(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プローブ車両に搭載された車載装置から、同一車線上に停止している一台以上の車両を含む車両グループを含む撮像画像と、前記撮像画像の撮像時刻と、前記撮像時刻における前記プローブ車両の位置と、を、受信する受信部と、
前記撮像時刻と前記撮像時刻における前記プローブ車両の位置とに基づいて複数の前記車両グループを選定し、選定した複数の前記車両グループを1つの車列として特定する車列特定部と、
特定された前記車列が停止時間が閾値未満の停車車列である可能性の高さを示す停車車列評価値を、前記停車車列の特徴を示す複数の停車車列条件に基づいて算出する停車評価部と、
特定された前記車列が停止時間が閾値以上の駐車車列である可能性の高さを示す駐車車列評価値を、前記駐車車列の特徴を示す複数の駐車車列条件に基づいて算出する駐車評価部と、
前記停車車列評価値と前記駐車車列評価値とに基づいて、特定された前記車列が停車車列であるか前記駐車車列であるか、を判別する判別部と、
を備える情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施形態にかかる情報処理システムSの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システムSは、プローブ車両1と情報処理装置8とを備える。
【0009】
プローブ車両1は、撮像装置や、GPSアンテナ等を搭載した車両であり、道路上を走行しながら撮像した撮像画像や、自車の位置等の情報を情報処理装置8に送信する。例えば、プローブ車両1の撮像装置は、隣接車両に位置する車両2a〜2cを撮像する。車両2a〜2cを特に区別しない場合は、車両2という。
図1に示されるプローブ車両1は1台であるが、情報処理システムSは複数のプローブ車両1を含むものとする。
【0010】
情報処理装置8は、プローブ車両1から受信した撮像画像やプローブ車両1の位置等に基づいて、道路上で停止している車列を特定し、当該車列が停止車列であるか駐車車列であるかを判別する。また、情報処理装置8は、車列が停車車列であるか駐車車列であるかの判別結果や車列の位置等のデータを、交通情報提供業者9に送信する。
【0011】
本実施形態における車列は、同一の車線上に連なって位置する複数の車両2である。車列内の複数の車両2間の車間距離は、例えば、標準的な車両2の2台分の車長以下とする。車列内の車両2間の車間距離はこれに限定されるものではない。
【0012】
また、駐車車列は、停止時間が閾値以上の車列である。また、停車車列は、停止時間が閾値未満の車列である。例えば、停車車列には、信号待ちや渋滞によって一時的に停車している車列が含まれる。本実施形態における停止時間の閾値は、例えば5分とするが、これに限定されるものではない。また、停車車列を、一時停止車列、信号待ち車列、渋滞内車列等と呼ぶ場合もある。
【0013】
また、プローブ車両1および情報処理装置8は、無線通信の基地局7を介して情報の送受信を行う。なお、情報通信の手段はこれに限定されるものではない。GPS(Global Positioning System)衛星4は、プローブ車両1に対して、GPS電波を発信する。
【0014】
交通情報提供業者9は、情報処理装置8から受信した情報に基づく交通情報をドライバや企業に提供する事業者である。
【0015】
図2は、本実施形態にかかるプローブ車両1の車内のコックピット(運転席)周辺の構成の一例を示す図である。プローブ車両1は、制御装置10と、撮像装置11a,11bと、GPSアンテナ13と、を備える。GPSアンテナ13は、GPS衛星4から発信されるGPS信号を受信する。
【0016】
制御装置10は、プローブ車両1全体を制御する。制御装置10は、本実施形態における車載装置の一例である。
【0017】
撮像装置11a,11bは、ステレオカメラを構成し、プローブ車両1の前方に位置する車両2a〜2cを、互いに異なるアングルから撮像する。以下、撮像装置11a,11bを特に区別しない場合は、撮像装置と称する。本実施形態の撮像装置11の画角(撮像範囲)は、隣接車線に位置する車両が約3台入るが、これに限定されるものではない。本実施形態において撮像装置11は撮像画像として動画像を撮像するが、静止画を撮像しても良い。撮像装置11の台数および設置位置は
図2に示す例に限定されるものではない。撮像装置11は単眼カメラや360度を撮像可能なカメラであっても良い。
【0018】
