特許第6811074号(P6811074)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6811074付加製造により造形される3次元物体の機械的特性を予め特定する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811074
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】付加製造により造形される3次元物体の機械的特性を予め特定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20201228BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20201228BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20201228BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20201228BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20201228BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20201228BHJP
【FI】
   B29C64/386
   B29C64/118
   B33Y50/02
   B33Y30/00
   G06F17/50 608A
   G06F17/50 612G
   G06F17/50 680C
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-216974(P2016-216974)
(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公開番号】特開2017-114114(P2017-114114A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2019年7月8日
(31)【優先権主張番号】14/939,336
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ダブリュー.ヘイズ
(72)【発明者】
【氏名】ローレン ジェイ.ストラーム
(72)【発明者】
【氏名】ナサニアル シー.カディ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル イー.ムンゲス
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−523391(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0251356(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104802412(CN,A)
【文献】 特表2018−534177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B33Y 10/00、30/00、50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を受信し、
前記ツール経路に基づいて模擬3D物体の模擬オブジェクト層を生成し、その際に、当該模擬オブジェクト層は、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表すものとし、
前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積を特定し、
前記接触面積と前記材料の材料特性とから、前記3D物体の予測機械的特性を特定する、コンピュータにより実施される方法であって、
前記各模擬オブジェクト層について、前記材料の条体を表す模擬条体を前記ツール経路と前記条体に関連づけられた条体ジオメトリ情報とから生成することをさらに含む、方法。
【請求項2】
記条体は、輪郭条体及びラスタ条体のうちの少なくとも1つを含み、前記条体ジオメトリは、輪郭幅、ラスタ幅、ラスタ対ラスタ間隔幅、輪郭対ラスタ間隔幅、及び、ラスタ角のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触面積は、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースにおいて前記模擬条体が交差する領域の総面積を含み、当該方法は、
前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースの公称表面積を特定し、
前記公称表面積に対する前記接触面積のパーセンテージを特定し、
前記インターフェースの予測機械的特性として、前記パーセンテージと前記材料特性との積を特定する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記3D物体の外側ジオメトリを表す3Dモデルを生成し、
前記3Dモデルをスライスして、前記各オブジェクト層の外側ジオメトリを表すモデル層を取得し、
前記各モデル層について前記ツール経路を生成し、
前記ツール経路を抽出し、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記ツール経路を修正し、
修正ツール経路を含む出力を付加製造装置に対して生成することで、前記修正ツール経路にしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記各オブジェクト層の前記条体に対応する前記条体ジオメトリを生成し、
前記条体ジオメトリを抽出し、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記条体ジオメトリを修正し、
修正条体ジオメトリを含む出力を付加製造装置に対して生成することで、前記修正条体ジオメトリにしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行可能なプログラムコードを格納した非一時的なメモリと、を含むシステムであって、
前記プログラムコードは、ツール経路データから模擬条体データを少なくとも部分的に生成するシミュレーションモジュールを含み、その際に、前記ツール経路データは、付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を含み、前記模擬条体データは、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表す模擬オブジェクト層を含み、
前記プログラムコードは、インターフェースデータを生成すると共に、前記インターフェースデータから前記3D物体の予測機械的特性データを特定する分析モジュールを含み、前記インターフェースデータは、前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積と前記材料の材料特性とを含むものである、システム。
【請求項7】
前記シミュレーションモジュールは、条体ジオメトリデータから前記模擬条体データを少なくとも部分的に生成し、前記模擬条体データは、各模擬オブジェクト層についての模擬条体を含み、当該模擬条体は、前記各オブジェクト層における前記材料の条体を表しており、前記条体ジオメトリデータは、前記条体に関連づけられた条体ジオメトリ情報をさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記条体は、輪郭条体及びラスタ条体のうちの少なくとも1つを含み、前記条体ジオメトリは、輪郭幅、ラスタ幅、ラスタ対ラスタ間隔幅、輪郭対ラスタ間隔幅、及び、ラスタ角のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記接触面積は、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースにおいて前記模擬条体が交差する領域の総面積を含み、前記分析モジュールにより生成される前記インターフェースデータは、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースの公称表面積と、前記インターフェースにおける前記公称表面積に対する前記接触面積のパーセンテージと、をさらに含み、前記分析モジュールにより特定される前記インターフェースの予測機械的特性は、前記インターフェースにおける前記パーセンテージと前記材料特性との積である、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記プログラムコードは、さらに、
前記3D物体の外側ジオメトリを表す3Dモデルを含む3Dモデルデータを生成するモデリングモジュールと、
前記各オブジェクト層の外側ジオメトリを表すように前記3Dモデルからスライスされたモデル層を含むモデル層データを、前記3Dモデルデータから生成するレイヤリングモジュールと、
前記モデル層データから前記ツール経路データを生成するツール経路モジュールと、を含み、
前記シミュレーションモジュールは、前記ツール経路モジュールから前記ツール経路データを抽出する、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記ツール経路モジュールは、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記ツール経路データを修正し、
修正ツール経路を含む出力を付加製造装置に対して生成することで、前記修正ツール経路にしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ツール経路モジュールは、前記条体ジオメトリデータを生成し、前記シミュレーションモジュールは、前記ツール経路モジュールから前記条体ジオメトリデータを抽出し、前記ツール経路モジュールは、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記条体ジオメトリデータを修正し、
修正条体ジオメトリを含む出力を前記付加製造装置に対して生成することで、前記条体ジオメトリにしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製させる、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、付加製造に関し、より具体的には、付加製造プロセスを用いて造形される3次元物体の機械的特性を予測する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、3Dプリンティングとしても知られ、材料の層をコンピュータ制御により順次積層して3次元物体を作製する様々な付着加工プロセス(additive process)のことである。そのような物体は、ほぼどのような形状やジオメトリ(geometry)にでも造形可能であり、3Dモデルやその他の電子データを基に作製される。そのような付加製造プロセスの一つに、熱溶解積層法としても知られる押出式付加製造プロセス(extrusion-based additive manufacturing process)がある
【0003】
押出式付加製造では、材料(例えば、プラスチック材料や金属材料)を層状に重ねる、「付着(additive)」加工により物体が作製される。物体の作製においては、溶融させた材料の索条や溶滴がノズルから押し出され、この材料が、例えば、押出の後即座に硬化して層を形成する。
