特許第6846739号(P6846739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6846739ジケトピロロピロール顔料組成物および該ジケトピロロピロール顔料組成物を用いた着色組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846739
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】ジケトピロロピロール顔料組成物および該ジケトピロロピロール顔料組成物を用いた着色組成物
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/20 20060101AFI20210315BHJP
   C09B 57/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   C09B67/20 FCSP
   C09B57/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-56823(P2017-56823)
(22)【出願日】2017年3月23日
(65)【公開番号】特開2018-158993(P2018-158993A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人千葉大学
(72)【発明者】
【氏名】皆嶋 英範
(72)【発明者】
【氏名】赤染 元浩
(72)【発明者】
【氏名】松本 祥治
【審査官】 井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−508196(JP,A)
【文献】 特表2015−503226(JP,A)
【文献】 特開2002−069144(JP,A)
【文献】 特開2016−197193(JP,A)
【文献】 特開2016−180042(JP,A)
【文献】 特開2015−102858(JP,A)
【文献】 特開2014−177532(JP,A)
【文献】 特表2010−520508(JP,A)
【文献】 特開平6−348059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 1/00 − 69/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるジケトピロロピロール顔料と一般式(2)で表される芳香族アミド化合物とを含むジケトピロロピロール顔料組成物。
【化1】
[一般式(1)中、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR11、−COOR12、−CONHR13、−NHCOR14または−SO2NHR15を表す。R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]

【化2】
[一般式(2)中、R16〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR11、−COOR12、−CONHR13、−NHCOR14または−SO2NHR15を表す。R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。X、Yはそれぞれ独立して、−CONH−または−NHCO−を表す。]
【請求項2】
ジケトピロロピロール顔料が、一般式(3)で表される請求項1記載のジケトピロロピロール顔料組成物。
【化3】
[一般式(3)中、R26およびR27は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリール基を表す。]
【請求項3】
請求項1または2記載のジケトピロロピロール顔料組成物と樹脂とを含有することを特徴とする着色組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意に色相が制御可能なジケトピロロピロール顔料組成物および該ジケトピロロピロール顔料組成物を用いた着色組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔料は特定の波長の光を選択的に吸収または反射するため、色としての認識が可能となる。有機顔料はその化学構造から一般的にアゾ顔料と多環顔料に類別されることが多い。アゾ顔料は、発色団としてアゾ基を有しており、色相が鮮明で着色力も大きく比較的安価であるため、印刷インキ、塗料、プラスチック、文具等の主に黄色から赤色系の着色を行うのに幅広く使用されているが、耐候性に難がある。耐候性は、顔料構造中にベンズイミダゾロン骨格を導入し、分子間で水素結合を形成することで改善される。(特許文献1、非特許文献1)しかし、顔料中にこのような骨格を導入すると経済的に顔料が高価になるのと同時に骨格の導入前後で色特性が変化するため、耐候性が向上しても色特性の変化によりその顔料が使用できない状況に陥る。ベンズイミダゾロン骨格を導入した顔料としては、C.I.ピグメントイエローを120、151、154、175、180、181、194、C.I.ピグメントオレンジ36、62、64、72、C.I.ピグメントレッド171、175、176、208、C.I.ピグメントバイオレット32が挙げられるが、一般的なアゾ顔料と比較すると高価であり、選択できる色も限定される。
【0003】
一方、多環顔料はアゾ顔料に比べ耐候性が高い。多環顔料の代表的なものに青色の銅フタロシアニン顔料があり鮮明な青色を呈する。黄色から赤色系の色を呈する顔料としては、イソインドリン、アントラキノン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン顔料が挙げられるが、アゾ顔料と比べると色の種類やバリエーションも少なく選択の手段が限定される。
【0004】
有機顔料の色相を制御する方法として、銅フタロシアニンのように結晶型を制御する方法(例えば、α型、β型、ε型)やジケトピロロピロールのように固溶体を作成して色相を制御する方法(特許文献2)等があげられるが、最も効果的に色素を制御する方法は、顔料骨格に助色団としてハロゲンやアルキル基等の置換基を導入する方法である。(非特許文献2)しかし、この方法は反応工程が複雑になる一方で、経済的なコストも高く、さらにはハロゲンを用いた場合は非意図的な副生成物としてPCB等が生成する可能性もある。(非特許文献3)そのため、ハロゲンを用いる色相制御の方法は、将来の人の健康や地球環境を考慮すると用いるべきでない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭56−38354号公報
