【文献】
Nokia Networks,Retuning Gaps for MTC[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155132,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ra,2015年 9月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のチャネルを受信する第1のサブフレームで用いる第1の狭帯域と、前記第1のサブフレームに連続し、第2のチャネルを受信する第2のサブフレームで用いる第2の狭帯域とが異なる場合、2シンボルをパンクチャしてRetuning timeとして設定する制御部と、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルを受信する受信部と、を具備し、
前記制御部は、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルがPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)である場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャし、
前記第1のチャネルが前記PUSCHであり、前記第2のチャネルがPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)である場合、前記第1のサブフレームの最後の2シンボルをパンクチャする、
基地局。
前記制御部は、前記第1のチャネルが前記PUCCHであり、前記第2のチャネルが前記PUSCHである場合、前記第2のサブフレームの最初の2シンボルをパンクチャする、
請求項1に記載の基地局。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてACK/NACK信号を受信する場合、前記第1のサブフレームにおいて、前半スロットでは同じ系列長4の系列、後半スロットでは系列長3の系列が用いられ、前記第2のサブフレームにおいて、前半スロットでは系列長3の系列、後半スロットでは系列長4の系列が用いられる、
請求項1に記載の基地局。
前記制御部は、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてCSI(Channel State information)信号を受信する場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャする、
請求項1に記載の基地局。
前記制御部は、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてPUCCH Format 2が用いられる場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャする、
請求項1に記載の基地局。
第1のチャネルを受信する第1のサブフレームで用いる第1の狭帯域と、前記第1のサブフレームに連続し、第2のチャネルを受信する第2のサブフレームで用いる第2の狭帯域とが異なる場合、2シンボルをパンクチャしてRetuning timeとして設定し、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルを受信し、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルがPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)である場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャし、
前記第1のチャネルが前記PUSCHであり、前記第2のチャネルがPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)である場合、前記第1のサブフレームの最後の2シンボルをパンクチャする、
受信方法。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてACK/NACK信号を受信する場合、前記第1のサブフレームにおいて、前半スロットでは同じ系列長4の系列、後半スロットでは系列長3の系列を用い、前記第2のサブフレームにおいて、前半スロットでは系列長3の系列、後半スロットでは系列長4の系列を用いる、
請求項8に記載の受信方法。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてCSI(Channel State information)信号を受信する場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャする、
請求項8に記載の受信方法。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてPUCCH Format 2が用いられる場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャする、
請求項8に記載の受信方法。
第1のチャネルを受信する第1のサブフレームで用いる第1の狭帯域と、前記第1のサブフレームに連続し、第2のチャネルを受信する第2のサブフレームで用いる第2の狭帯域とが異なる場合、2シンボルをパンクチャしてRetuning timeとして設定する処理と、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルを受信する処理と、を制御し、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルがPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)である場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャし、
前記第1のチャネルが前記PUSCHであり、前記第2のチャネルがPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)である場合、前記第1のサブフレームの最後の2シンボルをパンクチャする、
集積回路。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてACK/NACK信号を受信する場合、前記第1のサブフレームにおいて、前半スロットでは同じ系列長4の系列、後半スロットでは系列長3の系列を用い、前記第2のサブフレームにおいて、前半スロットでは系列長3の系列、後半スロットでは系列長4の系列を用いる、
請求項15に記載の集積回路。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてCSI(Channel State information)信号を受信する場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャする、
請求項15に記載の集積回路。
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記PUCCHであり、前記PUCCHにおいてPUCCH Format 2が用いられる場合、前記第1のサブフレームの最後の1シンボルと、前記第2のサブフレームの最初の1シンボルをパンクチャする、
請求項15に記載の集積回路。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、例えば、LTE-Advancedシステムに対応する基地局100及び端末200を備える。また、端末200は、MTC端末である。
【0036】
図8は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図8に示す端末200において、拡散部215は、複数の直交符号系列(OCC系列)のうちの何れか1つを用いて、下りデータに対するACK/NACK信号を拡散する。レピティション部216は、拡散されたACK/NACK信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションする。信号割当部217は、レピティションされたACK/NACK信号をMTC端末向けの狭帯域にマッピングする。制御部209は、複数のサブフレームのうち、第1サブフレームにおいて用いられる狭帯域と、第1サブフレームに連続する第2サブフレームにおいて用いられる狭帯域とが異なる場合(つまり、Retuningする場合)、第1サブフレームの後尾の2シンボル又は第2サブフレームの先頭の2シンボルをパンクチャする。送信部220は、狭帯域でACK/NACK信号を送信する。なお、複数の直交符号系列の各々は、サブフレームの先頭の2シンボルに対応する符号からなる第1部分系列と、後尾の2シンボルに対応する符号からなる第2部分系列とで構成され、第1部分系列及び第2部分系列は、複数の直交符号系列間でそれぞれ部分直交する。
【0037】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図9は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図9において、基地局100は、制御部101と、制御信号生成部102と、制御信号符号化部103と、制御信号変調部104と、データ符号化部105と、再送制御部106と、データ変調部107と、信号割当部108と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部109と、CP(Cyclic Prefix)付加部110と、送信部111と、アンテナ112と、受信部113と、CP除去部114と、FFT(Fast Fourier Transform)部115と、抽出部116と、デマッピング部117と、チャネル推定部118と、等化部119と、復調部120と、復号部121と、判定部122と、逆拡散部123と、相関処理部124と、判定部125と、を有する。
【0038】
