特許第6832165号(P6832165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832165
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】観察システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20210215BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   G01N21/64 F
   G01N33/48 M
   G01N33/48 P
   G01N21/64 E
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-5153(P2017-5153)
(22)【出願日】2017年1月16日
(65)【公開番号】特開2018-115875(P2018-115875A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2020年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕介
【審査官】 伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−220613(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0119708(US,A1)
【文献】 特開2006−023476(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/019118(WO,A1)
【文献】 特開2015−082095(JP,A)
【文献】 特表2014−520266(JP,A)
【文献】 特開2016−104028(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0328434(US,A1)
【文献】 特表2013−508775(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0218379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/83
G01N 33/48−33/98
C12M 1/34
G01N 1/28−1/31
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞の画像を表示する表示部と、
複数の前記細胞を含む3次元的な画像上の各前記細胞を互いに異なるラベルを付して特定する細胞特定部と、
前記3次元的な画像を構成する互いに交差する3つの断面画像を対応付けて前記表示部に同時に表示させる表示制御部と、
該表示制御部により前記表示部に表示されているいずれかの前記断面画像上で任意の前記細胞を操作者に指定させる細胞指定部と、
各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の前記断面画像ごとの断面形状を前記3次元的な画像から抽出する断面形状抽出部とを備え、
前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の各前記断面形状を互いに対応付けて、前記表示部に表示されている各前記断面画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる観察システム。
【請求項2】
前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の各前記断面形状を各前記断面画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項1に記載の観察システム。
【請求項3】
前記細胞指定部が、前記3つの断面画像のいずれにおいても任意の前記細胞を指定可能であり、
前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の各前記断面形状を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像を含む全ての前記断面画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項1または請求項2に記載の観察システム。
【請求項4】
各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の解析結果を前記3次元的な画像から抽出する解析結果抽出部を備え、
前記表示部が、前記細胞の前記解析結果を表すグラフを表示し、
前記表示制御部が、前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果を、各前記断面画像上に他の前記細胞と区別可能に表示させる各前記断面形状と対応付けて、前記表示部に表示されている前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の観察システム。
【請求項5】
前記表示制御部が、前記解析結果抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記解析結果を前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項4に記載の観察システム。
【請求項6】
前記細胞指定部が、前記3つの断面画像および前記グラフのいずれにおいても任意の前記細胞を指定可能であり、
前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の前記断面形状および前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像または前記グラフを含む他の全ての前記断面画像および前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項4または請求項5に記載の観察システム。
【請求項7】
各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の3次元的な形状を前記3次元的な画像から抽出する3次元形状抽出部を備え、
前記表示部が前記3次元的な画像を表示し、
前記表示制御部が、前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を、各前記断面画像上に他の前記細胞と区別可能に表示させる前記断面形状と対応付けて、前記表示部に表示されている前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の観察システム。
【請求項8】
