特許第6811382号(P6811382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811382
(24)【登録日】2020年12月17日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】駆動装置、及び、投写型映像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20201228BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20201228BHJP
   G11B 33/12 20060101ALI20201228BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   G03B21/16
   G03B21/00 D
   G11B33/12 313U
   H04N5/74 Z
【請求項の数】3
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-558650(P2018-558650)
(86)(22)【出願日】2017年6月7日
(86)【国際出願番号】JP2017021086
(87)【国際公開番号】WO2018123106
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2019年6月20日
(31)【優先権主張番号】特願2016-256893(P2016-256893)
(32)【優先日】2016年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】北出 直也
(72)【発明者】
【氏名】伊豫田 真
(72)【発明者】
【氏名】山下 奈央子
(72)【発明者】
【氏名】近山 学
(72)【発明者】
【氏名】久保 敦志
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−535647(JP,A)
【文献】 特開2009−140524(JP,A)
【文献】 特開2006−085776(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/147226(WO,A1)
【文献】 特開2015−230354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/16
G03B 21/00
G11B 33/12
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空気よりも密度の低い気体が封入された筐体と、
前記筐体の内部に収容された駆動対象物と、
前記駆動対象物を駆動する駆動部と、
前記駆動部によって前記駆動対象物が駆動されているときに前記駆動部に流れる電流値を検知する電流検知部と、
検知された電流値に基づいて、前記筐体内部の前記気体の濃度を判定する判定部と、を備え
前記駆動部は、前記判定部による前記気体の濃度の判定結果に基づいて前記駆動対象物を駆動し、
前記駆動部は、前記判定部によって前記気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、前記気体の濃度が前記所定濃度以上であると判定された場合よりも速い速度で前記駆動対象物を駆動する、
駆動装置。
【請求項2】
内部に空気よりも密度の低い気体が封入された筐体と、
前記筐体の内部に収容された駆動対象物と、
前記駆動対象物を駆動する駆動部と、
前記駆動部によって前記駆動対象物が駆動されているときに前記駆動部に流れる電流値を検知する電流検知部と、
検知された電流値に基づいて、前記筐体内部の前記気体の濃度を判定する判定部と、を備え、
前記駆動部は、前記判定部による前記気体の濃度の判定結果に基づいて前記駆動対象物を駆動し、
前記駆動部は、前記判定部によって前記気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、前記駆動対象物の駆動を停止する
駆動装置。
【請求項3】
内部に空気よりも密度の低い気体が封入された筐体と、
前記筐体の内部に収容された蛍光体ホイールと、
前記蛍光体ホイールを回転駆動する駆動部と、
前記蛍光体ホイールを駆動中に前記駆動部に流れる電流値を検知する電流検知部と、
検知された電流値に基づいて、前記筐体内部の前記気体の濃度を判定する判定部と、を備え、
さらに、前記蛍光体ホイールにレーザ光を照射するレーザ光照射部を備え、
前記レーザ光照射部は、前記気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、前記気体の濃度が前記所定濃度以上であると判定された場合よりも前記レーザ光の出力を低下させる、
投写型映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投写型映像表示装置の光源として使用される蛍光体ホイールを含む波長変換装置などの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンに映像を投写することができる投写型映像表示装置が知られている。このような投写型映像表示装置として、特許文献1には、波長変換素子の効率的な冷却が可能な光源装置を備えるプロジェクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−230354号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示は、駆動対象物を収容する筐体内に気体が封入された駆動装置であって、当該気体の濃度を判定することができる駆動装置等を提供する。
【0005】
本開示における駆動装置は、内部に空気よりも密度の低い気体が封入された筐体と、前記筐体の内部に収容された駆動対象物と、前記駆動対象物を駆動する駆動部と、前記駆動部によって前記駆動対象物が駆動されているときに前記駆動部に流れる電流値を検知する電流検知部と、検知された電流値に基づいて、前記筐体内部の前記気体の濃度を判定する判定部とを備える。
【0006】
本開示における駆動装置は、気体の濃度を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の光学系を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る駆動装置の外観斜視図である。
