特許第6810765号(P6810765)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810765
(24)【登録日】2020年12月15日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/51 20060101AFI20201221BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20201221BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61F13/51
   A61F13/49 312Z
   A61F13/49 311Z
   A61F13/496
   A61F13/49 413
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-53571(P2019-53571)
(22)【出願日】2019年3月20日
(65)【公開番号】特開2020-151253(P2020-151253A)
(43)【公開日】2020年9月24日
【審査請求日】2020年8月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】槇 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】長田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】椎野 洋大
(72)【発明者】
【氏名】藤井 敬司
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−120031(JP,A)
【文献】 特開2009−148465(JP,A)
【文献】 特開2017−64133(JP,A)
【文献】 特開2018−202023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/51
A61F 13/49
A61F 13/496
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態において、幅方向と、長手方向とを有し、
一対の胴周り部と、吸収性コアを備える吸収性本体とを有する吸収性物品であって、
前記一対の胴周り部のうちの少なくとも一方は、一対のシートと、前記一対のシート間に配置された前記幅方向に伸縮する複数の伸縮部材とを有し、
各前記伸縮部材は、前記一方の前記胴周り部の前記幅方向の一端部から他端部まで連続して配置され、かつ、前記幅方向の両端部が前記一対のシートに固定された一対の端部固定部を有し、
前記複数の伸縮部材は、第1伸縮部材と、第2伸縮部材とを有し、
前記第1伸縮部材は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において、前記一対のシートに固定されていない非固定部を有し、
前記第2伸縮部材は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り、前記一対のシートに固定された中央固定部を有し、かつ、前記長手方向において前記吸収性本体と重複する領域に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記複数の伸縮部材は、前記第2伸縮部材を複数有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記複数の伸縮部材は、前記第1伸縮部材を複数有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
少なくとも1つの前記第2伸縮部材は、前記長手方向において前記吸収性コアと重複する領域に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
少なくとも1つの前記第2伸縮部材は、前記幅方向における前記端部固定部と前記中央固定部の間において、前記一対のシートに固定されていない非固定部を有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
少なくとも1つの前記第2伸縮部材が有する前記中央固定部は、前記幅方向の一方側の前記端部固定部から他方側の前記端部固定部まで連続して配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
少なくとも1つの前記第1伸縮部材が有する前記非固定部は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項8】
請求項5に記載の吸収性物品であって、
前記複数の伸縮部材のうち、前記第1伸縮部材以外の伸縮部材は、前記第2伸縮部材であり、
全ての前記第1伸縮部材は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り、前記一対のシートに固定された中央固定部を有し、
全ての前記第2伸縮部材は、前記非固定部を有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項9】
請求項8に記載の吸収性物品であって、
全ての前記第1伸縮部材、及び、全ての前記第2伸縮部材が、それぞれ有する前記中央固定部の前記幅方向の長さが等しいことを特徴とする吸収性物品。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
前記幅方向の一方側の前記端部固定部と他方側の前記端部固定部との間の領域の前記幅方向の長さは、前記吸収性本体の前記幅方向の長さよりも広いことを特徴とする吸収性物品。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
前記一方の前記胴周り部は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において前記一対のシート同士が接合される第1シート接合部であって、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において、前記伸縮部材を前記一対のシートに固定する部位と交差することなく配置される第1シート接合部を有さないことを特徴とする吸収性物品。
【請求項12】
請求項1から10の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