図3は、本実施形態にかかるプローブ車両1の制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、HDD(Hard Disk Drive)103と、ツールインタフェース(I/F)104と、GPSモジュール105と、計時回路106と、通信インタフェース(I/F)107とを備える。制御装置10は、HDD103の代わりに、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えても良い。
【0019】
ツールインタフェース104は、プローブ車両1が備える各種のツールと接続するためのインタフェースである。ツールは、撮像装置11、ECU(Engine Control Unit)、車輪速センサ等の各種センサ、カーナビゲーションシステム、スマートフォン等である。
【0020】
GPSモジュール105は、GPSアンテナ13を介して複数の衛星4から受信したGPS電波に基づいて、プローブ車両1の現在位置(緯度、経度)を算出する。また、計時回路106は、計時機能を有する回路である。計時回路106は、例えばRTC(Real Time Clock)であるが、これに限定されるものではない。
【0021】
通信インタフェース107は、ネットワーク等を介して情報の送受信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース107は、例えば、無線ネットワークを介して基地局7と接続し、情報処理装置8との間で情報の送受信を行う。
【0022】
図4は、本実施形態にかかるプローブ車両1の制御装置10が有する機能の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、制御装置10は、取得部110と、車両検出部111と、計測部112と、車速算出部113と、走行判断部114と、車両グループ特定部115と、属性検出部116と、ID決定部117と、送信部118とを備える。
【0023】
取得部110は、ツールインタフェース104を介して各種の情報を取得する。より具体的には、取得部110は、撮像装置が撮像した撮像画像を、ツールインタフェース104を介して一定時間ごとに取得する。本実施形態の取得部110は、1度の取得にあたり、複数フレームを含む動画像を撮像画像として取得するが、1度の取得にあたり1フレームの静止画像を取得しても良い。
【0024】
また、取得部110は、撮像画像を取得する際に、計時回路106から、当該撮像画像が撮像された時刻(撮像時刻)として、現在時刻を取得する。さらに、取得部110は、GPSモジュール105から、撮像画像の撮像時刻におけるプローブ車両1の位置(緯度、経度)を、撮像位置として取得する。
【0025】
車両検出部111は、取得部110が取得した撮像画像から、車両2a〜2cを検出する。具体的には、車両検出部111は、撮像画像を構成するフレームに対してパターン認識等の画像処理を行って、当該フレームに含まれる車両2a〜2cを検出する。車両検出の手法はこれに限定されるものではない。
【0026】
計測部112は、撮像画像に含まれるフレームごとに、プローブ車両1と車両2a〜2cとの車間距離(前後方向の距離)と、車両2a〜2c間の車間距離と、プローブ車両1と車両2a〜2cとの横方向の距離とを計測する。本実施形態において、車両2間の横方向の距離は、2台の車両2間のそれぞれの車幅の中心と中心の間の距離とする。また、2台の車両2間の左右いずれかの空間の距離を、車両2間の横方向の距離としても良い。
【0027】
計測部112は、例えば、撮像装置11a,11bのステレオ視差に基づいて車間距離および横方向の距離を計測するが、他の公知の手法を用いても良い。また、計測部112は、ステレオ視差に基づく深度マップ(depth map)を生成し、当該深度マップを用いて車間距離および横方向の距離を補正しても良い。また、計測部112は、後述の車両グループ特定部115によって特定された車両グループの長さや幅、プローブ車両1と車両グループとの横方向の距離を計測する。
【0028】
車速算出部113は、撮像画像に含まれる車両2a〜2cのうち、プローブ車両1と最も近接している車両2aの車速を算出する。より詳細には、車速算出部113は、プローブ車両1と車両2aとの車間距離の一定時間内における変化量から車両2aの相対速度を算出し、車両2aの相対速度とプローブ車両1の車速から車両2aの車速を算出する。
【0029】
走行判断部114は、車両2aの車速が時速0kmである場合に、車両2aが停止している(走行していない)と判断する。また、走行判断部114は、車速が閾値未満である場合に車両2が走行していないと判断してもよい。
【0030】
