(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、投影装置10の外観斜視図である。本実施形態の投影装置10は、上本体ケース10a及び下本体ケース10bを備える。投影装置10の筐体の側板である正面パネル12、背面パネル13、右側パネル14、及び左側パネル15は、上本体ケース10aの外周縁から下方に向かって立設する。各パネル12〜15の下端は、下本体ケース10bの外周縁と当接する。したがって、投影装置10は、上本体ケース10aと下本体ケース10bにより略直方体状に形成される。なお、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0014】
投影装置10の筺体の上面パネル11には、キー/インジケータ部37、投影画像調整部11aが設けられる。このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱した時に報知をする過熱インジケータ等の各種設定を行うためのキーやインジケータが配置されている。投影画像調整部11aは、一つ又は複数の回動摘みを備える。この回動摘みを操作することにより、
図4で後述する投影側光学系の可動レンズの位置が調節され、投影画像の大きさやピントの調整が行われる。また、投影装置10は、図示しないが、リモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0015】
正面パネル12と右側パネル14の前方右側の角部501には、吸気孔310が設けられる。正面パネル12の左側には、すり鉢状に窪んだ光出射部12aが設けられる。この光出射部12aの左側パネル15側の内壁には、吸気孔320が形成される。投影装置10は、光出射部12aに、投影口12bと、投影口12bを覆うレンズカバー19を有する。
【0016】
正面パネル12の下端には、高さ調整ボタン12cが設けられる。投影装置10は、正面パネル12側の内部に支脚を備える。投影装置10は、高さ調整ボタン12cが押下されている間、下方からその支脚を出没させることができる。よって、使用者は、高さ調整ボタン12cを操作することにより支脚を任意の出代量で固定し、投影装置10の高さや傾きを調節することができる。
【0017】
背面パネル13には、USB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネル13において、右側パネル14側の角部に排気孔330が形成され、左側パネル15側の角部にも排気孔340が形成される。
【0018】
つぎに、投影装置10の投影装置制御手段について
図2の機能ブロック図を用いて説明する。投影装置制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0019】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0020】
そして、この投影装置制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0021】
表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0022】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。
【0023】
投影装置10は、光源である光源装置60から出射された光源光の光線束を、後述する導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像(画像)を形成する。投影装置10は、その形成した光像を同じく後述する投影側光学系を介してスクリーンに投影し、画像を表示させる。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0024】
画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0025】
また、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時はメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長する。そして、画像圧縮/伸長部31は、その画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいた動画等を表示する処理を行う。
【0026】
筺体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出される。リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0027】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0028】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御している。この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60の緑色光源装置における励起光照射装置や、赤色光源装置の発光を個別に制御する。光源装置60から出射された所定の波長帯域の光は、照射ミラー185で反射され、表示素子51に照射される。
【0029】
制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、投影装置10の電源をOFFにする指示を受けると、冷却ファン駆動制御回路43にタイマーを用いて投影装置10本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させたり、温度センサによる温度検出の結果に応じて投影装置10本体の電源を切るタイミングを定める等の制御を行うことができる。