【0004】
現状では、押出式付加製造プロセスにより作製される物体の機械的特性を、予め特定したり、予測したりする確実な技術はない。既存の分析ソフト(例えば、有限要素解析ソフト)は、物体の外側部分の特性を評価する。しかしながら、付着加工プロセスでは、物体の機械的特性に大きく影響する物体の内側部分の造形も制御可能である。よって、あらゆる物体の機械的特性(例えば、耐荷重性)は、その物体の破壊検査を行わない限り確認できないことになる。
【0005】
したがって、付加製造により製造される物体の機械的特性を分析する分野において、当業者は研究開発の努力を続けている。
【発明の概要】
【0006】
一例では、本開示の方法は、(1)付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を受信し、(2)前記ツール経路に基づいて模擬3D物体の模擬オブジェクト層を生成し、その際に、当該模擬オブジェクト層は、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表すものとし、(3)前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積を特定し、(4)前記接触面積と前記材料の材料特性とから、前記3D物体の予測機械的特性を特定する各ステップを含みうる。
【0007】
他の例では、本開示の装置は、プロセッサと、前記プロセッサにより実行可能なプログラムコードを格納した非一時的なメモリと、を含みうる。前記プログラムコードは、ツール経路データから模擬条体データを少なくとも部分的に生成するシミュレーションモジュールを含む。前記ツール経路データは、付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を含む。前記模擬条体データは、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表す模擬オブジェクト層を含む。前記プログラムコードは、インターフェースデータを生成すると共に、前記インターフェースデータから前記3D物体の予測機械的特性データを特定する分析モジュールを含む。前記インターフェースデータは、前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積と前記材料の材料特性とを含む。
【0008】
さらに他の例では、本開示のプログラム製品は、(1)付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を受信し、(2)前記ツール経路に基づいて模擬3D物体の模擬オブジェクト層を生成し、その際に、当該模擬オブジェクト層は、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表すものとし、(3)前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積を特定し、(4)前記接触面積と前記材料の材料特性とから、前記3D物体の予測機械的特性を特定する各処理を行うようにコンピュータで実行可能なプログラムコードを格納した、コンピュータ可読の非一時的記憶媒体を含む。
【0009】
本開示の装置、方法、及びプログラム製品についての他の例は、以下に示す詳細な説明、添付図面、及び添付の請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】3次元物体を造形するための付加製造システムの一例を示す概略図である。
図2】3次元物体を造形するための造形処理の実施態様の一例を示す概略ブロック図である。
図3】3次元物体のオブジェクト層の一例を示す概略上面図である。
図4図2の造形処理を実施するための方法の一例を示す概略フロー図である。
図5】3次元物体の機械的特性を予測するための分析処理の実施態様の一例を示す概略ブロック図である。
図6】3次元物体を表す3次元モデルをモデル層に分割した一例を示す概略図である。
図7】3次元モデルの各モデル層について、ツール経路の一例を示す概略図である。
図8】各モデル層について、対応する模擬オブジェクト層の一例を示す概略図である。
図9】模擬オブジェクト層を用いて構築された模擬3次元オブジェクトの一例を示す概略図である。
図10】隣り合う模擬オブジェクト層におけるインターフェースの一例を示す概略図である。
図11】隣り合う模擬オブジェクト層における模擬条体同士の接触領域を表すインターフェースモデルの一例を示す概略図である。
図12図5の分析処理の結果を表示するグラフィックス表示の一例である。
図13図5の分析処理を実施するための方法の一例を示すフロー図である。
図14】航空機の製造及び保守方法を示すフロー図である。
図15】航空機を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、添付図面を参照しており、これらの添付図面は、本開示の実施形態や実施態様の具体的例を示すものである。異なる構造及び処理を有する他の例も、本開示の範囲から逸脱するものではない。同じ要素又は部材は、異なる図面においても同様の参照符号で示している。
【0012】
上述の図1図2図5、及び図15において、様々な要素及び/又は部材を繋ぐ実線がある場合、それらは、例えば、機械的接続、電気的接続、流体的接続、光学的接続、電磁気的接続、その他の接続、及び/又はその組み合わせを表す。本明細書において、「接続されている」とは、直接的又は間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは、部材Bと直接に関連付けられる場合もあれば、例えば別の部材Cを介して間接的に関連付けられる場合もある。なお、開示されている様々な要素間の関係が、必ずしもすべて示されているとは限らない。したがって、ブロック図に示していない接続が存在することもありうる。様々な要素及び/又は部材を表すブロックを繋ぐ破線がある場合、これらは、機能及び目的の面で、実線で表したものに類似する接続を表す場合がある。ただし、破線で表した接続は、選択的に設けられるもの、あるいは、本開示の代替的な例に関するものである場合がある。同様に、破線で表した要素及び/又は部材がある場合、これらは、本開示における代替的な実施形態や実施態様を表す場合がある。実線及び/又は破線で示した1つ又は複数の要素を、本開示の範囲から逸脱することなく、ある特定の例から省くこともできる。外部要素がある場合は、点線で表している。当業者であればわかるように、図1図2図5、及び図15に示した構成要素のいくつかは、様々な方法で組み合わせることが可能であり、その際に、図1図2図5図15、その他の図面、及び/又は、付随する開示に記載された他の構成要素を必ずしも含む必要はない。また、そのような組み合わせが本開示に明示されていなくてもよい。同様に、提示の例に限定されない追加の構成要素を、本明細書で図示及び説明した構成要素のいくつか又はすべてと組み合わせることも可能である。
【0013】
上述の図4図13、及び図14において、ブロックは、処理、機能、動作、及び/又はその一部を示す場合があり、様々なブロックを繋ぐ線は、処理又はその一部について特定の順序又は従属関係を何ら暗示するものではない。破線で示したブロックがある場合、これらは、代替の処理及び/又はその一部を示す。様々なブロックを繋ぐ破線がある場合、これらは、処理又はその一部の代替的な従属関係を示す。なお、開示の様々な処理間の従属関係が、必ずしもすべて示されているとは限らない。図4図13、及び図14並びに本明細書に記載の方法の処理を説明する付随の開示は、これらの処理が行われる順序を必ずしも決定するものではない。むしろ、1つの例示的な順序を示してはいるが、処理の順序は適宜変更が可能であると理解すべきである。例えば、関連する機能によっては、連続するものとして示されている2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよいし、あるいは、これらのブロックが時には逆の順序で実行されてもよい。また、当業者であればわかるように、記載した処理を必ずしもすべて行う必要はない。
【0014】
本明細書で用いられる場合、「第1」、「第2」等の語句は、特に明記しない限り単に標識として用いられており、これらの用語で言及している要素に対して、順序、位置、又は階層的な要件を規定するものではない。また、例えば「第2」のアイテムについて言及することによって、より小さい序数のアイテム(例えば、「第1」のアイテム)、及び/又は、より大きい序数のアイテム(例えば、「第3」のアイテム)の存在を要件とするものでも、排除するものではない。
【0015】
本明細書において、「のうちの少なくとも1つ」という語句がアイテムの列挙について用いられる時は、列挙されたアイテムの1つ又は複数を様々な組み合わせで使用してもよく、また、列挙されたアイテムのうち1つだけを必要とする場合もあることを意味する。アイテムは、ある特定の物体、対象、又はカテゴリーであってもよい。換言すると、「のうちの少なくとも1つ」とは、列挙されたアイテムを任意の組み合わせで任意の数だけ使用してもよいが、列挙されたアイテムのすべてを必要とするとは限らないことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、アイテムCのうちの少なくとも1つ」は、アイテムA;アイテムAとアイテムB;アイテムB;アイテムAとアイテムBとアイテムC;又は、アイテムBとアイテムC、を意味する場合がある。いくつかの場合では、「アイテムA、アイテムB、アイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、アイテムAを2個と、アイテムBを1個と、アイテムCを10個;アイテムBを4個とアイテムCを7個;又は、他の適当な組み合わせを意味してもよい。
【0016】
本明細書において、「例」、「一例」、「他の例」、又はこれに類する用語を用いた場合、その例に関連付けて記載した1つ又は複数の構成要素、構造、又は特性が、本開示の実施形態又は実施態様のうちの少なくとも1つに含まれることを意味する。よって、「一例において」、「一例として」、及び、これに類する用語は、本開示の全体を通して同じ例に言及している場合もあるが、必ずしも同じ例に限定されない。
【0017】
本開示の技術的事項の例示的且つ非排他的な例を以下に記載するが、これらの例には、請求項に記載されているものも、記載されていないものもある。
【0018】
図1を参照すると、付加製造(AM)システム100の一例が開示されている。AMシステム100は、押出式、堆積式、あるいは積層式の付加製造システムとも称する。AMシステム100は、3次元(「3D」)物体102を造形(作製や製造)するのに用いられる装置であり、本明細書において造形処理とも称する1つ又は複数の付加製造プロセス(例えば、押出式や堆積式)を行う。本明細書において用いられる「3次元物体」及び「3D物体」との用語は、付加製造プロセスや技術を用いて造形される物体、製造物、部品、部材などを指し、特定の用途のものに限定されない。非限定的な一例では、適当な付加製造プロセスは、熱溶解積層法(「FDM」)であってもよい。AMシステム100は、方法500(図4)及び/又は方法600(図13)の1つ又は複数の実施態様において利用可能である。
【0019】