図3図3は、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、蛍光体ホイールが回転しているときの、筐体内部のヘリウムの濃度と駆動部の電流値との関係を示す第1の図である。
図5図5は、蛍光体ホイールが回転しているときの、筐体内部のヘリウムの濃度と駆動部の電流値との関係を示す第2の図である。
図6図6は、実施の形態1に係る駆動装置の動作のフローチャートである。
図7図7は、実施の形態1に係る駆動装置の他の動作例1のフローチャートである。
図8図8は、実施の形態1に係る駆動装置の他の動作例2のフローチャートである。
図9図9は、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の動作例1のフローチャートである。
図10図10は、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の動作例2のフローチャートである。
図11図11は、フィンを有する蛍光体ホイールの外観斜視図である。
図12図12は、筐体の変形例を説明するための第1の図である。
図13図13は、筐体の変形例を説明するための第2の図である。
図14図14は、筐体の変形例を説明するための第3の図である。
図15図15は、筐体の変形例を説明するための第4の図である。
図16図16は、外郭筐体内の駆動装置の姿勢を示す図である。
図17図17は、実施の形態2に係るハードディスクドライブの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
(実施の形態1)
[投写型映像表示装置の構成]
まず、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る投写型映像表示装置の光学系を示す図である。
【0011】
実施の形態1に係る投写型映像表示装置300は、例えば、20000ルーメン程度の光を投写することができる高輝度タイプのプロジェクタである。投写型映像表示装置300は、具体的には、プロジェクションマッピングなどに用いられる。なお、投写型映像表示装置300は、家庭用の低輝度タイプのプロジェクタであってもよい。
【0012】
図1に示されるように、投写型映像表示装置300は、駆動装置10と、レーザ光照射部20とを備える。駆動装置10は、筐体11と、筐体11に収容される蛍光体ホイール12と、蛍光体ホイール12を回転軸J回りに回転駆動する駆動部13と、電流検知部14と、制御部15と、ヒートシンク16と、レンズ18とを備える。レーザ光照射部20は、レーザ駆動部101と、青色レーザダイオード101a、101b、101cとを備える。
【0013】
投写型映像表示装置300は、その他に、コリメートレンズ102a、102b、102cと、レンズ103と、レンズ104と、拡散板105とを備える。投写型映像表示装置300は、ダイクロイックミラー106と、レンズ107と、ロッドインテグレータ116とを備える。投写型映像表示装置300は、青色レーザダイオード201a、201bと、コリメートレンズ202a、202bと、レンズ203と、拡散板204と、レンズ205とを備える。投写型映像表示装置300は、レンズ308と、レンズ309と、ミラー310と、ミラー311と、光変調素子312と、投写レンズ313とを備える。また、投写型映像表示装置300は、以上の構成要素を収容する外郭筐体301と、外郭筐体301内に配置される冷却ファン304a、304bも備える。
【0014】
レーザ光照射部20は、蛍光体ホイール12が備える蛍光体層12bを励起するための青色光を出射する。言い換えれば、レーザ光照射部20は、蛍光体ホイール12にレーザ光を照射する。レーザ光照射部20は、レーザ駆動部101と、青色レーザダイオード101a、101b、101cとを備える。レーザ駆動部101は、例えば、回路(集積回路)によって実現される。
【0015】
レーザ光照射部20においては、レーザ駆動部101が青色レーザダイオード101a、101b、101cに電力を供給することにより、青色レーザダイオード101a、101b、101cに光を出射させる。青色レーザダイオード101a、101b、101cが出射した青色光は、コリメートレンズ102a、102b、102cでそれぞれコリメートされた後、アフォーカル系を構成するレンズ103及びレンズ104で収束される。レンズ103及びレンズ104で収束された青色光は、拡散板105に入射することによって拡散され、ダイクロイックミラー106に入射する。
【0016】
ダイクロイックミラー106は、青色光を透過し、青色光以外の発光色を有する光を反射する特性を有する。したがって、拡散板105からダイクロイックミラー106に入射した青色光は、ダイクロイックミラー106を透過し、レンズ107及びレンズ18をさらに透過した後、蛍光体ホイール12の蛍光体層12bに入射する。
【0017】
このとき、蛍光体ホイール12は、駆動部13によって回転軸J回りに回転されている。したがって、蛍光体層12bの一点に集中的に青色光が照射されることが回避され、青色光の照射による発熱によって蛍光体層12bに含まれる蛍光体粒子が劣化することが抑制される。
【0018】
蛍光体層12b中の黄色蛍光体粒子は、青色光によって励起され黄色光を発する。黄色光は、蛍光体ホイール12が有する基板12aの第1主面(蛍光体層12bが形成される面)に設けられた反射膜によって反射され、ダイクロイックミラー106に入射する。
【0019】
上述のように、ダイクロイックミラー106は、青色光以外の発光色を有する光を反射する。また、ダイクロイックミラー106は、入射光の光軸に対して45度傾斜して配置されている。したがって、ダイクロイックミラー106に入射した黄色光は、反射されて90度曲がり、レンズ115に入射した後、ロッドインテグレータ116に入射する。
【0020】
一方で、青色レーザダイオード201a、201bは、青色光をそれぞれ出射し、出射された青色光は、コリメートレンズ202a、202bでそれぞれコリメートされる。コリメートされた青色光は、レンズ203によって集光された後、拡散板204によって略平行化される。略平行化された青色光は、レンズ205、ダイクロイックミラー106、及び、レンズ107をこの順に透過した後、ロッドインテグレータ116に入射する。
【0021】
