特許第6811233号(P6811233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6811233TNFアルファの修飾因子として有用な環状化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811233
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】TNFアルファの修飾因子として有用な環状化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20201228BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20201228BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20201228BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20201228BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALI20201228BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20201228BHJP
   C07D 487/14 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20201228BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   C07D487/04 138
   A61K31/506
   A61K31/5377
   A61K31/4439
   A61K31/4188
   A61K31/541
   C07D487/14CSP
   A61P29/00
   A61P37/06
   A61P1/04
   A61P11/08
   A61P11/06
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P13/12
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P25/04
   A61P19/06
【請求項の数】10
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2018-506125(P2018-506125)
(86)(22)【出願日】2016年8月2日
(65)【公表番号】特表2018-525377(P2018-525377A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】US2016045104
(87)【国際公開番号】WO2017023902
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年7月4日
(31)【優先権主張番号】62/200,415
(32)【優先日】2015年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】ハイ−ユン・シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ティ・ジー・ムラリ・ダール
(72)【発明者】
【氏名】ビン・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジンウー・ドワン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/086525(WO,A1)
【文献】 特開昭51−049386(JP,A)
【文献】 特開平11−228539(JP,A)
【文献】 Database REGISTRY,2011年 9月,RN 1331912-71-0,Retrieved from STN international [online] ;retrieved on 12 June 2020
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(I)
[式中:
環Aは、3員炭素環もしくは5員ヘテロ環であり;
Xは、Cあり;
Yは、−(CR−であり;
Zは、−(CR−であり;
mは、0であり;
nは、0であり;
は、Hであり;
は、Brであるか;あるいはフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはジヒドロピリジニルであって、各々は、−CN、−OCH、−C(O)NH、−C(O)NH(CH)、−C(O)OC(CH、−C(CHOH、−CHC(CHOH、−CHC(O)OH、−S(O)NH、モルホリニル、ヒドロキシオキセタニル、ジオキソチオモルホリニル、カルボキシメチルピペラジニル、またはピペラジノニルで置換されており
は、HまたはFであり;
は、Hであり;
各Rは、Hであり
は、Hであり;
、H、−C(O)CH、−C(O)OC(CH、−C(O)NH(CHCH)、−C(O)NH(C(CH)、−C(O)(フェニル)、またはフェニルであり;
は、Hであり;
は、−CH、−OCHF、−O(フェニル)、−O(フルオロフェニル)、−OCH(フェニル)、および−OCH(ピリジニル)から独立して選択される0〜2個の置換基で置換されたフェニルであり;
10は、Hでり;ならびに
は、0、1、または2である
で示される化合物またはその塩。
【請求項2】
環Aが、3員炭素環である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
環Aが、員ヘテロ環である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
構造:
【化2】
[式中:
は、Hであり;
は、Brであるか;あるいはフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはジヒドロピリジニルであって、各々は、−CN、−C(O)NH、−C(O)NH(CH)、−C(O)OC(CH、−C(CHOH、−CHC(CHOH、−CHC(O)OH、−S(O)NH、モルホリニル、ヒドロキシオキセタニル、ジオキソチオモルホリニル、カルボキシメチルピペラジニル、またはピペラジノニルで置換されており;
は、Fであり;
は、Hであり;
は、Hであり;
は、Hまたはフェニルであり;
は、Hであり;ならびに
は、−CH、−OCHF、−O(フェニル)、−O(フルオロフェニル)、−OCH(フェニル)、および−OCH(ピリジニル)から独立して選択される0〜2個の置換基で置換されたフェニルである]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
構造:
【化3】
[式中:
は、Hであり;
は、メトキシピリジニルであり;
は、Hであり;
は、Hであり;
は、Hであり;
は、H、−C(O)CH、−C(O)OC(CH、−C(O)NH(CHCH)、−C(O)NH(C(CH)、または−C(O)(フェニル)であり;
は、Hであり;ならびに
は、フェニルである]
を有する、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
前記化合物が:rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(1);2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(2);2−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(3);2−(4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(4);4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(5);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(6);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(7);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−N−メチルピコリンアミド(8);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−2−オン(9);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリノニトリル(10);rac−(1aR,8S,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(11);2−(4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)フェニル)プロパン−2−オール(12);2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(13);3−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)オキセタン−3−オール(14);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(15);1−(4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(16);tert−ブチル 4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(17);2−(4−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(18);5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(19);rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(20);2−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(21);5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(22);rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(23);rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(24);rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(25);rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(26);2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(27);2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(28);2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(29);2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(30);4−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(31);4−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(32);2−(4−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(33);2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(34);2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(35);rac−(3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−1,2,3,3a,10,10a−ヘキサヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(36);rac−(3aR,10S,10aS)−N−(tert−ブチル)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキサミド(37);rac−1−((3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−イル)エタン−1−オン(38);rac−(3aR,10S,10aS)−N−エチル−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキサミド(39);rac−tert−ブチル (3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキシレート(40);rac−((3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テ
トラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−イル)(フェニル)メタノン(41);またはrac−5−((1R,1aS,8S,8aR)−8−(2,5−ジメチルフェニル)−1−フェニル−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−N−メチルピコリンアミド(43)である、
請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
1つまたはそれ以上の請求項1に記載の化合物またはその塩;および医薬的に許容される担体もしくは希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項8】
治療における使用のための、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物または請求項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
炎症または自己免疫疾患の治療における使用のための、請求項またはに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記疾患が、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主疾患、同種移植拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患、グレーブス病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚エリテマトーデス、乾癬、クリオピリン関連周期性症候群、TNF受容体関連周期性症候群、家族性地中海熱、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、多発性硬化症、神経障害性疼痛、痛風、および痛風関節炎から選択されるものである、請求項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2015年8月3日提出の米国仮出願番号62/200145の利益を請求するものであって、出典明示によりその内容が具体的に取り込まれるものである。
【背景技術】
【0002】
説明
本発明は、一般に、TNFαシグナルの修飾因子として有用であるヘテロ環化合物に関する。ヘテロ環化合物、このような化合物を含む組成物、およびそれらの使用方法が本明細書で提供される。本発明は、さらに、TNFα活性に関連する状態(炎症および自己免疫疾患を含む)の治療に有用である少なくとも1つの本発明による化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0003】
TNFαは、TNFスーパーファミリー(TNFSF)のリガンドの最初の原型メンバーである。TNFSFのリガンドは、細胞分化、細胞生存、細胞死、および炎症を含む数種類の重要な生物学的プロセスの調節に関与している。TNFスーパーファミリーのリガンドは、複数レベルで免疫および炎症応答の調節と組織化における重要な役割を果たしている。TNFSFリガンドの共通する構造的特徴は、特異的なTNFSF受容体に結合し、活性化することができる三量体の形成である。いくつかの他のファミリーメンバーと同様に、TNFαは、金属プロテアーゼによるタンパク質切断後に可溶型として分泌することができるII型膜貫通型タンパク質である。TNFαの膜貫通型と可溶型の両方とも、TNF受容体1および2を介してシグナル伝達する生物学的に活性な三量体を形成する。TNFαは、TNFRを介して複数の細胞型(T細胞、単球、内皮細胞)で作用して、免疫系の活性化、炎症サイトカインの産生、破骨細胞形成、および細胞死を誘導することができる。
【0004】
それらの生理学的および病態生理学的機能に基づいて、TNFおよびTNFSFリガンドは、多くの炎症および自己免疫疾患の病理発生に関連する(例えば、E.C. Keystone et al., J Rheumatol, 2010, 37, 27-39;およびL.M. Sedger & M.F. McDermott, Cytokine Growth Factor Rev, 2014, 25(4), 453-72を参照)。今日まで、多くのTNFα調節剤が開発され、市販品として入手可能である。TNFαに対する臨床的に証明されたタンパク質に基づく治療薬の作用メカニズムは、TNFαを、TNFR1およびTNFR2への結合から妨げる競合アンタゴニストとして作用するものである。これらの薬剤として、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル、およびインフリキシマブを含むTNFαに特異的な抗体が挙げられる。TNFα介在障害の治療のための他の認可された薬剤は、免疫グロブリン分子とTNFR2の細胞外ドメインのキメラであって、TNFαを細胞受容体への結合から阻害するエタネルセプトである。
【0005】
ヒトTNFα活性の修飾因子であるヘテロ環化合物は、多くのヒト疾患の治療および/または予防に利益を有する。これらの疾患としては、炎症および自己免疫疾患、神経および神経変性疾患、疼痛性および侵害受容性疾患、心血管疾患、代謝性疾患、眼疾患、および腫瘍性疾患が挙げられる。
【0006】
WO2013/186229、WO2014/009295、およびWO2014/009296は、TNFαの修飾因子として有用である化合物を開示する。
【0007】
TNFの調節に関する治療によって利益を享受すると考えられる多くの条件を考慮すると、TNFαのシグナル伝達を調節できる新規な化合物およびこれらの化合物の使用方法が、広範囲の患者に多くの治療上の利益を提供することは明らかである。
【0008】
本発明は、有効なTNFα活性の阻害剤であることが見出された新規なクラスのヘテロ環化合物に関する。これらの化合物は、それらの薬物可能性に重要である望まれる安定性、バイオアベイラビリティ、治療指数、および毒性値を有する医薬として有用であるように提供される。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、TNFαの阻害剤として有用であり、炎症および自己免疫疾患、神経および神経変性障害、心血管疾患、代謝性疾患、眼性疾患、および腫瘍性疾患の治療に有用である式(I)の化合物;あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを提供する。
【0010】
本発明はまた、医薬的に許容される担体、ならびに少なくとも1つの式(I)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む医薬組成物を提供する。
【0011】
本発明はまた、TNFαの調節方法であって、このような治療を必要とする宿主に、治療上の有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを投与することを特徴とする方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、増殖性、代謝性、アレルギー性、自己免疫性、および炎症性疾患の治療方法であって、このような治療を必要とする宿主に、治療上の有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを投与することを特徴とする方法を提供する。
【0013】
1の実施態様は、炎症および自己免疫疾患の治療方法を提供する。特に、炎症および自己免疫疾患としては、以下に限定されないが、全身性エリテマトーデス、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主疾患、同種移植拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患、グレーブス病、関節リウマチ、ループス腎炎、皮膚エリテマトーデス、強直性脊椎炎、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、ウェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、家族性地中海熱(FMF)、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、多発性硬化症、神経障害性疼痛、痛風、および痛風関節炎が挙げられる。
【0014】
本発明はまた、治療における使用のための本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを提供する。
【0015】
本発明はまた、炎症および自己免疫疾患の治療剤の製造のための、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグの使用を提供する。
【0016】
本発明はまた、式(I)の化合物または医薬組成物の使用説明書を伴うキットにおける前記化合物または組成物を提供する。
【0017】
本発明はまた、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを調製するための方法および中間体を提供する。
【0018】
本発明のこれらの他の特徴は、下記の開示として拡張された形で説明される。
【0019】
図面の簡単な説明
本発明は、下記に記載の添付図面を参照して示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、式(I)、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、および式(I−f)の化合物の構造を示す。
図2図2は、式(II)、式(II−a)、式(II−b)、式(II−c)、式(II−d)、式(III)、式(III−a)、式(III−b)、式(III−c)、および式(III−d)の化合物の構造を示す。
図3図3は、式(IV)、式(IV−a)、式(IV−b)、式(IV−c)、式(IV−d)、式(V)、式(V−a)、式(V−b)、式(V−c)、および式(V−d)の化合物の構造を示す。
図4図4は、式(VI)、式(VII−a)、式(VII−b)、式(VIII−a)、式(VIII−b)、式(VIII−c)、および式(VIII−d)の化合物の構造を示す。
図5図5は、式(IX−a)、式(IX−b)、式(IX−c)、式(IX−d)、式(IX−e)、式(IX−f)、および式(IX−g)の化合物の構造を示す。
図6図6は、スキーム1による式(I)の化合物の一般的な合成を示す。
図7図7は、スキーム2による式(I)の化合物の一般的な合成を示す。
図8図8は、スキーム3による式(I)の化合物の一般的な合成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
本発明の第1の態様は、式(I):
【化1】
(I)
[式中:
環Aは、3〜6員炭素環もしくはヘテロ環であり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、−(CR−であり;
Zは、−(CR−であり;
mは、0、1、または2であり;
nは、0、1、または2であるが;但し、mおよびnの総数は、0、1、または2であり;
は、H、ハロ、−CN、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、またはC1−4アルコキシであり;
は、H、R1a、C1−6ハロアルキル、0〜6個のR1aで置換されたC2−6アルケニル、0〜4個のR1aで置換されたC2−6アルキニル、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;
は、H、ハロ、−CN、−CF、−OCF、−NO、0〜6個のR1aで置換されたC1−6アルキル、−(CROR、−(CRNR、−(CRS(O)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環式もしくは二環式ヘテロアリール)であり;
は、H、ハロ、−CN、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、またはC1−4アルコキシであり;
各Rは、独立して、H、ハロ、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、−(CRC(O)R、−(CRC(O)OR、−(CRC(O)NR、−(CROR、−(CROC(O)R、−(CROC(O)NR、−(CROC(O)OR、−(CRNR、−(CRNRC(O)R、−(CRNRC(O)OR、−(CRNRC(O)NR、−(CRNRS(O)、−(CRS(O)、−(CRS(O)NR、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であるか;あるいは2個のRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOR、または0〜3個のRで置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成し;
およびRは、独立して、H、ハロ、−OH、−CN、C1−5アルキル、C1−5ヒドロキシアルキル、C1−5ハロアルキル、C1−5アルコキシ、−NR、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;
各Rは、独立して、ハロ、−OH、−CN、C1−5アルキル、C1−5ヒドロキシアルキル、C1−5ハロアルキル、−NR、C1−5アルコキシ、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;
は、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;
10は、H、C1−6アルキル、またはC1−6ハロアルキルであるか;
あるいはRおよびR10は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、0〜6個のRで置換された5〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成し;
各R1aは、独立して、F、Cl、Br、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、0〜6個のRで置換されたC1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、0〜6個のRで置換された5〜7員ヘテロサイクリル、0〜6個のRで置換されたアリール、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール、−C(O)R、−C(O)ORb、−C(O)NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OC(O)OR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRS(O)、−NRC(O)NR、−NRS(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、または−C(O)NR(CH1−3NRであり;
各Rは、独立して、ハロ、−CN、−OH、−NO、−NH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、−(CHC(O)OH、−C(O)(C1−3アルキル)、−C(O)O(C1−4アルキル)、−OC(O)(C1−3アルキル)、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−NHC(O)NH(C1−3アルキル)、−C(=NH)(NH)、C3−7カルボサイクリル、アリール、5〜7員ヘテロサイクリル、単環もしくは二環式ヘテロアリール、−O(アリール)、−O(ベンジル)、−O(ヘテロサイクリル)、−S(O)(C1−3アルキル)、−S(O)(アリール)、−S(O)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)(アリール)、−NHS(O)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)NH(アリール)、−NHS(O)NH(ヘテロサイクリル)、−NH(アリール)−NH(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)(アリール)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)(ヘテロサイクリル)、−OC(O)(アリール)、−OC(O)(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)NH(アリール)、−NHC(O)NH(ヘテロサイクリル)、−OC(O)O(C1−3アルキル)、−OC(O)O(アリール)、−OC(O)O(ヘテロサイクリル)、−OC(O)NH(アリール)、−OC(O)NH(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)O(アリール)、−NHC(O)O(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−C(O)NH(アリール)、−C(O)NH(ヘテロサイクリル)、−C(O)O(アリール)、−C(O)O(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)(アリール)、−N(C1−3アルキル)S(O)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)NH(アリール)、−N(C1−3アルキル)S(O)NH(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)(アリール)、−N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)(アリール)、−N(C1−3アルキル)C(O)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)COH−N(C1−3アルキル)C(O)NH(アリール)、−(CH0−3C(O)NH(ヘテロサイクリル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−OC(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)O(アリール)、−N(C1−3アルキル)C(O)O(ヘテロサイクリル)、−C(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−C(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−NHS(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−NHP(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−NHC(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−NHC(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−N(C1−3アルキル)S(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)N(C1−3アルキル)(アリール)、−N(C1−3アルキル)C(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、または−Si(C1−3アルキル)であるか;あるいは2個のRは、同一炭素原子に結合して、=Oを形成し;
