特許第6811165号(P6811165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811165
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】エレベーター
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20201228BHJP
   B66B 13/14 20060101ALI20201228BHJP
   B66B 13/22 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   B66B5/02 X
   B66B13/14 D
   B66B13/22 A
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-230911(P2017-230911)
(22)【出願日】2017年11月30日
(65)【公開番号】特開2019-99316(P2019-99316A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 真介
(72)【発明者】
【氏名】石垣 遼悟
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕子
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−159121(JP,A)
【文献】 実開平04−122577(JP,U)
【文献】 実開平07−002370(JP,U)
【文献】 特開平06−278977(JP,A)
【文献】 実開昭59−050970(JP,U)
【文献】 特開2017−193399(JP,A)
【文献】 特開2008−120471(JP,A)
【文献】 特開平10−203744(JP,A)
【文献】 特開昭61−130193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00─ 5/28
B66B 13/00─13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物に設けた昇降路を昇降移動する乗りかごと、
前記乗りかごの開口部又は前記建築構造物の各階に設けられた出入り口を開閉可能に覆うドア部と、
前記ドア部における上下方向の上端部において、前記ドア部が前記開口部又は前記出入り口を覆う閉じられた位置である閉端位置まで前記ドア部が移動したことを検出した際に上部戸閉検出信号を出力する上部検出スイッチと、
前記ドア部における上下方向の下端部において、前記ドア部が前記閉端位置まで移動したことを検出した際に下部戸閉検出信号を出力する下部検出スイッチと、
前記上部戸閉検出信号と前記下部戸閉検出信号に基づいて前記乗りかごを昇降移動させるか否かを判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記上部戸閉検出信号と前記下部戸閉検出信号の両方を受信した際に、前記乗りかごを昇降移動させることが可能と判定し、
前記制御部は、前記上部戸閉検出信号と前記下部戸閉検出信号に基づいて前記ドア部の故障の予兆を診断する故障予兆診断部を有し、
前記故障予兆診断部は、
前記上部戸閉検出信号が前記上部検出スイッチから出力されたタイミングと、前記下部戸閉検出信号が前記下部検出スイッチから出力されたタイミングに基づいて前記ドア部の故障の予兆を診断する
エレベーター。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ドア部を閉じる戸閉指令が出力されて所定時間経過しても前記上部戸閉検出信号及び前記下部戸閉検出信号のうちいずれか一方を受信しない場合には、前記ドア部を開かせる
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記故障予兆診断部は、
前記上部戸閉検出信号が前記上部検出スイッチから出力されてから前記下部戸閉検出信号が前記下部検出スイッチから出力されるまでの時間と、前記下部戸閉検出信号が前記下部検出スイッチから出力されてから前記上部戸閉検出信号が前記上部検出スイッチから出力されるまでの時間を記憶する記憶部を有する
請求項に記載のエレベーター。
【請求項4】
前記上部検出スイッチ及び前記下部検出スイッチは、前記乗りかごに設けられたドア部及び前記建築構造物の各階の前記出入り口に設けられたドア部のうち全てのドア部に設けられ、
前記制御部は、全てのドア部に設けられた前記上部検出スイッチから出力された前記上部戸閉検出信号と前記下部検出スイッチから出力された前記下部戸閉検出信号を全て受信した際に、前記乗りかごを昇降移動させることが可能と判定する
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項5】
前記開口部又は前記出入り口の上下方向の上端部に設けられ、前記ドア部を開閉方向に移動可能に支持するガイドレールが設けられたドアポケットと、
前記開口部又は前記出入り口の上下方向の下端部に設けられ、前記ドア部を開閉方向に移動可能に支持するドアシルと、を備え、
前記上部検出スイッチは、
前記ドアポケットに固定された上部スイッチブラケットと、
前記上部スイッチブラケットに固定された上部スイッチ本体と、を有し、
前記下部検出スイッチは、
前記ドアシルに固定された下部スイッチブラケットと、
前記下部スイッチブラケットに固定された下部スイッチ本体と、を有し、
前記ドア部の上下方向の上端部には、前記閉端位置において前記上部検出スイッチを押圧する上部押圧部材が設けられ、
前記ドア部の上下方向の下端部には、前記閉端位置において前記下部検出スイッチを押圧する下部押圧部材が設けられ、
前記上部押圧部材は、
前記ドア部の上端部に固定された上部支持ブラケットと、
