特許第6807434号(P6807434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6807434時計内部の相対湿度を測定する装置を備えている時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807434
(24)【登録日】2020年12月9日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】時計内部の相対湿度を測定する装置を備えている時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 47/06 20060101AFI20201221BHJP
   G04B 37/00 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   G04B47/06 Z
   G04B37/00 Z
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-131663(P2019-131663)
(22)【出願日】2019年7月17日
(65)【公開番号】特開2020-12827(P2020-12827A)
(43)【公開日】2020年1月23日
【審査請求日】2019年7月17日
(31)【優先権主張番号】18184764.1
(32)【優先日】2018年7月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクワーレ・トルトーラ
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−12190(JP,A)
【文献】 スイス国特許発明第328663(CH,A5)
【文献】 スイス国特許出願公開第708942(CH,A3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/00 − 37/05
G04B 47/06
G04C 3/00
G04C 3/14
G04G 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計ケース(6)を備えている時計(2)であって、前記時計ケース(6)が、前記時計(2)内部の相対湿度を測定する装置(8)を備えている、時計において、
相対湿度を測定する前記装置(8)は、測定用光ファイバ(14)を備えている光ファイバ装置であり、前記光ファイバ(14)は、ある部分(16)を有し、前記部分は、前記時計ケース(6)内部に水蒸気が存在する状態で前記部分(16)の屈折率が変化するように構成されることを特徴とする、時計。
【請求項2】
前記部分(16)は、前記光ファイバ(14)の2つの端部(14a、14b)の間に位置する、前記測定用光ファイバ(14)の中間部分を形成することを特徴とする、請求項1に記載の時計(2)。
【請求項3】
前記部分(16)は、前記光ファイバ(14)の自由端を形成し、前記自由端(16)は、ファブリペローキャビティを形成するように光学的に構成されることを特徴とする、請求項1に記載の時計(2)。
【請求項4】
相対湿度を測定する前記装置(8)はさらに、光入力光ファイバ(22)と、光出力光ファイバ(24)と、前記光入力光ファイバ(22)を前記光出力光ファイバ(24)に結合する光カプラ(26)とを備え、前記測定用光ファイバ(14)のもう一方の端部(28)は、前記光カプラ(26)に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の時計(2)。
【請求項5】
前記測定用光ファイバ(14)の前記部分(16)は、前記測定用光ファイバの光学シースが剥ぎ取られていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の時計(2)。
【請求項6】
前記測定用光ファイバ(14)の前記部分(16)は、水蒸気が存在する状態で屈折率が変化する外層(18)を有することを特徴とする、請求項5に記載の時計(2)。
【請求項7】
前記外層(18)は、ポリマー層と二酸化ケイ素ナノ粒子層との交互の積層を含むことを特徴とする、請求項6に記載の時計(2)。
【請求項8】
前記測定用光ファイバ(14)の前記部分(16)の長さは、実質的に30mmであることを特徴とする、請求項2に従属する場合の請求項5〜7のいずれか一項に記載の時計(2)。
【請求項9】
