特許第6833471号(P6833471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000002
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000003
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000004
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000005
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000006
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000007
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000008
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000009
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000010
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000011
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000012
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000013
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000014
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000015
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000016
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000017
  • 特許6833471-光学装置及び内視鏡 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833471
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】光学装置及び内視鏡
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20210215BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20210215BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20210215BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   G02B7/02 D
   G02B7/04 C
   G02B23/26 C
   A61B1/00 731
   A61B1/00 735
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-225049(P2016-225049)
(22)【出願日】2016年11月18日
(65)【公開番号】特開2018-81270(P2018-81270A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】綿谷 祐一
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−230532(JP,A)
【文献】 特開2002−336190(JP,A)
【文献】 特開2003−290134(JP,A)
【文献】 特開昭63−094218(JP,A)
【文献】 特開2001−112708(JP,A)
【文献】 特開2015−047358(JP,A)
【文献】 米国特許第05212595(US,A)
【文献】 中国実用新案第204797779(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02− 7/16
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体側に配設された前群レンズと、
前記前群レンズよりも像側に配置された後群レンズと、
前記前群レンズと前記後群レンズとの間に配置された移動レンズと、
前記前群レンズを保持する固定枠である前群保持枠と、
前記後群レンズを保持する固定枠である後群保持枠と、
前記移動レンズを保持するとともに、前記後群保持枠内を光軸方向に沿って移動可能な可動枠と、
前記可動枠を移動させるための駆動力を前記後群保持枠の外側から内側に伝達するための伝達機構と、
を備え、
前記前群レンズは、前記被写体側に位置する第1の前群レンズと、前記像側に位置する第2の前群レンズと、を有し、
前記前群保持枠は、前記第1の前群レンズを保持する第1の前群保持枠と、前記第2の前群レンズを保持する第2の前群保持枠と、を有することを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記後群保持枠は、前記第1の前群レンズを保持した前記第1の前群保持枠と前記第2の前群レンズを保持した前記第2の前群保持枠とによって封止された密閉空間を有することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記第2の前群保持枠の最先端に保持されるレンズは、前記前群レンズの中で最も光軸方向の長さが長いことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記伝達機構は、カバーによって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記伝達機構は、前記後群保持枠の外側と内側とを連通するスリットと、前記スリットの両側に沿ってそれぞれ設けられた壁部と、を有し、