図1及び図2を参照すると、AMシステム100は、コンピュータ112を含むか、コンピュータと共に用いられるものである。コンピュータ112は、AMシステム100と通信する1つ又は複数のコンピュータベースのシステムであってもよい。コンピュータ112は、AMシステム100と別体であってもよく、あるいは、AMシステム100の内部コンポーネントであってもよい。後述するように、コンピュータ112は、ツール経路データ162など、3D物体102を一層ずつ造形したり、3D物体102の1つ又は複数の機械的特性を予測したりするためのデータを生成するものである。
【0020】
図1を参照すると、一例として、AMシステム100は、付加製造(AM)装置104を含む。AM装置104は、押出式(例えば、積層式)の付加製造により3D物体102を造形するための任意の適当なシステムや装置である。非限定的な一具体例としてAM装置104は、ミネソタ州エデン・プレイリーのストラタシス社(Stratasys, Ltd., Eden Prairie, Minnesota)から市販されている熱溶解積層法システムであってもよい。
【0021】
AM装置104は、可動の吐出ヘッド(dispensing head)106を含み、吐出ヘッドの下端には、吐出(押出)ノズル108が備えられている。吐出ヘッド106は、取付けアーム(明確な図示なし)によって支持されうる。吐出ヘッド106は、3D物体102を造形するための造形台110の近傍に配置されうる。造形台110は、ベース部材(明確な図示なし)によって支持されうる。
【0022】
吐出ヘッド106及び/又は造形台110は、(それぞれ、取付けアームやベース部材などにより)支持されて、機械的な駆動機構(明確な図示なし)による機械的な相対移動が可能とすることができる。一構成例では、吐出ヘッド106は、ベース面124に対して固定とし、造形台110は、ベース面124に対してX軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿って並進可能に構成することができる。一構成例では、造形台110は、ベース面124に対して固定とし、吐出ヘッド106は、ベース面124に対してX軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿って並進可能とすることができる。この他にも、吐出ヘッド106及び造形台110のいずれか、又は、その両方が、互いに相対的に移動可能な配置とすることもできる。
【0023】
図2図1と併せて参照すると、一実施態様では、AMシステム100を利用して、付加製造プロセス(例えば、造形処理)によって3D物体102を造形することができる。一例では、AMシステム100は、処理を完全に自動で行うように構成(例えば、コンピュータ制御)されている。吐出ヘッド106は、コンピュータ112により生成したツール経路データ162に基づいて、造形台110上に3D物体102を一層ずつ造形することが可能である。一例では、3D物体102は、複数のオブジェクト層128を含み、これらの層は、図1では、オブジェクト層128A、128B、128C、128D、及び128Nとして区別されている。各オブジェクト層128は、先に造形されたオブジェクト層128の上に順次造形される。
【0024】
コンピュータ112は、例えば、コントローラ120を介してAM装置104と通信する1つ又は複数コンピュータシステムとすることができる(コントローラ120は、コンピュータ112と通信する)。コンピュータ112は、AM装置104と別体であってもよく、あるいは、AM装置104の内部コンポーネントであってもよい。
【0025】
図1を参照すると、一例として、吐出ヘッド106及び/又は造形台110は、ベース面124に対して(例えば、XY面に沿って水平に、あるいは、Z軸に沿って垂直に)移動可能に構成されている。この移動は、コントローラ120からの制御信号152に基づいて行われる(例えば、コントローラ120は、吐出ヘッド106及び/又は造形台110の機械的な駆動機構と通信する)。ベース面124は、X軸及びY軸により規定される面であり、X軸、Y軸、Z軸は互いに直交する軸である。
【0026】
吐出ヘッド106は、供給源(明確な図示なし)から供給される造形材料122を吐出するように構成されている。様々な供給機構(明確な図示なし)を利用して、吐出ヘッド106への材料122の供給及びノズル108からの材料122の吐出を行うことが可能である。吐出ヘッド106から(例えば、ノズル108を経由して)吐出される材料122の流量は、コントローラ120から送出される制御信号152に基づいて制御可能である。
【0027】
様々な種類の材料122を様々な形態で利用して、AM装置104で3D物体102を造形することが可能である。一例では、材料122は熱的に固化するものであってもよく、流動状態で塗布し、室温で固化させてもよく、あるいは、冷却機構を用いて所定の温度にして固化させてもよい。材料122は、吐出ヘッド106の中で、融点(例えば、その材料の凝固温度を超え、流動状態に溶融する所定の温度)まで加熱され、流動体としてノズル108から吐出される。非限定的な例では、材料122は、固体ロッド、ワイヤ、連続フィラメントなどの形態で供給されうる。材料122の非限定的な例には、熱可塑性プラスチック、ガラス、金属、金属合金、また、それらの任意の組み合わせが含まれる。
【0028】
図2図1と併せて参照すると、実施態様の一例では、3D物体102の設計はコンピュータ112を用いて行ってもよい。一例では、モデリングモジュール114は、3次元(「3D」)モデル116(例えば、3D物体102を表すデジタルデータ)を受信又は生成(作成)する。モデリングモジュール114は、3Dモデルデータ156を受信又は生成(提供)する。これは、3Dモデル116を含むデータであって、3D物体102の具体的な外側ジオメトリ(例えば、形状)に対応する(表す)データである。本明細書において用いられる「3次元モデル」及び「3Dモデル」との用語は、付加製造法を用いて造形される物体、製造物、部品、部材などを表すデジタルデータ又は仮想データを意味する。一例では、モデリングモジュール114は、任意の適当なコンピュータ支援設計(「CAD」)、コンピュータ支援製造(「CAM」)、又はコンピュータ支援エンジニアリング(「CAE」)のソフトウェアパッケージであってもよい。非限定的な一具体例として、モデリングモジュール114は、「NX」又は「NX Unigraphics」の名称で、テキサス州プレイノのシーメンスPLMソフトウェア(Siemans PLM Software, Plano, Texas)から市販されているソフトウェアであってもよい。
【0029】
実施態様の一例では、3Dモデル116は、モデリングモジュール114を用いてコンピュータ112に入力される。実施態様の一例では、3Dモデル116は、モデリングモジュール114を用いてコンピュータ112により生成される。3Dモデル116を生成又は受信すると、コンピュータ112は、3Dモデル116を(例えば、ベース面124を基準に)造形処理用に再配向(reorient)する。
【0030】
コンピュータ112は、3Dモデル116をスライス又は分割することにより、オブジェクト層128を表す複数のモデル層126を生成する。一例では、レイヤリングモジュール118は、3Dモデル116をスライス又は分割して複数のモデル層126を得る。レイヤリングモジュール118は、モデル層データ154を生成(例えば、提供)する。これは、モデル層126を含むデータであって、3D物体102の各オブジェクト層128(例えば、個々のオブジェクト層128’)(図3)の具体的な外側ジオメトリ(例えば、形状)に対応するデータである。
【0031】
図2図3と併せて参照すると、コンピュータ112は、各モデル層126(例えば、個々のモデル層)について、1つ又は複数のツール経路130に関連づけられたジオメトリ情報を生成する。ツール経路130は、AM装置104の吐出ヘッド106が、3D物体102の各オブジェクト層128を所望のジオメトリに造形する際に通過する空間の経路である。ツール経路130は、各オブジェクト層128’(図3)(例えば、複数のオブジェクト層128のうちの任意の1つ)を形成するように堆積させる材料122の条体(roads)160に対応する。一例として、ツール経路モジュール158は、各モデル層126に関連づけられたモデル層データ154に基づいて、ツール経路データ162を生成する。ツール経路モジュール158は、ツール経路130を含むツール経路データ162を生成(提供)する。また、ツール経路モジュール158は、条体ジオメトリデータ202を生成(提供)する。これは、条体ジオメトリ140を含むデータであって、各オブジェクト層128を形成する材料122の条体160の3次元ジオメトリに対応する(表す)データである。つまり、ツール経路130及び関連する条体ジオメトリ140の特性(例えば、ツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202)は、ツール経路モジュール158により、予め特定又は生成することが可能である。非限定的な一具体例では、ツール経路モジュール158は、「Insight」の名称でストラタシス社(Stratasys, Ltd)から市販されている制御ソフトウェアであってもよい。あるいは、ツール経路モジュール158は、プログラムコード又はハードウェア又は両者の組み合わせとして実行又は実現可能なモジュール、例えば不揮発性メモリに格納されたプログラム命令を実行するプロセッサ(上記不揮発性メモリはこのプロセッサに接続されている)であってもよい。
【0032】
図3図2と併せて参照すると、ツール経路130(例えば、ツール経路データ162)の生成に際し、コンピュータ112(例えば、ツール経路モジュール158)は、先ず最初に、材料122の1つ又は複数の輪郭条体164を規定する1つ又は複数の輪郭ツール経路132を生成してもよい。輪郭条体164は、各オブジェクト層128’の輪郭パターン134(例えば、周縁)を形成するものである。輪郭パターン134を形成する輪郭条体164は、連続的であっても、不連続であってもよい。
【0033】
また、コンピュータ112(例えば、ツール経路モジュール158)は、材料122の1つ又は複数のラスタ条体166を規定する1つ又は複数のラスタツール経路136を生成する。各オブジェクト層128’のラスタパターン138を形成するラスタ条体166は、輪郭パターン134により規定された内側領域を充填するものである。ラスタ条体166は、ラスタパターン138を形成する連続する条体であっても、不連続な条体であってもよい。
【0034】
コンピュータ112(例えば、ツール経路モジュール158)は、内側領域を充填するのに必要な材料122の1つ又は複数の追加条体(明確な図示なし)を規定する1つ又は複数の追加ツール経路(明確な図示なし)を生成しうる。
【0035】
このプロセスは、3Dモデル116の各モデル層126について繰り返し行われる。生成したデータ(例えば、3Dモデルデータ156、モデル層データ154、ツール経路データ162、及び条体ジオメトリデータ202)の一部又はすべては、データ記憶モジュール176(図5)などの任意の適当なコンピュータ記憶媒体、例えば、コンピュータ112やデータベース168(図1)の記憶装置に格納可能である。
【0036】
いくつかの例では、1つ又は複数のオブジェクト層128は、緻密な(dense fill)パターン(例えば、ラスタパターン138)を有し、他のオブジェクト層128は、疎な(sparse fill)パターンを有していてもよい。あるオブジェクト層128が緻密なパターンを有するとは、そのオブジェクト層128のラスタパターン138は、空隙の数が少なくなるように内側部分を充填するパターンであることをいう。これに対して、あるオブジェクト層128が疎なパターンを有するとは、そのオブジェクト層128のラスタパターン138は、空隙を設けるように内側部分を充填して、オブジェクト層128の造形に必要な材料122の量を少なくするパターンであることをいう。