前記時計ケース(6)は、ケース中央部(10)を備え、さらに光伝送窓(12)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の時計(2)。
【請求項10】
前記光伝送窓(12)は、前記ケース中央部(10)に加工されることを特徴とする、請求項9に記載の時計(2)。
【請求項11】
前記光伝送窓(12)は、半透明の防水性材料で形成されることを特徴とする、請求項10に記載の時計(2)。
【請求項12】
前記時計ケース(6)は、文字盤(11)を含み、前記ケース中央部(10)を閉じるガラス蓋(32)を備え、前記光伝送窓(12)は、前記文字盤(11)を貫通して加工され、前記ガラス蓋(32)に対面して設けられることを特徴とする、請求項9に記載の時計(2)。
【請求項13】
前記光伝送窓(12)は、前記文字盤(11)にあけた孔で形成されることを特徴とする、請求項12に記載の時計(2)。
【請求項14】
相対湿度を測定する前記装置(8)は、前記時計ケース(6)の前記中央部(10)の内部に配置され、前記光入力および出力光ファイバ(22、24)のそれぞれの前記自由端(22a、24a)は、前記光伝送窓(12)に対面して配置されることを特徴とする、請求項4に従属する場合の請求項10〜13のいずれか一項に記載の時計(2)。
【請求項15】
相対湿度を測定する前記装置(8)は、前記時計ケース(6)の前記中央部(10)の内部に配置され、前記測定用光ファイバ(14)の前記2つの端部(14a、14b)は、前記光伝送窓(12)に対面して配置されることを特徴とする、請求項2に従属する場合の請求項10〜13のいずれか一項に記載の時計(2)。
【請求項16】
時計(2)内部の相対湿度を測定するアセンブリであって、時計(2)と、光信号から相対湿度を判定する手段および前記判定手段に接続された光送受信手段(36)を備えている外部装置(4)とを含むアセンブリにおいて、前記時計(2)は、請求項9〜15のいずれか一項に従い、前記外部装置(4)は、前記時計(2)の前記光伝送窓(12)を通して光を送受信するように構成され、前記は、前記測定用光ファイバ(14)を流れることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項17】
前記外部装置(4)は携帯型の外部装置であることを特徴とする、請求項16に記載のアセンブリ(1)。
【請求項18】
前記携帯型の外部装置(4)はペン型であることを特徴とする、請求項17に記載のアセンブリ(1)。
【請求項19】
前記光送受信手段(36)は、集束光源(40)および光センサ(42)を備えていることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項20】
前記外部装置(4)はさらに、電子相対湿度センサと、前記電子相対湿度センサによって判定された相対湿度値と光信号から相対湿度を判定する手段によって判定された相対湿度値とを比較する手段とを備えていることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一項に記載のアセンブリ(1)。
【請求項21】
前記外部装置(4)はさらに、前記比較の結果に応じていくつかの異なる視覚信号を表示できる表示手段(38)を備え、各々の視覚信号は、所定の相対湿度値に対応することを特徴とする、請求項20に記載のアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計ケースを備えている時計であって、時計ケースは、時計内部の相対湿度を測定する装置を備えている、時計に関する。
【0002】
本発明は、時計内部の相対湿度を測定するアセンブリであって、光送受信装置および時計を含むアセンブリにも関する。
【背景技術】
【0003】
時計の防水性は、バールで測定される(バールは圧力の単位であり、1バールは1気圧またはatmと同等である)。時計の防水性の度合いは、しばしばメートル(m)で表される。防水性と表示されている時計は、通常の日々の使用が意図されており、例えば泳いだり、さらに単純にはシャワーを浴びたりする行為で防水性を確保しなければならない。ダイバーの時計は、より厳しい基準を満たしていなければならず、現在の基準によれば最低100mの深さでの防水性を保証しなければならない。
【0004】
