(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
料金所の車線毎に設けられ、車線を通行する車両と無線通信を行うことで料金収受処理を行う料金所車線機器と、料金所毎に設置され、前記料金所車線機器の動作を制御する車線サーバと、各料金所の車線サーバと接続される中央装置とを備えるETCシステムに適用される保守端末であって、
前記車線サーバと情報を送受する通信インタフェースと、
保守員から入力される情報を取得する操作部と、
表示画面に、トラブルシートの作成要求を指定する保守メニューを表示するように制御するメニュー表示制御部と、
前記通信インタフェースを介して前記料金所車線機器の障害関連情報を取得する障害関連情報取得部と、
前記操作部から前記保守メニューを介して前記トラブルシートの作成要求を受け付けると、前記障害関連情報に基づきトラブルシートの対応項目を埋めて、手入力が必要な箇所が明確になるようにトラブルシートを作成する作成部と、
を備える保守端末。
前記作成部は、追加情報の入力漏れを指摘する案内を表示し、前記操作部を介して取得される追加情報を含む前記トラブルシートを作成する請求項1乃至3の何れか1つの保守端末。
前記障害関連情報取得部は、前記操作部を介して前記ログ指定メニューで指定されるログデータを変更し、前記通信インタフェースを介して変更後の前記ログ指定メニューで指定されるログデータを取得する請求項5の保守端末。
車線毎に設置され、車線を通行する車両と無線通信をおこなうことで料金収受を行う料金所車線機器と、料金所毎に設けられ前記料金所車線機器の動作を制御する車線サーバと、各料金所の車線サーバと接続される中央装置とを備えるETCシステムに適用される保守端末による保守方法であって、
前記保守端末のメニュー表示制御部は、表示画面に、トラブルシートの作成要求を指定する保守メニューを表示し、
前記保守端末の障害関連情報取得部は、前記車線サーバからの情報を取得する通信インタフェースを介して前記料金所車線機器の障害関連情報を取得し、
前記保守端末の作成部は、保守員から入力される情報を取得する操作部から前記保守メニューを介して前記トラブルシートの作成要求を受け付けると、前記障害関連情報に基づきトラブルシートの対応項目を埋めて、手入力が必要な箇所が明確になるようにトラブルシートを作成する保守方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態に係るETCシステムの一例について説明する。
図1は、実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。ETCシステムは、車両の通行を制御しつつ、通行する車両に対する料金を収受するシステムである。例えば、ETCシステムは、有料道路の料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより料金を収受する。また、ETCシステムは、料金収受を行うとともに、車両が通行する車線に設けたバーの開閉、及び車線の脇に設けられた路側表示器による案内表示などによって車両の通行を制御する。例えば、ETCシステムが適用される有料道路等の入口及び出口には料金所が設けられ、これら入口及び出口には1又は複数の車線が設けられる。
【0014】
図1に示すように、ETCシステムは、大別すると、中央システム側及び料金所側に分けられる。例えば、中央システム側は、汎用コンピュータ等の中央装置1を備える。料金所側は、料金所機械室に設置される料金所共通部分、及び料金所において車両が走行する車線毎に設けられる料金所車線機器4に分けられる。料金所共通部分としては、料金所サーバ2、車線監視制御装置3、車線サーバ5、及び保守端末6等がある。
【0015】
中央装置1は、各料金所の料金所サーバ2及び車線サーバ5に接続される。所定料金所の車線サーバ5は、同一の所定料金所の料金所機械室に設置される料金所サーバ2、車線監視制御装置3、及び保守端末6等と接続する。さらに、所定料金所の車線サーバ5は、同一の所定料金所の各料金所車線機器4と接続する。
【0016】
中央装置1は、各料金所サーバ2及び各車線サーバ5との間で各種データを交換し、料金所サーバ2は、車線サーバ5及び車線監視制御装置3との間で各種データを交換する。車線サーバ5は、各料金所車線機器4から送信されるセンサデータ及び車両情報に基づき、料金所車線機器4を制御したり料金を計算したりする。
【0017】