前記表示制御部が、前記3次元形状抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記3次元的な形状を前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項7に記載の観察システム。
【請求項9】
前記細胞指定部が、前記3つの断面画像および前記3次元的な画像のいずれにおいても任意に前記細胞を指定可能であり、
前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の前記断面形状および前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像または前記3次元的な画像を含む他の全ての前記断面画像および前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項7または請求項8に記載の観察システム。
【請求項10】
各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の解析結果を前記3次元的な画像から抽出する解析結果抽出部と、
各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の3次元的な形状を前記3次元的な画像から抽出する3次元形状抽出部とを備え、
前記表示部が、前記細胞の前記解析結果を表すグラフおよび前記3次元的な画像を表示し、
前記表示制御部が、各前記断面画像上に他の前記細胞と区別可能に表示させる前記断面形状と対応付けて、前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果を前記表示部に表示される前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させるとともに、前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を前記表示部に表示される前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の観察システム。
【請求項11】
前記表示制御部が、前記グラフにおいて前記解析結果抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記解析結果を他の前記細胞と区別可能に表示させるとともに、前記3次元的な画像において前記3次元形状抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記3次元的な形状を他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項10に記載の観察システム。
【請求項12】
前記細胞指定部が、前記3つの断面画像、前記グラフおよび前記3次元的な画像のいずれにおいても前記細胞を指定可能であり、
前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の前記断面形状、前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果および前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像、前記グラフまたは前記3次元的な画像を含む他の全ての前記断面画像、前記グラフおよび前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる請求項10または請求項11に記載の観察システム。
【請求項13】
前記表示制御部が、前記細胞指定部により指定された前記細胞の位置が前記表示部上の各前記断面画像の中央に位置するように、前記表示部上の各前記断面画像を更新する請求項1から請求項12のいずれかに記載の観察システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、細胞を立体的に培養する3次元培養において、複数の細胞が立体的に集合した3次元的な構造を有する細胞集塊等の培養状態を観察する観察システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の観察システムは、2次元的な蛍光観察画像において、細胞集塊、核、細胞膜、細胞質等の細胞構成要素の領域を色素別に認識し、色素量を基に2次元的な蛍光観察画像から各標的部位を認識および抽出して、標的部位の例えば面積等の計測値を出力している。また、特許文献1に記載の観察システムは、標的部位の認識処理の妥当性を判断するために、2次元的な蛍光観察画像上で認識された標的部位の形状と標的部位の解析結果から得られるヒストグラム上の分布との両方を確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−179924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の観察システムのように、2次元的な蛍光画像を用いた解析では、スフェロイドのように3次元的な組織構造を有する細胞の計測に対しては精度が得られないという不都合がある。また、特許文献1は、標的部位の認識結果を2次元的な蛍光観察画像と合成して、認識結果を検証する手段が記載されているが、3次元的な蛍光画像を用いて、標的部位の認識結果を検証する手段については言及されていない。したがって、特許文献1の観察システムでは、3次元的な構造を有する細胞に対して、3次元的な蛍光画像を用いて、標的部位の認識結果を精度よく検証することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、3次元的な構造を有する細胞に対して、標的部位の3次元的な認識の確からしさを視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる観察システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、細胞の画像を表示する表示部と、複数の前記細胞を含む3次元的な画像上の各前記細胞を互いに異なるラベルを付して特定する細胞特定部と、前記3次元的な画像を構成する互いに交差する3つの断面画像を対応付けて前記表示部に同時に表示させる表示制御部と、該表示制御部により前記表示部に表示されているいずれかの前記断面画像上で任意の前記細胞を操作者に指定させる細胞指定部と、各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の前記断面画像ごとの断面形状を前記3次元的な画像から抽出する断面形状抽出部とを備え、前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の各前記断面形状を互いに対応付けて、前記表示部に表示されている各前記断面画像において他の前記細胞と区別可能に表示させる観察システムである。
【0008】
