特許第6813950号(P6813950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6813950
(24)【登録日】2020年12月22日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】吸気口
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/04 20060101AFI20201228BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20201228BHJP
   B64C 30/00 20060101ALI20201228BHJP
   B64D 33/02 20060101ALI20201228BHJP
【FI】
   F02C7/04
   F02C7/00 F
   B64C30/00
   B64D33/02
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-21511(P2016-21511)
(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公開番号】特開2016-194290(P2016-194290A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2019年2月8日
(31)【優先権主張番号】14/627,509
(32)【優先日】2015年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アダムソン, エリック イー.
(72)【発明者】
【氏名】フーガル, スペンサー ロバート
【審査官】 家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−534960(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0223978(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0258307(US,A1)
【文献】 特表2004−526619(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101798961(CN,A)
【文献】 特表2009−520142(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0107557(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0199621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 30/00
B64D 33/02
F02C 7/04 − 7/057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウル(28)、並びに
前記カウルの内面に形成された吸気口(10)を含み、前記吸気口は、前記カウルの前方端から前記カウルの後端まで延びる、湾曲した上方ダクト(26)と、スロート(18)において亜音速拡散セクション(16)に取り付けられた超音速圧縮セクション(14)とを含み、前記超音速圧縮セクションは、前記湾曲した上方ダクトの前方部分(26a)と、前記内面に沿った約180度の弧に沿って延び、前記湾曲した上方ダクトの反対側の少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプ(30)とを含み、
前記超音速圧縮セクション(14)は、流動方向に見た場合に少なくとも部分的に楕円形である、装置。
【請求項2】
前記前方部分(26a)と前記圧縮ランプ(30)とが、前記超音速圧縮セクション(14)において一続きの外周を形成している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記圧縮ランプ(30)が、第1の圧縮ランプセクション(30a)及び第2の圧縮ランプセクション(30b)を含み、前記第1の圧縮ランプセクション及び第2の圧縮ランプセクションが、前記吸気口(10)を通流する気流(22)に衝撃をもたらすように構成されたターン(48)によって、互いから分離されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の圧縮ランプセクション(30a)が、前記弧のすべての点に沿って直線的であり、前記第2の圧縮ランプセクション(30b)が、前記弧のすべての点に沿って直線的である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記弧に沿った各点において、前記第1の圧縮ランプセクション(30a)が、前記カウル(28)の中心線(37)に対して第1の角度、傾斜しており、前記第2の圧縮ランプセクション(30b)が、前記中心線に対して第2の角度、傾斜しており、前記第1の角度と前記第2の角度とは異なる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の圧縮ランプセクション(30a)の長さが、前記第2の圧縮ランプセクション(30b)の長さよりも短い、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項7】
