特許第6794701号(P6794701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794701
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
   H01M2/10 M
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-151086(P2016-151086)
(22)【出願日】2016年8月1日
(65)【公開番号】特開2018-22553(P2018-22553A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】中條 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰有
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
【審査官】 浅野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−054342(JP,A)
【文献】 特開2000−243458(JP,A)
【文献】 特開2016−058158(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/129117(WO,A1)
【文献】 特開2014−143793(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0318724(US,A1)
【文献】 特開2015−220177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20〜2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容する筐体と、
前記電池モジュールの充電を行うための充電器に接続可能なコネクタと、
前記コネクタの温度を検出する温度センサと、
を備え、
前記電池モジュールは、前記筐体の内部空間における第1領域に配置され、
前記温度センサは、前記内部空間における第2領域に配置され、
前記筐体は、前記第1領域と前記第2領域とを熱的に分離する分離部を含み、
前記分離部は、前記温度センサと離間して設けられている、電池パック。
【請求項2】
電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容する筐体と、
前記電池モジュールの充電を行うための充電器に接続可能なコネクタと、
前記コネクタの温度を検出する温度センサと、
を備え、
前記電池モジュールは、前記筐体の内部空間における第1領域に配置され、
前記温度センサは、前記内部空間における第2領域に配置され、
前記筐体は、前記第1領域と前記第2領域とを熱的に分離する分離部を含み、
前記第1領域に配置されたヒューズを更に備える、電池パック。
【請求項3】
電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容する筐体と、
前記電池モジュールの充電を行うための充電器に接続可能なコネクタと、
前記コネクタの温度を検出する温度センサと、
を備え、
前記電池モジュールは、前記筐体の内部空間における第1領域に配置され、
前記温度センサは、前記内部空間における第2領域に配置され、
前記筐体は、前記第1領域と前記第2領域とを熱的に分離する分離部を含み、
前記コネクタは、
前記筐体に取り付けられた本体部と、
前記本体部に設けられ、前記充電器と前記電池モジュールとを電気的に接続する接続部材と、を含み、
前記接続部材は、前記第2領域に配置された部分を有し、
前記温度センサは、前記接続部材の前記部分に設けられる、電池パック。
【請求項4】
電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容する筐体と、
前記電池モジュールの充電を行うための充電器に接続可能なコネクタと、
前記コネクタの温度を検出する温度センサと、
を備え、
前記電池モジュールは、前記筐体の内部空間における第1領域に配置され、
前記温度センサは、前記内部空間における第2領域に配置され、
前記筐体は、前記第1領域と前記第2領域とを熱的に分離する分離部を含み、