防水性を確保するために、時計には一般に、時計の特定の部分、例えばガラス蓋、ベゼルおよび時計の裏カバーなどの接合点に位置しているシーリングガスケット一式と、竜頭および押しボタンなどの可動部材とが備わっている。時間および使用に伴い、ガスケットの機械特性は変化し、時計のシーリングは時には劣化することがある。すると時計は、水または水蒸気の浸透性が高くなる。その結果、時計のガラス蓋の内面に凝結現象が生じたり、さらに悪いことには、特定の金属部品が酸化したり特定のポリマー部品が劣化したりするおそれがある。そのため、時計内部の相対湿度を、時計を開ける必要なく時々監視できる必要がある。なぜなら、時計ケースを開けると必ずガスケットを交換する必要があり、時計の技術者が必要となって高くつくからである。実際、時計内部の湿気が過多になると、1つ以上のガスケットを短期間または中期間で取り換える必要があると表示されることがある。
【0005】
この必要性を満たすため、時計内部の相対湿度を測定する装置を備えている公知の時計がある。このような測定装置は、相対湿度などの様々な環境パラメータの値を測定して保存できる電子モジュールの形態である。このような電子モジュールが小サイズであることは、電子モジュールを時計ケース内部に配置でき、かつ時計ケース内部の相対湿度を専用のセンサで測定できるということである。そのため、測定した相対湿度値を時計のドッキングステーションに無線で、典型的には赤外線または無線周波数という手段によって伝送することが可能である。例えば、電子モジュールによって発信された赤外線信号は、その後、時計ケースの透明部分、典型的にはガラス蓋を通り、ドッキングステーションの赤外線センサによって受信される。すると時計の使用者は、ドッキングステーションに接続され専用のソフトウェアを備えているコンピュータを介して、またはスマートフォンを介して、測定した相対湿度値を見ることができる。
【0006】
しかしながら、このような電子測定装置の1つの欠点は、様々な電子部品に給電するためにバッテリまたは電池を必要とすることである。そのため、このような装置は、とりわけ機械式時計には極めて不向きである。さらに、電子時計の場合、電子測定装置は、製品の自律性を損なうおそれ、またはバッテリの容量を多く使用する必要があるおそれがあるため、時計の体積が増すおそれがある。
【0007】
別の欠点は、そのような装置は比較的かさばり、時計内部で場所を取るという点である。さらに、そのような電子測定装置は比較的高価なため、時計の製造費に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、時計ケース内にみられる相対湿度を、時計ケースを開ける必要なく監視できると同時に、経済的で製造が容易で、時計ケース内部の相対湿度を迅速かつ確実に測定できる、機械式、電子式またはこの混合型を問わないあらゆる種類の時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明は、独立請求項1に記載の特徴を有する時計に関する。
【0010】
本時計の具体的な実施形態は、従属請求項2〜15に記載されている。
【0011】
本発明によるこのような時計の1つの利点は、時計内部の相対湿度を測定する光ファイバ測定装置を時計ケース内部で使用することにある。測定用光ファイバは、ある部分を有し、この部分は、時計ケース内部に水蒸気が存在する状態でこの部分の屈折率が変化するように構成される。このような構成は、光を通す時計ケースのある部分を通して測定用光ファイバの入口に光を送り、出て行く光の強度を測定することによって、時計ケースを開ける必要なく相対湿度の測定が可能になるよう時計に遠隔で問い合わせることを可能にする。測定に光ファイバを使用することで、この解決策が、時計ケース内部の相対湿度を測定するための特に簡易で安価な解決策になる。さらに、光ファイバ測定装置は、電子回路や電力バッテリを必要としない受動型システムであるため、どのような種類の時計とも互換性があり、とりわけ機械式時計および電子時計、またはこの混合型時計とも互換性がある。さらに、測定用光ファイバの寸法が小さいことにより、測定用光ファイバを時計ケースに目立たないように組み込むことが可能になる。最後に、光ファイバ装置によって行われる測定は、先行技術の電子測定装置によって行われる測定と少なくとも同じくらい信頼性があり迅速である。
【0012】
本発明の第1の実施形態によれば、前記部分は、光ファイバの2つの端部の間に位置する、測定用光ファイバの中間部分を形成する。
【0013】
本発明の第2の実施形態によれば、前記部分は、光ファイバの自由端を形成し、前記自由端は、ファブリペローキャビティを形成するように光学的に構成される。
【0014】
本発明の特定の技術的特徴によれば、測定用光ファイバの前記部分は、光学シースを有していない。
【0015】
本発明の別の特定の技術的特徴によれば、測定用光ファイバの前記部分は、水蒸気が存在する状態で屈折率が変化する外層を備えている。