各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたアリール、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたアリール、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであるか;あるいは同一窒素に結合する場合、2個のRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、0〜3個のRで置換された4〜8員ヘテロ環を形成し;
各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたアリール、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、C1−3ハロアルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたアリール、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、H、ハロ、−OH、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−6アルキル、C1−3アルコキシ、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたアリール、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、H、F、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CF、またはフェニルであり;
各Rは、独立して、−OHまたはハロであり;
各Rは、独立して、H、ハロ、−CN、−OH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、またはC1−3アルコキシであるか;あるいは2個のRは、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の同一炭素原子に結合して、=Oを形成するか;あるいは2個のRは、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の隣接する炭素原子に結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になったベンゾ環を形成するものであって、前記ベンゾ環は、0〜4個のRで置換されており;
各Rは、独立して、HまたはC1−5アルキルであり;
各Rは、独立して、C1−5アルキルであり;
各pは、独立して、0、1、または2であり;
qは、0、1、または2であり;ならびに
各Rは、独立して、0、1、2、3、または4である]
で示される化合物またはその塩の少なくとも1つを提供する。
【0022】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Xは、CRであり、環A、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、Rが、Hである化合物が含まれる。
【0023】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Xは、Nであり、環A、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。
【0024】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、3〜6員炭素環であり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(II)、式(III)、式(IV)、または式(V)の構造を有する化合物が含まれる。また、この実施態様には、環Aが、3〜5員炭素環である化合物、および環Aが、3〜4員炭素環である化合物が含まれる。
【0025】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、シクロプロピルであり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(II)の構造を有する化合物が含まれる。
【0026】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、シクロブチルであり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(III)の構造を有する化合物が含まれる。
【0027】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、シクロペンチルであり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(IV)の構造を有する化合物が含まれる。
【0028】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、シクロヘキシルであり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、(V)の構造を有する化合物が含まれる。
【0029】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mは、0であり、nは、0であり、ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−a)の構造を有する化合物が含まれる。
【0030】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mおよびnの総数は、1であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−b)または式(I−c)の構造を有する化合物が含まれる。
【0031】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mは、1であり、nは、0であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−b)の構造を有する化合物が含まれる。
【0032】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mは、0であり、nは、1であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−c)の構造を有する化合物が含まれる。
【0033】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mおよびnの総数は、2であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−d)、式(I−e)、または式(I−f)の構造を有する化合物が含まれる。
【0034】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mは、2であり、nは、0であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−d)の構造を有する化合物が含まれる。
【0035】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mは、1であり、nは、1であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−e)の構造を有する化合物が含まれる。
【0036】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mは、0であり、nは、2であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(I−f)の構造を有する化合物が含まれる。
【0037】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、3〜6員ヘテロ環であり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、環Aが、3〜5員ヘテロ環である化合物、および環Aが、3〜4員ヘテロ環である化合物が含まれる。
【0038】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、3員ヘテロ環であり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(VI)の構造を有する化合物が含まれ、式中、Wは、O、S、NH、またはNRである。
【0039】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、4員ヘテロ環であり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(VII−a)もしくは式(VII−b)の構造を有する化合物が含まれ、式中、Wは、O、S、NH、またはNRであるが;但し、WがNRである場合、qは、0または1である。
【0040】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、5員ヘテロ環であり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(VIII−a)、式(VIII−b)、または式(VIII−c)の構造を有する化合物が含まれ、式中、Wは、O、S、NH、またはNRであるが;但し、WがNRである場合、qは、0または1である。また、この実施態様には、式(VIII−d)の構造を有する化合物が含まれ、式中、各Wは、独立して、O、S、NH、またはNRであるが;但し、1個のWがNHである場合、qは、0または1であり;ならびに2個のWが、NHである場合、qは、0である。
【0041】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、環Aは、6員ヘテロ環であり、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、式(IX−a)、式(IX−b)、式(IX−c)、または式(IX−d)の構造を有する化合物が含まれ、式中、Wは、O、S、NH、またはNRであるが;但し、Wが、NRである場合、qは、0または1である。また、この実施態様には、式(IX−e)、式(IX−f)、または式(IX−g)の構造を有する化合物が含まれ、式中、Wは、O、S、NH、またはNRであるが;但し、1個のWが、NHである場合、qは、0または1であり;Wの両方が、NHである場合、qは、0である。
【0042】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Xは、CRであり;Rは、H、F、Cl、Br、−CN、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4クロロアルキル、またはC1−4アルコキシであり;ならびに環A、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、Rが、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、C1−2クロロアルキル、およびC1−3アルコキシである化合物が含まれる。また、この実施態様には、Rが、H、F、−CN、C1−3アルキル、C1−2フルオロアルキル、およびC1−2アルコキシである化合物が含まれる。
【0043】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Rは、H、R1a、C1−3ハロアルキル、0〜6個のR1aで置換されたC2−4アルケニル、0〜4個のR1aで置換されたC2−4アルキニル、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R10、R1a、R、およびrは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、Rが、H、R1a、C1−3フルオロアルキル、0〜6個のR1aで置換されたC2−4アルケニル、0〜4個のR1aで置換されたC2−4アルキニル、−(CH(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。また、この実施態様には、Rが、H、R1a、C1−2フルオロアルキル、0〜4個のR1aで置換されたC2−3アルケニル、0〜3個のR1aで置換されたC2−3アルキニル、−CH(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−CH(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−CH2(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。
【0044】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Rは、H、F、Cl、Br、−CN、−CF、−OCF、−NO、0〜6個のR1aで置換されたC1−4アルキル、−(CROR、−(CRNR、−(CRS(O)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環式もしくは二環式ヘテロアリール)であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、p、r、R、R、R、R、R、R、R10、R1a、R、R、R、R、R、およびrは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、Rが、H、F、Cl、−CN、−CF、−OCF、−NO、0〜6個のR1aで置換されたC1−3アルキル、−(CROH、−(CRO(C1−3アルキル)、−(CRNH、−(CRNH(C1−3アルキル)、−(CRN(C1−3アルキル)、−(CRS(O)(C1−3アルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環式もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。また、Rが、H、F、Cl、−CN、−CF、−OCF、−NO、0〜6個のR1aで置換されたC1−3アルキル、−(CHOH、−(CHO(C1−3アルキル)、−(CHNH、−(CHNH(C1−3アルキル)、−(CHN(C1−3アルキル)、−(CHS(O)(C1−3アルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたC3−6シクロアルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環式もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。
【0045】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Rは、H、F、Cl、Br、−CN、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、またはC1−3アルコキシであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、Rが、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、またはC1−3アルコキシである化合物が含まれる。また、Rが、H、F、−CN、C1−2アルキル、C1−2フルオロアルキル、またはC1−2アルコキシである化合物が含まれる。
【0046】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mおよびnの総数は、1または2であり;各Rは、独立して、H、F、Cl、Br、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、−(CRC(O)R、−(CRC(O)OR、−(CRC(O)NR、−(CROR、−(CROC(O)R、−(CROC(O)NR、−(CROC(O)OR、−(CRNR、−(CRNRC(O)R、−(CRNRC(O)OR、−(CRNRC(O)NR、−(CRNRS(O)、−(CRS(O)、−(CRS(O)NR、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であるか;あるいは2個のRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOR、または0〜3個のRで置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成し;ならびに環A、X、Y、Z、q、p、r、R1a、R、R、R、R、R、R、R、R10、R、R、R、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、Cl、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、C1−4フルオロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、−(CHC(O)R、−(CHC(O)OR、−(CHC(O)NR、−(CHOR、−(CHOC(O)R、−(CHOC(O)NR、−(CHOC(O)OR、−(CHNR、−(CHNRC(O)R、−(CHNRC(O)OR、−(CHNRC(O)NR、−(CHNRS(O)、−(CHS(O)、−(CHS(O)NR、−(CH(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であるか;あるいは2個のRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOR、または0〜3個のRで置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成する化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、Cl、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−(CHC(O)(C1−3アルキル)、−(CHC(O)O(C1−3アルキル)、−(CHC(O)NH、−(CHC(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHC(O)N(C1−3アルキル)、−(CHOH、−(CHO(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)NH、−(CHOC(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)N(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)O(C1−3アルキル)、−(CH2)NH、−(CHNH(C1−3アルキル)、−(CHN(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)O(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)NH、−(CHNRC(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)N(C1−3アルキル)、−(CH2)NRS(O)(C1−3アルキル)、−(CHS(O)(C1−3アルキル)、−(CHS(O)NH、−(CHS(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHS(O)N(C1−3アルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたC3−6シクロアルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。
【0047】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mおよびnの総数は、1または2であり;各Rは、独立して、H、F、Cl、Br、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、−(CRC(O)R、−(CRC(O)OR、−(CRC(O)NR、−(CROR、−(CROC(O)R、−(CROC(O)NR、−(CROC(O)OR、−(CRNR、−(CRNRC(O)R、−(CRNRC(O)OR、−(CRNRC(O)NR、−(CRNRS(O)、−(CRS(O)、−(CRS(O)NR、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、p、r、R1a、R、R、R、R、R、R、R、R10、R、R、R、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、Cl、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、C1−4フルオロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、−(CHC(O)R、−(CHC(O)OR、−(CHC(O)NR、−(CHOR、−(CHOC(O)R、−(CHOC(O)NR、−(CHOC(O)OR、−(CHNR、−(CHNRC(O)R、−(CHNRC(O)OR、−(CHNRC(O)NR、−(CHNRS(O)、−(CHS(O)、−(CHS(O)NR、−(CH(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であるか;あるいはRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOR、または0〜3個のRで置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成する化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、Cl、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−(CHC(O)(C1−3アルキル)、−(CHC(O)O(C1−3アルキル)、−(CHC(O)NH、−(CHC(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHC(O)N(C1−3アルキル)、−(CHOH、−(CHO(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)NH、−(CHOC(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)N(C1−3アルキル)、−(CHOC(O)O(C1−3アルキル)、−(CHNH、−(CHNH(C1−3アルキル)、−(CHN(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)O(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)NH、−(CHNRC(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHNRC(O)N(C1−3アルキル)、−(CHNRS(O)(C1−3アルキル)、−(CHS(O)(C1−3アルキル)、−(CHS(O)NH、−(CHS(O)NH(C1−3アルキル)、−(CHS(O)N(C1−3アルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたC3−6シクロアルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜7員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。
【0048】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、mおよびnの総数は、1または2であり;2個のRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOR、または0〜3個のRで置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成し;ならびに環A、X、Y、Z、q、R1a、R、R、R、R、R、R、R、R10、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、2個のRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOH、C=NO(C1−3アルキル)、または0〜3個のRで置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成する化合物が含まれる。また、2個のRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOH、C=NO(C1−3アルキル)、またはH、F、Cl、−CN、−OH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、およびC1−3アルコキシから独立して選択される0〜3個の置換基で置換された3〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成する化合物が含まれる。
【0049】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、Br、−OH、−CN、C1−4アルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、C1−4ハロアルキル、−NR、C1−3アルコキシ、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、r、R、R、R、R、R、R10、R1a、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3ハロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(C1−3アルキル)、C1−3アルコキシ、−OC(O)NH、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)、−NRC(O)O(C1−3アルキル)、−NRC(O)(C1−3アルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。また、この実施態様には、RおよびRが、独立して、H、F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3フルオロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(C1−3アルキル)、C1−3アルコキシ、−OC(O)NH、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたC3−6シクロアルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。
【0050】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、F、Cl、Br、−OH、−CN、C1−5アルキル、C1−5ヒドロキシアルキル、C1−5フルオロアルキル、−NR、C1−5アルコキシ、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、−(CR(0〜3個のR1aで置換された3〜14員カルボサイクリル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたアリール)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、r、R、R、R、R、R、R、R10、R1a、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3フルオロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、C1−3アルコキシ、−OC(O)NH、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)、−NRC(O)OC1−3アルキル、−NRC(O)C1−3アルキル、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。また、Rが、独立して、F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3フルオロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、C1−3アルコキシ、−OC(O)NH、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)、−NRC(O)OC1−3アルキル、−NRC(O)C1−3アルキル、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたC3−6シクロアルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。