制御部101は、端末200に対してPDSCH及びPUSCHの割当を決定する。このとき、制御部101は、端末200に対して指示する周波数割当リソース及び変調・符号化方法などを決定し、決定したパラメータに関する情報を制御信号生成部102に出力する。
【0039】
また、制御部101は、制御信号に対する符号化率を決定し、決定した符号化率を制御信号符号化部103に出力する。また、制御部101は、制御信号及び下りリンクデータをマッピングする無線リソース(下りリソース)を決定し、決定した無線リソースに関する情報を信号割当部108に出力する。また、制御部101は、リソース割当対象端末200に対して、下りリンクデータ(送信データ)を送信する際に用いる符号化率を決定し、決定した符号化率をデータ符号化部105へ出力する。
【0040】
また、制御部101は、端末200(MTC端末)のカバレッジ拡張レベルを決定し、決定したカバレッジ拡張レベルに関する情報、又は、決定したカバレッジ拡張レベルでのPUSCH送信又はPUCCH送信に必要なレピティション回数を、制御信号生成部102及び抽出部116に出力する。また、制御部101は、PUSCHレピティション送信又はPUCCHレピティション送信における周波数ホッピング方法(周波数ホッピングのOn/Off、周波数ホッピング周期など)を決定し、決定した周波数ホッピング方法に関する情報を制御信号生成部102へ出力する。
【0041】
また、制御部101は、端末200がPUCCHを送信するリソース(巡回シフト、直交符号系列、周波数)を決定する。制御部101は、PUCCH送信に用いられている可能性がある巡回シフト量(ZAC系列)及び直交符号系列を、逆拡散部123及び相関処理部124へそれぞれ出力し、PUCCH送信に使用される周波数リソースに関する情報を抽出部116へ出力する。なお、これらのPUCCHリソースに関する情報は、端末200に対して、Implicitに通知されてもよく、端末200固有の上位レイヤのシグナリングによって端末200(後述する制御部209)へ通知されてもよい。
【0042】
制御信号生成部102は、端末200向けの制御信号を生成する。制御信号には、セル固有の上位レイヤの信号、端末固有の上位レイヤの信号、PUSCHの割当を指示する上りリンクグラント、又は、PDSCHの割当を指示する下りリンク割当情報が含まれる。
【0043】
上りリンクグラントは、複数のビットから構成されており、周波数割当リソース、変調・符号化方式などを指示する情報を含む。また、上りリンクグラントには、カバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数に関する情報を含んでもよい。
【0044】
下りリンク割当情報は、複数のビットから構成されており、周波数割当リソース、変調・符号化方式などを指示する情報を含む。また、下りリンク割当情報には、カバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUCCH送信に必要なレピティション回数に関する情報も含まれてもよい。
【0045】
制御信号生成部102は、制御部101から入力される制御情報を用いて、制御情報ビット列を生成し、生成した制御情報ビット列(制御信号)を制御信号符号化部103へ出力する。なお、制御情報が複数の端末200向けに送信されることもあるため、制御信号生成部102は、各端末200向けの制御情報に、各端末200の端末IDを含めてビット列を生成する。例えば、制御情報には、宛先端末の端末IDによってマスキングされたCRC(Cyclic Redundancy Check)ビットが付加される。
【0046】
制御信号符号化部103は、制御部101から指示された符号化率に従って、制御信号生成部102から受け取る制御信号(制御情報ビット列)を符号化し、符号化後の制御信号を制御信号変調部104へ出力する。
【0047】
制御信号変調部104は、制御信号符号化部103から受け取る制御信号を変調し、変調後の制御信号(シンボル列)を信号割当部108へ出力する。
【0048】
データ符号化部105は、制御部101から受け取る符号化率に従って、送信データ(下りリンクデータ)に対してターボ符号などの誤り訂正符号化を施し、符号化後のデータ信号を再送制御部106へ出力する。
【0049】
再送制御部106は、初回送信時には、データ符号化部105から受け取る符号化後のデータ信号を保持するとともにデータ変調部107へ出力する。再送制御部106は、符号化後のデータ信号を宛先端末毎に保持する。また、再送制御部106は、送信したデータ信号に対するNACKを判定部125から受け取ると、対応する保持データをデータ変調部107へ出力する。再送制御部106は、送信したデータ信号に対するACKを判定部125から受け取ると、対応する保持データを削除する。
【0050】
データ変調部107は、再送制御部106から受け取るデータ信号を変調して、データ変調信号を信号割当部108へ出力する。
【0051】
信号割当部108は、制御信号変調部104から受け取る制御信号(シンボル列)及びデータ変調部107から受け取るデータ変調信号を、制御部101から指示される無線リソースにマッピングする。なお、制御信号がマッピングされる対象となる制御チャネルは、MTC用のPDCCH(下りリンク制御チャネル)でもよく、EPDCCH(Enhanced PDCCH)でもよい。信号割当部108は、制御信号がマッピングされたMTC用のPDCCH又はEPDCCHを含む下りリンクサブフレームの信号をIFFT部109に出力する。
【0052】
IFFT部109は、信号割当部108から受け取る信号に対してIFFT処理を行うことにより、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。IFFT部109は、時間領域信号をCP付加部110へ出力する。
【0053】
CP付加部110は、IFFT部109から受け取る信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号(OFDM信号)を送信部111へ出力する。
【0054】
送信部111は、CP付加部110から受け取るOFDM信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ112を介して端末200に無線信号を送信する。
【0055】
受信部113は、アンテナ112を介して受信された端末200からの上りリンク信号(PUSCH又はPUCCH)に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号をCP除去部114に出力する。端末200から送信される上りリンク信号(PUSCH又はPUCCH)には、複数のサブフレームに渡るレピティション処理された信号が含まれる。
【0056】
CP除去部114は、受信部113から受け取る受信信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部115へ出力する。
【0057】
FFT部115は、CP除去部114から受け取る信号に対してFFT処理を適用し、周波数領域の信号系列に分解して、PUSCH又はPUCCHのサブフレームに対応する信号を取り出す。FFT部115は、得られた信号を抽出部116へ出力する。
【0058】
抽出部116は、制御部101から入力されるPUSCH又はPUCCHリソースに関する情報に基づいてPUSCH又はPUCCHを抽出する。また、抽出部116は、制御部101から入力されるPUSCH又はPUCCHのレピティション送信に関する情報(レピティション情報)を用いて、レピティション送信された複数サブフレームに渡るPUSCH又はPUCCHを合成する。抽出部116は、合成後の信号をデマッピング部117へ出力する。
【0059】
デマッピング部117は、抽出部116から受け取る信号から、端末200に割り当てたPUSCH部分を抽出する。また、デマッピング部117は、抽出した端末200のPUSCHをDMRSとデータシンボルとに分解し、DMRSをチャネル推定部118に出力し、データシンボル(SC-FDMAデータシンボル)を等化部119に出力する。また、デマッピング部117は、抽出部116から受け取るPUCCHを、DMRSとACK/NACK信号とに分解し、DMRSをチャネル推定部118に出力し、ACK/NACK信号を等化部119に出力する。
【0060】
チャネル推定部118は、デマッピング部117から入力されるDMRSを用いてチャネル推定を行う。チャネル推定部118は、得られたチャネル推定値を等化部119に出力する。
【0061】
等化部119は、チャネル推定部118から入力されるチャネル推定値を用いて、デマッピング部117から入力されるSC-FDMAデータシンボル又はACK/NACK信号の等化を行う。等化部119は、等化後のSC-FDMAデータシンボルを復調部120へ出力し、等化後のACK/NACK信号を逆拡散部123へ出力する。
【0062】
復調部120は、等化部119から入力される周波数領域のSC-FDMAデータシンボルに対してIDFTを適用し、時間領域の信号(シンボル系列)へ変換した後、データ復調を行う。具体的には、復調部120は、端末200に指示した変調方式に基づいて、シンボル系列をビット系列へ変換し、得られたビット系列を復号部121へ出力する。
【0063】
復号部121は、復調部120から入力されるビット系列に対して誤り訂正復号を行い、復号後のビット系列を判定部122へ出力する。
【0064】
判定部122は、復号部121から入力されるビット系列に対して誤り検出を行う。誤り検出は、ビット系列に付加されたCRCビットを用いて行われる。判定部122は、CRCビットの判定結果が誤り無しであれば、受信データを取り出して、制御部101にACKを通知する(図示せず)。一方、判定部122は、CRCビットの判定結果が誤り有りであれば、制御部101にNACKを通知する(図示せず)。
【0065】
逆拡散部123は、制御部101から受け取る直交符号系列(端末200が用いるべき直交符号系列)を用いて、等化部119から受け取る信号のうちACK/NACK信号に相当する部分の信号を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部124に出力する。