車両グループ特定部115は、プローブ車両1と最も近接している車両2aが停止していると走行判断部114によって判断された場合に、撮像画像において車両2aと同じ車線上の前方に存在する車両2b,2cも車両2aと同様に停止していると判断する。この場合、車両グループ特定部115は、車両2aと、車両2b,2cとを、車両グループとして特定する。車両2b,2cは、本実施形態における他の車両の一例である。
【0031】
車両グループは、撮像装置11が一度に撮像可能な撮像範囲に含まれ、かつ、同一車線上に停止している1台以上の車両2のグループである。車両グループ特定部115は、車両2aと、車両2b,2cのそれぞれとの横方向の距離が閾値以下の場合に、車両2b,2cが車両2aと同じ車線上に存在すると判断する。なお、車両グループに含まれる車両2の数は3台に限定されるものではない。
【0032】
車両グループ特定部115は、特定した車両グループの車両グープIDを決定する。また、車両グループ特定部115は、特定した車両グループに含まれる車両2の台数を計数する。車両グループは、車列レット(let)ともいう。
【0033】
また、車両グループ特定部115は、撮像画像に含まれる車両2a〜2cのうち、他の車両2によって隠蔽されず、車体全体が撮像画像に含まれる車両2が停止していると判断された場合に、他の車両2も停止していると判断しても良い。
【0034】
属性検出部116は、車両グループに含まれる車両2の色と、車高とを、車両2の属性情報として検出する。
【0035】
ID決定部117は、車両検出部111によって検出された車両2のそれぞれを特定可能な各車両2の車両ID(識別情報)を決定する。車両IDは、例えば“1”、“2”等の数字であるが、これに限定されるものではなく、アルファベット等でも良い。本実施形態のID決定部117は、車両検出部111によって連続して検出された複数の車両2には、連続する数字またはアルファベット等を車両IDとして決定する。ID決定部117は、少なくとも1つの撮像画像内では各車両2の車両IDがユニークとなるように車両IDを決定する。また、ID決定部117は、異なる撮像画像から検出された車両2であっても、公知の画像処理の技術や撮像時刻、撮像位置等に基づいて、同一の車両2であると判断した場合は、同一の車両IDを割当てる。ID決定部117は、本実施形態における識別情報決定部の一例である。
【0036】
送信部118は、撮像画像と、撮像位置と、撮像時刻と、車両グループIDと、車両グループに含まれる車両2の車両IDと、計測部112によって計測された各種の距離と、車両グループに含まれる車両2の属性情報(色、車高)と、撮像装置11の撮像装置IDと、自車のプローブ車両IDとを対応付けて、車両グループ5ごとに情報処理装置8へ送信する。送信部118が送信する情報は、これらに限定されるものではない。
【0037】
次に、情報処理装置8の詳細を説明する。情報処理装置8は、サーバ、またはPC(Personal Computer)等であり、CPUと、メモリと、HDDと、通信インタフェース(I/F)等を備える通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0038】
図5は、本実施形態にかかる情報処理装置8が有する機能の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置8は、受信部801と、位置補正部802と、車列特定部803と、停車評価部804と、駐車評価部805と、判別部806と、画像生成部807と、送信部808と、記憶部850とを備える。
【0039】
記憶部850は、車線データベース(DB)851と、デジタルマップ852と、履歴データベース(DB)853と、停留所位置データベース(DB)854と、駐車可能区間データベース(DB)855と、信号機位置データベース(DB)856と、踏切位置データベース(DB)857とを記憶する。記憶部850は、HDD等である。
【0040】
車線データベース851は、道路上の車線の位置(緯度、経度)の情報が登録されたデータベースである。デジタルマップ852は、デジタルデータ化された地図情報である。
【0041】
履歴データベース853は、後述する判別部806による過去の判別結果を履歴として保存するデータベースである。
【0042】
停留所位置データベース854は、バスの停留所の位置(緯度、経度)が登録されたデータベースである。また、駐車可能区間データベース855は、路上で駐車可能な位置、例えばパーキングメータの位置等が登録されたデータベースである。信号機位置データベース856は、信号機の位置(緯度、経度)が登録されたデータベースである。踏切位置データベース857は、踏切の位置(緯度、経度)が登録されたデータベースである。
【0043】