【0030】
つぎに、投影装置10の内部構造について述べる。
図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、電源装置301、制御回路基板302、光源装置60を備える。また、投影装置10は、冷却ファンとして、吸気ファン260、中間ファン270、排気ファン280を備える。
【0031】
光源装置60は、投影装置10の筐体の略中央に配置される。光源装置(冷却装置)60は、光源ケース(内部ケース)61によって、内部に光源、レンズ、ミラー等の光学部材(発熱体)を収納する。なお、これらの光学部材に限らず、発熱体としてCPU等であっても良い。電源装置301は、光源装置60の左側パネル15側に配置される。電源装置301の基板は、左側パネル15と略平行に配置される。制御回路基板302は、光源装置60の背面パネル13側に配置される。制御回路基板302は、上下方向に対し略垂直に配置される。制御回路基板302は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備える。また、制御回路基板302は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等の機能毎に分けて、複数備えることができる。
【0032】
ここで、光源装置60の内部構造について説明する。
図4は、光源装置60の平面模式図である。光源装置60は、赤色波長帯域光の光源とされる赤色光源装置120と、緑色波長帯域光の光源とされる緑色光源装置80と、青色波長帯域光の光源とされる青色光源装置であると共に励起光源ともされる励起光照射装置70と、を備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と、蛍光板装置100により構成される。光源装置60は、導光光学系140を有する。導光光学系140は、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光及び赤色波長帯域光の光線束を合わせて、各色波長帯域の光線束を同一光路上に導光する。
【0033】
励起光照射装置70は、投影装置10筐体の右側パネル14側に配置される。励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の固体発光素子を備える。本実施形態の固体発光素子は、青色波長帯域光を発する複数の青色レーザダイオード71である。また、複数の青色レーザダイオード71は、右側パネル14と平行に並べて配置されている。これら青色レーザダイオード71は、固定ホルダ74に固定される。
【0034】
また、励起光照射装置70は、反射ミラー76、拡散板78、ヒートシンク81を備える。反射ミラー76は、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を拡散板78に向けて略90度変換する。拡散板78は、反射ミラー76で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を予め定められた拡散角度で拡散する。
図3に示すように、ヒートシンク81は、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置される。ヒートシンク81の右側方に形成された第一フィン811の板面は上下方向に対して垂直に形成される。また、上方に形成された第二フィン812の板面は、左右方向に対して垂直に形成される。
【0035】
図4に戻り、各青色レーザダイオード71からの光路上には、青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めて平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。これらコリメータレンズ73は、青色レーザダイオード71とともに固定ホルダ74に固定される。
【0036】
赤色光源装置120は、青色レーザダイオード71の光線束と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの出射光を集光する集光レンズ群125と、を備える。この赤色光源121は、赤色波長帯域光を出射する固体発光素子である赤色発光ダイオードである。赤色光源装置120は、赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸が、蛍光板101から出射される緑色波長帯域光の光軸と交差するように配置される。また、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側にヒートシンク130を備える。ヒートシンク130のフィン131は、全体が右側方向に立設しており、その板面が上下方向に対して略垂直となるように形成される。また、フィン131は、正面視において放射状に上下に広がるように傾斜して形成される。
【0037】
緑色光源装置80を構成する蛍光板装置100は、蛍光板101、モータ110、入射側の集光レンズ117a,117b、出射側の集光レンズ115を備える。モータ110及び複数の集光レンズ117a,117b,115(光学部材)は、バレル(固定部材)52により保持される。蛍光板101は、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイールである。この蛍光板101はモータ110により回転駆動する。集光レンズ117a,117bは、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光板101に集光する。集光レンズ115は、蛍光板101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する。なお、蛍光板装置100は、集光レンズ117a,117b,115の上方に配置される。そのため、蛍光板101の下方の一部が集光レンズ117a,117b,115の光路上に配置される。