【0066】
相関処理部124は、制御部101から入力されるZAC系列(端末200が用いる可能性のあるZAC系列。巡回シフト量)と、逆拡散部123から入力される信号との相関値を求めて、相関値を判定部125に出力する。
【0067】
判定部125は、相関処理部124から受け取る相関値に基づいて、端末200から送信されたACK/NACK信号が、送信されたデータに対してACK又はNACKのいずれかを示しているかを判定する。判定部125は、判定結果を再送制御部106に出力する。
【0068】
[端末の構成]
図10は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図9において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、CP除去部203と、FFT部204と、抽出部205と、データ復調部206と、データ復号部207と、CRC部208と、制御部209と、データ符号化部210と、CSI信号生成部211と、応答信号生成部212と、変調部213と、DFT部214と、拡散部215と、レピティション部216と、信号割当部217と、IFFT部218と、CP付加部219と、送信部220と、を有する。
【0069】
受信部202は、アンテナ201を介して受信された、基地局100からの無線信号(MTC用のPDCCH又EPDCCH)及びデータ信号(PDSCH)に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのOFDM信号を得る。受信部202は、OFDM信号をCP除去部203へ出力する。
【0070】
CP除去部203は、受信部202から受け取るOFDM信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部204へ出力する。
【0071】
FFT部204は、CP除去部203から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、時間領域信号を周波数領域信号に変換する。FFT部204は、周波数領域信号を抽出部205へ出力する。
【0072】
抽出部205は、FFT部204から受け取る周波数領域信号からMTC用のPDCCH又はEPDCCHを抽出し、MTC用PDCCH又はEPDCCHに対してブラインド復号を行い、自機宛ての制御信号の復号を試みる。端末200宛ての制御信号には、端末200の端末IDによってマスキングされたCRCが付加されている。したがって、抽出部205は、ブラインド復号した結果、CRC判定がOKであればその制御情報を抽出して制御部209へ出力する。また、抽出部205は、FFT部204から受け取る信号から、下りリンクデータ(PDSCH信号)を抽出してデータ復調部206へ出力する。
【0073】
データ復調部206は、抽出部205から受け取る下りリンクデータを復調し、復調後の下りリンクデータをデータ復号部207へ出力する。
【0074】
データ復号部207は、データ復調部206から受け取る下りリンクデータを復号し、復号後の下りリンクデータをCRC部208へ出力する。
【0075】
CRC部208は、データ復号部207から受け取る下りリンクデータに対して、CRCを用いて誤り検出を行い、誤り検出結果を応答信号生成部212へ出力する。また、CRC部208は、誤り検出の結果、誤りなしと判定した下りリンクデータを受信データとして出力する。
【0076】
制御部209は、抽出部205から入力される制御信号に基づいて、PUSCH送信の制御を行う。具体的には、制御部209は、制御信号に含まれるPUSCHのリソース割当情報に基づいて、PUSCH送信時のリソース割当を信号割当部217に指示する。また、制御部209は、制御信号に含まれる符号化方式及び変調方式の情報に基づいて、PUSCH送信時の符号化方式及び変調方式をデータ符号化部210及び変調部213にそれぞれ指示する。また、制御部209は、制御信号に含まれるカバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数に基づいて、PUSCHレピティション送信時のレピティション回数を決定し、決定したレピティション回数を示す情報を、レピティション部216に指示する。また、制御部209は、制御信号に含まれる周波数ホッピング方法に関する情報に基づいて、PUSCHレピティションの周波数ホッピングをレピティション部216に指示する。
【0077】
また、制御部209は、抽出部205から入力される制御信号に基づいて、PUCCH送信の制御を行う。具体的には、制御部209は、制御信号に含まれるPUCCHリソースに関する情報に基づいて、PUCCHリソース(周波数、巡回シフト量及び直交符号系列)を特定し、特定した情報を拡散部215及び信号割当部217に指示する。また、制御部209は、カバレッジ拡張レベルに関する情報又はPUCCH送信に必要なレピティション回数に関する情報に基づいて、PUCCHレピティション送信時のレピティション回数を決定し、決定したレピティション回数を示す情報を、レピティション部216に指示する。また、制御部209は、制御信号に含まれる周波数ホッピング方法に関する情報に基づいて、PUCCHレピティションの周波数ホッピングをレピティション部216に指示する。また、制御部209は、PUCCHレピティションにおける各サブフレームの送信フォーマットを拡散部215に指示する。
【0078】
データ符号化部210は、入力された送信データに対して端末200の端末IDでマスキングされたCRCビットを付加し、誤り訂正符号化を行い、符号化後のビット系列を変調部213へ出力する。
【0079】
CSI信号生成部211は、端末200のCSI測定結果に基づいて、CSIフィードバック情報を生成し、CSIフィードバック情報を変調部213へ出力する。
【0080】
応答信号生成部212は、CRC部208から受け取る誤り検出結果に基づいて、受信した下りリンクデータ(PDSCH信号)に対する応答信号(ACK/NACK信号)を生成する。具体的には、応答信号生成部212は、誤りが検出された場合にはNACKを生成し、誤りが検出されない場合にはACKを生成する。応答信号生成部212は、生成したACK/NACK信号を変調部213へ出力する。
【0081】
変調部213は、データ符号化部210から受け取るビット系列を変調して、変調後の信号(シンボル系列)をDFT部214に出力する。また、変調部213は、CSI信号生成部211から受け取るCSIフィードバック情報、及び、応答信号生成部212から受け取るACK/NACK信号を変調して、変調後の信号(シンボル系列)を拡散部215へ出力する。
【0082】
DFT部214は、変調部213から入力される信号に対してDFTを適用して、周波数領域信号を生成し、レピティション部216へ出力する。
【0083】
拡散部215は、制御部209によって設定された巡回シフト量で定義されるZAC系列、及び、直交符号系列を用いて、参照信号、及び、変調部213から受け取るCSIフィードバック情報及びACK/NACK信号を拡散し、拡散後の信号をレピティション部216へ出力する。この際、拡散部215は、制御部209によって設定されたPUCCHレピティションにおける各サブフレームの送信フォーマットを用いてACK/NACK信号を拡散する。
【0084】
レピティション部216は、自端末がMTCカバレッジ拡張モードの場合、制御部209から指示されたレピティション回数に基づいて、DFT部214又は拡散部215から入力される信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、レピティション信号を生成する。レピティション部216は、レピティション信号を信号割当部217へ出力する。
【0085】
信号割当部217は、レピティション部216から受け取る信号を、制御部209から指示されるPUSCH又はPUCCHの時間・周波数リソースにマッピングする。信号割当部217は、信号がマッピングされたPUSCH又はPUCCHの信号をIFFT部218に出力する。
【0086】
IFFT部218は、信号割当部217から入力される周波数領域のPUSCH信号又はPUCCH信号に対してIFFT処理を行うことにより時間領域信号を生成する。IFFT部218は、生成した信号をCP付加部219へ出力する。
【0087】
CP付加部219は、IFFT部218から受け取る時間領域信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号を送信部220へ出力する。
【0088】
送信部220は、CP付加部219から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
【0089】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
【0090】
本実施の形態では、上述したRetuning timeを確保する方法1〜4のうち、方法1(
図4)又は方法2(
図5)を用いる。つまり、端末200(制御部209)は、周波数ホッピングによって使用する狭帯域を切り替える場合、Retuning直前の1サブフレームの後尾2SC-FDMAデータシンボルを捨ててRetuning timeとする場合、又は、Retuning直後の1サブフレームの先頭2SC-FDMAデータシンボルを捨ててRetuning timeとする場合がある。
【0091】
基地局100は、PUSCH又はPUCCHの送受信よりも前に、PUSCHのレピティション回数(N
PUSCH)又はPUCCHのレピティション回数(N
PUCCH)を端末200に予め通知する。レピティション回数N
PUSCH、N
PUCCHは、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、MTC用のPDCCHを用いて通知されてもよい。
【0092】