本態様によれば、細胞特定部により、3次元的な画像上の複数の細胞が互いに異なるラベルを付されて特定され、表示制御部により、3次元的な画像の互いに交差する3つの断面画像が表示部に同時に表示される。そして、細胞指定部により、表示部に表示されているいずれかの断面画像上で操作者が任意の細胞を指定すると、断面形状抽出部により、指定された細胞の断面画像ごとの断面形状が各細胞に付されているラベルに基づいて3次元的な画像から抽出され、抽出された各断面形状が互いに対応付けられて、表示部に表示されている各断面画像において他の細胞と区別可能に表示される。
【0009】
したがって、操作者は、表示部に同時に表示される3つの断面画像により、所望の細胞の互いに交差する3方向の各断面形状を同時に視認することができる。これにより、3次元的な構造を有する細胞の集合に対して、観察対象の細胞の3次元的な認識の確からしさを視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる。
【0010】
上記態様においては、前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の各前記断面形状を各前記断面画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0011】
このように構成することで、注目する一または複数の細胞の互いに交差する3方向の断面形状を各断面画像により容易に視認することができる。複数の細胞の各断面形状が各断面画像において他の細胞と区別可能に表示される場合は、複数の細胞の3次元的な認識の確からしさを1度に容易に検証することができる。
【0012】
上記態様においては、前記細胞指定部が、前記3つの断面画像のいずれにおいても任意の前記細胞を指定可能であり、前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の各前記断面形状を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像を含む全ての前記断面画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0013】
このように構成することで、3次元的な画像を構成する互いに交差する3つの断面画像のいずれからでも操作者は注目したい細胞を指定して、その細胞の互いに交差する3方向の断面形状を各断面画像により容易に視認することができる。
【0014】
上記態様においては、各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の解析結果を前記3次元的な画像から抽出する解析結果抽出部を備え、前記表示部が、前記細胞の前記解析結果を表すグラフを表示し、前記表示制御部が、前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果を、各前記断面画像上に他の前記細胞と区別可能に表示させる各前記断面形状と対応付けて、前記表示部に表示されている前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0015】
このように構成することで、細胞指定部により、表示部に表示されているいずれかの断面画像上で操作者が任意の細胞を指定すると、解析結果抽出部により、指定された細胞の解析結果が各細胞に付されているラベルに基づいて3次元的な画像から抽出され、抽出された解析結果が各断面画像上の各断面形状と対応付けられて、表示部に表示されているグラフにおいて他の細胞と区別可能に表示される。
【0016】
したがって、操作者は、表示部に表示される3つの断面画像およびグラフにより、所望の細胞の互いに交差する3方向の各断面形状と解析結果とを関連付けて視認することができる。これにより、3次元的な構造を有する細胞の集合に対して、観察対象の細胞の3次元的な認識の確からしさを解析結果とともに視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる。
【0017】
上記態様においては、前記表示制御部が、前記解析結果抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記解析結果を前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0018】
このように構成することで、注目する一または複数の細胞の解析結果をグラフにより容易に視認することができる。複数の細胞の解析結果がグラフにおいて他の細胞と区別可能に表示される場合は、複数の細胞の3次元的な認識の確からしさを解析結果とともに1度に容易に検証することができる。
【0019】
上記態様においては、前記細胞指定部が、前記3つの断面画像および前記グラフのいずれにおいても任意の前記細胞を指定可能であり、前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の前記断面形状および前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像または前記グラフを含む他の全ての前記断面画像および前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0020】
このように構成することで、3次元的な画像を構成する互いに交差する3つの断面画像およびグラフのいずれからでも操作者は注目したい細胞を指定して、その細胞の互いに交差する3方向の断面形状および解析結果を各断面画像およびグラフにより容易に視認することができる。
【0021】
上記態様においては、各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の3次元的な形状を前記3次元的な画像から抽出する3次元形状抽出部を備え、前記表示部が前記3次元的な画像を表示し、前記表示制御部が、前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を、各前記断面画像上に他の前記細胞と区別可能に表示させる前記断面形状と対応付けて、前記表示部に表示されている前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0022】
このように構成することで、細胞指定部により、表示部に表示されているいずれかの断面画像上で操作者が任意の細胞を指定すると、3次元形状抽出部により、指定された細胞の3次元的な形状が各細胞に付されているラベルに基づいて3次元的な画像から抽出され、抽出された3次元的な形状が各断面画像上の各断面形状と対応付けられて、表示部に表示されている各3次元的なにおいて他の細胞と区別可能に表示される。
【0023】