前記各壁部は、前記カバーを接着するための平面を有することを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記後群保持枠の外周には、前記光学装置を固定するビスを受けるためのビス受部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第1の前群保持枠の基端側に形成された第1延出部と、
前記第2の前群保持枠の先端側に形成され、前記第1延出部の内径より小さい外径を有した第2延出部と、
前記後群保持枠の先端側に形成され、前記第1延出部の外径より大きい内径を有した第3延出部と、
を有し、
前記第1の前群保持枠、前記第2の前群保持枠、前記後群保持枠は、前記第1延出部、前記第2延出部、前記第3延出部の各々の一部がオーバーラップするように配置され、
前記第1延出部と前記第3延出部のオーバーラップによって形成された空間には、少なくとも、接着剤が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記第2の前群保持枠は、外周部にフランジを有し、前記フランジの外周面が前記後群保持枠の内周面に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記第1の前群レンズは凹レンズのみによって構成され、前記第2の前群レンズは凸レンズのみによって構成されているか、もしくは、
前記第1の前群レンズは凸レンズのみによって構成され、前記第2の前群レンズは凹レンズのみによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項10】
前記伝達機構は、前記可動枠の前記被写体側の停止位置を位置決めする位置補正枠を有することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
被検体内に挿入される挿入部の先端部に請求項1に記載の光学装置を備えたことを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察光学系の光学特性を変更させることが可能な光学装置及び内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、内視鏡は、生体の体内(体腔内)の観察、処置などまたは工業用のプラント設備内の検査、修理などのため広く用いられている。
【0003】
このような内視鏡においては、焦点固定方式の撮像ユニットが広く採用されている。一般に、焦点固定方式の撮像ユニットは前群レンズと後群レンズとを有して構成され、これら各群レンズを保持する前群レンズ枠と後群レンズ枠とは、接着剤等を介して気密に連結されている。さらに、前群レンズの最先端に位置するレンズは特に高精度な加工がなされ、このように高精度に加工されたレンズが接着剤等を介して前群レンズ枠に固定されることにより、撮像ユニットの観察光学系の気密性が確保されている。なお、微細なレンズに対する高精度な加工は、コストの高騰を招くため、最先端に位置するレンズに対してのみ限定的に行われることが一般的である。
【0004】
ところで、近年、内視鏡においては、撮影像のピント調整またはワイド/テレなどの倍率調整を行うズーミング機能のため、観察光学系を撮影光軸方向に移動することで焦点距離を変更することができる撮像ユニットを用いたものがある。なお、このように焦点距離を変更できる撮像ユニットの技術は、内視鏡に限らず、種々の撮影機に用いられている。
【0005】
このような焦点切替方式の撮像ユニットに用いられる光学装置として、例えば、特許文献1には、固体撮像素子ユニットの前方に配置された対物レンズ(前群レンズ)を保持する固定レンズ枠と、レンズ枠の内部において、撮影光軸に沿って移動する一部のレンズ(移動レンズ)を保持する可動枠と、可動枠から突出する連結桿(操作桿)と、連結桿を介して移動レンズを進退移動させるアクチュエータと、を備えた光学装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2010/113658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術のように、焦点切替方式の光学装置は、連結桿を光軸方向に沿って移動させるためのスリットを、固定レンズ枠に設ける必要がある。従って、焦点切替方式の光学装置は、焦点固定方式の光学装置に比べてレンズ枠内に湿気が進入し易い。
【0008】
そして、このようにレンズ枠内に進入した湿気は、先端側のレンズ付近に一定濃度以上充満すると、内視鏡使用時の急激な温度変化等によって結露を発生させて内視鏡画像を不鮮明なものとする等、ユーザビリティを低下させる虞がある。特に、内視鏡に用いられる光学装置は、広い視野角を確保するために最先端に凹レンズを配置することが一般的であり、このような凹レンズによって形成された広い空隙内に湿気が充満した場合、結露が発生しやすくなる。
【0009】
加えて、近年、内視鏡観察による診断能力を向上させるため、イメージセンサ(撮像素子)の小型化及び高画素化が進められており、これに伴い、光学装置の小型化及び高性能化が要求されている。このような要求に対し、光学装置を小型化すると、スリットから先端側のレンズまでの距離が短くなり、より結露が発生しやすくなる。
【0010】
