特許第6823108号(P6823108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6823108路車通信システム、路車通信システムの監視制御装置及び路車通信システムの表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823108
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】路車通信システム、路車通信システムの監視制御装置及び路車通信システムの表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20210114BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   G07B15/00 510
   G08G1/09 F
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-96922(P2019-96922)
(22)【出願日】2019年5月23日
(62)【分割の表示】特願2015-137096(P2015-137096)の分割
【原出願日】2015年7月8日
(65)【公開番号】特開2019-145170(P2019-145170A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年5月23日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】中村 順一
(72)【発明者】
【氏名】中川 淳
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−059656(JP,A)
【文献】 特開2002−117482(JP,A)
【文献】 特開2013−258539(JP,A)
【文献】 特開2008−108146(JP,A)
【文献】 特開2008−102844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00−15/06
G08G 1/00− 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の料金所に進入した車両に搭載された車載器との間で通信を行う第1のアンテナと、
前記第1のアンテナによる通信が異常終了した場合に、前記通信が異常終了した前記車両の前記車載器との間で通信を行うためのリカバリアンテナであって、角度調整可能なアンテナである第2のアンテナと、
前記車載器から送信された電波について、前記第2のアンテナにおける受信強度を示す値を取得する取得部と、
前記車両を、前記第2のアンテナの通信エリアに誘導するために、この取得部で取得された前記電波の強度を示す値に基づいて、前記第2のアンテナの電波の受信強度を、数値又は文字列で画面上に表示させる表示装置と、
前記車載器の位置に基づいて前記第2のアンテナの角度を制御するアンテナ制御部と、
を備え
前記第2のアンテナは、前記第2のアンテナの通信領域に位置する車両を撮像可能な撮像部により撮像した撮像データを前記アンテナ制御部に出力し、
前記アンテナ制御部は、前記撮像データに対して画像処理を行うことによって前記車両の前記車載器の位置を推定し、推定した前記車両の前記車載器の位置と、前記第2のアンテナの角度とにより前記第2のアンテナを前記車載器に向ける目標角度を算出し、前記第2のアンテナの角度が前記目標角度に一致するように前記第2のアンテナの角度を制御する路車通信システム。
【請求項2】
前記表示装置は、路側帯に設置される前記表示装置である、請求項1に記載の路車通信システム。
【請求項3】
前記表示装置は、前記車両のユーザに対してサービスを行うサービススタッフが常駐するブースに備えられる前記表示装置である、請求項1に記載の路車通信システム。
【請求項4】
有料道路の料金所に進入した車両に搭載された車載器と第1のアンテナとの間で行われる通信が異常終了した場合に、前記通信が異常終了した前記車両の前記車載器との間で通信を行うためのリカバリアンテナであって、角度調整可能なアンテナである第2のアンテナと、前記車載器と間において前記車載器から送信された電波について、前記第2のアンテナにおける受信強度を示す値を取得する取得部と、
前記車両を、前記第2のアンテナの通信エリアに誘導するために、この取得部で取得された前記電波の強度を示す値に基づいて、前記第2のアンテナの電波の受信強度を数値又は文字列で表示装置の画面上に表示させる表示制御部と、
前記車載器の位置に基づいて前記第2のアンテナの角度を制御するアンテナ制御部と、
を備え
前記アンテナ制御部は、前記第2のアンテナの通信領域に位置する車両を撮像可能な撮像部により撮像した撮像データに対して画像処理を行うことによって前記車両の前記車載器の位置を推定し、推定した前記車両の前記車載器の位置と、前記第2のアンテナの角度とにより前記第2のアンテナを前記車載器に向ける目標角度を算出し、前記第2のアンテナの角度が前記目標角度に一致するように前記第2のアンテナの角度を制御する路車通信システムの監視制御装置。
【請求項5】
前記表示装置は、路側帯に設置される前記表示装置である、請求項に記載の路車通信システムの監視制御装置。
【請求項6】
前記表示装置は、前記車両のユーザに対してサービスを行うサービススタッフが常駐するブースに備えられる前記表示装置である、請求項に記載の路車通信システムの監視制御装置。
【請求項7】