前記亜音速拡散セクション(16)が、前記湾曲した上方ダクト(26)の一部分と拡散ランプ(31)とを含む、請求項1から6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記拡散ランプ(31)が少なくとも部分的に楕円形である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮ランプ(30)が、前記湾曲した上方ダクト(26)と、及び前記拡散ランプ(31)と融合している、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
気流を拡散する方法であって、
カウル(28)の内面に形成された吸気口(10)の超音速圧縮セクション(14)へ気流(22)を流入させることと、
前記気流が前記吸気口を通流する際に前記気流を圧縮することと、
前記気流(22)を、前記超音速圧縮セクション(14)から亜音速拡散セクション(16)内へと通流させることと、
前記気流を前記亜音速拡散セクション内で亜音速気流へと拡散することと
を含み、
前記超音速圧縮セクションが、前記内面に沿った約180度の弧に沿って延びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプ(30)を含み、前記少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプ(30)は、湾曲した上方ダクト(26)の反対側に配置され、前記超音速圧縮セクション(14)は、流動方向に見た場合に少なくとも部分的に楕円形である、方法。
【請求項11】
前記圧縮ランプ(30)の長さは、前記圧縮ランプ(30)が前記吸気口(10)の外周を延びるにつれて変化する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記圧縮ランプ(30)が、1:3の長さ対高さを有する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は吸気口に関し、詳細には、航空機エンジンのための吸気口に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンに入る超音速の気流を亜音速の気流へと拡散するための(F−15及びF−14などの)既存の2次元型吸気口は典型的に、フラットパネルへの圧力負荷及び全体として大きめの表面積が原因で、同等の軸対象型吸気口よりも大きな重量及び抗力を有する。2次元型吸気口は、コーナー部分における実在流体の物理特性に関連して、望ましくない圧力変形、及び全体として不十分な圧力回復を受けることがある。F−22のような凸状の(bump)吸気口デザインにより重量及び抗力は改善され得るが、圧力回復は良好でないことが多い。MiG−21のような既存の軸対象型吸気口は、典型的に、発生した気流の角度変化に対して2次元型吸気口と同等の安定余裕及び許容性をもたらさない。MirageIIIのような既存の半円型吸気口は、吸気開口部がエンジンカウルよりもファン面(fan face)において広いので、ポッド状ナセルの設置では一体化に関した問題を生じることが多い。航空機の設計においては典型的に上記で参照したデザインのうちの1つが使用されるが、これにより重量が加わるか又は性能が低下することがある。
【0003】
一又は複数の既存の吸気口が受ける一又は複数の問題が改善されるような吸気口に対する需要が存在する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、吸気口が開示される。吸気口はカウルの内面に形成される。吸気口は、スロートにおいて亜音速拡散セクションに取り付けられた超音速圧縮セクションを有する。超音速圧縮セクションは、内面に沿った約180度の弧に沿って伸びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプを含む。吸気口は航空機の一部を形成し得る。
【0005】
別の実施形態では、航空機が開示される。航空機は、カウルの内面に形成された吸気口を含む。吸気口は、スロートにおいて亜音速拡散セクションに取り付けられた超音速圧縮セクションを有する。超音速圧縮セクションは、内面に沿った約180度の弧に沿って伸びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプを含む。吸気口は航空機の一部を形成し得る。当該吸気口を用いた気流の方法も開示される。
【0006】