このように、ロッドインテグレータ116には、黄色光及び青色光が混ざることによって得られる白色光が入射する。なお、ロッドインテグレータ116に代えて、矩形状のレンズからなるレンズアレイが用いられてもよい。
【0022】
ロッドインテグレータ116から出射した光は、リレー光学系を構成するレンズ308及びレンズ309を通過した後、ミラー310、及び、ミラー311で反射されて光変調素子312に入射する。
【0023】
光変調素子312は、青色レーザダイオード101a、101b、101cによって照射されたレーザ光に応じて蛍光体層12bから発せられる光を映像信号に基づいて変調する。変調された光は、投写レンズ313に入射する。投写レンズ313は、光変調素子312によって変調された光を、例えば、スクリーンに投写する。この結果、スクリーンに映像が表示される。
【0024】
なお、図1に示される光学系では、光変調素子312として、マイクロミラーアレイ、または、反射型液晶パネル(LCOS:Liquid Crystal On Silicon)などの反射型の映像素子が用いられている。しかしながら、光変調素子312としては、透過型液晶パネルなどの透過型の映像素子が用いられてもよい。
【0025】
[駆動装置の構成]
次に、駆動装置10の具体的な構成について図1に加えて図2及び図3をさらに参照しながら説明する。図2は、駆動装置10の外観斜視図である。図3は、投写型映像表示装置の機能構成を示すブロック図である。なお、図2では、駆動装置10の内部構造を示すために、筐体11のうち第2筐体11bが取り外されている。また、図2では、ヒートシンク16の図示が省略されている。
【0026】
図1図3に示されるように、駆動装置10は、筐体11と、蛍光体ホイール12と、駆動部13と、電流検知部14と、制御部15と、ヒートシンク16と、レンズ18と、記憶部19とを備える。
【0027】
筐体11は、蛍光体ホイール12、駆動部13、電流検知部14、制御部15、及び、記憶部19などを収容する。筐体11は、具体的には、アルミニウムなどの金属によって形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。筐体11は、略扁平円柱状であるが、筐体11の形状は、特に限定されない。なお、筐体11は、内部に蛍光体ホイール12等を収容するために、第1筐体11a及び第2筐体11b(図2に図示)に分離される。第1筐体11a及び第2筐体11bは、内部に蛍光体ホイール12等が収容された後、固定される。固定の方法は、ねじ等の固定部材によってもよいし、溶接によってもよい。ねじ等の固定部材による固定と、溶接による固定を併用してもよい。
【0028】
筐体11は、気体注入口17a及び排気口17bを有し、蛍光体ホイール12等が収容された後の筐体11の内部には、気体注入口17aを通じて空気よりも密度の低い気体が封入される。空気よりも密度の低い気体は、具体的には、ヘリウムであるが、窒素または水素などのその他の気体であってもよい。また、空気よりも密度の低い気体は、複数の気体の混合気体でもよい。具体的には、例えば、ヘリウム50%、窒素50%という構成にすれば、平均密度が0.402kg/m、0℃ 1atmとなり、空気の密度(1.293kg/m、0℃ 1atm)よりも低くなる。混合気体には、空気よりも密度の高い気体が含まれていてもよい。具体的には、ヘリウム80%と、空気よりも密度の高い酸素20%との構成にすれば、平均密度が0.285kg/m、0℃ 1atmとなり、空気の密度(1.293kg/m、0℃ 1atm)よりも低くなる。なお、混合気体に使用する気体やその配分はこれらに限らない。気体注入口17aを通じて筐体11の内部にヘリウムが注入されると、筐体11内部の空気は排気口17bから押し出される。気体注入口17a及び排気口17bは、筐体11にヘリウムが充填された状態で塞がれる。
【0029】
このように、筐体11に空気よりも密度の低い気体が充填されることで、蛍光体ホイール12が回転しているときの気体による抗力が低減される。このため、駆動部13は、蛍光体ホイール12を効率的に回転させることができる。
【0030】
また、気体による抗力が低減されることにより、蛍光体ホイールを回転させた時の騒音を低減させることができる。
【0031】
なお、ヘリウムは、空気よりも熱伝導率が高い気体である。このように、筐体11内に空気よりも熱伝導率が高い気体が封入されることにより、蛍光体ホイール12(蛍光体層12b)の放熱性を高めることができる。
【0032】
また、気体注入口17a及び排気口17bは一体であってもよい。つまり、気体注入口17aが排気口17bを兼ねてもよいし、排気口17bが気体注入口17aを兼ねてもよい。また、気体注入口17a及び排気口17bは、気体が封入された後、例えば、金属板等で覆われ、当該金属板と筐体11とが溶接される。
【0033】
ヒートシンク16は、筐体11(筐体11内部に収容された蛍光体ホイール12)の放熱性を高めるための放熱部材である。ヒートシンク16は、筐体11の側部(基板12aの2つの主面のいずれとも対向しない内周面を形成する部分)に立設されている。ヒートシンク16は、複数のフィンであり、筐体11の内部及び外部に突出している。ヒートシンク16は、例えば、金属によって形成される。ヒートシンク16は、筐体11と別体であってもよいし、筐体11と一体的に形成されてもよい。
【0034】
なお、投写型映像表示装置300は、ヒートシンク16に向けて風を送る冷却ファン304a、304bを備える。冷却ファン304a、304bによれば、筐体11(筐体11内部に収容された蛍光体ホイール12)の放熱性がさらに高められる。
【0035】
レンズ18は、筐体11内部の蛍光体ホイール12の蛍光体層12bに光を集光するためのレンズである。レンズ18は、筐体11内部にレーザ光照射部20が出射した青色光を導くための開口を塞ぐように配置される。レンズ18と第2筐体11bとの間は、熱硬化樹脂や、溶接等の接合により塞がれている。
【0036】
蛍光体ホイール12は、駆動対象物の一例であって、投写型映像表示装置300の光源に使用される光学部材である。蛍光体ホイール12は、基板12aと、蛍光体層12bとを有する。
【0037】
基板12aは、回転軸Jを中心とした円盤状の基板である。言い換えれば、基板12aの平面視における形状は、円形である。なお、平面視における形状とは、言い換えれば、基板12aの第1主面(第2主面)に垂直な方向から見た場合の形状である。基板12aの直径は、例えば、8cm程度であるが、特に限定されない。