【特許文献2】特開昭63-048279号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】島健太郎、「機能性顔料の技術」、普及版、シーエムシー出版、2004年9月24日、p.80
【非特許文献2】橋本勲著、「有機顔料ハンドブック」、初版、カラーオフィス、2006年5月、p.26−35
【非特許文献3】有機顔料中に副生する PCB の 工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する検討会、「有機顔料中に副生するPCBの工業技術的・経済的に低減可能なレベルに関する報告書」、平成28年1月29日、p.8−15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、耐候性のよいジケトピロロピロール顔料を用いて、新たな助色団を置換基に導入することなく、より経済的に任意に色相が制御可能なジケトピロロピロール顔料組成物、ならびに該ジケトピロロピロール顔料組成物を用いた着色組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ジケトピロロピロール顔料と耐性の高いアミド結合を有する芳香族化合物を用いることで、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち本発明は、一般式(1)で表されるジケトピロロピロール顔料と一般式(2)で表される芳香族アミド化合物とを含むことを特徴とするジケトピロロピロール顔料組成物に関する。
【化1】
[一般式(1)中、R1〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR11、−COOR12、−CONHR13、−NHCOR14または−SO2NHR15を表す。R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
【化2】
[一般式(2)中、R16〜R25はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR11、−COOR12、−CONHR13、−NHCOR14または−SO2NHR15を表す。R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。X、Yはそれぞれ独立して、−CONH−または−NHCO−を表す。]
【0010】
また、本発明は、ジケトピロロピロール顔料が一般式(3)で表されることを特徴とする上記記載のジケトピロロピロール顔料組成物に関する。
【化3】
[一般式(3)中、R26およびR27は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリール基を表す。]
【0011】
また、本発明は、上記記載のジケトピロロピロール顔料組成物と樹脂とを含有することを特徴とする着色組成物に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、より経済的に任意に色相が制御可能なジケトピロロピロール顔料組成物、ならびに該ジケトピロロピロール顔料を用いた着色組成物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ピグメントレッド255系の着色組成物を用いたインキの反射スペクトルである。(実施例15、17、比較例1)
図2】ピグメントレッド254系の着色組成物を用いたインキの反射スペクトルである。(実施例20、比較例2)
図3】ピグメントレッド264系の着色組成物を用いたインキの反射スペクトルである。(実施例23、比較例3)
図4】ピグメントレッド272系の着色組成物を用いたインキの反射スペクトルである。(実施例26、比較例4)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明に用いるジケトピロロピロール顔料としては、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール顔料が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】
[一般式(1)中、R1〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR11、−COOR12、−CONHR13、−NHCOR14または−SO2NHR15を表す。R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
【0018】
一般式(1)中、R1〜R10におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0019】
1〜R15における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0020】
1〜R10における炭素数1〜4のアルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1,3−ブタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
1〜R10における炭素数6〜10のアリール基としては、置換もしくは未置換の単環または縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明に用いるジケトピロロピロール顔料として好ましいものとしては、下記一般式(3)で表されるジケトピロロピロール顔料が挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】
[一般式(3)中、R26〜R27はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリール基を表す。]
【0025】
一般式(3)のハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基は一般式(1)のものと同義である。
【0026】
一般式(3)の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができる。
【0027】