有料道路の料金所に進入した車両に搭載された車載器と第1のアンテナとの間で行われる通信が異常終了した場合に、前記通信が異常終了した前記車両の前記車載器との間で通信を行うためのリカバリアンテナであって、角度調整可能なアンテナである第2のアンテナと、前記車載器と間において前記車載器から送信された電波について、前記第2のアンテナにおける受信強度を示す値を取得する取得ステップと、
前記車両を、前記第2のアンテナの通信エリアに誘導するために、この取得ステップにおいて取得された前記電波の強度を示す値に基づいて、前記第2のアンテナの電波強度を数値又は文字列で表示装置の画面上に表示させる表示ステップと、
前記車載器の位置に基づいて前記第2のアンテナの角度を制御するアンテナ制御ステップと、
を有し、
前記第2のアンテナが、前記第2のアンテナの通信領域に位置する車両を撮像可能な撮像部により撮像した撮像データを出力し、
前記アンテナ制御ステップにおいて、出力された前記撮像データに対して画像処理を行うことによって前記車両の前記車載器の位置を推定し、推定した前記車両の前記車載器の位置と、前記第2のアンテナの角度とにより前記第2のアンテナを前記車載器に向ける目標角度を算出し、前記第2のアンテナの角度が前記目標角度に一致するように前記第2のアンテナの角度を制御する路車通信システムの表示制御方法。
【請求項8】
前記表示装置は、路側帯に設置される前記表示装置である、請求項に記載の路車通信システムの表示制御方法。
【請求項9】
前記表示装置は、前記車両のユーザに対してサービスを行うサービススタッフが常駐するブースに備えられる前記表示装置である、請求項に記載の路車通信システムの表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、路車通信システム、路車通信システムの監視制御装置及び路車通信システムの表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された車載器と、道路に設置されたアンテナ装置との間で無線通信を行う車両通信システムとして、有料道路の料金所において利用料金の収受を行うETC(Electronic Toll Collection System)と呼ばれる料金収受システムが知られている。ETCでは、料金収受レーンに設置された路側機と、車両に設置されたETC車載器との間で無線通信が行われる。この構成によれば、無線通信によって料金の収受に必要な情報が送受信されることで、車両を停止させることなく料金の収受を行なうことができる。
【0003】
ETCにおいて、例えば路側機と車載器との間で無線通信が異常終了した場合に、異常終了した車両の車載器との間で再通信を行うリカバリアンテナを備える構成が知られている。この種のETCでは、リカバリアンテナの通信領域内まで異常終了した車両を案内した後、再通信を行うことで料金の収受を完了させるようになっている。しかしながら、上述したETCでは、異常終了した車両がリカバリアンテナの通信領域内に停止せず、再通信が失敗する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−54652号公報
【特許文献2】特開2012−198632号公報
【特許文献3】特開2006−172152号公報
【特許文献4】特開2004−21792号公報
【特許文献5】特開2003−30699号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】草野敦、外1名、「利便性と保守性を向上させた次世代ETC」、東芝レビュー、Vol.67, No.12 ,2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、再通信の成功率を向上させることができる路車通信システム、路車通信システムの監視制御装置及び路車通信システムの表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の路車通信システムは、第1のアンテナと、第2のアンテナと、取得部と、表示装置と、アンテナ制御部とを持つ。第1のアンテナは、有料道路の料金所に進入した車両に搭載された車載器との間で通信を行う。第2のアンテナは、前記第1のアンテナによる通信が異常終了した場合に、前記通信が異常終了した前記車両の前記車載器との間で通信を行うためのリカバリアンテナであって、角度調整可能なアンテナである。取得部は、前記車載器から送信された電波について、前記第2のアンテナにおける受信強度を示す値を取得する。表示装置は、前記車両を、前記第2のアンテナの通信エリアに誘導するために、この取得部で取得された前記電波の強度を示す値に基づいて、前記第2のアンテナの電波の受信強度を、数値又は文字列で画面上に表示させる。アンテナ制御部は、前記車載器の位置に基づいて前記第2のアンテナの角度を制御する。第2のアンテナは、前記第2のアンテナの通信領域に位置する車両を撮像可能な撮像部により撮像した撮像データを前記アンテナ制御部に出力する。アンテナ制御部は、前記撮像データに対して画像処理を行うことによって前記車両の前記車載器の位置を推定し、推定した前記車両の前記車載器の位置と、前記第2のアンテナの角度とにより前記第2のアンテナを前記車載器に向ける目標角度を算出し、前記第2のアンテナの角度が前記目標角度に一致するように前記第2のアンテナの角度を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態における車両通信システム100のシステム構成図。
図2】第1の実施形態における監視制御装置20の機能構成を表す概略ブロック図。