【0051】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、Rは、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)であり;ならびに環A、X、Y、Z、q、r、R、R、R、R、R、R、R10、R1a、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、Rが、−(CHR(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CHR(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CHR(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CHR(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。また、Rが、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたC3−8シクロアルキル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換されたフェニル)、−(CH(0〜3個のR1aで置換された5〜10員ヘテロサイクリル)、または−(CH(0〜3個のR1aで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール)である化合物が含まれる。この実施態様に含まれる他の化合物において、各Rは、独立して、H、F、−OH、−CN、−CH、−CF、またはフェニルである。
【0052】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、R10は、H、C1−4アルキル、またはC1−4ハロアルキルであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、R10が、H、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、またはC1−3クロロアルキルである化合物が含まれる。また、R10が、H、C1−2アルキル、またはC1−2フルオロアルキルである化合物が含まれる。
【0053】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、RおよびR10は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、0〜6個のRで置換された5〜6員スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環を形成し;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、RおよびR10が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、0〜6個のRで置換された5〜6員スピロ炭素環を形成する化合物が含まれる。また、RおよびR10が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、0〜6個のRで置換された5〜6員スピロヘテロサイクリルを形成する化合物が含まれる。
【0054】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各R1aは、独立して、F、Cl、Br、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、0〜6個のRで置換されたC1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、0〜6個のRで置換された5〜7員ヘテロサイクリル、0〜6個のRで置換されたアリール、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール、−C(O)R、−C(O)ORb、−C(O)NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OC(O)OR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRS(O)、−NRC(O)NR、−NRS(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、または−C(O)NR(CH1−3NRであり;ならびに環A、X、Y、Z、p、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、R、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各R1aが、独立して、F、Cl、Br、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、0〜6個のRで置換されたC1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、0〜6個のRで置換された5〜7員ヘテロサイクリル、0〜6個のRで置換されたフェニル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール、−C(O)R、−C(O)ORb、−C(O)NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OC(O)OR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRS(O)、−NRC(O)NR、−NRS(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、または−C(O)NR(CH1−3NRである化合物が含まれる。また、各R1aが、独立して、F、Cl、Br、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、0〜6個のRで置換されたC1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、0〜6個のRで置換された5〜7員ヘテロサイクリル、0〜6個のRで置換されたフェニル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリール、−C(O)(C1−3アルキル)、−C(O)O(C1−3アルキル)、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)N(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)NH、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)、−OC(O)OH、−OC(O)O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−NRC(O)(C1−3アルキル)、−NRC(O)O(C1−3アルキル)、−NRS(O)(C1−3アルキル)、−NRC(O)NH、−NRC(O)NH(C1−3アルキル)、−NRC(O)N(C1−3アルキル)、−NRS(O)NH、−NRS(O)NH(C1−3アルキル)、−NRS(O)N(C1−3アルキル)、−S(O)(C1−3アルキル)、−S(O)NH、−S(O)NH(C1−3アルキル)、−S(O)N(C1−3アルキル)、−C(O)NR(CH1−3NH、−C(O)NR(CH1−3NH(C1−3アルキル)、または−C(O)NR(CH1−3N(C1−3アルキル)である化合物が含まれる。
【0055】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、F、Cl、Br、−CN、−OH、−NO、−NH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、−(CHC(O)OH、−C(O)(C1−3アルキル)、−C(O)O(C1−4アルキル)、−OC(O)(C1−3アルキル)、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−NHC(O)NH(C1−3アルキル)、−C(=NH)(NH)、C3−7シクロアルキル、フェニル、5〜7員ヘテロサイクリル、単環もしくは二環式ヘテロアリール、−O(フェニル)、−O(ベンジル)、−O(ヘテロサイクリル)、−S(O)(C1−3アルキル)、−S(O)(フェニル)、−S(O)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)(フェニル)、−NHS(O)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)NH(フェニル)、−NHS(O)NH(ヘテロサイクリル)、−NH(フェニル)−NH(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)(フェニル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)(ヘテロサイクリル)、−OC(O)(フェニル)、−OC(O)(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)NH(フェニル)、−NHC(O)NH(ヘテロサイクリル)、−OC(O)O(C1−3アルキル)、−OC(O)O(フェニル)、−OC(O)O(ヘテロサイクリル)、−OC(O)NH(フェニル)、−OC(O)NH(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)O(フェニル)、−NHC(O)O(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−C(O)NH(フェニル)、−C(O)NH(ヘテロサイクリル)、−C(O)O(フェニル)、−C(O)O(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)S(O)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)NH(フェニル)、−N(C1−3アルキル)S(O)NH(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)C(O)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)COH−N(C1−3アルキル)C(O)NH(フェニル)、−(CH0−3C(O)NH(ヘテロサイクリル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)O(フェニル)、−N(C1−3アルキル)C(O)O(ヘテロサイクリル)、−C(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−C(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−NHS(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−NHP(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−NHC(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−NHC(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)S(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)C(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、または−Si(C1−3アルキル)であるか;あるいは2個のRは、同一炭素原子に結合して、=Oを形成し;ならびに環A、X、Y、Z、p、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、F、Cl、Br、−CN、−OH、−NO、−NH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、またはC3−7シクロアルキルである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、−(CHC(O)OH、−C(O)(C1−2-アルキル)、−C(O)O(C1−3-アルキル)、−OC(O)(C1−2アルキル)、−NH(C1−2アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−OC(O)NH(C1−3アルキル)、−NHC(O)NH(C1−3アルキル)、−C(=NH)(NH)、−S(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)COHである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、フェニル、5〜7員ヘテロサイクリル、単環もしくは二環式ヘテロアリール、−O(フェニル)、−O(ベンジル)、−O(ヘテロサイクリル)、−S(O)(フェニル)、−S(O)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)(フェニル)、−NHS(O)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)NH(フェニル)、−NHS(O)NH(ヘテロサイクリル)、−NH(フェニル)−NH(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)(フェニル)、−NHC(O)(ヘテロサイクリル)、−OC(O)(フェニル)、−OC(O)(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)NH(フェニル)、−NHC(O)NH(ヘテロサイクリル)、−OC(O)O(C1−3アルキル)、−OC(O)O(フェニル)、−OC(O)O(ヘテロサイクリル)、−OC(O)NH(フェニル)、−OC(O)NH(ヘテロサイクリル)、−NHC(O)O(フェニル)、−NHC(O)O(ヘテロサイクリル)、−C(O)NH(フェニル)、−C(O)NH(ヘテロサイクリル)、−C(O)O(フェニル)、−C(O)O(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)S(O)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)NH(フェニル)、−N(C1−3アルキル)S(O)NH(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)C(O)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)NH(フェニル)、−(CH0−3C(O)NH(ヘテロサイクリル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−OC(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)O(フェニル)、−N(C1−3アルキル)C(O)O(ヘテロサイクリル)、−C(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−C(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−NHS(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−NHS(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−NHP(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−NHC(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−NHC(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)S(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、−N(C1−3アルキル)S(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)、−N(C1−3アルキル)C(O)N(C1−3アルキル)(フェニル)、または−N(C
−3アルキル)C(O)N(C1−3アルキル)(ヘテロサイクリル)である化合物が含まれる。
【0056】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、または0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキルである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、H、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールである化合物が含まれる。
【0057】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであるか;あるいは同一窒素に結合する場合、2個のRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、0〜3個のRで置換された4〜8員ヘテロ環を形成し;ならびに環A、X、Y、Z、p、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、Hまたは0〜6個のRで置換されたC1−4アルキルである化合物が含まれる。また、各Rが、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールである化合物が含まれる。
【0058】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、2個のRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、0〜3個のRで置換された4〜8員ヘテロ環を形成し;ならびに環A、X、Y、Z、p、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、2個のRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、イミダゾリニル、ピペラジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、またはモルホリニルを形成し、各々が、0〜3個のRで置換されている化合物が含まれる。また、この実施態様には、2個のRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルを形成し、各々が0〜3個のRで置換されている化合物が含まれる。
【0059】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、Hまたは0〜6個のRで置換されたC1−4アルキルである化合物が含まれる。また、各Rが、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールである化合物が含まれる。
【0060】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、C1−3フルオロアルキル、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、Hまたは0〜6個のRで置換されたC1−4アルキルである化合物が含まれる。また、各Rが、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールである化合物が含まれる。
【0061】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、F、Cl、Br、−OH、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、0〜6個のRで置換されたC3−7シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、Cl、−OH、−CN、0〜6個のRで置換されたC1−3アルキル、またはC1−3アルコキシである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、H、0〜6個のRで置換されたC3−6シクロアルキル、0〜6個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロサイクリル、0〜3個のRで置換されたフェニル、または0〜3個のRで置換された単環もしくは二環式ヘテロアリールである化合物が含まれる。
【0062】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、F、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CF、またはフェニルであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、−OH、−CN、−CH、−CF、またはフェニルである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、Hまたは−CHである化合物が含まれる。
【0063】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、−OH、F、Cl、またはBrであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、−OH、F、またはClである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、−OHまたはFである化合物が含まれる。
【0064】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、H、F、Cl、Br、−CN、−OH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、またはC1−3アルコキシであるか;あるいは2個のRは、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の同一炭素原子に結合して、=Oを形成するか;または2個のRは、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の隣接する炭素原子に結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゾ環を形成するものであって、前記ベンゾ環は、0〜4個のRで置換されており;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、Cl、Brであり、各Rが、独立して、H、F、Cl、Br、−CN、−OH、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、またはC1−3アルコキシである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、独立して、H、F、−CN、−OH、−CH、−CF、または−OCHである化合物が含まれる。
【0065】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、2個のRは、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の同一炭素原子に結合して、=Oを形成するか;あるいは2個のRは、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の隣接する炭素原子に結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゾ環を形成するものであって、前記ベンゾ環は、0〜4個のRで置換されており;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、2個のRが、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の同一炭素原子に結合して、=Oを形成する化合物が含まれる。また、この実施態様には、2個のRが、前記スピロ炭素環もしくはスピロヘテロ環の隣接する炭素原子に結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゾ環を形成するものであって、前記ベンゾ環は0〜4個のRで置換されている化合物が含まれる。
【0066】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、HまたはC1−3アルキルであり;ならびに環A、X、Y、Z、p、q、R、R、R、R、R、R、R、R10、R、R、R、R、およびRは、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、HまたはC1−2アルキルである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、Hまたは−CHである化合物が含まれる。
【0067】
1の実施態様は、構造:
【化2】
[式中:Rは、Hであり;Rは、Brであるか;あるいはフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはジヒドロピリジニルであって、各々は、−CN、−C(O)NH、−C(O)NH(CH)、−C(O)OC(CH、−C(CHOH、−CH2C(CHOH、−CHC(O)OH、−S(O)NH、モルホリニル、ヒドロキシオキセタニル、ジオキソチオモルホリニル、カルボキシメチルピペラジニル、およびピペラジノニルで置換されており;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、Hまたはフェニルであり;Rは、Hであり;ならびにRは、−CH、−OCHF、−O(フェニル)、−O(フルオロフェニル)、−OCH(フェニル)、および−OCH(ピリジニル)から独立して選択される0〜2個の置換基で置換されたフェニルである]
を有する式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0068】
1の実施態様は、構造:
【化3】
[式中:Rは、Hであり;Rは、メトキシピリジニルであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、H、−C(O)CH、−C(O)OC(CH、−C(O)NH(CHCH)、−C(O)NH(C(CH)、または−C(O)(フェニル)であり;Rは、Hであり;ならびにRは、フェニルである]
を有する式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0069】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、式中、各Rは、独立して、C1−3アルキルであり;ならびに環A、X、Y、Z、q、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、第1の態様で定義されるものである。この実施態様には、各Rが、独立して、C1−2アルキルである化合物が含まれる。また、この実施態様には、各Rが、−CHである化合物が含まれる。
【0070】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、前記化合物は:rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(1);2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(2);2−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(3);2−(4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(4);4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(5);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(6);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(7);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−N−メチルピコリンアミド(8);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−2−オン(9);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリノニトリル(10);rac−(1aR,8S,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(11);2−(4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)フェニル)プロパン−2−オール(12);2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(13);3−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)オキセタン−3−オール(14);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(15);1−(4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2−メチルプロパン−2−オール(16);tert−ブチル 4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(17);2−(4−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(18);5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(19);rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(20);2−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(21);5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(22);rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(23);rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(24);rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(25);rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(26);2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(27);2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(28);2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(29);2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(30);4−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(31);4−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(32);2−(4−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(33);2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(34);2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(35);またはrac−5−((1R,1aS,8S,8aR)−8−(2,5−ジメチルフェニル)−1−フェニル−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−N−メチルピコリンアミド(43)である。
