(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非水性多官能(メタ)アクリレートの含有量が、重合性化合物および前記非イオン性防曇剤の総質量に対して、7.5質量%以上である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物。
前記水性不飽和基含有混和促進剤が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物。
前記非イオン性防曇剤に対する前記水性不飽和基含有混和促進剤の質量比(水性不飽和基含有混和促進剤/非イオン性防曇剤)が、0.75以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物。
前記非イオン性防曇剤および前記水性不飽和基含有混和促進剤の総含有量が、重合性化合物および前記非イオン性防曇剤の総質量に対して、92.5質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物。
前記非イオン性防曇剤の含有量が、重合性化合物および前記非イオン性防曇剤の総質量に対して、3質量%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0013】
<活性エネルギー線硬化型防曇性組成物>
本発明に係る活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は、非水性多官能(メタ)アクリレートと、非イオン性防曇剤と、水性不飽和基含有混和促進剤と、を含む。この際、前記水性不飽和基含有混和促進剤が、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーを含むことを特徴とする。
【0014】
本形態によれば、非水性多官能(メタ)アクリレートを用いることで、これが高度に架橋しうるため、得られる硬化物は高い硬度を有することとなる。
【0015】
一方で、前記非水性多官能(メタ)アクリレートを用いると、防曇剤と混和できない、または混和しにくくなることがあり、その結果、硬化物の透明性が得られないことがある。これに対し、本形態においては、防曇剤として非イオン性防曇剤を用い、かつ、所定の水性不飽和基含有混和促進剤を用いる。これにより、非水性多官能(メタ)アクリレートに非イオン性防曇剤を好適に混和させることができ、得られる硬化物は高い透明性を有する。
【0016】
[非水性多官能(メタ)アクリレート]
非水性多官能(メタ)アクリレートは、得られる硬化物に硬度を付与する機能等を有する。なお、本明細書において、「非水性」とは、水(100mL)に対する溶解度(25℃、25%RH)が5質量%未満のものを意味する。また、「多官能」とは、(メタ)アクリロイル基が3以上であることを意味し、好ましくは3〜6である。(メタ)アクリロイル基が3以上であると、上述のように、高度な架橋構造を形成しうるため得られる硬化物は高い硬度を有しうる。
【0017】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリル」とは、メタクリルおよび/またはアクリルを意味する。さらに、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルおよび/またはアクリロイルを意味する。
【0018】
非水性多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、特に制限されないが、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、およびこれらのアルキレンオキシド(メチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)変性物、並びにアルキレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート等の3官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンテトラ(メタ)アクリレート、およびこれらのアルキレンオキシド(メチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)変性物、並びにジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等の4官能(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の5官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、非水性多官能(メタ)アクリレートは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
【0019】
上述の非水性多官能(メタ)アクリレートは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
非水性多官能(メタ)アクリレートの含有量は、重合性化合物および前記非イオン性防曇剤の総質量に対して、7.5質量%以上であることが好ましく、22.5質量%以上であることがより好ましく、22.5〜85質量%であることがさらに好ましく、22.5〜50質量%であることが特に好ましい。非水性多官能(メタ)アクリレートの含有量が7.5質量%以上であると、高い硬度を有する硬化物が得られうることから好ましい。なお、本明細書において、「重合性化合物」とは、重合性の官能基(不飽和基等)を有し、活性エネルギー線により硬化する際に、重合反応を行うことで硬化物の構成要素となるものを意味する。具体的には、前記重合性化合物には、非水性多官能(メタ)アクリレートおよび水性不飽和基含有混和促進剤が含まれる。これらの化合物は、重合性の官能基であるビニル基や(メタ)アクリロイル基等を有し、活性エネルギー線により重合反応を行い、これが硬化物の構成要素となるからである。なお、後述するように、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物に含まれうる不飽和基含有オリゴマー等についても重合性化合物に含まれる。他方、重合性の官能基(不飽和基等)を有さないため硬化物の構成要素になるとはいえないもの、例えば、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物に含まれうる重合開始剤等については、重合性化合物には含まれない。
【0021】
また、非水性多官能(メタ)アクリレートの活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、22.5〜50質量%であることが特に好ましい。なお、本明細書において、「活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分」とは、組成物中において、後述する溶媒を除いた成分の総質量を意味する。したがって、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物が溶媒を含まない場合には、当該組成物の全質量は固形分と一致する。