図3】電波感度画面の一例を示す図。
図4】出力制御テーブルの具体例を示す図。
図5】第1の実施形態における監視制御装置20の処理の流れを示すフローチャート。
図6】第1の実施形態における車両通信システム100の動作を示すシーケンス図。
図7】第2の実施形態における車両通信システム100aのシステム構成図。
図8】第2の実施形態における監視制御装置20aの機能構成を表す概略ブロック図。
図9】入力部207aの具体例を示す図。
図10】第2の実施形態における監視制御装置20aの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の路車通信システム、路車通信システムの監視制御装置及び路車通信システムの表示制御方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における車両通信システム(路車通信システム)100のシステム構成図である。
車両通信システム100は、第1の車両検知装置10、第2の車両検知装置11、第1のアンテナ装置12、路側表示装置(出力装置)13、インターフォン14、発進制御装置15、第3の車両検知装置16、リカバリアンテナ(第2のアンテナ)17及び監視制御装置20を備える。
【0010】
図1に示す車両通信システム100は、例えば有料道路に設置され、路面18を走行する車両19に搭載されている車載器19aとの間で料金の収受を行う料金収受システム(ETC)である。なお、以下の説明では、進行方向の上流側から下流側(矢印aで示される方向)に向かって車両19が走行する場合を例に説明する。また、以下の説明では、第1のアンテナ装置12が通信可能な領域を通信領域12a、リカバリアンテナ17が通信可能な領域を通信領域17aとする。
【0011】
本実施形態の処理の流れについて説明する。
車両通信システム100では、まず車載器19aと第1のアンテナ装置12との間で通信が行われる。これにより料金の収受が行われる。この際、車載器19aと第1のアンテナ装置12との間で通信が異常終了した場合、次に車載器19aとリカバリアンテナ17との間で通信が行われる。これにより再び料金の収受が行われる。ところが、車載器19aとリカバリアンテナ17との間での通信において車両19が、通信領域17a内に停止しない、又は、通信領域17aの中心から離れすぎた場所に位置している場合には料金の収受が行なえず、再度異常終了してしまうことがある。
【0012】
そこで、本実施形態では、路側表示装置13に対して車載器19aとリカバリアンテナ17との間の通信状態を測定し、測定した通信状態に基づいて通信状態の程度を表す情報の出力を路側表示装置13に対して行わせる。通信状態としては、例えば、車載器19aから送信された電波の強度を示す値(以下、「受信電波強度値」という。)が挙げられる。以下の説明では、通信状態の具体例として受信電波強度値を例に説明する。監視制御装置20は、料金所ブース内に設置される。
【0013】
料金所ブースは、車両19のユーザに対してサービスを行うサービススタッフが常駐するエリアである。ここでいうサービスは、第1のアンテナ装置12及びリカバリアンテナ17の双方で異常終了した車両19のユーザに対して、サービススタッフが出向いて料金の収受を行うことを表す。なお、料金所ブースには、不図示の車線サーバが備えられる。
車線サーバは、料金収受の各処理を行う。車線サーバは、料金収受の処理において車両19が正常ETC車、異常ETC車、非ETC車のいずれであるか判定する。
【0014】
正常ETC車とは、第1のアンテナ装置12との通信が正常に終了した車両である。異常ETC車や非ETC車とは、第1のアンテナ装置12との通信が異常終了した車両である。そのうち、異常ETC車とは、例えば車載器19aに有効期限切れのETCカードが挿入されている場合や、走行シーケンスエラー等、車載器19aとETCカードとの間でエラーが発生する車両である。また、非ETC車とは、車載器19aにETCカードが挿入されていない場合や、車載器19a未搭載の場合等、通信が不可能な車両である。なお、以下の説明では、異常ETC車及び非ETC車をまとめて異常ETC車と記載する。車線サーバは、車両19に対する車種情報(正常ETC車又は異常ETC車のいずれであるかを示す情報)を監視制御装置20に出力する。
【0015】
第1の車両検知装置10は、第1のアンテナ装置12の通信領域12aに進入する車両19を検知し、検知結果を車線サーバに通知する。
第2の車両検知装置11は、車両19が通過したことを検知し、検知結果を車線サーバに通知する。なお、車両19が、第2の車両検知装置11を通過した場合、第1のアンテナ装置12と車載器19aとの無線通信が打ち切られる。
第1のアンテナ装置12は、通信領域12aを通行する車両19に搭載された車載器19aとの間で情報を送受信する。第1のアンテナ装置12で送受信される情報としては、例えば、車両情報、入口情報、出口情報及び課金情報等の情報がある。
【0016】
路側表示装置13は、路側帯に設置された表示装置である。路側表示装置13は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイディスプレイ等の画像表示装置である。路側表示装置13は、電波感度画面を表示する。電波感度画面は、受信電波強度値の程度を表す情報が表示される画面である。
インターフォン14は、車両19のユーザと、料金ブース内のサービススタッフとの間で会話するための電話である。
【0017】