【0071】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、前記化合物は:rac−(3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−1,2,3,3a,10,10a−ヘキサヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(36);rac−(3aR,10S,10aS)−N−(tert−ブチル)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキサミド(37);rac−1−((3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−イル)エタン−1−オン(38);rac−(3aR,10S,10aS)−N−エチル−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキサミド(39);rac−tert−ブチル (3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキシレート(40);またはrac−((3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−イル)(フェニル)メタノン(41)である。
【0072】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、前記化合物は:rac−(4aR,11R,11aS)−8−(6−メトキシピリジン−3−イル)−11−フェニル−4,4a,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1−a]イソインドール(42)である。
【0073】
1の実施態様は、式(I)で示される化合物またはその塩を提供するものであって、前記化合物は:rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(1);2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(2);2−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(3);2−(4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(4);4−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(5);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(6);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド(7);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)−N−メチルピコリンアミド(8);4−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−2−オン(9);5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリノニトリル(10);またはrac−(1aR,8S,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(11)である。
【0074】
定義
本発明の特徴および利点は、下記の詳細な説明を読んだ当業者によってより容易に理解されうる。明確にするために上記に記載され、別の実施態様で下記に記載される本発明の一定の特徴は、単一の実施態様を形成するために組み合わされてもよい。反対に、簡略化のために単一の実施例で記載されている本発明の様々な特徴は、それらの部分的な組み合わせを形成するように組み合わされてもよい。例示され、または好ましいとして本明細書で同定されている実施態様は、例示を目的としており、限定されるものではない。
【0075】
本明細書で特に示されていない限り、単数形でなされた対象にも複数形が含まれてもよい。例えば、「a」および「an」は、1つ、あるいは1つまたはそれ以上のいずれかを意味していてもよい。
【0076】
本明細書で用いられるように、用語「化合物」は、少なくとも1つの化合物を意味する。例えば、式(I)の化合物には、式(I)の化合物;および2つまたはそれ以上の式(I)の化合物が含まれる。特に断りがなければ、原子価を満たしていないヘテロ原子は、原子価を満たすように水素原子を有すると推定される。
【0077】
本明細書で説明される定義は、出典明示により本明細書に取り込まれる特許、特許出願、および/または特許出願公開のいずれで説明される定義より優先される。
【0078】
本発明を記載するために用いられる様々な用語の定義が下記に記載される。これらの定義は、(それらが特定の例で限定されていない限り)個別に、または大きな群の一部として、本明細書を通して用いられるように用語に適用する。
【0079】
本明細書を通して、基およびその置換基は、安定な部分および化合物を提供するために当業者によって選択されうる。
【0080】
当該技術分野で用いられる慣習に従って、
【化4】
は、中心または骨格構造に対する部分または置換基の結合点である結合を示すために本明細書の構造式で用いられる。
【0081】
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書で用いられるように、F、Cl、Br、およびIを意味する。
【0082】
用語「シアノ」は、基−CNを意味する。
【0083】
用語「アミノ」は、基−NHを意味する。
【0084】
用語「ヒドロキシ」は、基−OHを意味する。
【0085】
用語「ニトロ」は、基−NOを意味する。
【0086】
用語「オキソ」は、基=Oを意味する。
【0087】
用語「アルキル」は、本明細書で用いられるように、例えば、1〜12個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、および1〜4個の炭素原子を含有する分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、以下に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびi−プロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、およびt−ブチル)、およびペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、3−メチルペンチル、および4−メチルペンチルが挙げられる。数字が記号「C」後に下付き文字で表されている場合、その下付き文字は、特定の基が含有しうる炭素原子のより特定の数を定義し、例えば、「C1−6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基を示す。
【0088】
用語「ハロアルキル」は、本明細書で用いられるように、1つまたはそれ以上のハロゲン原子で置換された直鎖および分岐鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとされる。例えば、「C1−4ハロアルキル」は、1つまたはそれ以上のハロゲン原子で置換されたC、C、C、およびCアルキル基を含むものとされる。ハロアルキル基のの代表的な例としては、以下に限定されないが、−CF、−CCl、−CFCl、および−CHCFが挙げられる。
【0089】
用語「フルオロアルキル」は、本明細書で用いられるように、1つまたはそれ以上のフッ素原子で置換された分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとされる。例えば、「C1−4フルオロアルキル」は、1つまたはそれ以上のフッ素原子で置換されたC、C、C、およびCアルキル基を含むものとされる。フルオロアルキル基の代表的な例としては、以下に限定されないが、−CFおよび−CHCFが挙げられる。
【0090】
用語「ヒドロキシアルキル」は、1つまたはそれ以上のヒドロキシル基で置換された分岐鎖および直鎖の両方の飽和アルキル基が含まれる。例えば、「ヒドロキシアルキル」としては、−CHOH、−CHCHOH、およびC1−4ヒドロキシアルキルが挙げられる。
【0091】
用語「アルケニル」は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。このような基の典型例としては、エテニルまたはアリルが挙げられる。例えば、「C2−6アルケニル」は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルケニル基を示す。
【0092】
用語「アルキニル」は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。このような基の典型例としては、エチニルが挙げられる。例えば、「C2−6アルキニル」は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキニル基を示す。
【0093】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で用いられるように、1つの水素原子を飽和環炭素原子から除去することによって非芳香族単環式もしくは多環式炭化水素分子から生じた基を意味する。シクロアルキル基の代表的な例としては、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。数字が記号「C」後に下付き文字で表されている場合、その下付き文字は、特定のシクロアルキル基が含有しうる炭素原子のより特定の数を定義する。例えば、「C3−6シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す。
【0094】
用語「アルコキシ」は、本明細書で用いられるように、酸素原子を介して親分子部分に結合しているアルキル基を意味し、例えば、メトキシ基(−OCH)である。例えば、「C1−3アルコキシ」は、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。
【0095】
用語「ハロアルコキシ」および「−O(ハロアルキル)」は、酸素結合(−O−)を介して結合している上記で定義されるハロアルキル基を意味する。例えば、「C1−4ハロアルコキシ」は、C、C、C、およびCハロアルコキシ基を含むものとされる。
【0096】
用語「フルオロアルコキシ」および「−O(フルオロアルキル)」は、酸素結合(−O−)を介して結合している上記で定義されるフルオロアルキル基を意味する。例えば、「C1−4フルオロアルコキシ」は、C、C、C、およびCフルオロアルコキシ基を含むものとされる。
【0097】
用語「カルボシクロ」、「炭素環」または「カルボサイクリル」は、交換可能に用いられてもよく、全ての環の全ての原子が炭素である少なくとも1つの飽和または部分的な飽和非芳香族環を有する環基を意味する。前記カルボサイクリル環は、置換されていなくてもよく、あるいは、原子価が許容されるように1つまたはそれ以上の置換基を含有していてもよい。よって、用語には、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル環などの非芳香族環が含まれる。典型的な二環式カルボサイクリル基としては、インダニル、インデニル、ジヒドロナフタレニル、テトラヒドロナフテニル、ヘキサヒドロナフタレニル、オクタヒドロナフタレニル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロヘプタニル、ビシクロオクタニル、およびビシクロノナニルが挙げられる。
【0098】
用語「アリール」は、本明細書で用いられるように、芳香族環に結合している1つの水素原子を芳香族環から除去することによって芳香族環を含有する分子から生じる原子の基を意味する。2つまたはそれ以上の環を有するアリール基は、芳香族環のみを含まれなくてはならない。アリール基の代表的な例としては、以下に限定されないが、フェニル、およびナフチルが挙げられる。前記アリール環は、置換されていなくてもよく、あるいは、原子価が許容されるように1つまたはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
【0099】
用語「ベンジル」は、本明細書で用いられるように、水素原子の1つがフェニル基によって置換されているメチル基を意味する。前記フェニル基は、置換されていなくてもよく、あるいは、原子価が許容されるように1つまたはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
【0100】
用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、硫黄(S)、および窒素(N)を意味する。
【0101】
用語「ヘテロシクロ」、「ヘテロ環」、または「ヘテロサイクリル」は、交換可能に用いられてもよく、少なくとも飽和または部分的な飽和非芳香族環を有する環基を意味し、環の1つまたはそれ以上が少なくとも1つのヘテロ原子(O、S、またはN)を有し、前記ヘテロ原子は、好ましくは、O、S、および/またはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含有するこのような基の環は、1もしくは2個の酸素もしくは硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含有することができるが、但し、各環におけるヘテロ原子の総数は、4個またはそれ以下であることとし、さらに、前記環は、少なくとも1つの炭素原子を含有するものとする。前記窒素および硫黄原子は、適宜酸化されていてもよく、前記窒素原子は、適宜四級化されてもよい。前記ヘテロシクロ基は、いずれの利用可能な窒素または炭素原子で結合していてもよい。ヘテロ環基は、置換されていなくてもよく、あるいは、原子価が許容されるように1つまたはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
【0102】
典型的な単環式ヘテロサイクリル基としては、ピロリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、ジヒドロイソインドリル、およびテトラヒドロキノリニルが挙げられる。
【0103】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環に少なくとも1つのヘテロ原子(O、S、またはN)を有する置換および非置換の芳香族5または6員単環式基および9または10員二環式基を意味し、前記ヘテロ原子を含有する環は、好ましくは、O、S、および/またはNから独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含有する前記ヘテロアリール基の各環は、1もしくは2個の酸素または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含有することができるが、但し、各環におけるヘテロ原子の総数は、4個またはそれ以下であり、各環は、少なくとも1つの炭素原子を有するものとする。二環式基を有する前記縮合環は、芳香族であり、炭素原子のみを含有していてもよい。前記窒素および硫黄原子は、適宜酸化されていてもよく、前記窒素原子は、適宜四級化されていてもよい。二環式ヘテロアリール基は、芳香族環のみを含んでいなければならない。前記ヘテロアリール基は、いずれかの環のいずれの利用可能な窒素または炭素原子に結合していてもよい。前記ヘテロアリール環基は、置換されていなくてもよく、あるいは、原子価が許容されるように1つまたはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
【0104】
典型的な単環式ヘテロアリール基としては、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルが挙げられる。
【0105】
典型的な二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、およびピロロピリジルが挙げられる。
【0106】
用語「スピロカルボ環」、「スピロ炭素環」、または「スピロカルボサイクリル」は、分子部分を共有する炭素環中の炭素原子によって分子部分に結合している炭素環を意味する。
【0107】
用語「スピロヘテロシクロ」、「スピロヘテロ環」、または「スピロヘテロサイクリル」は、分子部分を共有するヘテロ環中の炭素原子によって分子部分に結合しているヘテロ環を意味する。
【0108】
用語「医薬的に許容される塩」は、本明細書中で用いられるように、正当な医学上の判断の範囲内で、合理的な利益/危険の割合に見合うもので、過度の毒性、刺激、アレルギー応答あるいは他の問題または合併症がなく、患者の組織と接触して使用するのに適する化合物、物質、組成物、および/または製剤を意味する。
【0109】
式(I)の化合物は、アモルファス固形物または結晶性固形物として提供することができる。凍結乾燥は、式(I)の化合物をアモルファス固形物として提供するために用いることができる。
【0110】
式(I)の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた本発明の範囲内であるとさらに理解されるべきである。用語「溶媒和物」は、式(I)の化合物と1つまたはそれ以上の溶媒分子との有機または無機のいずれかでの物理的結合を意味する。この物理的結合には、水素結合が含まれる。ある例において、前記溶媒和物は、例えば、1つまたはそれ以上の溶媒分子が結晶性固形物の結晶格子に取り込まれる場合、単離することができる。「溶媒和物」には、液相および分離可能な溶媒和物の両方が包含される。典型的な溶媒和物としては、水和物、エタノラート、メタノラート、イソプロパノラート、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が挙げられる。溶媒和の方法は、当該技術分野で公知である。
【0111】
様々な形態のプロドラッグが当該技術分野で周知であり、
a) The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuth et al., Ch 31, (Academic Press, 1996);
b) Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985);
c) A Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard-Larson and H. Bundgaard, eds. Ch 5, pgs 113 - 191 (Harwood Academic Publishers, 1991); and
d) Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism, Bernard Testa and Joachim M. Mayer, (Wiley-VCH, 2003)
に記載されている。
【0112】
さらに、式(I)の化合物は、それらの調製後、単離し、精製して、99%と同等またはそれ以上の重量の式(I)の化合物(「実質的に純粋な」)を含有する組成物を得ることができ、これは、本明細書に記載されるように使用され、または製剤化される。このような「実質的に純粋な」式(I)の化合物もまたは本発明の一部として本明細書に包含される。
【0113】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な精製度で単離し、有効な治療剤に製剤化するのに十分強固である化合物を示すものとされる。本発明は、安定な化合物を具体化したものとされる。
【0114】
「治療上の有効量」は、本発明の化合物のみの量、あるいは本発明化合物の組み合わせの量またはTNFαの阻害剤として作用するのに有効であるか、あるいは自己免疫および/または炎症性病状(例えば、多発性硬化症および関節リウマチ)を治療し、または予防するのに有効である他の活性成分と組み合わせた本発明化合物の量を含むものとされる。
【0115】
本明細書で用いられるように、「治療する」または「治療」は、哺乳類、特に、ヒトにおける病状の治療を網羅し、(a)前記病状を、特に、このような哺乳類が病状に罹りやすいが、罹っているとまだ診断されていない場合、哺乳類において生じることを抑えること;(b)前記病状を阻害すること、すなわち、その発症を停止させること;および/または(c)前記病状を緩和すること、すなわち、前記病状の退縮を生じることを含む。
【0116】
本発明の化合物には、本発明化合物中に存在する原子の全ての同位体が含まれるものとされる。同位体には、同一の原子番号であるが異なる質量数を有する原子が含まれる。一般的な例示であって限定するものではないが、水素の同位体には、重水素(D)およびトリチウム(T)が含まれる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが含まれる。同位体標識された本発明の化合物は、一般に、当業者に公知の慣用的な技術、または、他に用いられる標識されていない試薬の代わりに適当な同位体標識された試薬を用いて、本明細書に記載の方法に類似する方法によって調製することができる。例えば、メチル(−CH)には、重水素化メチル基(例えば、−CD)も含まれる。
【0117】
式(I)による化合物は、治療される状態に適した方法によって投与することができ、部位特異的な治療または送達されるべき式(I)の化合物の量についての必要性に依存しうる。
【0118】
式(I)の化合物、ならびに1つまたはそれ以上の非毒性の医薬的に許容される担体および/または希釈剤および/または補助剤(本明細書では、「担体」物質とも総称される)を含み、必要であれば、他の活性成分を含む医薬組成物の1クラスが本発明内に包含される。式(I)の化合物は、いずれの適当な経路により、好ましくは、このような経路に適合された医薬組成物の形態で、かつ目的とする治療に有効な用量で投与されてもよい。本発明の化合物および組成物は、例えば、従来の医薬的に許容される担体、補助剤、およびベヒクルを含有する用量単位製剤で経口、粘膜、または非経口(血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、および胸骨内を含む)で投与されてもよい。例えば、前記医薬担体は、マンニトールまたは乳糖および微結晶セルロースの混合物を含有していてもよい。該混合物は、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)および崩壊剤(例えば、クロスポビドン)などのさらなる成分を含有していてもよい。前記担体混合物は、ゼラチンカプセルに充填されるか、錠剤として圧縮されてもよい。前記医薬組成物は、例えば、経口製剤または吸入剤として投与されてもよい。
【0119】
経口投与においては、前記医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、液体カプセル、懸濁液、または液体の形態であってもよい。前記医薬組成物は、好ましくは、特定量の活性成分を含有する用量単位の形態で調製される。例えば、前記医薬組成物は、約0.1〜1000mg、好ましくは、約0.25〜250mg、より好ましくは、約0.5〜100mgの範囲の活性成分の量を含む錠剤またはカプセルとして提供されてもよい。ヒトまたは他の哺乳類に対する適する1日の用量は、患者の状態および他の因子によって広範囲で変動しうるが、通常の方法を用いて決定することができる。
【0120】
本発明に包含される医薬組成物のいずれも、例えば、許容され、適切な経口製剤により経口で送達することができる。典型的な経口製剤としては、以下に限定されないが、例えば、錠剤、トローチ、トローチ剤、水性および油性懸濁液、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳濁液、硬および軟カプセル剤、液体カプセル剤、シロップ、およびエリキシル剤が挙げられる。経口投与のための医薬組成物は、経口投与のための医薬組成物を製造するための当技術分野で周知の方法のいずれかにより製造することができる。医薬的に口当たりの良い製剤を提供するために、本発明による医薬組成物は、甘味料、香料、着色剤、鎮痛剤、抗酸化剤、および保存剤から選択される少なくとも1つの薬剤を含有しうる。
【0121】
錠剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、錠剤の製剤に適する少なくとも1つの非毒性の医薬的に許容される賦形剤と混合することによって調製することができる。典型的な賦形剤としては、以下に限定されないが、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、およびリン酸ナトリウムなど;顆粒剤および崩壊剤、例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、およびアルギン酸など;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、およびアラビアゴムなど;ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクが挙げられる。さらに、錠剤は、コーティングされていないか、あるいは公知技術によりコーティングされて、不快な味覚の薬物の悪い味をマスクするか、または胃腸管における活性成分の崩壊および吸収を遅らせて活性成分の効果を長期間にわたって持続させうる。典型的な水可溶性味覚マスキング物質としては、以下に限定されないが、ヒドロキシプロピル−メチルセルロースおよびヒドロキシプロピル−セルロースが挙げられる。典型的な遅延物質としては、以下に限定されないが、エチルセルロースおよび酢酸酪酸セルロースが挙げられる。
【0122】
硬ゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの不活性固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;およびカオリンなどと混合することによって調製することができる。
【0123】
軟ゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの水可溶性担体、例えば、ポリエチレングリコールなど;および少なくとも1つの油性媒体、例えば、落花生油、液体パラフィン、およびオリーブオイルなどと混合することによって調製することができる。
【0124】
水性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、水性懸濁液の製造に適する少なくとも1つの賦形剤と混合することによって調製することができる。水性懸濁液の製造に適する典型的な賦形剤としては、以下に限定されないが、例えば、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニル−ピロリドン、タラカントガム、およびアラビアゴム;分散剤または湿潤剤、例えば、天然に存在するリン脂質、例えば、レシチン;アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート;エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール類との縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール;エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから生じる部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;ならびにエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から生じる部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。水性懸濁液はまた、少なくとも1つの保存剤、例えば、エチルおよびn−プロピル p−ヒドロキシベンゾエート;少なくとも1つの着色剤;少なくとも1つの香料;および/または少なくとも1つの甘味料(以下に限定されないが、例えば、ショ糖、サッカリン、およびアルパルテームを含有しうる。
【0125】
油性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、植物油(例えば、落花生油;オリーブオイル;ゴマ油;およびココナッツ油);または鉱油(例えば、液体パラフィン)中に懸濁させることにより調製することができる。油性懸濁液はまた、少なくとも1つの増粘剤、例えば、蜜蝋;固形パラフィン;およびセチルアルコールを含有しうる。口当たりの良い油性懸濁液を提供するために、上記に記載の少なくとも1つの甘味料および/または少なくとも1つの香料が油性懸濁液に添加されうる。油性懸濁液は、少なくとも1つの保存剤(以下に限定されないが、例えば、抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびアルファ−トコフェロールを含む)を含有しうる。