【0022】
[非イオン性防曇剤]
非イオン性防曇剤は、硬化物に防曇性能を付与する機能等を有する。なお、本明細書において、「非イオン性」とは、水中においてイオンとはならないものを意味する。
【0023】
非イオン性防曇剤としては、特に制限されないが、ショ糖長鎖脂肪酸エステル、グリセリン長鎖脂肪酸エステル、ポリグリセリン長鎖脂肪酸エステル、ソルビタン長鎖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル等が挙げられる。なお、本明細書において「長鎖」とは、炭素原子数が6以上であることを意味し、好ましくは炭素原子数が7〜40であり、より好ましくは炭素原子数が8〜30であり、高い防曇性および高い透明性を得る観点から、さらに好ましくは炭素原子数が10〜20である。
【0024】
(ショ糖長鎖脂肪酸エステル)
ショ糖長鎖脂肪酸エステルは、ショ糖と、置換または非置換の飽和長鎖脂肪酸または不飽和長鎖脂肪酸(以下、これらをまとめて単に「長鎖脂肪酸」と称することがある)とのエステルである。
【0025】
ショ糖
ショ糖はスクロースとも呼ばれ、グルコースおよびフルクトースからなる二糖であり、8つのヒドロキシ基を有している。本形態に係るショ糖長鎖脂肪酸エステルは、前記ヒドロキシ基の1つ以上が前記長鎖脂肪酸とエステル結合を形成した構造を有している。2以上のヒドロキシ基が長鎖脂肪酸とエステル結合を形成する場合には、それぞれのヒドロキシ基に結合する長鎖脂肪酸は同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0026】
長鎖脂肪酸
長鎖脂肪酸は、特に限定されず、置換または非置換の飽和長鎖脂肪酸または不飽和長鎖脂肪酸である。具体的な長鎖脂肪酸としては、特に制限されないが、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和長鎖脂肪酸;エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の不飽和長鎖脂肪酸が挙げられる。
【0027】
長鎖脂肪酸は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル等の炭素原子数1〜10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、メチルシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロデシル基等の炭素原子数3〜10のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基等の炭素原子数2〜10のアルケニル基;プロパルギル基、ブチニル基等の炭素原子数2〜10のアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等の炭素原子数1〜10のアルキルオキシ基;アセチル基、エチルカルボニル基等の炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル基等の炭素原子数6〜10のアリール基;ベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基等が挙げられる。これらの置換基は単独で有していても、2種以上を組み合せて有していてもよい。
【0028】
上述のうち、長鎖脂肪酸は、良好な塗膜外観を得られる観点から、飽和長鎖脂肪酸であることが好ましく、炭素原子数8〜40の飽和長鎖脂肪酸であることがより好ましく、組成物の性状安定性の観点から、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸であることがさらに好ましい。
【0029】
ショ糖長鎖脂肪酸エステルは、合成したものを用いてもよいし、市販品を使用してもよい。ショ糖長鎖脂肪酸エステルを合成する場合には、公知の方法が適宜採用されうる。例えば、ショ糖長鎖脂肪酸エステルは、酸触媒下、ショ糖と長鎖脂肪酸とを脱水縮合反応させることにより合成することができる。また、ショ糖長鎖脂肪酸エステルの市販品としては、特に制限されないが、リケマール(登録商標)A、XO−100、L−250A、L−71−D、O−71−DE、OL−100E、ポエム(登録商標)J−0021、DO−100V、O−80V、DS−100A(理研ビタミン株式会社製)、リョートー(登録商標)シュガーエステルS−070、S−170、S−270、S−370、S470、S−570、S−970、S−1170、S−1570、S−1670、P−1570、P−1670、M−1695、O−170、O−1570、L−195、L−595、L−1695、LWA−1570、B−370、ER−190、ER−290、POS−135(三菱化学フーズ株式会社製)、DKエステルSS、F−160、F−140、F−110、F−90、F−70、F−50、F−20W、F−10、F−A10E(第一工業製薬株式会社製)、コスメライクSA−10、S−190、S−160、S−110、S−70、S−50、S−10、R−20、R−10、B−30、O−150、O−10、P−160P−10、M−160、L−160、L−160、L−160A、L−150A、L−50、L−10(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
【0030】
(グリセリン長鎖脂肪酸エステル)
グリセリン長鎖脂肪酸エステルは、グリセリンと、上述の長鎖脂肪酸とのエステルである。
【0031】
グリセリン
グリセリンは、C
3H
8O
3の化学式で表されるトリオールである。本形態に係るグリセリン長鎖脂肪酸エステルは、グリセリンが有する3つのヒドロキシ基のうちの1つ以上が前記長鎖脂肪酸とエステル結合を形成した構造を有している。2以上のヒドロキシ基が長鎖脂肪酸とエステル結合を形成する場合には、それぞれのヒドロキシ基に結合する長鎖脂肪酸は同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0032】
長鎖脂肪酸
長鎖脂肪酸については、上述と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0033】
グリセリン長鎖脂肪酸エステルは、合成したものを用いてもよいし、市販品を使用してもよい。グリセリン長鎖脂肪酸エステルを合成する場合には、公知の方法が適宜採用されうる。また、グリセリン長鎖脂肪酸エステルの市販品としては、特に制限されないが、リケマール(登録商標)S−100、S−100P、S−100A、H−100、B−100、HC−100、XO−100、S−200(理研ビタミン株式会社製)等が挙げられる。
【0034】
(ポリグリセリン長鎖脂肪酸エステル)