前記分離部は、金属板を含む、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン二次電池等の複数の電池セルを一方向に配列してなる電池モジュールが知られている。このような電池モジュールを筐体に収容してなる電池パックでは、電池モジュールを外部装置に接続するためのコネクタが筐体に取り付けられる。例えば、特許文献1に記載の電池モジュールの筐体においては、正極側と負極側との各ブスバーに対して、接続部材を介して接続するコネクタが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−140769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部装置が電池モジュールの充電を行うための充電器である場合、充電時の電流によるジュール熱等によりコネクタの温度が上昇するため、コネクタの温度を検出する温度センサをコネクタにおける筐体の内部空間側に設けることがある。しかしながら、筐体の内部空間には電池モジュール等の発熱源があるため、電池モジュール等が発する熱で温度センサの周囲の温度が上昇することがある。この場合、電池モジュール等が発する熱の影響で、コネクタの温度を正確に検出できないおそれがある。
【0005】
本発明は、コネクタの温度を精度よく検出できる電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池パックは、電池モジュールと、電池モジュールを収容する筐体と、電池モジュールの充電を行うための充電器に接続可能なコネクタと、コネクタの温度を検出する温度センサと、を備え、電池モジュールは、筐体の内部空間における第1領域に配置され、温度センサは、内部空間における第2領域に配置され、筐体は、第1領域と第2領域とを熱的に分離する分離部を含む。
【0007】
この電池パックでは、発熱源となり得る電池モジュールが第1領域に配置され、コネクタの温度を検出する温度センサが第2領域に配置されている。この第1領域及び第2領域は、分離部により熱的に分離されている。これにより、電池モジュールが発する熱の影響が温度センサに及ぶことを抑制できる。その結果、コネクタの温度を精度よく検出することが可能となる。
【0008】
本発明の電池パックでは、第1領域に配置されたヒューズを更に備えてもよい。この場合、発熱源となり得るヒューズが第1領域に配置されるため、ヒューズが発する熱の影響が温度センサに及ぶことを抑制できる。
【0009】
本発明の電池パックでは、コネクタは、筐体に取り付けられた本体部と、本体部に設けられ、充電器と電池モジュールとを電気的に接続する接続部材と、を含み、接続部材は、第2領域に配置された部分を有し、温度センサは、接続部材の当該部分に設けられてもよい。この場合、接続部材に温度センサが設けられているため、コネクタの本体部に設けられた接続部材と共に温度センサを一体的に着脱することができる。
【0010】
本発明の電池パックでは、分離部は、金属板を含んでもよい。通常、筐体は金属製であることから、例えば溶接等により分離部を筐体に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コネクタの温度を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る電池パックの概略構成の分解斜視図である。
図2図2は、蓋部材を取り外した状態の図1の電池パックを前方向から見た正面図である。
図3図3は、図1の電池モジュールの構成の斜視図である。
図4図4は、図1の電池パックのヒューズを示す平面図である。
図5図5の(a)は、コネクタを裏面側から見た斜視図である。図5の(b)は、コネクタの正面図である。
図6図6は、図5のコネクタの概略側面図である。
図7図7は、図1のVII−VII線に沿っての断面図である。
図8図8は、図1の電池パックの第2領域の斜視図である。
図9図9は、図1の電池パックの第2領域を右方向から見た側面図である。
図10図10は、図7のコネクタ周辺を拡大して示す断面図である。
図11図11は、変形例に係る電池パックのコネクタ周辺を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して一実施形態に係る電池パック1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0014】
電池パック1は、例えば、自動車及びフォークリフト等の対象装置に搭載される。図1及び図2に示されるように、電池パック1は、筐体10と、複数(本実施形態では7個)の電池モジュール20と、中継部50と、コネクタ70と、を備える。
【0015】
筐体10は、例えば金属製であり、箱状部材11と箱状部材11に接続される蓋部材15とを備える。箱状部材11は、開口部11aを有する箱体である。箱状部材11は、四角板状の底板11bと、底板11bと対向して設けられる天板11cと、底板11bの周縁から立設されるL字状の右側板11d、矩形状の左側板11e及び後側板11fと、を有している。なお、図1では、蓋部材15の後側を透視するように記載している。