前記上部支持ブラケットに固定され、前記上部スイッチ本体に設けた接点ローラを押圧する上部カムスイッチ片と、を有し、
前記下部押圧部材は、
前記ドア部の下端部に固定された下部支持ブラケットと、
前記下部支持ブラケットに固定され、前記下部スイッチ本体に設けた接点ローラを押圧する下部カムスイッチ片と、を有し、
前記上部カムスイッチ片及び前記下部カムスイッチ片における前記ドア部が閉まる方向である戸閉方向側の一端部には、前記ドア部の戸閉方向側に向かうにつれて上下方向の下方に向けて傾斜する傾斜面部が形成されている
請求項1に記載のエレベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかごのドア部や建築構造物の各階に設けられたドア部の開閉を検出するエレベーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターは、人や物が乗り降りするために、建築構造物の各階に出入口が設けられている。同様に、人や物が載置される乗りかごにも人や物が出入りする開口部が設けられている。この出入口や乗りかごの開口部には、それぞれ開閉可能なドア部が設けられている。
【0003】
また、ドア部には、ドア部が閉じた状態(以下、「戸閉」という)を検出する検出スイッチが設けられている。検出スイッチを用いてドア部の開閉状態を検出する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この特許文献1には、運転許可判別回路が、ホールドア全閉確認回路及びかごドア全閉確認回路の双方から全閉確認信号(オン信号)を入力している場合のみ運転制御回路に対して運転許可指令を出力する技術が記載されている。そして、かごドア開閉時に、ホールドア全閉確認回路からの入力信号とかごドア全閉確認回路からの入力信号とが一致しない状態が生じた場合には、ホールドアスイッチ及びかごドアスイッチのうちのいずれかが異常であるとみなして運転禁止指令を出力する。
【0004】
また、ドアの開閉状態を検知する他の技術としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものがある。この特許文献2には、複数枚のかごの戸を開閉させる駆動力を発生するモータと、このモータの駆動力をかごの戸に伝達し連動して開閉させる伝達機構と、モータの回転量に応じたパルス信号を発生するパルス発生器と、を備えた技術が記載されている。さらに、特許文献2には、かごの戸の一方が第1基準点に達したことを検出する第1のスイッチと、かごの戸の他方が第2基準点に達したことを検出する第2のスイッチと、を備えた技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−223730号公報
【特許文献2】特開平10−67480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、経年使用によりドアレールやドアシルに塵や埃が堆積すると、ドア部が傾いた状態で開閉動作が行われる。そのため、ドア部の上端部では閉じられていても、ドア部の下端部には隙間が発生するおそれがあった。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された技術では、検出スイッチがドア部の上端部にしか設けられていなかった。そのため、ドア部の上端部は閉じられているがドア部の下端部には隙間が発生した状態でも、ドア部が戸閉したと正常時と同様に判断し、乗りかごが出発してしまう、という問題を有していた。
【0007】
本目的は、上記の問題点を考慮し、ドア部の上端部又は下端部に隙間が発生した状態でも正常であると誤検出することを防止することができるエレベーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本目的を達成するため、エレベーターは、乗りかごと、ドア部と、上部検出スイッチと、下部検出スイッチと、制御部と、を備えている。乗りかごは、建築構造物に設けた昇降路を昇降移動する。ドア部は、乗りかごの開口部又は建築構造物の各階に設けられた出入り口を開閉可能に覆う。上部検出スイッチは、ドア部における上下方向の上端部において、ドア部が開口部又は出入り口を覆う閉じられた位置である閉端位置までドア部が移動したことを検出した際に上部戸閉検出信号を出力する。下部検出スイッチは、ドア部における上下方向の下端部において、ドア部が閉端位置まで移動したことを検出した際に下部戸閉検出信号を出力する。制御部は、上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号に基づいて乗りかごを昇降移動させるか否かを判定する。また、制御部は、上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号の両方を受信した際に、乗りかごを昇降移動させることが可能と判定する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成のエレベーターによれば、ドアの上端部又は下端部に隙間が発生した状態でも正常であると誤検出することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。
図2】実施の形態例にかかる乗りかごのドアユニットを示す正面図である。
図3】実施の形態例にかかる一対のドア部のうち片側のドア部を示す正面図である。
図4】実施の形態例にかかるドア部を示す側面図である。
図5】実施の形態例にかかる乗りかごの出発指令動作を示すフローチャートである。
図6】実施の形態例にかかるドアユニットを示すもので、ドア部の下端部側に隙間が発生した状態を示す正面図である。
図7】実施の形態例にかかるドアユニットを示すもので、ドア部の上端部側に隙間が発生した状態を示す正面図である。
図8】実施の形態例にかかるドアユニットの故障予兆診断動作を示すフローチャートである。