また、基地局100は、PUSCH又はPUCCHの送受信よりも前に、周波数ホッピングの方法(周波数ホッピングのOn/Off、周波数ホッピング周期Y)を端末200に予め通知する。周波数ホッピング周期Yは、セル固有のパラメータとして基地局100が端末200に対してセル固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、端末固有のパラメータとして基地局100が端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよい。また、周波数ホッピング周期Yは、規格上、予め決定された(predefined)パラメータであってもよい。
【0093】
端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数(N
PUSCH又はN
PUCCH)分だけ、PUSCH又はPUCCHをレピティション送信する。
【0094】
また、端末200は、周波数ホッピングがOnの場合、レピティション回数(N
PUSCH又はN
PUCCH)がYよりも大きい場合には、同一リソースを用いてYサブフレーム連続でレピティション信号を送信した後、端末200がレピティション信号の送信に使用する1.4MHzの周波数帯域を変更し(周波数ホッピングし)、再び、同一リソースを用いてYサブフレーム連続でレピティション信号を送信する。なお、端末200は、周波数ホッピングする際には方法1(
図4)又は方法2(
図5)に従ってRetuning直前又はRetuning直後の2SC-FDMAデータシンボル分のRetuning timeを確保する。
【0095】
<PUSCHレピティションの場合>
PUSCHレピティションの際、端末200は、Retuningサブフレーム(方法1ではRetuning直前の1サブフレーム、方法2ではRetuning直後の1サブフレーム)において、DMRSを除く12SC-FDMAデータシンボル(例えば、
図1を参照)にデータをマッピングした後、Retunin timeのための2SC-FDMAデータシンボル(方法1では後尾の2シンボル、方法2では先頭の2シンボル)をパンクチャする。
【0096】
または、端末200は、Retuningサブフレームにおいて、DMRS及びRetuning timeのための2SC-FDMAデータシンボルを除く10SC-FDMAデータシンボルにデータをマッピングする(Rate matching)。
【0097】
<PUCCHレピティションの場合>
PUCCHレピティションの際、端末200は、Retuningサブフレームにおいて、通常のPUCCHフォーマット(Normal PUCCH format)を用いて、ACK/NACK信号及び参照信号をマッピングした後、Retuning timeのための2SC-FDMAシンボルをパンクチャする。
【0098】
図11は、方法1及びY=4の場合のPUCCHレピティションにおける周波数ホッピングの様子を示す。
図11に示すように、端末200は、Y=4サブフレーム連続でレピティション信号を送信すると、周波数ホッピングにより周波数帯域を変更し、再び4サブフレーム連続でレピティション信号を送信する。方法1では、端末200は、Retuning直前の1サブフレームにおいて、Retuning直前(つまり、後尾)の2SC-FDMAシンボルをパンクチャする。
【0099】
また、本実施の形態では、端末200は、ACK/NACK信号の拡散に用いられる直交符号系列の候補を2つに制限する。
【0100】
例えば、端末200は、直交符号系列の候補として、(W(0), W(1), W(2),W(3))=(1, 1, 1, 1)及び(1, -1, 1, -1)の2つの候補、又は、(W(0), W(1), W(2),W(3))=(1, 1, 1, 1)及び(1, -1, -1, 1)の2の候補の中から、ACK/NACK信号の拡散に使用する直交符号系列を設定する。
【0101】
ここで、直交符号系列(1, 1, 1, 1)の前半2つの符号からなる部分系列(1, 1)は、直交符号系列(1, -1, 1, -1)の前半2つの符号からなる部分系列(1, -1)、及び、直交符号系列(1, -1, -1, 1)の前半2つの符号からなる部分系列(1, -1)とそれぞれ直交する。また、直交符号系列(1, 1, 1, 1)の後半2つの符号からなる部分系列(1, 1)は、直交符号系列(1, -1, 1, -1)の後半2つの符号からなる部分系列(1, -1)、及び、直交符号系列(1, -1, -1, 1)の後半2つの符号からなる部分系列(-1, 1)とそれぞれ直交する。
【0102】
すなわち、直交符号系列(1, 1, 1, 1)は、直交符号系列(1, -1, 1, -1)及び直交符号系列(1, -1, -1, 1)と部分直交する。互いに部分直交している直交符号系列間では、系列長に相当する4シンボルのうち、前半2シンボルの系列(前半2つの符号からなる系列)が互いに直交するとともに、後半2シンボルの系列(後半2つの符号からなる系列)も互いに直交する。
【0103】
つまり、端末200(拡散部215)は、サブフレームの先頭の2シンボルに対応する符号からなる部分系列(前半2シンボルの系列)、及び、後尾の2シンボルに対応する符号からなる部分系列(後半2シンボルの系列)がそれぞれ部分直交する複数の直交符号系列の何れかを用いてACK/NACK信号を拡散する。
【0104】
これにより、基地局100は、前半2シンボルと後半2シンボルとに分けて、直交符号系列によって符号多重された複数のACK/NACK信号を分離することができる。よって、Retuningサブフレームにおいて、後尾2SC-FDMAシンボル(方法1)又は先頭2SC-FDMAシンボル(方法2)がパンクチャされて信号が送信されたとしても、互いに部分直交している直交符号系列間では直交性の崩れが生じない。つまり、系列長に相当する4シンボルのうち、前半2シンボルの系列及び後半2シンボルの系列のうち何れか一方の系列がパンクチャされたとしても、他方の系列では、直交性の崩れが生じない。
【0105】
ここで、例えば、既存LTE端末において使用される直交符号系列(OCC系列)は、PUCCHリソース番号から次式を用いて導出される。
【数1】
【数2】
【数3】
【0106】
式(1)〜式(3)において、n
OCはOCC系列番号を示し、n
OC=0は(1, 1, 1, 1)を表し、n
OC=1は(1, -1, 1, -1)を表し、n
OC=2は(1, -1, -1, 1)を表す。また、Δ
shiftPUCCHは、隣接する巡回シフト量の差を示し、N
CS(1)は、PUCCH format 1/1a/1bに用いる巡回シフト量を示し、N
SCRBは、1RBあたりのサブキャリア数を示し、n
PUCCH(1)はPUCCHリソース番号を示す。
【0107】
また、上式において、c=3は、直交符号系列により多重できる端末数、つまり、ACK/NACK信号を拡散する直交符号系列の候補数を表す。したがって、本実施の形態では、周波数ホッピングを適用する端末200(MTC端末)は、上式において、c=2として、PUCCHリソース番号からOCC系列を導出することで、ACK/NACK信号を拡散する直交符号系列の候補を2つに制限することができる。
【0108】
以上のように、本実施の形態では、上りリンクのレピティション送信時に周波数ホッピングが適用される場合、端末200は、Retuningサブフレームにおいて、後尾又は先頭の2SC-FDMAシンボルをパンクチャして信号を送信する。この際、端末200は、PUCCHにおいてACK/NACK信号を拡散する直交符号系列を、部分直交する2つの直交符号系列に制限する。こうすることで、パンクチャによる直交性の崩れを生じさせることなく、端末200がレピティション信号の送信に使用する1.4MHzの周波数帯域を変更するためのRetuning timeを確保できる。よって、本実施の形態によれば、上りリンク信号(PUSCH又はPUCCH)の伝送特性の劣化を抑えつつ、Retuning timeを確保することができる。
【0109】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図9及び
図10を援用して説明する。
【0110】
本実施の形態では、上述したRetuning timeを確保する方法1〜4のうち、方法3(
図6)を用いる。つまり、端末200(制御部209)は、周波数ホッピングによって使用する狭帯域を切り替える場合、Retuning直前の1サブフレームの後尾1SC-FDMAデータシンボルと、Retuning直後の1サブフレームの先頭1SC-FDMAデータシンボルとを捨てて(パンクチャして)Retuning timeとする。
【0111】
基地局100は、PUSCH又はPUCCHの送受信よりも前に、PUSCHのレピティション回数(N
PUSCH)又はPUCCHのレピティション回数(N
PUCCH)を端末200に予め通知する。レピティション回数N
PUSCH、N
PUCCHは、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、MTC用のPDCCHを用いて通知されてもよい。
【0112】
また、基地局100は、PUSCH又はPUCCHの送受信よりも前に、周波数ホッピングの方法(周波数ホッピングのOn/Off、周波数ホッピング周期Y)を端末200に予め通知する。周波数ホッピング周期Yは、セル固有のパラメータとして基地局100が端末200に対してセル固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、端末固有のパラメータとして基地局100が端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよい。また、周波数ホッピング周期Yは、規格上、予め決定された(predefined)パラメータであってもよい。
【0113】
端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数(N
PUSCH又はN
PUCCH)分だけ、PUSCH又はPUCCHをレピティション送信する。
【0114】
また、端末200は、周波数ホッピングがOnの場合、レピティション回数(N
PUSCH又はN