【0016】
筐体10は、例えば車両等の対象装置に搭載された際には、底板11bが鉛直方向下方に位置し、天板11cが鉛直方向上方に位置するように配置される。以下の説明では、筐体10において、底板11bが設けられる方向を「下」とし、天板11cが設けられる方向を「上」とし、筐体10の蓋部材15が設けられる方向を「前」とし、後側板11fが設けられる方向を「後」とし、右側板11dが設けられる方向を「右」とし、左側板11eが設けられる方向を「左」とする。なお、これらの方向は説明の便宜のためであり、本発明を限定するものではない。
【0017】
筐体10の右側面、すなわち、箱状部材11の右側面には、コネクタ配置領域14aが形成されている。具体的には、コネクタ配置領域14aは、右側板11dから左方向にオフセットした第1側面11g、後側板11fから前方向にオフセットした第2側面11i、及び天板11cから下方向にオフセットすると共に右方向に下方傾斜する第3側面11hによって、筐体10の後方側を窪ませるように形成されている。第1側面11gには、コネクタ70を挿入可能な貫通孔12cが形成されている。
【0018】
天板11cは、左右方向中央部において上方に突出し、部品配置領域14bを形成している。天板11cにおける部品配置領域14bの上方には、二つの作業孔12a,12bが形成されている。また、部品配置領域14bよりも右側の天板11c上には、作業孔13bが形成されている。作業孔13bには、その開口部分を覆う蓋13aが配置されている。
【0019】
筐体10は、例えば7個の電池モジュール20を収容している。筐体10の箱状部材11には、7個の電池モジュール20のうち3個の電池モジュール20が固定されている。筐体10の蓋部材15には、残りの4個の電池モジュール20が固定されている。筐体10は、その内部空間を区画する分離部17を備える。詳しくは後述するように、分離部17は、筐体10の内部空間を、上述の部品配置領域14bを含む領域(第1領域)A1と、コネクタ配置領域14aに隣接する領域(第2領域)A2と、に区画する。筐体10では、領域A1に各電池モジュール20が配置されており、領域A2にコネクタ70の一部が配置されている。
【0020】
図3図5及び図6を参照しつつ、電池モジュール20及びコネクタ70について説明する。
【0021】
図3に示されるように、電池モジュール20は、本体部21と、第1ブラケット31と、第2ブラケット32と、弾性部材24と、を備えている。
【0022】
本体部21は、一方向(以下、「配列方向D」ともいう)に配列された複数の電池セル22を含んでいる。本実施形態では、本体部21は13個の電池セル22を含んでいる。電池セル22は、例えば、リチウムイオン電池又はニッケル水素蓄電池などの二次電池である。複数の電池セル22のそれぞれは、配列方向Dから見てU字状をなし上側が開口するセルホルダ23に保持されている。
【0023】
本体部21は、複数のセルホルダ23の上側の開口を塞ぐように、複数のセルホルダ23に保持されるカバー29を含む。カバー29には、電池モジュール20に関する各種制御を行う制御部Eが載置されている。
【0024】
第1ブラケット31及び第2ブラケット32は、剛性の高い材料で構成され、例えば、鉄などの金属で構成されている。第1ブラケット31及び第2ブラケット32のそれぞれは、把持部33と、取付部37と、を有している。
【0025】
把持部33は、略矩形の平板である。把持部33には、配列方向Dに沿って延びる複数のボルト(不図示)が挿通されている。複数のボルトのそれぞれは、第2ブラケット32の把持部33側でナット35に螺合されて固定されている。
【0026】
取付部37は、矩形状の把持部33の一辺に立設される平板である。取付部37は、ボルト(不図示)により、箱状部材11又は蓋部材15に取り付けられる。これにより、第1ブラケット31及び第2ブラケット32が、箱状部材11又は蓋部材15に固定される。
【0027】
弾性部材24は、本体部21と第1ブラケット31との間に設けられている。弾性部材24は、例えば板状であり、その厚さ方向が配列方向Dと同一方向となるように設けられている。弾性部材24は、ゴム及び樹脂系スポンジなどの弾性変形可能な材料からなる。弾性部材24と本体部21との間には、固定プレート25が設けられている。
【0028】
図5の(a),(b)及び図6に示されるように、コネクタ70は、本体部71と、接続部材74,75,76と、を備えている。