【0038】
また、基板12aの中央には、駆動部13(駆動部13のロータ)が接続される。基板12aの中心(中心位置)には、回転軸Jが通り、基板12aは、駆動部13によって回転軸J回りに回転される。基板12aは、例えば、アルミニウムまたはステンレスなどの熱伝導性の良好な金属によって形成される。また、基板12aとしてサファイア基板などが用いられてもよい。
【0039】
基板12aの第1主面には、蛍光体層12bが設けられる。蛍光体層12bは、多数の黄色蛍光体粒子を含む樹脂材料からなる。黄色蛍光体粒子は、例えば、YAG系の黄色蛍光体粒子である。樹脂材料の基材は、例えば、透光性及び熱硬化性を有するシリコーン樹脂である。蛍光体層12bは、このような樹脂材料が基板12aの第1主面にスクリーン印刷された後、加熱炉で加熱硬化されることによって形成される。なお、蛍光体層12bは、金型などによって成形された後、基板12aの第1主面に接着されてもよい。また、図1図3では図示されないが、基板12aの第1主面には、反射膜が設けられてもよい。
【0040】
蛍光体層12bは、平面視において、円盤状の基板12aの周方向に沿う円環状である。蛍光体層12bは、例えば、基板12aの第1主面の周縁部に設けられる。また、実施の形態1では、蛍光体層12bの径方向における幅は、一定である。なお、基板12aが円盤状の基板ではない場合にも、蛍光体層12bは円環状に設けられる。
【0041】
駆動部13は、制御部15の制御に基づいて蛍光体ホイール12を回転駆動する。駆動部13は、例えば、アウターロータ型のモータであるが、特に限定されない。駆動部13は、定電圧で動作し、駆動部13に流れる電流は、駆動部13のロータの回転数に応じて変動する。なお、駆動部13は、筐体11の内部に収容されるが、筐体11の内部に収容されなくてもよい。駆動部13は、少なくとも一部(例えば、ロータの一部)が筐体11内部に収容されればよい。
【0042】
電流検知部14は、駆動部13に流れる電流を検知する。電流検知部14は、例えば、駆動部13によって蛍光体ホイール12が駆動されているときに駆動部13に流れる電流値を検知する。電流検知部14は、具体的には、例えば、電流検知回路(電流検知用の集積回路)によって実現される。電流検知部14は、制御部15の一部として実現されてもよい。なお、電流検知部14は、筐体11の内部に収容されるが、筐体11の外部に配置されてもよい。
【0043】
制御部15は、駆動部13を制御する。制御部15は、例えば、マイクロコンピュータによって実現される。マイクロコンピュータは、プログラムが格納されたROM、RAM、プログラムを実行するプロセッサ(CPU)、タイマ、A/D変換器やD/A変換器を含む入出力回路等を有する1チップの半導体集積回路である。制御部15は、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。制御部15は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、及び専用回路のうち2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。なお、制御部15は、筐体11の内部に収容されるが、筐体11の外部に配置されてもよい。
【0044】
制御部15は、具体的には、駆動制御部15aと、判定部15bとを備える。駆動制御部15aは、駆動部13に制御信号を出力することにより、駆動部13を制御する。駆動制御部15aは、例えば、判定部15bによるヘリウムの濃度の判定結果に基づいて駆動部13を制御する。つまり、駆動部13は、判定部15bによるヘリウムの濃度の判定結果に基づいて蛍光体ホイール12を駆動する。
【0045】
判定部15bは、電流検知部14によって検知された電流値に基づいて、筐体11内部のヘリウムの濃度を判定する。判定部15bは、例えば、ヘリウムの濃度が所定濃度以上であるか否かを判定する。判定部15bは、判定結果を制御部15に出力する。判定部15bは、さらに、判定結果を駆動装置10の外部に配置された装置に出力してもよい。駆動装置10の外部に配置された装置は、例えば、レーザ光照射部20または通知部30である。
【0046】
記憶部19は、制御部15によって実行されるプログラム、及び、ヘリウムの濃度の判定に用いられるテーブル情報等が記憶される記憶装置である。記憶部19は、半導体メモリなどによって実現される。なお、記憶部19は、制御部15に内蔵されてもよい。なお、記憶部19は、筐体11の内部に収容されるが、筐体11の外部に配置されてもよい。
【0047】
[駆動装置の動作]
先述のように、筐体11は、内部に封入されたヘリウムが外に漏れないように密閉されている。例えば、金属によって形成された第1筐体11a及び第2筐体11bは、例えば、溶接されている。レンズ18と第2筐体11bとの間は、熱硬化樹脂や、溶接等の接合により塞がれている。また、気体注入口17a及び排気口17bは、ヘリウムが封入された後、例えば、金属板等で覆われ、当該金属板と筐体11とが溶接される。これにより、第1筐体11a、第2筐体11b、レンズ18、気体注入口17a、及び排気口17bの隙間が塞がれ、筐体11が密閉される。
【0048】
しかしながら、駆動装置10が長期間使用されると、筐体11内部に封入されたヘリウムの量が徐々に減少してしまう場合がある。
【0049】
ここで、筐体11内に封入されたヘリウムの量が減ると、筐体11内の空気の割合が多くなり、蛍光体ホイール12が回転しているときの気体による抗力が大きくなる。このため、蛍光体ホイール12を同一の回転数で回転させる場合には、筐体11内に封入されたヘリウムの量が多いほど、駆動部13に流れる電流の電流値は小さくなる。つまり、駆動部13の消費電力は低くなる。図4は、蛍光体ホイール12が7000rpmで回転しているときの、筐体11内部のヘリウムの濃度と駆動部13の電流値との関係を示す図である。図5は、蛍光体ホイール12が9000rpmで回転しているときの、筐体11内部のヘリウムの濃度と駆動部13の電流値との関係を示す図である。
【0050】
図4及び図5に示されるような、蛍光体ホイール12の回転数、駆動部13の電流値、及び、筐体11内部のヘリウムの濃度の関係性を示す情報は、例えば、テーブル情報としてあらかじめ記憶部19に記憶されている。そうすると、判定部15bは、当該テーブル情報と、駆動制御部15aから得られる蛍光体ホイール12の回転数(駆動対象物の駆動量)と、電流検知部14によって検知された駆動部13の電流値とに基づいて、筐体11内部のヘリウムの濃度の低下を判定(推定)することができる。
