特許第6794767号(P6794767)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794767
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   H01M2/10 A
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-205007(P2016-205007)
(22)【出願日】2016年10月19日
(65)【公開番号】特開2018-67443(P2018-67443A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2019年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】石黒 文彦
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰有
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−028907(JP,A)
【文献】 特開2016−152200(JP,A)
【文献】 特開2015−207427(JP,A)
【文献】 特開2016−051565(JP,A)
【文献】 特開2016−119155(JP,A)
【文献】 特開2014−075348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールと前記電池モジュールを収容する筐体とを備える電池パックであって、
前記筐体は、開放部が形成された箱状の本体と、前記開放部を塞ぐように前記本体に取り付けられた蓋と、前記本体と蓋との間に介在するシール部材と、を有し、
前記本体は、第1方向に沿って延びる上壁部と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる側壁部と、を含み、
前記上壁部及び前記側壁部は、前記開放部を規定する端面を含み、
前記端面には、複数のボルト孔が形成されており、
前記蓋は、前記ボルト孔に螺合される複数のボルトによって前記本体に締結され、前記端面との間で前記シール部材を圧縮した状態で前記本体に取り付けられており、
前記上壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチは、前記側壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチよりも小さく、
前記第2方向は鉛直方向であり、
前記上壁部には、前記電池モジュールの充電用コネクタを設けるためのコネクタ設置部が設けられており、
前記上壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチは、前記コネクタ設置部に向かうにつれて小さくなる、
電池パック。
【請求項2】
前記上壁部は、前記第1方向に沿って延び、前記第1方向に互いに離間して配列された一対の第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に突出すると共に前記第1部分を互いに接続する第2部分と、を含む、
請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
少なくとも一方の前記第1部分と前記第2部分との接続部において、前記端面には前記ボルト孔が形成されている、
請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記本体は、第1方向に沿って延びる底壁部を含み、
前記底壁部は、前記開放部を規定すると共に複数の前記ボルト孔が形成された端面を含み、
前記底壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチは、前記側壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチよりも小さい、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記シール部材は、前記シール部材の始端と終端とが重複するように環状に前記端面上に配置されており、
前記シール部材の重複部分は、前記側壁部の前記端面上に位置している、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
電池モジュールと前記電池モジュールを収容する筐体とを備える電池パックであって、
前記筐体は、開放部が形成された箱状の本体と、前記開放部を塞ぐように前記本体に取り付けられた蓋と、前記本体と蓋との間に介在するシール部材と、を有し、
前記本体は、第1方向に沿って延びる上壁部と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる側壁部と、を含み、