図9】実施の形態例にかかる建築構造物側に設けられた建屋側ドアユニットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態例にかかるエレベーターにいて、図1図9を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0012】
1.実施の形態例
1−1.エレベーターの構成
まず、実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本例のエレベーターの構成例を示す概略構成図である。
【0013】
図1に示すように、本例のエレベーター1は、建築構造物内に形成された昇降路100の上方に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベーターである。なお、本例のエレベーター1では、機械室レスエレベーターを用いた例を説明するが、これに限定されるものではなく、昇降路100の上方に機械室を有するエレベーターであってもよい。
【0014】
エレベーター1は、昇降路100内を昇降する乗りかご110と、巻上機120と、釣合おもり130と、第1の従動プーリ140と、第2の従動プーリ150と、ロープ170と、エレベーター制御装置60(図4参照)を有している。
【0015】
乗りかご110の下部には、せり上げ用プーリ111が設けられている。せり上げ用プーリ111には、ロープ170が巻き掛けられている。なお、乗りかご110の詳細な説明については後述する。
【0016】
釣合おもり130の上部には、おもり側プーリ131が設けられている。おもり側プーリ131には、ロープ170が巻き掛けられている。巻上機120は、昇降路100の最下部に配置されており、ロープ170を介して乗りかご110及び釣合おもり130をつるべ式に昇降させるものである。巻上機120は、制御部によってその駆動が制御される。
【0017】
第1の従動プーリ140と、第2の従動プーリ150は、昇降路100の最上部に固定されている。ロープ170の一端171と他端172は、昇降路100の最上部に固定されている。ロープ170は、釣合おもり130に設けられたおもり側プーリ131から第1の従動プーリ140に装架され、そして巻上機120、第2の従動プーリ150、乗りかご110のせり上げ用プーリ111の順に巻き掛けられている。
【0018】
巻上機120が駆動することで、乗りかご110及び釣合おもり130が昇降路100内を昇降移動する。以下、乗りかご110及び釣合おもり130が昇降移動する方向を上下方向とする。
【0019】
乗りかご110は、人や物が乗り降りするかご室10と、ドアユニット12とを有している。ドアユニット12は、一対のドア部11A、11Bにより構成されている。かご室10の一面には、開口部が設けられており、この開口部から人や物が出入りする。一対のドア部11A、11Bは、かご室10の開口部を覆うようにして、かご室10に開閉可能に設けられている。
【0020】
図2は、乗りかご110に設けたドアユニット12を示す正面図である。
図2に示すように、一対のドア部11A、11Bは、かご室10に設けたドアポケット13と、ドアシル14に開閉方向に移動可能に支持されている。ドアポケット13は、かご室10における開口部の上下方向の上端部に設けられており、ドアシル14は、開口部の下端部に設けられている。
【0021】
第1ドア部11Aの上下方向の上端部11aには、第1ドアハンガー17Aが設けられており、第2ドア部11Bの上下方向の上端部11aには、第2ドアハンガー17Bが設けられている。
【0022】
第1ドアハンガー17A及び第2ドアハンガー17Bには、それぞれ移動ローラ25が回転可能に設けられている。移動ローラ25は、後述するドアレール16に摺動可能に係合する。
【0023】
また、第1ドアハンガー17Aには、第1連結部材26と、上部スイッチ押圧部材31が設けられている。第1連結部材26は、第1ドアハンガー17Aの上端部から上方に向けて突出している。第2ドアハンガー17Bには、第2連結部材27が設けられている。第2連結部材27は、第2ドアハンガー17Bの上端部から上方に向けて突出している。第1連結部材26及び第2連結部材27は、後述する伝達ベルト22に連結される。
【0024】
第1ドア部11A及び第2ドア部11Bの上下方向の下端部11bには、ドアシル14に設けたガイド溝に摺動可能に挿入されるスライダ18が設けられている。また、第1ドア部11Aの下端部11bには、後述する下部スイッチ押圧部材32が設けられている。また、ドアシル14における第1ドア部11A側には、下部検出スイッチ50が設けられている。
【0025】
ドアポケット13には、ドアレール16と、駆動部21と、伝達ベルト22と、従動ローラ23と、上部検出スイッチ40が設けられている。ドアレール16は、ドアポケット13に水平方向と平行に延在して配置されている。ドアレール16には、ドアハンガー17A、17Bに設けた移動ローラ25が摺動可能に係合している。
【0026】
駆動部21は、ドアポケット13における水平方向に一端部側に配置されており、従動ローラ23は、ドアポケット13における水平方向の他端部側に配置されている。駆動部21の駆動軸と、従動ローラ23には、伝達ベルト22が巻き掛けられている。
【0027】
伝達ベルト22は、長手方向の両端部が連結された無端状に形成されている。そして、駆動部21が駆動すると、伝達ベルト22が従動ローラ23と駆動部21の駆動軸の間を循環移動する。このとき、伝達ベルト22における上下方向の下部と上部は、互いに反対方向に向けて移動する。
【0028】
伝達ベルト22の下部には、第1ドア部11Aの第1連結部材26が連結されており、伝達ベルト22の上部には、第2連結部材27が連結されている。そのため、駆動部21が駆動して伝達ベルト22が移動すると、一対のドア部11A、11Bは、連結部材26、27を介して互いに接近する戸閉方向、または離反する戸開方向に移動する。
【0029】