【0016】
有利には、前記外層は、ポリマー層と二酸化ケイ素ナノ粒子層との交互の積層を含む。これにより、測定用光ファイバのこの部分の外層に親水性をもたらすことが可能になる。そのため、外層の屈折率は、測定用光ファイバのこの部分の環境に水蒸気が存在する状態で変化する。
【0017】
有利には、本発明の第2の実施形態によれば、測定用光ファイバの前記部分の長さは、実質的に30mmである。これにより、相対湿度が10%〜100%である場合に、時計ケース内部の相対湿度の確実な検知を達成することが可能になる。
【0018】
そのために、本発明は、時計ケース内部の相対湿度を測定するアセンブリであって、前述した時計と、光信号から相対湿度を判定する手段およびこの判定手段に接続された光送受信手段を備えている装置とを含むアセンブリにおいて、時計ケースは、ケース中央部を備え、さらに光伝送窓を有し、装置は、時計の光伝送窓を通して光を送受信するように構成され、光は、測定用光ファイバを流れる、アセンブリにも関する。
【0019】
本発明の好適な例示的実施形態によれば、装置は携帯型装置である。
【0020】
有利には、装置はさらに、電子相対湿度センサと、この電子相対湿度センサによって判定された相対湿度値と光信号から相対湿度を判定する手段によって判定された相対湿度値とを比較する手段とを備えている。これにより、時計ケース内部で測定された相対湿度値を周囲の相対湿度値と比較することが可能になり、よって測定の信頼性を向上させることが可能になる。実際、時計内部の湿気レベルは、一般には周囲の湿気レベルと釣り合っている。相対湿度を判定する手段が、内部の湿気レベルが電子センサによって測定された周囲の湿気レベルよりも高いと示していれば、これは、時計ケース内部の水蒸気が過剰にあることを示している。着用者が湿気のない環境から非常に湿気のある環境に移動した場合、例えば熱帯の国で飛行機から出た時は、測定が正確でない可能性があるため、時計の内部と外部との釣り合いがとれるのを待ってから測定を行う必要があることがある。
【0021】
本発明による時計およびこの時計を含む相対湿度を測定するアセンブリの目的、利点および特徴は、図面で示している少なくとも1つの非限定的な実施形態に基づく以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による時計を備えている相対湿度を測定するアセンブリの部分概略図であり、時計が、時計ケースと、時計ケース内部の相対湿度を測定する光ファイバ測定装置とを備えている図である。
図2】本発明の第1の実施形態よる、図1の時計の断面II−IIに沿って取った断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態よる、図1の時計の断面III−IIIに沿って取った断面図である。
図4図1の相対湿度を測定する装置の測定用光ファイバの一部を処理する工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、時計2内部の相対湿度を測定するアセンブリ1を表している。本発明では、「相対湿度」とは、「同じ温度での空気中に含まれる水蒸気の分圧と飽和蒸気圧(または蒸気圧)との比率」を意味する。換言すれば、相対湿度の測定値は、同じ温度条件で空気中の水蒸気含有量と水蒸気を含有する最大容量との比率の測定値と一致する。
【0024】
アセンブリ1は、時計2と、光信号を時計2に伝送できる外部装置4とを含んでいる。時計2は、どのような種類の時計であってもよく、例えば機械式時計または電子時計などであってよい。
【0025】
時計2は、時計ケース6を有する。時計ケース6は、時計2内部の相対湿度を測定する装置8を備えている。時計ケース6は、ケース中央部10も備え、測定装置8は、図1図3に示したように、例えばケース中央部10の内部に配置される。好ましくは、時計ケース6は、文字盤11および時刻表示手段を含んでいる(後者は明瞭にするために図示していない)。また好ましくは、時計ケース6は、光伝送窓12をさらに有する。
【0026】
測定装置8は、測定用光ファイバ14を含む光ファイバ装置である。測定用光ファイバ14は、部分16を有し、この部分は、時計ケース6内部に水蒸気が存在する状態で部分16の屈折率が変化するように構成されている。これを達成するため、本発明の特定の例示的な実施形態によれば、測定用光ファイバ14のこの部分16は、例えば測定用光ファイバの光学シースが剥ぎ取られている。光ファイバ部分16は、光学シースの代わりに、水蒸気が存在する状態で屈折率が変化する外層18を有する。好ましくは、外層18は、例えば、ポリマー層と二酸化ケイ素ナノ粒子層との交互の積層を含む。これは、水蒸気が存在する状態で光ファイバ部分16の外層18に親水性をもたらし、前述した屈折率の変化を達成することを可能にする。このような外層18を形成する方法を図4に示しており、以下この図を参照して説明する。