前記一方の前記胴周り部は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において、前記一対のシート同士が接合された第2シート接合部を有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項13】
請求項12に記載の吸収性物品であって、
前記第2シート接合部は、前記長手方向よりも前記幅方向に長く延び、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において前記伸縮部材を前記一対のシートに固定する部位と、前記長手方向に間隔をあけて配置されることを特徴とする吸収性物品。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の吸収性物品であって、
前記第2シート接合部は、前記幅方向における前記吸収性コアの外側に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項15】
請求項1から14の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記一対のシートの少なくとも一方には、表裏に貫通する開孔が間隔を空けて複数設けられており、
前記胴周り部において、前記非固定部が設けられている領域と、前記開孔が設けられている領域と、が重複する部分を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の胴周り部の伸縮構造として、2枚のシート層の間に、伸縮方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材を備えるものがある。例えば、特許文献1には、弾性伸縮部材の両端部が2枚のシート層に固定されるとともに、その固定端部の間では弾性伸縮部材が2枚のシート層に非固定の自由部となっており、さらに、固定端部の間の領域に、2枚のシート層がホットメルト接着剤を介して接合されたシート接合部を有する伸縮構造が開示されている。伸縮方向に連続するシート接合部によって、2枚のシート層が互いに沿うような波状(襞)をなし、襞の頂部が緩やかに曲がる結果、手触りが柔軟になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6254625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品では、一般的に、吸収性コアを備える吸収性本体が胴周り部の肌側に配置され、2枚のシート層のうちの肌側のシート層が吸収性本体に固定されている。また、胴周り部の伸縮構造には、手触りの良い柔軟性が求められる。しかし、特許文献1の伸縮構造を胴周り部に適用する場合、幅方向に胴周り部と吸収性コアとが重複する領域において、弾性伸縮部材が2枚のシート層に非固定となる。そのため、弾性伸縮部材が着用者に密着した位置に対して、弾性伸縮部材に固定されていない肌側のシート層及び吸収性コアが上下方向に位置ずれしやすい。このように着用者に対する吸収性コアの固定が不十分であると、排泄物の漏れに繋がる。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、吸収性物品の胴周り部の柔軟性を向上させつつ、吸収性コアの位置ずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、展開状態において、幅方向と、長手方向とを有し、一対の胴周り部と、吸収性コアを備える吸収性本体とを有する吸収性物品であって、前記一対の胴周り部のうちの少なくとも一方は、一対のシートと、前記一対のシート間に配置された前記幅方向に伸縮する複数の伸縮部材とを有し、各前記伸縮部材は、前記一方の前記胴周り部の前記幅方向の一端部から他端部まで連続して配置され、かつ、前記幅方向の両端部が前記一対のシートに固定された一対の端部固定部を有し、前記複数の伸縮部材は、第1伸縮部材と、第2伸縮部材とを有し、前記第1伸縮部材は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において、前記一対のシートに固定されていない非固定部を有し、前記第2伸縮部材は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り、前記一対のシートに固定された中央固定部を有し、かつ、前記長手方向において前記吸収性本体と重複する領域に配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸収性物品の胴周り部の柔軟性を向上させつつ、吸収性コアの位置ずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パンツ型使い捨ておむつ1の概略斜視図である。
図2】展開状態かつ伸長状態のおむつ1の概略平面図である。
図3図2のII線での概略断面図である。
図4】第1実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図5】変形例1の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図6】変形例2の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図7】第2実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図8】第3実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図9】第3実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図10】第3実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。
図11】複数の開孔25を有するシート21、22の一例を表す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