図3は、第1ドア部11Aを示す正面図、図4は、第1ドア部11Aを示す側面図である。
図3及び図4に示すように、上部スイッチ押圧部材31は、上部支持ブラケット33と、上部カムスイッチ片34とを有している。上部支持ブラケット33は、第1ドアハンガー17Aの上端部から上方に向けて突出している。上部支持ブラケット33における上下方向の上端部は、ドアレール16よりも上下方向の上方に配置される。そして、上部支持ブラケット33の上端部には、上部カムスイッチ片34が設けられている。
【0030】
上部カムスイッチ片34は、上部支持ブラケット33からドアポケット13に向けて突出している。上部カムスイッチ片34は、上部支持ブラケット33に支持されてドアレール16の上下方向の上方においてドアレール16と対向して配置される。上部カムスイッチ片34は、略平板状に形成されている。上部カムスイッチ片34は、上部支持ブラケット33の上端部において水平方向と略平行に配置されている。
【0031】
また、上部カムスイッチ片34における第1ドア部11Aの戸閉方向側の一端部には、傾斜面部34aが形成されている。傾斜面部34aは、上部カムスイッチ片34の一端部から第1ドア部11Aの戸閉方向側に向かうにつれて上下方向の下方に向けて傾斜している。上部カムスイッチ片34は、第1ドア部11A及び第2ドア部11Bが開口部を覆う閉じられた位置(以下、「閉端位置」という)T1まで移動した際に、後述する上部検出スイッチ40に接触する。
【0032】
上部検出スイッチ40は、上部スイッチ本体41と、上部スイッチブラケット42とを有している。上部スイッチブラケット42は、ドアポケット13におけるドアレール16よりも上下方向の上方に固定されている。上部スイッチブラケット42には、上部スイッチ本体41が固定されている。
【0033】
上部スイッチ本体41には、接点ローラ41aが設けられている。接点ローラ41aは、上部スイッチ本体41の上下方向の下端部に設けられている。第1ドア部11Aが閉端位置T1まで移動すると、接点ローラ41aは、上部カムスイッチ片34と対向する。そして、接点ローラ41aは、上部カムスイッチ片34の傾斜面部34aに接触することで、上下方向に上方に押圧される。そして、接点ローラ41aは、上部カムスイッチ片34の水平部に接触する。これにより、上部スイッチ本体41がONとなる。そして、上部検出スイッチ40は、エレベーター制御装置60に上部戸閉検出信号を出力する。
【0034】
また、上部カムスイッチ片34に傾斜面部34aが設け、上部スイッチ本体41に接点ローラ41aを設けたことで、上部カムスイッチ片34と上部スイッチ本体41が接触する際の衝撃力を緩和させることができる。その結果、上部スイッチ本体41が上部カムスイッチ片34に接触することで、上部スイッチ本体41の破損を防止できるだけでなく、接触の際に生じる異音を抑制することができる。
【0035】
下部スイッチ押圧部材32は、下部支持ブラケット35と、下部カムスイッチ片36とを有している。下部支持ブラケット35は、第1ドア部11Aの下端部11bに固定されており、下端部11bから上下方向の下方に向けて突出している。下部支持ブラケット35の上下方向の下端部は、ドアシル14よりも上下方向の下方に配置される。そして、下部支持ブラケット35の下端部には、下部カムスイッチ片36が設けられている。
【0036】
下部カムスイッチ片36は、下部支持ブラケット35の下端部からドアシル14の上下方向の下方に向けて突出している。そして、下部カムスイッチ片36は、下部支持ブラケット35に支持されてドアシル14の上下方向の下方においてドアシル14と対向して配置される。下部カムスイッチ片36は、略平板状に形成されている。下部カムスイッチ片36は、下部支持ブラケット35の下端部において水平方向と略平行に配置されている。
【0037】
また、下部カムスイッチ片36における第1ドア部11Aの戸閉方向側の一端部には、傾斜面部36aが形成されている。傾斜面部36aは、下部カムスイッチ片36の一端部から第1ドア部11Aの戸閉方向側に向かうにつれて上下方向の下方に向けて傾斜している。下部カムスイッチ片36は、第1ドア部11Aが閉端位置T1まで移動した際に、後述する下部検出スイッチ50に接触する。
【0038】
下部検出スイッチ50は、下部スイッチ本体51と、下部スイッチブラケット52とを有している。下部スイッチブラケット52は、ドアシル14の上下方向の下端部に固定されている。そして、下部スイッチブラケット52は、ドアシル14の下端部から上下方向の下方に向けて突出している。下部スイッチブラケット52には、下部スイッチ本体51が固定されている。
【0039】
下部スイッチ本体51には、接点ローラ51aが設けられている。接点ローラ51aは、下部スイッチ本体51の上下方向の下端部に設けられている。第1ドア部11Aが閉端位置T1まで移動すると、接点ローラ51aは、下部カムスイッチ片36と対向する。そして、接点ローラ51aが下部カムスイッチ片36に接触して押圧されると、下部スイッチ本体51がONとなる。そして、下部検出スイッチ50は、エレベーター制御装置60に下部戸閉検出信号を出力する。
【0040】
1−2.エレベーターの制御系
次に、上述した構成を有するエレベーター1の制御系の構成について図4を参照して説明する。
図4に示すように、エレベーター1は、制御部の一例を示すエレベーター制御装置60を有している。エレベーター制御装置60は、巻上機120(図1参照)やドア部11A、11Bの開閉を行う駆動部21等の各部の駆動を制御する。また、エレベーター制御装置60は、出発条件判定部61と、故障予兆診断部62とを有している。
【0041】