前記上壁部及び前記側壁部は、前記開放部を規定する端面を含み、
前記端面には、複数のボルト孔が形成されており、
前記蓋は、前記ボルト孔に螺合される複数のボルトによって前記本体に締結され、前記端面との間で前記シール部材を圧縮した状態で前記本体に取り付けられており、
前記上壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチは、前記側壁部の前記端面における前記ボルト孔のピッチよりも小さく、
前記第2方向は鉛直方向であり、
前記上壁部は、前記第1方向に沿って延び、前記第1方向に互いに離間して配列された一対の第1部分と、前記第1部分から前記第2方向に突出すると共に前記第1部分を互いに接続する第2部分と、を含み
一方の前記第1部分には、前記電池モジュールの充電用コネクタを設けるためのコネクタ設置部が設けられており、
前記一方の第1部分の前記端面における前記ボルト孔のピッチは、他方の前記第1部分の前記端面における前記ボルト孔のピッチよりも小さい、
電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車に装備されたMCU(モータコントロールユニット)のケースに適用されるシール構造が記載されている。この構造において、ケースは、上面が開口した直方体状の筐体と、筐体の開口を閉塞する蓋体と、を含む。筐体の外側面には、開口部の端部から外部方向へ水平に延出形成された上鍔部が設けられている。上鍔部と蓋体との間には、ガスケット(シール部材)が挟装されている。上鍔部、蓋体、及び、ガスケットには、複数のボルト孔が穿孔されている。上鍔部、蓋体、及び、ガスケットは、ボルト孔に螺合する締結部材を用いて締結固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−218946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記技術分野に係る電池パックのシール構造としても、上述したように、筐体と蓋体との間にシール部材を介在させつつ、筐体と蓋体とを締結部材により互いに締結する構造を採用することが考えられる。一方で、電池パックは、産業車両等に搭載されて用いられる場合があるため、その使用環境に応じて水の侵入を確実に抑制することが要求される。しかしながら、シール性の向上はコストの増大を伴う場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、コストの増大を抑制しながら水の浸入を確実に抑制可能な電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を進めることにより、次のような知見を得るに至った。すなわち、電池パックの使用時にあっては、筐体における鉛直方向に交差する壁部上に水が溜まるおそれがあるのに対して、鉛直方向に沿った壁部上には水が溜まるおそれがない。したがって、電池パックの使用時に鉛直方向に交差する壁部と蓋との間のシール性を、鉛直方向に沿う壁部と蓋との間のシール性よりも相対的に高くすることにより、コストの増大を抑制しながら水の侵入を確実に抑制可能である。本発明は、そのような知見に基づいてなされたものである。
【0007】
すなわち、本発明に係る電池パックは、電池モジュールと電池モジュールを収容する筐体とを備える電池パックであって、筐体は、開放部が形成された箱状の本体と、開放部を塞ぐように本体に取り付けられた蓋と、本体と蓋との間に介在するシール部材と、を有し、本体は、第1方向に沿って延びる上壁部と、第1方向に交差する第2方向に沿って延びる側壁部と、を含み、上壁部及び側壁部は、開放部を規定する端面を含み、端面には、複数のボルト孔が形成されており、蓋は、ボルト孔に螺合される複数のボルトによって本体に締結され、端面との間でシール部材を圧縮した状態で本体に取り付けられており、上壁部の端面におけるボルト孔のピッチは、側壁部の端面におけるボルト孔のピッチよりも小さい。
【0008】
この電池パックにおいては、電池モジュールを収容する筐体の本体と蓋との間にシール部材が介在された状態において、複数のボルトによって蓋が本体に取り付けられる。これにより、本体と蓋との間でシール部材が圧縮され、筐体がシールされる。特に、本体は、第1方向に沿って延びる上壁部と、第1方向に交差する第2方向に沿って延びる側壁部と、を含む。そして、上壁部の端面におけるボルト孔のピッチが、側壁部の端面におけるボルト孔のピッチよりも小さい。これにより、上壁部と蓋との間のシール性が、側壁部と蓋との間のシール性よりも高くなる。このため、上壁部が鉛直方向に交差し、且つ、側壁部が鉛直方向に沿うような姿勢で電池パックを使用すれば、水の溜まるおそれのある壁部において十分にシール性が確保されつつ、水の溜まるおそれのない壁部において不必要にシール性が向上されることがない。したがって、コストの増大を抑制しながら水の浸入を確実に抑制可能である。
【0009】