したがって、操作者は、表示部に表示される3つの断面画像および3次元的な画像により、所望の細胞の互いに交差する3方向の各断面形状と3次元的な形状とを関連付けて視認することができる。これにより、3次元的な構造を有する細胞の集合に対して、観察対象の細胞の3次元的な認識の確からしさを視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる。
【0024】
上記態様においては、前記表示制御部が、前記3次元形状抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記3次元的な形状を前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0025】
このように構成することで、注目する一または複数の細胞の3次元的な形状を3次元的な画像により容易に視認することができる。複数の細胞の3次元的な形状が3次元的な画像において他の細胞と区別可能に表示される場合は、複数の観察対象の細胞の3次元的な認識の確からしさを1度に容易に検証することができる。
【0026】
上記態様においては、前記細胞指定部が、前記3つの断面画像および前記3次元的な画像のいずれにおいても任意に前記細胞を指定可能であり、前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の前記断面形状および前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像または前記3次元的な画像を含む他の全ての前記断面画像および前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0027】
このように構成することで、3次元的な画像を構成する互いに交差する3つの断面画像および3次元的な画像のいずれからでも操作者は注目したい細胞を指定して、その細胞の互いに交差する3方向の断面形状および3次元的な形状を各断面画像および3次元な画像により容易に視認することができる。
【0028】
上記態様においては、各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の解析結果を前記3次元的な画像から抽出する解析結果抽出部と、各前記細胞に付された前記ラベルに基づいて、前記細胞指定部により指定された前記細胞の3次元的な形状を前記3次元的な画像から抽出する3次元形状抽出部とを備え、前記表示部が、前記細胞の前記解析結果を表すグラフおよび前記3次元的な画像を表示し、前記表示制御部が、各前記断面画像上に他の前記細胞と区別可能に表示させる前記断面形状と対応付けて、前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果を前記表示部に表示される前記グラフにおいて他の前記細胞と区別可能に表示させるとともに、前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を前記表示部に表示される前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0029】
このように構成することで、細胞指定部により、表示部に表示されているいずれかの断面画像上で操作者が任意の細胞を指定すると、解析結果抽出部および3次元形状抽出部により、指定された細胞の解析結果および3次元的な形状が各細胞に付されているラベルに基づいて3次元的な画像から抽出され、抽出された解析結果および3次元的な形状が各断面画像上の各断面形状と対応付けられて、表示部に表示されているグラフおよび3次元的な画像において他の細胞と区別可能に表示される。
【0030】
したがって、操作者は、表示部に表示される3つの断面画像、グラフおよび3次元的な画像により、所望の細胞の互いに交差する3方向の各断面形状と解析結果と3次元的な形状を関連付けて視認することができる。これにより、3次元的な構造を有する細胞の集合に対して、観察対象の細胞の3次元的な認識の確からしさを解析結果とともに視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる。
【0031】
上記態様においては、前記表示制御部が、前記グラフにおいて前記解析結果抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記解析結果を他の前記細胞と区別可能に表示させるとともに、前記3次元的な画像において前記3次元形状抽出部により抽出された一または複数の前記細胞の前記3次元的な形状を他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0032】
このように構成することで、注目する一または複数の細胞の解析結果および3次元的な形状をグラフおよび3次元的な画像により容易に視認することができる。複数の細胞の解析結果および3次元的な形状がグラフおよび3次元的な画像において他の細胞と区別可能に表示される場合は、複数の細胞の3次元的な認識の確からしさを解析結果とともに1度に容易に検証することができる。
【0033】
上記態様においては、前記細胞指定部が、前記3つの断面画像、前記グラフおよび前記3次元的な画像のいずれにおいても前記細胞を指定可能であり、前記表示制御部が、前記断面形状抽出部により抽出された前記細胞の前記断面形状、前記解析結果抽出部により抽出された前記細胞の前記解析結果および前記3次元形状抽出部により抽出された前記細胞の前記3次元的な形状を、前記細胞指定部により前記細胞が指定された前記断面画像、前記グラフまたは前記3次元的な画像を含む他の全ての前記断面画像、前記グラフおよび前記3次元的な画像において他の前記細胞と区別可能に表示させることとしてもよい。
【0034】
このように構成することで、3次元的な画像を構成する互いに交差する3つの断面画像グラフおよび3次元的な画像のいずれからでも操作者は注目したい細胞を指定して、その細胞の互いに交差する3方向の断面形状、解析結果および3次元的な形状を各断面画像、グラフおよび3次元的な画像により容易に視認することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、3次元的な構造を有する細胞に対して、標的部位の3次元的な認識処理の確からしさを視覚的に簡易かつ精度よく検証することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1実施形態に係る観察システムを示す概略構成図である。
図2】ラベル画像の一例を示す図である。
図3】テーブルの一例を示す図である。
図4】XY断面画像、XZ断面画像およびYZ断面画像を並列してモニタに表示する様子を示す図である。
図5】モニタに各断面画像とグラフとを並列して表示する様子を示す図である。
図6】XY断面画像上で任意の細胞を矢印で指定する様子を示す図である。
図7図6において指定された細胞の断面形状を各断面画像でハイライト表示している様子を示す図である。
図8図6において指定された細胞の解析結果を示す値をグラフ上でハイライト表示している様子を示す図である。