発進制御装置15は、発進制御バーを備える。発進制御バーは、車両19の走行を制御するバーである。発進制御装置15は、車線サーバの指示に従って、第1のアンテナ装置12、リカバリアンテナ17との通信結果に応じて発進制御バーを開閉し、車両19が路面18を通過することを許可又は阻止する。
【0018】
第3の車両検知装置16は、発進制御装置15を通過する車両19を検知し、検知結果を車線サーバに送信する。
リカバリアンテナ17は、通信領域17aを通行する車両19に搭載された車載器19aとの間で情報を送受信する。例えば、リカバリアンテナ17は、第1のアンテナ装置12と車載器19aとの間の通信が異常終了した場合に、監視制御装置20の指示に従って車載器19aとの間で情報を送受信する。また、リカバリアンテナ17は、通信状態測定部を備える。通信状態測定部は、車載器19aとの間の通信において受信電波強度値を測定する。
監視制御装置20は、車両通信システム100の各装置を制御する。
【0019】
図2は、第1の実施形態における監視制御装置20の機能構成を表す概略ブロック図である。
監視制御装置20は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。制御プログラムの実行によって、監視制御装置20は、通信部201、取得部202、判定部203、アンテナ制御部204、テーブル記憶部205、表示制御部206、入力部207を備える装置として機能する。なお、監視制御装置20の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0020】
通信部201は、第1の車両検知装置10、第2の車両検知装置11、第1のアンテナ装置12、路側表示装置13、インターフォン14、発進制御装置15、第3の車両検知装置16、リカバリアンテナ17との間で通信を行う。
取得部202は、リカバリアンテナ17から受信電波強度値を取得する。また、取得部202は、車線サーバから車種情報を取得する。
判定部203は、取得された車種情報に基づいて、車載器19aを搭載している車両19が正常ETC車であるか異常ETC車であるか判定する。
【0021】
アンテナ制御部204は、リカバリアンテナ17の動作を制御する。例えば、アンテナ制御部204は、第1のアンテナ装置12と通信した車載器19aを搭載している車両19が異常ETC車であると判定された場合、リカバリアンテナ17を制御する。アンテナ制御部204は、リカバリアンテナ17に対して受信電波強度値調査用の電波(以下、「調査用電波」という。)を照射させる。また、アンテナ制御部204は、リカバリアンテナ17に対して通信用の電波(以下、「通信用電波」という。)を照射させる。
【0022】
テーブル記憶部205は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。テーブル記憶部205は、出力制御テーブルを記憶する。出力制御テーブルは、受信電波強度値に応じた出力態様に関する情報を表すレコード(以下、「出力レコード」という。)で構成される。
表示制御部206は、路側表示装置13の表示を制御する。例えば、表示制御部206は、路側表示装置13に対して電波感度画面を表示させる。
入力部207は、サービススタッフからの指示を監視制御装置20に入力する。例えば、入力部207は、再通信ボタンを備える。再通信ボタンは、リカバリアンテナ17に対して車載器19aとの間で通信を実行させる際に使用されるボタンである。
【0023】
図3は、電波感度画面の一例を示す図である。
図3に示される例では、路側表示装置13に電波感度画面が表示されている。電波感度画面には、複数の発光領域31(31−1〜31−5)が示されている。これらの発光領域31は、リカバリアンテナ17によって測定された受信電波強度値に応じて点灯又は消灯する。例えば、受信電波強度値が高いほど、つまり電波感度が良いほど多くの発光領域31が点灯する。一方、受信電波強度値が低いほど、つまり電波感度が悪いほど多くの発光領域31が消灯する。図3では、発光領域31−1〜31−3の3つが点灯している例を示している。複数の発光領域31の表示態様(例えば、点灯)は、出力制御テーブルに基づいて決定される。
【0024】
図4は、出力制御テーブルの具体例を示す図である。
出力制御テーブルは、出力レコード40を複数有する。出力レコード40は、受信電波強度値条件及び出力態様の各値を有する。受信電波強度値条件の値は、車載器19aから送信された電波の強度を示す値の条件を表す。出力態様は、同じ出力レコード40の受信電波強度値の条件が満たされた場合に点灯させる発光領域31の数を表す。
【0025】
図4に示される例では、出力制御テーブルには複数の受信電波強度値条件が登録されている。これらの受信電波強度値条件は、“0<n1”、“n1<n2”、“n2<n3”、“n3<n4”、“n4<n5”である。図4において、出力制御テーブルの最上段に登録されている出力レコード40は、受信電波強度値条件の値が“0<n1”、出力態様の値が“1本”である。すなわち、車載器19aから送信された電波の強度を示す値が0より大きくn1未満である場合に、発光領域31を1本点灯させることが表されている。
この場合、図3に示す発行霊異記31−1が点灯される。
また、図4において、出力制御テーブルの最下段に登録されている出力レコード40は、受信電波強度値条件の値が“n4<n5”、出力態様の値が“5本”である。すなわち、車載器19aから送信された電波の強度を示す値がn4より大きくn5未満である場合に、発光領域31を5本点灯させることが表されている。
【0026】
図5は、第1の実施形態における監視制御装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