ポリグリセリン長鎖脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと、上述の長鎖脂肪酸とのエステルである。
【0035】
ポリグリセリン
ポリグリセリンは、2以上のグリセリンが重合したものである。ポリグリセリンは、グリセリンの重合度により有するヒドロキシ基の数が異なる。例えば、ジグリセリンの場合にはヒドロキシ基を4つ有し、トリグリセリンの場合にはヒドロキシ基を5つ有し、ヘキサグリセリンの場合には8つ有する。なお、ポリグリセリンの重合度は、2〜6であることが好ましく、耐水性の観点から2〜3であることがより好ましい。
【0036】
本形態に係るポリグリセリン長鎖脂肪酸エステルは、ポリグリセリンが有するヒドロキシ基の1つ以上が前記長鎖脂肪酸とエステル結合を形成した構造を有している。2以上のヒドロキシ基が長鎖脂肪酸とエステル結合を形成する場合には、それぞれのヒドロキシ基に結合する長鎖脂肪酸は同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0037】
長鎖脂肪酸
長鎖脂肪酸については、上述と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0038】
ポリグリセリン長鎖脂肪酸エステルは、合成したものを用いてもよいし、市販品を使用してもよい。ポリグリセリン長鎖脂肪酸エステルを合成する場合には、公知の方法が適宜採用されうる。また、ポリグリセリン長鎖脂肪酸エステルの市販品としては、特に制限されないが、リケマール(登録商標)L−71−D、S−71−D、O−71−D(理研ビタミン株式会社製)、ポエムJ−4081V、J−0021、J−0081HV、J−0381V、PR−100、PR−300(理研ビタミン株式会社製)、リョートー(登録商標)ポリグリエステルCE−19D、CA−F4、L−10D、L−7D、M−10D、M−7D、S−28D、S−24D、SWA−20D、SWA−15D、SWA−10D、SWA−10DB、O−50D、O−500P、O−15D、B−100D、B−100DF、B−70D(三菱化学フーズ株式会社製)等が挙げられる。
【0039】
(ソルビタン長鎖脂肪酸エステル)
ソルビタン長鎖脂肪酸エステルは、ソルビタンと、上述の長鎖脂肪酸とのエステルである。
【0040】
ソルビタン
ソルビタンとは、ソルビトール(グルシトール)の脱水反応により得られる化合物である。具体的な構造としては、1,4−アンヒドロソルビトール、1,5−アンヒドロソルビトール、2,5−アンヒドロソルビトール、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール等が挙げられる。ソルビタンは構造により有するヒドロキシ基の数が異なる。例えば、1,4−アンヒドロソルビトールはヒドロキシ基を4つ有し、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールはヒドロキシ基を2つ有する。本形態に係るソルビタン長鎖脂肪酸エステルは、ソルビタンが有するヒドロキシ基の1つ以上が前記長鎖脂肪酸とエステル結合を形成した構造を有している。2以上のヒドロキシ基が長鎖脂肪酸とエステル結合を形成する場合には、それぞれのヒドロキシ基に結合する長鎖脂肪酸は同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0041】
長鎖脂肪酸
長鎖脂肪酸については、上述と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0042】
ソルビタン長鎖脂肪酸エステルは、合成したものを用いてもよいし、市販品を使用してもよい。ソルビタン長鎖脂肪酸エステルを合成する場合には、公知の方法が適宜採用されうる。また、ソルビタン長鎖脂肪酸エステルの市販品としては、特に制限されないが、リケマール(登録商標)L−250A、P−300、S−300W、OV−250(理研ビタミン株式会社製)、レオドール(登録商標)SP−L10、SP−P10(花王株式会社製)等が挙げられる。
【0043】
(ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル)
ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテルは、通常、長鎖アルコールにエチレンオキシドを作用させ、ポリオキシエチレン鎖を伸張させて得られるエーテルである。
【0044】
長鎖アルコール
長鎖アルコールとしては、特に制限されないが、カプリルアルコール、2−エチルヘキサノール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、アラキジルアルコール等の飽和長鎖アルコール;パルミチルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、リシノレイルアルコール等の不飽和長鎖アルコール等が挙げられる。
【0045】
ポリオキシエチレン鎖
ポリオキシエチレン鎖は、特に制限されないが、上記長鎖アルコール1モルに対して、エチレンオキシドが、2〜30モル付加することが好ましく、4〜20モル付加することがより好ましく、8〜16モル付加することがさらに好ましい。
【0046】
ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテルは、合成したものを用いてもよいし、市販品を使用してもよい。ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテルを合成する場合には、公知の方法が適宜採用されうる。また、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテルの市販品としては、特に制限されないが、リケマール(登録商標)B−205、O−852(理研ビタミン株式会社製)等が挙げられる。
【0047】
上述の非イオン性防曇剤のうち、透明性が得られる観点からショ糖長鎖脂肪酸エステルを用いることが好ましく、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ウンデシル酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖トリデシル酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステルを用いることがより好ましく、ショ糖ウンデシル酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖トリデシル酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステルを用いることがさらに好ましい。
【0048】
なお、上述の非イオン性防曇剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】