すなわち、展開状態において、幅方向と、長手方向とを有し、一対の胴周り部と、吸収性コアを備える吸収性本体とを有する吸収性物品であって、前記一対の胴周り部のうちの少なくとも一方は、一対のシートと、前記一対のシート間に配置された前記幅方向に伸縮する複数の伸縮部材とを有し、各前記伸縮部材は、前記一方の前記胴周り部の前記幅方向の一端部から他端部まで連続して配置され、かつ、前記幅方向の両端部が前記一対のシートに固定された一対の端部固定部を有し、前記複数の伸縮部材は、第1伸縮部材と、第2伸縮部材とを有し、前記第1伸縮部材は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において、前記一対のシートに固定されていない非固定部を有し、前記第2伸縮部材は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り、前記一対のシートに固定された中央固定部を有し、かつ、前記長手方向において前記吸収性本体と重複する領域に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【0010】
このような吸収性物品によれば、第1伸縮部材の非固定部により、胴周り部の柔軟性を向上させつつ、第2伸縮部材の中央固定部により、吸収性コアの位置ずれを抑制できる。
【0011】
かかる吸収性物品であって、前記複数の伸縮部材は、前記第2伸縮部材を複数有することを特徴とする吸収性物品。
【0012】
このような吸収性物品によれば、複数の第2伸縮部材の中央固定部により、吸収性コアの位置ずれをより抑制できる。
【0013】
かかる吸収性物品であって、前記複数の伸縮部材は、前記第1伸縮部材を複数有することを特徴とする吸収性物品。
【0014】
このような吸収性物品によれば、複数の第1伸縮部材の非固定部により、胴周り部の柔軟性をより向上させることができる。
【0015】
かかる吸収性物品であって、少なくとも1つの前記第2伸縮部材は、前記長手方向において前記吸収性コアと重複する領域に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【0016】
このような吸収性物品によれば、第2伸縮部材が着用者に密着する位置に吸収性コアも固定されやすく、吸収性コアの位置ずれをより抑制できる。
【0017】
かかる吸収性物品であって、少なくとも1つの前記第2伸縮部材は、前記幅方向における前記端部固定部と前記中央固定部の間において、前記一対のシートに固定されていない非固定部を有することを特徴とする吸収性物品。
【0018】
このような吸収性物品によれば、第2伸縮部材の非固定部により、胴周り部の柔軟性をより向上させることができる。
【0019】
かかる吸収性物品であって、少なくとも1つの前記第2伸縮部材が有する前記中央固定部は、前記幅方向の一方側の前記端部固定部から他方側の前記端部固定部まで連続して配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【0020】
このような吸収性物品によれば、第2伸縮部材が着用者に密着する位置に吸収性本体が固定されやすく、吸収性コアの位置ずれをより抑制できる。
【0021】
かかる吸収性物品であって、少なくとも1つの前記第1伸縮部材が有する前記非固定部は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【0022】
このような吸収性物品によれば、胴周り部の幅方向の中央部の柔軟性を向上させることができる。
【0023】
かかる吸収性物品であって、前記複数の伸縮部材のうち、前記第1伸縮部材以外の伸縮部材は、前記第2伸縮部材であり、全ての前記第1伸縮部材は、前記幅方向において少なくとも前記吸収性コアと重複する領域の全域に亘り、前記一対のシートに固定された中央固定部を有し、全ての前記第2伸縮部材は、前記非固定部を有することを特徴とする吸収性物品。
【0024】
このような吸収性物品によれば、胴周り部の柔軟性を向上させつつ、吸収性コアの位置ずれを抑制できる。また、中央固定部によって、伸縮部材の長手方向の間隔が維持されやすく、胴周り部の広い範囲に亘り伸縮性を付与できる。
【0025】
かかる吸収性物品であって、全ての前記第1伸縮部材、及び、全ての前記第2伸縮部材が、それぞれ有する前記中央固定部の前記幅方向の長さが等しいことを特徴とする吸収性物品。
【0026】
このような吸収性物品によれば、中央固定部の形成が容易となる。
【0027】
かかる吸収性物品であって、前記幅方向の一方側の前記端部固定部と他方側の前記端部固定部との間の領域の前記幅方向の長さは、前記吸収性本体の前記幅方向の長さよりも広いことを特徴とする吸収性物品。
【0028】
このような吸収性物品によれば、端部固定部の長さが短くなり、胴周り部の柔軟性を向上させることができる。
【0029】
かかる吸収性物品であって、前記一方の前記胴周り部は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において前記一対のシート同士が接合される第1シート接合部であって、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において前記伸縮部材を前記一対のシートに固定する部位と交差することなく配置される第1シート接合部を有さないことを特徴とする吸収性物品。
【0030】
このような吸収性物品によれば、胴周り部が第1シート接合部を有する場合に比べて、胴周り部の柔軟性を向上させることができる。
【0031】
かかる吸収性物品であって、前記一方の前記胴周り部は、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において、前記一対のシート同士が接合された第2シート接合部を有することを特徴とする吸収性物品。
【0032】
このような吸収性物品によれば、伸縮部材が収縮した際に、第2シート接合部によってシートの浮きを抑制でき、吸収性物品の外観を向上させることができる。
【0033】
かかる吸収性物品であって、前記第2シート接合部は、前記長手方向よりも前記幅方向に長く延び、前記幅方向における前記端部固定部よりも内側において前記伸縮部材を前記一対のシートに固定する部位と、前記長手方向に間隔をあけて配置されることを特徴とする吸収性物品。
【0034】
このような吸収性物品によれば、伸縮部材が収縮した際に、第2シート接合部によって比較的に細かな縦皺が形成されやすく、吸収性物品の外観を向上させることができる。
【0035】
かかる吸収性物品であって、前記第2シート接合部は、前記幅方向における前記吸収性コアの外側に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【0036】
このような吸収性物品によれば、シート接合部の幅方向の長さを出来る限り短くすることで、胴周り部の柔軟性を向上させることができる。