ここで、イメージセンサの小型化及び高画素化を実現するためには画素ピッチの狭小化が不可欠となるが、ピッチが狭小化されたイメージセンサの性能を活かすには光学系のF値を小さくする必要があり、結果として、光学装置は、レンズ加工バラツキに対して脆弱化する傾向にある。この対策として、加工バラツキによる画質劣化を組み立て時の調整作業で補正することも考えられるが、例えば、特許文献1に開示された対物光学系の構成では、前群保持枠に凹レンズと凸レンズが混在するため、レンズの正パワーと負パワーが一部打ち消しあって調整感度が低くなる。調整感度が低いと調整代を大きく設定する必要が生じ、前群保持枠と後群保持枠の径方向のサイズアップ、すなわち製品の大型化を招く虞がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、焦点切替を可能とした場合にも、結露の発生を的確に防止して鮮明な画像を撮像することができる光学装置及び内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様による光学装置は、被写体側に配設された前群レンズと、前記前群レンズよりも像側に配置された後群レンズと、前記前群レンズと前記後群レンズとの間に配置された移動レンズと、前記前群レンズを保持する固定枠である前群保持枠と、前記後群レンズを保持する固定枠である後群保持枠と、前記移動レンズを保持するとともに、前記後群保持枠内を光軸方向に沿って移動可能な可動枠と、前記可動枠を移動させるための駆動力を前記後群保持枠の外側から内側に伝達するための伝達機構と、を備え、前記前群レンズは、前記被写体側に位置する第1の前群レンズと、前記像側に位置する第2の前群レンズと、を有し、前記前群保持枠は、前記第1の前群レンズを保持する第1の前群保持枠と、前記第2の前群レンズを保持する第2の前群保持枠と、を有するものである。
【0013】
本発明の一態様による内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部の先端部に前記光学装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、焦点切替を可能とした場合にも結露の発生を的確に防止して鮮明な画像を撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】内視鏡の全体構成を示す説明図
図2】先端部及び湾曲部の内部構成を示す断面図
図3】移動レンズユニットが前方の進出位置に移動した状態の撮像ユニットの構成を示す断面図
図4】移動レンズユニットが後方の退避位置に移動した状態の撮像ユニットの構成を示す断面図
図5】伝達機構のカバーを取り外して撮像ユニットを示す斜視図
図6】移動レンズ位置補正枠の構成を示す斜視図
図7】観察光学系ユニットの構成を示す斜視図
図8】ストッパ部材の構成を示す斜視図
図9図3のIX−IX線断面図
図10図3のX−X線断面図
図11】第2の前群レンズ及び第2の前群保持枠を示す断面図
図12】第1の変形例に係り、第2の前群レンズ及び第2の前群保持枠を示す断面図
図13】第2の変形例に係り、観察光学系ユニットの断面図
図14】第3の変形例に係り、観察光学系ユニットの構成を示す斜視図
図15】第4の変形例に係り、観察光学系ユニットの断面図
図16】第4の変形例に係り、観察光学系ユニットの構成を示す斜視図
図17】第5の変形例に係り、観察光学系ユニットの構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡の全体構成を示す説明図、図2は先端部及び湾曲部の内部構成を示す断面図、図3は移動レンズユニットが前方の進出位置に移動した状態の撮像ユニットの構成を示す断面図、図4は移動レンズユニットが後方の退避位置に移動した状態の撮像ユニットの構成を示す断面図、図5は伝達機構のカバーを取り外して撮像ユニットを示す斜視図、図6は移動レンズ位置補正枠の構成を示す斜視図、図7は観察光学系ユニットの構成を示す斜視図、図8はストッパ部材の構成を示す斜視図、図9図3のIX−IX線断面図、図10図3のX−X線断面図、図11は第2の前群レンズ及び第2の前群保持枠を示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に電子内視鏡システム(以下、単に内視鏡システムという)1は、内視鏡としての電子内視鏡装置(以下、単に内視鏡という)2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、カラーモニタ5と、が電気的に接続されて構成されている。
【0018】
内視鏡2は、挿入部9と、この挿入部9が延設された操作部10と、を有し、操作部10から延出するユニバーサルコード17がスコープコネクタ18を介して、光源装置3に接続されている。
【0019】
また、スコープコネクタ18からは、コイル状のスコープケーブル19が延設されている。そして、このスコープケーブル19の他端側には、電気コネクタ部20が設けられ、この電気コネクタ部20がビデオプロセッサ4に接続されている。
【0020】
挿入部9は、先端側から順に、先端部6と、湾曲部7と、可撓管部8と、が連設されて構成されている。先端部6の先端面には、周知の先端開口部、観察窓、複数の照明窓、観察窓洗浄口および観察物洗浄口が配設されている(全て不図示)。
【0021】
先端部6内において、観察窓の背面側には、後述する撮像ユニットが配設されている。また、複数の照明窓の背面側には、図示しないライトガイドバンドルの先端側が配設されている。
【0022】
このライトガイドバンドルは、挿入部9から操作部10を経てユニバーサルコード17の内部に挿通配置され、スコープコネクタ18が光源装置3に接続されているとき、当該光源装置3からの照明光を照明窓まで伝送することが可能となっている。
【0023】
観察窓洗浄口および観察物洗浄口は、先端部6からユニバーサルコード17の内部に挿通する、図示しない2つの洗浄チューブの開口部を構成している。
【0024】
これら洗浄チューブは、洗浄水が貯留された洗浄タンク、及びコンプレッサ(何れも図示せず)と光源装置3側で接続されている。
【0025】
操作部10には、挿入部9が延出する折れ止部11と、下部側の側部に配設される鉗子口12と、中途部のグリップ部を構成する操作部本体13と、上部側に設けられた2つの湾曲操作ノブ14,15からなる湾曲操作部16と、送気送水制御部21と、吸引制御部22と、複数のスイッチから構成された主に撮像機能を操作するスイッチ部23と、後述の撮像ユニット内に設けられた移動レンズを進退操作して、例えば、ピント調整のフォーカシング機能またはワイド/テレなどの倍率調整を行うズーミング機能を操作するための操作レバー24と、が設けられている。
【0026】
なお、操作部10の鉗子口12は、先端部6の先端開口部まで主に挿入部9内に挿通配置された図示しない処置具チャンネルの開口部を構成している。