受信部801は、制御装置10から、撮像画像と、撮像位置と、撮像時刻と、車両グループIDと、車両グループに含まれる車両2の車両IDと、計測部112によって計測された各種の距離と、車両グループに含まれる車両2の属性情報と、撮像装置11の撮像装置IDと、プローブ車両1のプローブ車両IDと、車両グループIDと受信する。
【0044】
位置補正部802は、受信部801が受信した撮像位置(撮像画像の撮像時刻におけるプローブ車両1の位置)を、車線データベース851およびデジタルマップ852を用いて道路の各車線上の位置に補正する。また、位置補正部802は、補正後の撮像位置と、プローブ車両1と車両2の車間距離および幅方向の距離と、車両グループの長さおよび幅から、車両グループの先端と後端の位置(緯度、経度)を特定する。
【0045】
車列特定部803は、撮像時刻と、補正後の撮像位置と、車両グループに含まれる車両2の属性情報と、車両グループに含まれる車両2の車両IDとに基づいて、複数の車両グループを選定し、選定した複数の車両グループを1つの車列として特定する。車列の特定の手法の詳細は後述する。
【0046】
停車評価部804は、停車車列条件に基づいて、停車車列評価値を算出する。停車車列条件は、停車車列の特徴を示す条件である。また、停車車列条件は、車列が停車車列であると判定するための判定条件ともいう。停車車列評価値は、車列特定部803よって特定された車列が停車車列である可能性の高さを示す値である。また、停車車列評価値は、停車車列らしさともいう。
【0047】
駐車評価部805は、駐車車列条件に基づいて、駐車車列評価値を算出する。駐車車列条件は、駐車車列の特徴を示す条件である。また、駐車車列条件は、車列が駐車車列であると判定するための判定条件ともいう。駐車車列評価値は、車列特定部803よって特定された車列が駐車車列である可能性の高さを示す値である。また、駐車車列評価値は、駐車車列らしさともいう。以下、停車車列条件と駐車車列条件とを区別しない場合には、単に条件という。条件の具体的な内容については、後述する。
【0048】
判別部806は、停車車列評価値 と駐車車列評価値とに基づいて、特定された車列が停車車列であるか、駐車車列であるか、停車車列であるか駐車車列であるかが不明な車列であるか、を判別する。
【0049】
画像生成部807は、車両グループの位置、または車列の位置を地図上に示す表示画像を生成する。より詳細には、画像生成部807は、複数の車両グループの位置を地図上にマッピングし、複数の車両グループの位置が重複する範囲を強調して表示する画像を、表示画像として生成する。
【0050】
送信部808は、判別部806による車列の判別結果と、撮像画像等のデータを交通情報提供業者9へ送信する。また、送信部808は、画像生成部807によって生成された表示画像を交通情報提供業者9へ送信する。
【0051】
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。
図6は、本実施形態にかかる制御装置10で実行される車両グループの検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御装置10は、プローブ車両1の走行中に、一定時間ごとにこのフローチャートの処理を実行する。
【0052】
まず、取得部110は、撮像装置11から撮像画像を取得する。そして、取得部110は、計時回路106から現在時刻を、撮像時刻として取得する。取得部110は、GPSモジュール105から撮像時刻におけるプローブ車両1(自車)の位置を、撮像位置として取得する。また、取得部110は、プローブ車両1の現在の車速を、ECUから取得する(S1)。取得部110は、車輪速センサから取得した車輪速や、GPS電波に基づくプローブ車両1の位置の変化等から、プローブ車両1の車速を算出しても良い。
【0053】
次に、車両検出部111は、取得された撮像画像から車両2を検出する(S2)。
図7は、本実施形態にかかる制御装置10によって検出される車両2の一例を示す図である。
図7に示す位置にプローブ車両1が位置する場合、撮像装置11の撮像画像には、プローブ車両1の左側に隣接する車線上の車両2a〜2cが含まれる。この場合、車両検出部111は、撮像画像から、車両2a〜2cを検出する。
【0054】
次に、ID決定部117は、検出された車両2a〜2cのそれぞれの車両IDを決定する(S3)。例えば、ID決定部117は、車両2a〜2cの車両IDを順に“1”、“2”、“3”と決定する。
【0055】
次に、計測部112は、撮像画像に含まれる車両2a〜2cのうち、プローブ車両1(自車)に最も近い車両2aとプローブ車両1との車間距離3を計測する(S4)。そして、車速算出部113は、車間距離3の一定時間内における変化量から車両2aの相対速度を算出し、車両2aの相対速度とプローブ車両1の車速とに基づいて車両2aの車速を算出する(S5)。