更に別の実施形態では、気流を拡散する方法が開示される。1つのステップで、気流は、カウルの内面に形成された吸気口の超音速圧縮セクションへと流入する。超音速圧縮セクションは、当該内面に沿った約180度の弧に沿って伸びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプで形成される。別のステップで、気流が吸気口を通流する際に圧縮される。
【0007】
本開示のこれらの特徴及びその他の特徴、態様、及び利点は、下記の添付図面、説明、及び特許請求の範囲を参照することでより深く理解されるであろう。本概要は、本開示の幾つかの態様の基本的な理解を促すために幾つかの例示的な実施形態の概説を目的として提供されるにすぎない。従って、上記の例示的な実施形態は実施例にすぎず、本開示の範囲又は概念を狭めると解されるべきでないことを理解されたい。本開示の様々な実施形態の他の実施形態、態様、及び利点は、下記の詳細な記載を添付図面と組み合わせることにより明らかとなるであろう。添付図面は本開示の実施形態の原理を例として示したものである。
【0008】
本開示の実施形態の構造及び工程を組織化すること及びその方式、並びにそれらの更なる利点は、添付図面と組み合わせて下記の記載を参照することにより最も深く理解され得る。添付図面は必ずしも寸法通りに描かれておらず、類似の参照番号は類似の構成要素を表示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】航空機に取り付けられた吸気口の実施形態及び航空機エンジンの斜視図である。
図2】航空機及びエンジンから取り外された図1の吸気口の斜視図である。
図3】吸気口の上面図である。
図4図3の軸Aに沿った外向き(toed out)ポジションにある吸気口の側面図である。
図5図4の吸気口の破断斜視図である。
図6図3の軸Bに沿った内向き(toed in)ポジションにある吸気口の側面図である。
図7図3の線7−7の沿った吸気口の断面図である。
図8図3の線8−8の沿った吸気口の断面図である。
図9図3の線9−9に沿った吸気口の断面図である。
図10】吸気口を用いて気流を圧縮及び拡散する方法の実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は様々な形で実施形態に応用可能であるが、特定の実施形態が図面に示され本明細書に詳細に記載されている。これは、本開示は本開示の原理を例示するためのものであって本開示を本明細書に図示及び記載したものに限定する意図はないという理解の下になされている。従って、特に断りのない限り、本明細書に記載の複数の特徴が組み合わされて更なる組み合わせを形成することがあり得るが、簡潔を期するためにそのような組み合わせは示されていない。幾つかの実施形態で、例として一以上の図面に示されている一以上の要素が本開示の範囲内で除かれ及び/又は代替的要素に取って代わられることがあることを更に理解されたい。下記の詳細な説明は、本開示を実施するための現時点で企図されるベストモードである。記載は限定的な意味にとられるべきでなく、本開示の原理を広く示す目的でのみなされており、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲で最も明確に定められている。
【0011】
図1及び2は、超音速吸気口10の実施形態の斜視図を示す。超音速吸気口10はカウル28の内面を形成する。超音速吸気口10は外部圧縮型の超音速吸気口を含み得る。別の実施形態では、超音速吸気口10が混合圧縮型の超音速吸気口を含んでもよい。超音速吸気口10は航空機12の一部を含み得る。
【0012】
カウル28は複合材料で構成され得る。他の実施形態では、カウル28が、チタニウム、スチール、アルミニウム、又は他のタイプの材料などその他の材料で作製されていてもよい。カウル28は、流動方向に見た場合に少なくとも部分的に楕円形である。カウル28は、クラウン(crown)(上部)を画定する第1の表面32、キール(keel)(下部)を画定する第2の表面33、並びに、第1の表面32の対向端と第2の表面33の対向端とに取り付けられ且つそれらの間で伸びる側面34及び36を含む。側面34、36は、カウル28の最大幅において画定されるカウル28の最大半幅を画定する。カウル28の前方端でハイライト(突出部)46が画定されており、カウル28の後方端で後端47が画定されている。ハイライト46は、キールからクラウンまで後方に傾斜している。カウル28の第2の表面33にディフューザ35が取り付けられ得る。
【0013】
図4及び6は、図1及び2の超音速吸気口10の側面図を示す。図4で、超音速吸気口10は、図3の軸Aに沿って2度、外向きのポジションで示されており、航空機12の部品での使用中、超音速吸気口10はこのポジションに位置する。超音速吸気口10は、航空機12の部分での使用中、2度、内向きのポジションにも位置し得る。また、使用中、超音速吸気口10はスカーフされる(scarfed)。図6は、図3のX−Z平面、軸Bに沿った超音速吸気口10の側面図を示す。