ジケトピロロピロール顔料の具体例としては、下記に示すジケトピロロピロール顔料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【化1】
【0029】
【表1】
【0030】
【表1】
【0031】
【表1】
【0032】
(ジケトピロロピロール顔料の製造方法)
本発明に用いるジケトピロロピロール顔料は、例えば特開昭58−210084号公報に示されるように対応する芳香族ニトリルと琥珀酸ジエステルを有機溶媒中で反応させることにより製造できる。ジケトピロロピロール顔料の製造方法は、この方法に限定されるものではない。
【0033】
【化4】

Rは、アルキル基を表す。
【0034】
ジケトピロロピロール顔料は、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
【0035】
ジケトピロロピロール顔料は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
本発明のジケトピロロピロール顔料組成物は、一般式(2)で表される芳香族アミド化合物を含む。
【0037】
【化2】
[一般式(2)中、R16〜R25はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR11、−COOR12、−CONHR13、−NHCOR14または−SO2NHR15を表す。R11〜R15は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。X、Yはそれぞれ独立して、−CONH−、または、−NHCO−を表す。]
【0038】
一般式(2)のR16〜R25のハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基は一般式(1)のものと同義である。
【0039】
芳香族アミド化合物の具体例としては、下記に示す化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
【化5】
【0041】
【表2】
【0042】
【表2】
【0043】
(芳香族アミド化合物の製造方法)
本発明に用いる芳香族アミド化合物は、対応する芳香族アミンとオキサリルクロリドを塩基存在下(例えばトリエチルアミン等)、トルエン等の有機溶剤中で反応させることで製造することができる。芳香族アミド化合物の製造方法は、この方法に限定されるものではない。
【0044】
【化6】
【0045】
(ジケトピロロピロール顔料組成物の製造方法)
本発明のジケトピロロピロール顔料組成物の製造方法としては、ジケトピロロピロール顔料と芳香族アミド化合物とを溶媒で混合する、または溶媒に溶解した後、その他溶媒と混合して析出させる方法やソルトミリング処理を用いて両者を混合する方法が挙げられる。また、ジケトピロロピロール合成直後の反応液に本発明の芳香族アミド化合物を混合し、析出させる方法も挙げられるが、ジケトピロロピロール顔料組成物の製造方法は、この方法に限定されるものではない。
【0046】
ジケトピロロピロール顔料と芳香族アミド化合物とを混合する、または溶解させるための溶媒の例としては、硫酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、氷酢酸、ケトン類例えばシクロヘキサノン、アルコール類例えばn−ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノールまたはベンジルアルコール、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、エーテル類例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、芳香族炭化水素類例えばニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エステル類例えば酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
さらに、ジケトピロロピロール顔料を溶解して混合する場合は、溶解しやすくするために溶媒中に塩基を用いることが好ましい。塩基の例としては、アルカリ金属のアルコラート類例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ジケトピロロピロール顔料と芳香族アミド化合物とを溶媒に溶解した後に析出させるのに用いる溶媒は、上記の極性溶剤と混合可能で、本発明のジケトピロロピロール顔料組成物が析出する溶媒であれば何でもよい。
【0049】
ジケトピロロピロール顔料を溶解させるのにより好ましい溶媒は、硫酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アルコール類であり、本発明のジケトピロロピロール顔料組成物を析出させるのにより好ましい溶媒は水である。
【0050】
ジケトピロロピロール顔料と芳香族アミド化合物の混合、または溶解温度は、溶媒の沸点にもよるが10〜100℃であり、20〜60℃がより好ましい。溶解時間は30分から24時間が好ましい。他の溶媒と混合して析出させる場合は、粒子を微細にしたい場合は、−10〜30℃低温が好ましい。さらに粒子を大きくコントロールする場合は、析出溶媒を混合した後に40〜100℃で加熱してもよく、加熱時間は30分から24時間が好ましい。
【0051】
ジケトピロロピロール顔料と混合する芳香族アミド化合物の量は、質量比で0.01〜60質量%であり、より好ましくは質量比で0.5〜50質量%である。
【0052】
ジケトピロロピロール顔料と芳香族アミド化合物を混合する場合は、それぞれ2種類以上併用して使用してもよい。
【0053】
ソルトミリング処理は、ジケトピロロピロール顔料と本発明の芳香族アミド化合物と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。ソルトミリング処理の混練温度は、40〜150℃が好ましく、混練時間は1〜24時間が好ましい。ジケトピロロピロール顔料と混合する本発明の芳香族アミド化合物の量は、質量比で0.01〜60質量%であり、より好ましくは質量比で0.5〜50質量%である。また、ジケトピロロピロール顔料と芳香族アミド化合物を混合する場合は、それぞれ2種類以上併用して使用してもよい。
【0054】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全質量を基準(100質量%)として、50〜2000質量%用いることが好ましく、300〜1000質量%用いることが最も好ましい。