【0029】
本体部71は、装着される3つの接続部材74,75,76を支持する主部73と、筐体10に装着される係止板72とがボルト77(図10参照)により締結されている樹脂製の部材である。本体部71を構成する樹脂としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)等が挙げられる。主部73において最も係止板72から離れた面を本体部71の表面71aとし、当該表面71aから最も離れている係止板72の面を本体部71の裏面71bとする。この場合、本体部71は、主部73及び係止板72を貫通するように表面71aから裏面71bまで延在する貫通孔74h〜76hを有する。貫通孔74h〜76hは、互いに離間しており、表面71aの異なる角部近傍にそれぞれ設けられている。貫通孔74hには接続部材74が挿入され、貫通孔75hには接続部材75が挿入され、貫通孔76hには接続部材76が挿入されている。以下では、貫通孔74h〜76hが延在する方向(もしくは、接続部材74,75,76が延在する方向)を、単に「延在方向A」とする。
【0030】
主部73は、係止板72が筐体10に装着される際に当該筐体10の外側に位置する部分であり、係止板72から突出している。主部73には、表面71aの中央領域から延在方向Aに沿って窪んでいる嵌合部73aが設けられている。嵌合部73aは、充電器の充電コネクタ及びジャンパコネクタに設けられる突起部(図示しない)と嵌合する部分であり、延在方向Aに沿って見て円形状を有している。
【0031】
係止板72は、延在方向Aに沿って見て矩形状を有しており、その各角部は、延在方向Aに沿って見て主部73よりも外側に位置している。係止板72の各角部には、対応する孔(不図示)が延在方向に沿って設けられている。これらの図示しない孔には、コネクタ70を筐体10に装着するためのボルト78(図7参照)が挿入される。ボルト78は、第1側面11gに設けられた雌ネジ孔78hに螺合する。
【0032】
接続部材74は、正極端子74aと、圧着端子74bと、第1ハーネス74cと、チューブ74dと、ブラケット79とを備えている。
【0033】
正極端子74aは、貫通孔74hに挿入される筒状の雌端子である。正極端子74aの外周面は、貫通孔74hを構成する面に当接している。正極端子74aが高い導電性及び伝熱性を備える観点から、正極端子74aは、例えば銅によって構成されている。また、正極端子74aの裏面71b側の一部は、本体部71の裏面71bから突出している。正極端子74aにおいて本体部71の裏面71bから突出している部分は、筐体10の内部空間に含まれており、筐体10の領域A2に配置されている第1部分(部分)74Xである。正極端子74aにおいて貫通孔74hに挿入されている部分は、筐体10の内部空間には含まれておらず、領域A2に配置されていない第2部分74Yである。
【0034】
第1ハーネス74cは、正極端子74aと中継端子60(図2参照)とを電気的に接続させるための配線であり、裏面71b側から延在方向Aに沿って延在している。第1ハーネス74cの一端は、正極端子74aにおける裏面71b側の端部内に挿入されている。正極端子74aは、第1ハーネス74cが挿入されている端部においてかしめられている。第1ハーネス74cと他の装置等との短絡を防止するために、第1ハーネス74cの少なくとも一部は絶縁性のチューブ74dによって被覆されている。高い導電性及び伝熱性を備える観点から、第1ハーネス74cとしては、例えば銅配線が用いられる。第1ハーネス74cにおいて本体部71の貫通孔74h内に位置していない部分は、筐体10の内部空間に含まれており、筐体10の領域A2に配置されている第1部分(部分)74Xである。第1ハーネス74cにおいて本体部71の貫通孔74h内に位置している部分は、筐体10の内部空間には含まれておらず、領域A2に配置されていない第2部分74Yである。
【0035】
圧着端子74bは、チューブ74dから露出した第1ハーネス74cの他端に圧着されている端子である。圧着端子74bは、例えば、中継端子60の第2端子62b(図8参照)に取り付けられる。
【0036】
ブラケット79は、例えば金属製又は合金製の板から形成された伝熱性を有する部材である。ブラケット79は、領域A2において接続部材74の第1部分74Xに設けられる。具体的には、ブラケット79は、正極端子74aと圧着端子74bとの間に位置する第1ハーネス74cに設けられる。本実施形態では、ブラケット79は、本体部71の裏面71b側における正極端子74aの近傍であって、第1ハーネス74cにおけるチューブ74dで覆われていない部分に設けられている。
【0037】