取得部202は、リカバリアンテナ17から情報を取得する(ステップS101)。判定部203は、取得された情報に基づいてリカバリアンテナ17と通信した車載器19aを搭載している車両19の車両判定を行う(ステップS102)。具体的には、判定部203は、車両19が正常ETC車であるか異常ETC車であるか判定する。車両19が正常ETC車である場合(ステップS102−正常ETC車)、監視制御装置20は発進制御装置15の発進制御バーを開放する(ステップS103)。
【0027】
一方、車両19が異常ETC車である場合(ステップS102−異常ETC車)、アンテナ制御部204は通信部201を介してリカバリアンテナ17に対して調査用電波の照射を指示する(ステップS104)。取得部202は、リカバリアンテナ17から受信電波強度値を取得する(ステップS105)。取得部202は、取得した受信電波強度値を表示制御部206に出力する。表示制御部206は、受信電波強度値と、出力制御テーブルとに基づいて路側表示装置13の表示を制御する(ステップS106)。具体的には、まず表示制御部206は、テーブル記憶部205に記憶されている出力制御テーブルを読み出す。次に、表示制御部206は、読み出した出力制御テーブルに登録されている出力レコード40のうち、取得された受信電波強度値に対応する出力レコード40を選択する。そして、表示制御部206は、選択した出力レコード40の出力態様の値を取得する。
その後、表示制御部206は、通信部201を介して、路側表示装置13に対して出力態様に応じた電波感度画面を表示させる。
【0028】
アンテナ制御部204は、再通信ボタンが押下されたか否か判定する(ステップS107)。再通信ボタンが押下されていない場合(ステップS107−NO)、ステップS105以降の処理が繰り返し実行される。
一方、再通信ボタンが押下された場合(ステップS107−YES)、アンテナ制御部204は通信部201を介してリカバリアンテナ17に対して再通信用電波の照射を指示する(ステップS108)。
【0029】
取得部202は、リカバリアンテナ17から情報を取得する(ステップS109)。ステップS109の処理では、取得部202は、リカバリアンテナ17から受信電波強度値を取得する。判定部203は、取得された受信電波強度値に基づいて、リカバリアンテナ17と通信した車載器19aを搭載している車両19の車両判定を行う(ステップS110)。車両19が正常ETC車である場合(ステップS110−正常ETC車)、監視制御装置20は発進制御装置15の発進制御バーを開放する(ステップS103)。
【0030】
一方、車両19が異常ETC車である場合(ステップS110−異常ETC車)、判定部203は車両19が異常ETC車である旨をサービススタッフに通知する(ステップS111)。なお、判定部203は、どのような方法でサービススタッフに通知してもよい。例えば、判定部203は、料金ブース内に備えられる不図示の表示装置に対して車両19が異常ETC車である旨を表示させてサービススタッフに通知してもよいし、不図示の音声出力装置に対して車両19が異常ETC車である旨を報知させてサービススタッフに通知してもよい。
【0031】
図6は、第1の実施形態における車両通信システム100の動作を示すシーケンス図である。なお、図6では、第1のアンテナ装置12において車両19が異常ETC車であると判定された後の処理について説明する。
リカバリアンテナ17は、監視制御装置20の指示に従って調査用電波を照射する(ステップS201)。リカバリアンテナ17は、車載器19aとの間で通信を行うことによって受信電波強度を測定する(ステップS202)。リカバリアンテナ17は、測定した受信電波強度を示す値を出力する(ステップS203)。取得部202は、リカバリアンテナ17から受信電波強度値を取得する(ステップS204)。取得部202は、取得した受信電波強度値を表示制御部206に出力する。
【0032】
表示制御部206は、出力制御テーブルを確認する(ステップS205)。具体的には、表示制御部206は、出力制御テーブルを確認することによって、取得された受信電波強度値に対応する表示態様の値を取得する。表示制御部206は、取得した表示態様の値を含む指示(以下、「表示指示」という。)生成し、生成した表示指示を通信部201を介して路側表示装置13に送信する(ステップS206)。
路側表示装置13は、監視制御装置20から表示指示を受信する。路側表示装置13は、受信した表示指示に従って、表示指示に含まれる表示態様に応じた電波感度画面を表示する(ステップS207)。車両19は、電波感度画面を見ながら走行する。なお、この際、サービススタッフは、インターフォン14を介して、車両19のユーザに対して何をすべきか指示する。
【0033】
その後、サービススタッフによって再通信ボタンが押下されると(ステップS208)、アンテナ制御部204は通信部201を介してリカバリアンテナ17に対して再通信用電波照射指示を送信する(ステップS209)。
リカバリアンテナ17は、監視制御装置20から送信された再通信用電波照射指示を受信する。リカバリアンテナ17は、受信した再通信用電波照射指示に従って再通信用電波を照射する(ステップS210)。これにより、リカバリアンテナ17と車載器19aとの間で通信が行われる。リカバリアンテナ17は、車載器19aから車載器情報や課金情報等の情報を取得する。そして、リカバリアンテナ17は、取得した情報を監視制御装置20に送信する(ステップS211)。
【0034】