【0037】
図3を参照すると、一例として、各オブジェクト層128’に関連付けられたそれぞれの条体160(例えば、輪郭条体164及びラスタ条体166)の条体ジオメトリ140(例えば、条体ジオメトリデータ202)は、輪郭幅142、ラスタ幅144、ラスタ対ラスタ間隔幅146、輪郭対ラスタ間隔幅148、ラスタ角150などを含むが、これに限定されない。輪郭幅142は、各輪郭条体164を形成する材料122の幅寸法である。ラスタ幅144は、各ラスタ条体166を形成する材料122の幅寸法である。ラスタ対ラスタ間隔幅146は、隣接するラスタ条体166を形成する材料122間に設けられた間隔又は空隙の幅寸法である。輪郭対ラスタ間隔幅148は、輪郭条体164とそれに隣接するラスタ条体166とを形成する材料122間に設けられた間隔又は空隙の幅寸法である。ラスタ角150は、X軸、Y軸、又は、輪郭条体164のうちの1つを基準とする、各ラスタ条体166を形成する材料122の角度配向である。
【0038】
図2図1と併せて参照すると、一例では、ツール経路データ162は、各オブジェクト層128について、材料122の条体160を堆積形成するのに適した吐出ベクトル又は座標位置及び吐出タイミングシーケンスを含む。ツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202は、コンピュータ112からコントローラ120に送られる。コントローラ120は、ツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202を用いて(例えば、変換して)、制御信号152(例えば、吐出シーケンス指示)を生成する。コントローラ120は、駆動機構と供給機構とに接続されており、駆動機構は、吐出ヘッド106及び/又は造形台110を、ツール経路130に沿って選択的に移動させるものであり、供給機構は、制御信号152を送出することによって、3D物体102を造形するための材料122の堆積を制御するものである。
【0039】
実施態様の一例では、造形処理において、吐出ヘッド106は、ツール経路130を辿って材料122を吐出し、3D物体102の各オブジェクト層128を造形する。ツール経路130に沿って材料を吐出して各オブジェクト層128を造形する際に、ツール経路130に沿って吐出される材料122の量は、ツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202が表す所望の条体ジオメトリ140を得るように制御される。一般的な一例では、各オブジェクト層128を造形する処理では、最初に材料122の輪郭条体164を堆積形成させて各オブジェクト層128の外縁を形成し、次に、材料122のラスタ条体166を堆積形成させて、各オブジェクト層128の内側領域を充填する。制御信号152は、吐出ヘッド106に命令して、先に堆積させたオブジェクト層128の上面に、次のオブジェクト層128を造形することにより、層128A〜128N(図1)を垂直方向に順に造形させる。
【0040】
図4図2と併せて参照すると、3D物体102を造形する方法500の一例が開示されている。方法500は、AMシステム100を用いた造形処理において、3D物体102のツール経路データ162をコンピュータ112で生成する実施態様の一例であり、ツール経路データ162は、その後、AM装置104により3D物体102を作製する際に利用される。本開示の範囲から逸脱することなく、方法500に対して変形、追加、省略を行うことが可能である。すなわち、方法500は、より多くのステップ、より少ないステップ、又は他のステップを含むものであってもよい。加えて、ステップは任意の適切な順序で実行可能である。
【0041】
図4に示すように、方法500では、ブロック502に示すように、3Dモデル116(例えば、3D物体102を表すデジタルデータ)をコンピュータ112により受信するステップが最初に行われる。3Dモデル116を受信すると、コンピュータ112は、造形処理の準備として、3Dモデル116を再配向する(明確な図示なし)。方法500では、ブロック504に示すように、コンピュータ112により、3Dモデル116を複数のモデル層126にスライスするステップが行われる。
【0042】
方法500では、ブロック506に示すように、現在処理中の(例えば、最初の)モデル層126(オブジェクト層128のうちの1つを表す)について、1つ又は複数の輪郭ツール経路132を、コンピュータ112により生成するステップが行われる。輪郭ツール経路132は、現在処理中のオブジェクト層128の境界部分を形成するための経路である。いくつかの例では、所与のオブジェクト層128は、造形する複数の3D物体102についての複数の境界部分を含んでもよく、及び/又は、(例えば、中空の内部空間を有する)1つの3D物体102についての外側境界部分及び内側境界部分を含んでもよい。輪郭ツール経路132は、材料122を堆積させて形成する輪郭条体164のジオメトリ(例えば、輪郭幅142)である条体ジオメトリ140に基づいて、コンピュータ112により生成される。
【0043】
方法500では、ブロック508に示すように、現在処理中のモデル層126について、1つ又は複数のラスタツール経路136をコンピュータ112により生成するステップが行われる。ラスタツール経路136は、輪郭ツール経路132の内側の領域を一度に充填する(bulk fill)のに利用されうる。ラスタツール経路136は、材料122を堆積させて形成するラスタ条体166のジオメトリ(例えば、ラスタ幅144)である条体ジオメトリ140に基づいて、コンピュータ112により生成される。
【0044】
条体ジオメトリ140は、材料特性、使用するAM装置104の種類、吐出条件、吐出用先端部の寸法などの様々なファクタに依存する。非限定的な例では、適切な輪郭幅142は、約0.005インチ(127マイクロメートル)から約0.5インチ(12.7ミリメートル)の範囲である。非限定的な例では、適切なラスタ幅144は、約0.005インチから約0.5インチの範囲である。非限定的な例では、適切なラスタ対ラスタ間隔幅146は、約0.0インチから約5.0インチ(127ミリメートル)の範囲である。特定の実施態様(明確な図示なし)では、2つ以上のラスタ条体166(例えば、概ね平行なラスタ条体166)が互いに接触する(例えば、ラスタ条体166同士が互いに接触して、ラスタ対ラスタ間隔幅146が約0.0インチとなる)場合や、ラスタ条体166同士の厚みが縁部に沿って部分的に重なる(例えば、ラスタ条体166同士が互いに押し合わされて、ラスタ対ラスタ間隔幅146が約−0.01インチとなる)場合がありうるので、少なくともいくつかのラスタ対ラスタ間隔幅146が約0.0インチなってもよい。非限定的な一例では、適切な輪郭対ラスタ間隔幅148は、約0.0インチである。当業者であれば認識できるように、特定の実施態様では、例えば、図10に示すように、輪郭条体164のうちの少なくともいくつかと、ラスタ条体166のうちの少なくともいくつかとの間(例えば、3D物体102の外側成形輪郭と、3D物体102の内側充填部分との間)に、少なくとも何らかの接続箇所が必要となる場合もある。非限定的な一例では、適切なラスタ角150は、約0度から約180度の範囲であり。条体ジオメトリ140については、他の例も想定され、限定はされない。
【0045】
現在処理中のモデル層126が完成すれば、方法500では、ブロック510に示すように、現在処理中のモデル層126が、最後のモデル層126であるか否かをコンピュータ112により判定するステップが行われる。現在処理中のモデル層126が最後のモデル層126でない場合、方法500では、ブロック512に示すように、次の(例えば、2番目の)モデル層126をコンピュータ112により選択するステップが行われる。ブロック506及び508に示したステップは、最後のモデル層126が完成するまで繰り返される。最後のモデル層126が完成すれば、方法500では、ブロック514に示すように、得られたツール経路130(例えば、ツール経路データ162)及び条体ジオメトリ140(例えば、条体ジオメトリデータ202)を、3D物体102を造形するために、コンピュータ112によりコントローラ120に送るステップが行われる。
【0046】
方法500では、ブロック516に示すように、造形処理において、吐出ヘッド106がツール経路130を辿って各オブジェクト層128の輪郭パターン134及びラスタパターン138を形成して3D物体102を造形するステップが行われる。コントローラ120は、制御信号152を吐出ヘッド106に送出することにより、吐出ヘッド106がツール経路130に沿って移動し、材料122を吐出するよう制御して、各オブジェクト層128の条体160を形成させる。
【0047】
図2図4と併せて参照すると、例えば、図2及び図4に示した造形処理によって造形される3D物体102は、少なくとも1つの機械的特性206を有する。例えば、機械的特性206は、圧縮強度、剪断ひずみ、剪断強度、引張強度、降伏強度などを含む。3D物体102の機械的特性206は、材料122の材料特性184、材料122の条体160の条体ジオメトリ140、AM装置104の吐出ヘッド106が辿るツール経路130などの様々な要素に依存する。換言すると、材料特性206は、3D物体102の各オブジェクト層128の内側ジオメトリに少なくとも部分的に依存する。
【0048】
図5図1と併せて参照すると、実施態様の一例では、図2及び図4に示したような造形処理などの付加製造プロセスにより造形される3D物体102の機械的特性は、AMシステム100を用いて予測可能である。3D物体102の1つ又は複数の機械的特性は、ツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202に基づいて、コンピュータ112により予測できる。コンピュータ112は、ツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202を(例えば、ツール経路モジュール158や、データ記憶モジュール176から)抽出し、模擬オブジェクト層170を生成する。
【0049】
図6図2及び図5と併せて参照すると、一例では、3Dモデル116を、例えば、レイヤリングモジュール118(図2)により、複数のモデル層126にスライスする。ツール経路データ162は、所与のZ座標(例えば、ベース面124からの高さ)にある各ツール経路130(例えば、輪郭ツール経路132及びラスタツール経路136)のX座標及びY座標(例えば、ベース面124を基準とする)(図1)を各モデル層126について含むか、又は、与える。また、条体ジオメトリデータ202は、材料122の条体160の3次元ジオメトリを含みうる。
【0050】
図7は、ツール経路データ162により与えられる6つのモデル層126のツール経路130を視覚的に表しており、これらのモデル層は、この図では、126A、126B、126C、126D、126E、126Fとして区別されている。図示の通り、各モデル層126のツール経路130(例えば、ラスタツール経路136)は、互いに少なくとも部分的に異なっている。一例として、ツール経路130の開始点又は開始位置(例えば、XY座標)、終点あるいは終了位置(例えば、XY座標)、及び/又は角度配向が、各モデル層126間で異なっている。なお、図7に示した例では、各モデル層126のツール経路130が互いに異なっているが、他の例では、1つ又は複数モデル層126のツール経路130が同一な場合もある。