出発条件判定部61及び故障予兆診断部62は、それぞれ上部検出スイッチ40と、下部検出スイッチ50に無線又は有線によって接続されている。出発条件判定部61は、上部検出スイッチ40と下部検出スイッチ50から出力された上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号に基づいて乗りかご110を昇降移動させるか否か、すなわち乗りかご110を出発させるか否かを判定する。出発条件判定部61は、乗りかご110が出発可能であると判定した場合、エレベーター制御装置60に出発指示を出力する。そして、エレベーター制御装置60は、出発条件判定部61から出力された出発指令に基づいて巻上機120(図1参照)を駆動させて、乗りかご110を昇降移動させる。
【0042】
故障予兆診断部62は、上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号に基づいて、ドア部11A、11Bの故障予兆の診断を行う。故障予兆診断部62には、記憶部63が設けられている。記憶部63には、第1タイマー、第2タイマー、第1閾値及び第2閾値が格納される。第1タイマーは、上部検出スイッチ40が上部戸閉検出信号を出力してから、下部検出スイッチ50が下部戸閉検出信号を出力するまでの時間を計測し、記憶する。また、第2タイマーは、下部検出スイッチ50が下部戸閉検出信号を出力してから、上部検出スイッチ40が上部戸閉検出信号を出力するまでの時間を計測し、記憶する。
【0043】
故障予兆診断部62は、第1タイマーに記憶された時間と第1閾値の値、第2タイマーに記憶された時間と第2閾値の値に基づいて、ドアユニット12の故障の予兆を診断する。また、故障予兆診断部62は、診断結果を外部の管理センターやエレベーター制御装置60に出力する不図示の通信部を有している。
【0044】
2.乗りかごの出発指令動作
次に、上述した構成を有するエレベーター1における乗りかご110の出発指令動作の一例について図5から図7を参照して説明する。
図5は、乗りかご110の出発指令動作の一例を示すフローチャートである。図6は、ドア部の下端部側に隙間が発生した状態を示す正面図、図7は、ドア部の上端部側に隙間が発生した状態を示す正面図である。
【0045】
図5に示すように、乗りかご110に設けられた操作ボタンを人によって操作した場合や、一対のドア部11A、11Bが戸開状態から所定時間経過すると、エレベーター制御装置60は、戸閉指令を出力する(ステップS11)。ステップS11の処理により、戸閉指令が出力されると、駆動部21を駆動して一対のドア部11A、11Bが互いに接近する戸閉方向に移動させる。
【0046】
次に、所定時間経過すると、出発条件判定部61は、上部検出スイッチ40がONされたか否かを判断する(ステップS12)。すなわち、第1ドア部11Aが戸閉方向に移動して、上部スイッチ押圧部材31の上部カムスイッチ片34が上部検出スイッチ40の接点ローラ41aを押圧して、上部検出スイッチ40から上部戸閉検出信号が出力されたか否かを判断する。
【0047】
ステップS12の処理において所定時間経過しても上部検出スイッチ40がONされたと判断されない場合(ステップS12のNO判定)、出発条件判定部61は、一対のドア部11A、11Bを開かせる戸開指令を出力する(ステップS14)。すなわち、すなわち、出発条件判定部61は、一対のドア部11A、11Bの上端部11aに隙間が発生していると判断する。そして、出発条件判定部61は、一旦、一対のドア部11A、11Bを開かせる。
【0048】
再びステップS11の処理において、戸閉指令が出力されると、エレベーター制御装置60は、駆動部21を駆動して一対のドア部11A、11Bが互いに接近する戸閉方向に移動させる。
【0049】
ステップS12の処理において、出発条件判定部61は、上部検出スイッチ40から上部戸閉検出信号を受信し、上部検出スイッチ40がONされたと判断した場合(ステップS12のYES判定)、出発条件判定部61は、下部検出スイッチ50がONされたか否かを判断する(ステップS13)。すなわち、下部スイッチ押圧部材32の下部カムスイッチ片36が下部検出スイッチ50の接点ローラ51aを押圧して、下部検出スイッチ50から下部戸閉検出信号が出力されたか否かを判断する。
【0050】
ステップS13の処理において所定時間経過しても、下部検出スイッチ50がONされたと判断されない場合(ステップS13のNO判定)、出発条件判定部61は、一対のドア部11A、11Bを開かせる戸開指令を出力する(ステップS14)。すなわち、出発条件判定部61は、一対のドア部11A、11Bの下端部11bに隙間が発生していると判断する。そして、出発条件判定部61は、一旦、一対のドア部11A、11Bを開かせる。
【0051】
ステップS13の処理において、出発条件判定部61は、下部検出スイッチ50から下部戸閉検出信号を受信し、下部検出スイッチ50がONされたと判断した場合(ステップS13のYES判定)、乗りかご出発指示を出力する(ステップS15)。
【0052】
ここで、経年使用によりドアシル14側のガイド溝に塵や埃が堆積すると、図6に示すように、ドア部11Aの下端部11bが傾いた状態で戸閉動作が行われる。そのため、一対のドア部11A、11Bの下端部11bの隙間S1が上端部11aよりも大きくなる、いわゆるハの字に傾いて戸閉される。この状態では、上部検出スイッチ40は、上部カムスイッチ片34に押圧されてONとなるが、下部検出スイッチ50の接点ローラ51aは、下部カムスイッチ片36と接触しておらず、下部検出スイッチ50は、押圧されない。
【0053】
また、経年使用によりドアレール16側に塵や埃が堆積すると、図7に示すように、ドア部11Aの上端部11aが傾いた状態で戸閉動作が行われる。そのため、一対のドア部11A、11Bの上端部11aの隙間S2が下端部11bよりも大きくなる、いわゆる逆ハの字に傾いて戸閉される。この状態では、下部検出スイッチ50は、下部カムスイッチ片36に押圧されてONとなるが、上部検出スイッチ40の接点ローラ41aは、上部カムスイッチ片34と接触しておらず、上部検出スイッチ40は、押圧されない。
【0054】