非イオン性防曇剤のHLB(親水親油バランス;Hydrophile-Lipophile Balance)は、10〜20であることが好ましく、15〜20であることがより好ましい。非イオン性防曇剤のHLBが10以上であると、十分な防曇性を発揮できることから好ましい。一方、非イオン性防曇剤のHLBが20以下であると、十分な耐水性を維持できることから好ましい。なお、本明細書において「HLB」の値は、グリフィン法によって測定された値を採用するものとする。
【0050】
非イオン性防曇剤の含有量は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対して、3質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、7.5〜50質量%であることがさらに好ましい。非イオン性防曇剤の含有量が3質量%以上であると、高い防曇性が得られうることから好ましい。
【0051】
また、非イオン性防曇剤の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、7.5質量%以上であることがさらに好ましく、7.5〜50質量%であることが特に好ましい。
【0052】
[水性不飽和基含有混和促進剤]
水性不飽和基含有混和促進剤は、上述の非水性多官能(メタ)アクリレートと、非イオン性防曇剤との混和を促進する機能を有する。これにより、高硬度を有しつつ、高い透明性を有する硬化物が得られうる。なお、本明細書において、「水性」とは、水(100mL)に対する溶解度(25℃、25%RH)が5質量%以上のものを意味する。
【0053】
水性不飽和基含有混和促進剤は、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーを含む。その他、必要に応じて、非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマー等をさらに含んでいてもよい。
【0054】
(非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマー)
非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーは、水性かつ非イオン性であることから、界面活性作用を有する非イオン性防曇剤を非水性多官能(メタ)アクリレートと好適に混和することができ、また、得られる硬化物についても好適な混和性が維持されうる。なお、本明細書において、「モノ重合性不飽和基含有モノマー」とは、分子中に重合性不飽和を1つ有することを意味する。この際、前記「重合性不飽和」とは、活性エネルギー線により重合しうる不飽和基を意味し、ビニル基(ビニル基を構成する水素原子の少なくとも1つが置換基により置換されているものを含む)の他、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等を含む。
【0055】
非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーとしては、特に制限されないが、酢酸ビニル、アクリロニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のビニルモノマー;メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルモノマー;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドモノマー等が挙げられる。これらのうち、ビニルモノマーを用いることが好ましく、アクリロニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドを用いることがより好ましく、アクリロニトリル、N−ビニル−2−ピロリドンを用いることがさらに好ましい。
【0056】
なお、上述の非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーの含有量は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対して、5〜60質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることがより好ましい。非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーの含有量が5質量%以上であると、得られる硬化物が高い透明性を有しうることから好ましい。一方、非イオン性重合性不飽和基含有モノマーの含有量が60質量%以下であると、得られる硬化物が高い耐水性を有しうることから好ましい。
【0058】
また、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーの活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10〜60質量%であることがさらに好ましく、15〜45質量%であることが特に好ましい。
【0059】
(非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマー)
非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーは、水性かつ非イオン性であることから界面活性作用を有する非イオン性防曇剤を非水性多官能(メタ)アクリレートに好適に混和することができる。なお、一実施形態において、分子中に重合性不飽和基を2つ有するため、架橋度が高くなり、得られる硬化物の硬度および耐水性が向上しうる。なお、本明細書において、「ジ重合性不飽和基含有モノマー」とは、分子中に重合性不飽和基を2つ有することを意味する。
【0060】
非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーとしては、特に制限されないが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、耐水性の観点から、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジアクリレートを用いることがより好ましく、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレートを用いることがさらに好ましい。なお、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの括弧の数値は、ポリエチレングリコール部のおよその重量平均分子量を意味するものであり、通常、括弧の数値±10%の範囲となる。
【0061】
なお、上述の非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】