【0126】
分散性散剤および顆粒剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの散剤および/または湿潤剤;少なくとも1つの懸濁化剤;および/または少なくとも1つの保存剤と混合することによって調製することができる。適する散剤、湿潤剤、および懸濁化剤は、すでに上記に記載されているとおりである。典型的な保存剤としては、以下に限定されないが、例えば、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸が含まれる。さらに、分散性散剤および顆粒剤もまた、少なくとも1つの賦形剤(以下に限定されないが、 例えば、甘味料;香料;および着色剤を含む)を含有しうる。
【0127】
少なくとも1つの式(I)の化合物の乳濁液は、例えば、水中油型乳濁液として調製することができる。式(I)の化合物を含む前記乳濁液の油相は、公知の手法で公知の成分から構成されうる。前記油相は、下記に限定されないが、例えば、植物油、例えば、オリーブオイルおよび落花生油;鉱油、例えば、液体パラフィン;およびこれらの混合物によって提供されうる。前記相は、乳化剤のみを含みうるが、少なくとも1つの乳化剤と脂肪もしくは油との混合物または脂肪および油の両方と混合物を含みうる。適する乳化剤としては、以下に限定されないが、例えば、天然に存在するリン脂質、例えば、大豆レシチン;脂肪酸およびヘキシトール無水物から生じるエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート;ならびに部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定化剤として作用する親油性乳化剤とともに含まれる。油と脂肪の両方を含むことも好ましい。同時に、安定化剤を含むか、または含まない乳化剤は、いわゆる、乳化蝋を形成し、油と脂肪を含む蝋は、いわゆる、乳化軟膏基剤(クリーム製剤の油で分散する相を形成する)を形成する。乳濁液はまた、甘味料、香料、保存剤、および/または抗酸化剤を含有することができる。本発明の製剤における使用に適する乳化剤および乳化安定化剤としては、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリンのみ、またはこれらのワックスを含むもの、あるいは当該技術分野で周知の他の物質が挙げられる。
【0128】
式(I)の化合物は、例えば、医薬的に許容され、適する注射形態により静脈内、皮下、および/または筋肉内で送達することもできる。典型的な注射形態としては、以下に限定されないが、例えば、許容可能なベヒクルおよび溶媒を含む無菌水溶液、例えば、水、リンガー溶液、および等張食塩水溶液;無菌水中油型マイクロエマルション;および水性もしくは油性懸濁液が挙げられる。
【0129】
非経口投与のための製剤は、水性もしくは非水性等張無菌注射溶液または懸濁液の形態でありうる。これらの溶液および懸濁液は、経口投与のための製剤における使用のために記載される1つまたはそれ以上の担体または希釈剤を用いて、あるいは他の適する分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、無菌散剤または顆粒剤から調製されうる。前記化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガントガム、および/または様々な緩衝液に溶解されうる。他の補助剤および投与様式は、医薬分野において十分に広く公知である。前記活性成分はまた、適する担体(生理食塩水、デキストロース、または水を含む)を含むか、あるいはシクロデキストリン(すなわち、Captisol)、共溶媒可溶化(すなわち、プロピレングリコール)またはミセル可溶化(すなわち、Tween 80)を含む組成物として注射によって投与されうる。
【0130】
無菌注射製剤はまた、非毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。用いられうる許容可能なベヒクルおよび溶媒として、水、リンガー溶液、および等張食塩水溶液が挙げられる。さらに、無菌の固定油は、従来技術を用いて、溶媒または懸濁媒体として用いられる。このため、合成モノもしくはジグリセリドを含む混合した固定油が用いられうる。また、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能な製剤の調製に用いられる。
【0131】
無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルションは、例えば、1)少なくとも1つの式(I)の化合物を、油相、例えば、大豆油およびレシチンの混合物中に溶解させ;2)油相を含有する式(I)を、水およびグリセロール混合物と合わせ;ならびに3)前記組み合わせを処理して、マイクロエマルションを生成することによって調製することができる。
【0132】
無菌の水性もしくは油性懸濁液は、当該技術分野ですでに公知の法に従って調製することができる。例えば、無菌の水溶液または水性懸濁液は、非毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒(例えば、1,3−ブタンジオール)を用いて調製することができ;無菌の油性懸濁液は、無菌の非毒性の許容可能な溶媒または懸濁媒体、例えば、無菌の固定油(例えば、合成モノもしくはジグリセリド);および脂肪酸(例えば、オレイン酸)を用いて調製することができる。
【0133】
本発明の医薬組成物で用いられてもよい医薬的に許容される担体、補助剤、およびベヒクルとしては、以下に限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)、例えば、コハク酸d−アルファ−トコフェロールポリエチレングリコール1000、医薬製剤で用いられる界面活性剤、例えば、Tween、ポリエトキシル化ヒマシ油、例えば、CREMOPHOR界面活性剤(BASF)、または他の類似のポリマー送達マトリックス、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解液、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、鉛塩、コロイド性シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられる。シクロデキストリン、例えば、アルファ−、ベータ−、およびガンマ−シクロデキストリン、または化学的に改変された誘導体、例えば、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン(2−および3−ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンを含む)、あるいは他の可溶化誘導体もまた、本明細書に記載の式の化合物の送達性を高めるために有効に用いられうる。
【0134】
前記医薬組成物は、式(I)の化合物を含む1つまたはそれ以上の単位製剤を含有することができる包装またはディスペンサー装置で提供することができる。前記包装は、例えば、金属またはプラスチックホイル、例えば、ブリスターパックを含みうる。前記パックまたはディスペンサー装置は、投与のための説明書を添付することができる。
【0135】
本発明の医薬的に活性な化合物は、患者(ヒトおよび他の哺乳類を含む)への投与のための治療剤を調製するための薬学の従来の方法により処理することができる。前記医薬組成物は、従来の医薬的操作、例えば、無菌化にかけてもよく、および/または従来の補助剤、例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液などを含有していてもよい。錠剤およびピルは、腸溶性コーティングを用いてさらに調製することができる。このような組成物はまた、補助剤、例えば、湿潤剤、甘味料、香味料、および香料などを含んでいてもよい。
【0136】
病状を本発明の化合物および/または組成物で治療するための投与される化合物の量および投薬計画は、対象の年齢、体重、性別、医学的状態、疾患のタイプ、疾患の重症度、投与経路および頻度、ならびに用いられる特定の化合物を含む様々な因子による。よって、前記投薬計画は、広く変動しうるが、通常、標準的な方法を用いて決定することができる。1日の用量として、約0.001〜100mg/kg体重、好ましくは、約0.0025〜約50mg/kg体重、最も好ましくは、約0.005〜10mg/kg体重が適切でありうる。前記1日の用量は、1日あたり1〜4回の用量で投与することができる。他の投薬計画として、1週間に1回および2週間に1回の間隔が挙げられる。
【0137】
治療のために、本発明の活性化合物は、通常、示される投与経路に適する1つまたはそれ以上の補助剤と合わされる。経口で投与される場合、前記化合物は、乳糖、ショ糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合され、続いて利便的な投与のために錠剤化またはカプセル化されてもよい。このようなカプセル剤または錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性化合物の分散で供されるような徐放性製剤を含有していてもよい。
【0138】
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含み、適宜、いずれの医薬的に許容される担体、補助剤、およびベヒクルから選択されるさらなる薬剤を含んでいてもよい。本発明の別の組成物は、本明細書に記載の式(I)の化合物またはそのプロドラッグ、および医薬的に許容される担体、補助剤、またはベヒクルを含む。
【0139】
前記医薬組成物は、他の治療薬を含有していてもよく、例えば、医薬製剤の分野で周知な技術などの技術に従って、従来の固形または液体ベヒクルまたは希釈剤、ならびに所望される投与様式に適するタイプの医薬添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤、香料など)を用いることによって製剤化されてもよい。
【0140】
本発明はまた、製品を包含する。本明細書で用いられるように、製品は、下記に限定されないが、キットおよびパッケージを含むものとされる。本発明の製品は:(a)第1の容器;(b)前記第1の容器内に配置される医薬組成物(前記組成物は:本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩形態を含む第1の治療剤を含む);ならびに(c)医薬組成物が(上記に定義されるように)心血管および/または炎症疾患の治療に用いることができることを記載する添付文書を含む。別の態様において、前記添付文書は、前記医薬組成物が(上記で定義されるように)心血管および/または炎症疾患を治療するための第2の治療剤と組み合わせて用いることができることを記載する。前記製品は、さらに;(d)第2の容器(構成要素(a)および(b)は、前記第2の容器内に配置され、構成要素(c)は、前記第2の容器内または外に配置される。第1および第2の容器内に配置されるとは、各容器がその境界内にそのアイテムを保持することを意味する。
【0141】
前記第1の容器は、医薬組成物を保持するために用いられる容器である。この容器は、製造、保存、配送、および/または個別/大量販売のためのものでありうる。
【0142】
第1の容器は、ボトル、瓶、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えば、クリーム製剤用)、または医薬品を製造し、保存し、貯蔵し、または配布するために用いられるいずれの他の容器を包含するものとされる。
【0143】
前記第2の容器は、前記第1の容器、必要に応じて、添付文書を保持するために用いられるものである。前記第2の容器の例としては、以下に限定されないが、箱(例えば、ボール紙またはプラスチック製)、木箱、カートン、バッグ(例えば、紙またはプラスチック製バッグ)、ポーチ、および袋が挙げられる。前記添付文書は、テープ、接着剤、ステープル、または別の結合方法により、第1の容器の外側に物理的に接着されているか、あるいは第1の容器への物理的な結合方法によらず、第2の容器の内側に配置することができる。あるいは、前記添付文書は、第2の容器の外側に配置される。第2の容器の外側に配置される場合、添付文書は、テープ、接着剤、ステープル、または別の結合方法により物理的に結合されることが好ましい。あるいは、前記添付文書は、物理的に結合することなく前記第2の容器の外側に結合させ、または接着させることができる。
【0144】
前記添付文書は、前記第1の容器内に配置される医薬組成物に関する情報を記載するラベル、タグ、マーカーなどである。記載される前記情報は、通常、前記製品が販売される地域を統括する規制当局(例えば、アメリカ食品医薬品局)によって決定される。1の実施態様において、前記添付文書は、前記医薬組成物が認可された表示を具体的に記載する。前記添付文書は、その中またはその上に含まれる情報を読むことができる物質から構成されうる。例えば、前記添付文書は、所望される情報が掲載されている(例えば、印刷されるか、または添付される)印刷可能な物質(例えば、紙、プラスチック、ボール紙、ホイル、片面粘着紙、またはプラスチックなど)である。
【0145】
有用性
本発明の化合物は、TNFαの活性を調節する。よって、式(I)の化合物は、TNFαの調節に関連する状態を治療するのに有用性を有する。
【0146】
本発明による化合物は、様々なヒト疾患の治療および/または予防に有益である。本発明による化合物は、独立した治療として、または治療上より大きな利益を提供しうる他の療法と組み合わせて有益でありうる。本発明の化合物が利益となりうる疾患としては、炎症および自己免疫疾患、神経および神経変性疾患、疼痛性および侵害受容性疾患、心血管疾患、代謝性疾患、眼疾患、および腫瘍性疾患が挙げられる。
【0147】
炎症および自己免疫疾患としては、全身性自己免疫疾患、自己免疫内分泌疾患、および器官特異的自己免疫疾患が挙げられる。全身性自己免疫疾患としては、全身性エリテマトーデス、乾癬、乾癬性関節症、血管炎、多発性筋炎、強皮症、多発性硬化症、全身性強皮症、強直性脊椎炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、非特異性炎症関節炎、若年性炎症関節炎、若年性特発性関節炎(その少数関節型および多関節型を含む)、慢性疾患の貧血、スチル病(若年性および/または成人)、ベーチェット病およびシェーグレン症候群が挙げられる。自己免疫内分泌疾患としては、甲状腺炎が挙げられる。器官特異的自己免疫疾患としては、アジソン病、溶血性もしくは悪性貧血、急性腎傷害、糖尿病性腎障害、閉塞性尿路疾患(シスプラチン誘発性閉塞性尿路疾患を含む)、糸球体腎炎(グッドパスチャー症候群、免疫複合体介在性糸球体腎炎、および抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連性糸球体腎炎を含む)、ループス腎炎、微小変化型ネフローゼ症候群、グレーブス病、突発性血小板減少性紫斑病、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、未定大腸炎、および嚢炎を含む)、天疱瘡、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性間質性肺炎、自己免疫性心臓炎、重症筋無力症、自然不妊症、骨粗鬆症、骨減少症、びらん性骨疾患、軟骨炎、軟骨変性および/または破壊、線維性障害(肝臓および肺の線維症の様々な形態を含む)、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、呼吸窮迫症候群、敗血症、発熱、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィーを含む)、および臓器移植拒絶反応(腎臓同種移植拒絶反応を含む)が挙げられる。
【0148】
神経および神経変性疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、虚血、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、頭部外傷、てんかん発作、およびてんかんが挙げられる。
【0149】
心血管疾患としては、血栓症、心臓の肥大化、高血圧症、心臓の不規則な収縮(例えば、心不全時)、および心筋梗塞が挙げられる。
【0150】
代謝性疾患としては、糖尿病(インスリン依存型糖尿病および若年性糖尿病を含む)、脂質異常症、メタボリックシンドロームが挙げられる。
【0151】
眼性疾患としては、網膜症(糖尿病性網膜症、増殖性網膜症、非増殖性網膜症、および未熟児の網膜症を含む)、黄斑浮腫(糖尿病性黄斑浮腫を含む)、加齢性黄斑変性症、血管新生(角膜血管新生および新血管新生を含む)、網膜静脈閉塞症、ならびに様々な型のブドウ膜炎および角膜炎が挙げられる。
【0152】
急性もしくは慢性でありうる腫瘍性疾患としては、増殖性疾患、特に、癌、および癌に付随する合併症(骨格合併症、悪液質、および貧血を含む)が挙げられる。癌の特定のカテゴリーとしては、血液悪性腫瘍(白血病およびリンパ腫を含む)および非血液悪性腫瘍(固形腫瘍癌、肉腫、髄膜腫、多形神経膠芽腫、神経芽細胞腫、メラノーマ、胃癌、および腎細胞癌を含む)が挙げられる。慢性白血病は、骨髄性もしくはリンパ系でありうる。
【0153】
1の実施態様は、自己免疫および炎症疾患;神経および神経変性疾患;疼痛および侵害受容性疾患;心血管疾患;代謝性疾患;眼性疾患;および腫瘍性疾患から選択される疾患の治療方法であって、治療を必要とする哺乳類に、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする方法を提供する。好ましくは、前記患者は、ヒトである。例えば、疾患を治療するための治療上の有効量は、本実施態様の方法で投与されてもよい。
【0154】
1の実施態様は、TNFα活性に関連する疾患もしくは障害の治療方法であって、治療を必要とする哺乳類患者に、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする方法を提供する。好ましくは、前記患者は、ヒトである。例えば、疾患を治療するための治療上の有効量は、本実施態様の方法で投与されてもよい。
【0155】
1の実施態様は、治療における使用のための式(I)の化合物を提供する。本実施態様において、治療における使用には、治療上の有効量の式(I)の化合物の投与が含まれうる。
【0156】
本発明はまた、アレルギー性疾患および/または自己免疫および/または炎症疾患の治療剤または予防剤の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。本実施態様において、薬剤の製造のための使用には、アレルギー性疾患および/または自己免疫および/または炎症疾患の治療または予防のための治療上の有効量の式(I)の化合物の投与が含まれうる。
【0157】
本発明はまた、癌の治療剤の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。本実施態様において、薬剤の製造のための使用には、癌の治療または予防のための治療上の有効量の式(I)の化合物の投与が含まれうる。
【0158】
本発明は、新規な薬剤の研究または新規な生物学的アッセイの開発における薬理学的ツールとしての式(I)の化合物の使用を提供する。1の実施態様において、式(I)の化合物は、放射性リガンドとして有用であるか、あるいはフルオロフォアに結合され、薬理学的に活性な化合物を同定するためのアッセイで有用でありうる。
【0159】
1の実施態様において、式(I)の化合物は、TNF誘導HEK−Blueアッセイによって測定されるように、10μM以下(例えば、0.001〜10μM)のIC50値でTNFαの機能活性を阻害する。好ましくは、式(I)の化合物は、1μM以下(例えば、0.001〜1μM)のIC50値でTNFαの機能活性を阻害する。他の好ましい化合物は、100nMおよびそれ以下(例えば、1〜100nM)のIC50値でTNFαの機能活性を阻害する。。
【0160】
式(I)の化合物の例は、下記の「実施例」項目で特定されるように、下記に記載のアッセイのうちの1つまたはそれ以上で試験されている。
【0161】
製造方法
本発明の化合物は、有機化学の当業者に利用可能な多くの方法によって合成されてもよい。本発明の化合物を調製するための一般的な合成スキームが下記に記載されている。これらのスキームは例示であって、当業者が本明細書に開示の化合物を調製するために用いうることができる技術を限定することを意味するものではない。本発明の化合物を調製するための異なる方法は当業者にとって自明である。さらに、合成における様々な工程は、所望化合物を得るために別の順序で実施されてもよい。一般的なスキームに記載の方法によって調製される本発明の化合物の例は、下記に説明される調製および実施例の項目で付与される。ホモキラル実施例の調製は、当業者に公知の技術によって行われてもよい。例えば、ホモキラル化合物は、キラル相プレパラティブHPLCによるラセミ生成物の分割によって調製されてもよい。あるいは、実施例化合物は、鏡像異性体に富んだ生成物を付与することが公知の方法によって調製されてもよい。
【0162】
この項目に記載の反応および技術は、用いられる試薬および物質に適当な溶媒中に行われ、もたらされる変換に適するものである。また、下記に記載の合成方法において、全ての推奨される反応条件(溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワークアップ手順を含む)は、反応に標準的な条件であるように選択されることが理解されるべきであって、当業者によって容易に認識されるべきである。分子の様々な部分に存在する官能基は、水晶される試薬および反応に適合するはずであることは、有機合成の当業者によって理解される。反応条件に適合する置換基に対するこのような制限は、当業者にとって自明であり、別の方法が用いられるべきである。これは、本発明の所望化合物を得るために、合成工程の順番を変更するか、または別のスキームから1つの特定の方法スキームを選択する判断を要する場合がある。この分野における合成経路の計画時の別の主な検討事項が本発明に記載の化合物に存在する反応性官能基の保護のために用いられる保護基の賢明な選択であることも理解される。熟練した研究者による多くの代替を記載する権威ある説明は、Greeneらの文献(Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, Wiley and Sons (1999))に記載されている。
【0163】
スキーム1(図6)は、タイプ6および8化合物の一般的な合成を示す。フルオロニトロ化合物1をラクタム化合物2のアニオンと反応させ、典型的に、DMF中のNaHで調製子、カップリング生成物3を供することができる。化合物3におけるニトロ基を酢酸中の鉄粉などの条件を用いて還元させて、アニリン化合物4を生成することができる。高温で酢酸などの酸性条件を用いて、化合物4の環化を生じさせて、イミダゾール生成物5を生じさせることができる。化合物5のブロモ基を使用して、文献で十分に確立された合成プロトコールを用いることによりアリール、ヘテロアリール、アルキル、O−置換、またはN−置換基を組み込むことができる。例えば、ボロン酸またはエステル化合物を用いるスズキ−ミヤウラクロスカップリング反応により、アリールおよびヘテロアリール基(Chem. Soc. Rev. 2013, 42, 5270)を取り込ませて、化合物6を生成することができる。あるいは、化合物5のブロミド基を、ビス(ピナコラクト)ジボロンを用いるパラジウム介在反応によりボロネート化合物(7)に変換することができる。化合物7は、容易に利用可能なアリールまたはヘテロアリールハライド化合物を用いるスズキ−ミヤウラクロスカップリング反応を経て、化合物6を生じることができる。OおよびN置換類似体8は、ブッフワルド・ハートウィッグプロトコールを用いてブロミド化合物5から合成することができる(Aldrichimica Acta 2012, 45, 59 and Synlett 2011, 268)。また、アルキル基を、グレゴリー・フ改変スズキ−ミヤウラクロスカップリング反応を用いて化合物5に取り込むことができる(J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 13662およびJ. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 1340)。
【0164】
ラクタム出発物質2(スキーム1)への一般的な合成経路をスキーム2(図7)に示す。環状イミド化合物10へのグリニャール付加、続いて得られたアミナール化合物のインシチュー還元により、γ−ラクタム化合物11のシス異性体を供することができる(J. Organometallic Chem. 2001, 624, 244)。対応するトランス異性体を合成するために、コハク酸イミド化合物10を最初に水素化ホウ素ナトリウムで還元し、続いて酸性条件下にてエタノールで処理して、ヘミアミナール化合物12を供することができる。次いでグリニャール試薬と、典型的には、高温で反応させて、γ−ラクタム化合物13のトランス異性体を供することができる。
【0165】
コハク酸イミド化合物10のいくつかは、市販品として入手可能であるか、あるいは十分に実証されている条件を用いて市販品として入手可能なコハク酸無水物9から調製することができる。多くの官能基を有するコハク酸イミドまたはコハク酸無水物は、報告されているシクロプロパン化反応(Chem. Soc. Rev. 2012, 41, 4631)、光[2+2]環化付加反応(Org. React. 1993, 44, 297)、トリメチレンメタンおよびその合成等価物を用いる[3+2]環化反応(Org. React. 2004, 61, 1)またはディールス・アルダー環化付加(e-EROS Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis 2001, DOI: 10.1002/047084289X.rm012)を用いて、無水マレイン酸またはマレイミド化合物から合成することができる。
【0166】
化合物11および13の類似体σおよびε−ラクタムの合成は、対応する環状無水物または環状イミド化合物からスキーム2と同様の合成手順を用いて達成することができ、文献で報告されている条件に従って調製することができる(例えば、J. Org. Chem. 1989, 54, 4335; J. Chem. Soc. 1958, 4097; J. Chem. Soc. 1953, 3002; J. Chem. Soc. Perkin Trans. I 1973, 2671; J. Org. Chem. 1997, 42, 118)。
【0167】
スキーム3(図8)は、タイプ23の化合物の一般的な合成を示す。適当な反応基を有するアルデヒドまたはケトン化合物14を、エルマンプロトコールを用いてアミン化合物に変換すること(Chem. Rev. 2010, 110, 3600)、すなわち、スルフィンアミドイミン生成により化合物15を生成し、グリニャール反応により化合物16を生じ、酸加水分解により化合物17を生成することができる。該アミン化合物17をオルト−フルオロニトロ化合物1と反応させて、生成物18を得ることができる。化合物18およびアルデヒド化合物19をSnClで処理して、1ステップでイミダゾール化合物20を生成することができる(Tetrahedron Lett. 2000, 41, 9871)。フタリル保護基を加水分解し、得られたアミン化合物21を亜硝酸イソアミルで処理してインシチューでジアゾ中間体化合物が生成し、オレフィン部分によるロジウム触媒シクロプロパン化を経て、化合物22を生成することができる(J. Org. Chem. 2001, 66, 8260)。化合物22を、スキーム1における化合物について記載のプロトコールを用いてアリール、ヘテロアリール、アルキル、O−置換およびN−置換類似体23に変換することができる。
【0168】
略語
DCC 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
mmol ミリモル
NMR 核磁気共鳴分光法
NHOAc 酢酸アンモニウム
PdCl(dppf)
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0169】
実施例
下記実施例は、本発明の特定の好ましい実施態様を示し、本発明の範囲を限定するものではない。化学的な略語および記号、ならびに科学的な略語および記号は、特に示されていなければ、それらの通常および慣用的な意味を有する。本願の実施例およびその他の箇所で用いられているさらなる略語は上記で定義されている。共通の中間体は、一般に、1つ以上の実施例の調製に有用であり、連続的に記載され(例えば、中間体1、中間体2など)、Int.1、Int.2などと略される。実施例の化合物は、それらが調製された実施例およびステップによって同定され(例えば、「1−A」は、実施例1のステップAを意味する)、あるいは化合物が実施例の表題化合物である場合のみの実施例によって同定される(例えば、「1」は、実施例1の表題化合物を示す)。ある例においては、中間体または実施例化合物の別の調製が記載されている。合成化学の当業者は、反応時間の短さ、より安価な出発物質、操作の簡便性、触媒への適性、毒性試薬の回避、特殊な器具の利用性、および同等ステップの減少などの1つまたはそれ以上の検討事項に基づいて望ましい別の調製方法を考え出しうる。別の調製方法を記載する目的は、本発明の実施例化合物をさらなる調製を可能にすることである。ある例において、示される実施例および特許請求の範囲におけるある官能基は、当該技術分野で公知の周知な生物学的等価性の置換、 例えば、カルボン酸基のテトラゾールまたはリン酸部分への置換によって置き換えられてもよい。
【0170】
方法A(LCMS):カラム:Waters Acquity UPLC BEH C18、 2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.05% TFAを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.05% TFAを含有);温度:50℃;グラジエント:2−98% Bで1分間、続いて98% Bで0.5分保持;流速:0.80mL/分.生成物は陽性イオン化モードで220nm波長で検出した。
方法B(LCMS):カラム:Waters Acquity UPLC BEH C18、 2.1x50mm、 1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);温度:50℃;グラジエント:0−100% Bで3分間、続いて100% Bで0.75分保持;流速:1.0mL/分.生成物は陽性イオン化モードで220nm波長で検出した。
方法C(HPLC):カラム:Phenomenex Kinetex、C18(2.1x50)mm、2.6ミクロン;移動相A:10:90 アセトニトリル:水(0.1% TFAを含有);移動相B:90:10 アセトニトリル:水(0.1% TFAを含有); グラジエント:0−100% Bで1.5分間、続いて100% Bで0.5分保持;流速:1mL/分.