【0038】
蛍光板101には、蛍光発光領域と拡散透過領域とが周方向に並設されている。蛍光発光領域は、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光を励起光として受けて、励起された緑色波長帯域の蛍光光を出射する。拡散透過領域は、青色レーザダイオード71からの出射光を拡散透過する。拡散透過した出射光は、光源装置60の青色波長帯域光として出射される。
【0039】
導光光学系140は、第一ダイクロイックミラー141、集光レンズ149、第二ダイクロイックミラー148、第一反射ミラー143、集光レンズ146、第二反射ミラー145、集光レンズ147を有する。第一ダイクロイックミラー141は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び蛍光板101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に配置される。第一ダイクロイックミラー141は、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射する。第一ダイクロイックミラー141が反射した緑色波長帯域光の光軸は、集光レンズ149に向かう左側パネル15方向に90度変換される。したがって、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸は、第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と一致する。
【0040】
集光レンズ149は、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側に配置される。第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光及び第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光は、共に集光レンズ149に入射する。第二ダイクロイックミラー148は、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側に配置される。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射し、青色波長帯域光を透過する。したがって、集光レンズ149で集光された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148によって反射されて、背面パネル13側に90度変換される。第二ダイクロイックミラー148の背面パネル13側には、集光レンズ173が配置される。第二ダイクロイックミラー148により反射された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、集光レンズ173に入射する。
【0041】
第一反射ミラー143は、蛍光板101を透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間に配置される。第一反射ミラー143は、青色波長帯域光を反射して、この青色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する。集光レンズ146は、第一反射ミラー143の左側パネル15側に配置される。また、第二反射ミラー145は、集光レンズ146の左側パネル15側に配置される。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射されて、集光レンズ146により集光された青色波長帯域光の光軸を、背面パネル13側に90度変換する。集光レンズ147は、第二反射ミラー145の背面パネル13側に配置される。第二反射ミラー145により反射された青色波長帯域光は、集光レンズ147を介して第二ダイクロイックミラー148を透過し、集光レンズ173に入射する。このようにして、導光光学系140により導光された赤色、緑色、青色の各波長帯域光の光線束は、光源側光学系170の同一光路上に導光される。
【0042】
光源側光学系170は、集光レンズ173、ライトトンネルやガラスロッド等の導光装置175、集光レンズ178、光軸変換ミラー179、集光レンズ183、照射ミラー185、コンデンサレンズ195を備える。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を、投影側光学系220に向けて出射するため、投影側光学系220の一部でもある。
【0043】
集光レンズ173から出射した各光線束は、導光装置175に入射する。導光装置175に入射される各光線束は、導光装置175により均一な強度分布の光線束となる。
【0044】
導光装置175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー179が配置されている。導光装置175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー179により、集光レンズ183に向かう光軸に変換される。
【0045】
光軸変換ミラー179で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、表示素子51の背面パネル13側にはヒートシンク190が設けられている。DMDとされる表示素子51は、このヒートシンク190により冷却される。また、ヒートシンク190の後方に形成されたフィン191の板面は、上下方向に対して垂直に形成される。