図9図1の観察システムにより所望の細胞をハイライト表示する工程を説明するフローチャートである。
図10】XY断面画像上で任意の細胞が指定されることにより、その細胞の断面形状が各断面画像においてハイライト表示されるとともに、その細胞の解析結果を示す値がグラフにおいてハイライト表示される様子を示す図である。
図11】YZ断面画像上で任意の細胞が指定されることにより、その細胞の断面形状が各断面画像においてハイライト表示される様子を示す図である。
図12】グラフ上で任意の細胞が指定されることにより、その細胞を中心として各断面画像が更新される様子と、各断面画像においてその細胞の断面形状がハイライト表示される様子を示す図である。
図13】抽出された全ての細胞の各断面形状が各断面画像においてハイライト表示される様子を示す図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る観察システムによりモニタに表示される3次元画像の一例を示す図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る観察システムにより所望の細胞をハイライト表示させる工程を説明するフローチャートである。
図16】XY断面画像上で任意の細胞が指定されることにより、その細胞の各断面形状が各断面画像においてハイライト表示される様子と、その細胞の3次元的な形状が3次元画像上でハイライト表示される様子と、その細胞の解析結果を示す値がグラフ上でハイライト表示される様子を示す図である。
図17】本発明の第2実施形態の変形例に係る観察システムにより所望の細胞をハイライト表示させる他の工程を説明するフローチャートである。
図18】3次元画像上で任意の細胞が指定されることにより、その細胞の3次元的な形状が3次元画像上でハイライト表示される様子と、その細胞の各断面形状が各断面画像においてハイライト表示される様子と、その細胞の解析結果を示す値がグラフ上でハイライト表示される様子を示す図である。
図19】3次元画像上で全ての細胞の3次元的な形状を表示する様子と、抽出された細胞の3次元的な形状のみを3次元画像上で表示する様子と、全ての細胞の3次元的な形状が表示されている3次元画像上で、抽出された細胞の3次元的な形状をハイライト表示する様子とを示す図である。
図20】抽出した細胞の断面形状の輪郭のみを断面画像上でハイライト表示させる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る観察システムについて図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る観察システム1は、図1に示されるように、レーザ走査型顕微鏡3と、レーザ走査型顕微鏡3を制御したり画像を構築したりする制御装置5と、制御装置5により構築された画像を表示するモニタ(表示部)7と、PC(Personal Computer)9と、操作者が各種入力を行うマウスやキーボード等の入力部(細胞指定部)11とを備えている。
【0038】
レーザ走査型顕微鏡3は、複数の細胞S(図6および図7参照)により構成されるスフェロイド(細胞集塊)を収容するシャーレ等の透明な容器(図示略)を搭載する電動ステージ13と、レーザ光を出射するレーザ光源部15と、レーザ光源部15から出射されたレーザ光を2次元的に走査するスキャナ17と、スキャナ17により走査されたレーザ光を細胞Sに集光する対物レンズ19と、対物レンズ19によるレーザ光の照射により細胞Sにおいて発生する蛍光を検出して細胞Sの画像を取得する画像取得部21と、これらを収容する暗箱23とを備えている。
【0039】
電動ステージ13は、図示しない3個のモータを備え、相互に直交するX,Y,Z方向の移動軸に沿って独立して移動して、搭載した容器を3次元方向に移動させることができるようになっている。
【0040】
暗箱23内は、電動ステージ13を含んだ上方の上方領域25Aと、それよりも下方の下方領域25Bとに区画されている。上方領域25Aにはヒータ27が配置され、上方領域25A内の温度が所定の培養条件(例えば、27℃±0.5℃)となるように調整されている。また、上方領域25A内には、電動ステージ13に位置決め状態に搭載されるサンプルホルダ29が配置されている。
【0041】
サンプルホルダ29は、電動ステージ13上で容器を位置決め状態に保持することができるようになっている。サンプルホルダ29により保持された容器は、簡易型インキュベータ31内に収容されてその培養条件(例えば、湿度100%およびCO濃度0.5%)が維持されるようになっている。図中符号33は、位相差観察用の位相差コンデンサである。
【0042】
レーザ光源部15は、異なる波長のレーザ光を発生する複数のレーザダイオード35と、これら複数のレーザダイオード35から発せられたレーザ光を単一の光路に合流させるミラー37およびダイクロイックミラー39とを備えている。
スキャナ17は、例えば、相互に直交する軸線回りに揺動させられる2枚のガルバノミラーを対向させて構成されたいわゆる近接ガルバノミラーである。
【0043】
対物レンズ19は、ドライ観察用の対物レンズ19Aと、油浸または水浸観察用の対物レンズ19Bとがレボルバ41によって切り替え可能に設けられている。また、対物レンズ19にはオートフォーカス機能が備えられていて、定期的にまたは必要に応じて合焦位置を検出し、対物レンズ19が光軸に沿う方向に移動させられることにより、対物レンズ19の焦点位置を細胞Sの表面に一致させることができるようになっている。
【0044】
図中符号43は、対物レンズ19Bと容器底面との間に油浸用のエマージョンオイルまたは水浸用の水を供給するポンプであり、図中符号45は、水またはエマージョンオイルを除去するためのエアブラシである。
スキャナ17と対物レンズ19との間には、スキャナ17により走査されたレーザ光を集光する瞳投影レンズ47および結像レンズ49が配置されている。
【0045】
画像取得部21は、レーザ光源部15とスキャナ17との間に挿入されて、細胞Sから発せられ、対物レンズ19、結像レンズ49、瞳投影レンズ47およびスキャナ17を介して戻る蛍光をレーザ光の光路から分岐するビームスプリッタ51と、ビームスプリッタ51により分岐された蛍光を集光するコンフォーカルレンズ53と、可変ピンホール55と、コリメートレンズ57と、コリメートレンズ57により略平行光とされた蛍光を回折させて波長ごとに分離するグレーティング59と、グレーティング59により分離された蛍光を集光する集光レンズ61と、集光された蛍光を波長ごとに分岐するビームスプリッタ63と、ビームスプリッタ63により分岐された蛍光をそれぞれ検出する光検出器65とを備えている。可変ピンホール55は、対物レンズ19の焦点位置と光学的に共役な位置関係に配置されている。符号67はピンホールである。
【0046】