方法D(HPLC):カラム:YMC CombiScreen ODS−A S5 (4.6x50)mm;移動相A:10:90 アセトニトリル:水(0.1% TFAを含有);移動相B:90:10 アセトニトリル:水(0.1% TFAを含有);グラジエント:0−100% Bで4分間、続いて100% Bで1分保持;流速:4mL/分.
【0171】
実施例1
rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)
プロパン−2−オール
【化5】
(1)
中間体1A:rac−(1R,4R,5S)−4−(2−メトキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン
【化6】
(1A)
1−ヨード−2−メトキシベンゼン(5.48g,23.4mmol)を、窒素下において−20℃でイソプロピルマグネシウムクロリド−塩化リチウム複合体(18mL,23.4mmol)の攪拌1.3M THF溶液に加えた。秤量バイアルを、THF(3mL)ですすぎ、該すすいだ物を該溶液に加えた。該混合物を−20℃で45分間、続いて周囲温度で2時間攪拌した。この新たに調製したグリニャール試薬を、−10℃で3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(1g,9mmol)のTHF(20mL)懸濁液にカニューレにより加えた。グリニャール試薬を調製したフラスコをTHF(5mL)ですすぎ、該すすいだ物を該懸濁液に加えた。生じた混合物を周囲温度で1時間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.02g,16.2mmol)を加え、続いて1.5M 塩酸(30mL)を滴下して加えた。該懸濁液を、Hの放出とともにゆっくり溶解させた。生じた混合物を周囲温度で終夜攪拌した。該水層を分離し、EtOAcで抽出した(2x10mL)。有機層を合わせて、濃縮した。粗製物質をISCOにより精製して(40gのシリカゲルカートリッジ、0−10% MeOH/CHCl)、表題化合物を白色結晶固形物として得た(1.69g,収率93%)。LCMS(方法A):保持時間=0.68分、m/z=204(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.34-7.28 (m, 2H), 6.98 (td, J=7.5, 0.7 Hz, 1H), 6.93-6.90 (m, 1H), 5.46 (br. s., 1H), 5.21 (d, J=5.6 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.36-2.29 (m, 1H), 1.98-1.91 (m, 1H), 1.02 (ddd, J=8.6, 7.7, 5.0 Hz, 1H), 0.77-0.72 (m, 1H).
【0172】
中間体1B:rac−(1R,4R,5S)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−メトキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン
【化7】
(1B)
rac−(1R,4R,5S)−4−(2−メトキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(1.69g,8.33mmol)のDMF(20mL)溶液を、室温でNaH(0.366g,9.16mmol,鉱油中で60%懸濁液)に加えた。該秤量バイアルをDMF(5mL)ですすぎ、該混合物に加えた。40分後、固形1−ブロモ−2,5−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(2.17g,9.11mmol)を該懸濁液に加えた。該秤量バイアルをDMF(10mL)ですすぎ、該混合物に加えた。生じた暗褐色溶液をN下で65℃に2.5時間加熱した。LCMS分析により、該反応が約2/3完了したことが示された。該混合物を飽和NHCl(40mL)でクエンチし、水(80mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2x60mL)。該EtOAc溶液を濃縮した。粗製物質をISCOにより精製して(12gのシリカゲルカートリッジ、0−100% EtOAc/ヘキサン)、表題化合物を黄色の固形物として得た(1.95g,収率55%)。LCMS(方法A):保持時間=1.00分、m/z=421、423(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.73 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.29-7.24 (m, 1H), 7.22 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.17 (dd, J=7.6, 1.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.83 (t, J=7.5 Hz, 1H), 5.99 (d, J=5.6 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.57-2.49 (m, 1H), 2.16 (ddd, J=8.7, 5.8, 3.2 Hz, 1H), 1.24-1.19 (m, 1H), 1.01 (td, J=8.2, 5.3 Hz, 1H).
【0173】
中間体1C:rac−(1R,4R,5S)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン
【化8】
(1C)
BBr(13.9mL,13.9mmol)の1M CHCl溶液を、N下において0℃でrac−(1R,4R,5S)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−メトキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(1.95g,4.63mmol)の攪拌CHCl(15mL)溶液に加えた。1時間後、該反応混合物を飽和NaHCO(40mL)でクエンチし、CHCl(10mL)で希釈した。さらなる量の固形NaHCOを、泡の形成が止まるまで少しずつ加えた。該二層の混合物を濃縮して、CHClを留去した。生じた水性懸濁液を濾過した。該固形物を水(50mL)で洗浄し、減圧中で乾燥させて、表題化合物(1.88g,収率100%)を褐色の固形物として得た。LCMS(方法A):保持時間=0.88分、m/z=407、409(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.73 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.28-7.26 (m, 1H), 7.20-7.13 (m, 2H), 6.86-6.77 (m, 2H), 6.00 (d, J=5.6 Hz, 1H), 5.15 (s, 1H), 2.61-2.53 (m, 1H), 2.19 (ddd, J=8.7, 5.8, 3.1 Hz, 1H), 1.30-1.23 (m, 1H), 1.04 (td, J=8.2, 5.3 Hz, 1H).
【0174】
中間体1D:rac−(1R,4R,5S)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン
【化9】
(1D)
水(1.5mL)中のKOH(1.5g,26.7mmol)の溶液を、−20℃でrac−(1R,4R,5S)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(1.7g,4.17mmol)の攪拌MeCN(15mL)懸濁液に加えた。該懸濁液はゆっくり褐色溶液となった。5分後、ジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホネート(2.23g,8.35mmol)を加えた。該秤量バイアルをMeCN(3mL)ですすぎ、加えた。反応温度を−20〜0℃で30分間、続いて周囲温度で1.5時間保ち、1M 塩酸(26mL)でクエンチした。EtOAc(20mL)で希釈し、有機層を分離し、濃縮した。粗製物質をISCOにより精製して(4gシリカゲルカートリッジ、0−100% EtOAc/ヘキサン)、表題化合物を褐色の油状物として得た(1.22g,収率64%)。LCMS(方法A):保持時間=1.00分、m/z=457、459(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.74 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.36-7.30 (m, 2H), 7.25 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.12 (t, J=7.5 Hz, 1H), 6.92-6.53 (m, 1H), 5.99 (d, J=5.6 Hz, 1H), 2.56-2.48 (m, 1H), 2.21 (ddd, J=8.8, 5.9, 3.2 Hz, 1H), 1.25-1.20 (m, 1H), 1.07-1.00 (m, 1H).
【0175】
中間体1E:rac−(1aR,8R,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化10】
(1E)
rac−(1R,4R,5S)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン(1.22g,2.67mmol)および鉄粉(1.488g,26.7mmol)の酢酸(25mL)懸濁液を、密封バイアル内において120℃で2時間攪拌した。粗製物質を、シリカゲルの短ベッドに通して濾過して、大半の該鉄塩を除去した。該ベッドを10% MeOH−CHClですすいだ(3x25mL)。濾液を合わせて、濃縮した。粗製物質をISCOにより精製して(40gのシリカゲルカートリッジ、0−10% MeOH/CHCl)、表題化合物(0.84g,収率77%)を褐色の固形物として得た。LCMS(方法A):保持時間=0.88分、m/z=409、411(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.48-7.41 (m, 2H), 7.29-7.27 (m, 1H), 7.20 (td, J=7.6, 0.9 Hz, 1H), 6.96 (d, J=6.0 Hz, 1H), 6.93-6.53 (m, 2H), 5.92 (d, J=5.9 Hz, 1H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.67 (ddd, J=8.3, 6.1, 3.7 Hz, 1H), 1.20 (td, J=8.2, 5.7 Hz, 1H), 0.92-0.85 (m, 1H).
【0176】
実施例1:
実施例1(6.5mg,0.016mmol)、2−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(8.4mg,0.032mmol)、PdCl(dppf)−CHCl付加物(1.3mg,1.6μmol)、および2M KPO溶液(0.024mL,0.048mmol)の攪拌ジオキサン(0.5mL)溶液を、真空−N再充填サイクルにより2回脱気した。該密封チューブを95℃で40分間加熱した。粗製物質をISCOにより精製して(4gシリカゲルカートリッジ、0−100% EtOAc/ヘキサン)、表題化合物(3.9mg,収率50%)を得た。LCMS(方法A):保持時間=0.77分、m/z=467(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.79 (d, J=1.6 Hz, 2H), 7.56 (d, J=11.1 Hz, 1H), 7.47-7.40 (m, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.18 (td, J=7.6, 0.8 Hz, 1H), 6.94-6.54 (m, 3H), 6.00 (d, J=5.9 Hz, 1H), 4.63 (s, 1H), 3.11-3.02 (m, 1H), 2.72 (ddd, J=8.3, 6.1, 3.7 Hz, 1H), 1.62 (s, 6H), 1.25-1.21 (m, 1H), 0.96-0.90 (m, 1H).
【0177】
実施例2
2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化11】
(2)
中間体2A:(1aR,8R,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化12】
(2A)
中間体1Aであるrac−(1aR,8R,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(0.84g)を、プレパラティブキラルSFCにより2種類のエナンチオマーに分離した(Luxセルロール−4 3x25cm、5μm、78:22 CO2/MeOH、160mL/分、100bars、40℃)。該(1aR,8R,8aS)−異性体を第1溶出のエナンチオマーとして得た(0.29g,収率34%)。分析キラルSFC(Luxセルロース−4 0.46x25cm、5μm、70:30 CO2/MeOH、3mL/分、100bars、40℃):保持時間=2.70分(99.6%e.e.);LCMS(方法A):保持時間=0.88分、m/z=409、411(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.49-7.39 (m, 2H), 7.30-7.15 (m, 2H), 6.94 (d, J=6.0 Hz, 1H), 6.92-6.53 (m, 2H), 5.91 (d, J=5.9 Hz, 1H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.67 (ddd, J=8.3, 6.1, 3.6 Hz, 1H), 1.20 (td, J=8.2, 5.9 Hz, 1H), 0.92-0.84 (m, 1H). 該(1aS,8S,8aR)−異性体は、第2溶出のエナンチオマーであった(0.27g,32%)。分析キラルSFC(Luxセルロース−4 0.46x25cm、5μm、70:30 CO2/MeOH、3mL/分、100bars、40℃):保持時間=3.37分(98.1%e.e.);LCMS(方法A):保持時間=0.88分、m/z=409,411(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.50-7.41 (m, 2H), 7.29-7.27 (m, 1H), 7.20 (td, J=7.6, 0.9 Hz, 1H), 6.96 (d, J=6.0 Hz, 1H), 6.93-6.53 (m, 2H), 5.91 (d, J=5.7 Hz, 1H), 3.08-2.98 (m, 1H), 2.67 (ddd, J=8.3, 6.2, 3.7 Hz, 1H), 1.20 (td, J=8.2, 5.8 Hz, 1H), 0.92-0.85 (m, 1H).
【0178】
実施例2:
該(1aR,8R,8aS)−エナンチオマー(中間体2A,22.8mg,0.056mmol)、2−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール(19.6mg,0.074mmol)、PdCl(dppf)−CHCl付加物(4.6mg,5.6μmol)および2M KPO水溶液(0.084mL,0.167mmol)の攪拌ジオキサン(0.5mL)溶液を、真空−N再充填サイクルにより2回脱気を行った。該密封チューブを95℃で50分間加熱した。室温に冷まし、該反応混合物をISCOにより精製した(0−100% EtOAc/ヘキサン)。所望生成物を含むフラクションを濃縮し、得られた物質をプレパラティブHPLCによりさらに精製した(Xbridge C−18、19x150mm、5μm粒子、移動相A 5:95 アセトニトリル/水(10mM NH4OAcを含有)、移動相B 95:5 アセトニトリル/水(10mM NH4OAcを含有)、グラジエント 28−68% Bで20分間、流速20mL/分)。所望生成物を含むフラクションを遠心蒸発により濃縮して、表題化合物(15.9mg,収率61%)を得た。LCMS(方法B):保持時間=1.726分、m/z=467(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.83 (s, 2H), 7.60 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.54-7.21 (m, 3H), 7.17 (t, J=7.5 Hz, 1H), 6.98 (d, J=6.8 Hz, 1H), 6.78 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.02 (d, J=5.8 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 2.98 (dt, J=12.3, 6.1 Hz, 1H), 2.75-2.68 (m, 1H), 1.48 (s, 6H), 1.24-1.16 (m, 1H), 0.79 (d, J=4.1 Hz, 1H).
【0179】
実施例3
2−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化13】
(3)
表題化合物は、(1aR,8R,8aS)−エナンチオマーを(1aS,8S,8aR)−エナンチオマーに置き換えることにより、実施例2の最後のステップで概略される方法と同一の方法で調製した。LCMS(方法B):保持時間=1.731分、m/z=467(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.84 (s, 2H), 7.62 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.57-7.24 (m, 3H), 7.18 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.00 (d, J=6.8 Hz, 1H), 6.80 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.02 (d, J=5.8 Hz, 1H), 5.09 (s, 1H), 2.98 (quin, J=6.1 Hz, 1H), 2.76-2.70 (m, 1H), 1.49 (s, 6H), 1.25-1.16 (m, 1H), 0.80 (d, J=4.1 Hz, 1H).
【0180】
下記表1の実施例は、適当なボロン酸またはエステル化合物に置き換えて、実施例2に記載の一般的な手順に従って調製した。
表1
【表1】

【0181】
実施例11
rac−(1aR,8S,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化14】
(11)
中間体11A:(E)−N−(2−(ジフルオロメトキシ)ベンジリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化15】
(11A)
無水THF(90mL)中の2−(ジフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(5g,29.0mmol)および2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.70g,30.5mmol)の攪拌溶液に、窒素下において室温でチタニウム(IV)イソプロポキシ(17.20mL,58.1mmol)を加えた。該混合物を70℃で2時間攪拌し、次いで冷ました。食塩水(6mL)、ヘキサン(15mL)、および酢酸エチル(15mL)を0℃で加えた。該混合物をセライトのパッドに通して濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルですすいだ。該濾液の水層を分離し、酢酸エチルで抽出した(3x2mL)。有機溶液を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。ISCOを用いたフラッシュクロマトグラフィー精製により(120gシリカゲルカラム、グラジエント溶離液 ヘキサン中の5〜100%の酢酸エチル)、(E)−N−(2−(ジフルオロメトキシ)ベンジリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(8g,29.1mmol,収率100%)を液体として得た。LCMS(M+H):276;LC保持時間:1.168分(分析HPLC 方法C).