非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーの含有量は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーの含有量が5質量%以上であると、得られる硬化物が高硬度や高い耐水性を有しうることから好ましい。一方、非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーの含有量が50質量%以下であると、高い耐水性が得られうることから好ましい。
【0063】
また、非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーの活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、7.5〜50質量%であることがさらに好ましく、10〜40質量%であることが特に好ましい。
【0064】
水性不飽和基含有混和促進剤の含有量は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対して、15〜80質量%であることが好ましく、20〜75質量%であることがより好ましい。水性不飽和基含有混和促進剤の含有量が15質量%以上であると、非水性多官能(メタ)アクリレートと非イオン性防曇剤とが好適に混和し、得られる硬化物が高い透明性を有しうることから好ましい。一方、水性不飽和基含有混和促進剤の含有量が80質量%以下であると、相対的に非水性多官能(メタ)アクリレートおよび/または非イオン性防曇剤の含有量が高くなり、得られる硬化物が高い硬度および/または高い防曇性能を有しうることから好ましい。
【0065】
また、水性不飽和基含有混和促進剤の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、10質量%以上であることが好ましく、15〜80質量%であることがより好ましく、20〜75質量%であることがさらに好ましい。
【0066】
さらに、非イオン性防曇剤および水性不飽和基含有混和促進剤の総含有量は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対して、92.5質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、65質量%以下であることがさらに好ましく、40〜65質量%であることが特に好ましい。非イオン性防曇剤および水性不飽和基含有混和促進剤の総含有量が92.5質量%以下であると、得られる硬化物中における親水性の成分が減少することにより、高い耐水性が得られうることから好ましい。
【0067】
また、非イオン性防曇剤に対する水性不飽和基含有混和促進剤の質量比(水性不飽和基含有混和促進剤/非イオン性防曇剤)は、0.75以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.75以上であることがさらに好ましく、1.75〜3であることが特に好ましい。非イオン性防曇剤に対する水性不飽和基含有混和促進剤の質量比(水性不飽和基含有混和促進剤/非イオン性防曇剤)が0.75以上であると、水性不飽和基含有混和促進剤による非イオン性防曇剤の非水性多官能(メタ)アクリレートへの混和促進機能が好適に作用し、得られる硬化物の透明性が高くなり得ることから好ましい。
【0068】
一実施形態において、水性不飽和基含有混和促進剤は、少なくとも高水性不飽和基含有混和促進剤を含むことが好ましい。高水性不飽和基含有混和促進剤を含むことで、多官能性(メタ)アクリレートと、非イオン性防曇剤との混和が効果的に行うことが可能となりうる。
【0069】
また、別の一実施形態において、低水性不飽和基含有混和促進剤および高水性不飽和基含有混和促進剤を併用することが好ましい。低水性不飽和基含有混和促進剤および高水性不飽和基含有混和促進剤を併用することで、非水性多官能(メタ)アクリレートと非イオン性防曇剤との混和を促進しつつ、硬度、耐水性等をいっそう高くすることが可能となりうる。
【0070】
なお、本明細書において「低水性」とは、水性に該当する不飽和基含有混和促進剤のうち、水への溶解度が相対的に低いもの、すなわち、水(100mL)に対する溶解度(25℃、25%RH)が5〜50質量%のものを意味する。一方、「高水性」とは、水性に該当する不飽和基含有混和促進剤のうち、水への溶解度が相対的に高いもの、すなわち、水(100mL)に対する溶解度(25℃、25%RH)が50質量%超のものを意味する。
【0071】
低水性不飽和基含有混和促進剤としては、上述の水性不飽和基含有混和促進剤のうち、例えば、アクリロニトリル、メチルアクリレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート等が挙げられる。
【0072】
また、高水性不飽和基含有混和促進剤としては、上述の水性不飽和基含有混和促進剤のうち、例えば、酢酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
【0073】
低水性不飽和基含有混和促進剤に対する高水性不飽和基含有混和促進剤の質量比(高水性不飽和基含有混和促進剤/低水性不飽和基含有混和促進剤)は、0.25以上であることが好ましく、0.25〜2.0であることがより好ましい。前記質量比が0.25以上であると、得られる硬化物が高い耐水性および高い硬度を有しうることから好ましい。なお、前記質量比が2以下であると、得られる硬化物が高い透明性が有しうることからより好ましい。
【0074】
[他の不飽和基含有化合物]
一実施形態において、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、上述の非イオン性多官能(メタ)アクリレートおよび水性不飽和基含有混和促進剤以外の他の不飽和基含有化合物を含んでいてもよい。
【0075】
前記他の不飽和基含有化合物としては、特に制限されないが、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルメトキシ(メタ)アクリレート、2−エチルエトキシ(メタ)アクリレート、2−エチルブトキシ(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、(2ーメチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマル(メタ)アクリレート等の非水性非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル4級塩等の水性イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマー;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンのエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート3−メチル−1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の非水性非イオン性ポリ重合性不飽和基含有モノマー;種々エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル等の不飽和基含有オリゴマー等が挙げられる。