図2は、実施形態に係るETCシステムの料金所車線機器の概略構成の一例を示すブロック図である。また、
図3は、実施形態に係るETCシステムの料金所車線機器4の適用例を示す斜視図である。
図2に示すように、料金所車線機器4は、インタフェース集約部401、第1アンテナ411、第2アンテナ412、リカバリアンテナ413、車両検知器S1、車両検知器S2、車両検知器S4、ナンバープレート読取装置421、車種判別装置422、走行車両重量測定装置423、路側表示器424、ブース内表示器425、ETC車線表示板426、発進制御機427、車線監視カメラ428、車高計431、軸重計432、及び軸数計433を備える。車高計431は、ナンバープレート読取装置421に対応して設けられ、軸重計432は、ナンバープレート読取装置421、及び車種判別装置422に対応して設けられ、軸数計433は、ナンバープレート読取装置421に対応して設けられる。なお、ナンバープレート読取装置421、車種判別装置422、及び走行車両重量測定装置423のうち、一つを備える構成としてもよい。
図3に示すように、入口には、対向する二つのアイランド80が設けられ、これら二つのアイランド80の間に車線81が形成される。車両70は、矢印aの方向に向かって車線81上を走行する。なお、矢印aの下流側が有料道路外で、矢印aの上流側が有料道路内となる。本実施形態では、入口への料金所車線機器4の適用例について説明し、出口への料金所車線機器4の適用例は省略するが、入口と同様にして出口にも料金所車線機器4を適用することができる。
【0018】
本実施形態では、車載器71を搭載した車両70の通行を許可するETC専用車線へ料金所車線機器4を適用するケースについて説明するが、車載器71を搭載した車両70と車載器71を搭載しない一般車両の通行を許可するETC及び一般車線へ料金所車線機器4を適用することもできる。その場合、アイランド80には、係員又は車両の搭乗者による操作(手動操作)で料金収受を行うためのブースが設けられる。
【0019】
各料金所の料金所機械室に設けられる料金所サーバ2には車線監視制御装置3が接続される。所定の料金所の各車線に設けられる料金所車線機器4は、所定の料金所の料金所機械室の車線サーバ5に接続され、車線サーバ5は、所定の料金所の料金所機械室の料金所サーバ2及び車線監視制御装置3と接続される。また、各料金所の料金所機械室の料金所サーバ2は、中央装置1に接続される。つまり、所定の料金所の料金所機械室の料金所サーバ2及び車線監視制御装置3は、所定の料金所の各車線に設けられる料金所車線機器4に接続される車線サーバ5の情報を収集し、さらに中央装置1は、所定の料金所を含む各料金所の料金所機械室に設置される各料金所サーバ2からの情報を収集する。
【0020】
また、所定の料金所の料金所機械室の保守端末6は、同一の所定の料金所の料金所機械室の車線サーバ5に接続され、車線サーバ5で収集された情報に基づき保守を支援する。保守の支援については後に詳しく説明する。
【0021】
図3に示すように、アイランド80上に、インタフェース集約部401が設けられる。インタフェース集約部401は各部からの情報を集約して、車線サーバ5へ出力する。インタフェース集約部401に接続される各部は、それぞれが障害を検出し、障害を検出した場合には障害情報を出力する。例えば、障害情報は、障害を識別する情報である。よって、各部からの情報には、障害情報が含まれることがある。また、インタフェース集約部401に接続される各部のうちのいくつかは、それぞれがログデータを出力する。よって、各部からの情報には、ログデータが含まれることがある。
【0022】
また、アイランド80上に、上流から下流に向かって順に、例えば車両検知器S1、車両検知器S2、及び車両検知器S4のセンサが設けられる。これら車両検知器S1、車両検知器S2、及び車両検知器S4のセンサは、通行する車両70を検知し、インタフェース集約部401へ車両検知信号を出力する。インタフェース集約部401は、車両検知信号を車線サーバ5へ出力する。車線サーバ5は、車両検知信号に基づき車線81上の車両70の位置を検出し、料金所車線機器4の動作を制御する。
【0023】