【0051】
図5図7と併せて参照すると、実施態様の一例では、コンピュータ112は、模擬3D物体174の模擬オブジェクト層170を生成する。一例として、シミュレーションモジュール204は、各モデル層126に対応する(表す)模擬オブジェクト層170を、(例えば、ツール経路モジュール158により生成された)各モデル層126のツール経路データ162及び条体ジオメトリデータ202を用いて生成する。すなわち、シミュレーションモジュール204は模擬条体データ200を生成(提供)する。この模擬条体データは、各オブジェクト層128(図2)の条体160(例えば、輪郭条体164及び/又はラスタ条体166)(図2)に対応し(表し)、模擬条体172を含むデータである。一例では、シミュレーションモジュール204は、CAD、CAM、又はCAEなどの任意の適当なソフトウェアパッケージでる。
【0052】
図8を参照すると、シミュレーションモジュール204は、各モデル層126のツール経路130(これは、ツール経路データ162から得られる)及び条体ジオメトリ140(これは、条体ジオメトリデータ202から得られる)のXY座標をガイドラインとして用いて、各模擬オブジェクト層170の模擬条体172を生成する。これらの模擬オブジェクト層は、図8では、170A、170B、170C、170D、170E、及び170Fとして区別されている。換言すると、ツール経路130及び条体ジオメトリ140に基づいて模擬条体172を生成して、模擬3D物体174の各模擬オブジェクト層170を構築する。上述したように、条体ジオメトリ140は、例えば、材料特性、使用するAM装置104の種類、吐出条件、吐出用先端部(例えばノズル108)の寸法など、材料及び/又はシステムに関連する様々な要素に依存しうる。これら材料及び/又はシステムに関するファクタは、既知あるいは所定の値であり、データ記憶モジュール176に(例えば、コンピュータ112やデータベース168の記憶装置に)格納可能である。
【0053】
図8に示すように、各模擬オブジェクト層170の模擬条体172は、各オブジェクト層128(図2)の材料122の条体160(例えば、ラスタパターン138を構成するラスタ条体166)を表すデジタルデータ又は仮想データである。いくつかの例では、シミュレーションモジュール204は、各モデル層126のツール経路130を簡略化して(例えば、ツール経路130の一部分を模して)、各オブジェクト層128の条体160(例えば、ラスタ条体166)の少なくとも一部分を表す模擬条体172を生成してもよい。他の例では、シミュレーションモジュール204は、各モデル層126のツール経路130の全体を模して、各オブジェクト層128の条体160の全体を表す模擬条体172を生成してもよい。
【0054】
図9図6図8と併せて参照すると、シミュレーションモジュール204は、模擬オブジェクト層170を再配向(例えば、積層)して、模擬3D物体174を生成する。模擬3D物体174における模擬オブジェクト層170の順は、3D物体102のオブジェクト層128の造形順を表す3Dモデル116(図6)におけるモデル層126の順と同一である。
【0055】
図5図9及び図10と併せて参照すると、コンピュータ112は、隣り合う模擬オブジェクト層170間のインターフェース180を分析する。インターフェース180は、隣り合う模擬オブジェクト層170間の遷移領域あるいは遷移部分(transition area or transition zone)である。一例では、分析モジュール178は、模擬条体データ200を用いて、隣り合う各対の模擬オブジェクト層170間(例えば、模擬オブジェクト層170Aと模擬オブジェクト層170Bの間、模擬オブジェクト層170Bと模擬オブジェクト層170Cの間、模擬オブジェクト層170Cと模擬オブジェクト層170Dの間など)の接触面積(contact surface area)182を特定する。分析モジュール178は、算出した接触面積182を用いて、3D物体102の予測機械的特性186を特定(算出)する。
【0056】
図10は、例えば、シミュレーションモジュール204により生成された模擬オブジェクト層170のうちの隣り合う層(例えば、模擬オブジェクト層170Aと模擬オブジェクト層170B)の間のインターフェース180の例を示す。図10に示すように、模擬オブジェクト層170Bは、模擬オブジェクト層170Aに重畳されている。一例では、隣り合う模擬オブジェクト層170の各模擬条体172(例えば、模擬オブジェクト層170Aの模擬条体172A及び模擬オブジェクト層170Bの模擬条体172B)は、互いに異なる。インターフェース180において、模擬条体172Aは、複数の交差領域にて模擬条体172Bに部分的に交差する。
【0057】
図5図10及び図11と共に参照すると、分析モジュール178は、模擬オブジェクト層170(例えば、模擬オブジェクト層170A及び模擬オブジェクト層170B)のうちの隣り合う層(例えば、隣り合う層の対)における各模擬条体172(たとえば、模擬条体172A及び模擬条体172B)を表す模擬条体データ200に基づいて、交差関数(intersect function)を実行して、インターフェースデータ188を生成する。インターフェースデータ188は、接触面積182を含む。つまり、交差関数は、模擬オブジェクト層170Aと模擬オブジェクト層170Bとのインターフェース180における総接触面積182を模擬条体データ200から算出するものである。接触面積182は、隣り合う模擬条体172(例えば、模擬条体172Aと模擬条体172B)が交差面積を含む(あるいは、交差面積により規定される)。よって、隣り合う模擬条体172について算出した接触面積182は、造形過程において、隣り合うオブジェクト層128の条体160同士が接触する位置を表す。換言すると、模擬オブジェクト層170の模擬条体172は、オブジェクト層を物理的にどのように積層して3D物体102が造形されるかをシミュレーションしたものである。
【0058】
図11は、例えば、シミュレーションモジュール204により生成されたインターフェースモデル190(例えば、インターフェース180を視覚的にあるいはデジタルで表すデータ)を示す。図示の通り、交差関数を実行すると、隣り合う模擬条体172間の接触面積182(例えば、模擬条体172Aと模擬条体172Bと交差面積)のみが残る。
【0059】
隣り合う模擬オブジェクト層170間の接触面積182は、模擬条体172が交差する領域の総面積であり、造形処理(図2)により造形されるオブジェクト層128のうちの隣り合う層における条体160(例えば、ラスタ条体166)同士の接触面積(例えば、交差領域の総面積)を表す。よって、隣り合う模擬オブジェクト層170の任意の対における接触面積182は、3D物体102において、この対に対応する隣り合うオブジェクト層128において負荷を担う表面積を表す。
【0060】
図5を参照すると、実施態様の一例では、コンピュータ112(例えば、分析モジュール178)は、インターフェースデータ188及び材料特性データ208から予測機械的特性データ210を生成する。一例では、分析モジュール178は、3D物体102の予測機械的特性186を、各インターフェース180における接触面積182及び材料122(図1)の材料特性184を用いて特定(例えば、算出)する。
【0061】
材料特性データ208は、材料122の材料特性184を含む。材料特性184は、AM装置104が3D物体102を造形するのに用いる特定の種類の材料122についての適当なバルク特性(bulk material property)を含む。材料特性184は、既知あるいは所定の値であり、データ記憶モジュール176(例えば、コンピュータ112やデータベース168の記憶装置)に格納されうる。分析モジュール178は、材料特性データ208を、例えば、データ記憶モジュール176から受信又は抽出する。材料特性184は、材料122の種類、使用するAM装置104の種類、条体ジオメトリ140などの様々なファクタに依存する。材料特性184の例には、圧縮強度、剪断ひずみ、剪断強度、引張強度、降伏強度などが含まれる。
【0062】
隣り合う模擬オブジェクト層170間の各インターフェース180について、分析モジュール178は、隣り合う模擬オブジェクト層170における公称表面積(nominal surface area)192を特定(例えば、算出)する。インターフェースデータ188は、公称表面積192を含む。公称表面積192は、個々の模擬オブジェクト層170(例えば、隣り合う模擬オブジェクト層170間のインターフェース180)の総面積である。
【0063】
分析処理では、分析モジュール178は、隣り合う模擬オブジェクト層170における模擬条体172同士の交差面積が、総面積に占めるパーセンテージ194(例えば、接触面積182の値/公称表面積192の値)を算出する。インターフェースデータ188は、パーセンテージ194を含む。
【0064】
分析モジュール178は、インターフェースデータ188から、各インターフェース180の予測機械的特性データ210を生成する。一例では、分析モジュール178は、各インターフェース180における予測機械的特性186として、パーセンテージ194と材料特性184との積(例えば、パーセンテージ194の値×材料特性184の値)を算出する。換言すると、コンピュータ112(例えば、分析モジュール178)は、隣り合うオブジェクト層128における材料122の条体160が互いに接触する箇所(例えば、接触面積182)に対して材料特性184を適用する。よって、3D物体102の全体の予測機械的特性186は、少なくとも一対の隣り合う模擬オブジェクト層170の少なくとも1つのインターフェース180の予測機械的特性186のうちの少なくとも1つに基づくことになる。非限定的な一具体例として、所与のインターフェース180において最小の予測機械的特性186が、3D物体102の全体の予測機械的特性186(例えば、3D物体102において損傷が生じうる箇所)を表すものとする。
【0065】
特定の予測機械的特性186は、使用される特定の材料特性184などの様々なファクタに依存しうる。予測機械的特性186の例には、圧縮強度、剪断ひずみ、剪断強度、引張強度、降伏強度などが含まれうる。また、予測機械的特性186は、接触面積182を規定する模擬条体172の性質(例えば、ジオメトリ、パターンほか)にも依存しうる。
【0066】
図12は、図5に示した分析処理の結果を表示するグラフィックス表示196の一例を示す。図示の通り、一例では、グラフィックス表示196は、各インターフェース180について、隣り合う模擬オブジェクト層170の対、接触面積182、パーセンテージ194、及び予測機械的特性186を表形式で示す。一例では、各インターフェース180に識別番号(例えば、1〜5)が割り当てられている。各インターフェース180の接触面積182は、値198(例えば、平方インチの単位)として表示されている。各インターフェース180のパーセンテージ194は、値212として表示されている。各インターフェース180の予測機械的特性186は、値214(例えば、ポンド毎平方インチ)として表示されている。
【0067】