【0014】
図1に示すように、超音速吸気口10は、亜音速拡散セクション16にスロート18(図6を参照)で取り付けられた超音速圧縮セクション14を含む。スロート18はハイライト46の最も後部の点に位置する。図6に示すように、スロート18は平坦である。超音速吸気口10は、ハイライト46からカウル28の後端47まで伸びる湾曲した上方ダクト26を有する。図2に示すように、超音速圧縮セクション14は、自由気流22が超音速状態にある場合、気流22が超音速圧縮セクション14の開始入口24から超音速圧縮セクション14を通って亜音速拡散セクション16の始点であるスロート18(図6を参照)まで流れる際に、気流22を圧縮するように構成されている。亜音速拡散セクション16はエンジン20に接続されている。エンジン20は、3.5のBPR(バイパス比)値、24のOPR(全体圧力比)、及び華氏2900度のRIT(バーナ出口の温度)を有するガスタービンエンジンを含み得る。他の実施形態では、エンジン20が1〜16の範囲のBPR値、14〜80のOPR値、及び2,000〜3,500FのRIT値を有するガスタービンエンジン、もしくはラムジェット、ダクテッドロケット、スクラムジェット、又は他のタイプのエアブリージングエンジンを備えていてもよい。
【0015】
超音速圧縮セクション14は、湾曲した上方ダクト26の前方部分26a及び超音速圧縮ランプ30によって形成されている。前方部分26a及び超音速圧縮ランプ30は、吸気口10の超音速圧縮セクション14の周囲で一続きの外周を形成する。超音速圧縮セクション14は、流動方向に見た場合に少なくとも部分的に楕円形である。超音速圧縮ランプ30は、第1の圧縮ランプセクション30a及び第2の圧縮ランプセクション30bに分割されている(図4〜6を参照)。第1の圧縮ランプセクション30aは、ハイライト46と第2の圧縮ランプセクション30bとの間を伸びている。第2の圧縮ランプセクション30bは、第1の圧縮ランプセクション30aとスロート18との間を伸びている。第1の圧縮ランプセクション30aと第2の圧縮ランプセクション30bとの間に、第1のターン(turn)48が設けられている。第2の圧縮ランプセクション30bとスロート18との間に、第2のターン49が設けられている。第1の及び第2のターン48は、気流22を圧縮するために、気流22が超音速圧縮セクション14を通流する際に、気流22内に斜め衝撃波をもたらすように構成されている。断面積(上方ダクト26と超音速圧縮ランプ30との間の流動方向の断面積として画定される)は、スロート18において最小である(図6を参照)。
【0016】
第1の圧縮ランプセクション30aは、超音速吸気口10に沿った約180度の弧に沿って伸びており、側面34の最大半幅に整列された内部点から、カウル28の第2の表面33の内部に沿って、側面36の最大半幅に整列された内部点まで、連続的に伸びている。第1の圧縮ランプセクション30aが、各側面34、36の最大半幅に整列された内部点を越えて伸びていてもよい。第1の圧縮ランプセクション30aは、部分的に楕円形であり、ある曲率半径を有する。図7〜9の断面図に示すように、第1の圧縮ランプセクション30aは、第1の圧縮ランプセクション30aの外周のすべての点において、ハイライト46から第2の圧縮ランプセクション30bまで直線的に伸びている。第2の圧縮ランプセクション30bは、超音速吸気口10に沿った約180度の弧に沿って伸びており、側面34の最大半幅に整列された内部点から、カウル28の第2の表面33の内部に沿って、側面36の最大半幅に整列された内部点まで、連続的に伸びている。第2の圧縮ランプセクション30bが、各側面34、36の最大半幅に整列された内部点を越えて伸びていてもよい。第2の圧縮ランプセクション30bは、部分的に楕円形であり、ある曲率半径を有する。図7〜9の断面図に示すように、第2の圧縮ランプセクション30bは、第2の圧縮ランプセクション30bの外周のすべての点において、第1の圧縮ランプセクション30aからスロート18まで直線的に伸びている。
【0017】
図6に示すように、第1の圧縮ランプセクション30aは、カウル28の中心線37に対して角度α傾斜しており、第2の圧縮ランプセクション30bは、中心線37に対して角度β傾斜している。角度αは角度βとは異なり、角度αは角度βよりも小さい。角度αは約2度〜約4度の範囲内にあり得、角度βは約3度〜約7度の範囲内にあり得るが、角度αは常に角度βよりも小さい。
【0018】