本発明に係る電池パックにおいては、上壁部は、第1方向に沿って延び、第1方向に互いに離間して配列された一対の第1部分と、第1部分から第2方向に突出すると共に第1部分同士を互いに接続する第2部分と、を含んでもよい。このように、上壁部が、互いに交差する方向に沿って延びる第1部分及び第2部分を含む場合には、その接続部に水が溜まりやすい。したがって、上記のように上壁部と蓋との間のシール性を相対的に高くすることがより重要となる。
【0010】
本発明に係る電池パックにおいては、少なくとも一方の第1部分と第2部分との接続部において、端面にはボルト孔が形成されていてもよい。この場合、第1部分と第2部分との接続部のシール性を向上し、より確実に水の浸入を抑制可能である。
【0011】
ここで、電池パックを産業車両等に搭載して使用する際には、その充電用コネクタが産業車両等の外部に向けて開放されるおそれがある。そこで、本発明に係る電池パックにおいては、一方の第1部分には、電池モジュールの充電用コネクタを設けるためのコネクタ設置部が設けられており、一方の第1部分の端面におけるボルト孔のピッチは、他方の第1部分の端面におけるボルト孔のピッチよりも小さくてもよい。また、一方の第1部分の端面におけるボルト孔のピッチは、コネクタ設置部に向かうにつれて小さくなってもよい。この場合、外部に向けて開放されて水に接しやすい部分のシール性を向上し、より確実に水の浸入を抑制可能である。
【0012】
本発明に係る電池パックにおいては、本体は、第1方向に沿って延びる底壁部を含み、底壁部は、開放部を規定すると共に複数のボルト孔が形成された端面を含み、底壁部の端面におけるボルト孔のピッチは、側壁部の端面におけるボルト孔のピッチよりも小さくてもよい。この場合、底壁部と蓋とのシール性が相対的に高くなる。したがって、底壁部が側壁部よりも鉛直下方に位置する姿勢で電池パックを使用すれば、例えば電池パックを搭載した産業車両等が浸水した際に、底壁部側からの水の浸入を確実に抑制可能である。
【0013】
なお、本体と蓋との間のシール性は、シール部材が連続する箇所に比べて、シール部材の始端及び終端といったシール部材が途切れる箇所において相対的に低い。このため、本発明に係る電池パックにおいては、シール部材は、シール部材の始端と終端とが重複するように環状に端面上に配置されており、シール部材の重複部分は、側壁部の端面上に位置していてもよい。この場合、相対的に低いシール性を許容可能な側壁部の端面上に、シール部材が途切れる(ただし重複している)箇所を配置することにより、筐体全体として水の浸入を確実に抑制可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コストの増大を抑制しながら水の浸入を確実に抑制可能な電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】リーチリフトを示す側面図である。
図2図1のII−II線に沿っての模式断面図である。
図3図1,2に示された電池パックの斜視図である。
図4図3に示された本体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して電池パックの一実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、以下の図面には、X軸、Y軸、及び、Z軸によって規定される直交座標系Sを示す場合がある。
【0017】
本実施形態に係る電池パックは、車両に搭載される。車両は、例えば産業車両である。産業車両としては、一例として、荷役作業を行うフォークリフトが挙げられる。ここでは、フォークリフトの一例として、リーチリフトを例示する。図1は、リーチリフトを示す側面図である。図1に示されるように、リーチリフト1は、車体2、荷役装置3、及び、運転室4を備えている。リーチリフト1は、運転者が立って操作するコンパクトなフォークリフトである。
【0018】
そのため、リーチリフト1の車体2は、カウンタタイプのフォークリフトの車体と比べると小さい。特に、車体2の前後方向における寸法が、相対的に小さい。なお、以下の説明における「前」、「後」、「左」、及び、「右」は、運転室4から荷役装置3に向かう方向を「前」方向としたときの各方向を示す場合がある。また、以下の説明における「上」及び「下」は、それぞれ、鉛直上方及び鉛直下方を示す場合がある。
【0019】
車体2は、台座部2aと本体部2bとを含む。台座部2aは、車体2の下部に配置されている。台座部2aは、例えば直方体形状である。台座部2aの後方下部には、後輪(駆動輪、及び、操舵輪)2cとキャスタホイール(不図示)とが設けられている。台座部2aの上面における後方右部は、運転者が立つフロアとされている。
【0020】