PUCCH)がYよりも大きい場合には、同一リソースを用いてYサブフレーム連続でレピティション信号を送信した後、端末200がレピティション信号の送信に使用する1.4MHzの周波数帯域を変更し(周波数ホッピングし)、再び、同一リソースを用いてYサブフレーム連続でレピティション信号を送信する。なお、端末200は、周波数ホッピングする際には方法3(
図6)に従ってRetuning直前の1サブフレーム及びはRetuning直後の1サブフレームにおいて2SC-FDMAデータシンボル分のRetuning timeを確保する。
【0115】
<PUSCHレピティションの場合>
PUSCHレピティションの際、端末200は、Retuningサブフレーム(Retuning直前の1サブフレーム及びRetuning直後の1サブフレーム)において、DMRSを除く12SC-FDMAデータシンボル(例えば、
図1を参照)にデータをマッピングした後、Retunin timeのための2SC-FDMAデータシンボル(各Retuningサブフレームにおいて1SC-FDMAデータシンボルずつ)をパンクチャする。
【0116】
または、端末200は、各Retuningサブフレームにおいて、DMRS及びRetuning timeのための1SC-FDMAデータシンボルを除く11SC-FDMAデータシンボルにデータをマッピングする(Rate matching)。
【0117】
<PUCCHレピティションの場合>
PUCCHレピティションの際、端末200は、前半のRetuningサブフレーム(Retuning直前の1サブフレーム)において、Rel.12で規定されているShortened PUCCH formatを用いて、ACK/NACK信号を拡散し、マッピングした後、Retuning timeのための後尾1SC-FDMAシンボルをパンクチャする。
【0118】
一方、端末200は、後半のRetuningサブフレーム(Retuning直後の1サブフレーム)において、Rel.12で規定されているShortened PUCCH formatを用いて、ACK/NACK信号を拡散した後、Retuning timeのための先頭1SC-FDMAシンボル及びDMRSを除いた7SC-FDMAシンボルに拡散後のACK/NACK信号をマッピングする。
【0119】
つまり、端末200(拡散部215)は、前半及び後半のRetuningサブフレームにマッピングされるACK/NACK信号をShortened PUCCH formatを用いて拡散する。そして、端末200(送信部220)は、前半のRetuningサブフレームにおいてShortened PUCCH formatに従ってマッピングされたACK/NACK信号を送信し、後半のRetuningサブフレームにおいて、ACK/NACK信号を、先頭の1シンボル以外のシンボルで送信する。
【0120】
図12は、方法3及びY=4の場合のPUCCHレピティションにおける周波数ホッピングの様子を示す。
図12に示すように、端末200は、Y=4サブフレーム連続でレピティション信号を送信すると、周波数ホッピングにより周波数帯域を変更し、再び4サブフレーム連続でレピティション信号を送信する。この際、端末200は、Retuning直前の1サブフレームの後尾の1SC-FDMAシンボルとRetuning直後の1サブフレームの先頭の1SC-FDMAデータシンボルとをパンクチャする。
【0121】
また、
図12に示すように、前半のRetuningサブフレームでは、ACK/NACK信号はShortened PUCCH formatを用いて拡散され、マッピングされる。なお、Shortened PUCCH formatでは、サブフレームの前半スロットにおいて、Normal PUCCH formatと同じ系列長4のWalsh系列でACK/NACK信号が拡散され、サブフレームの後半スロットにおいて、系列長3のDFT系列を用いてACK/NACK信号が拡散される。よって、1サブフレーム(14シンボル)内では、拡散後のACK/NACK信号(7シンボル)及びDMRS(6シンボル)の合計のシンボル数は13シンボルとなる。すなわち、Shortened PUCCH formatを用いることで、1サブフレームの後尾1シンボルが使用されず、Retuning timeのための1シンボルとして確保することができる。
【0122】
一方、
図12に示すように、後半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatと同様にして系列長4のWalsh系列及び系列長3のDFT系列を用いてACK/NACK信号が拡散される。端末200は、Retuning timeのための先頭1SC-FDMAシンボル及びDMRS(6シンボル)を除く7SC-FDMAシンボルに拡散後のACK/NACK信号をマッピングする。この際、端末200は、後半のRetuningサブフレームにおける拡散後のACK/NACK信号のマッピングを端末間で同一にする。こうすることで、基地局100は、後半のRetuningサブフレームにおいて、直交符号系列(Walsh系列及びDFT系列)によって符号多重された複数の応答信号を分離することができる。
【0123】
次に、後半のRetuningサブフレームにおける拡散後のACK/NACK信号のマッピング方法について説明する。
【0124】
図13は、ACK/NACK信号のマッピング例1〜3を示す。
【0125】
マッピング例1では、端末200は、Shortened PUCCH formatを用いて拡散した後のACK/NACK信号の順序を入れ替えて(反転させて)、先頭1SC-FDMAシンボル及びDMRSを除いた7SC-FDMAシンボルにマッピングしている。
【0126】
マッピング例2では、端末200は、Shortened PUCCH formatを用いて拡散した後のACK/NACK信号の順序をそのままにして、先頭1SC-FDMAシンボル及びDMRSを除いた7SC-FDMAシンボルにマッピングしている。つまり、Shortened PUCCH formatのマッピングと比較して、拡散後のACK/NACK信号のシンボルが1シンボル分シフトされている。
【0127】
マッピング例3では、端末200は、Shortened PUCCH formatを用いて拡散した後のACK/NACK信号の前半スロットと後半スロットとを入れ替えた後、前半スロットの拡散後のACK/NACK信号(S'
0、S'
1、S'
2)の順序を入れ替えて(反転させて)、先頭1SC-FDMAシンボル及びDMRSを除いた3SC-FDMAシンボルにマッピングしている。
【0128】
以上、後半のRetuningサブフレームにおける拡散後のACK/NACK信号のマッピング方法について説明した。なお、後半のRetuningサブフレームにおける拡散後のACK/NACK信号のマッピング方法については、上述したマッピング例1〜3に限定されない。後半のRetuningサブフレームのACK/NACK信号のマッピングが符号多重される端末200の間で同一であればよい。
【0129】
このように、本実施の形態では、前半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatにおいてACK/NACK信号及びDMRSのマッピングに使用されないシンボルがRetuning timeのために使用されるので、直交符号系列間の直交性の崩れは生じない。また、後半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatと同様にしてACK/NACK信号が拡散され、先頭SC-FDMAデータシンボル及びDMRS以外のシンボルにマッピングされるので、直交符号系列間の直交性の崩れは生じない。よって、各Retuningサブフレームでは直交符号系列間の直交性の崩れは生じない。
【0130】
また、本実施の形態では、直交符号系列(OCC系列)の使用に関する制限が無いので、直交符号系列により多重できる端末数の最大値は、既存LTE端末と同数の3(つまり、式(2)のc=3)に維持できる。
【0131】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図9及び
図10を援用して説明する。
【0132】
本実施の形態では、上述したRetuning timeを確保する方法1〜4のうち、方法3(
図6)を用いる。つまり、端末200(制御部209)は、周波数ホッピングによって使用する狭帯域を切り替える場合、Retuning直前の1サブフレームの後尾1SC-FDMAデータシンボルと、Retuning直後の1サブフレームの先頭1SC-FDMAデータシンボルとを捨てて(パンクチャして)Retuning timeとする。
【0133】
本実施の形態では、Retuning直後の1サブフレーム(後半のRetuningサブフレーム)におけるACK/NACK信号に対する処理のみが実施の形態2と異なる。よって、ここでは、PUSCH又はPUCCHの送受信よりも前の動作、及び、PUSCHレピティションの際の動作の説明は省略する。
【0134】
本実施の形態において、PUCCHレピティションの際、端末200は、前半のRetuningサブフレーム(Retuning直前の1サブフレーム)において、Rel.12で規定されているShortened PUCCH formatを用いて、ACK/NACK信号を拡散し、マッピングした後、Retuning timeのための後尾1SC-FDMAシンボルをパンクチャする。
【0135】
一方、端末200は、後半のRetuningサブフレーム(Retuning直後の1サブフレーム)において、Rel.12で規定されているShortened PUCCH formatを用いて、ACK/NACK信号を拡散した後、後尾1SC-FDMAシンボルをパンクチャする。また、本実施の形態では、端末200は、後半のRetuningサブフレームの送信タイミングに、1シンボル分のタイミングオフセットを加える。
【0136】
図14は、方法3及びY=4の場合のPUCCHレピティションにおける周波数ホッピングの様子を示す。
図14に示すように、端末200は、Y=4サブフレーム連続でレピティション信号を送信すると、周波数ホッピングにより周波数帯域を変更し、再び4サブフレーム連続でレピティション信号を送信する。この際、端末200は、Retuning直前の1サブフレームの後尾の1SC-FDMAシンボルとRetuning直後の1サブフレームの先頭の1SC-FDMAデータシンボルとをパンクチャする。