【0055】
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全質量を基準(100質量%)として、5〜1000質量%用いることが好ましく、50〜500質量%用いることが最も好ましい。
【0056】
ソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量を基準(100質量%)として、5〜200質量%の範囲であることが好ましい。
【0057】
ソルトミリング処理する際には、必要に応じて色素誘導体を添加してもよい。色素誘導体は、色素にフタルイミドメチル基や、下記一般式(4)、(5)で示される塩基性置換基を導入した化合物である。
【化7】
【0058】
一般式(4)において、
Wは、直接結合、−CH2NHCOCH2−、−SO2NH−、−CONHOCH2NH−、または−(CH2qNH−を表す。
28、R29は、それぞれ独立に、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはR28、R29で、窒素、酸素もしくは硫黄原子を含む、置換されてもよい複素環を示す。
ただし、n、qは1〜10の整数を表す。
【0059】
【化8】
【0060】
一般式(5)において、
Zは、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−(CH2q−、−SO2NH−、−CONH−、−CH2NHCOCH2NH−、または−(CH2qNH−を表す。ただし、qは1〜10の整数を表す。
30、R31、R32、R33は、それぞれ独立に、水素原子、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、またはアリール基を表す。
34は、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアリール基を表す。
【0061】
色素誘導体としては、ジクロロジケトピロロピロール顔料の色相を汚さない観点からジケトピロロピロール誘導体、キナクリドン誘導体、アゾ色素誘導体が好ましい。
【0062】
ジケトピロロピロール誘導体としては、以下の化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【化9】
【0064】
また、キナクリドン誘導体としては、以下の化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【化10】
【化11】
【0065】
また、アゾ色素誘導体としては、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
【化12】
【0066】
一般式(6)において、
A、Bは、水酸基、あるいは下記一般式(7)、(8)で示される塩基性置換基を表す 。
【化13】
【0067】
一般式(7)、(8)において、
35、R36は、それぞれ独立に、置換されてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基、 またはR35、R36で、窒素、酸素もしくは硫黄原子を含む、置換されてもよい複素環を 示す。ただし、nは1〜10の整数を表す。
【0068】
アゾ色素誘導体としては、以下の化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【化14】
【化15】
【0069】
ソルトミリング処理する際には、必要に応じて色素誘導体の他に樹脂、界面活性剤、高級脂肪酸を添加してもよい。
使用可能な樹脂としては特に制限はないが、ロジン、ロジン誘導体、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ゴム誘導体、タンパク誘導体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリイミド樹脂、アルキッド樹脂、ゴム系樹脂、セルロース類、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂を挙げることができる。また、界面活性剤としても特に制限はなく、アニオン性、中性、カチオン性のいずれの界面活性剤を用いても良い。
【0070】
高級脂肪酸としては、炭素数が多い酸でグリセリンとの反応で油脂を構成し、広く動物脂肪や植物油の成分として含まれる、親油性の強い水に難溶の酸であり、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、リノレン酸、オレイン酸等がある。高級脂肪酸としては、炭素数10以上の脂肪酸が好ましく、さらに20〜30℃で液体である不飽和高級脂肪酸が好ましい。これに対して、炭素数の少ない脂肪酸には酢酸、吉草酸、ラク酸があり、遊離酸の状態になり親水性である。顔料を湿潤させて摩砕効果を増大させ、微細化を促進する脂肪酸としては、親油性の強い高級脂肪酸が適している。また、湿式粉砕で使用する水溶性無機塩類および水溶性有機溶剤は、水で洗浄することにより微細顔料から分離するが、炭素数の少ない親水性の脂肪酸は水中に溶解してしまい、BOD、CODの増加の要因になるので好ましくない。高級脂肪酸は、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
【0071】
本発明の着色組成物は、水系であっても非水系であっても良い。本発明の着色組成物においてジケトピロロピロール顔料組成物を分散する媒体としては、水、有機溶剤、重合性モノマー等が使用できる。本発明の着色組成物が水性着色組成物の場合には、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン類、その他、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の水溶性溶媒が挙げられる。
【0072】
さらに、本発明の水系着色組成物には水性樹脂を含んでいても良い。水性樹脂としては、水に溶解する水溶解性の樹脂、水に分散する水分散性の樹脂、コロイダルディスバーション樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂としては具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素系等の樹脂が挙げられる。
【0073】