【0027】
次に、主に内視鏡2の先端部6の構成について、図2に基づいて説明する。
【0028】
図2に示すように、先端部6の内部には、撮像ユニット30が配設されている。
【0029】
この撮像ユニット30は、硬質な先端硬性部材25に嵌挿配置され、側面方向からセットビス27により先端硬性部材25と固定されている。
【0030】
また、撮像ユニット30の先端側の外周部には、先端硬性部材25との水密を確保するためのOリング28が配設されている。先端硬性部材25の先端側には、先端部6の先端面を構成する先端カバー25aが接着固定されている。
【0031】
なお、先端カバー25aに形成される孔部である先端開口部は、上述したように、先端部6内の処置具チャンネル12bの開口部を構成する。
【0032】
また、先端硬性部材25の基端側には湾曲部7を構成する複数の湾曲駒26が連設され、これら先端硬性部材25および湾曲駒26の外周は、先端挿入部ゴム部材12aによって一体的に被覆されている。この先端挿入部ゴム部材12aの先端外周部は、糸巻接着部29により、先端硬性部材25に固定されている。
【0033】
なお、先端部6に配設される洗浄チューブ、照明用のライトガイドバンドルなどの部材については、従来から周知な構成のため、それらの説明を省略する。
【0034】
次に、撮像ユニット30の詳細な構成について、図3から図5に基づいて説明する。
【0035】
図3および図4に示すように、本実施形態の撮像ユニット30は、固体撮像素子ユニット31と、この固体撮像素子ユニット31の先端側に連設された光学装置としての観察光学系ユニット32と、を有して構成されている。
【0036】
固体撮像素子ユニット31は、固体撮像素子保持枠35を有し、この固体撮像素子保持枠35には、CCD、CMOSなどからなる固体撮像素子チップ37の前面側が、カバーガラスなどの光学部材36を介して保持されている。
【0037】
また、固体撮像素子チップ37の背面側には積層基板38が図示しないFPCなどを介して電気的に接続されている。
【0038】
さらに、積層基板38には、ケーブル39から分岐した複数の通信線が接続されている。このケーブル39は、内視鏡2の内部に挿通配置されており、電気コネクタ部20を介して、ビデオプロセッサと電気的に接続される。
【0039】
また、固体撮像素子保持枠35の基端外周部には補強枠40が連設され、この補強枠40の外周には、ケーブル39の先端部分まで被覆する熱収縮チューブ41が設けられている。
【0040】
なお、固体撮像素子保持枠35の基端部分から補強枠40および熱収縮チューブ41にて形成された空間内には、固体撮像素子ユニット31を水密保持するとともに、保護するための接着剤などの保護剤42が充填されている。
【0041】
本実施形態の観察光学系ユニット32は、内部のレンズを進退移動させて光学特性(焦点距離)を変更することによりフォーカシング機能またはズーミング機能を実現する2焦点式の観察光学系33を有して構成されている。
【0042】
より具体的に説明すると、観察光学系ユニット32は、先端側(被写体側)に位置する前群レンズユニット45と、この前群レンズユニット45の基端側(像側)に連設する後群レンズユニット46と、これら前群レンズユニット45と後群レンズユニット46との間に介装された移動レンズ位置補正枠47と、この移動レンズ位置補正枠47内を撮影光軸O方向に進退移動可能な移動レンズユニット48と、この移動レンズユニット48を進退動作させるアクチュエータ49と、を有して構成されている。
【0043】
前群レンズユニット45は、固定枠である前群保持枠55と、この前群保持枠55に保持された複数の固定レンズからなる前群レンズ56aと、を有して構成されている。
【0044】
後群レンズユニット46は、先端側が前群保持枠55に連結される固定枠である後群保持枠57と、この後群保持枠57の基端側において撮影光軸O上に保持された複数の固定レンズからなる後群レンズ56bと、を有して構成されている。
【0045】
この後群保持枠57の基端側には、固体撮像素子保持枠35が外嵌されて接着剤35aにより固定されることで、固体撮像素子ユニット31と観察光学系ユニット32とが連結されている。
【0046】
また、後群保持枠57の先端側にはセットビス27の先端部が係入されるビス受部57gが設けられている。
【0047】
また、後群保持枠57には、その内周側と外周側とを貫通するスリット57aが設けられている。このスリット57aは、撮影光軸Oと同方向に延在されており、このスリット57aの先端側は後群保持枠57の先端において開放されている。
【0048】
また、後群保持枠57には、スリット57aの基端側において外径方向に突出する保持桿57bが設けられ、この保持桿57bには撮影光軸Oと同軸方向に貫通するアクチュエータ保持孔57cが設けられている。
【0049】
また、後群保持枠57には、移動レンズユニット48の撮影光軸O方向の基端側の停止位置を規定するためのストッパ部材59が設けられている。
【0050】
具体的に説明すると、保持桿57bの先端側において、後群保持枠57には、一対の壁部としての突条部57fが設けられている(図5,10参照)。これらの突条部57fは、スリット57aの基端側において撮影光軸O方向に沿って互いに平行となるよう延在され、さらに、これらの突条部57fの突端面は撮影光軸O方向に平行な平面によって構成されている。
【0051】
図8に示すように、ストッパ部材59は、撮影光軸O方向に延在する貫通孔59bが開口されたパイプ状のストッパ部59aを中心として構成されている。このストッパ部59aの径方向の一側には、後群保持枠57に形成された一対の突条部57fの間に配設されるキー59cが一体形成されている。また、キー59cの両側には、各突条部57fの突端面に面接触によって直接的に当てつけられる接着面59dが形成されている。さらに、キー59c及び接着面59dの要所には、各突条部57f等との摺動抵抗を減少させるとともに、各突条部57f等との間に接着剤を導入するための切欠部59eが設けられている。また、ストッパ部59aの径方向の他側には係合孔59fが設けられ、この係合孔59fには、後群保持枠57に対してストッパ部材59を位置決めする際の治具(図示せず)を係合することが可能となっている。