本体部2bは、台座部2aの上部に配置されている。本体部2bは、平面視において、略L字形状である。本体部2bの内部は、各種機器の収容スペース(バッテリー収容部)Hsとなっている。収容スペースHsの前部は、リーチリフト1の左右方向(車幅方向)の略全領域に広がるスペースである。収容スペースHsの後部は、リーチリフト1の左右方向の略左半分の領域に広がるスペースである。収容スペースHsの後部における上側には、走行用モータ2dと荷役用モータ2eが配置されている。走行用モータ2dは、駆動輪の駆動源となるモータである。荷役用モータ2eは、荷役装置3の駆動源となるモータである。
【0021】
図2は、図1のII−II線に沿っての模式断面図である。図1,2に示されるように、収容スペースHsの前部には、電池パック10が収容されている。車体2の左側の側面2sには、収容スペースHsに電池パック10を挿入するための開口2pに対して蓋体2hが開閉可能に設けられている。ここでは、蓋体2hに対して、電池パック10を充電する際に、後述の充電用コネクタ50にアクセスするための充電用の開口2tが設けられている。電池パック10は、走行用モータ2d及び荷役用モータ2e等の電力源となる。電池パック10は、後述の充電用コネクタ50が設けられたコネクタ設置部69が側面2s側から見て手前となるように、収容スペースHsに収容されている。
【0022】
図1に示されるように、荷役装置3は、左右一対のリーチレグ3a、フォーク3b、及びマスト3cを有している。リーチレグ3aは、台座部2aの前端部から前方に向かって設けられている。各リーチレグ3aの前方下部には、前輪3dが設けられている。マスト3cは、本体部2bの前方に立設されている。マスト3cは、左右一対のリーチレグ3aに前後方向に移動自在に取り付けられている。マスト3cは、リーチシリンダ(不図示)の駆動力により、左右一対のリーチレグ3aに沿って前後方向に移動可能である。
【0023】
フォーク3bは、マスト3cにリフトブラケット3eを介して取り付けられている。フォーク3bは、積荷Aを支持するための部材である。フォーク3bは、マスト3cに結合されたリフトシリンダ(不図示)の駆動力により、マスト3cに沿って上下方向に移動可能である。運転室4においては、車体2の後部の右側の空いているスペースが上記のフロアとされている。運転室4には、フロアの左側においてハンドル4aが設けられている。
【0024】
図3は、図1,2に示された電池パックの斜視図である。図4は、図3に示された本体の側面図である。図2〜4に示されるように、電池パック10は、複数の電池モジュール20と、少なくとも電池モジュール20の制御を行う制御部30と、電池モジュール20及び制御部30を収容する筐体40と、電池モジュール20に電気的に接続された充電用コネクタ50と、を備えている。
【0025】
電池モジュール20は、例えば、互いに直列に接続された複数(例えば7〜13)の電池セル21を有している。電池セル21は、例えばリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。電池モジュール20は、例えば、端子台(不図示)において、正極側及び負極側のそれぞれのバスバーに集約されて接続されることにより、互いに並列に接続されている。
【0026】
制御部30は、例えば、電池モジュール20の温度や電圧を監視するための監視ECU(Electronic Control Unit)、及びFETリレー等の電子部品を含む。また、制御部30は、例えば、電池モジュール20の温度及び電圧に応じて、或いはリーチリフト1側からの要求に応じて、電池モジュール20の充放電を制御することができる。
【0027】
筐体40は、全体として概ね直方体状の外形を有している。筐体40は、開放部60pが形成された箱状の本体60と、開放部60pを塞ぐように本体60に取り付けられた蓋70と、本体60と蓋70との間に介在するシール部材80と、を有する。本体60は、箱状を呈している。より具体的には、本体60は、互いに対向する平板状の上壁部61及び底壁部62と、互いに対向する平板状の側壁部63,64と、上壁部61、底壁部62、及び、側壁部63,64を互いに接続する平板状の側壁部65と、を含む。上壁部61、底壁部62、及び、側壁部63,64は、側壁部65に立設されている。
【0028】
上壁部61及び底壁部62は、第1方向(例えばX軸方向)に沿って延びている。側壁部63〜65は、第1方向に交差する第2方向(例えばZ軸方向)に沿って延びている。ここでは、上壁部61及び底壁部62は、第2方向に交差(例えば直交)しており、側壁部63,64は、第1方向に交差(例えば直交)している。したがって、上壁部61及び底壁部62が鉛直方向に交差(直交)するように電池パック10がリーチリフト1に搭載された場合、側壁部63〜65は鉛直方向に沿うことになる。
【0029】
開放部60pは、上壁部61と底壁部62と側壁部63,64との端部によって形成されている。すなわち、上壁部61は、開放部60pを規定する端面61sを含み、底壁部62は、開放部60pを規定する端面62sを含む。また、側壁部63は、開放部60pを規定する端面63sを含み、側壁部64は、開放部60pを規定する端面64sを含む。