【0037】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記一対のシートの少なくとも一方には、表裏に貫通する開孔が間隔を空けて複数設けられており、前記胴周り部において、前記非固定部が設けられている領域と、前記開孔が設けられている領域と、が重複する部分を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0038】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴周り部において、柔軟性の高い非固定部と重複する領域に開孔が設けられていることにより、開孔の外周縁部の硬化による影響が相対的に小さくなり、胴周り部の触感が硬くなることを抑制できる。また、非固定部には接着剤が設けられていないため、開孔を通じて着用者に接着剤の粘着感を感じさせ難くなる。したがって、着用者に不快感を生じさせること無く、胴周り部の柔軟性や通気性を向上させることができる。
【0039】
===実施形態===
以下、本発明に係る吸収性物品として、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、本発明に係る吸収性物品は、上記に限らず、大人用のパンツ型使い捨ておむつや、テープ型の使い捨ておむつ、生理用ショーツ等にも適用できる。
【0040】
===パンツ型使い捨ておむつ1の構成===
図1は、パンツ型使い捨ておむつ1(以下「おむつ」)の概略斜視図である。図2は、展開状態かつ伸長状態のおむつ1の概略平面図である。図3は、図2のII線での概略断面図である。パンツ型おむつにおける「展開状態」とは、後述する係止部40の接合を解いて一対の胴周り部20,30を分離し、おむつ1を長手方向に開いた状態である。
【0041】
おむつ1は、図1に示すパンツ型状態において、幅方向、上下方向、及び、前後方向を有し、胴周り開口部BH、及び、一対の脚周り開口部LHが形成されている。上下方向において、胴周り側を上側とし、股下側を下側とする。前後方向において、着用者の腹側を前側とし、着用者の背側を後側とする。また、図3に示すように、おむつ1を構成する資材が積層された方向を厚さ方向といい、厚さ方向において着用者に接触する側を肌側とし、着用者に接触しない側を非肌側とする。
【0042】
また、おむつ1は、一対の胴周り部20,30と、吸収性本体10とを有する。一対の胴周り部20,30のうち、着用者の腹側部に当てられるものを腹側胴周り部20とし、着用者の背側部に当てられるものを背側胴周り部30とする。
【0043】
また、おむつ1は、図2に示す展開状態において、幅方向と、長手方向とを有し、幅方向における腹側胴周り部20の中央部に、吸収性本体10の長手方向一方側の端部が配置され、幅方向における背側胴周り部30の中央部に、吸収性本体10の長手方向他方側の端部が配置されている。展開状態のおむつ1において、吸収性本体10がその長手方向の略中央で二つ折りされ、腹側胴周り部20及び背側胴周り部30それぞれの幅方向の両側部が一対の係止部40において係止されることにより、図1に示すパンツ型状態のおむつ1となる。なお、展開状態のおむつ1の長手方向がパンツ型状態のおむつ1の上下方向に沿う。また、係止部40における係止方法としては、溶着や接着剤による接合等を例示できる。
【0044】
吸収性本体10は、図3に示すように、吸収体11と、吸収体11よりも肌側に配置された液透過性のトップシート12と、吸収体11よりも非肌側に配置された液不透過性のバックシート13と、バックシート13よりも非肌側に配置された外装シート14とを有する。
【0045】
吸収体11は、図2に示すように、尿等の排泄液を吸収して保持する吸収性コア11Aと、吸収性コア11Aを覆う液透過性のコアラップシート11Bとを有する。吸収性コア11Aとしては、高吸収性ポリマー(SAP)を含むパルプ等の液体吸収性繊維が所定の形状に成形されたものを例示できる。なお、吸収性コア11Aがコアラップシート11Bで覆われていなくてもよい。
【0046】
また、図2に示すように、幅方向における吸収性本体10の両側部には、脚周り伸縮部材15が設けられており、おむつ1は着用者の脚周りにフィットする。
【0047】
腹側胴周り部20及び背側胴周り部30は、図3に示すように、それぞれ、不織布等の柔軟な肌側シート21,31及び非肌側シート22,32(一対のシート)と、肌側シート21,31と非肌側シート22,32の間に配置された幅方向に伸縮する複数の胴周り伸縮部材23,33とを有する。複数の胴周り伸縮部材23,33は、肌側シート21,31と非肌側シート22,32の間において、上下方向(長手方向)に間隔をあけて並んで配置されるとともに、幅方向に伸長した状態で固定されている。よって、腹側胴周り部20及び背側胴周り部30は幅方向に伸縮し、着用者の胴周りにフィットする。なお、胴周り伸縮部材23,33としては、糸ゴム等の糸状の伸縮部材や、細長の伸縮性シートを例示できる。また、胴周り部20,30の構成は図示するものに限定されず、例えば、一対のシートに異なるシートが積層された3層以上の構成であってもよいし、1枚のシートが折り曲げられて一対のシートとなった構成であってもよい。
【0048】
また、本実施形態では、パンツ型使い捨ておむつとして、腹側胴周り部20と背側胴周り部30が分離され、腹側胴周り部20と背側胴周り部30と吸収性本体10の3部材を有する所謂3ピースタイプを例示したがこれに限らない。例えば、腹側胴周り部20と背側胴周り部30が股下部を介して連続した一部材で形成されており、腹側胴周り部20と背側胴周り部30が一体化された外装部材と、吸収性本体の2部材を有する所謂2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつであってもよい。
【0049】
===胴周り部20,30について===
(第1実施形態)
図4は、第1実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。図5は、変形例1の腹側胴周り部20の概略平面図である。図6は、変形例2の腹側胴周り部20の概略平面図である。
【0050】
以下、腹側胴周り部20を例に挙げて一対の胴周り部20,30の構成を説明する。ただし、一対の胴周り部20,30のうちの少なくとも一方が以下の構成であればよい。すなわち、両胴周り部20,30が以下の構成であってもよいし、腹側胴周り部20が以下の構成と異なり背側胴周り部30が以下の構成であってもよいし、腹側胴周り部20が以下の構成であり背側胴周り部30が以下の構成と異なっていてもよい。他の実施形態も同様である。
【0051】