【0076】
これらの他の不飽和基含有化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0077】
他の不飽和基含有化合物の含有量は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対して、50質量%以下であることが好ましい。
【0078】
また、他の不飽和基含有化合物の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、50質量%以下であることが好ましく、0.1〜30質量%であることがより好ましい。
【0079】
[イオン性界面活性剤]
一実施形態において、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でイオン性界面活性剤を含んでいてもよい。なお、本明細書において、「イオン性」とは、水中において電離してイオンとなるものを意味する。
【0080】
前記イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
【0081】
前記陰イオン性界面活性剤、としては、特に制限されないが、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、ステアロイル乳酸カルシウム等のカルボン酸類;1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾビスアミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルトカルボキシベンゼンアゾジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等のスルホン酸類;ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム:SDS)、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル類;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル類;ラウリルリン酸等のリン酸類が挙げられる。
【0082】
前記陽イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、塩化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の第4級アンモニウム塩類;モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩類;塩化ブチルピリジニウム等のピリジニウム塩類が挙げられる。
【0083】
前記両性界面活性剤としては、特に制限されないが、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン類:コカミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン類;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルイミダゾール類;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸類;ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシド等のアミンオキシド類が挙げられる。
【0084】
上述のイオン性界面活性剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0085】
イオン性界面活性剤の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分に対する含有量は、5質量%以下であることがより好ましい。
【0086】
[溶媒]
一実施形態において、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒を含むことで、前記組成物の粘度を調整することができる。
【0087】
溶媒としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カルビトール、セロソルブ等のアルコールエーテル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;トルエン、キシレン、ジブチルヒドロキシトルエン等の芳香族溶媒等が挙げられる。
【0088】
上述の溶媒は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0089】
溶媒の含有量としては、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分100質量部に対して、0〜300質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。溶媒の含有量が300質量部以下であると、膜厚を制御しやすいことから好ましい。なお、溶媒の含有量が10質量部以上であると、スプレー塗装、フローコート等種々塗工方式が採用できることから好ましい。
【0090】
[重合開始剤]
一実施形態において、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は重合開始剤を含んでいてもよい。
【0091】
前記重合開始剤としては、特に制限されないが、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカネート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)等のアゾ化合物;2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアルキルフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド化合物等が挙げられる。
【0092】
上述の重合開始剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0093】
重合開始剤の含有量としては、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。重合開始剤の含有量が0.1質量部以上であると、硬化反応が好適に進行し、高い硬度を有する硬化物が得られうることから好ましい。一方、重合開始剤の含有量が10質量部以下であると、黄変等が生じにくく、高い透明性を有する硬化物が得られうることから好ましい。
【0094】
(他の添加物)
一実施形態において、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は重合開始剤を、必要に応じて他の添加物を含んでいてもよい。
【0095】