図13図5と併せて参照すると、3D物体102の予測機械的特性186を予測する方法600の一例が開示されている。方法600は、AMシステム100を用いた分析処理の実施態様の一例である。本方法では、3D物体102において隣り合うオブジェクト層128間のインターフェース180を表すインターフェースデータ188をコンピュータ112により生成する。その後、インターフェースデータ188を用いて、AMシステム100で造形する3D物体102の予測機械的特性データ210を生成し、機械的特性を予測する。本開示の範囲から逸脱することなく、方法600に対して変形、追加、省略を行うことが可能である。方法600は、より多いステップ、より少ないステップ又はその他のステップを含むことができる。加えて、ステップは任意の適切な順序で実行可能である。
【0068】
図13に示すように、方法600では、コンピュータ112が各モデル層126のツール経路130を受信するステップが最初に行われる。このステップを、ブロック602に示す。方法600では、ブロック604に示すように、条体ジオメトリ140をコンピュータ112により受信するステップが行われる。
【0069】
方法600では、ブロック608に示すように、材料122の条体160を表す模擬条体172を、コンピュータ112(例えば、シミュレーションモジュール204)により生成するステップが行われる。また、方法600では、ブロック606に示すように、各オブジェクト層128を表すとともに、各モデル層126に対応する模擬オブジェクト層170を、コンピュータ112により生成するステップが行われる。模擬条体172は、現在処理中の(例えば、最初の)モデル層126に対応すると共に、現在処理中の(例えば、最初の)模擬オブジェクト層170を形成するのに用いられる。つまり、各模擬オブジェクト層170には、各モデル層126のツール経路130に対応する模擬条体172であって、各オブジェクト層128の材料122の条体160を表す模擬条体が含まれる。換言すると、模擬条体172は、3D物体102の各オブジェクト層128の造形するために、AM装置104の吐出ヘッド106がツール経路130を辿って堆積させる材料122の物理的な条体160を、デジタルで、又は仮想的に表したものである。よって、コンピュータ112は、条体160の条体ジオメトリ140及びツール経路130により規定されるジオメトリ、又は、これに基づくジオメトリを有する模擬条体172(例えば、模擬条体データ200)を生成する。
【0070】
現在処理中の模擬オブジェクト層170が完成すれば、方法600では、ブロック610に示すように、現在処理中の模擬オブジェクト層170が、最後のモデル層126に対応する最後の模擬オブジェクト層170であるか否かをコンピュータ112により判定するステップが行われる。現在処理中の模擬オブジェクト層170が最後の模擬オブジェクト層170でない場合、方法600では、ブロック612に示すように、次の(例えば、2番目の)模擬オブジェクト層170を、コンピュータ112により選択するステップが行われる。ブロック608及び606に示したステップは、最後のモデル層126に対応する最後の模擬オブジェクト層170が完成するまで繰り返される。
【0071】
方法600では、最後の模擬オブジェクト層170が完成すると、各模擬オブジェクト層170の模擬条体172を、コンピュータ112(例えば、分析モジュール178)により受信するステップ(明確な図示なし)が行われうる。一例として、分析モジュール178は、模擬条体データ200を抽出する。
【0072】
方法600では、ブロック614で示すように、隣り合う模擬オブジェクト層170間の各インターフェース180における接触面積182を特定(例えば、算出)するステップが行われる。方法600では、次に、ブロック616に示すように、公称表面積192により定まる接触面積のパーセンテージ194を特定するステップが行われる。
【0073】
方法600では、ブロック618に示すように、3D物体102の造形に用いられる材料122に対応する材料特性184を、コンピュータ112により受信するステップが行われる。
【0074】
方法600では、次に、ブロック620に示すように、パーセンテージ194及び材料特性184を用いて予測機械的特性186を特定(例えば、算出)するステップが行われる。
【0075】
図5を参照すると、既に記載したように、生成した(例えば、算出した)接触面積182は、模擬条体データ200に示されるツール経路130及び条体ジオメトリ140に少なくとも部分的に依存する。よって、3D物体102について算出した予測機械的特性186も同様に、ツール経路130及び条体ジオメトリ140に少なくとも部分的に依存する。したがって、3D物体102のオブジェクト層128のうちの1つ又は複数について、ツール経路130及び/又は条体160の条体ジオメトリ140のいずれか一方を修正することにより、AMシステム100(図2及び図4に示す造形処理)を用いて設計及び造形される3D物体102の機械的特性206を修正することができる。開示の方法(例えば、方法600)(図13)は、さらに、修正後のツール経路を示す出力を、コンピュータ(例えば、コンピュータ112)(図1)により生成することを含み、付加製造装置(例えば、AM装置104)(図1)は、修正後のツール経路にしたがって材料(例えば、材料122)(図1)を吐出して、その機械的特性を有する3D物体(例えば、3D物体102)(図1)を作製する。
【0076】
図13を参照すると、実施態様の一例では、方法600では、ブロック624に示すように、3D物体102の予測機械的特性186を所望の機械的特性(例えば、機械的特性206)と比較するステップが行われる。次に、方法600では、ブロック626に示すように、予測機械的特性186が3D物体102の具体的な用途に望ましいもの(所望の機械的特性206)であるか否かをコンピュータ112により判定するステップが行われる。
【0077】
予測機械的特性186が望ましいものでない場合に、方法600では、ブロック622に示すように、1つ又は複数のオブジェクト層128を造形する際に用いられる、材料122の条体160(例えば、輪郭条体164及び/又はラスタ条体166)の条体ジオメトリ140を修正するステップが行われる。例えば、修正後の条体ジオメトリ140は、ラスタ条体166及び/又は輪郭条体164の輪郭幅142、ラスタ幅144、ラスタ対ラスタ間隔幅146、輪郭対ラスタ間隔幅148、ラスタ角150のうちの1つ又は複数についての修正や変更を、1つ又は複数のオブジェクト層128について含みうる。修正条体後のジオメトリ140を受信する(ブロック604)と、ブロック606、608、610、612、614、616、618、620、624、及び626に示したステップが繰り返されて、修正後の3D物体102の予測機械的特性186が算出される。
【0078】
これに加えて、又はこれに代えて、方法600では、ブロック628に示すように、予測機械的特性186が望ましいものでない場合に、1つ又は複数のオブジェクト層128を造形する際に用いるツール経路130を修正するステップが行われる。修正後のツール経路130を受信する(ブロック602)と、ブロック606、608、610、612、614、616、618、620、624、及び626が繰り返されて、修正後の3D物体102の予測機械的特性186が算出される。
【0079】
予測機械的特性186が望ましいものであれば(例えば、3D物体102の所望の機械的特性206に合致する、あるいは、これを上回るものであれば)、ブロック630に示すように、ツール経路130(例えば、ツール経路データ162)及び条体ジオメトリ140(例えば、条体ジオメトリデータ202)がコントローラ120に送られる。図2及び図4に示すように、コントローラ120は、吐出ヘッド106に制御信号152を送出して、吐出ヘッド106がツール経路130に沿って移動し、各オブジェクト層128の条体160を形成するように材料122を吐出するように制御する。
【0080】
図2図5と共に参照すると、修正後の条体ジオメトリ140及び/又はツール経路130は、コンピュータ112(例えば、シミュレーションモジュール204)に提供され、模擬3D物体174の1つ又は複数の模擬オブジェクト層170の模擬条体172を(例えば、模擬条体データ200として)生成するのに用いられる。このように、コンピュータ112(例えば、分析モジュール178)は、修正後の模擬条体172を用いて、修正後のオブジェクト層170のうちの隣り合う層について、修正を反映させた接触面積182を算出し、修正を反映させた予測機械的特性186を算出することが可能である。このプロセスは、3D物体102が所望の機械的特性206を備えるのに必要なだけ繰り返すことが可能である。
【0081】
修正後の模擬条体172に基づいて具体的な(例えば、所望の)予測機械的特性186が特定されれば、造形処理において、ツール経路130及び/又は模擬条体172に対応する条体ジオメトリ140(例えば、模擬条体データ200をツール経路データ162に組み込むことができ)、所望の機械的特性206を有する3D物体102を造形することができる。
【0082】
したがって、開示のAMシステム100及び分析方法600によれば、付加製造プロセスによって造形される3D物体の機械的特性をその造形に先立って評価する技術の改良が可能になる。加えて、ツール経路シミュレーションの修正及び分析を繰り返し行うことにより、特定の材料特性を得ることができる。このように、設計及び分析を繰り返すことで、破壊検査に伴う時間やコストを要することなく、3D物体の重量、コスト、及び/又は機能を、最適化することが可能になる。
【0083】
上述の技術的事項は、本開示に記載した実施形態や実施態様の種々の例を特徴づけるものである。各々の例は、他の各例の技術的事項も含む。
【0084】
当業者には認識されるように、本明細書に記載した例は、装置、方法、あるいはプログラム製品として実施又は実現可能である。したがって、これらの例は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態(例えば、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又は、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施形態の態様を取ることができるが、本明細書ではこれらすべてを概括的に「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ぶ場合がある。また、これらの例は、プログラムコードを格納する1つ又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体として実現されるプログラム製品の形態をとることができる。なお、記憶装置は、有形で、非一時的な、及び/又は、非送信の装置とすることができる。
【0085】
本開示で説明した機能部の多くは、その実施態様の独立性を特に強調するために、モジュールと呼ばれている。例えば、モジュールは、カスタムの超大規模集積(VLSI)回路又はゲートアレイ、論理チップ、トランジスタなどといった既製の半導体、又はその他のディスクリート部品を含むハードウェア回路として実現することができる。モジュールは、さらに、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブル論理デバイスなどの、プログラム可能なハードウェアデバイスに組み込むこともできる。
【0086】