腹側胴周り部20(以下「胴周り部20」)が有する複数の胴周り伸縮部材23は、胴周り部20の幅方向の一端部から他端部まで連続して配置された複数の「連続伸縮部材231(本発明の伸縮部材)」と、幅方向に非連続に配置された複数の「非連続伸縮部材232」とを有する。非連続伸縮部材232は、連続伸縮部材231よりも下方に配置されている。
【0052】
各連続伸縮部材231は、その幅方向の両端部が肌側シート21及び非肌側シート22に固定された「一対の端部固定部50」を有する。なお、端部固定部50における固定方法は、特に限定されず、例えば、連続伸縮部材231に塗布された接着剤による固定や、肌側シート21及び非肌側シート22(以下「一対のシート21,22」)の内側面に塗布された接着剤による固定や、連続伸縮部材231を横切る一対の溶着部で固定する方法等、周知の方法を例示できる。
【0053】
また、図4では、一対の端部固定部50が、一対の係止部40とは別に、一対の係止部40よりも幅方向の内側に配置されている。ただし、これに限定されない。一対の係止部40を一対の端部固定部としてもよい。つまり、おむつ1は図4に示す端部固定部50を有していなくてもよい。
【0054】
また、複数の連続伸縮部材231は複数の「第1連続伸縮部材231a」を有する。第1連続伸縮部材231a(本発明の第1伸縮部材)は、幅方向における端部固定部50よりも内側において、一対のシート21,22に固定されていない「非固定部51」を有する。第1実施形態(図4)では、幅方向の一方側の端部固定部50から他方側の端部固定部50まで、非固定部51が連続して配置されている。
【0055】
胴周り伸縮部材23が一対のシート21,22に固定されている部位は、固定されていない部位に比べて、接着剤の硬化等により剛性が高まる。そのため、第1連続伸縮部材231aが非固定部51を有することで、例えば胴周り伸縮部材23がほぼ全域に亘り一対のシート21,22に固定されている場合に比べて、剛性の高い部位の面積を小さくすることができる。よって、胴周り部20の柔軟性を向上させることができ、胴周り部20の着け心地を良くすることができる。
【0056】
ただし、全ての連続伸縮部材231を仮に図4に示す第1連続伸縮部材231aにしたとする。そうすると、幅方向に胴周り部20と吸収性コア11Aとが重複する領域R1において、連続伸縮部材231が一対のシート21,22に全く固定されないことになる。そのため、肌側シート21と、肌側シート21に間接的に固定されている吸収性コア11Aとが、連続伸縮部材231に対して上下方向に移動可能となる。そうすると、連続伸縮部材231が着用者に密着した位置に対して、肌側シート21と吸収性コア11Aとが上下方向に位置ずれし、着用者に対する吸収性コア11Aの固定が不十分となる。その結果、排泄物が漏れやすくなったり、おむつ1の着け心地が低下したりしてしまう。
【0057】
そこで、複数の連続伸縮部材231は「第2連続伸縮部材231b」を有するものとする。第2連続伸縮部材231b(本発明の第2伸縮部材)は、幅方向において少なくとも吸収性コア11Aと重複する領域R1の全域に亘り、一対のシート21,22に固定された「中央固定部52」を有し、かつ、長手方向において吸収性本体10と重複する領域に配置されている。
【0058】
そうすることで、おむつ1の前後方向(厚さ方向)に吸収性本体10と重なる第2連続伸縮部材231bが、肌側シート21に固定される。また、少なくとも幅方向に吸収性コア11Aが存在する領域R1において、第2連続伸縮部材231bが肌側シート21に固定される。よって、第2連続伸縮部材231bが着用者に密着する位置に、肌側シート21も固定され、肌側シート21に間接的に固定されている吸収性コア11Aも上下方向に位置ずれし難くなる。その結果、着用者に対する吸収性コア11Aのフィット性が増し、排泄物が漏れ難くなり、おむつ1の着け心地が向上する。
【0059】
特に、第1実施形態(図4)では、第2連続伸縮部材231bが有する中央固定部52が、幅方向の一方側の端部固定部50から他方側の端部固定部50まで連続して配置されている。このように、幅方向に吸収性本体10が存在する範囲R2を超えて中央固定部52が長く延びている場合、第2連続伸縮部材231bが着用者に密着する位置に、肌側シート21及び吸収性本体10も固定される。吸収性本体10が上下方向に位置ずれし難くなることで、吸収性本体10が備える吸収性コア11Aも上下方向に位置ずれし難くなる。
【0060】
ただし、上記に限定されない。第2連続伸縮部材231の中央固定部52は、少なくとも幅方向に吸収性コア11Aが存在する範囲R1に配置されていればよい。そのため、例えば、変形例2(図6)のように、第2連続伸縮部材231bは、幅方向における端部固定部50と中央固定部52の間において、一対のシートに固定されていない非固定部53を有していてもよい。このように、中央固定部52の幅方向の長さが短くなることで、剛性の高い部位の面積を小さくすることができ、胴周り部20の柔軟性を向上させることができる。特に図6に示すように、幅方向における吸収性コア11Aの側端の位置と中央固定部52の側端の位置とが一致していることで、胴周り部20の柔軟性をより向上させることができる。
【0061】
なお、変形例2(図6)では中央固定部52の両側に非固定部53が配置されているが、中央固定部52の片側にのみ非固定部53が配置されていてもよい(不図示)。つまり、幅方向の一方側の端部固定部50と中央固定部52が連続していたり、幅方向の他方側の端部固定部50と中央固定部52とが連続していたりしてもよい。
【0062】
また、複数の連続伸縮部材231は、第2連続伸縮部材231bを少なくとも1つ有していればよい。そうすることで、吸収性コア11Aの上下方向の位置ずれを抑制できる。第1実施形態(図4)では、複数の連続伸縮部材231のうち、1つの第2連続伸縮部材231b以外は、第1連続伸縮部材231aとなっている。
【0063】
このように、複数の連続伸縮部材231が第1連続伸縮部材231aを複数有するとよい。非固定部51を有する第1連続伸縮部材231aの数が増えることで、剛性の高い部位の面積を小さくすることができる。よって、胴周り部20の柔軟性をより向上させることができる。
【0064】
ただし、上記に限定されない。変形例1(図5)のように、複数の連続伸縮部材231が、第2連続伸縮部材231bを複数有していてもよい。そうすることで、複数の第2連続伸縮部材231bが着用者に密着する位置に肌側シート21も固定される。そのため、吸収性コア11Aの上下方向の位置ずれをより抑制できる。なお、第2連続伸縮部材231bが複数存在する場合、中央固定部52の幅方向の長さが異なっていてもよい(不図示)。