当該他の添加物としては、例えば、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、熱安定剤等が挙げられる。これらの他の添加物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0096】
<活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の製造方法>
活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適用することができる。
【0097】
例えば、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は、非水性多官能(メタ)アクリレートおよび水性不飽和基含有混和促進剤を混合した後、非イオン性防曇剤を混合して製造してもよいし、非イオン性防曇剤および水性不飽和基含有混和促進剤を混合した後、非水性多官能(メタ)アクリレートを混合して製造してもよい。また、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物が、水性不飽和基含有混和促進剤として、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーとともに非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーを含む場合には、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーおよび非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーを予め混合し、これを非水性多官能(メタ)アクリレートと混合し、次いで非イオン性防曇剤とさらに混合してもよいし、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーおよび非水性多官能(メタ)アクリレートと、非イオン性ジ重合性不飽和基含有モノマーおよび非イオン性防曇剤と、をそれぞれ混合し、得られた2つの混合物を混合してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物が、他の不飽和基含有化合物、イオン性界面活性剤、溶媒、重合開始剤、他の添加物等を含む場合には、これらを適宜混合することができる。
【0098】
混合条件についても特に制限されず、乾式であっても湿式であってもよい。また、混合温度、混合圧力等についても特に制限されず適宜決定されうる。
【0099】
<硬化物>
本発明の一形態によれば、硬化物が提供される。前記硬化物は、上述の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を硬化されてなる。
【0100】
硬化物は、防曇性能を有し、高硬度かつ高い透明性を有する。また、一実施形態において、硬化物は高い耐水性を有する。かような高い性能を有する硬化物は、自動車用ヘッドランプ、バーチャルリアリティ(VR)のディスプレイ等の用途に好適に使用されうる。また、眼鏡、ゴーグル、種々ミラー、種々窓等の用途にも好適に使用することができる。
【0101】
硬化物の膜厚は、適用される用途によっても異なるが、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
【0102】
なお、硬化物は、通常、活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を塗布し、得られた塗膜に活性エネルギー線を照射することで得ることができる。
【0103】
この際、塗布方法としては、特に制限されず、バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等の公知の手法が採用されうる。
【0104】
また、照射される活性エネルギー線についても特に制限されず、紫外線、電子線等が挙げられる。
【0105】
使用される光源についても特に制限されず、例えば、紫外線光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED等が挙げられる。また、電子線光源としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の電子線加速器が挙げられる。
【0106】
活性エネルギー線の積算光量は、特に制限されないが、50〜5000mJ/cm
2であることが好ましく、300〜1000mJ/cm
2であることがより好ましい。積算光量が上記範囲であると、未硬化部分の発生の防止または抑制ができることから好ましい。
【0107】
なお、活性エネルギー線の照射は、一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
【実施例】
【0108】
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は実施例の記載に制限されるものではない。なお、実施例において「部」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」を表す。
【0109】
<活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の製造>
[実施例1]
非水性多官能(メタ)アクリレートであるアロニックスM−404(ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(DPHA)、東亞合成株式会社製)40部と、非イオン性防曇剤であるリケマールA(ショ糖ラウリル酸エステル、理研ビタミン株式会社製)20部と、非イオン性モノ重合性不飽和基含有モノマーであるアクリロイルモルホリン(ACMO)(KJケミカルズ社製)40部と、光重合開始剤であるイルガキュア(登録商標)184D(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF株式会社製)3部と、を混合して活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0110】
[実施例2]
リケマールAに代えて、ポリグリセリンラウリン酸エステル(理研ビタミン株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0111】
[実施例3]
リケマールAに代えて、ソルビタンラウリン酸エステル(理研ビタミン株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0112】
[実施例4]
使用するアロニックスM−404を20部、リケマールAを30部、ACMOを50部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0113】
[実施例5]