【0052】
このストッパ部材59は、例えば、前群保持枠55との位置決め固定がなされた後群保持枠57の突条部57fの間にキー59cが配設されるとともに、各突条部57fの突端面に接着面59dが当てつけられた状態にて配置される。その後、可動枠65(より具体的には、後述する可動枠65の操作桿65a)がストッパ部59aに当接された状態において、ストッパ部材59は、光学特性を確認しながら、係合孔59fに係合された治具を用いて位置決めされる。そして、ストッパ部材59は、突条部57fとの間に、切欠部59eを介して接着剤が導入されることにより、後群保持枠57に固定される。
【0053】
移動レンズ位置補正枠47は、前群保持枠55の外周側と後群保持枠57の内周側との間に介装されている。
【0054】
この移動レンズ位置補正枠47の先端側には、外径方向に突出する前側ストッパ60が設けられている。
【0055】
この前側ストッパ60は、後方側で開口するバネ受部60aが凹設されており、バネ受部60a内には圧縮バネであるリターンスプリング68の一端が保持されている。
【0056】
また、移動レンズ位置補正枠47には、その内周側と外周側とを貫通するスリット61が設けられている。このスリット61は、後群保持枠57のスリット57aに重畳するよう撮影光軸Oと同方向に延在されている。
【0057】
このスリット61の基端側は、移動レンズ位置補正枠47の基端において開放されている(図6参照)。
【0058】
さらに、図6,7に示すように、移動レンズ位置補正枠47には、可動枠65を直線状にガイドするための一対の壁部としてのガイド部60cが設けられている。これらのガイド部60cは前側ストッパ60の基端側からスリット61の両側に沿って延在する板状をなし、各ガイド部60cの外側面には、後群保持枠57の突条部57fの先端側を収容可能な凹部60dが設けられている。そして、各凹部60dに各突条部57fの先端側か収容されることにより、保持桿57bの各側面、各ガイド部60cの側面、各突条部57fの側面、及び、前側ストッパ60の各側面は、略連続する平面を形成することが可能となっている(図5参照)。
【0059】
この移動レンズ位置補正枠47は、移動レンズユニット48の撮影光軸O方向の先端側の停止位置決めを行うためのものであり、可動枠65(より具体的には、操作桿65a)が前側ストッパ60に当接された状態において、光学特性を確認しながら位置決めされ、接着剤等を介して後群保持枠57に固定されている。
【0060】
移動レンズユニット48は、移動枠である可動枠65と、この可動枠65に保持された移動レンズ66と、を有して構成されている。
【0061】
本実施形態において、可動枠65は、固定枠である後群保持枠57内に移動レンズ位置補正枠47を介して配設され、撮影光軸Oに沿った方向へ進退移動が可能となっている。
【0062】
この可動枠65には、外周方向に突出する操作桿65aが設けられている。この操作桿65aは、後群保持枠57のスリット57aおよび移動レンズ位置補正枠47のスリット61を介して後群保持枠57の外周側に突出されている。
【0063】
そして、操作桿65aは、前側ストッパ60およびストッパ部材59の間に配置されている。この操作桿65aには、前側ストッパ60との対向面側に、バネ受部60aに対向する軸受部65bが設けられている。
【0064】
この軸受部65bにはバネ受部60a内のリターンスプリング68内に突出する軸部材67が保持されている。そして、操作桿65aは、リターンスプリング68の付勢力によって基端側であるストッパ部材59側に付勢されている。
【0065】
このように、本実施形態では、前側ストッパ60と保持桿57bとの間に、スリット57a,61と、スリット57a,61を介して後群保持枠57の外周側に突出された操作桿65aと、スリット57a,61の両側に沿って操作桿65aをガイドする突条部57f及びガイド部60cと、を中心として伝達機構が構成され、この伝達機構はアクチュエータ49からの駆動力を後群保持枠57の外側から内側に伝達することが可能となっている。
【0066】
ここで、前側ストッパ60と保持桿57bとの間には、上述の伝達機構を覆うことにより、スリット57a,61を閉塞するためのカバー69が設けられている。
【0067】
例えば、図5に示すように、このカバー69は、断面略U字形状をなす薄板の板金部材によって構成されている。そして、カバー69は、前後両端が前側ストッパ60及び保持桿57bの壁面に沿って接着されるとともに、U字状の開放端がガイド部60c及び突条部57fの壁面に沿って接着されることにより、後群保持枠57及び移動レンズ位置補正枠47に固定されている。
【0068】
この場合において、保持桿57bの各側面、各ガイド部60cの側面、各突条部57fの側面、及び、前側ストッパ60の各側面が略同一の平面上に配置されているため(図5,7等参照)、カバー69の各部は略均一な厚さの接着剤を介して接着固定されている。また、図9に示すように、各凹部60d内(より具体的には、各凹部60d内において各突条部57fが到達していない部分)には接着剤等が充填され、これにより、カバー69のU字状の開放端は、後群保持枠57及び移動レンズ位置補正枠47に対して連続的に隙間なく接着されている。なお、接着剤等の充填に代えて、各凹部60d内に板状の調整部材を配設することにより、各凹部60dにおける接着面の高さを、各ガイド部60cの側面、各突条部57fの側面、及び、前側ストッパ60の各側面と一致させることも可能である。また、図5,10に示すように、ストッパ部材59のストッパ部59aは、前側ストッパ60及び保持桿57bの突出形状に倣った形状に形成されることにより、カバー69の変形を防止することが可能となっている。そして、このようにカバー69が接着されることにより、スリット57a,61は気密な状態にて閉塞されている。
【0069】
図3,4に示すように、アクチュエータ49は、先端側が保持桿57bのアクチュエータ保持孔57cに保持されたガイド管70を有する。