【0065】
また、胴周り部20の幅方向中央部には、吸収性本体10や第2連続伸縮部材231bの中央固定部52が位置する。そのため、着用者は、胴周り部20の幅方向中央部の硬さを感じやすい。そのため、第1実施形態(図4)のように、第1連続伸縮部材231aの非固定部51は、幅方向において少なくとも吸収性コア11Aと重複する領域R1の全域に亘り配置されているとよい。そうすることで、胴周り部20の幅方向中央部に柔軟性を付与でき、着け心地が向上する。
【0066】
特に、第1実施形態(図4)では、第1連続伸縮部材231aの非固定部51が、幅方向の一方側の端部固定部50から他方側の端部固定部50まで連続して長く延びている。そのため、胴周り部20の柔軟性をより向上させることができる。
【0067】
また、第1実施形態(図4)のように、最も下方(長手方向の内側)に位置する連続伸縮部材231が第2連続伸縮部材231bであるとよい。そうすることで、上下方向において吸収性コア11Aに最も近い第2連続伸縮部材231bが肌側シート21に固定される。そのため、第2連続伸縮部材231bが着用者に密着する位置に対して、吸収性コア11Aが上下方向に位置ずれし難くなる。ただし、上記に限定されず、変形例2(図6)のように、最も下方に位置する連続伸縮部材231よりも上方に第2連続伸縮部材231bが位置していてもよい。
【0068】
さらに、変形例1(図5)のように、少なくとも1つの第2連続伸縮部材231bが、上下方向(長手方向)において吸収性コア11Aと重複する領域に配置されていてもよい。そうすることで、第2連続伸縮部材231bが着用者に密着する位置に、肌側シート21及び吸収性コア11Aが固定される。そのため、吸収性コア11Aの上下方向の位置ずれをより抑制できる。
【0069】
また、図4に示すように、幅方向の一方側の端部固定部50と他方側の端部固定部50との間の領域(一対の端部固定部50の内側縁間)の幅方向の長さW1は、吸収性本体10の幅方向の長さW2よりも長いことが好ましい(W1>W2)。そうして、端部固定部50の幅方向の長さを比較的に短くすることで、胴周り部20の柔軟性を向上させることができる。
【0070】
なお、幅方向の長さW1,W2を比較する場合、おむつ1を皺なく伸長させた状態で行うとよい。具体的には、胴周り部20を構成する部材(例えば肌側シート21等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長させた状態である。
【0071】
また、複数の連続伸縮部材231が、第1連続伸縮部材231a及び第2連続伸縮部材231b以外の連続伸縮部材231を有していてもよい。例えば、変形例1(図5)のように、吸収性本体10よりも長手方向の外側の領域において、非固定部51を有さない第3連続伸縮部材231cが配置されていてもよい。つまり、第3連続伸縮部材231cは、幅方向一方側の端部固定部50から他方側の端部固定部50まで連続して一対のシート21,22に固定された中央固定部54を有する。
【0072】
この場合にも、幅方向に吸収性コア11Aが存在する領域R1において、第3連続伸縮部材231cが着用者に密着する位置に、肌側シート21も固定される。そのため、吸収性コア11Aが上下方向に位置ずれし難くなる。なお、第3連続伸縮部材231cの数は単数であっても複数であってもよい。
【0073】
また、図4に示すように、胴周り部20は、第2連続伸縮部材213bよりも下方(長手方向の内側)において、非連続伸縮部材232を有する。非連続伸縮部材232は、幅方向において吸収性コア11Aと重複する領域R1の少なくとも一部において、非連続となっている。つまり、長手方向に吸収性本体10と重複する胴周り伸縮部材23の一部が、幅方向の中央部において非伸縮領域(非連続の部分)を有する。そのため、胴周り伸縮部材23による吸収性コア11Aの収縮を抑制でき、吸収性コア11Aの平坦性を確保できる。
【0074】
そして、非連続伸縮部材232も、端部固定部55、及び、非固定部56を有するとよい。端部固定部55は、非連続伸縮部材232の連続部分における幅方向の両端部が一対のシート21,22に固定された部位である。非固定部56は、端部固定部55の間において非連続伸縮部材232が一対のシート21,22に固定されていない部位である。具体的には、図4に示すように、胴周り部20の幅方向一方側の端部と、吸収性コア11Aの幅方向一方側の端部に、一対の端部固定部55が配置され、その間に非固定部56が配置されており、また、吸収性コア11Aの幅方向他方側の端部と、胴周り部20の幅方向他方側の端部に、一対の端部固定部55が配置され、その間に非固定部56が配置されている。
【0075】
このように非連続伸縮部材232も非固定部56を有することで、胴周り部20の柔軟性が向上する。ただし、上記に限定されず、非連続伸縮部材232が非固定部56を有していなくてもよい。また、胴周り部20が非連続伸縮部材232を有していなくてもよい。
【0076】
また、第1実施形態の胴周り部20は、幅方向における端部固定部50よりも内側において一対のシート21,22同士が接合されるシート接合部を有さないものとする。シート接合部(本発明の第1シート接合部)とは、幅方向における端部固定部50よりも内側において連続伸縮部材231を一対のシート21,22に固定する部位(例えば中央固定部52、54等、胴周り伸縮部材23を挟み込んだ状態で一対のシート21,22が接合されている部位)と、非連続であり、上下方向(長手方向)に間隔をあけて配置される部位である。つまり、シート接合部は、胴周り伸縮部材23と交差することなく配置される部位であり、一対のシート21,22の対向する面同士を直接接合している部位である。具体的には、後述する第3実施形態(図8及び図9)に示すシート接合部60,61を例示できる。
【0077】
シート接合部では、一対のシート同士21,22が接合されていない部位に比べて、剛性が高まる。そのため、第1実施形態のように胴周り部20がシート接合部を有さないことで、胴周り部20の柔軟性をより向上させることができる。
【0078】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。第2実施形態では、第1連続伸縮部材231aが、第2連続伸縮部材231bと同様に、幅方向において少なくとも吸収性コア11Aと重複する領域R1の全域に亘り、一対のシート21,22に固定された「中央固定部57」を有するものとする。
【0079】