制御装置5は、電動ステージ13およびスキャナ17の駆動を制御し、光検出器65から出力される輝度情報に基づいて画像を構築するようになっている。例えば、制御装置5は、ステージ8を対物レンズ19に対して3次元的に移動させることによってスフェロイドを対物レンズ19の焦点位置に対して3次元的に移動させながら、各焦点位置においてスキャナ17によりレーザ光を2次元的に走査させ、細胞Sから発せられる蛍光を検出した光検出器65から出力される輝度信号に基づいて対物レンズ19の焦点位置に配置されている細胞Sのスライス画像(撮像画像)を構築していくことにより、各細胞Sについて複数枚のスライス画像を取得するようになっている。
【0047】
そして、制御装置5は、各細胞Sの複数枚のスライス画像を画像処理することにより、スフェロイド全体の3次元画像(3次元的な画像)を構築するようになっている。制御装置5により取得された複数枚のスライス画像および3次元画像のデータはPC9に送られる。
【0048】
制御装置5は、PCとの間でデータ通信するための第1の通信I/F回路(不図示)と、電動ステージ13、スキャナ17、光検出器65などを制御するためにレーザ走査型顕微鏡3とデータ通信するための第2の通信I/F回路(不図示)と、CPU(不図示)と、メモリ(不図示)などとで構成されている。なお、3次元画像を効率よく生成するために、CPUとは別にGPU(Graphics Processing Unit:不図示)を備えていてもよい。
【0049】
PC9は、各種プログラムや画像データ、グラフデータ等を記憶するディスク(HDD:Hard Disk Drive)69と、ディスク69に記憶されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、細胞特定部、表示制御部、細胞指定部、断面形状抽出部、解析結果抽出部)71と、CPU71によるプログラムの実行により得られた細胞Sの認識結果や解析結果を記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリ73とを備えている。
【0050】
ディスク69には、CPU71が実行するプログラムとして、例えば、認識プログラム、表示プログラムおよび計測プログラムが記憶されている。また、ディスク69には、制御装置5により取得された各細胞Sの複数枚のスライス画像およびスフェロイド全体の3次元画像等の画像データが記憶されている。
【0051】
CPU71は、認識プログラムの実行により、3次元画像上のスフェロイド全体や個々の細胞Sに対して認識処理を行うようになっている。認識処理においては、例えば、サイズが異なる複数のLoG(Laplacian Of Gaussian)フィルタを採用して、これらLoGフィルタの出力値から局所的なピーク位置およびそのサイズを検出し、これをシード(細胞Sの中心位置)とする。そして、2次元的および3次元的にLoGフィルタを適用し、その結果を組み合わせる。次いで、シード周辺の近傍領域をそのサイズに基づいてトリミングおよび適応的に2値化処理を行い、認識した細胞Sの領域を形成する。
【0052】
また、CPU71は、認識したスフェロイド全体または個々の細胞Sを互いに異なるラベルを付して特定し、例えば図2に示すようなラベル画像と図3に示すようなテーブルを生成するようになっている。
【0053】
ラベル画像は、図2に示すように、認識された対象ごとにラベルとしてオブジェクトID(例えば、1、2、3、4、・・・k・・・n。)が付与されるとともに、認識されていないバックグラウンドには0が付与されて表された2次元的な画像である。テーブルは、図3に示すようなラベル(オブジェクトID)とその中心位置情報とその外接矩形とが関連付けられた情報である。CPU71により生成されたラベル画像およびテーブルはメモリ73に記憶される。
【0054】
また、CPU71は、計測プログラムの実行により、3次元画像から認識されたスフェロイドを構成する個々の細胞Sを計測・解析し、計測・解析した細胞Sの特性の分布を示すグラフを生成するようになっている。グラフとしては、例えば、ヒストグラム、散布図、ライングラフ等が挙げられる。CPU71により生成されたグラフはディスク69に記憶されるようになっている。
【0055】
また、CPU71は、表示プログラムの実行により、例えば図4に示すように、3次元画像を構成する互いに直交する3つの断面画像、すなわち、XY断面画像、XZ断面画像およびYZ断面画像を対応付けてモニタ7に同時に表示させるようになっている(3面表示)。各断面画像は、XY方向の撮像画像と、3次元画像をXZ方向およびYZ方向に切断した断面により生成される2次元的な画像である。また、CPU71は、図5に示すように、計測・解析した細胞Sの特性の分布を示すヒストグラムやスキャッタグラム等のグラフをモニタ7に各断面画像と並列に表示させるようになっている。
【0056】
また、CPU71は、例えば図6に示すように、モニタ7に表示されている各断面画像およびグラフのいずれかで操作者が入力部11により任意の細胞Sを指定すると、その細胞Sに付されているラベルに基づいて、指定された細胞Sの断面画像ごとの断面形状を3次元画像から抽出してそれぞれ認識領域として合成するとともに、指定された細胞Sの解析結果をメモリ73に記憶されているグラフから抽出するようになっている。
【0057】
そして、CPU71は、表示プログラムの実行により、図7に示すように、合成した細胞Sの各断面形状を相互に対応付けて、モニタ7の各断面画像に重ね合わせて他の細胞Sと区別可能にハイライト表示させるようになっている。また、CPU71は、図8に示すように、抽出した細胞Sの解析結果を示す値を各断面画像上でハイライト表示する各断面形状と対応付けて、モニタ7のグラフにおいて他の細胞Sと区別可能にハイライト表示させるようになっている。図8に示すグラフは、一例として細胞Sの体積と輝度の総和との関係を示したものである。
【0058】
入力部11は、モニタ7に表示されている各断面画像およびグラフのいずれにおいても任意の細胞Sを指定することができるようになっている。例えば、図6は、XY画像上で矢印により任意の細胞Sを指定している様子を示している。
【0059】
このように構成された観察システム1の作用について説明する。
最初に、本実施形態に係る観察システム1により、細胞Sの3次元画像を取得する場合について説明する。
まず、サンプルホルダ29により容器を保持させて、容器を電動ステージ13上に搭載し、レーザ光源部15からレーザ光を発生させる。
【0060】
レーザ光源部15から発せられたレーザ光は、スキャナ17によって2次元的に走査され、瞳投影レンズ47、結像レンズ49および対物レンズ19を介して容器内の細胞Sに集光される。レーザ光の照射位置においては、細胞S内に存在している蛍光物質が励起されて蛍光が発生する。発生した蛍光は、対物レンズ19、結像レンズ49、瞳投影レンズ47およびスキャナ17を介してレーザ光の光路を戻り、ビームスプリッタ51によって分岐されて画像取得部21に入射する。