超音速圧縮ランプ30の長さは、超音速圧縮ランプ30が超音速吸気口10の外周を伸びるにつれて変化する。この長さは、ハイライト46からスロート18までの距離として規定される。好ましくは、超音速圧縮ランプ30が、1:3の長さ対高さを有する。超音速圧縮ランプ30は、第2の表面33において、最大半幅よりも長い。第1の圧縮ランプセクション30aは、第2の圧縮ランプセクション30bの長さよりも短い長さを有する。第1の圧縮ランプセクション30aの長さは、ハイライト46と第2の圧縮ランプセクション30bとの間の第1の圧縮ランプセクション30aの様々な点に沿った距離として規定される。第2の圧縮ランプセクション30bの長さは、第1の圧縮ランプセクション30aとスロート18との間の第2の圧縮ランプセクション30bの様々な点に沿った距離として規定される。圧縮ランプセクション30a、30bは、約1.7:1の長さ比(X方向における絶対長)を有する。この長さ比は、超音速吸気口10の周囲の超音速圧縮ランプ30の湾曲に沿ってほぼ一貫している。例えば、超音速圧縮ランプ30のキールにおいて、第1の圧縮ランプセクション30aは27インチの長さを有し得、第2の圧縮ランプセクション30bは45インチの長さを有し得る。
【0019】
結果として、超音速圧縮ランプ30が超音速吸気口10に沿った約180度の弧を越えて伸びるので、超音速吸気口10は、実際上、従来技術によるランプよりも大きい圧縮面積を有する。超音速圧縮ランプ30はいかなるフラットパネルも含まないので、結果として、超音速吸気口10における圧力負荷が低減し外周面積が減少する。結果として、この超音速吸気口10は、典型的な超音速吸気口よりも低い抗力を有する。
【0020】
超音速圧縮ランプ30は超音速吸気口10に沿った約180度の弧を包囲するので、結果として、クラウン高さ(即ち、超音速圧縮ランプ30とハイライト46との間の最小距離)が、従来型のフラットなランプよりも小さい。これにより、より単純な亜音速拡散セクション16が実現する。
【0021】
亜音速拡散セクション16は、超音速圧縮セクション14によって圧縮された気流22を受け取るように構成されており、エンジン20に入る前の気流22を亜音速状態へと拡散するように構成されている。亜音速拡散セクション16は、上方ダクト26の後方部分26b及び亜音速拡散ランプ31を含む。後方部分26b及び亜音速拡散ランプ31は、超音速吸気口10の周囲で一続きの外周を形成する。亜音速拡散セクション16は、スロート18からカウル28の後端70まで伸びている。超音速吸気口10は、亜音速拡散セクション16において少なくとも部分的に楕円形であり得る。亜音速拡散ランプ31は、少なくとも部分的に楕円形であり得、50%の楕円を含み得る。他の実施形態では、亜音速拡散ランプ31が、任意の割合の楕円を含み得るか又は可変形状であり得る。更なる実施形態では、上方弧状ダクト26及び亜音速拡散ランプ31が可変形状であり得る。更に別の実施形態では、拡散ランプ31が除外されていてもよい。
【0022】
超音速圧縮セクション14の断面は、開始入口24において最大であり、スロート18において最小である。亜音速拡散セクション16の断面は、スロート18において最小であり、終端70において最大である。
【0023】
第2の圧縮ランプセクション30bは、最大半幅に整列された内部点において上方弧状ダクト26と円滑に融合しており、これが亜音速拡散セクション16の部分を形成する。第2の圧縮ランプセクション30bは、亜音速拡散ランプ31の幅に沿って亜音速拡散ランプ31と円滑に融合している。結果として、超音速圧縮ランプ30は、上方弧状ダクト26及び亜音速拡散ランプ31と円滑に融合する。
【0024】
超音速吸気口10の構成により、一又は複数の既存の超音速吸気口と比較して(性能の向上、効率改善、変形の低減、回復の増大、外部抗力の低減、及び重量削減などの)多くの利益がもたらされ、これにより、一又は複数の既存の超音速吸気口を用いた一又は複数の既存の航空機と比較して、航空機12のサイズ削減又は航空機12の航続距離拡大が可能となる。気流22は超音速圧縮セクション14の断面積内を均一に流れ、気流22は亜音速拡散セクション16の断面積内を均一に流れ、気流22は亜音速拡散セクション16の終端70においてほぼ均一のままである。超音速吸気口10の外部表面積の削減により、超音速吸気口10が低い外部抗力をもたらす。超音速吸気口10の使用により、航空機12の航続距離の向上が可能となる。
【0025】
図10は、気流22を圧縮及び拡散する方法72の一実施形態のフロー図である。ステップ74で、気流22は超音速圧縮セクション14へと流入する。ステップ76で、気流22は超音速圧縮セクション14を通流する際に圧縮される。気流22は、超音速圧縮セクション14を通流する際に圧縮ランプセクション30a、30bを越えて流れる。このときターン48が気流22に衝撃をもたらす。ステップ78で、気流22は、超音速圧縮セクション14からスロート18を通って亜音速拡散セクション16へと流入する。気流22は、スロート18を通流する。このときターン49が気流22に衝撃をもたらす。ステップ80で、気流22は亜音速拡散セクション16内で亜音速気流へと拡散され、次いでエンジン20へと流入する。
【0026】
更に、本発明は以下の条項による実施形態を含む。
【0027】
条項1
カウル、並びに