ただし、第1連続伸縮部材231aは非固定部51も有する。そのため、第1連続伸縮部材231aの中央固定部57は、幅方向の一方側の端部固定部50から他方側の端部固定部50まで連続しないものとする。図7では中央固定部57の両側に非固定部51が配置されている。ただし、これに限らず、中央固定部57の片側にのみ非固定部51が配置されていてもよい(不図示)。
【0080】
このように、第1連続伸縮部材231aも中央固定部57を有することで、幅方向に吸収性コア11Aが存在する領域R1において第1連続伸縮部材231aが着用者に密着する位置に、肌側シート21も固定され、吸収性コア11Aが上下方向に位置ずれし難くなる。
【0081】
また、図7に示すように、複数の連続伸縮部材231のうち、第1連続伸縮部材231a以外の連続伸縮部材231が、第2連続伸縮部材231bである場合に、全ての第1連続伸縮部材231aが中央固定部57を有し、全ての第2連続伸縮部材231bが非固定部53を有するとよい。つまり、全ての連続伸縮部材231が中央固定部52,57及び非固定部51,53を有するとよい。その場合、長手方向において吸収性本体10よりも外側の連続伸縮部材231が第1連続伸縮部材231aに相当し、長手方向において吸収性本体10と重複する連続伸縮部材231が第2連続伸縮部材231bに相当する。
【0082】
そうすることで、全ての連続伸縮部材231の中央固定部52,57により、吸収性コア11Aの上下方向の位置ずれを抑制しつつ、全ての連続伸縮部材231の非固定部51,53により、胴周り部20の柔軟性を向上させることができる。
【0083】
また、全ての連続伸縮部材231の中央固定部57,52によって、連続伸縮部材231の上下方向の動きが規制される。そのため、上下方向における連続伸縮部材231の間隔が維持され、胴周り部20の広い範囲に亘り伸縮性を付与できる。
【0084】
さらに、図7に示すように、全ての第1連続伸縮部材231a、及び、全ての第2伸縮部材231bが、それぞれ有する中央固定部52,57の幅方向の長さW3が等しいとよい。そうすることで、おむつ1の製造時において、中央固定部52,57の形成(例えば接着剤の塗布工程)の制御が容易になる。なお、中央固定部52,57の幅方向の長さW3を比較する場合、胴周り部20を皺なく伸長させた状態で行うとよい。
【0085】
また、第1実施形態(図4)と同様に、第2実施形態(図7)の胴周り部20も、幅方向の中央部が非連続である非連続伸縮部材232を有していてもよい。そして、第1実施形態では、吸収性コア11Aの幅方向の両端部にそれぞれ離間して配置されていた端部固定部(参照:図4の55a,55b)が幅方向に連続していてもよい。この場合、非連続伸縮部材232の端部固定部55(55a,55b)の幅方向の長さを、連続伸縮部材231の中央固定部52,57の幅方向の長さと等しくしてもよい。そうすることで、おむつ1の製造時において、中央固定部52,57及び端部固定部55の形成(例えば接着剤の塗布工程)の制御が容易になる。また、図7に示すように、非連続伸縮部材232の非連続部分(非伸縮部分)の広い範囲に亘り、端部固定部55が幅方向に長く伸びている場合、非連続部分における非肌側シート22の浮きを抑制できる。よって、おむつ1の外観を向上させることができる。
【0086】
ただし、上記に限定されない。例えば、複数の連続伸縮部材231は、中央固定部57を有する第1連続伸縮部材231aを少なくとも1つ有しているだけでもよい。また、複数の連続伸縮部材231がそれぞれ有する中央固定部52,57の幅方向の長さが等しくなくてもよい。また、第2実施形態の胴周り部20も、第1実施形態と同様に、シート接合部を有さないものとする。
【0087】
(第3実施形態)
図8図10は、第3実施形態の腹側胴周り部20の概略平面図である。第3実施形態では、胴周り部20が、幅方向における端部固定部50よりも内側において、一対のシート21,22同士が接合されたシート接合部60〜62(本発明の第2シート接合部)を有するものとする。なお、シート接合部60〜62における一対のシート21,22の接合方法としては、溶着や接着剤による接合等を例示できる。
【0088】
以下、図4に示した連続伸縮部材231及び非連続伸縮部材232を有する胴周り部20を例に挙げて、シート接合部60〜62を説明する。しかし、第1実施形態及び第2実施形態で説明した何れの胴周り部20が、以下に説明するシート接合部60〜62を有していてもよい。
【0089】
胴周り伸縮部材23の非固定部51,56では、一対のシート21,22が離間する。そのため、おむつ1の外観において、非肌側シート22が浮いて視認されやすく、胴周り伸縮部材23が収縮した際に、不規則な大きな縦皺が形成されやすい。よって、胴周り部20にシート接合部60〜62を設けることで、非肌側シート22の浮きを抑制でき、おむつ1の外観を向上させることができる。
【0090】
図8に示すシート接合部60は、おむつ1の上下方向(長手方向)よりも幅方向に長く延びている。また、幅方向における端部固定部50よりも内側において胴周り伸縮部材23を一対のシート21,22に固定する部位(例えば第2連続伸縮部材231bの中央固定部52等)と、シート接合部60は、非連続であり、上下方向に間隔をあけて配置されている。つまり、シート接合部60は、胴周り伸縮部材23と交差することなく配置されている。具体的には、図8に示すシート接合部60は、胴周り部20の一端縁から他端縁まで連続して延び、上下方向に並ぶ胴周り伸縮部材23の全ての間に配置されている。
【0091】
このように、幅方向に長く延びたシート接合部60を胴周り部20に設けることで、胴周り伸縮部材23が収縮した際に、規則的な細かな縦皺が形成されやすくなる。そのため、おむつ1の外観が向上し、胴周り部20のフィット性が良いといった印象をユーザーに付与できる。
【0092】
また、シート接合部60によって胴周り伸縮部材23の上下方向の動きが規制される。そのため、胴周り伸縮部材23の上下方向の間隔が維持されやすく、胴周り部20の広い範囲に亘り伸縮性を付与できる。
【0093】
しかし、胴周り部20がシート接合部60を有する場合、胴周り部20がシート接合部60を有さない場合に比べると、胴周り部20の柔軟性は軽減されてしまう。ただし、シート接合部60は、胴周り伸縮部材23に比べて着用者の肌に密着し難い。そのため、胴周り伸縮部材23を一対のシート21,22に固定する接着剤等の硬さに比べて、シート接合部60の接着剤等の硬さをユーザーは感じ難く、胴周り部20の着け心地の低下を抑制できる。
【0094】