さらに、ジケトピロロピロール顔料組成物の分散および本発明の着色組成物を用いた画質の品質を向上させるため、界面活性剤および分散剤を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いても良いが、アニオン性、または非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0074】
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
【0075】
本発明の着色組成物が非水性着色組成物の場合は、ジケトピロロピロール顔料組成物を媒体として非水系バインダーに分散してなるものである。非水系バインダーに使用される樹脂は、例えば、石油系樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系バインダーとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
【0076】
また、非水系バインダーに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
【0077】
(光重合性単量体)
本発明の着色組成物には、必要に応じて光重合性単量体を添加してもよい。光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
【0078】
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0079】
光重合性単量体の配合量は、着色剤100質量部に対し、5〜400質量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300質量部であることがより好ましい。
【0080】
(光重合開始剤)
本発明の着色組成物は、必要に応じて、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
【0081】
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0082】
光重合開始剤の含有量は、着色剤100質量部に対し、2〜200質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150質量部であることがより好ましい。
【0083】
(増感剤)
さらに、本発明の着色組成物には、必要に応じて増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0084】
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
【0085】
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
【0086】
(酸化防止剤)
本発明の着色組成物は、必要に応じて酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、特にカラーフィルター用途に用いられる場合に含まれている光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITO(酸化インジウムスズ)アニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
【0087】
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
【0088】
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
【0089】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0090】
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0091】
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0092】
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0093】
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
【0094】
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0095】
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0096】
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
【0097】
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0098】
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の固形分質量を基準として、0.5〜5.0質量%の場合、色相的により好ましい。
【0099】
(アミン系化合物)
また、本発明の着色組成物には、必要に応じて、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
【0100】
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
【0101】
(レベリング剤)
本発明の着色組成物には、必要に応じて、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を含有させることができる。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全質量を基準(100質量%)として、0.003〜0.5質量%用いることが好ましい。
【0102】
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
【0103】
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0105】
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
【0106】
(硬化剤、硬化促進剤)
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含有させることができる。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.01〜15質量部が好ましい。