これに対して、本例のエレベーター1によれば、上部検出スイッチ40と下部検出スイッチ50の両方がONとなり、上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号の両方が出力された際に、乗りかご110が昇降移動することが可能としている。これにより、図6及び図7に示すように、一対のドア部11A、11Bがハの字や逆ハの字に傾いて戸閉した状態でも、ドアユニット12は正常であるとエレベーター制御装置60が誤検出することを防ぐことができる。その結果、一対のドア部11A、11Bの上端部11aや下端部11bに隙間S1、S2が発生した状態で乗りかご110が昇降移動することを防ぐことができる。
【0055】
また、所定時間経過しても上部戸閉検出信号及び下部戸閉検出信号のうちいずれか一方が出力されなかった場合には、出発条件判定部61は、ドアユニット12の戸閉動作が異常であると判断し、一対のドア部11A、11Bを開かせている。これにより、一対のドア部11A、11Bの上端部11aや下端部11bに挟まった異物や、ドアシル14やドアレール16に堆積した塵や埃を除去することができる。
【0056】
3.故障予兆診断動作
次に、図8を参照して述した構成を有するエレベーター1におけるドアユニット12の故障予兆診断動作の一例を説明する。
図8は、故障予兆診断動作を示すフローチャートである。
【0057】
図8に示すように、まず乗りかご110に設けられた操作ボタンを人によって操作した場合や、一対のドア部11A、11Bが戸開状態から所定時間経過すると、エレベーター制御装置60は、戸閉指令を出力する(ステップS21)。次に、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40がONされたか否かを判断する(ステップS22)。すなわち、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40から上部戸閉検出信号が出力されたか否かを判断する。
【0058】
ステップS22の処理において、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40から上部戸閉検出信号を受信し、上部検出スイッチ40がONされたと判断した場合(ステップS22のYES判定)、第1タイマーによる時間の計測をスタートさせる(ステップS23)。次に、故障予兆診断部62は、下部検出スイッチ50がONされたか否かを判断する(ステップS24)。すなわち、故障予兆診断部62は、下部検出スイッチ50から下部戸閉検出信号が出力されたか否かを判断する。
【0059】
そして、ステップS24の処理において、故障予兆診断部62は、下部検出スイッチ50から下部戸閉検出信号を受信し、下部検出スイッチ50がONされたと判断した場合(ステップS24のYES判定)、第1タイマーによる時間の計測をストップさせる(ステップS25)。すなわち、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40が上部戸閉検出信号を出力してから下部検出スイッチ50が下部戸閉検出信号を出力するまでの時間を第1タイマーにより計測する。
【0060】
次に、故障予兆診断部62は、第1タイマーにより計測された時間を記憶部63に記憶する(ステップS26)。そして、故障予兆診断部62は、第1タイマーにより計測された時間が第1閾値を超えたか否かを判断する(ステップS27)。
【0061】
ステップS27の処理において、故障予兆診断部62は、第1タイマーにより計測された時間が第1閾値を超えたと判断した場合(ステップS27のYES判定)、ハの字故障予兆を外部の管理センターやエレベーター制御装置60に出力する(ステップS28)。そして、エレベーター制御装置60は、通常運転を行う(ステップS40)。これにより、故障予兆診断部62によって、図6に示すような、一対のドア部11A、11Bの下端部11bの隙間S1が、上端部11aよりも大きくなる、いわゆるハの字故障の発生を未然に防ぐことができる。
【0062】
また、ステップS27の処理において、故障予兆診断部62が第1タイマーにより計測された時間が第1閾値を超えていないと判断した場合(ステップS27のNO判定)、図6に示すようなハの字故障が発生してないと判断する。そして、エレベーター制御装置60は、通常運転を行う(ステップS40)。
【0063】
また、ステップS22において、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40がONされていないと判断した場合(ステップS22のNO判定)、下部検出スイッチ50がONされたか否かを判断する(ステップS31)。ステップS31の処理において、下部検出スイッチ50がONされていないと判断した場合、故障予兆診断部62は、ステップS22の処理に戻る。
【0064】
また、ステップS31の処理において、故障予兆診断部62は、下部検出スイッチ50から下部戸閉検出信号を受信し、下部検出スイッチ50がONされたと判断した場合(ステップS31のYES判定)、第2タイマーによる時間の計測をスタートさせる(ステップS32)。次に、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40がONされたか否かを判断する(ステップS33)。
【0065】
そして、ステップS33の処理において、故障予兆診断部62は、上部検出スイッチ40から上部戸閉検出信号を受信し、上部検出スイッチ40がONされたと判断した場合(ステップS33のYES判定)、第2タイマーによる時間の計測をストップさせる(ステップS34)。すなわち、故障予兆診断部62は、下部検出スイッチ50が下部戸閉検出信号を出力してから上部検出スイッチ40が上部戸閉検出信号を出力するまでの時間を第2タイマーにより計測する。
【0066】
次に、故障予兆診断部62は、第2タイマーにより計測された時間を記憶部63に記憶する(ステップS35)。そして、故障予兆診断部62は、第2タイマーにより計測された時間が第2閾値を超えたか否かを判断する(ステップS36)。