ブラケット79は、第1ハーネス74cの周面に巻き付けられるクランプ部79aと、クランプ部79aから第1ハーネス74cの径方向に沿って延在するフランジ部79bとを有する。クランプ部79aは、第1ハーネス74cの中心軸と同軸に、第1ハーネス74cの一部の周面を覆うように巻きつけられている。クランプ部79aは、当該周面に当接する。フランジ部79bは、L字板形状を有している。
【0038】
接続部材75は、接続部材74と同様の構成を有している。接続部材75は、負極端子75aと、圧着端子75bと、第2ハーネス75cと、ブラケット79と、を備えている。
【0039】
負極端子75aは、接続部材74の正極端子74aと同様に貫通孔75hに挿入されている筒状の雌端子である。負極端子75aの外周面は、貫通孔75hを構成する面に当接している。第2ハーネス75cは、第1ハーネス74cと同様に、裏面71b側から延在方向Aに沿って延在している。第2ハーネス75cの一端は、負極端子75aにおける裏面71b側の端部内に挿入されており、第2ハーネス75cの他端には圧着端子75bが設けられている。負極端子75aにおいて本体部71の裏面71bから突出している部分は、筐体10の内部空間に含まれており、筐体10の領域A2に配置されている第1部分(部分)75Xである。負極端子75aにおいて貫通孔75hに挿入されている部分は、筐体10の内部空間には含まれておらず、領域A2に配置されていない第2部分(不図示)である。第2ハーネス75cにおいて本体部71の貫通孔75h内に位置していない部分は、筐体10の内部空間に含まれており、筐体10の領域A2に配置されている第1部分(部分)75Xである。第2ハーネス75cにおいて本体部71の貫通孔75h内に位置している部分は、筐体10の内部空間には含まれておらず、領域A2に配置されていない第2部分である。
【0040】
接続部材75におけるブラケット79は、接続部材74のブラケット79と同様に伝熱性を有し、領域A2において接続部材75の第1部分75Xに設けられる。このブラケット79は、具体的には、負極端子75aと圧着端子75bとの間に位置する第2ハーネス75cに設けられる。本実施形態では、接続部材75におけるブラケット79は、本体部71の裏面71b側における負極端子75aの近傍に設けられている。
【0041】
接続部材76は、接続部材74,75と異なり、ブラケットを備えていない。接続部材76は、貫通孔76hに挿入されている正極端子76aと、圧着端子76bと、第3ハーネス76cと、を備えている。なお、接続部材76の第3ハーネス76cの長さは、第1ハーネス74c及び第2ハーネス75cよりも短い。
【0042】
電池パック1は、コネクタ70の温度を検出する温度センサ80を備える。温度センサ80は、温度検知素子81と、ハーネス82と、締結部材83と、温度検知素子84と、ハーネス85と、締結部材86と、通信コネクタ87とを備え得る。
【0043】
温度検知素子81は、第1ハーネス74c及びブラケット79を介して正極端子74aの温度(コネクタ70の温度)を検知するための素子である。温度検知素子81は、接続部材74におけるフランジ部79bに設置される。すなわち、温度センサ80の温度検知素子81は、領域A2において接続部材74の第1部分74Xに配置されている。温度検知素子81としては、例えばサーミスタが用いられる。ハーネス82は、温度検知素子81による検知結果を通信コネクタ87に伝達する導線である。締結部材83は、温度検知素子81をフランジ部79bに締結するボルト及びナットを含む。
【0044】
温度検知素子84は、第2ハーネス75c及びブラケット79を介して負極端子75aの温度(コネクタ70の温度)を検知するための素子である。温度検知素子84は、接続部材75におけるフランジ部79bに設けられている。すなわち、温度センサ80の温度検知素子84は、領域A2において接続部材75の第1部分75Xに配置されている。温度検知素子84としては、例えばサーミスタが用いられる。ハーネス85は、温度検知素子84による検知結果を通信コネクタ87に伝達する導線である。なお、ハーネス82,65は、通信コネクタ87の近傍にて束ねられている。締結部材86は、温度検知素子81をフランジ部79bに締結するボルト及びナットを含む。
【0045】
通信コネクタ87は、例えばジャンクションボックス51の電池制御ECUに接続される端子部である。通信コネクタ87は、ハーネス82を介して入力される温度検知素子81の検知結果、及びハーネス85を介して入力される温度検知素子84の検知結果を電池制御ECUに出力する。
【0046】