【0030】
上壁部61は、一対の第1部分67と単一の第2部分68とからなる。第1部分67は、第1方向に沿って延びており、第1方向に互いに離間して配列されている。第2部分68は、一対の第1部分67の間に配置されている。第2部分68は、第1部分67から第2方向に突出すると共に、第1部分67同士を互いに接続している。第1部分67は平板状であり、第2部分68は凸板状である。制御部30は、例えば第2部分68に収容される。第1部分67と第2部分68とは、一対の接続部Pを形成している。
【0031】
一対の第1部分67のうちの側壁部63側に位置する一方の第1部分67Aには、充電用コネクタ50を設けるためのコネクタ設置部69が設けられている。より具体的には、第1部分67Aから側壁部63にわたって、本体60の内側に窪むように凹部が形成されており、当該凹部に充電用コネクタ50が設けられている。すなわち、当該凹部がコネクタ設置部69である。
【0032】
なお、第1部分67の上面67s(本体60の外側の面)は、側壁部65の突出部65pと、蓋70の突出部70pと、第2部分68の側面68s(上面67sに交差する面)と、によって3方向に囲われている。また、突出部65p(及び突出部70p)には、電池パック10を移送する際に吊り具が挿通される挿通孔65hが形成されている。
【0033】
端面61s〜64sには、複数のボルト孔90が形成されている。ボルト孔90は、ここでは、端面61s〜64sの延在方向に沿って一列に配列されている。蓋70は、そのボルト孔90に螺合される複数のボルト(不図示)によって本体60に締結され、端面61s〜64sとの間でシール部材80を圧縮した状態で本体60に取り付けられている。なお、ボルト孔90の周りには、スペーサBが設けられており、スペーサBの厚さによってシール部材80の圧縮率が規定される。また、端面61s〜64sには、蓋70の位置決めのための複数のピン71が形成されている。
【0034】
シール部材80は、始端81と終端82とを有する一続きの紐状を呈しており、端面61s〜64sに沿うように環状に整形され、端面61s〜64s上に配置されている。その状態において、始端81と終端82とは、本体60の内側から外側に向かう方向に沿って互いに重複し、重複部分83を形成している。重複部分83は、例えば、底壁部62の端面62s上に配置されている。シール部材80は、ボルト孔90の外側に配置されている。
【0035】
ここで、上壁部61の端面61sにおけるボルト孔90のピッチP1は、側壁部63,64の端面63s,64sにおけるボルト孔90のピッチP3よりも小さい。ここでのボルト孔90のピッチP1,P2は、ボルト孔90のピッチの平均値である。より具体的には、ピッチP1は、端面61sにおいて互いに隣り合う2つのボルト孔90のピッチ(ボルト孔90の中心同士の間隔)の平均値である。また、ここでは、ピッチP3は、端面63s(又は端面64s)に形成されたボルト孔90が1つであることから、当該ボルト孔90と、当該ボルト孔90に最も近いボルト孔90(例えば端面61sの最も側壁部63側のボルト孔90)とのピッチである。
【0036】
また、底壁部62の端面62sにおけるボルト孔90のピッチP2は、ピッチP3よりも小さい。ピッチP2の定義はピッチP1と同様である。なお、ピッチP2は、ピッチP1よりもさらに小さくてもよい。ただし、上記のようなボルト孔90のピッチの相対関係に依らず、ここでは、第1部分67と第2部分68との2つの接続部Pのうち、一方の第1部分67Aと第2部分68との接続部Pにおいて、端面61sには、ボルト孔90が設けられている。
【0037】
以上説明したように、電池パック10においては、電池モジュール20を収容する筐体40の本体60と蓋70との間にシール部材80が介在された状態において、複数のボルトによって蓋70が本体60に取り付けられる。これにより、本体60と蓋70との間でシール部材80が圧縮され、筐体40がシールされる。特に、本体60は、第1方向に沿って延びる上壁部61と、第1方向に交差する第2方向に沿って延びる側壁部63,64と、を含む。そして、上壁部61の端面61sにおけるボルト孔90のピッチP1が、側壁部63,64の端面63s,64sにおけるボルト孔90のピッチP3よりも小さい。
【0038】
これにより、上壁部61と蓋70との間のシール性が、側壁部63,64と蓋70との間のシール性よりも高くなる。このため、上壁部61が鉛直方向に交差し、且つ、側壁部63,64が鉛直方向に沿うような姿勢(図1,2に示される姿勢)で電池パック10を使用すれば、水の溜まるおそれのある壁部において十分にシール性が確保されつつ、水の溜まるおそれのない壁部において不必要にシール性が向上されることがない。したがって、コストの増大を抑制しながら水の浸入を確実に抑制可能である。
【0039】