【0051】
なお、駆動装置10の通常の使用状態において、回転数が一定で変動しない場合には、判定部15bは、テーブル情報と、電流検知部14によって検知された駆動部13の電流値とに基づいて筐体11内部のヘリウムの濃度を判定(推定)することができる。つまり、判定部15bは、蛍光体ホイール12が同じ回転数で回転しているときの駆動部13に流れる電流の変動に基づいて筐体11内のヘリウムの濃度を判定(推定)することができる。
【0052】
このように、判定部15bによって筐体11内部のヘリウムの濃度が判定されれば、駆動制御部15aは、判定部15bによって判定されたヘリウムの濃度に応じて駆動部13を制御することができる。
【0053】
例えば、筐体11内にヘリウムのように熱伝導率が空気よりも高い気体が封入されている場合には、気体の減少とともに蛍光体ホイール12の放熱性が悪化する懸念がある。この場合、駆動部13は、筐体11内のヘリウムの濃度が減少すると、蛍光体ホイール12の回転数を増大させて蛍光体ホイール12を空冷してもよい。図6は、駆動装置10の動作のフローチャートである。
【0054】
駆動部13は、駆動制御部15aの制御に基づいて蛍光体ホイール12を回転駆動する(S11)。駆動部13は、例えば、一定の回転数(所定の回転数)で蛍光体ホイール12を回転駆動する。電流検知部14は、駆動部13によって蛍光体ホイール12が回転駆動されているときに駆動部13に流れる電流値を検知する(S12)。
【0055】
判定部15bは、検知された電流値に基づいて、筐体11内部の気体の濃度を判定する(S13)。上述のように、ヘリウムの濃度の判定には、記憶部19に記憶されたテーブル情報が用いられる。判定部15bは、具体的には、筐体11内部の気体の濃度が所定濃度であるか否かを判定するために、電流検知部14によって検知された電流値が所定値以上であるか否かを判定する。所定濃度は、例えば、50%であり、所定値は、テーブル情報においてヘリウムの濃度50%に対応付けられた電流値であるが、特に限定されない。所定濃度(所定値)は、経験的または実験的に適宜定められればよい。
【0056】
判定部15bによってヘリウムの濃度が所定よりも低いと判定された場合(S13でYes)、駆動制御部15aは、駆動部13を制御して蛍光体ホイール12の回転数を上記一定の回転数よりも上げる(S14)。つまり、駆動部13は、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、ヘリウムの濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりも速い速度で蛍光体ホイール12を駆動する。
【0057】
一方、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度以上であると判定された場合(S13でNo)、駆動部13は、引き続き、上記一定の回転数で蛍光体ホイール12を回転駆動する。
【0058】
以上のような動作によれば、ヘリウムの濃度が減少することによる蛍光体ホイール12の放熱性の低下を、回転数の増加による空冷によって補うことができる。
【0059】
[他の動作例]
次に、駆動装置10の他の動作例について説明する。図7は、駆動装置10の他の動作例1のフローチャートである。なお、以下の他の動作例1及び動作例2の説明では、図6に示される動作との相違点を中心に説明が行われる。
【0060】
他の動作例1では、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定よりも低いと判定された場合(S13でYes)、駆動制御部15aは、駆動部13を制御して蛍光体ホイール12の回転数を上記一定の回転数よりも下げる(S15)。つまり、駆動部13は、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、ヘリウムの濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりも遅い速度で蛍光体ホイール12を駆動する。
【0061】
動作例1によれば、ヘリウムの濃度の減少によって増加する駆動部13の消費電力を抑制することができる。また、駆動部13が筐体11内に配置される場合、ヘリウムの濃度が減少すると、駆動部13自体の放熱性が悪化するが、蛍光体ホイール12の回転数が下げられることで駆動部13の発熱が抑制される。つまり、駆動部13の温度を下げることができる。
【0062】
また、図8に示されるように、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定よりも低いと判定された場合(S13でYes)、駆動制御部15aは、駆動部13を制御して蛍光体ホイール12の回転を停止させてもよい(S16)。つまり、駆動部13は、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、蛍光体ホイール12の駆動を停止する。図8は、駆動装置10の他の動作例2のフローチャートである。
【0063】
動作例2によれば、駆動装置10が強制的に停止されることにより、ヘリウムの濃度が減少した後も駆動装置10が継続的に使用されることによる不具合の発生が抑制される。例えば、熱により蛍光体ホイール12が完全に劣化することが抑制される。駆動装置10が強制的に停止された後には、例えば、駆動装置10の筐体11にヘリウムを再度注入するメンテナンスが行われる。これにより、ユーザは、蛍光体ホイール12を交換することなく駆動装置10を再使用することができる。
【0064】
[投写型映像表示装置の動作例]
また、判定部15bは、判定結果を駆動装置10の外部に配置された、投写型映像表示装置300が備える構成要素に出力してもよい。これにより、投写型映像表示装置300は、駆動装置10の筐体11内部のヘリウムの濃度に応じた動作(例えば、放熱に関する動作)を行うことができる。
【0065】
例えば、判定部15bは、判定結果をレーザ光照射部20に出力してもよい。この場合、投写型映像表示装置300は、駆動装置10の筐体11内部のヘリウムの濃度に応じてレーザ光の出力を制御することができる。図9は、このような投写型映像表示装置300の動作例1のフローチャートである。なお、以下の投写型映像表示装置300の動作例1及び動作例2の説明では、これまでに説明された駆動装置の動作例との相違点を中心に説明が行われる。