【0137】
また、
図14に示すように、前半のRetuningサブフレームでは、実施の形態2と同様、ACK/NACK信号はShortened PUCCH formatを用いてマッピングされる。よって、
図14に示すように、前半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatにおいて信号がマッピングされない後尾1SC-FDMAシンボルをRetuning timeのために確保できる。
【0138】
一方、
図14に示すように、後半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatと同様にして系列長4のWalsh系列及び系列長3のDFT系列を用いてACK/NACK信号が拡散される。また、端末200は、後半のRetuningサブフレームの送信タイミングに、1SC-FDMAシンボル分のタイミングオフセットを加える。この結果、
図14に示すように、後半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatの信号は、2シンボル目から送信されることになる。これにより、後半のRetuningサブフレームの先頭1SC-FDMAシンボルをRetuning timeのために確保できる。また、
図14に示す後半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatがそのまま適用されるので、新たなPUCCH formatが規定される必要もなく、ACK/NACK信号のマッピング方法を変更する必要もない。
【0139】
このように、本実施の形態では、前半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatにおいてACK/NACK信号及びDMRSのマッピングに使用されないシンボルがRetuning timeのために使用されるので、直交符号系列間の直交性の崩れは生じない。また、後半のRetuningサブフレームでは、Shortened PUCCH formatと同様にしてACK/NACK信号が拡散され、1SC-FDMAシンボル分のタイミングオフセットを加えて信号が送信される。これにより、Retuningのためのシンボルが確保されても、Shortened PUCCH formatの信号がそのまま維持されるので、直交符号系列間の直交性の崩れは生じない。よって、各Retuningサブフレームでは直交符号系列間の直交性の崩れは生じない。
【0140】
また、本実施の形態では、直交符号系列(OCC系列)の使用に関する制限が無いので、直交符号系列により多重できる端末数の最大値は、既存LTE端末と同数の3(つまり、式(2)のc=3)に維持できる。
【0141】
[実施の形態2又は実施の形態3の変形例]
実施の形態2及び実施の形態3では、RetuningサブフレームでACK/NACK信号を送信するフォーマットとして、Shortened PUCCH format又はShortened PUCCH formatのマッピングを一部変更したフォーマットを用いる場合について説明した。これに対して、本変形例では、上りリンク送信において周波数ホッピングが適用される場合、端末200は、Retuningサブフレームに限らず、レピティションが適用される全てのサブフレームにおいて、Shortened PUCCH format又はShortened PUCCH formatのマッピングを一部変更したフォーマットを用いてPUCCHレピティション送信を行う。
【0142】
図15は、Y=4の場合のPUCCHレピティションにおける周波数ホッピングの様子を示す。
【0143】
図15に示すように、端末200は、Y=4サブフレーム連続でレピティション信号を送信すると、周波数ホッピングにより周波数帯域を変更し、再び4サブフレーム連続でレピティション信号を送信する。この際、Retuning前の全ての4サブフレームでは、Shortened PUCCH formatが用いられ、Retuning後の全ての4サブフレームでは、Shortened PUCCH formatのマッピングを一部変更したフォーマットが用いられる。
【0144】
こうすることで、Retuningサブフレームと他のサブフレームとで、ACK/NACK信号に対して同一のOCC系列が乗算されるため、基地局100ではYサブフレームを用いた複数サブフレームのチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うことができる。換言すると、Retuningサブフレームと他のサブフレームとで、ACK/NACK信号に対して異なるOCC系列(具体的には、RetuningサブフレームにはDFT系列、他のサブフレームにはWalsh系列)が乗算されてしまい、基地局100側で逆拡散をする前の信号を同相合成することができずに復調の処理が複雑化することを防ぐことができる。
【0145】
(実施の形態4)
端末がPUCCHとPUSCHとを連続するサブフレームでそれぞれ送信し、かつ、PUCCH送信のための1.4MHz周波数帯域(狭帯域)と、PUSCH送信のための1.4MHz周波数帯域(狭帯域)とが異なる場合、PUCCH送信及びPUSCH送信の間でもRetuningが必要となる。
【0146】
実施の形態1〜3では、PUSCH又はPUCCHをレピティション送信する場合の周波数ホッピングにおけるRetuningについて説明した。これに対して、本実施の形態では、PUSCH送信後のPUCCH送信、又は、PUCCH送信後のPUSCH送信におけるRetuningについて説明する。
【0147】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図9及び
図10を援用して説明する。
【0148】
本実施の形態では、上述したRetuning timeを確保する方法1〜4のうち、方法1(
図4)及び方法2(
図5)を用いる。つまり、端末200は、周波数ホッピングによって使用する狭帯域を切り替える場合、Retuning直前の1サブフレームの後尾2SC-FDMAデータシンボルを捨ててRetuning timeとする場合、又は、Retuning直後の1サブフレームの先頭2SC-FDMAデータシンボルを捨ててRetuning timeとする場合がある。
【0149】
なお、本実施の形態では、PUSCH送信とPUCCH送信とが連続するサブフレームで行われる場合には、実施の形態1(例えば、
図11)と同様にして、Retuningサブフレームを設定することで直交符号系列の直交性の崩れを生じさせることなく、端末200が送信する1.4MHzの周波数帯域を変更するRetuningを確保すればよい。
【0150】
本実施の形態において、基地局100は、PUSCH又はPUCCHの送受信よりも前に、PUSCHのレピティション回数(N
PUSCH)又はPUCCHのレピティション回数(N
PUCCH)を端末200に予め通知する。レピティション回数N
PUSCH、N
PUCCHは、基地局100から端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知されてもよく、MTC用のPDCCHを用いて通知されてもよい。
【0151】
端末200は、基地局100から通知されたレピティション回数(N
PUSCH又はN
PUCCH)分だけ、PUSCH又はPUCCHをレピティション送信する。
【0152】
また、端末200は、PUSCHレピティション送信が終了したサブフレームの次のサブフレームからPUCCHレピティション送信を行う場合、かつ、PUSCH送信のための1.4MHz周波数帯域とPUCCH送信のための1.4MHz周波数帯域とが異なる場合、
図16に示すように、方法1(
図4を参照)に従って、Retuning直前のPUSCHサブフレームの後尾2SC-FDMAシンボルをパンクチャして、Retuning timeとして確保する。
【0153】
一方、端末200は、PUCCHレピティション送信が終了したサブフレームの次のサブフレームからPUSCHレピティション送信を行う場合、かつ、PUSCH送信のための1.4MHz周波数帯域とPUCCH送信のための1.4MHz周波数帯域とが異なる場合、
図17に示すように、方法2(
図5を参照)に従って、Retuning直後のPUSCHサブフレームの先頭2SC-FDMAシンボルをパンクチャして、Retuning timeとして確保する。
【0154】
すなわち、端末200は、PUCCHレピティション送信の直前にRetuningが必要な場合には、PUCCHレピティションが開始される直前の1サブフレームの後尾2SC-FDMAシンボルを捨てて、Retuning timeとする。また、端末200は、PUCCHレピティション送信の直後にRetuningが必要な場合には、PUCCHレピティションが終了した直後の1サブフレームの先頭2SC-FDMAシンボルを捨てて、Retuning timeとする。
【0155】
換言すると、PUSCHレピティション送信とPUCCHレピティション送信とが連続するサブフレームで行われ、かつ、PUSCH送信とPUCCH送信とで1.4MHz周波数帯域が異なる場合には、端末200は、PUSCHが送信されるサブフレーム内の1.4MHz周波数帯域(狭帯域)が切り替わる直前(
図16)又は直後(
図17)の2SC-FDMAシンボルをパンクチャしてRetuning timeを確保する。
【0156】
このように、PUSCH送信とPUCCH送信とが連続する場合に、RetuningサブフレームをPUSCH側に設定することで、以下の問題を解決することができる。
【0157】
まず、
図16に示すPUSCH送信からPUCCH送信へのRetuningについて説明する。
【0158】
このとき、基地局100は、PUSCHが送受信されるよりも前に、端末200に対してPUSCHの割当を指示する上りリンクグラントをMTC用の下りリンク制御チャネルを介して送信している。
【0159】
