己粘着層表面の光沢度をJIS Z 8741に準じて、光沢度計(東京電色社製、GP−60A)を用いて測定した。結果を表1に示す。この評価による結果が35以上であれば、シート表面の平滑性に優れると言える。
【0130】
[自己粘着性積層シートの作製]
(実施例1)
混合容器に、固形分換算で100部のN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)(組成:アクリル酸エチル46.9/アクリル酸ブチル45.8/アクリロニトリル5.9/N−メチロールアクリルアミド1.4の共重合体樹脂、ガラス転移温度:−25.9℃、ゲル分率:43.1%)、固形分換算で3.6部のカルボジイミド系架橋剤(DIC社製、DICNAL HX)及び固形分換算で4.2部の酸化チタン水分散体(DIC社製、DISPERSE WHITE HG−701)を添加し、ディスパーで撹拌した。次に撹拌を継続しながら、固形分換算で2部の増粘剤(カルボン酸変性アクリル酸エステル重合体。東亞合成社製、アロンB−300K)及び固形分換算で4.1部の整泡剤〔アルキルベタイン両性化物・脂肪酸アルカノールアミド混合物(DIC社製、DICNAL M−20)/スルホン酸型アニオン界面活性剤(DIC社製、DICNAL M−40)の1/1混合物〕をこの順に添加し、150メッシュでろ過した。最後に、アンモニアを添加して粘度を4,500mPa・sに調整して樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を泡立て器で撹拌し、発泡倍率が2倍になるように泡立て、更に撹拌速度を落として5分間撹拌を続行した。
得られた発泡混合物を基材(厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の上に、0.3mmのアプリケーターを用いて塗布した。これを乾燥炉に入れ、80℃で1.33分間、120℃で1.33分間、140℃で1.33分間保持して、乾燥架橋を行わせて基材上に自己粘着層(自己粘着体)を積層し、実施例1に係る自己粘着性積層シートを得た。
【0131】
(実施例2)
実施例1で用いたカルボジイミド系架橋剤(DIC社製、DICNAL HX)に代えて、カルボジイミド系架橋剤(日清紡ケミカル製、カルボジライト(登録商標)E−02)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2に係るシートを作製した。
【0132】
(実施例3)
実施例1で用いたN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)の組成を、ガラス転移温度−17.6℃、ゲル分率28.0%となるように変更したN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(II)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3に係るシートを作製した。
【0133】
(実施例4)
実施例1で用いたN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)の組成を、ガラス転移温度−10.1℃、ゲル分率42.2%となるように変更したN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(III)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4に係るシートを作製した。
【0134】
(実施例5)
実施例1で用いたN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)の組成を、ガラス転移温度−15.3℃、ゲル分率41.5%となるように変更したN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(IV)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5に係るシートを作製した。
【0135】
(実施例6)
実施例1で用いたN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)の組成を、ガラス転移温度−22.8℃、ゲル分率60.5%となるように変更したN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(V)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6に係るシートを作製した。
【0136】
(実施例7)
実施例5で用いたカルボジイミド系架橋剤(DIC社製、DICNAL HX)3.6部に代えて、カルボジイミド系架橋剤(日清紡ケミカル製、カルボジライト(登録商標)E−02)2.2部を用いた以外は、実施例5と同様にして実施例7に係るシートを作製した。
【0137】
(実施例8)
実施例5において樹脂組成物を発泡させず、そのまま基材に塗布した以外は、実施例5と同様にして実施例8に係るシートを作製した。
【0138】
(実施例9)
実施例7に係るシートを2枚用意し、自己粘着層同士の自着力、及び、シート2枚をテドラーバッグに入れた時のホルムアルデヒド濃度を測定した。
【0139】
(実施例10)
実施例1で用いたカルボジイミド系架橋剤(DIC社製、DICNAL HX)に代えて、メラミン系架橋剤(DIC社製、BECKAMINE M3)及び架橋促進剤(DIC社製、CATALYST ACX)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例10に係るシートを作製した。
【0140】
(実施例11)
実施例1で用いたN−メチロール基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I)に代えて、カルボキシル基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂(I´)(組成:アクリル酸エチル49.0/アクリル酸ブチル42.1/アクリロニトリル6.9/アクリル酸2.0の共重合体樹脂、ガラス転移温度:−20.9℃、ゲル分率:89.6%)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例11に係るシートを作製した。
【0141】
(比較例1)
アルミ粘着テープ(SLIONTEC社製、8600−20−50X50)について、自着力の測定及び凝集剥離の評価を行った。
【0142】
(比較例2)
ボンド/GPクリヤー(コニシ社製、#14372)について、自着力の測定及び凝集剥離の評価を行った。
【0143】
【表1】
【0144】
表1に示したように、実施例1〜11に係るシートはいずれもホルムアルデヒドの放散量が低く、繰り返し粘着性を有していた。すなわち、実施例1〜11に係るシートの自己粘着層(自己粘着体)を備える容器は、初回の開封後に繰り返し封止可能であるといえる。一方、比較例1、2では自着力が高すぎ、また、比較例2では凝集物が確認され、繰り返し粘着性に劣っていた。
【符号の説明】
【0145】
1、11 空間
2、12、22、32 開口部
3、13、23、33 自己粘着体
4、14、24 容器本体
5、15、25 蓋体
6、16、26 上部縁
7 カラー
18 ラップフィルム
10、20、30、40、50、60、80、90、100 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9