【0066】
投写型映像表示装置300の動作例1では、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定よりも低いと判定された場合(S13でYes)、レーザ光照射部20は、レーザ光の出力を下げる(S17)。つまり、レーザ光照射部20は、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、ヘリウムの濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりもレーザ光の出力を低下させる。
【0067】
これにより、蛍光体層12bの励起発光が抑制されるため、蛍光体層12bの発熱が抑制される。したがって、ヘリウムの濃度が減少することによる蛍光体ホイール12の放熱性の低下を、蛍光体層12bの発熱の抑制によって補うことができる。なお、ロッドインテグレータ116に入射する白色光の色味を維持するため、レーザ光照射部20(青色レーザダイオード101a、101b、101c)のレーザ光の出力が低下される場合、青色レーザダイオード201a、201bからのレーザ光の出力も合わせて低下される。
【0068】
また、上記図3に示されるように、投写型映像表示装置300は、駆動装置10及びレーザ光照射部20に加えて、通知部30を備える。そこで、図10に示されるように、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、通知部30がユーザに通知を行ってもよい。図10は、このような投写型映像表示装置300の動作例2のフローチャートである。
【0069】
投写型映像表示装置300の動作例2では、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合(S13でYes)、通知部30は、ユーザに通知(警告)を行う(S18)。通知部30は、ヘリウムの濃度が低下したことをユーザに通知してもよいし、駆動装置10にヘリウムの補充等のメンテナンスが必要であることをユーザに通知してもよい。
【0070】
通知部30は、例えば、スピーカを含む出音装置であり、スピーカから警告音(例えば、ビープ音)を発することにより、ユーザに通知を行う。また、通知部30は、文字または画像を表示するディスプレイを含む表示装置であってもよく、ディスプレイに文字または画像を表示することにより、ユーザに通知を行ってもよい。このように、通知部30の具体的態様は、特に限定されない。
【0071】
このような通知部30によれば、ユーザは筐体11内部のヘリウムの濃度が低下したこと(駆動装置10のメンテナンスが必要であること)を認識することができる。
【0072】
[その他の動作例]
なお、上記の動作例は一例である。例えば、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、冷却ファン304a、304bを制御する冷却ファン制御部(図示せず)は、ヘリウムの濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりも速い速度で冷却ファンを回転させてもよい。
【0073】
また、筐体11内に光変調素子312を制御する画像処理装置(例えば、画像処理用の集積回路など)が収容されている場合、画像処理装置は、判定部15bの判定結果に基づいて光変調素子312を制御してもよい。画像処理装置は、例えば、判定部15bによってヘリウムの濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、光変調素子312に出力する映像信号の画像の解像度を下げてもよいし、当該映像信号のフレームレートを下げてもよい。
【0074】
また、投写型映像表示装置300の動作において、上記ステップS13〜S18の各処理、冷却ファン制御部が行う上記処理、及び、画像処理装置が行う上記処理のうち2つ以上の処理が組み合わされてもよい。例えば、判定部15bによってヘリウムの濃度が第1所定濃度よりも低いと判定された場合、通知部30がユーザに通知を行い、判定部15bによってヘリウムの濃度が第2所定濃度よりも低いと判定された場合、駆動部13は、蛍光体ホイール12の駆動を停止してもよい。第2所定濃度は、第1所定濃度よりも低い濃度である。
【0075】
[気体の濃度の判定精度の向上]
空気及びヘリウムなどの気体は、温度によって密度が変動する。したがって、筐体11内部の濃度をより高い精度で計測するために、駆動装置10は、筐体11内部の温度を計測する温度計測部を備えてもよい。また、テーブル情報においては、ヘリウムの濃度及び電流値が温度にさらに対応付けられていてもよい。
【0076】
これにより、判定部15bは、上記テーブル情報、蛍光体ホイール12の回転数、及び、駆動部13の電流値に加えて、筐体11内部の温度を用いることにより、筐体11内部のヘリウムの濃度を高い精度で判定(推定)することができる。なお、温度計測部は、例えば、サーミスタまたは熱電対などの温度計測素子を有する温度計である。
【0077】
また、蛍光体ホイール12は、基板12aに立設したフィンをさらに有してもよい。図11は、フィンを有する蛍光体ホイール12の外観斜視図(蛍光体ホイール12を第2主面側から見た図)である。図11に示されるようなフィン12cによれば、蛍光体ホイール12が回転するときの気体による抗力が増加するため、ヘリウムが減少したときの駆動部13の電流値の変動が顕著になる。したがって、判定部15bは、筐体11内部のヘリウムの濃度を高い精度で判定(推定)することができる。
【0078】
なお、このようなフィン12cは、蛍光体ホイール12が回転したときにフィン12cによる風が蛍光体層12b側(外周側)に向かうように配置されるとよい。これにより、蛍光体ホイール12の放熱性を高めることができる。
【0079】
[筐体の変形例]
上記実施の形態で説明された筐体11の形状等は、一例である。筐体11の具体的態様は、特に限定されない。以下、筐体11の変形例について説明する。図12図15は、筐体11の変形例を説明するための図である。なお、図12及び図13は、模式断面図であり、図14及び図15は、外観斜視図である。
【0080】