【0056】
走行判断部114は、車両2aの車速が時速0kmであるか否かを判断する(S6)。走行判断部114は、車両2aの車速が時速0kmではない場合(S6“No”)、車両2が走行していると判断する。この場合、処理は終了する。
【0057】
走行判断部114は、車両2aの車速が時速0kmである場合(S6“Yes”)、車両2が停止していると判断する。この場合、計測部112は、撮像画像から検出された車両2a〜2c間の横方向の距離を計測する(S7)。
図7に示す例では、車両2a〜2cのそれぞれの長手方向(前後方向)の中心35a〜35cは略等しいため、車両2a〜2c間の横方向の距離は、“0m”となる。
【0058】
次に、車両グループ特定部115は、停止していると判断された車両2aと、他の車両2b,2cのそれぞれとの横方向の距離が閾値以下であるか否かを判断する(S8)。車両2aと、車両2b,2cとの横方向の距離が閾値以下である場合(S8“Yes”)、車両グループ特定部115は、車両2b,2cは、車両2aと同一の車線上に位置すると判断する。この場合、車両グループ特定部115は、停止していると判断された車両2aと、他の車両2b,2cとを1つの車両グループ5として特定する(S9)。車両グループは、特定した車両グループの車両グループIDを決定する。
【0059】
また、
図7に示した車両2d〜2gは、
図7に示す位置にプローブ車両1が位置する時点では撮像画像に含まれないが、プローブ車両1が進行すると、撮像画像に含まれる。このため、車両グループ特定部115は、プローブ車両1の移動に伴って、異なる車両2を含む異なる車両グループ5を特定する。
【0060】
次に、計測部112は、特定された車両グループ5に含まれる車両2a〜2c間の車間距離をそれぞれ計測する(S10)。また、計測部112は、プローブ車両1と車両2b,2cとの車間距離も計測する。計測部112は、車両グループ5の先頭の車両2cの先端部から車両グループ5の後端の車両2aの後端部までの距離を、車両グループ長37として計測する。計測部112は、車両グループ5の後端の車両2aの車幅を車両グループ幅38として計測し、車両グループ5の後端の車両2aの車幅の中心からプローブ車両1までの距離を、プローブ車両1と車両グループ5との横方向の距離36として計測する。
【0061】
また、車両2aと、車両2b,2cのそれぞれとの横方向の距離が閾値より長い場合(S8“No”)、車両グループ特定部115は、車両2b,2cは車両2aと同一の車線上に位置しないと判断する。この場合、車両グループ特定部115は、1台の車両2aを、1つの車両グループ5として特定する(S11)。また、S2の処理で撮像画像から検出された車両2が1台のみである場合は、S8〜S10の処理は実行されず、S7の処理の後にS11の処理が実行される。
【0062】
S10またはS11の処理で車両グループ5が特定された後、属性検出部116は、特定された車両グループ5に含まれる車両2aまたは車両2a〜2cのそれぞれの色と、車高とを属性情報として検出する(S12)。
【0063】
そして、送信部118は、撮像画像と、撮像位置と、撮像時刻と、車両グループ5の車両グループIDと、車両グループ5に含まれる車両2の車両IDと、プローブ車両1と車両グループ5に含まれる1または複数の車両2の車間距離と、車両グループ長37と、車両グループ幅38と、プローブ車両1と車両グループ5との横方向の距離36と、車両グループ5に含まれる車両2の属性情報と、撮像装置IDと、自車のプローブ車両IDとを対応付けて、車両グループ5ごとに情報処理装置8へ送信する(S13)。送信部118は、車両グループ5を含む撮像画像の全てではなく、いずれかのフレームを選択して送信しても良い。
【0064】
車両グループ5に複数の車両2が含まれる場合は、送信部118は、さらに、車両グループ5に含まれる複数の車両2間の車間距離を情報処理装置8へ送信しても良い。また、送信部118はさらに、車両グループ5に含まれる複数の車両2間の横方向の距離や、車両グループに含まれる車両2の台数等の情報を情報処理装置8へ送信しても良い。
【0065】
図8は、実施形態にかかる情報処理装置8で実行される判別処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
受信部801は、プローブ車両1の制御装置10から、撮像画像と、撮像位置と、撮像時刻と、車両グループ5の車両グループIDと、車両グループ5に含まれる車両IDと、車間距離と、車両グループ長37と、車両グループ幅38と、プローブ車両1と車両グループ5との横方向の距離36と、車両グループ5に含まれる車両2の属性情報と、撮像装置IDと、プローブ車両IDと、を受信する(S21)。