また、アイランド80上に、上流から下流に向かって順に、第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413が設けられる。これら第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車両70の車載器71と通信し、車載器71から送信される各種情報を受信し、また、車載器71に対して各種情報を送信する。例えば、入口の料金所車線機器4においては、第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、入口情報を車載器71へ送信する。車載器71は、入口情報を記憶する。また、出口の料金所車線機器4においては、第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車載器71から送信される入口情報及び車両情報を受信し、インタフェース集約部401へ入口情報及び車両情報を送信する。インタフェース集約部401は、入口情報及び車両情報を車線サーバ5へ送信する。車線サーバは、入口情報及び車両情報と出口情報とに基づき料金を算出し、インタフェース集約部401及び料金所サーバ2へ料金情報を送信する。インタフェース集約部401は、料金情報を第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413へ送信する。第1アンテナ411、第2アンテナ412、及びリカバリアンテナ413は、車載器71へ料金情報を送信する。車載器71は、料金情報を記憶する。
【0024】
また、アイランド80上には、上流から下流に向かって順に、ETC車線表示板426、路側表示器424、発進制御機427、及び車線監視カメラ428が設けられる。例えば、ETC車線表示板426は、料金所に差し掛かる車両70の運転者が表示内容を確認できるように車線の上部に設置され、車線の運用状況(ETC専用、一般、或は、ETCと一般の混在など)を表示する。路側表示器424は、車両70の運転者に対し、徐行、停止、発進などの走行案内を出力(表示)する。また、路側表示器424は、車両70の運転者に対し料金情報などの案内を出力(表示)する。発進制御機427は、インタフェース集約部401からの発進制御情報に基づき発進制御バー427aの開閉を制御する。発進制御バー427aは、閉鎖した状態において車両の通過(車線81からの退出)を物理的に阻止し、開放した状態において車両の通過を許可する。車線監視カメラ428は、車線への車両70の進入時または退出時に車両70を撮影する。
【0025】
また、アイランド80上には、ナンバープレート読取装置421が設けられ、ナンバープレート読取装置421は、車両70を撮影し、撮影した画像からナンバープレートを読み取り、読み取り結果をインタフェース集約部401へ出力する。また、車高計431は、各種センサにより車線81を通過する車両70の車高を測定し、軸重計432は、各種センサにより車線81を通過する車両70の軸の重量を測定し、軸数計433は、各種センサにより車両70の車線81を通過する軸数を計測する。車種判別装置422は、軸数等の情報から車種を判別し、判別結果をインタフェース集約部401へ出力する。する。走行車両重量測定装置423は、軸重等の情報から走行車両重量を測定し、測定結果をインタフェース集約部401へ出力する。
【0026】
なお、上記したように、ETC及び一般車線へ料金所車線機器4を適用するケースでは、アイランド80にはブースが設けられるが、ブース内にはブース内表示器425が設けられる。本実施形態では、ブースに関する詳細説明は省略する。
【0027】
図4は、実施形態に係るETCシステムの保守端末6の概略構成の一例を示すブロック図である。例えば、保守端末6は、汎用のコンピュータであり、デスクトップ型、ノート型、及びタブレット型の何れでもよい。
【0028】
図4に示すように、保守端末6は、プロセッサ61、記憶部62、インタフェース(I/F)63、表示部64、及び操作部65等を有する。
【0029】
プロセッサ61は、記憶部62が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ61は、記憶部62が記憶するプログラムを実行することにより保守支援部として機能する。例えば、プロセッサ61は、保守支援処理を実行する保守支援部として、メニュー表示制御部611、及び障害関連情報取得部612、作成部613を備える。メニュー表示制御部611は、表示部64の表示画面に、トラブルシートの作成要求を指定する保守メニューを表示するように制御する。また、メニュー表示制御部611は、表示部64の表示画面に、ログ指定メニューM2を表示するように制御する。障害関連情報取得部612は、インタフェース63を介して料金所車線機器4の障害関連情報を取得する。作成部613は、後述するトラブルシートの作成、及びログデータの作成を実行する。