【0046】
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。
【0047】
投影側光学系220は、コンデンサレンズ195、可動レンズ群235、固定レンズ群225により構成される。固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。可動レンズ群235は、可動鏡筒に内蔵され、手動又は自動により移動されることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0048】
このように投影装置10を構成することで、蛍光板101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、赤色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介して導光装置175に入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射される。よって、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0049】
図3に戻り、吸気ファン260は、前方右側の角部501において吸気孔310の内側に配置される。吸気ファン260は、吸気側261を吸気孔310に向けるとともに、排気側262を投影装置10の略中央に向けて、斜めに傾けて配置される。中間ファン270は、後方右側の角部503においてヒートシンク81の後側に配置される。中間ファン270は、吸気側271をヒートシンク81に向けるとともに、排気側272を排気孔330に向けて配置される。排気ファン280は、後方左側の角部504において排気孔340の内側に配置される。
【0050】
排気ファン280は、吸気側281をヒートシンク190に向けるとともに、排気側282を排気孔340に向けて、斜めに傾けて配置される。このように、吸気ファン260と排気ファン280は、本体ケース10a,10b内の対角位置に配置される。本実施形態の吸気ファン260、中間ファン270、排気ファン280は、それぞれ一つの軸流型のファンにより形成される。また、吸気ファン260、中間ファン270、排気ファン280は、いずれも高さが下本体ケース10bから上本体ケース10aの近くまで亘って形成される。このように、吸気ファン260、光源ケース61、本体ケース10a,10b等によって、光源装置の冷却構造が構成される。
【0051】
本実施形態では、発熱量の比較的高い、赤色光源121のヒートシンク130と、青色レーザダイオード71のヒートシンク81と、蛍光板装置100が、吸気ファン260の近辺に配置される。
【0052】
図5は、
図4の前方右側の位置Pから見た光源ケース61の裏面斜視図である。光源ケース61は、第一ブロック64と第二ブロック65とを有する。第一ブロック64は、
図4に示す光源装置60と導光光学系140とを収納する。また、第一ブロック64は、
図4に示す光源側光学系170の集光レンズ173,178、導光装置175及び光軸変換ミラー179を収納する。光源装置60は、投影装置10内の熱源となる。
【0053】
第一ブロック64は、流入部62側の側面641の上方に、蛍光板装置固定部93を有する。蛍光板装置固定部93は、板面を上下に向けた板状に形成される。蛍光板装置固定部93は、蛍光板装置100の固定部として複数の固定孔を有する。
【0054】
第一ブロック64は、流入部62側の側面641に複数の横リブ91を有する。各横リブ91は、側面641から垂直に立設した板状に形成される。各横リブ91は、蛍光板装置固定部93から下方に向かって延設される。また、各横リブ91は、略同じ長さに形成される。
【0055】
第一ブロック64は、導光光学系140が配置される前方位置の底面642に、複数の下リブ92を有する。各下リブ92は、底面642から下方に立設する板状に形成される。各下リブ92は、板面方向から見た側面視において略等脚台形状に形成される。したがって、下リブ92の両端部は、傾斜面921として形成される。また、下リブ92は、流入部62側から第二ブロック65の流出部63側に向かって斜めに延設される。下リブ92の後方端は、光源ケース61の前後方向における略中央に位置する。なお、本実施形態の横リブ91及び下リブ92は、それぞれ5個ずつ形成される。
【0056】
横リブ91が形成される側面641と下リブ92が形成される底面642との角部には、側面641から下方に延設される縁板66が形成される。縁板66は、光源ケース61の側面641側にC面取り部661を有する。C面取り部661は、側面641側から底面642側に向かって平面状に傾斜している。下リブ92の側面641側の傾斜面921は、縁板66と接続される。
【0057】
下リブ92が形成されている底面642には、略矩形状の孔部67が形成される。孔部67は、
図6(a)及び
図6(b)で後述するバレル52の設置位置下方に設けられる。孔部67からは、バレル52の一部である突出部542が挿通されて、外部に露出するように配置される。なお、突出部542は、その下端部の位置が、底面642に設けられた下リブ92の下端部よりも下方となるように形成される。
【0058】
第一ブロック64は、流入部62の反対側であって左側の縁部に、ガイド壁94を有する。ガイド壁94は、底面642から下方に向かって立設している。ガイド壁94は、光源ケース61の前後方向において、前方側から後方に向かって略中央まで延設される。ガイド壁94の前方には、平面視において右前方に延設される前ガイド部941が形成される。また、ガイド壁94の下端は、下リブ92及び突出部542よりも下方位置に形成される。