【0067】
次に、位置補正部802は、受信部801が受信した撮像位置を、車線データベース851およびデジタルマップ852を用いて道路の車線上の位置に補正する(S22)。
【0068】
そして、位置補正部802は、補正後の撮像位置と、プローブ車両1と車両グループ5に含まれる車両2a〜2cの車間距離と、車両グループ長37と、車両グループ幅38と、プローブ車両1と車両グループ5との横方向の距離36と、に基づいて、車両グループ5の先端と後端の位置(緯度、経度)、および車両グループ5の前後方向の中心の位置をそれぞれ特定する(S23)。
【0069】
次に、車列特定部803は、プローブ車両1の制御装置10によって特定された複数の車両グループ5を選定し、選定した複数の車両グループ5を1つの車列として特定する(S24)。
【0070】
図9は、本実施形態にかかる情報処理装置8で特定される車列50の一例を示す図である。
図9の車両グループ5a〜5dは、1台のプローブ車両1によって時系列に特定された複数の車両グループ5である。
【0071】
車列特定部803は、撮像時刻と、補正後の撮像位置と、車両グループ5に含まれる車両2の属性情報と、車両グループ5に含まれる車両2の車両IDとに基づいて、同一車線に位置し、かつ、各車両2a間の車間距離が標準的な車両2の2台分の車長以下となる複数の車両グループ5を1つの車列50として特定する。例えば、車列特定部803は、撮像時刻の差が所定の時間以下の複数の車両グループ5のうち、補正後の撮像位置が所定の距離以下の車両グループ5を選定する。さらに、車列特定部803は、車両IDと属性情報(色、車高)に基づいて、異なる車両グループ5から同一の車両2を特定し、同一の車両2を含む複数の車両グループ5を1つの車列50として特定する。
【0072】
図9に示す例では、車両グループ5aの先頭の車両2cの車両ID“3”と、車両グループ5bの後端の車両2cの車両ID“3”は同一である。また、車両グループ5bの先頭の車両2eの車両ID“5”と、車両グループ5bの後端の車両2eの車両ID“5”は同一である。さらに、車両グループ5aの車両2cと車両グループ5bの車両2cの色および車高は同一であり、車両グループ5bの車両2eと車両グループ5bの車両2eの色および車高は同一である。この場合、車列特定部803は、車両グループ5aの車両2cと、車両グループ5bの車両2cは同一の車両2であると判断する。また、車列特定部803は、車両グループ5bの車両2eと、車両グループ5bの車両2eは同一の車両2であると判断する。
【0073】
各車両グループ5の先頭の車両2と後端の車両2とが同一であるため、車列特定部803は、車両グループ5a〜5cは同一車線上に連続して位置していると判断する。この場合、車列特定部803は、車両グループ5a〜5cを1つの車列50aとして特定する。
【0074】
また、車両グループ5cと、車両グループ5dとの間で車両IDが重複する車両2はない。また、
図9の例では、車両グループ5cの先端と、車両グループ5dの後端との距離は標準的な車両2の2台分の車長よりも離れている。このような場合は、車列特定部803は、車両グループ5dは、車列50aとは異なる車列50dであると特定する。
【0075】
上述の例では車列特定部803は、車両IDと属性情報の両方に基づいて同一の車両2を特定したが、いずれか一方のみを用いても良い。また、車列特定部803は、属性情報のうち、色または車高のいずれか一方のみに基づいて、車列50を特定しても良い。また、車列特定部803は、複数の車両2の色または車高が同一でなくとも、所定の基準以上類似していれば、同じ車両2と判断しても良い。また、車列特定部803は、車両IDおよび属性情報を用いずに、撮像時刻と、補正後の撮像位置とから、各車両グループ5a〜5dの位置関係を特定し、連続する車両グループ5を選定する構成を採用しても良い。また、車列特定部803は、各車両グループ5に含まれる車両2間の車間距離に基づいて、車両2間の車間距離が標準的な車両2の2台分の車長以下となる複数の車両グループ5を選定し、選定した複数の車両グループ5を1つの車列50として特定しても良い。
【0076】
また、
図9に示す車両グループ5a〜5dは、それぞれ異なるプローブ車両1の制御装置10が特定したものでも良い。この場合、車列特定部803は、異なるプローブ車両1の制御装置10が特定した複数の車両グループ5を1つの車列50として特定する。
【0077】
また、車両グループ5は、制御装置10によって停止していると判断されているため、車列特定部803は、特定した車列50を、停止しているものと判断する。