【0027】
光ファイバ部分16は、すでに光学シースが剥ぎ取られていると仮定する。
【0028】
第1の工程20aでは、剥ぎ取られた光ファイバ部分16は、ファイバコアの表面を活性化し、光ファイバ部分を後続の層堆積に向けて準備するために、ヒドロキシル化により処理される。ヒドロキシル化は、例えば、剥ぎ取られた光ファイバ部分16の表面をエタノール性水酸化カリウム溶液で処理することからなる。
【0029】
次の工程20bでは、剥ぎ取られた光ファイバ部分16の上に第1のポリマー層を堆積させる。堆積されたポリマーは、通常は正に帯電したポリマーであり、例えばポリカチオンである。このようなポリカチオンは、例えばポリ(アリルアミン塩酸塩)であり、PAHとも称する。このような場合、堆積は、ファイバ部分16をポリマー、典型的にはポリカチオンPAHに浸漬することによって行われる。
【0030】
次の工程20cでは、第1のナノ粒子層を第1のポリマー層の上に堆積させる。堆積したナノ粒子は、通常は負に帯電したナノ粒子であり、例えば二酸化ケイ素ナノ粒子である。堆積は、ファイバ部分16をナノ粒子含有溶液に浸漬させることによって行われる。
【0031】
最後の工程20dでは、所望数の交互層を得るために堆積工程20bおよび20cを繰り返す。
【0032】
このように本方法は、光ファイバ14の上にポリマー層と二酸化ケイ素ナノ粒子層との交互の積層を得るための交互層(layer−by−layer)形成法である。連続工程20a〜20dは、層を洗浄し乾燥/重合するサブ工程によって互いに分かれていてよいことに注意されたい。
【0033】
図2に示した本発明の第1の実施形態では、部分16は、光ファイバの2つの端部14a、14bの間に位置する、測定用光ファイバ14の中間部分を形成する。測定装置8は、時計ケース6の中央部10の中に配置される。測定用光ファイバ14の2つの端部14a、14bは、図1および図2に示したように、光伝送窓12に対面して配置される。好ましくは、この実施形態では、中間部分16の外層18が、前述したポリマー層と二酸化ケイ素ナノ粒子層との交互の積層を有している場合、中間部分16の長さは、実質的に30mmである。水蒸気が存在する状態では、部分16の外層18の屈折率は上がり、光ファイバ14の中に誘導された光のエバネッセント部分は、さらに層18の中に進入する。その結果、光ファイバ14の出力部で検知される光強度は、中間部分16の周りの水蒸気の存在によって変調される。
【0034】
図3に示した本発明の第2の実施形態では、部分16は、測定用光ファイバ14の自由端を形成する。この自由端16は、ファブリペローキャビティを形成するように光学的に構成される。これを達成するための1つの可能性が、前述した自由端16の外層18を特定の構成にすること、すなわちポリマー層と二酸化ケイ素ナノ粒子層との交互の積層にすることにある。実際、この多層の堆積は、ファブリペローキャビティのように光学的に振る舞い、その反射率は屈折率とともに変化し、一方屈折率は、光ファイバの環境内の湿度に影響される。この第2の実施形態によれば、測定装置8はさらに、光入力光ファイバ22と、光出力光ファイバ24と、光入力光ファイバ22を光出力光ファイバ24に結合する光カプラ26とを備えている。自由端16の反対側にある測定用光ファイバ14のもう一方の端部28は、光カプラ26に接続される。測定装置8は、時計ケース6の中央部10の中に配置される。光入力光ファイバおよび光出力光ファイバ22、24のそれぞれの自由端22a、24aは、図3に示したように、光伝送窓12に対面して配置される。以下に詳述するように、入力光ファイバ22は、光を測定装置8の中に送り込み、出力光ファイバ24は、ファブリペローキャビティによって反射した光の強度を測定させる。
【0035】
再度図1を参照すると、ケース中央部10は、例えば環状形で、上環状リム30を有し、このリムの上にガラス蓋32が載る。例として図1図3に挙げた時計ケース6では、時計ケースの構成は実質的に円形である。ただし、本発明はこの時計ケースの構成、またはケース中央部10に対して前述した他の配置に限定されない。
【0036】
図2および図3に示した第1の例示的な実施形態によれば、これは前述した第1の実施形態と第2の実施形態の両方に適用できることだが、光伝送窓12は、時計ケース6の中央部10に加工される。好ましくは、その場合の窓12は、半透明の防水性材料、例えば鉱物ガラスまたはサファイアなどで形成される。