【0030】
記憶部62は、プロセッサ61が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部62は、データメモリとして、HDD(ハードディスクドライブ)或はSSD(ソリッドステートドライブ)などの書換え可能な不揮発性メモリを有する。
【0031】
記憶部62は、保守支援処理を実行するためのプログラムを記憶している。プロセッサ61は、記憶部62が記憶するプログラムを実行することにより保守支援処理を実現する。
【0032】
インタフェース63は、車線サーバ5に接続するためのインタフェースであり、車線サーバからの情報を取得する通信インタフェースとして機能する。インタフェース63は、保守対象となる装置に接続できるものであれば良く、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して車線サーバ5に通信接続するための有線又は無線のインタフェースであってもよい。例えば、車線サーバ5は、制御部、記憶部およびインタフェースを有し、保守端末6のインタフェース63は、通信回線を介して、車線サーバ5のインタフェースに接続される。また、インタフェース63は、後述するトラブルシートを出力する保守支援部としても機能する。
【0033】
表示部64は、ディスプレイ装置により構成される。表示部64は、プロセッサ61からの表示制御に応じた表示内容を表示し、保守支援部として機能する。
操作部65は、キーボード、ポインティングデバイス、或は、タッチパネルなどで構成される。操作部65は、保守員から入力される情報を受け付けその情報をプロセッサ61へ供給する。例えば、表示部64及び操作部65は、タッチパネルを有する表示装置により構成しても良い。
【0034】
例えば、保守端末6は、インタフェース63により通信回線を介して車線サーバ5に接続し、車線サーバ5の各種情報の表示、各種情報の入出力及び車線サーバ5に対する設定情報の変更等を実施する。
【0035】
以下、実施形態に係る保守端末6による保守支援処理について説明する。
【0036】
車線サーバ5は、インタフェース集約部401からの障害情報を受信すると、車線監視制御装置3に障害情報を送信する。保守端末6が車線サーバ5に接続されていれば、接続に応じて、車線サーバが保守端末6に障害情報を送信することもできる。なお、車線サーバ5が、インタフェース集約部401からの車両検知情報等に基づき料金所車線機器4の障害を検出し、検出した障害情報を車線監視制御装置3等に送信するようにしてもよい。車線サーバ5において障害が検知された場合、検知された障害は外部へ通知される。障害の通知を受けた保守員等は、車線サーバ5に保守端末6を接続し、接続された保守端末6を操作して、障害対応等を実施する。或いは、保守員等は、既に接続された保守端末6を操作して、障害対応等を実施する。また、車線サーバ5は、料金所車線機器4の一部からのログデータを収集し蓄積する機能を備えている。車線サーバ5は、インタフェース集約部401を介して収集したログを一定期間保存する。
【0037】
図5は、保守端末の表示部により出力される保守メニュー、及び保守メニューから出力指定可能なトラブルシートの一例を示す図である。例えば、保守端末6のメニュー表示制御部611は、表示部64(表示画面)に、障害情報の受信に対応して保守メニューM1を表示するように制御し、これに対応して、保守端末6の表示部64は、保守メニューM1を表示する。保守メニューM1は、トラブルシート出力のボタン(オブジェクトイメージ)等を含む。保守メニューM1のトラブルシート出力のボタンは、トラブルシートの作成要求を指定する。トラブルシート出力のボタンが選択されると、保守端末6は、トラブルシートTSを出力する。トラブルシートTSの出力は、表示部64によりトラブルシートTSを表示することであってもよいし、インタフェース63によりトラブルシートTSの印刷データを外部プリンタへ出力し、外部プリンタがトラブルシートTSを印刷することであってもよい。
【0038】
図6は、保守端末の表示部により出力(表示)されるログ指定メニューの一例を示す図である。例えば、保守端末6の表示部64は、トラブルシートTSへの入力完了又は印刷完了に対応してログ指定メニューM2を表示する。ログ指定メニューM2は、ログ指定条件を設定するためのチェックボックス(オブジェクトイメージ)等を含む。