【0067】
ステップS36の処理において、故障予兆診断部62は、第2タイマーにより計測された時間が第2閾値を超えたと判断した場合(ステップS36のYES判定)、逆ハの字故障予兆を外部の管理センターやエレベーター制御装置60に出力する(ステップS37)。そして、エレベーター制御装置60は、通常運転を行う(ステップS40)。これにより、故障予兆診断部62によって、図7に示すような、一対のドア部11A、11Bの上端部11aの隙間S2が、下端部11bよりも大きくなる、いわゆる逆ハの字故障の発生を未然に防ぐことができる。
【0068】
また、ステップS36の処理において、故障予兆診断部62が第2タイマーにより計測された時間が第2閾値を超えていないと判断した場合(ステップS36のNO判定)、図7に示すような逆ハの字故障が発生してないと判断する。そして、エレベーター制御装置60は、通常運転を行う(ステップS40)。これにより、故障予兆診断部62を用いた故障予兆診断動作が完了する。
【0069】
このように、本例のエレベーター1によれば、上部検出スイッチ40と下部検出スイッチ50が上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号を出力するタイミングの差から、ドアユニット12の故障の予兆を診断することができる。その結果、ドアユニット12に故障が発生する前に、ドアシル14やドアレール16の掃除や、ドアユニット12のメンテナンス作業を行うことができる。さらに、一対のドア部11A、11Bの上端部11aと下端部11bの隙間S1、S2の間隔の調整も行うことができる。
【0070】
なお、上述した例では、第1タイマーや第2タイマーにより計測した時間が第1閾値や第2閾値を超えた際に、故障予兆診断部62が故障予兆を出力する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エレベーター1を設置した際の初期に一対のドア部11A、11Bの閉戸動作した際の上部閉戸検出信号が出力された時間と下部閉戸検出信号が出力された時間の差(「時間差」)を予め記憶部63に記憶させる。そして、予め記憶部63に記憶させた時間差と、所定期間使用した後の時間差と、を比較して故障予兆を判断してもよい。
【0071】
さらに、上述した例では、故障予兆診断部62に第1タイマー及び第2タイマーを設け、上部検出スイッチ40と下部検出スイッチ50が上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号を出力する時間の差から故障を予兆する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、駆動部21にエンコーダーを設け、上部検出スイッチ40と下部検出スイッチ50が上部戸閉検出信号と下部戸閉検出信号を出力した際における実際のドア部11Aの位置から故障予兆を判断してもよい。
【0072】
4.建屋側ドアユニットの構成例
なお、上述した実施の形態例では、乗りかご110のドア部11A、11Bに上部検出スイッチ40と下部検出スイッチ50を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、建築構造物の各階に設けた出入り口を開閉可能に覆う建屋側ドアユニットに適用してもよい。
【0073】
次に、図9を参照して建屋側ドアユニットの構成例について説明する。
図9は、建屋側ドアユニットを示す正面図である。
【0074】
図9に示すように、建屋側ドアユニット212は、一対のドア部211A、211Bを有している。一対のドア部211A、211Bは、建屋の出入り口に設けたドアポケット213と、ドアシル214に移動可能に支持されている。ドアポケット213は、出入り口の上下方向の上端部に設けられており、ドアシル214は、出入り口の下端部に設けられている。
【0075】
第1ドア部211Aの上下方向の上端部211aには、第1ドアハンガー217Aが設けられており、第2ドア部211Bの上下方向の上端部211aには、第2ドアハンガー217Bが設けられている。第1ドアハンガー217A及び第2ドアハンガー217Bには、それぞれ移動ローラ225が回転可能に設けられている。移動ローラ25は、ドアポケット213に設けたドアレール216に摺動可能に係合する。
【0076】
また、第1ドアハンガー217Aには、第1連結部材226と、上部スイッチ押圧部材231が設けられている。第2ドアハンガー217Bには、第2連結部材227と、ロック機構270を構成する施錠フック部材271が設けられている。施錠フック部材271は、第2ドアハンガー217Bに回動可能に支持されている。
【0077】
第1ドア部211A及び第2ドア部211Bの上下方向の下端部211bには、ドアシル14に設けたガイド溝に摺動可能に挿入されるスライダ218が設けられている。また、第1ドア部211Aの下端部211bには、下部スイッチ押圧部材232が設けられている。また、ドアシル14における第1ドア部11A側には、下部検出スイッチ250が設けられている。
【0078】
ドアポケット213には、ドアレール216と、第1プーリ221と、伝達ベルト222と、第2プーリ223と、固定フック部材272と、上部検出スイッチ240が設けられている。
【0079】
第1プーリ221は、ドアポケット213における水平方向の一端部側に配置されており、第2プーリ223は、ドアポケット213における水平方向の他端部側に配置されている。第1プーリ221と第2プーリ223には、無端状に形成された伝達ベルト222が巻き掛けられている。伝達ベルト222には、第1連結部材226と、第2連結部材227が連結されている。
【0080】
固定フック部材272は、ドアポケット213に固定されている。固定フック部材272は、施錠フック部材271と解除可能に係合する。この施錠フック部材271と固定フック部材272によりロック機構270が構成される。