図12に示されるように、ヒートシンク16は、筐体11の底部(基板12aの第2主面(蛍光体層12bが形成されていない主面)と対向する面を形成する部分)に立設されてもよい。また、ヒートシンク16は、筐体11の底部及び筐体11の側部の両方に立設されてもよい。このように、筐体11に対するヒートシンク16の配置及び数は特に限定されない。ヒートシンク16の形状についても限定されない。
【0081】
また、図13に示されるように、排気口17bが設けられる側部と底部とが接続されている角部11cの内面は、外側に向かって凸状の湾曲面(R面)となっていてもよい。これにより、気体注入口17aからヘリウムを注入した場合に、筐体11内部の空気が抜けやすくなる。言い換えれば、筐体11内部に空気が溜まりにくくなる。なお、このような効果を得るためには、少なくとも排気口17b側の角部の内面が湾曲面にされればよい。
【0082】
また、筐体11は、略扁平円柱状に限定されない。筐体11は、図14に示される筐体11d及び図15に示される筐体11eのように、扁平な略直方体状であってもよい。なお、筐体11d及び筐体11eは、ヒートシンク16aの配置が異なる。このように、筐体11が扁平な略直方体状である場合も、ヒートシンク16aの配置及び数は特に限定されない。
【0083】
[外郭筐体内の駆動装置の姿勢]
図1を用いて説明したように、駆動装置10は、外郭筐体301内に配置される。ここで、ヘリウムは空気よりも密度が小さいため筐体11内では鉛直上方に溜まる。つまり、筐体11の内部のヘリウムが減少したとしても、筐体11内部の鉛直上方にはヘリウムが残ることとなる。
【0084】
一方で、ヘリウムは、空気よりも熱伝導性が高い。このため、蛍光体ホイール12の発熱源である蛍光体層12bの放熱性を高めるために、駆動装置10は、ヘリウムが減少したとしても蛍光体層12bがヘリウムに接触しやすい姿勢で外郭筐体301内に配置されるとよい。図16は、外郭筐体301内の駆動装置10の姿勢を示す図である。
【0085】
図16に示されるように、投写型映像表示装置300は、投写型映像表示装置300を机等に載置するための脚302が設けられた底板303を有する。駆動装置10は、筐体11の側部のうちレンズ18寄りの部分(排気口17bの周辺部分)が底板303と反対側を向く姿勢で配置されるとよい。
【0086】
これにより、投写型映像表示装置300の通常の姿勢(脚302が机等に着いた姿勢)において、蛍光体層12bのレーザ光が照射される位置が鉛直上方に位置するため、ヘリウムが減少したとしても蛍光体層12bのレーザ光が照射される位置がヘリウムに接触しやすくなる。したがって、ヘリウムが減少したときの蛍光体ホイール12の放熱性の悪化が抑制される。
【0087】
[効果等]
以上説明したように、駆動装置10は、内部に空気よりも密度の低い気体が封入された筐体11と、筐体11の内部に収容された蛍光体ホイール12と、蛍光体ホイール12を駆動する駆動部13と、駆動部13によって蛍光体ホイール12が駆動されているときに駆動部13に流れる電流値を検知する電流検知部14と、検知された電流値に基づいて、筐体11内部の気体の濃度を判定する判定部15bとを備える。蛍光体ホイール12は、駆動対象物の一例である。気体は、例えば、ヘリウムである。
【0088】
このような駆動装置10は、気体の濃度に応じて蛍光体ホイール12(駆動対象物)を駆動することができる。
【0089】
また、気体は、空気よりも熱伝導率が高くてもよい。
【0090】
これにより、筐体11内部の蛍光体ホイール12(駆動対象物)の放熱性を高めることができる。
【0091】
また、駆動部13は、判定部15bによる気体の濃度の判定結果に基づいて蛍光体ホイール12を駆動してもよい。
【0092】
このような駆動装置10は、判定部15bによる気体の濃度の判定結果に基づいて蛍光体ホイール12(駆動対象物)を駆動することができる。
【0093】
また、駆動部13は、判定部15bによって気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、気体の濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりも遅い速度で蛍光体ホイール12を駆動してもよい。
【0094】
これにより、気体の濃度の減少によって増加する駆動部13の消費電力を抑制することができる。
【0095】
また、駆動部13は、判定部15bによって気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、気体の濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりも速い速度で蛍光体ホイール12を駆動してもよい。
【0096】
これにより、気体が空気よりも高い熱伝導率を有する場合には、気体の濃度が減少することによる蛍光体ホイール12の放熱性の低下を、回転速度(回転数)の増加による空冷によって補うことができる。
【0097】
また、駆動部13は、判定部15bによって気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、蛍光体ホイール12の駆動を停止してもよい。
【0098】
これにより、気体の濃度が減少した後も駆動装置10が継続的に使用されることによる不具合の発生が抑制される。
【0099】
また、投写型映像表示装置300は、内部に空気よりも密度の低い気体が封入された筐体11と、筐体11の内部に収容された蛍光体ホイール12と、蛍光体ホイール12を回転駆動する駆動部13と、蛍光体ホイール12を駆動中に駆動部13に流れる電流値を検知する電流検知部14と、検知された電流値に基づいて、筐体11内部の気体の濃度を判定する判定部15bとを備える。
【0100】
このような投写型映像表示装置300は、気体の濃度に応じて蛍光体ホイール12(駆動対象物)を駆動することができる。
【0101】
また、投写型映像表示装置300は、さらに、蛍光体ホイール12にレーザ光を照射するレーザ光照射部20を備えてもよい。レーザ光照射部20は、気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合に、気体の濃度が所定濃度以上であると判定された場合よりもレーザ光の出力を低下させてもよい。
【0102】
これにより、蛍光体ホイール12(蛍光体層12b)の励起発光が抑制されるため、蛍光体ホイール12の発熱が抑制される。したがって、気体の濃度が減少することによる蛍光体ホイール12の放熱性の低下を、蛍光体ホイール12の発熱の抑制によって補うことができる。