【0059】
第一ブロック64は、ガイド壁94と対向する右側に赤色光源装置固定部95を有する。赤色光源装置固定部95は、
図4に示す赤色光源装置120の構成部材を固定する。赤色光源装置固定部95には、集光レンズ群125や赤色光源121が配置される。
【0060】
また、第一ブロック64は、光源ケース61の右側であって、赤色光源装置固定部95の後方に青色光源装置固定部96を有する。青色光源装置固定部96は、励起光照射装置70の構成部材を固定する。青色光源装置固定部96には、固定ホルダ74や青色レーザダイオード71が配置される。
【0061】
第二ブロック65は、第一ブロック64の後方の左側に設けられ、略立方体状に形成される。第二ブロック65は、
図4に示す光源側光学系170の集光レンズ183、照射ミラー185及びコンデンサレンズ195、表示素子51等を収納する。第二ブロック65の後方側には、表示素子51やヒートシンク190を固定するための表示素子固定部97が設けられる。表示素子51やヒートシンク190は、投影装置10内の熱源であり、流出部63側に配置される。また、第二ブロック65の前方には、投影側光学系220の鏡筒を固定する鏡筒固定部98が形成される。
【0062】
光源ケース61は、複数の固定部851を有する。複数の固定部851は、下本体ケース10bの内面から上方に立設する図示しない支持部と当接して、光源ケース61を下方から支持する。したがって、光源ケース61の下面は、下本体ケース10bの底部の内面と間隙を有して配置される。この間隙は、少なくとも流入部62側から流出部63側に亘って形成される。このように光源ケース61と下本体ケース10bにより形成された間隙により、流入部62から流出部63に向かって空気f1が流れる通気路が形成される。よって、上述の横リブ91、下リブ92及び突出部542は、光源ケース61の外面に、通気路に沿うように面して形成される。
【0063】
図6(a)は、
図4のバレル52周辺を右方から左方に見たVIa−VIa断面図である。また、
図6(b)は、
図4のバレル52周辺を前方から後方に見たVIb−VIb断面図である。バレル52は、光源ケース61内に収納される。バレル(固定部材)52は、
図3に示す蛍光板101を回転駆動させるモータ110と、蛍光板101の前後に配置される複数の集光レンズ117a,117b,115とを固定する。
【0064】
バレル52は、本体部521と、上板522と、保持部と、を有する。本体部521は、略直方体形状に形成される。上板522は、本体部521の上端から集光レンズ115側へ板面を上下に向けて延設される。上板522の上面には、モータ固定板531が設けられる。モータ固定板531は、モータ110の反対側に開口するように屈曲して形成される。モータ110は、モータ固定板531の垂直部532に対して固定される。保持部は、複数の集光レンズ117a,117b,115等の光学部材(発熱体)を保持する。
【0065】
本体部521の一方側には、2つの集光レンズ117a,117bが固定される。また、本体部521の他方側には、集光レンズ115が固定される。また、バレル52には、蛍光板101の一部が挿入される溝部541が形成される。溝部541は、集光レンズ117b及び集光レンズ115の間に設けられる。
【0066】
バレル52の下方では、本体部521の下方から突出部542が延設される。本実施形態の突出部542は、孔部67の開口形状と略同じ形状を横断面形状として立設する略四角柱状に形成される。
【0067】
バレル52と光源ケース61の底部との間には、パッキン等の封止部材68が配置される。封止部材68は、突出部542が挿通される開口孔681を有する。バレル52は、孔部67の周縁である光源ケース61の底部と封止部材68を介して面当接しており、光源ケース61の内外の空間を遮蔽している。したがって、光源ケース61は、孔部67を設けたことによる密閉性の低下を防ぎ、防塵性を高めることができる。
【0068】
以上、本実施形態によると、突出部542は、通気路の途中に設けられる。また、ガイド壁94は、流入部62から流出部63へ向かう空気f1のガイドとして機能する。青色光源装置固定部96と赤色光源装置固定部95の下端964,955の一部も、流入部62から流出部63へ向かう空気f1のガイドとして機能する。よって、光源ケース61内の防塵性を確保しつつ、光源ケース61及び突出部542と熱接続されるモータ110、蛍光板101、集光レンズ117a,117b,115等の収納部材を効率よく冷却することができる。
【0069】
また、本実施形態では、突出部542の形状を柱状(ソリッド状)としたことにより、バレル52の熱を通気路側へ容易に移動させることができる。
【0070】
なお、バレル52と光源ケース61の底部との間に封止部材68を配置するとしたが、封止部材68は無くても構わない。この場合でも、光源装置60内の光源や光学部材が密閉性の高い光源ケース61に収納された状態において、光源ケース61の坊塵性を確保しつつ内部の熱源を効率よく冷却することができる。
【0071】
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2について説明する。
図7は、実施形態2の光源ケース61の裏面斜視図である。また、
図8(a)は、
図7の光源ケース61のバレル52A周辺のVIIIa−VIIIa断面図である。本実施形態では、バレル52の代わりにバレル52Aを用いる。バレル52Aは、突出部542Aとして、複数のフィン543を備える。フィン543は、孔部67から外部に露出するように配置される。なお、本実施形態の説明において、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0072】