モジュールは、さらに、様々な種類のプロセッサによって実行される、コンピュータ可読のプログラムコード及び/又はソフトウェアに組み込んでもよい。プログラムコードの特定モジュール(identified module)には、例えば、コンピュータ命令の物理ブロック又は論理ブロックを1つ又は複数含めることができ、これらは、例えば、オブジェクト(object)、プロシージャ(procedure)、又は関数として構成されてもよい。ただし、特定モジュールの実行ファイル(executables)は、物理的に一緒に配置する必要はなく、別々の位置に保存された異種の命令を含んでもよい。これらが論理的に結合されると、モジュールを構成し、そのモジュールの定められた目的を達成する。
【0087】
一例として、コンピュータ可読のプログラムコードのモジュールは、1つの命令であっても、多数の命令であってもよく、さらには、いくつかの異なるコードセグメント、別々のプログラム、及び、いくつかのメモリデバイスに分散されていてもよい。同様に、本明細書では、オペレーショナルデータが、モジュール内に特定及び図示されている場合があり、これらを任意の適当な形で具現化し、任意の適当な種類のデータ構造内にまとめてもよい。オペレーショナルデータは、単一のデータセットとして集められてもよいし、異なる記憶装置上などの異なる位置に分散させてもよいし、少なくとも一部が、単なる電子信号としてシステム又はネットワーク上に存在してもよい。モジュール又はモジュールの一部がソフトウェアに組み込まれる場合は、プログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に格納及び/又は搬送されてもよい。
【0088】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読の有形な記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読の記憶媒体は、コンピュータ可読のプログラムコードを格納する記憶装置であってもよい。例えば、記憶装置は、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、ホログラフィック、マイクロメカニカル、又は半導体のシステム、装置、又はデバイス、あるいはこれらの任意の適当な組み合わせであってもよい。
【0089】
コンピュータ可読の記憶媒体のより具体的な例は、限定するものではないが、1つ又は複数の電線を含む電子的接続、可搬型のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、可搬型のコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、光学記憶装置、磁気記憶装置、ホログラフィック記憶媒体、マイクロメカニカル記憶装置、又はこれらの任意の適当な組み合わせを含む。本開示においては、コンピュータ可読の記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイス(例えば、プロセッサ)によって使用したり、これらに関連させて使用したりするための、コンピュータ可読のプログラムコードを含有及び/又は格納することができる任意の有形の媒体であってもよい。
【0090】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読の有形な信号媒体であってもよい。コンピュータ可読の信号媒体は、コンピュータ可読のプログラムコードを、例えば、ベースバンドにおいて又は搬送波の一部として包含する伝搬データ信号を含みうる。このような伝搬信号は、限定するものではないが、電気的、電磁的、磁気的、光学的、又は、これらの任意の適当な組み合わせを含む様々な形態のうちの任意の形態をとることができる。コンピュータ可読の信号媒体は、コンピュータ可読の記憶媒体除く媒体であって、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用する又はこれらに関連して使用するためのコンピュータ可読プログラムコードを通信、伝搬、又は転送できる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読の信号媒体に組み込まれたコンピュータ可読のプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ケーブル、無線周波数(RF)、又はこれらの任意の適当な組み合わせを含む任意の適当な媒体を用いて送信することができる。
【0091】
コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体と、1つ又は複数のコンピュータ可読の信号媒体との組み合わせを含んでもよい。例えば、コンピュータ可読のプログラムコードを、光ファイバーケーブルを介して電磁信号として伝搬させて、プロセッサによる実行を可能にすると共に、RAM記憶装置に格納して、プロセッサによる実行を可能にしてもよい。
【0092】
開示した例に示した側面の処理を実行するためのコンピュータ可読のプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又はこれに類するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。コンピュータ可読のプログラムコードは、全体をローカルのコンピュータ上で実行してもよいし、一部を、スタンドアローンソフトウェアパッケージとしてローカルのコンピュータ上で実行してもよいし、一部をローカルのコンピュータ上で、一部をリモートコンピュータやサーバ上で実行してもよいし、全体をリモートコンピュータやサーバ上で実行してもよい。後者の場合、リモートコンピュータやサーバは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してローカルのコンピュータに接続してもよい。また、外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを介して)接続してもよい。
【0093】
本明細書に記載した例では、システム、装置、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品を示す概略フロー図及び/又は概略ブロック図を参照している。なお、概略フローチャート図及び/又は概略ブロック図における各ブロック、及び、概略フロー図及び/又は概略ブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読のプログラムコードで実現することも可能である。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシーンを構成し、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサで実行される命令により、概略フロー図及び/又は概略ブロック図のブロックに記載された機能/作用を実施するための手段を形成することができる。
【0094】
また、プログラムコードを、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、又はその他のデバイスにロードして、当該コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の処理ステップを実行することによって、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実施されるプログラムコードが、コンピュータにより実現されるプロセスを形成し、フロー図及び/又は概略ブロック図のブロックに記載された機能/作用を実施するためのプロセスを提供するようにもできる。
【0095】
添付図面における概略フロー図及び/又は概略ブロック図は、様々な例によるシステム、装置、方法、及びプログラム製品の可能な実施態様の構成、機能、及び動作を示している。これに関して、概略フロー図及び/又は概略ブロック図における各ブロックは、特定の論理機能を実現するためのプログラムコードの1つ又は複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表す場合がある。
【0096】
本開示の実施形態や実施態様の例は、図14に示す航空機の製造及び保守方法1100に関連させて、また、図15に示す航空機1200に関連させて説明することができる。
【0097】
生産開始前のステップとして、例示的な方法1100は、ブロック1102に示す、航空機1200の仕様決定及び設計と、ブロック1104に示す材料調達とを含む。生産中のステップとしては、ブロック1106に示す、航空機1200のコンポーネント及び小組立品(subassembly)の製造、及びブロック1108に示すシステムインテグレーションが行われる。その後、航空機1200は、例えば、ブロック1110に示す認証及び納品のステップを経て、ブロック1112に示す就航期間に入る。就航期間中は、航空機1200は、ブロック1114に示す定例の整備及び保守のスケジュールに組み込まれる。定例の整備及び保守は、航空機1200の1つ又は複数のシステムの変更、再構成、改装なども含みうる。
【0098】
例示的な方法1100の各ステップは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実行又は実施することができる。説明のために言及すると、システムインテグレータは、航空機メーカー及び主要システム(majority-system)下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織などであってもよい。
【0099】
図15に示すように、例示的な方法1100によって製造される航空機1200は、複数のハイレベルシステム1204及び内装1206を備える機体1202を含む。ハイレベルシステム1204の例には、駆動系1208、電気系1210、油圧系1212及び環境系1214のうちの1つ又は複数が含まれる。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。航空宇宙産業に用いた場合を例として説明したが、本開示の原理は、例えば自動車産業、海洋産業、建設業などの他の産業に適用してもよい。
【0100】
本明細書に図示又は記載したシステム、装置、及び方法は、製造及び保守方法1100における、1つ又はそれ以上のどの段階において採用してもよい。例えば、部品及び小組立品製造ステップ(ブロック1106)に対応する部品又は小部品を、航空機1200の就航期間(ブロック1112)中に製造される部品や小組立品と同様の方法で組立、又は、製造することができる。また、装置及び方法、又はそれらの組み合わせの1つ又は複数の例を、製造ステップ(ブロック1108及び1110)で採用して、例えば、付加製造プロセスで造形される3D物体の機械的特性の分析や望ましい機械的特性を有する3D物体を提供することが可能である。同様に、装置又は方法の1つ又は複数の例、又はこれらの組み合わせを、例えば、限定するものではないが、航空機1200の就航期間中(ブロック1112)や整備及び保守の段階(ブロック1114)で用いることも可能である。
【0101】
さらに、本開示は、下記の付記による実施形態も包含する。
【0102】
付記1
コンピュータにより実施される方法であって、
付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を受信し、
前記ツール経路に基づいて模擬3D物体の模擬オブジェクト層を生成し、その際に、前記模擬オブジェクト層は、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表すものとし、