また、電池パック10においては、上壁部61は、第1方向に沿って延び、第1方向に互いに離間して配列された一対の第1部分67と、第1部分67から第2方向に突出すると共に第1部分67同士を互いに接続する第2部分68と、を含んでいる。このように、上壁部61が、互いに交差する方向に沿って延びる第1部分67及び第2部分68を含む場合には、その接続部Pに水が溜まりやすい。したがって、上記のように上壁部61と蓋70との間のシール性を相対的に高くすることがより重要となる。
【0040】
このとき、少なくとも一方の第1部分67Aと第2部分68との接続部Pにおいて、上壁部61の端面61sにはボルト孔90が形成されている。このため、第1部分67Aと第2部分68との接続部Pのシール性を向上し、より確実に水の浸入を抑制可能である。
【0041】
さらに、電池パック10においては、本体60は、第1方向に沿って延びる底壁部62を含み、底壁部62は、開放部60pを規定すると共に複数のボルト孔90が形成された端面62sを含む。そして、底壁部62の端面62sにおけるボルト孔90のピッチP2は、側壁部63,64の端面63s,64sにおけるボルト孔90のピッチP3よりも小さい。このため、底壁部62と蓋70とのシール性が相対的に高くなる。したがって、底壁部62が側壁部63,64よりも鉛直下方に位置する姿勢で電池パック10を使用すれば、例えば電池パック10が浸水した際に、底壁部62側からの水の浸入を確実に抑制可能である。
【0042】
以上の実施形態は、本発明に係る電池パックの一実施形態について説明したものである。したがって、本発明に係る電池パックは、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上記の電池パック10に対して任意に変更を加えたものとすることができる。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、上壁部61の端面61sにおけるボルト孔90のピッチP1と、側壁部63,64の端面63s,64sにおけるボルト孔90のピッチP3との間の相対関係について規定している。これに対して、例えば、上壁部61の端面61s内においても、ボルト孔90のピッチを変化させてもよい。
【0044】
一例として、上壁部61における一対の第1部分67のうち、コネクタ設置部69が設けられた一方の第1部分67Aの端面61sにおけるボルト孔90のピッチを、一対の第1部分67のうちの他方の第1部分67Bの端面61sにおけるボルト孔90のピッチよりも小さくしてもよい。或いは、第1部分67Aの端面61sにおけるボルト孔90のピッチを、コネクタ設置部69に向かうにつれて小さくしてもよい。この場合、外部に向けて開放されて水に接しやすい部分のシール性を向上し、より確実に水の浸入を抑制可能である。
【0045】
さらには、例えば、側壁部63,64の端面63s,64sにおいて、底壁部62に向かうほど(近づくほど)ボルト孔90のピッチが小さくなるように、ピッチの分布を設けてもよい。この場合、電池パック10の浸水時において、底壁部62や側壁部63,64の底壁部62側の部分からの水の浸入を確実に抑制可能となる。なお、端面63s,64sにおいてこのようなピッチの分布を設けた場合であっても、それらの平均のピッチであるピッチP3を、ピッチP1,P2よりも大きくする(すなわち、ピッチP1,P2を相対的に小さくする)ことができる。
【0046】
なお、以上のピッチの比較は、平均値であるピッチP1,P2とピッチP3との比較であって、例えば、端面61s,62sの全てのボルト孔90のピッチが、必ず、端面63s,64sの任意のボルト孔90のピッチよりも小さいことを制限されるものではない。ただし、端面61s,62sの全てのボルト孔90のピッチが、端面63s,64sの任意のボルト孔90のピッチよりも小さくてもよい。
【0047】
また、本体60と蓋70との間のシール性は、シール部材80が連続する箇所に比べて、シール部材80の始端81及び終端82といったシール部材80が途切れる箇所において相対的に低い。このため、シール部材80の重複部分83を、側壁部63,64の端面63s,64s上に配置していてもよい。この場合、相対的に低いシール性を許容可能な側壁部63,64の端面63s,64s上に、シール部材80が途切れる(ただし重複している)箇所を配置することにより、筐体40全体として水の浸入を確実に抑制可能である。さらには、端面63s,64sのなかでも、ボルト孔90の近傍に重複部分83を配置することにより、シール性の低下を抑制可能である。
【符号の説明】
【0048】
10…電池パック、20…電池モジュール、40…筐体、50…充電用コネクタ、60…本体、60p…開放部、61…上壁部、61s,62s,63s,64s…端面、62…底壁部、63,64,65…側壁部、67,67A,67B…第1部分、68…第2部分、69…コネクタ設置部、70…蓋、80…シール部材、81…始端、82…終端、83…重複部分。
図1
図2
図3
図4