封止部材68は、バレル52Aと光源ケース61の底部との間に配置される。封止部材68は、フィン543が挿通される開口孔681を有する。
図8(a)では、封止部材68をフィン543全体の外周に沿って配置した例を示しており、複数のフィン543は、一つの開口孔681及び孔部67から纏めて外部に露出する。
【0073】
このように、光源ケース61は、孔部67を設けたことによる密閉性の低下を防ぐと共に、放熱性を高めることができる。
【0074】
つぎに、開口孔681と孔部67の変形例について説明する。
図8(b)は、光源ケース61のバレル52A周辺の断面図である。本図は、
図7のVIIIa−VIIIa断面に相当する位置における断面図を示している。光源ケース61は、フィン543の板面方向に沿って長く形成されたスリット状の孔部67Aを複数有する。また、バレル52Aと光源ケース61の底面642との間に配置される封止部材68Aは、スリット状の開口孔682を複数有する。封止部材68Aの開口孔682と底面642に設けられる孔部67Aとは、フィン543毎に配置される。各フィン543は、各孔部67A及び底面642に挿通され、フィン543毎に光源ケース61の外部に露出する。
【0075】
したがって、光源ケース61の密閉性をさらに高めつつバレル52,52Aの放熱性を高めることができる。
【0076】
なお、各実施形態で示した封止部材68,68Aは、断熱性の高い断熱部材を用いることができる。よって、光源ケース61内の部材の発熱により、光源ケース61の方がバレル52,52Aよりも高温となる場合であっても、バレル52,52Aへの熱の移動を防ぐことができ、バレル52,52Aに固定される光学部材の冷却を効率良く行うことができる。
【0077】
また、封止部材68,68Aは、伝熱性の高い部材を用いてもよい。よって、バレル52,52Aに固定される光学部材の発熱により、バレル52,52Aの方が光源ケース61よりも高温となる場合であっても、突出部542及び光源ケース61を介して、バレル52,52Aに固定される光学部材の冷却を効率良く行うことができる。
【0078】
また、光源ケース61の底部に孔部67を設けたことにより、熱源である蛍光板101、モータ110及び複数の集光レンズ117a,117b,115を収納するバレル52,52Aに外気を直接当てることができるため、冷却効率を高めることができる。
【0079】
また、突出部542は、基部側を柱状とし、先端側をフィン543として組み合せて構成してもよい。
【0080】
以上、本実施形態の光源装置60及び投影装置10は、光学部材を固定する固定部材(バレル52,52A)を収納した光源ケース61を有する。光源ケース61には、固定部材の設置位置に、固定部材の本体部521から延設される突出部542,542Aを外部に露出させる孔部67,67Aを設けた。よって、光源ケース61の防塵性を確保しつつ内部に収納される別体の熱源を効率よく冷却する光源装置60及び投影装置10を構成することができる。
【0081】
また
、蛍光板101を回転駆動させるモータ110と、蛍光板101の一方の面側及び他方の面側に配置される複数の集光レンズ117a,117b,115を含む光源装置60は、保持される複数の冷却対象部材の冷却を、容易に集中させて行うことができる。
【0082】
また、複数のフィン543が開口孔681及び孔部67から纏めて外部に露出する光源装置60は、孔部67の構成を簡易にしつつ、放熱性の高いバレル52Aを構成することができる。
【0083】
また、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0084】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 発熱体を保持する保持部と、本体部と、前記本体部から延設される突出部と、を有する固定部材と、
前記固定部材を収納し、前記固定部材の設置位置に前記突出部が挿通される孔部を有する内部ケースと、
を備えることを特徴とする冷却装置。
[2] 前記発熱体は光学部材であり、前記内部ケースは光源ケースであることを特徴とする上記[1]に記載の冷却装置。
[3] 前記光学部材は、蛍光板を回転駆動させるモータと、前記蛍光板の一方の面側及び他方の面側に配置されるレンズと、を含むことを特徴とする上記[2]に記載の冷却装置。
[4] 前記突出部は、柱状であることを特徴とする上記[1]乃至上記[3]の何れかに記載の冷却装置。
[5] 前記突出部は、複数のフィンであることを特徴とする上記[1]乃至上記[3]の何れかに記載の冷却装置。
[6]
前記固定部材と前記内部ケースとの間に配置され、前記突出部が挿通される開口孔を有した封止部材を備えることを特徴とする上記[1]乃至上記[4]の何れかに記載の冷却装置。
[7] 前記固定部材と前記内部ケースとの間に配置され、前記フィンが挿通される開口孔を有した封止部材を備えることを特徴とする上記[5]に記載の冷却装置。
[8] 複数の前記フィンは、前記開口孔及び前記孔部から前記フィン毎に外部に露出することを特徴とする上記[7]に記載の冷却装置。
[9] 複数の前記フィンは、前記開口孔及び前記孔部から纏めて外部に露出することを特徴とする上記[7]に記載の冷却装置。
[10] 前記封止部材は、断熱部材であることを特徴とする上記[6]乃至上記[9]の何れかに記載の冷却装置。
[11] 上記[1]乃至上記[10]の何れかに記載の冷却装置と、
表示素子と、
前記冷却装置を透過した光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、
前記表示素子から出射された画像を投影する投影側光学系と、
を備え、
前記冷却装置は光源装置であることを特徴とする投影装置。