【0039】
ログ指定メニューM2により、ログデータ取得先を細かく指定することができる。例えば、ログ指定メニューM2により、ログデータ取得先の車線番号を指定することができる。また、ログ指定メニューM2により、ログデータ取得先を車線サーバ5に指定することもできるし、車線サーバ5で取得されるログデータのうちの一部のログデータを指定することもできる。例えば、車両管理ログの選択により、1台毎の車両のログデータを指定することができる。また、路側インタフェース集約部ログの選択により、数ミリ秒の間隔で取得されるログデータを指定することもできるし、路側インタフェース集約部ログを非選択として、数ミリ秒の間隔で取得されるログデータの指定を除外することにより、情報量を大幅に減らすこともできる。ログ指定メニューM2によるログ指定条件の設定及びログ取得については後に詳しく説明する。
【0040】
図7は、実施形態に係る保守端末によるトラブルシート支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0041】
例えば、障害発生により、現場へ到着した保守員は、障害状況の目視チェックを実施した後、保守端末6に表示される保守メニューM1を介して保守作業を行う。例えば、保守員がアイランド80まで出向いて保守端末6により保守作業を行うケースでは、料金所車線機器4の各機器の状態、及び車線の様子を目視チェックすることができる。例えば、料金所車線機器4を構成する各機器の中には、ログデータを残せない機器も存在する。例えば、そのような機器のうち、障害発生時に、付属の簡易表示器により一定期間にわたり障害情報を表示するものもある。例えば、簡易表示器として7セグメントディスプレイがある。7セグメントディスプレイは、十進のアラビア数字を所定桁数だけ表示することができる。1桁の表示に7つのセグメントが用いられ、各セグメントを個々に点灯、消灯させることにより1桁を表示する。7セグメントディスプレイは、一定時間にわたり所定桁数で障害識別コード等を表示する。保守員は、簡易表示器の表示を目視チェックすることにより、障害識別コード等を知ることができる。また、保守員は、車線監視カメラ428の映像をチェックして、車線の様子を知ることもできる。例えば、走行した車両の形状を知ることができる。例えば、特殊車両には様々な形状があり、その形状が障害発生に関係することがある。また、料金所車線機器が1台の車両を検知していたとしても、映像をチェックして複数台の二輪車の併走が判明することがある。
【0042】
保守端末6に表示される保守メニューM1は、トラブルシート出力のボタン(オブジェクトイメージ)等を含む。例えば、トラブルシート出力のボタンを強調表示又は点滅表示するようにしてもよい。保守員が、操作部65を介してトラブルシート出力のボタンを押下すると、プロセッサ61は、トラブルシートTSの作成支援及びログ収集支援を実施する。
【0043】
なお、トラブルシート出力のボタン押下をトリガとしてトラブルシートTSの作成支援等を実行するケースについて説明するが、これに限定されるものではない。例えば、保守端末6が、車線サーバ5と接続すること又は障害情報を受信することをトリガとしてトラブルシートTSの作成確認ダイアログを表示しトラブルシートTSの作成支援等を実行するようにしてもよい。
【0044】
例えば、保守端末6は、インタフェース63を介して接続先情報(料金所番号、料金所名、及び年月日時分等)を取得し、インタフェース63を介して車線サーバ5から障害情報を受信し、トラブルシート出力のボタン押下に応じて料金所番号、料金所名、及び年月日時分、及び障害情報をトラブルシートTSへ自動的に記録する(ST101)(ST102)。なお、料金所番号及び料金所名は、障害発生先を示す情報であり、年月日時分は、障害発生日時に関する情報であり、障害情報は、発生した障害を識別する情報である。なお、これら障害発生先を示す情報、障害発生日時に関する情報、及び発生した障害を識別する情報のうちの少なくとも一つを含む情報を障害関連情報と定義する。
【0045】