【0070】
このガイド管70内には、その先端から突没自在なプッシュロッド71が設けられ、このプッシュロッド71の先端には、操作桿65aに対して接離可能に当接する当接部材としてのヘッド部72が固設されている。
【0071】
プッシュロッド71には、ガイド管70内に挿通された駆動ワイヤ73の先端側が連結され、この駆動ワイヤ73の基端側には、形状記憶合金からなる形状記憶素子74が連結されている。
【0072】
さらに、ガイド管70内において、駆動ワイヤ73の外周側には、リターンスプリング68よりも強い付勢力にてプッシュロッド71を前側ストッパ60側に付勢するためのプッシュスプリング75が巻装されている。
【0073】
形状記憶素子74は、例えば、加熱時に収縮され、且つ、冷却時に伸張するよう設定されており、ガイド管70内において伸縮可能な状態にて保持されている。また、形状記憶素子74には図示しないペルチェ素子等の熱源が併設されており、この熱源は、操作レバー24に対する操作状態に応じて、形状記憶素子74を加熱或いは冷却することが可能となっている。
【0074】
なお、形状記憶素子74は、ペルチェ素子等の熱源を用いた加熱或いは冷却によって伸縮させる方式のものに限定されることなく、例えば、通電によって形状記憶合金を加熱し、収縮させる方式等を採用することも可能である。
【0075】
そして、形状記憶素子74は、冷却によって伸張すると、プッシュスプリング75の付勢力を解放する方向(すなわち、撮影光軸Oに沿う先端側の方向)に駆動ワイヤ73を動作させる。
【0076】
これにより、プッシュロッド71の先端側は、ガイド管70から突出され、圧縮バネであるリターンスプリング68の付勢力に抗して操作桿65aを押圧する。
【0077】
したがって、操作桿65aは前側ストッパ60に当接する位置まで移動する。この操作桿65aの移動に伴い、可動枠65は、予め設定された第1の焦点距離(例えば、ワイドの第1の光学特性)を実現するための進出位置まで移動レンズ66を移動させる(図3参照)。
【0078】
一方、形状記憶素子74は、加熱によって収縮すると、プッシュスプリング75の付勢力に抗する方向(すなわち、撮影光軸Oに沿う基端側の方向)に駆動ワイヤ73を動作させる。
【0079】
これにより、プッシュロッド71の先端側は、ガイド管70内に退避される。したがって、操作桿65aは、リターンスプリング68に付勢されてストッパ部材59に当接する位置まで移動する。
【0080】
この操作桿65aの移動に伴い、可動枠65は、予め設定された第2の焦点距離(例えば、テレの第2の光学特性)を実現するための退避位置まで移動レンズ66を移動させる(図4参照)。
【0081】
このような構成の観察光学系ユニット32において、例えば、図3,4に示すように、前群レンズユニット45を構成する前群レンズ56aは、先端側(被写体側)に位置する第1の前群レンズ56afと、第1の前群レンズ56afよりも基端側(像側)に位置する第2の前群レンズ56arと、に分割されている。
【0082】
ここで、第1の前群レンズ56afと第2の前群レンズ56arは、光軸O方向に所定長さ以上を有するレンズが第2の前群レンズ56arの最先端に配置されるよう分割されていることが好ましい。このため、例えば、4つのレンズから構成された本実施形態の前群レンズ56aにおいては、これらのレンズの中で光軸O方向の長さが最も長い3番目のレンズが第2の前群レンズ56arの最先端に配置されるよう分割されている。なお、第2の前群レンズ56arの最先端に光軸O方向の長さが最も長いレンズが配置されるように前群レンズ56aを分割した場合、観察光学系ユニット32の仕様等によっては、分割された一方が群レンズをなさない単一のレンズのみから構成される場合もあり得るが、このような場合であっても、便宜上、第1の前群レンズ56af或いは第2の前群レンズ56arと称呼するものとする。
【0083】
また、前群レンズユニット45を構成する前群保持枠55は、第1の前群レンズ56afに対応する第1の前群保持枠55fと、第2の前群レンズ56arに対応する第2の前群保持枠55rと、に分割形成されている。
【0084】
第1の前群保持枠55fは、外周部にフランジ55faを備えた略円筒形状をなす枠体によって構成されている。この第1の前群保持枠55fの内周には、第1の前群レンズ56afを構成する各レンズが、接着剤を介して保持(固定)されている。この場合において、第1の前群レンズ56afの最先端に位置するレンズは、広い視野角を得るための凹レンズによって構成されており、この凹レンズの寸法は高精度に加工されている。そして、このように第1の前群レンズ56afの最先端に位置するレンズが高精度に加工され当該レンズの周部が接着剤を介して接着固定されることにより、第1の前群保持枠55fの先端側は気密に閉塞されている。なお、本実施形態において、このように第1の前群保持枠55fに保持された第1の前群レンズ56afは、画角などの光学特性の調整を担っている。
【0085】
図11に示すように、第2の前群保持枠55rは、外周部にフランジ55raを備えた略円筒形状をなす枠体によって構成されている。この第2の前群保持枠55rの内周には、第2の前群レンズ56arを構成する各レンズが、接着剤を介して保持(固定)されている。この場合において、前群保持枠55を第1の前群保持枠55fと第2の前群保持枠55rとに分割することにより、前群レンズ56aの中途に位置するレンズ(第2の前群レンズ56arの最先端に位置するレンズ)に対し、第2の前群保持枠55rの先端側から直接的に作業を行うことが可能となり、第2の前群レンズ56arの最先端に位置するレンズの全周に対して的確に接着剤を塗布することが可能となる。また、第2の前群レンズ56arの最先端には、上述の通り、光軸O方向の長さが最も長い(所定以上の長さを有する)レンズが配置されている。そして、このように光軸O方向に所定以上の長さを有するレンズが接着固定されることにより、第2の前群保持枠55rの先端側は気密に閉塞されている。すなわち、分割した第2前群レンズ56arの最先端に所定以上の長さを有するレンズを配することにより、第2の前群レンズ56arは、各レンズの寸法を必要以上に高精度に加工することなく、第2の前群保持枠55rの先端側を気密に閉塞することが可能となっている。