【0182】
中間体11B:1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)プロパ−2−エン−1−アミン
【化16】
(11B)
THF中の1M 臭化ビニルマグネシウム(72.6mL,72.6mmol)の溶液を、窒素下において−78℃で無水DCM(100mL)中の(E)−N−(2−(ジフルオロメトキシ)ベンジリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(8g,29.1mmol)の攪拌溶液に30分かけて滴下して加えた。反応溶液を同一温度で1時間攪拌し、該温度を室温に60分かけてゆっくり昇温した。該混合物を室温で1時間攪拌した。飽和NHCl水溶液(30mL)を0℃で加えて、該反応をクエンチした。水(20mL)およびヘキサン(50mL)を加えた。水層を分離し、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機溶液を合わせて、硫酸ナトリウムでで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、液体を得た。該液体を無水MeOH(60mL)中に溶解させた。次に、HClの4N ジオキサン溶液(18.16mL,72.6mmol)を窒素下において0℃で加えた。反応溶液を室温で1時間攪拌し、続いて濃縮して、メタノールを留去した。残渣をEtOAc(20mL)およびヘキサン(40mL)と混合した。該混合物を水で抽出した(3x10mL)。水溶液を合わせて、NaOHでpH=10まで塩基性にし、EtOAc抽出した(3x20mL)。酢酸エチル抽出物を合わせて、乾燥させ(NaSO)、シリカゲルパッドに通して濾過し、減圧濃縮して、1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)プロパ−2−エン−1−アミン(6g,30.1mmol,収率100%)を液体として得た。LCMS(M+H):200(M−NH):183;LC保持時間:0.738分(分析HPLC 方法C).
【0183】
中間体11C:5−ブロモ−N−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−4−フルオロ−2−ニトロアニリン
【化17】
(11C)
無水DMF(10mL)中の1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)プロパ−2−エン−1−アミン(5.78g,29mmol)の攪拌溶液に、窒素下において室温で4−ブロモ−2,5−ジフルオロニトロベンゼン(6.90g,29.0mmol)およびDIEA(10.13mL,58.0mmol)を加えた。反応溶液を窒素下において110℃で1.5時間攪拌し、続いて冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および水(50mL)を加えて、該反応をクエンチした。該混合物を、DCM(3x10mL)および酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。有機溶液を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。得られた固形物をEtOAcおよびヘキサン中で再結晶化させて、5−ブロモ−N−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−4−フルオロ−2−ニトロアニリン(6.96g)を黄色の固形物として得た。LCMS(M−アニリン化合物):183;LC保持時間:1.472分(分析HPLC 方法C).
【0184】
中間体11D:2−((6−ブロモ−1−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
【化18】
(11D)
5−ブロモ−N−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−4−フルオロ−2−ニトロアニリンの攪拌溶液に、0℃でアンモニア水溶液(2mL)を加えた。水(10mL)およびEtOAc(3mL)を加えた。該固形物を濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を合わせて、分離した。水層をEtOAcで抽出した(3x2mL)。該有機溶液を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製により(12gシリカゲルカラム、グラジエント溶離液 ヘキサン中の5〜100%の酢酸エチル)、不純物を含む2−((6−ブロモ−1−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.087g)を固形物として得た。LCMS(M+H):556,558;LC保持時間:1.318分(分析HPLC 方法C)。該生成物は、さらに精製することなくそのまま使用した。
【0185】
中間体11E:(6−ブロモ−1−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メタンアミン
【化19】
(11E)
上記2−((6−ブロモ−1−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(87mg,0.156mmol)、ヒドラジン水和物(7.59μl,0.156mmol)、および100% EtOH(2mL)の混合物を、85℃で3時間攪拌した。該固形物を濾過して除去した。濾液を逆相HPLCにより精製した(Phen Luna 5u 30x100mm(Axia);溶媒A:10% MeOH:90% HO:0.1% TFA;溶媒B:90% MeOH、10% HO、0.1% TFA)。濃縮し、KCOで塩基性にし、EtOAcで抽出して、(6−ブロモ−1−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メタンアミン(18mg)を得た。LCMS(M+H):426,428;LC保持時間:0.925分(分析HPLC 方法C).
【0186】
実施例11:
【化20】
無水CHCl(4mL)中の(6−ブロモ−1−(1−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アリル)−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メタンアミン(15mg,0.035mmol)およびオクタン酸ロジウム二量体ロジウム(5.48mg,7.04μmol)の攪拌溶液に、窒素下において室温で亜硝酸アミル(5.67μl,0.042mmol)を加えた。該混合物を室温で4時間攪拌した。さらなる量の亜硝酸アミル(5.67μl,0.042mmol)を室温で加え、該反応混合物を室温で6日間攪拌した。該混合物を濃縮した。逆相HPLCを用いて精製して(カラム:C18 Phen Luna S5 ODS 21.20X100mm;溶媒A:95% HO/5% HO/10Mm NHOAc;溶媒B:5% HO/95% H-O/10Mm NHOAc;グラジエント 20%〜100%の溶媒Bで10分間)、凍結乾燥させて、シスおよびトランス生成物を得た。
(1aS,8R,8aR)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(2mg,4.50μmol,収率12.78%):LCMS(M+H):409,411;LC保持時間:1.020分(分析HPLC 方法C);1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.44 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.37 (td, J=7.8, 1.6 Hz, 1H), 7.28-7.22 (m, 1H), 7.12 (td, J=7.6, 1.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J=6.0 Hz, 1H), 6.74 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.70 (t, J=73.0 Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 2.69 (dddd, J=8.3, 6.0, 3.7, 1.2 Hz, 1H), 2.47-2.39 (m, 1H), 1.54-1.47 (m, 1H), 1.01 (dd, J=9.5, 4.3 Hz, 1H)
(1aR,8R,8aS)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(2mg,4.50μmol,収率12.78%):LCMS(M+H):409,411;LC保持時間:1.072分(分析HPLC 方法C);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.49-7.39 (m, 2H), 7.30-7.24 (m, 1H), 7.23-7.17 (m, 1H), 6.95 (d, J=6.1 Hz, 1H), 6.77 (dd, J=7.7, 1.5 Hz, 1H), 6.73 (t, J=73.0 Hz, 1H), 5.91 (d, J=5.9 Hz, 1H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.66 (ddd, J=8.3, 6.2, 3.7 Hz, 1H), 1.19 (td, J=8.2, 5.8 Hz, 1H), 0.91-0.83 (m, 1H).
【0187】
下記表2の実施例化合物は、適当なボロン酸またはエステル化合物に置き換えて、実施例2に記載の一般的な手順に従って調製した。
表2
【表2】

【0188】
実施例20
rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化21】
(20)
実施例2の合成に類似する条件に従って、実施例11の該rac−(1aR,8S,8aS)異性体を実施例20に変換した。LCMS(方法A):保持時間=0.74分、m/z=467(M+H);1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 8.78 (d, J=1.5 Hz, 2H), 7.53 (d, J=11.0 Hz, 1H), 7.39-7.34 (m, 1H), 7.25 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.13 (t, J=7.3 Hz, 1H), 6.89 (d, J=6.6 Hz, 1H), 6.87-6.55 (m, 2H), 5.82 (s, 1H), 4.64 (s, 1H), 2.78-2.72 (m, 1H), 2.49 (dt, J=7.9, 5.2 Hz, 1H), 1.62 (s, 6H), 1.58-1.54 (m, 1H), 1.10-1.04 (m, 1H).
【0189】
実施例21
2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化22】
(21)
中間体21A:(1S,4S,5R)−3−(5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−4−(2−ヒドロキシフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オン
【化23】
(21A)
中間体1C(8.76g)を、プレパラティブキラルSFCにより2種類のエナンチオマーに分割した(Luxセルロース−4 5x25cm、5μm、70:30 CO2/MeOH、300mL/分、100bars、35℃)。該(1S,4S,5R)異性体を第1溶出のエナンチオマー(3.98g,収率45%)として得た。分析キラルSFC(Luxセルロース−4 0.46x25cm、5μm、80:20 CO2/MeOH、3mL/分、140bars、40℃):保持時間=4.773分(>99%e.e.);LCMS(方法A):保持時間=0.88分、m/z=407,409(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.73 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.29-7.26 (m, 1H), 7.20-7.12 (m, 2H), 6.85-6.78 (m, 2H), 6.00 (d, J=5.6 Hz, 1H), 2.61-2.53 (m, 1H), 2.19 (ddd, J=8.7, 5.8, 3.2 Hz, 1H), 1.29-1.23 (m, 1H), 1.04 (td, J=8.1, 5.4 Hz, 1H).
該(1R,4R,5S)異性体を第2溶出のエナンチオマー(3.97g,収率45%)として得た。分析キラルSFC(Luxセルロース−4 0.46x25cm、5μm、80:20 CO2/MeOH、3mL/分、140bars、40℃):保持時間=6.047分(98%e.e.);LCMS(方法A):保持時間=0.88分、m/z=407,409(M+H);1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.73 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.29-7.26 (m, 1H), 7.20-7.12 (m, 2H), 6.85-6.78 (m, 2H), 6.00 (d, J=5.6 Hz, 1H), 2.62-2.53 (m, 1H), 2.19 (ddd, J=8.7, 5.8, 3.2 Hz, 1H), 1.29-1.24 (m, 1H), 1.04 (td, J=8.1, 5.3 Hz, 1H).
【0190】
中間体21B:2−((1aS,8aR)−5−ブロモ−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−8−イル)フェノール
【化24】
(21B)
中間体1Eの合成に類似する条件に従って、中間体21Aを中間体21Bに変換した。LCMS(方法A):保持時間=0.75および0.77分、m/z=359,361(M+H).
【0191】
中間体21C:2−((1aS,8aR)−5−ブロモ−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−8−イル)フェニルホルメート
【化25】
(21C)
中間体21B(200mg,0.557mmol)およびDCC(172mg,0.835mmol)の攪拌CHCl(2mL)懸濁液に、室温でギ酸(0.214mL,5.57mmol)を滴下して加えた。該混合物はゆっくり清澄な溶液となった。該反応物は、わずかに発熱した。該混合物を室温で16時間攪拌した。さらなる量のDCC(172mg)を加え、該混合物をさらに3時間攪拌した。生じた懸濁液を濾過し、該濾液を濃縮した。該粗残渣をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(方法A):保持時間=0.77および0.79分、m/z=387,389(M+H).
【0192】
中間体21D:(1aS,8aR)−5−ブロモ−8−(2−(ジクロロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化26】
(21D)
中間体21C(277.7mg,0.717mmol)およびPCl(226mg,1.085mmol)の1,2−ジクロロエタン(3mL)溶液を、密封した安全バイアルにおいて40℃で3時間加熱した。該粗溶液を飽和NaHCO(20mL)に滴下して加え、CHCl(20mL)で希釈した。生じた混合物を激しく振盪し、二層に分離させた。底部のCHCl溶液を分離し、水(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、生じた残渣をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(方法A):保持時間=0.86および0.92分、m/z=443(M+H).
【0193】
中間体21E:(1aS,8aR)−5−ブロモ−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化27】
(21E)
HF−ピリジン(354μL,4mmol)を、プラスチック製バイアル内の中間体21D(180mg,0.407mmol)に加えた。該混合物を室温で3日間攪拌し、飽和NaHCO(5mL)に滴下して加え、CHCl(10mL)で希釈した。該溶液を、水溶液がpH〜7になるまで飽和NaHCOで洗浄し(3x5mL)、濃縮した。残渣をISCOにより精製して(12gシリカゲルカートリッジ、0−100% EtOAc/ヘキサン)、中間体21E(31.3mg、収率19%(3ステップ))を得た。LCMS(方法A):保持時間=0.83および0.87分、m/z=409,411(M+H).
【0194】
実施例21:
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体21E(19mg,0.046mmol)を実施例21(6.4mg,収率30%)に変換した。これをプレパラティブ逆相HPLCにより(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:20−60% Bで25分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、第1溶出の異性体として単離した。LCMS(方法B):保持時間=1.833分、m/z=467(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (s, 2H), 7.55 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.47-7.11 (m, 5H), 6.91-6.76 (m, 1H), 5.83 (s, 1H), 3.61 (br. s., 1H), 2.72 (br. s., 1H), 1.55-1.45 (m, 7H), 1.02 (d, J=3.9 Hz, 1H).実施例3(8.4mg,収率39%)はまた、第2溶出の異性体として単離した。
【0195】
実施例22
5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピコリンアミド
【化28】
(22)
実施例21の合成に類似する条件に従って、中間体21E(12mg,0.029mmol)を実施例22のTFA塩(2.5mg,収率15%)に変換した。これをプレパラティブ逆相HPLCにより(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% TFAを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% TFAを含有);グラジエント:10−45% Bで25分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、第1溶出の異性体として単離した。LCMS(方法B):保持時間=1.488分、m/z=451(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (s, 1H), 8.12 (br. s., 1H), 8.09-8.04 (m, 1H), 8.00 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.64 (br. s., 1H), 7.59-7.00 (m, 7H), 5.84 (s, 1H), 2.74 (br. s., 1H), 1.51 (d, J=5.4 Hz, 1H), 1.04 (d, J=3.9 Hz, 1H).実施例19(3.1mg,収率23%)はまた、第2溶出の異性体として単離した。
【0196】
実施例23
rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化29】
(23)
中間体23A:2−(5−ブロモ−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−8−イル)フェノール
【化30】
(23A)
中間体1Eの合成に類似する条件に従って、中間体1Cを中間体23Aに変換した。LCMS(方法A):保持時間=0.72および0.74分、m/z=359,361(M+H).
【0197】
中間体23Bおよび23C:rac−(1aR,8R,8aS)−5−ブロモ−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾールおよびrac−(1aR,8S,8aS)−5−ブロモ−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化31】
中間体23A(50mg,0.139mmol)、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(180mg,0.418mmol)、およびカリウム tert−ブトキシド(46.9mg,0.418mmol)の乾燥THF(1mL)溶液を、密封バイアルにおいて40℃で2時間加熱した。生じた混合物をISCOにより精製して(12gシリカゲルカートリッジ、0−100% EtOAc/ヘキサン)、中間体23B(22.4mg,収率37%)を第1溶出の異性体として得た。LCMS(方法A):保持時間=0.97分、m/z=435,437(M+H).
【0198】
中間体23C(5.8mg,収率10%)を第2溶出の異性体として得た。LCMS(方法A):保持時間=0.91分、m/z=435,437(M+H)。中間体23Bおよび23Cの1:4混合物(26.5mg,収率44%)もまた得た。
【0199】
実施例23:
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体23C(26.5mg,0.061mmol)を実施例23(7mg,収率23%)に変換した。LCMS(方法B):保持時間=2.029分,m/z=493(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (s, 2H), 7.50 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.38-7.27 (m, 3H), 7.20-6.83 (m, 7H), 5.84 (s, 1H), 2.66 (br. s., 1H), 1.55-1.43 (m, 7H), 0.96 (d, J=3.7 Hz, 1H).
【0200】
実施例24
rac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化32】
(24)
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体23B(22.4mg,0.051mmol)を実施例24(9.3mg,収率36%)に変換した。LCMS(方法B):保持時間=2.059分、m/z=493(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (s, 2H), 7.63 (d, J=11.2 Hz, 1H), 7.43 (t, J=7.8 Hz, 2H), 7.36 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.27-7.03 (m, 6H), 6.96 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.82 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.07 (d, J=5.8 Hz, 1H), 2.95 (br. s., 1H), 2.72 (br. s., 1H), 1.50 (s, 6H), 1.24 (d, J=5.6 Hz, 1H), 0.86 (d, J=4.0 Hz, 1H).
【0201】
実施例25および26
rac−2−(5−((1aR,8S,8aS)−8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オールおよびrac−2−(5−((1aR,8R,8aS)−8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化33】
中間体25A:8−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−5−ブロモ−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化34】
(25A)
中間体23A(20mg,0.056mmol)、臭化ベンジル(0.066mL,0.557mmol)、およびKCO(154mg,1.114mmol)のDMF(0.5mL)溶液を、室温で1時間攪拌した。粗製物質を10% LiCl(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3x2mL)。EtOAcを合わせて、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、ISCOにより精製せいて(12gシリカゲルカートリッジ、0−100% EtOAc/ヘキサン)、中間体25A(23mg,収率92%)を2種類の異性体の混合物として得た。LCMS(方法A):保持時間=0.91および0.95分、m/z=449、451(M+H).
【0202】
実施例25および26
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体25A(23mg,0.051mmol)を実施例25および26に変換した。粗生成混合物をプレパラティブ逆相HPLCにより精製して(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:40−100% Bで20分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、実施例25(3.9mg,収率15%)を第1溶出の異性体として、ならびに実施例26(8.8mg,〜60%純粋)を第2溶出の異性体として得た。実施例25についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=2.054分、m/z=507(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (s, 2H), 7.51 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.39 (br. s., 2H), 7.34-7.21 (m, 5H), 7.14 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.06 (d, J=6.7 Hz, 1H), 6.83 (d, J=6.9 Hz, 1H), 5.85 (br. s., 1H), 5.19 (br. s., 2H), 2.63 (br. s., 1H), 1.49 (s, 8H), 0.94 (d, J=3.5 Hz, 1H).実施例26についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=2.112分、m/z=507(M+H).