図2に戻り、電池モジュール20とコネクタ70との間には、ジャンクションボックス51と、配線L1〜L3と、リレーRと、中継端子60と、を含む中継部50が介在する。中継部50は、筐体10に収容されている。
【0047】
ジャンクションボックス51は、筐体10の部品配置領域14bに配置されている。ジャンクションボックス51は、図示しない電池制御ECU(Electronic Control Unit)を含む。電池制御ECUは、電池モジュール20の監視及び制御等を行う。電池制御ECUは、例えば、各電池モジュール20に搭載された制御部Eと通信することにより、各電池モジュール20の状態(例えば、充電状態等)に関する情報を取得し、各電池モジュール20の動作(例えば、充放電等)を制御する。電池制御ECUは、例えばコネクタ70に装着されるコネクタの種類に応じて電池パック1を制御する。例えば、コネクタ70に充電器の充電コネクタが装着された場合には、電池制御ECUは、電池モジュール20の充電を行うように電池パック1を制御する。コネクタ70にジャンパコネクタが装着された場合には、電池制御ECUは、対象装置へ電力を供給するように電池パック1を制御する。
【0048】
電池制御ECUは、通信コネクタ87を介して温度センサ80に電気的に接続されている(不図示)。電池制御ECUは、通信コネクタ87を介して入力される温度検知素子81,84の検知結果に基づいて、例えばリレーRのオン状態及びオフ状態の切替え動作の制御信号、又は電池モジュール20同士の通電停止動作の制御信号を出力する。
【0049】
図2及び図4に示されるように、ジャンクションボックス51では、複数のハーネスHを介して各電池モジュール20の正極端子に配線L1が接続されると共に、負極端子に配線L2が接続されている。より詳しくは、配線L1は、バスバーL11,L12,L13,L14及びバスバーL15を含む。
【0050】
バスバーL11は、前方側に配置された4個の電池モジュール20の各正極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL12は、後方側に配置された3個の電池モジュール20の各正極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL13は、バスバーL11及びバスバーL12を連結する。バスバーL14は、バスバーL13とバスバーL15とをヒューズ52を介して連結する。バスバーL15は、コネクタ70の第1ハーネス74cに電気的に接続されている(図7及び図8参照)。
【0051】
ヒューズ52は、部品配置領域14bを含む領域A1に配置されている。すなわち、電池パック1は、第1領域に配置されたヒューズ52を備える。このヒューズ52は、配線L1を流れる電流のジュール熱により発熱し得る。ヒューズ52は、例えば、配線L1に過剰な電流が流れた場合に内部の配線を溶断させる電力ヒューズである。
【0052】
配線L2は、バスバーL21,L22,L23,L24,L25及びバスバーL26を含む。バスバーL21は、前方側に配置された4個の電池モジュール20の各負極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL22は、後方側に配置された3個の電池モジュール20の各負極端子にハーネスHを介して接続されている。バスバーL23は、バスバーL21及びバスバーL22を連結する。バスバーL24は、バスバーL22とリレーRの一方の端子とを電気的に接続する。バスバーL25は、リレーRの他方の端子とコネクタ70の第2ハーネス75cとを電気的に接続する(図7参照)。また、バスバーL26は、バスバーL24から分岐し、出力端子65aに接続されている。
【0053】
配線L3は、コネクタ70の第3ハーネス76cと出力端子65bとを電気的に接続する。
【0054】
リレーRは、各電池モジュール20とコネクタ70とを電気的に接続するオン状態(導通状態)、及び各電池モジュール20とコネクタ70とを電気的に切り離すオフ状態(遮断状態)を切り替え可能である。リレーRは、例えば、メカニカルリレーであり、電池制御ECUからの制御信号によって、オン状態及びオフ状態の切替え動作を行う。
【0055】
図7図9に示されるように、中継端子60は、立設部63を含む土台部61と、第1端子62aと、第2端子62bと、第3端子62cと、第4端子62dと、ジャンパ部材62jと、を有する。
【0056】