端末200は、上りリンクグラントを正しく復号できた場合にはPUSCHを送信できる。この場合に、端末200は、PUSCH送信後にPUCCH送信が連続するサブフレームで行われる場合、Retuningを実施してPUCCH送信を開始するので、PUSCH送信とPUCCH送信との間にRetuning timeが必要になる。
【0160】
一方、端末200は、上りリンクグラントを正しく復号できなかった場合、PUSCHを送信しない。この場合、PUCCH送信の直前のPUSCH送信が行われないので、端末200は、PUCCH送信の直前にRetuningを行う必要がない。このような場合に、仮に、RetuningサブフレームがPUCCH側に設定されていると、基地局100は、PUCCHレピティションの先頭サブフレームがRetuningサブフレームであると想定しているのに対して、端末200は、実際には、PUCCHレピティションの先頭のサブフレームを通常のサブフレームと同様に設定してACK/NACK信号を送信することになる。このため、PUCCHレピティションの先頭サブフレームにおいて、基地局100が想定しているPUCCHと端末200が実際に送信するPUCCHとの間にミスマッチが生じてしまう。
【0161】
これに対して、本実施の形態では、PUSCH送信の後にPUCCH送信が連続するサブフレームで行われる場合にRetuningサブフレームがPUSCH側のみに設定される。こうすることで、上りリンクグラントの復号の成否に依存せずに、PUCCHレピティションの先頭サブフレームを常に通常のサブフレームとして用いることができる。このため、基地局100と端末200との間でPUCCHに関するミスマッチが生じない。また、RetuningサブフレームがPUSCH側のみに設定されるので、Retuning timeの設定がPUCCHでのOCC系列の直交性に影響を与えることもない。
【0162】
次に、
図17に示すPUCCH送信からPUSCH送信へのRetuningについて説明する。
【0163】
PUCCH送信からPUSCH送信へのRetuningに関しても、PUSCH送信からPUCCH送信へのRetuningと同様に考えることができる。すなわち、基地局100は、PUSCHが送受信されるよりも前に、端末200に対してPUSCHの割当を指示する上りリンクグラントをMTC用の下りリンク制御チャネルを介して送信している。
【0164】
端末200は、上りリンクグラントを正しく復号できた場合にはPUSCHを送信できる。この場合に、端末200は、PUCCH送信後にPUSCH送信が連続するサブフレームで行われる場合、Retuningを実施してPUSCH送信を開始するので、PUCCH送信とPUSCH送信との間にRetuning timeが必要になる。
【0165】
一方、端末200は、上りリンクグラントを正しく復号できなかった場合、PUSCHを送信しない。この場合、PUCCH送信の直後のPUSCH送信が行われないので、端末200は、PUCCH送信の直後にRetuningを行う必要がない。このような場合に、仮に、RetuningサブフレームがPUCCH側に設定されていると、基地局100は、PUCCHレピティションの後尾のサブフレームがRetuningサブフレームであると想定しているのに対して、端末200は、実際には、PUCCHレピティションの後尾のサブフレームを通常のサブフレームと同様に設定してACK/NACK信号を送信することになる。このため、PUCCHレピティションの後尾のサブフレームにおいて、基地局100が想定しているPUCCHと端末200が実際に送信するPUCCHとの間にミスマッチが生じてしまう。
【0166】
これに対して、本実施の形態では、PUCCH送信の後にPUSCH送信が連続するサブフレームで行われる場合にRetuningサブフレームがPUSCH側のみに設定される。こうすることで、上りリンクグラントの復号の成否に依存せずに、PUCCHレピティションの後尾サブフレームを常に通常のサブフレームとして用いることができる。このため、基地局100と端末200との間でPUCCHに関するミスマッチが生じない。また、RetuningサブフレームがPUSCH側のみに設定されるので、Retuning timeの設定がPUCCHのOCCの直交性に影響を与えることもない。
【0167】
(実施の形態5)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図9及び
図10を援用して説明する。
【0168】
実施の形態1〜4で説明した方法1〜3の何れかに基づくRetuning timeを確保する方法では、Retuningのためにガードサブフレーム(1サブフレーム)を設ける方法4と比較して端末200におけるリソース利用効率を向上できる。周波数ホッピング周期がYサブフレームの場合、方法4のリソース利用効率は、(Y-1)/Yである。一方、方法1〜3のリソース利用効率は、(Y-1+(12/14))/Yである。例えば、Y=4の場合、方法1〜3によれば、方法4と比較して、リソース利用効率を28%向上できる。
【0169】
一方で、PUCCHの場合、直交符号系列(OCC系列)によって、同一の時間・周波数リソース内に複数の端末200を多重させることができる。このため、端末200におけるリソース利用効率に加えて、ネットワークにおけるリソース利用効率も重要な指標となる。
【0170】
ネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率は、端末200におけるリソース利用効率に、直交符号系列によって多重可能な端末数(例えば、式(2)のc)を乗算することで得られる。すなわち、ネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率は、実施の形態1及び4(方法1又は方法2。c=2)では、2*(Y-1+(12/14))/Yとなり、実施の形態2及び3(方法3。c=3)では、3*(Y-1+(12/14))/Yとなる。一方、方法4、つまり、Retuningのためにガードサブフレーム(1サブフレーム)を設ける場合のネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率は、3*(Y-1)/Yである。
【0171】
以上より、ネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率は、実施の形態2及び3が最も大きいと言える。一方、実施の形態1又は4は、OCCにより多重できる端末数が3から2に制限されるので、ネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率が低下してしまう。
【0172】
具体的には、上述したように、実施の形態1の方法のネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率は2*(Y-1+(12/14))/Yであり、方法4(Retuningのためにガードサブフレームを設ける方法)のネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率は3*(Y-1)/Yである。よって、双方のリソース利用効率を比較すると、Y>2.72、つまり、周波数ホッピング周期Yが3以上の場合には、実施の形態1の方法よりも、方法4の方がネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率が大きくなる。
【0173】
そこで、本実施の形態では、ネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率を考慮して、実施の形態1の方法と、方法4(Retuningのためにガードサブフレームを設ける方法)とを併用する場合について説明する。具体的には、端末200は、周波数ホッピング周期に応じて、実施の形態1の方法と、方法4(Retuningのためにガードサブフレームを設ける方法)とを切り替える。
【0174】
図18は、Y=2(<3)の場合のPUCCHレピティションにおける周波数ホッピングの様子を示し、
図19は、Y=4(≧3)の場合のPUCCHレピティションにおける周波数ホッピングの様子を示す。
【0175】
図18に示すように、周波数ホッピング周期が3未満の場合には、端末200は、実施の形態1の方法、すなわち、Retuning直前のサブフレームの後尾2SC-FDMAシンボルをパンクチャして、Retuning timeを確保する。一方、
図19に示すように、周波数ホッピング周期が3以上の場合には、端末200は、上記2SC-FDMAシンボルのパンクチャを行わずに、方法4、すなわち、Retuning前後のサブフレーム間にガードサブフレームを設けて、Retuning timeを確保する。
【0176】
このようにして、端末200は、周波数ホッピング周期に応じてRetuning timeを確保する方法を切り替えることで、ネットワークにおけるPUCCHのリソース利用効率の最適化を図ることができる。また、方法4では、Retuningサブフレームにおいて、サブフレーム全体を捨てることになるため、PUCCHの直交性の崩れを引き起こすこともない。
【0177】
なお、端末200が周波数ホッピング周期に基づいて何れの方法(実施の形態1の方法又は方法4)を用いるかを決定する場合に限定されない。例えば、基地局100が端末200に対して、何れの方法(実施の形態1の方法又は方法4)を用いるかをセル固有の上位レイヤを介して通知してもよく、端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知してもよい。
【0178】
また、端末200が何れの方法(実施の形態1の方法又は方法4)を用いるかを決定する動作は、規格上、predefinedに決定された動作であってもよい。例えば、端末200がカバレッジ拡張モードA(No/small repetition)の場合(つまり、レピティションされるサブフレーム数が短い場合)には、周波数ホッピング周期も短いことが想定されるので、実施の形態1の方法を用いて、端末200がカバレッジ拡張モードB(Large repetition)の場合(つまり、レピティションされるサブフレーム数が長い場合)には、周波数ホッピング周期が長いことが想定されるので、方法4を用いることもできる。