取得部202は、リカバリアンテナ17から送信された情報を、通信部201を介して受信する。判定部203は、受信された情報に基づいて車両19の車両判定を行う(ステップS212)。ここで、判定部203により車両19が異常ETC車であると判定されたとする。この場合、判定部203は、車両19が異常ETC車である旨をサービススタッフに通知する(ステップS213)。
【0035】
以上のように構成された車両通信システム100によれば、再通信の成功率を向上させることが可能になる。以下、この効果について詳細に説明する。
車両通信システム100では、路側表示装置13に対してリカバリアンテナ17と車載器19aとの間の通信状態(受信電波強度値)の程度を表す情報の表示がなされる。これにより、車両19のユーザは、路側表示装置13を見ることによって、現在の通信感度がどのくらいであるのか把握することができる。そして、車両19のユーザは、路側表示装置13を見ながら車両19を運転することによって通信感度の良い場所で停止させることができる。そのため、再通信の成功率を向上させることが可能になる。その結果、車両19が停止した位置でリカバリアンテナ17と車載器19aとの間で通信が行われることによって、再通信が成功する可能性が高まる。
【0036】
以下、変形例について説明する。
本実施形態では、路側帯に設置される路側表示装置13に対して電波感度画面を表示させる構成を示したが、表示制御部206は料金所ブース内に備えられる不図示の表示装置に電波感度画面を表示させるように構成されてもよい。このように構成される場合、サービススタッフは、表示装置に表示されている電波感度画面が示す受信電波強度値の程度を見ながら、インターフォン14を介して車両19のユーザに走行指示を行う。
このように構成されることによって、サービススタッフが、車載器19aとリカバリアンテナ17との電波状態を確認できる。したがって、車両19を通信環境の良い場所へ誘導することができる。そのため、再通信の成功率を向上させることが可能になる。
【0037】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態における車両通信システム100aのシステム構成図である。
車両通信システム100aは、第1の車両検知装置10、第2の車両検知装置11、第1のアンテナ装置12、路側表示装置(出力装置)13、インターフォン14、発進制御装置15、第3の車両検知装置16、監視制御装置20a及びリカバリアンテナ21を備える。なお、料金所ブースには、不図示の車線サーバが備えられる。車線サーバは、料金収受の各処理を行う。車線サーバは、料金収受の処理において車両19が正常ETC車、異常ETC車、非ETC車のいずれであるか判定する。
第2の実施形態では、自動又は手動でリカバリアンテナ21の角度調整を行うことによって再通信の成功率を向上させる。第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の処理を行う装置については、第1の実施形態の同名の装置と同様の符号を付して説明を省略する。
【0038】
リカバリアンテナ21は、通信領域21aを通行する車両19に搭載された車載器19aとの間で情報を送受信する。例えば、リカバリアンテナ21は、第1のアンテナ装置12と車載器19aとの間の通信が異常終了した場合に、監視制御装置20aの指示に従って車載器19aとの間で情報を送受信する。また、リカバリアンテナ21は、角度調整可能なアンテナである。例えば、リカバリアンテナ21は、監視制御装置20aの制御に応じて回動軸O周りに回動する。リカバリアンテナ21は、通信状態測定部、車載器検出装置及び駆動部を備える。なお、通信領域21aは、リカバリアンテナ21が通信可能な領域を表す。
【0039】
通信状態測定部は、車載器19aとの間の通信において受信電波強度値を測定する。
車載器検出装置は、例えばカメラ等の撮像手段からなり、通信領域21aに位置する車両19を撮像可能になっている。また、車載器検出装置により撮像された撮像データは、監視制御装置20に送信される。
駆動部は、例えばモータ等からなり、監視制御装置20からの駆動信号に基づいて駆動し、リカバリアンテナ17を所定の角度範囲内で回動させる。
監視制御装置20aは、車両通信システム100aの各装置を制御する。
【0040】
図8は、第2の実施形態における監視制御装置20aの機能構成を表す概略ブロック図である。
監視制御装置20aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。制御プログラムの実行によって、監視制御装置20aは、通信部201、取得部202、判定部203、アンテナ制御部204a、テーブル記憶部205、表示制御部206、入力部207aを備える装置として機能する。なお、監視制御装置20aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、制御プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0041】
監視制御装置20aは、アンテナ制御部204及び入力部207に代えてアンテナ制御部204a及び入力部207aを備える点で監視制御装置20と構成が異なる。監視制御装置20aは、他の構成については監視制御装置20と同様である。そのため、監視制御装置20a全体の説明は省略し、アンテナ制御部204a及び入力部207aについて説明する。
【0042】