【0103】
また、投写型映像表示装置300は、さらに、判定部15bによって気体の濃度が所定濃度よりも低いと判定された場合にユーザに通知を行う通知部30を備えてもよい。
【0104】
このような通知部30によれば、ユーザに筐体11内部のヘリウムの濃度が低下したこと(駆動装置10のメンテナンスが必要であること)を通知することができる。
【0105】
(実施の形態2)
例えば、上記実施の形態では、蛍光体ホイール12が駆動対象物として例示されたが、駆動対象物は、蛍光体ホイール12に限定されない。駆動対象物は、例えば、ハードディスクであってもよい。つまり、本開示は、ハードディスクドライブにも適用できる。図17は、実施の形態2に係るハードディスクドライブの外観斜視図である。
【0106】
図17に示されるように、ハードディスクドライブ400は、筐体411と、ハードディスク412と、駆動部413と、電流検知部414と、制御部415(判定部)と、磁気ヘッド416とを備える。
【0107】
筐体411は、ハードディスク412、駆動部413、電流検知部414、制御部415、及び、磁気ヘッド416などを収容する本体部411aと、本体部411aの蓋411bとを有する。筐体411は、具体的には、アルミニウムなどの金属によって形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。筐体411は、扁平な略直方体状である。筐体411の内部には、空気よりも密度の低い気体(例えば、ヘリウム)が封入(充填)されている。ヘリウムは、蓋411bに設けられた気体注入口417aから注入され、筐体411内にヘリウムが充填された後、気体注入口417aは塞がれる。
【0108】
ハードディスク412は、駆動対象物の一例であって、駆動部413によって回転駆動される。駆動部413は、ハードディスク412を回転駆動するモータである。
【0109】
電流検知部414は、実施の形態1の電流検知部14と実質的に同一の構成要素であり、駆動部413によってハードディスク412が駆動されているときに駆動部413に流れる電流値を検知する。
【0110】
制御部415は、実施の形態1の制御部15と実質的に同一の構成要素であり、電流検知部414によって検知された電流値に基づいて、筐体11内部のヘリウムの濃度を判定し、かつ、駆動部413を制御する。
【0111】
磁気ヘッド416は、ハードディスク412へのデータの書き込み及びハードディスク412からのデータの読み出しを行う。
【0112】
記憶部419は、制御部415によって実行されるプログラム、及び、ヘリウムの濃度の判定に用いられるテーブル情報等が記憶される記憶装置である。記憶部419は、半導体メモリなどによって実現される。
【0113】
以上説明したようなハードディスクドライブ400は、駆動部413に流れる電流に基づいてヘリウムの濃度を判定し、例えば、判定結果に基づいてハードディスク412の回転数等を制御することができる。
【0114】
なお、駆動部413、及び、上記実施の形態1で説明された駆動部13は、いずれも駆動対象物を回転駆動するモータである。しかしながら、本開示は、圧電素子などのモータ以外のアクチュエータ(回転駆動以外の駆動を行うアクチュエータ)を駆動部として備える駆動装置にも適用できる。つまり、本開示は、アクチュエータなどの駆動部(駆動機構)を備える駆動装置全般に適用できる。
【0115】
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0116】
そこで、以下、他の実施の形態をまとめて説明する。
【0117】
上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態において説明されたフローチャートにおける複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理のうち一部の処理が並行して実行されてもよい。
【0119】
また、本開示の包括的または具体的な態様は、駆動装置または投写型映像表示装置に限定されるものではなく、システムまたは方法として実現されてもよい。また、本開示の包括的または具体的な態様は、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。
【0120】
例えば、本開示は、上記実施の形態で説明された筐体内の気体の濃度の判定方法(推定方法)として実現されてもよい。また、本開示は、上記判定方法(推定方法)をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、当該プログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0121】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0122】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示は、蛍光体ホイールの駆動装置、及び、ハードディスクドライブなどに適用できる。
【符号の説明】
【0124】
10 駆動装置
11,11d,11e,411 筐体
11a 第1筐体
11b 第2筐体
11c 角部
12 蛍光体ホイール
12a 基板
12b 蛍光体層
12c フィン
13,413 駆動部
14,414 電流検知部
15,415 制御部
15a 駆動制御部
15b 判定部
16,16a ヒートシンク
17a,417a 気体注入口
17b 排気口
18,103,104,107,115,203,205,308,309 レンズ
19 記憶部
20 レーザ光照射部
30 通知部
101 レーザ駆動部
101a,101b,101c,201a,201b 青色レーザダイオード
102a,102b,102c,202a,202b コリメートレンズ
105,204 拡散板
106 ダイクロイックミラー
116 ロッドインテグレータ
300 投写型映像表示装置
301 外郭筐体
302 脚
303 底板
304a,304b 冷却ファン
310,311 ミラー
312 光変調素子
313 投写レンズ
400 ハードディスクドライブ
412 ハードディスク
416 磁気ヘッド
419 記憶部
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