カウルの内面に形成された吸気口であって、カウルの前方端からカウルの後端まで伸びる上方ダクトと、スロートにおいて亜音速拡散セクションに取り付けられた超音速圧縮セクションであって、上方ダクトの前方部分、及び、当該内面に沿った約180度の弧に沿って伸びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプを含む、超音速圧縮セクションとを含む、吸気口
を含む、装置。
【0028】
条項2
前方部分と圧縮ランプとが、超音速圧縮セクションにおいて一続きの外周を形成する、条項1に記載の装置。
【0029】
条項3
圧縮ランプが、第1の圧縮ランプセクション及び第2の圧縮ランプセクションを含み、これらの圧縮ランプセクションが、吸気口を通流する気流に衝撃をもたらすように構成されたターンによって、互いから分離されている、条項1に記載の装置。
【0030】
条項4
第1の圧縮ランプセクションが、当該弧のすべての点に沿って直線的であり、第2の圧縮ランプセクションが当該弧のすべての点に沿って直線的である、条項3に記載の装置。
【0031】
条項5
弧に沿った各点において、第1の圧縮ランプセクションが、カウルの中心線に対して第1の角度傾斜しており、第2の圧縮ランプセクションが、当該中心線に対して第2の角度傾斜しており、第1の角度と第2の角度とは異なる、条項4に記載の装置。
【0032】
条項6
第1の圧縮ランプセクションの長さが第2の圧縮ランプセクションの長さよりも短い、条項3に記載の装置。
【0033】
条項7
前記亜音速拡散セクションが、上方ダクトの一部分と拡散ランプとを含む、条項1に記載の装置。
【0034】
条項8
拡散ランプが少なくとも部分的に楕円形である、条項7に記載の装置。
【0035】
条項9
圧縮ランプが、上方ダクトと、及び拡散ランプと融合している、条項7に記載の装置。
【0036】
条項10
カウルと、
カウルの内面に形成された超音速吸気口とを含む航空機であって、前記吸気口が、カウルの前方端からカウルの後端まで伸びる上方ダクトを含み、超音速圧縮セクションがスロートにおいて亜音速拡散セクションに取り付けられており、超音速圧縮セクションが上方ダクトの前方部分及び内面に沿った約180度の弧に沿って伸びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプを含む、航空機。
【0037】
条項11
当該前方部分と圧縮ランプとが、超音速圧縮セクションにおいて一続きの外周を形成している、条項10に記載の航空機。
【0038】
条項12
圧縮ランプが、第1の圧縮ランプセクション及び第2の圧縮ランプセクションを含み、これらの圧縮ランプセクションが、吸気口を通流する気流に衝撃をもたらすように構成されたターンによって、互いから分離されている、条項10に記載の航空機。
【0039】
条項13
第1の圧縮ランプセクションが、弧のすべての点において直線的であり、第2の圧縮ランプセクションが、弧のすべての点において直線的である、条項12に記載の航空機。
【0040】
条項14
弧に沿った各点に沿って、第1の圧縮ランプセクションが、カウルの中心線に対して第1の角度傾斜しており、第2の圧縮ランプセクションが、中心線に対して第2の角度傾斜しており、第1の角度及び第2の角度が異なる、条項13に記載の航空機。
【0041】
条項15
第1の圧縮ランプセクションの長さが圧縮第2のランプセクションの長さよりも短い、条項13に記載の航空機。
【0042】
条項16
圧縮ランプが上方ダクト及び拡散ランプと融合されている、条項10に記載の航空機。
【0043】
条項17
気流を拡散する方法であって、
カウルの内面に形成された吸気口の超音速圧縮セクションへ気流を流入させることであって、前記超音速圧縮セクションが、内面に沿った約180度の弧に沿って伸びる少なくとも部分的に楕円形の圧縮ランプを含む、流入させること、及び
吸気口を通流する際に当該気流を圧縮すること
を含む、方法。
【0044】
条項18
当該気流を超音速圧縮セクションから亜音速拡散セクション内へと通流させること、及び、当該気流を亜音速拡散セクション内で亜音速気流へと拡散することを更に含む、条項17に記載の方法。
【0045】
具体的な図面を参照して実施形態が示され説明されているが、添付の特許請求の範囲の概念から逸脱することなく当業者が様々な修正を考案し得ることが想定される。従って、本開示及び添付の特許請求の範囲は、図面に関して示され説明された特定の実施形態に限定されず、修正及びその他の実施形態もまた、本開示及び添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることが理解されよう。更に、上述の説明及び関連図面は、要素及び/又は機能のある例示的な組み合わせに照らして例示的な実施形態を説明しているが、要素及び/又は機能の種々の組み合わせが、本開示及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく代替的な実施形態によって提供され得ることを、認識すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10