土台部61は、第1端子62a〜第4端子62dを支持するための部材である。土台部61は、第1端子62a〜第4端子62dを互いに絶縁しつつ、第1端子62a〜第4端子62dを支持する。土台部61は、一例として、分離部17の端子配置部18bに設けられた貫通孔に嵌め込まれて固定されている。土台部61では、一対の台形形状の部分により立設部63が形成されている。立設部63は、第3端子62cにより支持される。土台部61は、第1端子62a〜第4端子62dの絶縁性及び土台部61の成形の容易性の観点から、例えば樹脂により成型されている。
【0057】
第1端子62a、第2端子62b、及び第4端子62dは、端子配置部18bに土台部61が固定された状態において、後述の端子配置部18bに沿って配置されている。第3端子62cは、立設部63により、第1端子62a、第2端子62b、及び第4端子62dよりも上方に配置されている。第3端子62cには、鈎形をなすジャンパ部材62jの一端が配置される。第4端子62dには、ジャンパ部材62jの他端が配置される。第3端子62c及び第4端子62dは、ジャンパ部材62jにより電気的に接続されている。
【0058】
中継端子60では、第1端子62aには、コネクタ70の第2ハーネス75cが接続され、第2端子62bには、コネクタ70の第1ハーネス74cが接続され、第3端子62cには、コネクタ70の第3ハーネス76cが接続される。よって、第4端子62dには、ジャンパ部材62jを介してコネクタ70の第3ハーネス76cが接続される。
【0059】
以上のように構成された電池パック1では、コネクタ70に充電器の充電コネクタが接続されると、正極端子74a及び負極端子75aが互いに接続され、各電池モジュール20が充電される。コネクタ70にジャンパコネクタが接続されると、正極端子74a及び正極端子76aが互いに接続され、出力端子65a,65bを介して電力を出力することが可能になる。
【0060】
また、電池パック1では、例えば電池モジュール20の充電中、入力される温度検知素子81の温度検知結果と、入力される温度検知素子84の温度検知結果とが電池制御ECUにより監視される。温度検知素子81,84の少なくとも何れかによって検知される温度が所定の閾値(例えば100℃〜200℃の範囲内の任意の温度)を超えていると電池制御ECUにより判定された場合、電池モジュール20の充電が完了していなくても、電池制御ECUによりリレーRがオフ状態とされる。あるいは、電池モジュール20同士の通電が電池制御ECUにより停止される。
【0061】
次に、図7図10を参照して、分離部17について説明する。図7図10に示されるように、分離部17は、筐体10の内部空間において電池モジュール20が配置される領域A1と、中継端子60、コネクタ70の一部及び温度センサ80が配置される領域A2とを、空間的に区画する。分離部17が領域A1と領域A2とを空間的に区画するとは、筐体10の内部空間を複数(ここでは2つ)の空間に分割するように筐体10の一部材として分離部17が設けられることにより、領域A1と領域A2とが形成され、領域A1と領域A2とが熱的に分離されることを意味する。分離部17は、領域A1において電池モジュール20及びヒューズ52と離間して設けられていてもよい。分離部17は、領域A2において第1ハーネス74c、第2ハーネス75c、ブラケット79及び温度センサ80と離間して設けられていてもよい。領域A2は、防水性の観点から、一定の水密性を有する。領域A2は、密閉されていてもよい。
【0062】
分離部17は、第1分離板17aと、第2分離板17bと、を有している。図7図10に示されるように、第1分離板17aは、前方向から見た時に上下方向に延びる鉛直部18aと、水平方向に延在すると共に中継端子60が配置される端子配置部18bと、端子配置部18bと第1側面11gとを接続するように延びる接続部18cと、を含む。第2分離板17bは、鉛直部18aと、端子配置部18bと、接続部18cと、天板11cと、第1側面11gと、によって囲まれる空間に対して前後方向に直交する面をなす(図2参照)。
【0063】
第1分離板17a及び第2分離板17bは、例えば金属板で構成されている。第1分離板17a及び第2分離板17bは、例えば溶接の容易性の観点から、筐体10と同様の材料であることが好ましい。筐体10と分離部17とを溶接で接合することにより、強度と水密性とを容易に確保することができる。
【0064】
ここで、領域A1では、電池モジュール20及びヒューズ52の発熱により温度の上昇が生じ易い。また、領域A1では、この温度上昇に伴って空気の対流が生じ、温度分布の不均一等が生じ得る。ここで、領域A2は、分離部17により空間的に区画されているため、上述のような領域A1での温度上昇が生じたとしても、領域A1の温度上昇の影響を受けることが抑制されている。つまり、領域A2は、分離部17により領域A1から熱的に分離されている。
【0065】