保守端末6の作成部613は、保守メニューM1上のトラブルシート出力のボタン押下に応じて、障害関連情報TS0を含むトラブルシートTSを作成(表示又は印刷)する。なお、インタフェース63が、トラブルシート出力のボタン押下に応じて障害関連情報を取得してもよいし、事前の任意のタイミングで障害関連情報を取得するようにしてもよい。また、作成部613によるトラブルシートTSの作成(表示又は印刷)は、トラブルシートの出力と読み替えてもよい。保守端末6は、トラブルシートTSを出力した場合には、出力履歴としてトラブルシートTSの出力済み情報を記憶する。
【0046】
上記のように、作成部613は、トラブルシート出力のボタン押下を受け付けると、障害関連情報に基づきトラブルシートの対応項目(TS0)を埋めて、追加情報の手入力が必要な箇所が明確になるようにトラブルシートを作成する。例えば、
図5に示すように、表示又は印刷されるトラブルシートTSが、追加情報の記録項目として、任意項目TS1と必須項目TS2を含むようにしてもよい。また、これら任意項目TS1と必須項目TS2の箇所が明確になるように、任意項目TS1と必須項目TS2を異なる出力形式(表示形式又は印刷形式)とし、例えば、必須項目TS2を強調するようにしてもよい。これにより、必須項目の入力漏れを防止することができる。
【0047】
保守端末6の作成部613は、上記のようなトラブルシートTSを出力し、また、トラブルシートTSに対して、目視チェック結果等の追加情報の記録を促す案内を出力(表示)する(ST103)。このような案内により、目視チェック結果等の入力漏れ等を防止することができる。トラブルシートTSに入力しておく追加情報がある場合には(ST104、YES)、保守員は、保守端末6の操作部65を介して、表示されたトラブルシートTSへ追加情報を入力する(ST105)。又は、保守員は、印刷されたトラブルシートTSへ追加情報を手書き入力する。なお、表示されるトラブルシートTSが、任意項目TS1と必須項目TS2を含み必須項目T2が未入力の場合には、保守端末6の作成部613が、アラートを表示するようにしてもよい。トラブルシートTSが表示されるケースで、トラブルシートTSへの入力が完了し(又はアラートの表示に対応してトラブルシートTSへの入力が完了し)、表示部64に表示される入力完了ボタン等が押下されると、次の処理へ移行する。トラブルシートTSが印刷されるケースでは、トラブルシートTSの印刷後に、次の処理へ移行する。
【0048】
続いて、
図6に示すように、保守端末6のメニュー表示制御部611は、ログ指定メニューM2を表示するように制御し、これに対応して、表示部64は、ログ指定メニューM2を表示する(ST106)。例えば、保守端末6のプロセッサ61は、車線サーバ5から受信した障害情報に基づき、事後の障害解析に必要となるログデータの種類及び収集時間帯を判定し、メニュー表示制御部611は、判定されたログデータの種類及び収集時間帯の指定を含むログ指定メニューM2を表示するように制御する。これにより、必要と判定されたログデータの種類及び収集時間帯を保守員に知らせることができるとともに、必要と判定されたログデータ等の抽出漏れを防止することができる。
【0049】
保守員は、ログ指定メニューM2を目視確認し、必要なログデータの過不足に気付いた場合は(ST107、YES)、操作部65を介して、ログ指定メニューM2上で必要なログデータの種類の選択(チェック)を変更する(ST108)。また、保守員は、ログ指定メニューM2を目視確認し、収集時間帯の過不足に気付いた場合は(ST109、YES)、操作部65を介して、ログ指定メニューM2上で収集時間帯を変更する(ST110)。保守員が、ログ指定メニューM2の設定のボタンを押下すると、保守端末6の障害関連情報取得部612は、ログ指定メニューM2で設定された条件に基づき、インタフェース63を介してログデータを収集する(ST111)。例えば、保守端末6の作成部613は、収集されたログデータとトラブルシートの電子データを対応付けて外部メモリ等又は外部装置へ出力する。或いは、保守端末6の作成部613は、収集されたログデータとトラブルシートとを対応付けて印刷出力する。
【0050】
図8は、実施形態に係るETCシステムにおける障害復旧の完了から保守端末の接続解除までの一例を示すフローチャートである。
【0051】
障害復旧が完了した後は、現場撤収作業として、各種装置の状態確認等を実施するほかに、接続していた保守端末6の接続を解除する。
【0052】
この保守端末6の接続を解除する際に(現場撤収前に)(ST201)、保守端末6は、トラブルシートTSの出力済み情報に基づき、トラブルシートTSの出力済みが確認される場合は(ST202、YES)、トラブルシートTSの記入漏れ等がないか確認するダイアログ(入力案内)を表示する(ST203)。これにより、トラブルシートTSの記入漏れを防止することができる。