【0061】
画像取得部21に入射した蛍光は、コンフォーカルレンズ53によって集光され、可変ピンホール55を通過した蛍光のみがコリメートレンズ57によって略平行光とされた後、グレーティング59によって分光されて集光レンズ61およびビームスプリッタ63を介して波長毎に異なる光検出器65により検出される。そして、制御装置5において、光検出器65から出力される輝度信号に基づいて細胞Sのスライス画像が構築され、構築された複数枚のスライス画像が画像処理されて3次元画像が構築される。
【0062】
この場合において、可変ピンホール55を十分に絞っておくことにより、対物レンズ19の焦点位置から発生した蛍光のみを通過させて光検出器65により検出し、ブレのない鮮明な共焦点蛍光画像を取得することができる。
【0063】
次に、本実施形態に係る観察システム1により、所望の細胞Sをハイライト表示する場合について図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、CPU71により、認識プログラムが実行され、ディスク69に記憶されている3次元画像上の個々の細胞Sが認識されて互いに異なるラベルを付されて特定され、図2に示すようなラベル画像と図3に示すようなテーブルが生成される。
【0064】
また、CPU71により、計測プログラムが実行され、3次元画像から認識された個々の細胞Sが計測・解析され、計測・解析された細胞Sの特性の分布を示すグラフが生成される。そして、CPU71により、表示プログラムが実行され、3次元画像を構成するXY断面画像、XZ断面画像およびYZ断面画像とグラフとが相互に対応付けられてモニタ7に並列に表示される。
【0065】
続いて、例えば、図10に示すように、モニタ7上のXY断面画像上で操作者が入力部11により任意の位置を指定すると(ステップSA1)、CPU71により、ディスク69に記憶されているラベル画像およびテーブルにおいて、全てのラベルが検索される(ステップSA2)。
【0066】
操作者により指定されたXY断面画像上の位置を含むラベルがある場合、すなわち、XY断面画像上で指定された位置に細胞Sが存在する場合は(ステップSA3「YES」)、CPU71により、指定されたXY座標を中心として、モニタ7上の各断面画像が更新される(ステップSA4)。
【0067】
そして、CPU71により、そのラベルが付されている細胞Sの断面画像ごとの断面形状が3次元画像から抽出されて、それぞれ認識領域として合成される(ステップSA5)。また、CPU71により、そのラベルが付されている細胞Sの解析結果がグラフから抽出される。
【0068】
そして、CPU71により、表示プログラムが実行され、図10に示すように、合成された断面画像ごとの断面形状が互いに対応付けられて、モニタ7の各断面画像上で他の細胞Sと区別可能にハイライト表示される(ステップSA6)。また、CPU71により、図10に示すように、抽出された細胞Sの解析結果を示す値が各断面画像上にハイライト表示される各断面形状と対応付けられて、モニタ7のグラフにおいて他の細胞Sと区別可能にハイライト表示される(ステップSA7)。
【0069】
一方、操作者により指定された断面画像上の位置を含むラベルがない場合、すなわち、断面画像上で指定された位置に細胞Sが存在しない場合は(ステップSA3「NO」)、CPU71による検索が完了されて(ステップSA8)、終了する。
【0070】
同様にして、例えば、図11に示すように、YZ断面画像上で任意の細胞Sが指定された場合も、その細胞Sに付されているラベルに基づいて、指定された細胞Sの断面画像ごとの断面形状と解析結果が抽出され、その細胞Sの合成された各断面形状が各断面画像上でハイライト表示されるとともに、その細胞Sの解析結果を示す値がグラフ上でハイライト表示される。XZ断面画像上で任意の細胞Sが指定された場合も同様である。図11においては、グラフにハイライト表示される様子は省略している。
【0071】
また、同様にして、例えば、図12に示すように、グラフにおいて任意の細胞Sが指定された場合も、指定された細胞Sを中心として、モニタ7上の各断面画像が更新される。そして、その細胞Sに付されているラベルに基づいて、指定された細胞Sの断面画像ごとの断面形状と解析結果が抽出され、その細胞Sの解析結果を示す値がグラフ上でハイライト表示されるとともに、その細胞Sの各断面形状が各断面画像上でハイライト表示される。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係る観察システム1によれば、モニタ7に同時に表示される3つの断面画像およびグラフにおいて、所望の細胞Sの互いに交差する3方向の各断面形状および解析結果を示す値がハイライト表示されることにより、操作者は、その細胞Sの各断面形状と解析結果を同時に視認することができる。これにより、3次元的な構造を有する細胞Sの集合に対して、観察対象の細胞Sの3次元的な認識の確からしさを解析結果とともに視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる。
【0073】
本実施形態においては、例えば、操作者が入力部11により複数の位置を指定した場合に、図13に示すように、CPU71により、抽出した全ての細胞Sの各断面形状を各断面画像において他の細胞Sと区別可能にハイライト表示することとしてもよい。同様に、CPU71により、抽出した全ての細胞Sの解析結果を示す値をグラフにおいて他の細胞Sと区別可能にハイライト表示することとしてもよい。このようにすることで、複数の所望の細胞Sの互いに交差する3方向の断面形状や解析結果を各断面画像やグラフにより1度に容易に視認することができる。
【0074】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る観察システムについて説明する。
本実施形態に係る観察システム1は、CPU(3次元形状抽出部)71が、操作者が指定した細胞Sの3次元的な形状を抽出してモニタ7の3次元画像上で他の細胞Sと区別可能にハイライト表示する点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る観察システム1と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
モニタ7には、図14に示すような3次元画像が、3次元画像を構成する各断面画像および解析結果を表すグラフと並列に表示されるようになっている。
入力部11は、モニタ7に表示されている各断面画像、グラフおよび3次元画像のいずれにおいても任意の細胞Sを指定することができるようになっている。
【0076】