前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積を特定し、
前記接触面積と前記材料の材料特性とから、前記3D物体の予測機械的特性を特定する、方法。
【0103】
付記2
前記各模擬オブジェクト層について、前記材料の条体を表す模擬条体を前記ツール経路と前記条体に関連づけられた条体ジオメトリ情報とから生成する、付記1に記載の方法。
【0104】
付記3
前記条体は、輪郭条体及びラスタ条体のうちの少なくとも1つを含み、前記条体ジオメトリは、輪郭幅、ラスタ幅、ラスタ対ラスタ間隔幅、輪郭対ラスタ間隔幅、及び、ラスタ角のうちの少なくとも1つを含む、付記2に記載の方法。
【0105】
付記4
前記接触面積は、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースにおける前記模擬条体が交差する領域の総面積を含む、付記2に記載の方法。
【0106】
付記5
前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースの公称表面積を特定し、
前記公称表面積に対する前記接触面積のパーセンテージを特定し、
前記インターフェースの予測機械的特性として、前記パーセンテージと前記材料特性との積を特定する、付記4に記載の方法。
【0107】
付記6
前記3D物体の予測機械的特性は、前記模擬オブジェクト層のうちの少なくとも一対の隣接層間におけるインターフェースの予測機械的特性に基づくものである、付記5に記載の方法。
【0108】
付記7
前記3D物体の外側ジオメトリを表す3Dモデルを生成し、
前記3Dモデルをスライスして、前記各オブジェクト層の外側ジオメトリを表すモデル層を取得し、
前記各モデル層について前記ツール経路を生成し、
前記ツール経路を抽出する、付記2に記載の方法。
【0109】
付記8
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記ツール経路を修正し、
修正ツール経路を含む出力を付加製造装置に対して生成することで、前記修正ツール経路にしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製する、付記7に記載の方法。
【0110】
付記9
前記各オブジェクト層の前記条体に対応する前記条体ジオメトリを生成し、
前記条体ジオメトリを抽出する、付記2に記載の方法。
【0111】
付記10
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記条体ジオメトリを修正し、
修正条体ジオメトリを含む出力を付加製造装置に対して生成することで、前記修正条体ジオメトリにしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製する、付記9に記載の方法。
【0112】
付記11
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行可能なプログラムコードを格納した非一時的なメモリと、を含む装置であって、
前記プログラムコードは、ツール経路データから模擬条体データを少なくとも部分的に生成するシミュレーションモジュールを含み、その際に、前記ツール経路データは、付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を含み、前記模擬条体データは、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表す模擬オブジェクト層を含み、
前記プログラムコードは、インターフェースデータを生成すると共に、前記インターフェースデータから前記3D物体の予測機械的特性データを特定する分析モジュールを含み、前記インターフェースデータは、前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積と前記材料の材料特性とを含むものである、装置。
【0113】
付記12
前記シミュレーションモジュールは、条体ジオメトリデータから前記模擬条体データを少なくとも部分的に生成し、前記模擬条体データは、各模擬オブジェクト層についての模擬条体を含み、当該模擬条体は、前記各オブジェクト層における前記材料の条体を表しており、前記条体ジオメトリデータは、前記条体に関連づけられた条体ジオメトリ情報をさらに含む、付記11に記載の装置。
【0114】
付記13
前記条体は、輪郭条体及びラスタ条体のうちの少なくとも1つを含み、前記条体ジオメトリは、輪郭幅、ラスタ幅、ラスタ対ラスタ間隔幅、輪郭対ラスタ間隔幅、及び、ラスタ角のうちの少なくとも1つを含む、付記12に記載の装置。
【0115】
付記14
前記接触面積は、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースにおいて前記模擬条体が交差する領域の総面積を含む、付記12に記載の装置。
【0116】
付記15
前記分析モジュールにより生成される前記インターフェースデータは、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースの公称表面積と、前記インターフェースにおける前記公称表面積に対する前記接触面積のパーセンテージと、をさらに含み、前記分析モジュールにより特定される前記インターフェースの予測機械的特性は、前記インターフェースにおける前記パーセンテージと前記材料特性との積である、付記14に記載の装置。
【0117】
付記16
前記3D物体の予測機械的特性は、前記模擬オブジェクト層のうちの少なくとも一対の隣接層間におけるインターフェースの予測機械的特性に基づく、付記15に記載の装置。
【0118】
付記17
前記プログラムコードは、さらに、
前記3D物体の外側ジオメトリを表す3Dモデルを含む3Dモデルデータを生成するモデリングモジュールと、
前記各オブジェクト層の外側ジオメトリを表すように前記3Dモデルからスライスされたモデル層を含むモデル層データを、前記3Dモデルデータから生成するレイヤリングモジュールと、
前記モデル層データから前記ツール経路データを生成するツール経路モジュールと、を含み、
前記シミュレーションモジュールは、前記ツール経路モジュールから前記ツール経路データを抽出する、付記12に記載の装置。
【0119】
付記18
前記ツール経路モジュールは、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記ツール経路データを修正し、
修正ツール経路を含む出力を付加製造装置に対して生成することで、前記修正ツール経路にしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製させる、付記17に記載の装置。
【0120】
付記19
前記ツール経路モジュールは、前記条体ジオメトリデータを生成し、前記シミュレーションモジュールは、前記ツール経路モジュールから前記条体ジオメトリデータを抽出する、付記18に記載の装置。
【0121】
付記20
前記ツール経路モジュールは、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記条体ジオメトリデータを修正し、
修正条体ジオメトリを含む出力を前記付加製造装置に対して生成することで、前記条体ジオメトリにしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製させる、付記19に記載の装置。
【0122】
付記21
付加製造プロセスにおいて3D物体のオブジェクト層を順次造形すべく材料の条体を堆積させる吐出ヘッドが辿るツール経路に関連づけられたジオメトリ情報を受信し、
前記ツール経路に基づいて模擬3D物体の模擬オブジェクト層を生成し、その際に、当該模擬オブジェクト層は、前記各オブジェクト層の内側ジオメトリを表すものとし、
前記模擬オブジェクト層のうちの隣接層間の接触面積を特定し、
前記接触面積と前記材料の材料特性とから、前記3D物体の予測機械的特性を特定する、各処理を行うようにコンピュータで実行可能なプログラムコードを格納した、コンピュータ可読の非一時的記憶媒体を含むプログラム製品。
【0123】
付記22
前記プログラムコードは、さらに、前記各模擬オブジェクト層について、前記材料の条体を表す模擬条体を前記ツール経路と前記条体に関連づけられた条体ジオメトリ情報とから生成させる、付記21に記載のプログラム製品。
【0124】
付記23
前記条体は、輪郭条体及びラスタ条体のうちの少なくとも1つを含み、前記条体ジオメトリは、輪郭幅、ラスタ幅、ラスタ対ラスタ間隔幅、輪郭対ラスタ間隔幅、及び、ラスタ角のうちの少なくとも1つを含む、付記22に記載のプログラム製品。
【0125】
付記24
前記接触面積は、前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースにおいて前記模擬条体が交差する領域の総面積を含む、付記22に記載のプログラム製品。
【0126】
付記25
前記プログラムコードは、さらに、
前記模擬オブジェクト層のうちの各対の隣接層間のインターフェースの公称表面積を特定させ、
前記公称表面積に対する前記接触面積のパーセンテージを特定させ、
前記インターフェースの予測機械的特性として、前記パーセンテージと前記材料特性との積を特定させる、付記24に記載のプログラム製品。
【0127】
付記26
前記3D物体の予測機械的特性は、前記模擬オブジェクト層のうちの少なくとも一対の隣接層間におけるインターフェースの予測機械的特性に基づく、付記25に記載のプログラム製品。
【0128】
付記27
前記プログラムコードは、さらに、
前記3D物体の外側ジオメトリを表す3Dモデルを生成させ、
前記3Dモデルをスライスさせて、前記各オブジェクト層のの外側ジオメトリを表すモデル層を取得し、
前記各モデル層の前記ツール経路を生成させ、
前記ツール経路を抽出させる、付記22に記載のプログラム製品。
【0129】
付記28
前記プログラムコードは、さらに、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記ツール経路を修正させ、
修正ツール経路を含む出力を付加製造装置に対して生成させることで、前記修正ツール経路にしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製させる、付記27に記載のプログラム製品。
【0130】
付記29
前記プログラムコードは、さらに、
前記各オブジェクト層の前記条体に対応する前記条体ジオメトリを生成させ、
前記条体ジオメトリを抽出させる、付記22に記載のプログラム製品。
【0131】
付記30
前記プログラムコードは、さらに、
前記3D物体が所望の機械的特性を得るように前記条体ジオメトリデータを修正させ、
修正条体ジオメトリを含む出力を、前記付加製造装置に対して生成させることで、前記条体ジオメトリにしたがって前記材料を堆積させることによって前記所望の機械的特性を有する前記3D物体を作製させる、付記29に記載のプログラム製品。
【0132】
本開示の装置、方法、及びプログラム製品について様々な実施形態を図示及び開示したが、本明細書を読めば当業者には種々の変形が想定可能であろう。本願は、そのような変形例も包含し、特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
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