【0086】
このように第1の前群レンズ56afを保持した第1の前群保持枠55f、及び、第2の前群レンズ56arを保持した第2の前群保持枠55rは、後群保持枠57の先端側において気密に保持されている。これにより、後群保持枠57の内部には、伝達機構よりも先端側に、第1の前群保持枠55fと第2の前群保持枠55rとによって前後が封止された密閉空間77が形成されている。
【0087】
具体的には、例えば、図3,4に示すように、第1の前群保持枠55fの基端側には、略円筒形状をなす第1延出部55fbが形成されている。また、第2の前群保持枠55rの先端側には、第1延出部55fbの内径よりも小さい外径を有した第2延出部55rcが形成されている。さらに、後群保持枠57の先端側には、第1延出部55fbよりも大きい内径を有し、ビス受部57gよりも先端側に延出する第3延出部57hが形成されている。
【0088】
第2の前群保持枠55rは、後群保持枠57の内部に先端側から挿入される。このとき、第2の前群レンズ枠55rに形成されたフランジ55raは、第3延出部57hの基端側の内部に形成された段部57eに対して基端面が当接するよう配置される。さらに、フランジ55raは、後群保持枠57の内周面(より具体的には、第3延出部57hの基端側内周面)に対して外周面が当接するように配置される。また、第1の前群保持枠55fに形成された第1延出部55fbは、第3延出部57fの内部に挿入され、第2の前群保持枠55rに形成された第2延出部55rcの外周を囲繞するように配置される。これらにより、第1の前群保持枠55f、第2の前群保持枠55r、及び、後群保持枠57は、第1延出部55fb、前記第2延出部55rc、及び、前記第3延出部57bの各々の一部がオーバーラップするように配置され、これらの間には断面形状が略クランク形状をなす空間が形成される。
【0089】
そして、第2の前群保持枠55rは、保持した第2の前群レンズ56arの光軸調整等が行われた後、フランジ55raと段部57eとの間に注入された接着剤等を介して後群保持枠57内に接着固定される。
【0090】
この場合において、第2の前群保持枠55rの内部は保持した第2の前群レンズ56arによって気密に閉塞されているため、後群保持枠57の先端側の内部は、接着固定された第2の前群保持枠55rによって気密な状態に閉塞されている。すなわち、第2の前群保持枠55r等の枠体は、一般に、レンズ等に比べて安価且つ高精度に加工することが容易であり、このように高精度に加工された第2の前群保持枠55rが後群保持枠57に対して接着固定されることにより、後群保持枠57の先端側の内部は気密な状態にて的確に閉塞されている。
【0091】
この場合において、上述のように光学特性の調整等を主として第1の前群レンズ56afによって行うことにより、後群保持枠57に対する組み付け時に、第2の前群保持枠55r(第2の前群レンズ56ar)の光軸調整等を簡略化(或いは省略)することができる。従って、第2の前群保持枠55rは後群保持枠57に対するクリアランスをタイトに設定することができ、第2の前群保持枠55rと後群保持枠57との間の気密性についても向上させることが可能となる。
【0092】
このように第2の前群保持枠55rによって後群保持枠57の先端側の内部が閉塞された後、第1の前群保持枠55fは、フランジ55faが後群保持枠57の先端面に対向するよう配置される。そして、第1の前群保持枠55fは、保持した第1の前群レンズ56afの光軸調整等が行われた後、第1延出部55fbと第3延出部57hとの間、及び、第1延出部55fbと第2延出部55rcとの間に形成された断面クランク形状をなす空間には接着剤58が一体的に充填される。これにより、第1の前群保持枠55f、第2の前群保持枠55r、及び、後群保持枠57は、強固且つ高い気密性を有して接着され、仮にセットビス27によるストレスが後群保持枠57のビス受部57gに作用したとしても接着剤の剥離等が防止される。さらに、第2の前群保持枠55rのフランジ55raの外周面が後群保持枠57の内周面に対して当接するように配置されているため、仮にセットビス27によるストレスが後群保持枠57のビス受部57gに作用したとしても、後群保持枠57の変形が抑制され、接着剤の剥離等がより的確に防止される。
【0093】
この場合において、第1の前群レンズ56afの内部は保持した第1の前群レンズ56afによって気密に閉塞されているため、後群保持枠57の先端は、接着固定された第1の前群保持枠55fによって気密な状態に閉塞されている。すなわち、第1の前群保持枠55f等の枠体は、一般に、レンズ等に比べて安価且つ高精度に加工することが容易であり、このように高精度に加工された第1の前群保持枠55fが後群保持枠57に対して接着固定されることにより、後群保持枠57の先端は気密な状態にて的確に閉塞されている。
【0094】
そして、これら第1,第2の前群保持枠55f,55rによる閉塞により、後群保持枠57の先端側の内部にはスリット57a,61等からの湿気の進入を防止可能な密閉空間77が形成されている。
【0095】
ここで、前群レンズユニット45に含まれる各レンズの正パワーと負パワーが一部打ち消し合うことによって光学特性の調整感度が低下し、この調整感度の低下を補うために観察光学系ユニット32の大型化を招くことを抑制するため、例えば、第1の前群レンズ56afは凹レンズのみによって構成され、第2の前群レンズ56arは凸レンズのみによって構成されていることが好ましい。そして、このように、第1の前群レンズ56afと第2の前群レンズ56arとで凹レンズと凸レンズを分離することにより、密閉空間の形成のみならず、光学特性の調整をも容易なものとし、観察光学系ユニット32の大型化を効果的に抑制するも可能となる。
【0096】