【0037】
図1に示した第2の実施形態によれば、これは前述した第1の実施形態と第2の実施形態の両方に適用できることだが、光伝送窓12は、時計ケース6の文字盤11に加工され、ガラス蓋32に対面して配置される。このような場合、窓12は、例えば文字盤11にあけた孔で形成される。
【0038】
外部装置4は、光信号から相対湿度を判定する手段と、この判定手段に接続された光送受信手段36とを備えている。判定手段は、明瞭にするために図示していない。好ましくは、外部装置4は、電子相対湿度センサおよび比較手段も備えているが、これらの要素は図示していない。比較手段は、電子相対湿度センサと、光信号から相対湿度を判定する手段とに接続されている。比較手段は、電子相対湿度センサによって判定された相対湿度値と、光信号から相対湿度を判定する手段によって判定された相対湿度値とを比較するように構成される。また、好ましくは、装置4はさらに、光信号から相対湿度を判定する手段および/または比較手段に接続されている表示手段38を備えている。
【0039】
外部装置4は、時計2の光伝送窓12を通して光を送受信するように構成される。図1に示した好適な実施形態によれば、外部装置4は、携帯型装置、すなわち使用者が電源に有線接続する必要なく着用できる装置である。図1に示したように、携帯型装置4は、例えばペン型で、ペンの先端に光送受信手段36が入っている。
【0040】
光信号から相対湿度を判定する手段は、例えば、電子チップなどの処理手段と、この処理手段に接続された記憶手段とを備えている。記憶手段は、例えば光強度値とそれに関連する相対湿度値との1つ以上の対応表を保存する。
【0041】
図1に示したように、光送受信手段36は、例えば、光伝送窓12を通して時計2に向かって光を発することができる集束光源40と、測定用光ファイバ14を通過して出て行く光を、窓12を通して受け取ることができる光センサ42とを備えている。
【0042】
表示手段38は、判定手段によって判定された相対湿度値に応じて、または比較手段によって行われた比較結果に応じて、異なる視覚信号を表示できる。その際、表示手段38によって表示された各々の視覚信号は、場合に応じて、所定の相対湿度値、または相対湿度の所定の微分値に対応する。図1に示したように、表示手段38は、例えば、発光ダイオードを有する光表示器で形成され、所与のダイオードの照度は、所定の相対湿度の閾値に対応する。そのため、表示手段38は、使用者に視覚サインを出して時計2内部の相対湿度を示す。
【0043】
次に、時計2内部の相対湿度を測定するアセンブリ1の動作を説明する。外部装置4が時計2の光伝送窓12に対面して配置されると、アセンブリ1の使用者は、光送受信手段36を作動させる。特に、図1の例示的な例では、使用者は集束光源40を作動させる。これによって、入ってくる光を時計ケース6の中、とりわけ測定用光ファイバ14の内部に送り込むことが可能になる。図3に示した本発明の第2の実施形態では、入ってくる光は、まず入力光ファイバ22の内部に流れる。次に光は、測定用光ファイバ14の内部に流れ、自由端16によって形成されたファブリペローキャビティによって反射し、その後、光カプラ26を通過することによって出力光ファイバ24の中に移動する。
【0044】
測定用光ファイバ14を通って流れた光は、その後、光送受信手段36に受け取られる。特に、図2の例示的な例では、出て行く光は光センサ42に受け取られる。
【0045】
このように、本発明によるこのように構成により、測定用光ファイバの入口に光を送り、出て行く光の強度を測定することによって時計ケースを開ける必要なく時計ケース内部の相対湿度を測定する方法が可能になる。
【0046】
また、図示していない一変形例によれば、少なくとも相対湿度の表示手段を時計ケースに組み入れることが可能であり、光源は、例えばスマートフォンのフラッシュ光で形成されてもよいことにも注意されたい。
【符号の説明】
【0047】
1 アセンブリ
2 時計
4 外部装置
6 時計ケース
8 測定装置
10 ケース中央部
11 文字盤
12 光伝送窓
14 測定用光ファイバ
14a、14b 2つの端部
16 部分
18 外層
20a、20b、20c、20d 工程
22 光入力光ファイバ
22a、24a 自由端
24 光出力光ファイバ
26 光カプラ
28 もう一方の端部
30 上環状リム
32 ガラス蓋
36 光送受信手段
38 表示手段
40 集束光源
42 光センサ
図1
図2
図3
図4