アンテナ制御部204aは、第1のアンテナ装置12と通信した車載器19aを搭載している車両19が異常ETC車であると判定された場合、リカバリアンテナ21を制御する。例えば、アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21に対して調査用電波を照射させる。また、アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21に対して通信用電波を照射させる。また、アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21の駆動を制御する。
【0043】
以下、アンテナ制御部204aによるリカバリアンテナ21の駆動制御について具体的に説明する。
アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21が備える車載器検出装置により送信される撮像データに対して公知の画像処理を行い、車両19におけるフロントガラスの位置を検出する。すなわち、フロントガラスを検出することで、フロントガラスを通して視認可能に配設された車載器19aの位置を推定する。なお、アンテナ制御部204aによる画像処理を簡単に説明すると、まず送信された撮像データから車両19の映像を構成する複数の線分成分を抽出する。その後、アンテナ制御部204aは、抽出した線分成分を用いて、閉ループを生成する多角形近似を行うことによって車両19の特定部位領域の候補を複数生成する。そして、アンテナ制御部204aは、各特定部位領域の候補に対して複数の異なる評価を行い、各特定部位領域の中からフロントガラスに最も近い領域を決定する。
【0044】
アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21が備える駆動部を動作させ、リカバリアンテナ21の通信領域21a内に車載器19aが収まるように、リカバリアンテナ21の角度を制御する。例えば、アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21の現在の角度情報と、検出した車載器19a(フロントガラス)の位置情報とを取得し、取得した情報に基づいてリカバリアンテナ21の目標角度を算出する。そして、アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21の角度が目標角度に一致するように駆動部を駆動させる。
また、アンテナ制御部204aは、入力部207aにより送信された操作情報に基づいて、駆動部を駆動させ、リカバリアンテナ21の角度を制御する。
以上で、アンテナ制御部204aの処理の説明を終了する。
【0045】
入力部207aは、サービススタッフからの指示を監視制御装置20aに入力する。例えば、入力部207aは、図9に示すような構成をとる。図9は、入力部207aの具体例を示す図である。
入力部207aは、表示部51、操作部52及び再通信ボタン53を備える。表示部51には、車載器検出装置により撮像された画像、及びリカバリアンテナ21の通信領域21aを示す(例えば、十字状)が少なくとも重畳表示される。
【0046】
操作部52は、サービススタッフにより傾動操作されるレバー等からなり、サービススタッフからの指示を受け付け、リカバリアンテナ21の角度を手動により調整するためのものである。また、操作部52からは、サービススタッフの操作に応じた操作信号が監視制御装置20に向けて送信される。
再通信ボタン53は、リカバリアンテナ21に対して車載器19aとの間で通信を実行させる際に使用されるボタンである。
【0047】
図10は、第2の実施形態における監視制御装置20aの処理の流れを示すフローチャートである。図5と同様に処理については、図10において図5と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS105の処理が終了すると、表示制御部206は受信電波強度値と、出力制御テーブルとに基づいて、料金所ブース内に備えられる不図示の表示装置の表示を制御する(ステップS301)。具体的には、まず表示制御部206は、テーブル記憶部205に記憶されている出力制御テーブルを読み出す。次に、表示制御部206は、読み出した出力制御テーブルに登録されている出力レコード40のうち、取得された受信電波強度値に対応する出力レコード40を選択する。そして、表示制御部206は、選択した出力レコード40の出力態様の値を取得する。その後、表示制御部206は、通信部201を介して、料金所ブース内に備えられる不図示の表示装置に対して出力態様に応じた電波感度画面を表示させる。
【0048】
アンテナ制御部204aは、車載器検出装置により撮像された撮像データから車両19を検出する(ステップS302)。次に、アンテナ制御部204aは、リカバリアンテナ21の角度を自動調整する(ステップS303)。これにより、リカバリアンテナ21が、回動軸O周りに回動することで、リカバリアンテナ21の角度が調整される。なお、本実施形態においては、リカバリアンテナ21に車載器検出装置が搭載されているため、リカバリアンテナ21とともに車載器検出装置も回動することになる。したがって、入力部207aの表示部51上では、通信領域21aを示すカーソルに対して撮像画像(対象車両)が移動することになる。
【0049】
アンテナ制御部204aは、フロントガラスがリカバリアンテナ21の通信領域21a内に収まっているか否か判定する(ステップS304)。なお、本実施形態において、ステップS304の処理は、サービススタッフの目視等により行う。例えば、表示部51上に表示された通信領域21aを示すカーソルが、対象車両のフロントガラスに重なっているか否かで判定する。但し、ステップS304の処理は、アンテナ制御部204aにより自動的に判定するようにしても構わない。