【0179】
また、Retuning timeを確保する方法を切り替える閾値Y
thをパラメータとしてもよい。Y
thは、セル固有のパラメータとして、基地局100が端末200に対してセル固有の上位レイヤを介して通知してもよく、端末固有のパラメータとして、基地局100が端末200に対して端末固有の上位レイヤを介して通知してもよい。また、Y
thは、規格上、predefinedに決定されたパラメータであってもよい。
【0180】
(実施の形態6)
PUCCHでは、ACK/NACK信号の送信のみでなく、上りリンクで周期的に送信されるCSIのフィードバックの送信も行われる。CSIフィードバックの送信、又は、CSIフィードバックの送信とACK/NACK信号の送信とが重複した場合、PUCCH format 2/2a/2bが用いられる。
図20は、PUCCH format 2/2a/2bのサブフレーム構成例を示す。
図20に示すように、各スロットには2つのDMRSと、5つのSC-FDMAデータシンボル(CSIフィードバック情報)とが時間多重される。
【0181】
そこで、本実施の形態では、PUCCH format 2/2a/2bに対するRetuningの動作について説明する。
【0182】
なお、PUCCH format 2/2a/2bのレピティション送信は想定されていない。以下では、PUCCH format 1/1a/1bを用いたレピティション送信又はPUSCHのレピティション送信と、PUCCH format 2/2a/2bを用いた送信とが連続したサブフレームで発生する場合の動作を一例として説明する。
【0183】
PUCCH format 2/2a/2bを用いたサブフレームがRetuningサブフレームである場合に、方法1(
図4)又は方法2(
図5)のように、Retuning直前の1サブフレームの後尾又はRetuning直後の1サブフレームの先頭の2SC-FDMAシンボルをパンクチャすると、DMRSがパンクチャされることになる。この場合、基地局100ではDMRSが使用できないので復調が困難になる。
【0184】
そこで、本実施の形態では、端末200は、PUCCH format 2/2a/2bを用いた送信の前後でRetuningが必要になる場合、Retuning前後の何れか一方のチャネルの1サブフレームをドロップする。
【0185】
Retuning前後の何れのチャネルを優先するか(又はドロップするか)は優先度の規範による。例えば、現在の規格では、一般的に優先度はACK/NACK信号>PUSCH>周期的なCSIの順である。この場合、Retuning直前又は直後のPUCCH format 2/2a/2bは優先度が低いのでドロップされる。
【0186】
このように、優先度に応じて何れか一方のチャネルをドロップすることで、Retuningにおいて優先度の高いチャネルへの影響を防ぐことができる。例えば、ACK/NACK信号の優先度を高くした場合、ドロップによるPUCCH format 1/1a/1bへの影響を防ぐことができるため、PUCCHの直交性の崩れを引き起こすこともない。また、逆に、ACK/NACK信号の優先度を低くした場合でも、ACK/NACK信号のサブフレーム全体を捨てることになるため、PUCCHの直交性には影響しない。
【0187】
なお、PUCCH format 2/2a/2bを用いた送信の前後でRetuningが必要になる場合に、方法3(
図6)を適用してもよい。すなわち、端末200は、Retuning直前の1サブフレームの後尾1シンボルとRetuning直後の1サブフレームの先頭1シンボルとをパンクチャしてもよい。この場合、PUCCH format 2/2a/2bを用いたサブフレームがRetuningサブフレームとなっても、DMRSがパンクチャされることはない。よって、パンクチャが基地局100での復調に影響を与えることがない。
【0188】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0189】
なお、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0190】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0191】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0192】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0193】
本開示の端末は、複数の直交符号系列のうちの何れか1つを用いて、下りデータに対するACK/NACK信号を拡散する拡散部と、拡散されたACK/NACK信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションするレピティション部と、レピティションされたACK/NACK信号をMTC端末向けの狭帯域にマッピングする信号割当部と、複数のサブフレームのうち、第1サブフレームにおいて用いられる狭帯域と、第1サブフレームに連続する第2サブフレームにおいて用いられる狭帯域とが異なる場合、第1サブフレームの後尾の2シンボル又は第2サブフレームの先頭の2シンボルをパンクチャする制御部と、狭帯域でACK/NACK信号を送信する送信部と、を具備し、複数の直交符号系列の各々は、サブフレームの先頭の2シンボルに対応する符号からなる第1部分系列と、後尾の2シンボルに対応する符号からなる第2部分系列とで構成され、第1部分系列及び第2部分系列は、複数の直交符号系列間でそれぞれ部分直交する。
【0194】
本開示の端末は、下りデータに対するACK/NACK信号を拡散する拡散部と、拡散されたACK/NACK信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションするレピティション部と、レピティションされたACK/NACK信号を、MTC端末向けの狭帯域にマッピングする信号割当部と、複数のサブフレームのうち、第1サブフレームにおいて用いられる狭帯域と、第1サブフレームに連続する第2サブフレームにおいて用いられる狭帯域とが異なる場合、第1サブフレームの後尾の1シンボルと、第2サブフレームの先頭の1シンボルとをパンクチャする制御部と、狭帯域でACK/NACK信号を送信する送信部と、を具備し、拡散部は、第1サブフレーム及び第2サブフレームにマッピングされるACK/NACK信号を、Shortened PUCCH formatを用いて拡散し、送信部は、第1サブフレームにマッピングされたACK/NACK信号をShortened PUCCH formatに従って送信し、第2サブフレームにACK/NACK信号を先頭1シンボル以外のシンボルで送信する。
【0195】
本開示の端末において、制御部は、更に、ACK/NACK信号が送信される第3サブフレームにおいて用いられる狭帯域と、第3サブフレームと連続し、上りデータが送信される第4サブフレームにおいて用いられる狭帯域とが異なる場合、第4サブフレーム内の狭帯域が切り替わる直前又は直後の2シンボルをパンクチャする。
【0196】
本開示の端末において、制御部は、複数のサブフレームの各々で用いる狭帯域をホッピングさせる周波数ホッピング周期又は複数のサブフレームの長さが閾値未満の場合に2シンボルのパンクチャを行い、周波数ホッピング周期又は複数のサブフレームの長さが閾値以上の場合に2シンボルのパンクチャを行わずに、第1サブフレームと第2サブフレームとの間にガードサブフレームを設ける。
【0197】
本開示の端末において、信号割当部は、第2サブフレームにおいて、拡散されたACK/NACK信号を、先頭の1シンボルと参照信号がマッピングされるシンボルとを除くシンボルにマッピングする。
【0198】
本開示の端末において、信号割当部は、第2サブフレームにおいて、拡散されたACK/NACK信号を、Shortened PUCCH formatに従ってマッピングし、送信部は、第2サブフレームの送信タイミングに1シンボル分のタイミングオフセットを加える。
【0199】
本開示の送信方法は、複数の直交符号系列のうちの何れか1つを用いて、下りデータに対するACK/NACK信号を拡散し、拡散されたACK/NACK信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、レピティションされたACK/NACK信号をMTC端末向けの狭帯域にマッピングし、複数のサブフレームのうち、第1サブフレームにおいて用いられる狭帯域と、第1サブフレームに連続する第2サブフレームにおいて用いられる狭帯域とが異なる場合、第1サブフレームの後尾の2シンボル又は第2サブフレームの先頭の2シンボルをパンクチャし、狭帯域でACK/NACK信号を送信し、複数の直交符号系列の各々は、サブフレームの先頭の2シンボルに対応する符号からなる第1部分系列と、後尾の2シンボルに対応する符号からなる第2部分系列とで構成され、第1部分系列及び第2部分系列は、複数の直交符号系列間でそれぞれ部分直交する。
【0200】
本開示の送信方法は、下りデータに対するACK/NACK信号を拡散し、拡散されたACK/NACK信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、レピティションされたACK/NACK信号をMTC端末向けの狭帯域にマッピングし、複数のサブフレームのうち、第1サブフレームにおいて用いられる狭帯域と、第1サブフレームに連続する第2サブフレームにおいて用いられる狭帯域とが異なる場合、第1サブフレームの後尾の1シンボルと、第2サブフレームの先頭の1シンボルとをパンクチャし、狭帯域でACK/NACK信号を送信し、第1サブフレーム及び第2サブフレームにマッピングされるACK/NACK信号は、Shortened PUCCH formatを用いて拡散され、第1サブフレームにマッピングされたACK/NACK信号をShortened PUCCH formatに従って送信し、第2サブフレームにマッピングされたACK/NACK信号を、先頭の1シンボル以外のシンボルで送信する。