以上説明したように、上記実施形態の電池パック1では、発熱源となり得る各電池モジュール20が領域A1に配置され、コネクタ70の温度を検出する温度センサ80が領域A2に配置されている。この領域A1及び領域A2は、分離部17により熱的に分離されている。これにより、電池モジュール20が発する熱の影響が温度センサ80に及ぶことを抑制できる。その結果、コネクタ70の温度を精度よく検出することが可能となる。
【0066】
電池パック1は、領域A1に配置されたヒューズ52を備えている。このように、発熱源となり得るヒューズ52が領域A1に配置されているため、ヒューズ52が発する熱の影響が温度センサ80に及ぶことを抑制できる。
【0067】
電池パック1では、コネクタ70は、筐体10に取り付けられた本体部71と、本体部71に設けられ、充電器と電池モジュール20とを電気的に接続する接続部材74,75と、を含む。温度センサ80は、接続部材74の第1部分74X及び接続部材75の第1部分75Xに設けられている。このように、接続部材74の第1部分74X及び接続部材75の第1部分75Xに温度センサ80が設けられているため、コネクタ70の本体部71に設けられた接続部材74,75と共に温度センサ80を一体的に着脱することができる。
【0068】
電池パック1では、分離部17は、金属板を含む。筐体10は金属製であることから、例えば溶接等により分離部17を筐体に取り付けることができる。
【0069】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0070】
上記実施形態では、中継端子60を配置し得る空間容積を領域A2が有する電池パック1を例示したが、例えば図11に示されるように、領域A2の空間容積が低減された電池パック1Aに変形してもよい。
【0071】
電池パック1Aは、端子配置部18bに代えて端子配置部18bAを含む分離部17Aと、土台部61及び立設部63を含む中継端子60に代えて土台部61A及び立設部63Aを含む中継端子60Aと、接続部材74に代えて接続部材74Aを含むコネクタ70Aと、を備える点で、電池パック1と異なっている。
【0072】
電池パック1Aでは、端子配置部18bAの左右方向の長さが短くなることに伴い、中継端子60Aにおける土台部61Aの左右方向の長さが、土台部61の左右方向の長さよりも短くされている。また、立設部63Aの左右方向の長さが、立設部63の左右方向の長さよりも短くされている。立設部63Aは、例えば、鉛直部18a側の底角が略直角をなす一対の台形形状の部分により形成されている。また、第2端子62bは、第3端子62cの下方に位置するように移動され、第1ハーネス74cの長さが短縮された接続部材74Aに接続される。なお、図11において図示を省略しているが、第1端子62aは、第3端子62cの左右方向位置に対応する位置に移動されてもよい。以上のような電池パック1Aでは、端子配置部18bAの左右方向の長さが、端子配置部18bの左右方向の長さよりも短くされることで、領域A2の空間容積(温度センサ80の周囲の空間容積)が低減されている。これにより、温度センサ80が検出する温度とコネクタ70の温度との差が生じることが抑制され、コネクタ70の温度を更に精度よく検出することが可能となる。
【0073】
上記実施形態又は変形例では、中継端子60とは別体の金属板で分離部17を構成したが、例えば、樹脂材料により分離部17と中継端子60とを一体成型してもよい。
【0074】
上記実施形態又は変形例では、分離部17を1枚の金属板で構成していたが、例えば、分離部17を2枚以上の金属板で構成し、この2枚以上の金属板により密閉された内部空間を画成してもよい。この場合、断熱層として機能する空気層を設けることで、領域A1から領域A2への熱の伝達を更に抑制することができる。
【0075】
上記実施形態又は変形例では、分離部17は、領域A1及び領域A2を空間的に区画していたが、必ずしも領域A1及び領域A2を空間的に区画する必要はない。要は、分離部は、領域A1及び領域A2を熱的に分離するものであれば、筐体10の内部空間を複数の空間に分割しなくてもよい。例えば、分離部は、断熱性を有し温度センサ80を直接被覆する被覆部材であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
1,1A…電池パック、10…筐体、17…分離部、20…電池モジュール、22…電池セル、52…ヒューズ、70…コネクタ、71…本体部、74,75…接続部材、80…温度センサ、A1…領域(第1領域)、A2…領域(第2領域)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11