【0107】
(その他の添加剤成分)
本発明の着色組成物には、必要に応じて、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
【0108】
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100質量部に対し、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
【0109】
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
【0110】
本発明の着色組成物は、ジケトピロロピロール顔料組成物、バインダー樹脂、および水系もしくは非水系の媒体を分散装置により分散することで得られる。ジケトピロロピロール顔料組成物を分散する方法は特に制限は無い。分散には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。その他、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等を用いて分散する方法が挙げられる。これらの中では、小粒子径化の観点から、ロールミル、ビーズミル、ニーダー及び高圧ホモジナイザーが好ましい。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
【0111】
ジケトピロロピロール顔料組成物の分散する際には、必要に応じて色素誘導体を添加してもよい。色素誘導体は、ソルトミリング処理する際に記述した化合物と同義である。
【0112】
このような方法で着色組成物を得た後、沈殿物や粗大粒子を除去するために、更に遠心分離して、沈殿物を分離する工程を含んでも良い。遠心分離に使用する装置としては、一般に、無孔の回転ボウルを高速回転させることによって懸濁物質を遠心沈降させる遠心沈降機、及び側壁に細孔又はスリットを有する回転バスケットが用いられた遠心濾過・脱水機が知られている。本発明では、これらのうち、遠心沈降機を好適に用いることができる〔例えば、化学工学会編「化学装置便覧」、改訂二版第2刷、丸善株式会社、平成8年4月5日、798頁参照〕。遠心沈降機としては、例えば、遠心沈降管型、円筒型、分離板型、バスケット型、スクリデカンター型等の遠心沈降機が挙げられる。
【0113】
本発明の着色組成物に含まれるジケトピロロピロール顔料組成物の濃度は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。
【0114】
本発明の着色組成物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、オフセット、グラビア、フレキソ、スクリーン、インクジェットなどの各種印刷インキや塗料、LCD、PDP、有機エレクトロルミネッセンス、電子紙などのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルターに適用できる。
【実施例】
【0115】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは、「質量部」を表す。
【0116】
芳香族アミド化合物1の製造
【化16】
【0117】
無水トルエン120部とアニリン7.82部、トリエチルアミン7.98部を混合し、ここにオキサリルクロリド5.00部を20分かけて滴下した。滴下後、70℃で3時間加熱撹拌を行った。空冷後、反応溶液にメタノールを80部、水を50部添加し、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。得られた固体を水100部、さらにメタノール80部でそれぞれリスラリー洗浄を行った。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、8.30部の目的物を得た。収率は88.5%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=241.31(分子量240.26)で目的物であることを確認した。
【0118】
芳香族アミド化合物2の製造
【化17】
【0119】
芳香族アミド化合物2の製造は、芳香族アミド化合物1の製造方法のアニリンの代わりに3−フルオロアニリン8.75部を用いて行い、9.10部の目的物を得た。収率は83.6%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=277.32(分子量276.24)で目的物であることを確認した。
【0120】
芳香族アミド化合物3の製造
【化18】
【0121】
芳香族アミド化合物3の製造は、芳香族アミド化合物1の製造方法のアニリンの代わりに4−フルオロアニリン8.75部を用いて行い、8.93部の目的物を得た。収率は82.1%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=277.43(分子量276.24)で目的物であることを確認した。
【0122】
芳香族アミド化合物4の製造
【化19】
【0123】
芳香族アミド化合物4の製造は、芳香族アミド化合物1の製造方法のアニリンの代わりに2,6−ジメチルアニリン9.56部を用いて行い、10.20部の目的物を得た。収率は87.4%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=297.45(分子量296.37)で目的物であることを確認した。
【0124】
芳香族アミド化合物5
【化20】
【0125】
オキサニリド(東京化成品)を用いた。
【0126】
《ジケトピロロピロール顔料の製造方法》
C.I.ピグメントレッド254
【化21】
【0127】
窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール40部とナトリウム−tert−アミルアルコキシド28部を混合し、攪拌しながら100℃に加熱してアルコラート溶液を調整した。一方で、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール24部と琥珀酸ジイソプロピル17.6部、4−クロロベンゾニトリル20部を混合し、攪拌しながら90℃に加熱し溶解させ、これらの混合物の溶液を調整した。この混合物の加熱溶液を、先に調整したアルコラート溶液中に激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくりと滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間加熱攪拌を行い、ジクロロジケトピロロピロールの反応液を得た。