また、幅方向に吸収性コア11Aが存在する領域R1では、吸収性コア11Aの幅方向の剛性の高さにより胴周り部20が幅方向に収縮し難い。また、胴周り部20には、中央固定部52を有する第2連続伸縮部材231bが配置されている(特に図7では全ての連続伸縮部材231が中央固定部52,57を有する)。そのため、領域R1にシート接合部61が配置されていなくても、不規則な大きな縦皺が目立ち難く、形成され難い。そこで、図9に示すように、幅方向における吸収性コア11Aの外側に、シート接合部61を配置してもよい。このように、シート接合部61の幅方向の長さを出来る限り短くすることで、胴周り部20の柔軟性を向上させることができる。
【0095】
ただし、図8図9に示すシート接合部60,61に限定されない。例えば、シート接合部60,61は、幅方向に連続して延びることなく、幅方向に間欠的に配置されていてもよい。また、非連続伸縮部材232を有する胴周り部20の場合、非連続伸縮部材232の非連続部分にはシート接合部60,61を配置しなくてもよい。また、上下方向に並ぶ胴周り伸縮部材23の複数の間の一部にのみシート接合部60,61を配置してもよい。また、シート接合部60,61は、係止部40よりも幅方向の内側に配置されていたり、端部固定部50よりも幅方向の内側に配置されていたりしてもよい。
【0096】
また、第2実施形態の図7に示すように、非連続伸縮部材232の非連続部分において、端部固定部55が幅方向に長く伸びている場合、非連続部分における非肌側シート22の浮きを、端部固定部55によって抑制できる。一方、図8に示すように、非連続伸縮部材232の非連続部分において、端部固定部55が幅方向に離間している場合、端部固定部55の間の領域において、非肌側シート22が浮きやすくなる。そのため、図8に示すように、非連続伸縮部材232の非連続部分にシート接合部60を配置することが好ましい。そうすることで、非肌側シート22の浮きを抑制でき、おむつ1の外観を向上させることができる。ただし、上記に限定されず、図9に示すように、非連続伸縮部材232の非連続部分にシート接合部60を配置しなくてもよい。
【0097】
また、図10に示すように、シート接合部62が、胴周り伸縮部材23と上下方向に交差して配置されていてもよい。具体的に、図10では、吸収性コア11Aの幅方向の両端部と同じ幅方向の位置であり、第2連続伸縮部材231bよりも上方に、一対のシート接合部62が配置されている。シート接合部62は、上下方向に長く延びた矩形状である。
【0098】
シート接合部62によって連続伸縮部材231の上下方向の動きが規制される。そのため、上下方向における連続伸縮部材231の間隔が維持されやすく、胴周り部20の広い範囲に亘り伸縮性を付与できる。
【0099】
また、胴周り部20の幅方向の両端部は、端部固定部50や係止部40により、縦方向の剛性が比較的に高く、縦方向につぶれ難い。図10の場合、胴周り部20の幅方向の中央部も、シート接合部62によって、縦方向の剛性が高まり、縦方向につぶれ難くなっている。そのため、胴周り部20の形状(ここでは矩形形状)が保たれやすく、着用者の胴周りを胴周り部20でしっかりと覆うことができる。
【0100】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【0101】
上述の実施形態では、不織布等の一対の柔軟なシート21,22(31,32)によって胴周り部20(30)が構成されていたが、一対のシート21,22の表面に複数の開孔25が設けられていても良い。図11は、複数の開孔25を有するシート21、22の一例を表す概略斜視図である。図11の例では、肌側シート21は、表裏に貫通する開孔25が間隔を空けて複数設けられた開孔不織布となっている。なお、複数の開孔25は、非肌側シート22に設けられていても良いし、肌側シート21及び非肌側シート22の双方に設けられていても良い。
【0102】
一対のシート21,22の少なくとも一方に複数の開孔25が設けられることにより、シートの通気性が向上し、おむつ1の着用時において、胴周り部20を蒸れにくくすることができる。一方で、このような開孔25は、通常、加熱されたピン部材(不図示)等を使用して形成されるが、その際、開孔25の外周縁部が溶融及び固化されることにより、該開孔25が硬くなってしまうおそれがある。この場合、胴周り部20の柔軟性が損なわれ、胴周り部20の肌触りが悪化してしまう。また、開孔25が設けられ、且つ、胴周り伸縮部材23の全域に固定用の接着剤が塗工されていた場合、胴周り伸縮部材23が収縮したときに、接着剤の目付が相対的に高くなり、接着剤の粘着感が開孔25を通じて全ての胴周り伸縮部材23から感じられるようになるおそれがある。
【0103】
これに対して、胴周り部20は、幅方向において、一対の端部固定部50,50よりも内側の領域に、胴周り伸縮部材23が胴周り部20に固定されてない非固定部51を有している。そして、非固定部51が設けられている領域と、複数の開孔25が設けられている領域とが重複する部分を有している。胴周り部20は、非固定部51が設けられている領域において高い柔軟性を有しているため、当該領域では開孔25の外周縁部の硬化による影響を相対的に小さくすることができる。すなわち、胴周り部20全体としての触感が硬くなりにくい。また、非固定部51においては、胴周り伸縮部材23に接着剤が塗工されていないため、開孔25を通じて着用者に接着剤の粘着感を感じさせることを抑制できる。したがって、着用者に不快感を生じさせること無く、胴周り部20の柔軟性及び通気性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)、
10 吸収性本体、11 吸収体、
11A 吸収性コア、11B コアラップシート、
12 トップシート、13 バックシート、14 外装シート、
20 腹側胴周り部(胴周り部)、30 背側胴周り部(胴周り部)、
21,31 肌側シート(シート)、
22,32 非肌側シート(シート)、
23,33 胴周り伸縮部材、
231 連続伸縮部材(伸縮部材)、232 非連続伸縮部材、
231a 第1連続伸縮部材(第1伸縮部材)、
231b 第2連続伸縮部材(第2伸縮部材)、
231c 第3連続伸縮部材、
25 開孔、
40 係止部、
50,55 端部固定部、
51,53,56 非固定部、
52,54,57 中央固定部、
60 シート接合部(第1シート接合部,第2シート接合部)、
61 シート接合部(第1シート接合部,第2シート接合部)、
62 シート接合部(第2シート接合部)、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11