【0053】
また、トラブルシートTSの出力済みが確認されない場合には、トラブルシートTSの作成の必要がないか確認するダイアログを表示する。これにより、トラブルシートTSの未作成を防止することができ、トラブルシート作成の促進を図ることができる。
【0054】
次に、保守端末6は、収集済みログデータ等の内容確認のための情報(例えば必要ログデータが選択されたログ指定メニューM2)を表示する(ST204)。この案内表示により、ログデータの収集漏れ等を防ぐことができる。ログデータが収集済みで(ST205、YES)、案内表示から保守員が必要ログデータの不足を認識した場合は(ST206、YES)、ログ指定メニューM2上で必要なログデータの種類の選択(チェック)を変更する(ST207)。また、案内表示から保守員が日時・時間帯の修正の必要性を認識した場合は(ST208、YES)、ログ指定メニューM2上で日時・時間帯を変更する(ST209)。必要ログデータの種類の選択変更、及び日時・時間帯の変更のうちの少なくとも一方の変更の実施により、保守端末6は、再びログデータを収集する(ST210)。例えば、保守端末6は、収集されたログデータとトラブルシートの電子データを対応付けて外部メモリ等又は外部装置へ出力する。或いは、保守端末6は、収集されたログデータとトラブルシートとを対応付けて印刷出力する。
【0055】
図9は、トラブルシートの作成支援及びログ収集支援を適用しないケースの作業例を示す図である。
図10は、トラブルシートの作成支援及びログ収集支援を適用するケースの作業手例を示す図である。
図9及び
図10を参照しながら、本実施形態の作用効果について説明する。
【0056】
図9に示すように、トラブルシートへの記入は、すべて保守員に任せられる。このため、保守員は、障害関連情報を記入し忘れたりすることがある。熟練の保守員であれば記入漏れが起こりにくい基本的な情報であっても、経験の浅い保守員はそのような基本的な情報の記入を忘れるなど、保守員の経験値によってはトラブルシートへの記入のばらつきが生じることがある。
【0057】
また、ログデータの収集も、すべて保守員に任せられ、保守員の判断で、取得されるログデータの種類及び取得される時間帯が決定される。このため、必要なログデータの取得漏れ等が生じることがある。この場合、時間の経過とともに、ログデータが上書き等され、消失している場合もある。
【0058】
これに対し、
図10に示すように、トラブルシートの作成支援及びログ収集支援を適用するケースでは、障害関連情報のような基本的な情報を自動で記録するので、保守員の経験値等に関係なく、基本的な情報の記入漏れ等を防止することができる。また、保守員が目視確認した情報を追加情報として記録することができるので、トラブルシートの情報の充実を図ることができる。例えば、障害発生時のみ目視チェック可能な事象があるが、このような事象は復旧完了後に確認できないことがある。例えば、料金所車線機器4を構成する機器によってはログデータを残せない機器があり、このような機器については簡易表示器により障害の種別を一時的に表示するものがある。障害発生時に、簡易表示器に障害の種別が一時的に表示された場合、この一時的に表示された情報を追加情報として記録することができる。
【0059】
また、障害情報に基づき事後の障害解析に必要となるログデータの種類及び収集時間帯を判定し、判定されたログデータの種類及び収集時間帯の指定がログ指定メニューM2で確認でき、さらに、指定を変更することもできるので、障害解析に必要となるログデータの取得漏れを減らすことができる。
【0060】
なお、保守支援処理はいくつかのソフトウェア(プログラム)によって実行することが可能である。このため、上記保守支援処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムを保守端末6へインストールして実行するだけで、上記保守支援処理を容易に実現することができる。例えば、保守端末6は、上記プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。或いは、保守端末6は、上記プログラムを情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。