【0050】
通信領域21a内に収まっている場合(ステップS304−YES)、監視制御装置20aはステップS107以降の処理を実行する。
一方、通信領域21a内に収まっていない場合(ステップS304−NO)、リカバリアンテナ21の角度を手動調整する(ステップS305)。具体的には、サービススタッフが入力部207aの操作部52を操作すると、操作に応じた操作信号がアンテナ制御部204aに向けて送信される。すると、アンテナ制御部204aは、送信された操作信号に基づいてリカバリアンテナ21の駆動部を駆動させる。これにより、上述したようにリカバリアンテナ21が回動する。その後、監視制御装置20aはステップS107以降の処理を実行する。
【0051】
以上のように構成された車両通信システム100aによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、車両通信システム100aでは、リカバリアンテナ21の角度を調整することによって通信領域21aを、車載器19aとリカバリアンテナ21との間の通信状態が良い位置に移動させることができる。そのため、再通信の成功率を向上させることが可能になる。
【0052】
以下、変形例について説明する。
本実施形態では、車載器検出装置として、カメラを採用した場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、車載器検出装置は、車載器19aの位置を直接的または間接的に検出可能であればよく、カメラに代えて、例えばミリ波レーダ等を用いることも可能である。
本実施形態では、操作部52として、レバーを用いた場合について説明したが、これに限らず、マウスやキーボード、タッチパネル等を用いても構わない。
本実施形態において、リカバリアンテナ17の手動角度調整のみが行われるように構成されてもよい。このように構成される場合、図10のステップS302の処理が終了すると、ステップS305の処理が実行される。また、本実施形態において、リカバリアンテナ17の自動角度調整のみが行われるように構成されてもよい。このように構成される場合、図10のステップS304の処理で車両19が通信領域内ではない場合、サービススタッフがインターフォン14を介して、車両19を通信領域内に案内する。その後、ステップS107の処理が実行される。
【0053】
以下、各実施形態に共通する変形例について説明する。
受信電波強度値の程度を表す表示は5段階に限定される必要はない。例えば、受信電波強度値の程度を表す表示は4段階以下であってもよいし、6段階以上であってもよい。
電波感度画面の表示は、図3の表示に限定される必要はない。例えば、電波感度画面には受信電波強度値の程度を表す数値(例えば、0〜100の中で最小が0で、最大が100)が表示されてもよいし、受信電波強度が良いか否かを示す文字列(例えば、受信電波強度が所定の閾値以上である場合には受信電波強度が良いことを示す文字列「高」、受信電波強度が所定の閾値未満である場合には受信電波強度が悪いことを示す文字列「低」)が表示されてもよいし、その他の表示がなされてもよい。この場合、テーブル記憶部205は、表示態様に応じた出力制御テーブルを記憶する。そして、表示制御部206は、テーブル記憶部205に記憶されている出力制御テーブルに基づいて動作する。
【0054】
表示制御部206は、通信部201及びリカバリアンテナ17(リカバリアンテナ21)を介して、表示指示を車両19が搭載している車載器19aに送信するように構成されてもよい。このように構成される場合、車載器19aは、監視制御装置20(監視制御装置20a)から送信された表示指示に従った表示を行う。例えば、車載器19aは、画面上に電波感度画面を表示する。
表示装置(路側表示装置13、料金所ブースに備えられている表示装置及び車載器19aのいずれか)に音声出力機能が備えられている場合、表示制御部206は受信電波強度値の程度を表す情報を表示装置に表示させるとともに音声報知させるように構成されてもよい。
【0055】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、車載器19aとの間で通信を行う第1のアンテナ装置12と、第1のアンテナ装置12による通信が異常終了した場合に、車載器19aとの間で通信を行うリカバリアンテナ17と、情報を出力する路側表示装置13と、車載器19aとリカバリアンテナ17との間の受信電波強度値を取得する取得部202と、受信電波強度値に基づいて、路側表示装置13に対して受信電波強度値の程度を表す情報の出力を行わせる表示制御部206とを備える監視制御装置20とを持つことにより、再通信の成功率を向上させることができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
10…第1の車両検知装置,11…第2の車両検知装置,12…第1のアンテナ装置,13…路側表示装置,14…インターフォン,15…発進制御装置,16…第3の車両検知装置,17、21…リカバリアンテナ,18…路面,19…車両,19a…車載器,20、20a…監視制御装置,51…表示部,52…操作部,53…再通信ボタン,201…通信部,202…取得部,203…判定部,204、204a…アンテナ制御部,205…テーブル記憶部,206…表示制御部,207、207a…入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10