【0203】
実施例27および28
2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オールおよび2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化35】
中間体27A:(1aS,8aR)−5−ブロモ−4−フルオロ−8−(2−フェノキシフェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化36】
(27A)
中間体23Bの合成に類似する条件に従って、中間体21B(20mg,0.056mmol)を、2種類の異性体の混合物として中間体27A(22.7mg,収率94%)に変換した。LCMS(方法A):保持時間=0.91および0.97分、m/z=435、437(M+H).
【0204】
実施例27および28
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体27A(22.7mg,0.052mmol)を、実施例27および28に変換した。粗生成混合物をプレパラティブ逆相HPLCにより精製して(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:30−100% Bで20分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、実施例27(1.6mg,収率6%)を第1溶出の異性体として、ならびに実施例28(8.9mg,収率34%)を第2溶出の異性体として得た。実施例27についての分析データ:LCMS (方法B):保持時間=2.121分、m/z=493(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.84 (s, 2H), 7.54 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.40-7.28 (m, 3H), 7.22 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.14 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.08 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J=7.2 Hz, 2H), 6.97-6.87 (m, 2H), 5.85 (s, 1H), 2.68 (br. s., 1H), 1.56-1.43 (m, 8H), 0.99 (d, J=3.7 Hz, 1H).実施例28についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=2.195分、m/z=493(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (s, 2H), 7.60 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.47-7.39 (m, 2H), 7.36 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.22-7.06 (m, 5H), 6.97 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.81 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.04 (d, J=5.6 Hz, 1H), 2.92 (br. s., 1H), 2.69 (br. s., 1H), 1.50 (s, 6H), 0.81 (d, J=4.0 Hz, 1H).
【0205】
実施例29および30
2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オールおよび2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化37】
中間体29A:(1aS,8aR)−5−ブロモ−4−フルオロ−8−(2−(2−フルオロフェノキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化38】
(29A)
中間体23Bの合成に類似する条件に従って、中間体21B(20mg,0.056mmol)を中間体29A(25.6mg,収率100%)に変換した。LCMS(方法A):保持時間=0.91および0.96分、m/z=453、455(M+H).
【0206】
実施例29および30:
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体29A(25.6mg,0.056mmol)を実施例29および30に変換した。粗生成混合物をプレパラティブ逆相HPLCにより精製して(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:30−70% Bで19分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、実施例29(2.7mg,収率9%)を第1溶出の異性体として、ならびに実施例30(7.4mg,収率25%)を第2溶出の異性体として得た。実施例29についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=1.981分、m/z=511(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.83 (s, 2H), 7.52 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.40-7.33 (m, 1H), 7.31-7.20 (m, 3H), 7.17 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.06 (t, J=7.4 Hz, 2H), 6.99 (br. s., 1H), 6.76 (d, J=8.2 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 2.72 (br. s., 1H), 2.59 (br. s., 1H), 1.51 (s, 7H), 1.01 (d, J=3.6 Hz, 1H).実施例30についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=2.047分、m/z=511(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.85 (s, 2H), 7.60 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.47-7.38 (m, 1H), 7.36-7.22 (m, 4H), 7.11-7.02 (m, 2H), 6.89-6.78 (m, 2H), 6.13 (d, J=5.6 Hz, 1H), 3.01 (d, J=5.7 Hz, 1H), 2.71 (br. s., 1H), 1.49 (s, 6H), 1.29-1.19 (m, 1H), 0.83 (d, J=3.8 Hz, 1H).
【0207】
実施例31および32
4−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリンおよび4−(5−((1aS,8S,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン
【化39】
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体21E(10mg,0.024mmol)を4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル)モルホリン(14mg,0.049mmol)とカップリングさせて、実施例31および32を得た。粗生成混合物をプレパラティブ逆相HPLCにより精製して(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:30−70% Bで20分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、実施例31(2.2mg,収率17%)を第1溶出の異性体として、ならびに実施例32(1mg,収率7%)を第2溶出の異性体として得た。実施例31についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=1.939分、m/z=494(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.41 (s, 2H), 7.55-7.22 (m, 4H), 7.16 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.82 (br. s., 1H), 5.80 (s, 1H), 3.71 (d, J=4.2 Hz, 4H), 3.65 (d, J=4.2 Hz, 4H), 2.72 (br. s., 1H), 1.49 (d, J=5.2 Hz, 1H), 1.02 (d, J=4.1 Hz, 1H). 実施例32についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=1.988分、m/z=494(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 2H), 7.68 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.57-7.23 (m, 4H), 7.19 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J=10.3 Hz, 1H), 5.79 (s, 1H), 3.73 (d, J=4.5 Hz, 4H), 3.67 (d, J=4.5 Hz, 4H), 2.70 (br. s., 1H), 1.53-1.44 (m, 1H), 1.02 (d, J=3.9 Hz, 1H).
【0208】
実施例33
2−(4−(5−((1aS,8R,8aR)−8−(2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−4−フルオロ−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸
【化40】
(33)
中間体33A:メチル 2−(4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アセテート
【化41】
(33A)
DMF(10mL)中の5−ブロモ2−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン(1.0g,4.11mmol)および炭酸カリウム(1.137g,8.23mmol)の溶液に、2−ブロモ酢酸メチル(0.629g,4.11mmol)を加え、該混合物を80℃で2時間攪拌した。該混合物をEtOAc(65mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した(2x65mL)。該酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をISCOフラッシュクロマトグラフィーにかけて(シリカゲル/ヘキサン−EtOAc 100:0〜0:100 グラジエント)、メチル 2−(4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アセテート(1.15g,3.47mmol,収率84%)を白色の固形物として得た。LCMS(M+H):315;LC保持時間:0.55分(分析HPLC 方法A).
【0209】
中間体33B:メチル 2−(4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アセテート
【化42】
(33B)
ジオキサン(6.0mL)中のメチル 2−(4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アセテート(600mg,1.904mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(483mg,1.904mmol)、酢酸カリウム(374mg,3.81mmol)、およびPdCl(dppf)−CHCl付加物(78mg,0.095mmol)の混合物を、窒素でパージし、80℃で18時間攪拌した。該混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、水(15mL)で洗浄した。該酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をISCOフラッシュクロマトグラフィーにかけて(シリカゲル/ヘキサン−EtOAc 100:0〜0:100グラジエント)、メチル 2−(4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アセテート(267mg,0.700mmol,収率36.8%)を白色の固形物として得た。LCMS(M+H):363;LC保持時間:0.66分(分析HPLC 方法A).1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.60 (s, 2H), 4.03-3.90 (m, 4H), 3.76 (s, 3H), 3.29 (s, 2H), 2.70-2.57 (m, 4H), 1.34 (s, 12H).
【0210】
実施例33
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体21E(9mg,0.022mmol)をメチル 2−(4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)アセテート(16mg,0.044mmol)とカップリングさせた。該カップリング反応が完了した後、MeOH(0.25mL)および1M NaOH(0.25mL)を該粗混合物に加えた。該混合物を室温で30分間攪拌し、1M HCl(0.25 mL)で中和し、MeOH(0.5mL)で希釈し、濾過した。濾液をプレパラティブ逆相HPLCにより精製して(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:10−50% Bで25分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、実施例33(4.2mg,収率34%)を得た。LCMS(方法B):保持時間=1.321分、m/z=551(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.38 (s, 2H), 7.52-7.20 (m, 4H), 7.16 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J=6.8 Hz, 1H), 6.83 (br. s., 1H), 5.80 (s, 1H), 3.78 (br. s., 3H), 3.17-3.11 (m, 2H), 2.98 (s, 1H), 2.71 (br. s., 1H), 2.63 (br. s., 4H), 1.49 (d, J=5.0 Hz, 1H), 1.01 (d, J=3.8 Hz, 1H).
【0211】
実施例34および35
2−(5−((1aS,8R,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オールおよび2−(5−((1aS,8S,8aR)−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−5−イル)ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール
【化43】
中間体34A:(1aS,8aR)−5−ブロモ−4−フルオロ−8−(2−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−1,1a,8,8a−テトラヒドロベンゾ[d]シクロプロパ[3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化44】
(34A)
中間体25Aの合成に類似する条件に従って、中間体21B(20mg,0.056mmol)を中間体34A(25mg,収率100%)に変換した。LCMS(方法A):保持時間=0.67および0.69分、m/z=450、452(M+H).
【0212】
実施例34
実施例2の合成に類似する条件に従って、中間体34A(25mg,0.056mmol)を実施例34および35に変換した。粗生成混合物をプレパラティブ逆相HPLCにより精製して(カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:15−55% Bで20分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分)、実施例34(4.6mg,収率16%)を第1溶出の異性体として、ならびに実施例35(20.2mg,〜60%純粋)を第2溶出の異性体として得た。実施例34についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=1.634分、m/z=508(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (s, 2H), 8.55 (d, J=4.5 Hz, 2H), 7.57 (d, J=11.4 Hz, 1H), 7.46 (br. s., 2H), 7.30-7.25 (m, 1H), 7.20 (d, J=6.7 Hz, 1H), 7.12 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.88 (t, J=7.3 Hz, 1H), 6.74 (br. s., 1H), 5.94 (br. s., 1H), 5.32 (br. s., 2H), 2.67 (br. s., 1H), 1.50 (s, 7H), 1.01 (d, J=3.7 Hz, 1H).実施例35についての分析データ:LCMS(方法B):保持時間=1.690分、m/z=508(M+H).
【0213】
実施例36
rac−(3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−1,2,3,3a,10,10a−ヘキサヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール
【化45】
(36)
CHCl(5mL)およびMeOH(15mL)中のrac−(3aR,10S,10aS)−2−ベンジル−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−1,2,3,3a,10,10a−ヘキサヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール(440mg,0.931mmol)(実施例1の合成に類似する手順に従って(3aR,6aS)−5−ベンジルテトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,3(2H,3aH)−ジオンから調製)、20% 水酸化パラジウム/炭素(327mg)、および1N 塩酸(3.72mL,3.72mmol)の混合物を、40psi水素下でParr−Shakerを用いて4時間還元させた。LCMS分析により、該反応が完了していないことが示された。さらなる量の水酸化パラジウム/炭素(654mg)を加えた。さらに16時間後、該混合物を濾過した。濾液を減圧濃縮しで乾燥させて、粗生成物を黄色の固形物として得て、トリ塩酸塩(478mg)として推定した。
【0214】
粗生成物(15.5mg)の一部をDMF(1mL)中に溶解させ、ヒューニッヒ塩基(0.028mL,0.158mmol)で中和した。粗製物質を、下記条件を用いてプレパラティブLCMSにより精製した:カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含有);グラジエント:0−60% Bで15分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分。所望生成物を含むフラクションを合わせて、遠心蒸発により乾燥させて、実施例36をトリTFA塩(9.3mg)として得た。LCMS(方法B):保持時間 =1.594分、m/z=383.2(M+H);1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (br. s., 1H), 7.84-7.73 (m, 2H), 7.56-7.42 (m, 4H), 7.39 (d, J=6.8 Hz, 2H), 7.28 (s, 2H), 7.18 (s, 2H), 7.07 (s, 2H), 6.92-6.78 (m, 2H), 5.99 (d, J=7.3 Hz, 1H), 4.33 (br. s., 1H), 4.18-4.03 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.72 (br. s., 1H), 3.53 (d, J=20.6 Hz, 1H), 3.04 (br. s., 1H), 2.81 (br. s., 1H).
【0215】
実施例37
rac−(3aR,10S,10aS)−N−(tert−ブチル)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−3,3a,10,10a−テトラヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール−2(1H)−カルボキサミド
【化46】
(37)
ヒューニッヒ塩基(0.049mL,0.278mmol)を、CHCl(1mL)中の粗rac−(3aR,10S,10aS)−7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−10−フェニル−1,2,3,3a,10,10a−ヘキサヒドロベンゾ[d]ピロロ[3’,4’:3,4]ピロロ[1,2−a]イミダゾール,三HCl塩(18mg)(実施例30に由来)、およびtert−ブチル イソシアネート(13.79mg,0.139mmol)の攪拌混合物に加えた。1時間攪拌し、該混合物を水酸化アンモニウム(2滴)でクエンチし、5分間攪拌し、濃縮した。残渣をDMF(1.5mL)中に溶解させ、下記条件を用いてプレパラティブLCMSにより精製した:カラム:XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含有);グラジエント:30−67% Bで20分間、続いて100% Bで5分保持;流速:20mL/分。所望生成物を含むフラクションを合わせて、遠心蒸発により乾燥させて、実施例37(7.3mg)を得た。LCMS(方法A):保持時間=1.484分、m/z=482.3:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.24 (s, 1H), 7.79 (dd, J=8.5, 2.1 Hz, 1H), 7.70 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.44 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.42-7.31 (m, 3H), 7.16 (d, J=6.7 Hz, 2H), 6.92 (s, 1H), 6.83 (d, J=8.6 Hz, 1H), 5.88 (d, J=7.3 Hz, 1H), 5.26 (s, 1H), 4.12-4.03 (m, 1H), 3.99-3.89 (m, 1H), 3.88-3.76 (m, 4H), 3.64 (t, J=9.5 Hz, 1H), 3.14-3.03 (m, 1H), 2.90 (dd, J=11.5, 5.3 Hz, 1H), 1.13 (s, 9H).
【0216】
下記表3の実施例38−41は、適当なイソシアネート、クロロホルメートまたは酸クロリド化合物に置き換えて、実施例37に記載の一般的な手順に従って調製した。実施例42は、(3aR,7aS)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンに置き換えて、実施例1に記載の一般的な手順に従って調製した。実施例43は、(1R,5S,6s)−6−フェニル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン((WO2012/122391)に記載の手順に従って合成)に置き換えて、実施例1に記載の一般的な手順に従って調製した。
表3
【表3】
【0217】
生物学的アッセイ
本発明の化合物の薬理学的特性は、多くの生物学的アッセイによって確認されうる。下記の例示される生物学的アッセイを本発明の化合物を用いて実施した。
【0218】
TNFまたはCD40L誘導HEK−Blueアッセイ
DMSOで逐次希釈された試験化合物を、0.004μM〜25μMの最終濃度でアッセイプレート(LABCYTE,Cat#LP−0200)中に入れた。アッセイ緩衝液[DMEM,4.5g/l グルコース(Gibco,Cat.21063−029),10% FBS(Sigma,F4135)、1% ペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco,Cat.15140−122)、1% 抗−抗体(Anti-Anti)(Gibco,Cat.15240−112)、および2mM L−グルタミン(Gibco,Cat,25030−081)]中のTNFα(最終濃度0.5ng/ml)またはCD40L(最終濃度30ng/ml)を、該アッセイプレートに加えた。37℃および5% COで30分間前もってインキュベートし、NF−kB駆動性分泌アルカリホスファターゼレポーター遺伝子を含有するHEK−Blue(登録商標)−CD40L細胞(INVIVOGEN,Cat.Code hkb−cd40)を、該アッセイプレートに1ウェルあたり20,000細胞の密度で播いた。次いで、このプレートを37℃および5% COで18時間インキュベートした。分泌されたアルカリホスファターゼ発現を、製造業者の説明書に従ってQUANTI−Blue(登録商標)(INVIVOGEN,Cat.Code rep−qb1)を用いて測定し、該アッセイプレートを620nmでPerkinElmer Envisionを用いて読み取った。
【0219】
濃度範囲における試験化合物の阻害データを試験化合物のパーセンテージ阻害としてプロットした(100%=最大阻害率)。IC50値は、バックグラウンドを補正[(試料読取値−低いコントロールの平均値)/(高いコントロールの平均値−低いコントロールの平均値)](ここで、低いコントロールは刺激なしのDMSOにより、高いコントールは刺激ありのDMSOによるものである)後に決定した。該IC50は、50%阻害を生じる試験化合物の濃度として定義し、4パラメータロジスティック方程式を用いて定量化して、該データを適合させた。
【0220】
表2は、本発明の実施例1〜21についてTNF誘導HEK−Blueアッセイで測定されたIC50値を示す。表2の結果中、「A」は、1μM以下のIC50値を表し、「B」は、1μM〜10μMのIC50値を表し;ならびに「C」は、10μM〜25μMのIC50値を表すものとして記録する。実施例1〜21で示される本発明の化合物は、25μMまたはそれ以下のTNF誘導HEK−Blueアッセイで測定されたIC50値を示した。
表4
【表4】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8