CPU71は、各細胞Sに付されたラベルに基づいて、操作者により指定された細胞Sの3次元的な形状を3次元画像から抽出して認識領域として合成するようになっている。また、CPU71は、表示プログラムの実行により、合成した細胞Sの3次元的な形状を、各断面画像上でハイライト表示する各断面形状およびグラフ上でハイライト表示する解析結果と対応付けて、モニタ7に表示されている3次元画像に重ね合わせて他の細胞Sと区別可能にハイライト表示させるようになっている。
【0077】
このように構成された観察システム1の作用について説明する。
本実施形態に係る観察システム1による細胞Sの3次元画像の取得については第1実施形態と同様であるので説明を省略し、所望の細胞Sをハイライト表示する場合について図15のフローチャートを参照して説明する。
【0078】
まず、CPU71により、認識プログラムが実行され、ディスク69に記憶されている3次元画像上の個々の細胞Sが認識されて互いに異なるラベルを付されて特定され、ラベル画像とテーブルが生成される。
【0079】
また、CPU71により、計測プログラムが実行され、3次元画像から認識された個々の細胞Sが計測・解析され、計測・解析した細胞Sの特性の分布を示すグラフが生成される。そして、CPU71により、表示プログラムが実行され、3次元画像とXY断面画像、XZ断面画像およびYZ断面画像とグラフとが相互に対応付けられてモニタ7に並列に表示される。
【0080】
続いて、モニタ7上のXY断面画像上で任意の位置が指定されて、その位置を含むラベルが探し出され、指定された位置を中心としてモニタ7上の各断面画像が更新されると(ステップSA1〜ステップSA4)、CPU71により、そのラベルが付されている細胞Sの断面画像ごとの断面形状が3次元画像から抽出されて、それぞれ認識領域として合成される(ステップSA5)。また、CPU71により、そのラベルが付されている細胞Sの解析結果がグラフから抽出されるとともに、その細胞Sの3次元的な形状が3次元画像から抽出されて認識領域として合成される。
【0081】
そして、CPU71により、合成された細胞Sの各断面形状および3次元的な形状と抽出された細胞Sの解析結果が相互に対応付けられ、図16に示すように、モニタ7の各断面画像およびグラフにおいて、その細胞Sの断面形状および解析結果を示す値が他の細胞Sと区別可能にハイライト表示されるとともに(ステップSA6およびステップSA7)、モニタ7の3次元画像において、その細胞Sの3次元的な形状が他の細胞Sと区別可能にハイライト表示される(ステップSA7−2)。
【0082】
同様にして、YZ断面画像やXZ画像上で任意の細胞Sを指定したり、グラフ上で任意の細胞Sを指定したりした場合も、その細胞Sに付されているラベルに基づいて、指定された細胞Sの断面画像ごとの断面形状、解析結果および3次元的な形状が抽出され、各断面画像、グラフおよび3次元画像において、その細胞Sの各断面形状、解析結果を示す値および3次元的な形状がそれぞれハイライト表示される。
【0083】
また、モニタ7の3次元画像上で任意の細胞Sが指定された場合も同様である。例えば、図17に示すフローチャートおよび図18に示すように、モニタ7の3次元画像上で操作者が入力部11により任意の位置を指定すると(ステップSB1)、CPU71により、ディスク69に記憶されているラベル画像およびテーブルにおいて、全てのラベルが検索される(ステップSA2)。この場合、細胞SのBounding Box内部(外接する立方体の内部)であれば、指定状態としてもよい。
【0084】
操作者により指定された3次元画像上の位置を含むラベルがある場合、すなわち、3次元画像上で指定された位置に細胞Sが存在する場合は(ステップSA3「YES」)、CPU71により、指定されたXYZ座標を中心として、モニタ7上の各断面画像が更新される。
【0085】
そして、CPU71により、そのラベルが付されている細胞Sの3次元的な形状が3次元画像から抽出されて認識領域として合成される(ステップSB4)。また、CPU71により、そのラベルが付されている細胞Sの断面画像ごとの断面形状が3次元画像から抽出されてそれぞれ認識領域として合成されるとともに、そのラベルが付されている細胞Sの解析結果がグラフから抽出される。
【0086】
そして、CPU71により、合成された3次元的な形状、各断面形状および抽出された解析結果が相互に対応付けられ、図18に示すように、その細胞Sの3次元的な形状がモニタ7の3次元画像上に重ね合わせられて他の細胞Sと区別可能にハイライト表示される(ステップSB5)。また、CPU71により、モニタ7の各断面画像およびグラフにおいて、その細胞Sの各断面形状および解析結果を示す値が他の細胞Sと区別可能にハイライト表示される(ステップSA6およびステップSA7)。この場合、3次元画像における指定された位置の奥行き方向に複数の細胞Sが存在する場合は、最も手前に存在する細胞Sを選択したこととしてその細胞Sをハイライト表示することとすればよい。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係る観察システム1によれば、モニタ7に表示される3つの断面画像、グラフおよび3次元画像において、所望の細胞Sの互いに交差する3方向の各断面形状、解析結果を示す値および3次元的な形状がハイライト表示されることにより、操作者は、その細胞Sの互いに交差する3方向の各断面形状と解析結果と3次元的な形状とを関連付けて視認することができる。これにより、3次元的な構造を有する細胞Sの集合に対して、観察対象の細胞Sの3次元的な認識の確からしさを視覚的に簡易かつ精度よく検証することができる。
【0088】
本実施形態においては、例えば、操作者が入力部11により複数の位置を指定した場合に、図19に示すように、CPU71により、3次元画像において全ての細胞Sを表示するのではなく、抽出した全ての細胞Sの3次元的な形状のみを3次元画像において表示することとしてもよいし、全ての細胞Sを表示した上で、抽出した全ての細胞Sの3次元的な形状を対応する細胞Sの3次元的な形状に重ね合わせてハイライト表示することとしてもよい。このようにすることで、複数の所望の細胞Sの3次元的な形状を3次元画像により1度に容易に視認することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
【0090】
また、本実施形態においては、抽出した細胞Sの断面形状をハイライト表示する場合に、断面画像上で細胞Sの断面形状全体を他の細胞Sの断面形状よりも明るく表示させることとしたが、これに代えて、例えば図20に示すように、断面画像上で細胞Sの断面形状の輪郭のみを他の細胞Sの断面形状の輪郭よりも明るく表示させることとしてもよい。細胞Sの3次元的な形状についても同様である。
【符号の説明】
【0091】
1 観察システム
7 モニタ(表示部)
11 入力部(細胞指定部)
71 CPU(細胞特定部、表示制御部、断面形状抽出部、解析結果抽出部、3次元形状抽出部)
S 細胞
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20