使用するアロニックスM−404を20部、リケマールAを40部、ACMOを40部に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0114】
[実施例6]
アロニックスM−404を40部、リケマールAを10部、ACMOを30部に変更し、かつ、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(重量平均分子量:308、第一工業製薬株式会社製)20部をさらに混合したことを除いては、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0115】
[実施例7]
アロニックスM−404を40部、リケマールAを30部、ACMOを10部、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートを20部に変更したことを除いては、実施例6と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した
[実施例8]
アロニックスM−404を30部、リケマールAを20部、ACMOを20部、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートを30部に変更した、かつ、不飽和基含有オリゴマーであるユニディック(登録商標)17−806(紫外線硬化型ウレタンアクリレート、DIC株式会社製)10部をさらに混合したことを除いては、実施例6と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0116】
[実施例9]
アロニックスM−404を30部、リケマールAを20部、ACMOを20部、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートを30部に変更したことを除いては、実施例6と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した
[実施例10]
アロニックスM−404を25部、リケマールAを5部、ACMOを20部、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートを30部に変更した、かつ、不飽和基含有オリゴマーであるユニディック(登録商標)17−806(紫外線硬化型ウレタンアクリレート、DIC株式会社製)20部をさらに混合したことを除いては、実施例6と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0117】
[実施例11]
アロニックスM−404を10部、リケマールAを20部、ACMOを40部、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートを30部に変更したことを除いては、実施例6と同様の方法で活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した
[比較例1]
二官能(メタ)アクリレートであるトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)(東亞合成株式会社製)30部と、リケマールA20部と、ACMO20部と、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート30部と、イルガキュア(登録商標)184D 3部と、を混合して活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を製造した。
【0118】
実施例1〜11で製造した活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の構成を下記表1に示す。なお、表1中における「質量%」は、重合性化合物および非イオン性防曇剤の総質量に対する割合を示す。
【0119】
【表1】
【0120】
<活性エネルギー線硬化型防曇性組成物の評価>
実施例1〜11および比較例1で製造した活性エネルギー線硬化型防曇性組成物について、各種評価を行った。
【0121】
[試料の作製]
活性エネルギー線硬化型防曇性組成物を、ガラス板(厚さ:0.2cm、面積:7cm×15cm)に、膜厚が50μmとなるように塗布し、70℃で5分乾燥して塗膜を得た。得られた塗膜を、高圧水銀ランプにて1000mJ/cm
2の条件で紫外線照射をし、得られるガラス板と硬化物との積層体を試料とした。
【0122】
[硬度の評価]
作製した試料について、鉛筆硬度測定を行い、以下の基準に従って硬度の評価を行った。
【0123】
JIS K5600−5−4(1999)に準拠し、試料の硬化物表面の鉛筆硬度を750g荷重条件下で測定した。1つの硬度につき5回測定を行い、傷が付かなかった測定が4回以上あった硬度を積層フィルムの表面硬度とした。
【0124】
5:3H以上
4:2H
3:H
2:F
1:HB以下
【0125】
得られた結果を下記表2に示す。
【0126】
[塗膜外観の評価]
作製した試料について、硬化物を剥離し、ヘーズコンピュータHZ−2(スガ試験機株式会社製)を用いて硬化物のヘーズ値を測定し、得られたヘーズ値について、以下の基準に従って塗膜外観の評価を行った。
【0127】
5:0.3未満
4:0.3以上1.0未満
3:1.0以上2.0未満
2:2.0以上5.0未満
1:5.0以上
【0128】
得られた結果を下記表2に示す。
【0129】
[耐水性の評価]
作製した試料について、25℃の蒸留水に浸漬して3時間静置した。浸漬後の試料について、上記塗膜外観の評価と同様の方法で硬化物のヘーズ値を測定し、得られたヘーズ値について、以下の基準に従って耐水性の評価を行った。
【0130】
5:0.5未満
4:0.5以上2.0未満
3:2.0以上4.0未満
2:4.0以上6.0未満
1:6.0以上
【0131】
得られた結果を下記表2に示す。
【0132】
[防曇性の評価]
作製した試料を、90℃の温水の入った容器の上部(容器中の温水表面から3cmの位置)に、試料の硬化物の全面が蒸気に接するようにして3秒間保持した。その後、25℃、相対湿度50%の状態で曇りが完全に消える時間を測定し、以下の基準に従って防曇性の評価を行った。
【0133】
5:全く曇りを生じず
4:1秒以内に曇り消失
3:3秒以内に曇り消失
2:10秒以内に曇り消失
1:10秒を超えても曇り消失せず
【0134】
得られた結果を下記表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
表2の結果から、実施例1〜11の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は、得られる硬化物の硬度および塗膜外観が優れており、得られる硬化物が高硬度かつ高い透明性を有することが分かる。
【0137】
他方、比較例1の活性エネルギー線硬化型防曇性組成物は、一定の透明性は有するものの、多官能(メタ)アクリレートではなく、二官能(メタ)アクリレートを使用しているため、硬度が低いことが分かる。