このような実施形態によれば、前群レンズ56aを、被写体側に位置する第1の前群レンズ56afと、像側に位置する第2の前群レンズ56arとに分割するとともに、前群保持枠55を、第1の前群レンズ56afを保持する第1の前群保持枠55fと、第2の前群レンズ56arを保持する第2の前群保持枠55rとに分割形成し、後群保持枠57に併設された伝達機構よりも先端側に、第1の前群レンズ56afを保持した第1の前群保持枠55fと、第2の前群レンズ56arを保持した第2の前群レンズ枠55rによって密閉空間77を形成することにより、焦点切替を可能とした場合にも結露の発生を的確に防止して鮮明な画像を撮像することができる。
【0097】
すなわち、第1の前群レンズ56afによって先端側が気密に閉塞された第1の前群保持枠55fと、第2の前群レンズ56arによって先端側が気密に閉塞された第2の前群保持枠55rとによって後群保持枠57の先端側に密閉空間を形成することにより、スリット57a,61等を介して観察光学系ユニット32内に湿気が進入した場合にも、当該湿気が前群レンズ56aの先端側まで到達することを的確に防止でき、結露の発生を防止して鮮明な画像を撮像することができる。
【0098】
この場合において、第2の前群保持枠55rの最先端に保持されるレンズを、前群レンズ56aの中で最も光軸O方向の長さが長いレンズとすることにより、第2の前群レンズ56arを構成する各レンズを高精度に加工しなくとも、的確に第2の前群保持枠55rの先端側を気密に閉塞することができる。換言すれば、第1の前群保持枠55fの最先端に保持されるレンズのみを高精度に加工しただけの安価且つ簡単な構成により、前群レンズ56aの先端側に湿気の進入を防止するための密閉空間77を形成することができる。
【0099】
さらに、スリット57a、61等を有する伝達機構をカバー69によって覆うことにより、観察光学系ユニット32内への湿気の進入を効果的に抑制することができ、前群レンズ56aの先端側における結露等をより的確に防止することができる。
【0100】
この場合において、各ガイド部60cの側面、及び、各突条部57fの側面を連続する平面に形成することにより、均一な厚さの接着剤によってカバー69を接着固定することができ、カバー69の接着部の剥離等を抑制することができる。
【0101】
ここで、例えば、図12に示すように、第2の前群保持枠55rの先端面の内周側に環状の凹部55rbを設け、この凹部55rbと第2の前群レンズ56arの最先端に位置するレンズとの間に接着剤を充填することも可能である。このように構成すれば、十分な量の接着剤を用いて第2の前群保持枠55rの先端側を封止することができ、密閉空間77の気密性をより的確に向上することができる。
【0102】
また、例えば、図13に示すように、カバー69の固定は、接着剤を用いた接着固定に代えて、レーザ溶接等を用いた溶接(溶接部80)によって行うことも可能である。
【0103】
また、例えば、図14,15に示すように、カバー69のスプリングバック等による変形を防止するための規制部81を突条部57fに設け、ガイド部60cと規制部81との間にカバー69の開放端を挟み込むことも可能である。
【0104】
また、例えば、図16に示すように、突条部57fに平行な規制部82を後群保持枠57に設け、これら突条部57fと規制部82との間にカバー69の開放端を挟み込むことも可能である。
【0105】
さらに、例えば、図17に示すように、カバー69の開放端を挿入するための溝部83を後群保持枠57に設けることも可能である。
【0106】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。
【符号の説明】
【0107】
1 … 電子内視鏡システム
2 … 視鏡
3 … 光源装置
4 … ビデオプロセッサ
5 … カラーモニタ
6 … 先端部
7 … 湾曲部
8 … 可撓管部
9 … 挿入部
10 … 操作部
11 … 折れ止部
12 … 鉗子口
12a … 先端挿入部ゴム部材
12b … 処置具チャンネル
13 … 操作部本体
14,15 … 湾曲操作ノブ
16 … 湾曲操作部
17 … ユニバーサルコード
18 … スコープコネクタ
19 … スコープケーブル
20 … 電気コネクタ部
21 … 送気送水制御部
22 … 吸引制御部
23 … スイッチ部
24 … 操作レバー
25 … 先端硬性部材
25a … 先端カバー
26 … 湾曲駒
27 … セットビス
28 … Oリング
29 … 糸巻接着部
30 … 撮像ユニット
31 … 固体撮像素子ユニット
32 … 観察光学系ユニット(光学装置)
33 … 観察光学系
35 … 固体撮像素子保持枠
35a … 接着剤
36 … 光学部材
37 … 固体撮像素子チップ
38 … 積層基板
39 … ケーブル
40 … 補強枠
41 … 熱収縮チューブ
42 … 保護剤
45 … 前群レンズユニット
46 … 後群レンズユニット
47 … 移動レンズ位置補正枠
48 … 移動レンズユニット
49 … アクチュエータ
55 … 前群保持枠
55f … 第1の前群保持枠
55fa … フランジ
55fb … 第1延出部
55r … 第2の前群保持枠
55ra … フランジ
55rb … 凹部
55rc … 第2延出部
56a … 前群レンズ
56af … 第1の前群レンズ
56ar … 第2の前群レンズ
56b … 後群レンズ
57 … 後群保持枠
57a … スリット
57b … 保持桿
57c … アクチュエータ保持孔
57e … 段部
57f … 突条部
57g … ビス受部
57h … 第3延出部
58 … 接着剤
59 … ストッパ部材
59a … ストッパ部
59b … 貫通孔
59c … キー
59d … 接着面
59e … 切欠部
59f … 係合孔
60 … 前側ストッパ
60a … バネ受部
60c … ガイド部
60d … 凹部
61 … スリット
65 … 可動枠
65a … 操作桿
65b … 軸受部
66 … 移動レンズ
67 … 軸部材
68 … リターンスプリング
69 … カバー
70 … ガイド管
71 … プッシュロッド
72 … ヘッド部
73 … 駆動ワイヤ
74 … 形状記憶素子
75 … プッシュスプリング
77 … 密閉空間
80 … 溶接部
81 … 規制部
82 … 規制部
83 … 溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17