次に、メタノール120部、水120部、酢酸23.4部を混合し、0℃に冷却した。この冷却した混合物を強攪拌しながら、この中に、先に得られた90℃のジクロロジケトピロロールの反応液を5℃以下の温度を保つように冷媒を用いて冷却しながら添加した。この液を40℃にて1時間攪拌を行った後、ヌッチェを用いてジクロロジケトピロロール顔料を濾別した。その後、メタノール120部、水200部をふりかけて洗浄した。この濾別した顔料を80℃で24時間乾燥させ、22.3部の目的の顔料を得た。
【0128】
C.I.ピグメントレッド255
【化22】
【0129】
C.I.ピグメントレッド255の製造は、C.I.ピグメントレッド254の製造方法の4−クロロベンゾニトリルの代わりにベンゾニトリル15部を用いて行った。17.1部の目的の顔料を得た。
【0130】
C.I.ピグメントレッド264
【化23】
【0131】
C.I.ピグメントレッド264の製造は、C.I.ピグメントレッド254の製造方法の4−クロロベンゾニトリルの代わりに4−シアノビフェニル26.1部を用いて行った。28.2部の目的の顔料を得た。
【0132】
C.I.ピグメントレッド272
【化24】
【0133】
C.I.ピグメントレッド272の製造は、C.I.ピグメントレッド254の製造方法の4−クロロベンゾニトリルの代わりに4−シアノトルエン17部を用いて行った。19.5部の目的の顔料を得た。
【0134】
[実施例1]
(ジケトピロロピロール顔料組成物(P−1))
無水N,N−ジメチルホルムアミド1400部にナトリウム−tert−ブトキシド15部を溶解させ、さらにC.I.ピグメントレッド255を14.4部、芳香族アミド化合物1を6.0部添加してこれらを溶解させ、30℃で3時間撹拌した。その後、氷1500部と水2500部を混合し、0℃に冷却した水にN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた混合物を添加した。この液を室温にて2時間攪拌を行った後、ヌッチェを用いてジケトピロロール顔料組成物P−1を濾別した。その後、水2000部をふりかけて洗浄した。この濾別した顔料を80℃で24時間乾燥させ、15.8部の顔料組成物を得た。
【0135】
[実施例2〜13]
(ジケトピロロピロール顔料組成物(P−2〜13))
以下、C.I.ピグメントレッド255、芳香族アミド化合物1、ナトリウム−tert−ブトキシドを表3に示すジケトピロロピロール顔料、芳香族アミド化合物の種類および配合量に変えた以外は、ジケトピロロピロール顔料組成物P−1と同様にして、ジケトピロロピロール顔料組成物P−2〜13を作製した。
【0136】
【表3】
【0137】
[実施例14]
(ジケトピロロピロール顔料組成物(P−14))
C.I.ピグメントレッド255を100部、芳香族アミド化合物1を20.5部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、104部のジケトピロロピロール顔料組成物P−14を得た。
【0138】
[実施例15]
(着色組成物(T−1))
実施例1で得られた顔料組成物(P−1)0.5g、ワニス(タマノール361(荒川化学工業株式会社製:ロジン変性フェノール樹脂)50質量部に対し、アマニ油20質量部、5号ソルベント(日本石油株式会社:オフセットインキ用溶剤)30質量部を加え、200℃にて加熱溶解したもの)2.5gを150lb(=667N)の荷重を掛けたフーバーマーラーで回転速度100rpmにて4回混練し、着色組成物T−1を得た。
【0139】
[実施例16〜28、比較例1〜4]
(着色組成物(T−2〜18))
顔料組成物(P−1)を表4記載のように変更した以外は、着色組成物(T−1)と同様の方法で着色組成物(T−2〜18)を作製した。また、比較例には顔料を使用した。
【0140】
【表4】
【0141】
[着色組成物の評価]
実施例15〜28、比較例1〜4で得られた着色組成物(T−1〜18)0.5gと白インキ(酸化チタン50部を上記オフセットインキ用ワニス50部に分散して作成した)5.0gを50lb(=222N)の荷重を掛けたフーバーマーラーで回転速度25rpmにて4回混練して混合することでインキを得た。このインキの色相評価を分光光度計(日本分光社製V560)を用いて行った。表5に色相結果(L*,a*,b*)を、図1〜4にそれぞれの反射分光を示す。なお、L、a、bは、JIS Z 8781−4に基づく。
【0142】
【表5】
【0143】
例えば、比較例1の着色組成物を基準に色相を黄味にする場合(b*を大きくする)は、実施例15、16、17、20、25の着色組成物を用いることで比較例1の着色組成物より色相が黄味な着色組成物を得ることができる。また、比較例1の着色組成物を青味の色相にする場合(b*を小さくする)は、実施例23、24の着色組成物を用いることで色相がより青味な着色組成物を得ることができる。さらに、比較例1の着色組成物を基準に色相を赤味にする場合(a*を大きくする)は、実施例21、22、26、27の着色組成物を用いることで色相がより赤味な着色組成物を得ることができる。
【0144】
ジケトピロロピロール顔料を特定の芳香族アミド化合物で処理することで、反射分光が制御可能となる。その結果、任意に色相が制御可能なジケトピロロピロール顔料組成物や着色組成物を得た。
【符号の説明】
【0145】
図1の1は、着色組成物T−1と白インキを混合したインキの反射分光である。
図1の2は、着色組成物T−3と白インキを混合したインキの反射分光である。
図1の3は、着色組成物T−15と白インキを混合したインキの反射分光である。
【0146】
図2の4は、着色組成物T−6と白インキを混合したインキの反射分光である。
図2の5は、着色組成物T−16と白インキを混合したインキの反射分光である。
【0147】
図3の6は、着色組成物T−9と白インキを混合したインキの反射分光である。
図3の7は、着色組成物T−17と白インキを混合したインキの反射分光である。
【0148】
図4の8は、着色組成物T−12と白インキを混合したインキの反射分光である。
図4の9は、着色組成物T−18と白インキを混合したインキの反射分光である。
図1
図2
図3
図4