【0081】
上部スイッチ押圧部材231は、上部支持ブラケット233と、上部カムスイッチ片234とを有している。上部支持ブラケット233と上部カムスイッチ片234の構成は、乗りかご110に設けた上部支持ブラケット33と上部カムスイッチ片34と同様の構成を有しているため、その説明は省略する。
【0082】
上部検出スイッチ240は、上部スイッチ本体241と、上部スイッチブラケット242とを有している。上部スイッチ本体241は、第1ドア部211Aが閉端位置まで移動した際に、上部カムスイッチ片234に接触する接点ローラ241aを有している。その他の構成は、乗りかご110に設けた上部検出スイッチ40と同様の構成を有しているため、その説明は省略する。
【0083】
下部スイッチ押圧部材232は、下部支持ブラケット235と、下部カムスイッチ片236とを有している。下部支持ブラケット235と下部カムスイッチ片236の構成は、乗りかご110に設けた下部支持ブラケット35と下部カムスイッチ片36と同様の構成を有しているため、その説明は省略する。
【0084】
下部検出スイッチ250は、下部スイッチ本体251と、下部スイッチブラケット252とを有している。下部スイッチ本体251は、第1ドア部211Aが閉端位置まで移動した際に、下部カムスイッチ片236に接触する接点ローラ251aを有している。その他の構成は、乗りかご110に設けた下部検出スイッチ50と同様の構成を有しているため、その説明は省略する。
【0085】
また、上部検出スイッチ240は、接点ローラ241aが上部カムスイッチ片234に接触して押圧されると、上部スイッチ本体241がONとなる。そして、上部検出スイッチ240は、上部戸閉検出信号をエレベーター制御装置60(図4参照)に出力する。下部検出スイッチ250は、接点ローラ251aが下部カムスイッチ片236に接触して押圧されると、下部スイッチ本体251がONとなる。そして、下部検出スイッチ250は、下部戸閉検出信号をエレベーター制御装置60(図4参照)に出力する。
【0086】
エレベーター制御装置60の出発条件判定部61は、各階の建屋側ドアユニット212に設けた上部検出スイッチ240及び下部検出スイッチ250から上部戸閉検出信号及び下部戸閉検出信号を受信する。そして、出発条件判定部61は、乗りかご110に設けた上部検出スイッチ40及び下部検出スイッチ50と、各階の建屋側ドアユニット212に設けた上部検出スイッチ240及び下部検出スイッチ250の全ての検出スイッチから戸閉検出信号を受信した際に、乗りかご出発指示を出力する。
【0087】
これにより、乗りかご110だけではなく、建築構造物に設けたドア部211A、211Bの上端部211aや下端部211bに隙間が発生した状態で、乗りかご110が昇降移動することを防ぐことができる。その結果、建築構造物に設けたドア部211A、211Bの上端部211aや下端部211bに隙間から異物が昇降路100内に侵入し、昇降移動中の乗りかご110に干渉することを防ぐことができる。
【0088】
また、故障予兆診断部62は、各階の建屋側ドアユニット212に設けた上部検出スイッチ240及び下部検出スイッチ250から戸閉検出信号を個別に受信することで、各階の建屋側ドアユニット212の状態を個別に診断することができる。
【0089】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0090】
上述した実施の形態例では、一対のドア部が互いに接近及び離反することでかご室の開口部を開閉する例を説明したが、これに限定されるものではなく、一つのドア部が移動することで、かご室の開口部を開閉させてもよい。
【0091】
また、検出スイッチとしては上述した接点ローラを有する検出スイッチに限定されるものではなく、検出スイッチを押圧するスイッチ押圧部材としては、上述した傾斜面部を有するカムスイッチ片に限定されるものではない。ドア部が閉端位置T1に移動した際に、検出スイッチをONすることができる構成であればその他各種の構造を適用できるものである。
【0092】
また、スイッチ押圧部材により押圧された際に、ドア部が閉端位置T1に移動したことを検出する機械式の検出スイッチを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。検出スイッチとしては、光を照射する発光部と、発光部から照射された光を受光する受光部とからなる光学式の検出スイッチを適用してもよい。そして、ドア部が閉端位置T1に移動した際に、発光部からの光を遮蔽する遮蔽板をドア部に設けてもよい。このように、検出スイッチとしては機械式、光学式の他に赤外線センサやその他各種の検出スイッチを適用できるものである。
【0093】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…エレベーター、 10…かご室、 11A、11B…ドア部、 11a…上端部、 11b…下端部、 12…ドアユニット、 13…ドアポケット、 14…ドアシル、 16…ドアレール、 17A、17B…ドアハンガー、 21…駆動部、 31…上部スイッチ押圧部材、 32…下部スイッチ押圧部材、 33…上部支持ブラケット、 34…上部カムスイッチ片、 34a、36a…傾斜面部、 35…下部支持ブラケット、 36…下部カムスイッチ片、 40…上部検出スイッチ、 41…上部スイッチ本体、 41a、51a…接点ローラ、 42…上部スイッチブラケット、 50…下部検出スイッチ、 51…下部スイッチ本体、 52…下部スイッチブラケット、 60…エレベーター制御装置(制御部)、 61…出発条件判定部(制御部)、 62…故障予兆診断部、 63…記憶部、 100…昇降路、 110…乗りかご、 120…巻上機、 130…釣合おもり、 170…ロープ、 212…建屋側ドアユニット、 S1、S1…隙間、 T1…閉端位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9