【0078】
図8のフローチャートに戻り、停車評価部804は、特定された車列50が停車車列条件を満たすか否かを判断し、車列50が満たした停車車列条件に対応付けられたポイントの合計値を、停車車列評価値として算出する(S25)。
【0079】
図10は、本実施形態にかかる条件の一例を示す図である。
図10に示す区分は、各条件が停車車列条件か駐車車列条件かを区別する区分である。また、条件IDは、各条件を特定するための番号である。各条件には、ポイントが対応付けられている。ポイントは、各条件の重要度を示す数値である。一例として、条件の重要度が高いほど、大きい値のポイントが対応付けられる。本実施形態においては、各条件の内容および各条件に対応付けられたポイントの値は、記憶部850等に予め保存されているものとする。
【0080】
具体的には、停車車列条件は、“車列50の位置が、車線の中央付近である。”(条件ID“1”)、“停止していた車列50の移動を検出した。”(条件ID“2”)、“車列50の先端の位置から車列50の進行方向に位置する信号機または踏切までの距離が、閾値以下である。”(条件ID“3”)、“車列50の先端の位置からパーキングメータまでの距離が、閾値より長い。”(条件ID“4”)、“車列50の先端の位置からバスの停留所までの距離が、閾値以下である。”(条件ID“5”)、“過去に検出された車列50のうち、今回検出された車列50と先端または後端の位置が同じ車列50が、停車車列であった割合が閾値以上である。”(条件ID“6”)という条件を含む。
【0081】
停車評価部804は、車列50に含まれる各車両グループ5の前後方向の中心の位置と、車線データベース851に登録された車線の位置の情報とに基づいて、車列50の位置が、車線の中央と路肩とのいずれにより近いかを判断する。停車評価部804は、車列50の位置が、車線の中央により近いと判断した場合、車列50は条件ID“1”の停車車列条件を満たすと判断する。
【0082】
また、停車評価部804は、車列50の位置の移動を一定時間内に検出した場合、または、一定時間内に車列50に含まれる車両2の属性情報が大きな変化があった場合に、車列50が移動して入れ替わったものと判断し、車列50は条件ID“2”の停車車列条件を満たすと判断する。
【0083】
また、停車評価部804は、車列50の先端の位置から、信号機位置データベース856、踏切位置データベース857、駐車可能区間データベース855、または停留所位置データベース854に登録された信号機、踏切、パーキングメータ、バスの停留所までの距離をそれぞれ算出し、車列50が条件ID“3”,“4”,“5”の停車車列両条件を満たすか否かを判断する。一例として、条件ID“3”の閾値は“50m”、条件ID“4”の閾値は“20m”、条件ID“5”の閾値は“30m”とする。
【0084】
また、停車評価部804は、履歴データベース853に保存された過去の判定結果から、今回検出された車列50と先端または後端の位置が同じ車列50が、停車車列であった割合を算出し、車列50が条件ID“6”の停車車列条件を満たすか否かを判断する。
【0085】
次に、駐車評価部805は、特定された車列50が駐車車列条件を満たすか否かを判断し、車列50が満たした駐車車列条件に対応付けられたポイントの合計値を、駐車車列評価値として算出する(S26)。
【0086】
駐車車列条件は、“車列50の位置が、車線の中央よりも路肩寄りである。”(条件ID“101”)、“車列50の先端の位置から信号機および踏切までの距離が、閾値より長い”(条件ID“102”)、“車列50の先端の位置からパーキングメータまでの距離が、閾値以下である。”(条件ID“103”)、“車列50の先端の位置からバスの停留所までの距離が、閾値より長い。”(条件ID“104”)、“過去に検出された車列50のうち、今回検出された車列50と先端または後端の位置が同じ車列50が、駐車車列であった割合が閾値以上である。”(条件ID“105”)、“検出された車列50と先端または後端の位置が同じ車列50であって、車列50に含まれる車両2の属性が類似している車列50が、他のプローブ車両によって検出されている。”(条件ID“106”)という条件を含む。
【0087】
駐車評価部805は、車列50の位置が車線の中央よりも車線の中央により近いと判断した場合、車列50は条件ID“101”の駐車車列条件を満たすと判断する。また、条件ID“102”の閾値は、条件ID“3”の閾値よりも大きく、例えば“100”とする。また、条件ID“103”の閾値は条件ID“4”の閾値よりも小さく、例えば“10m”とする。また、条件ID“104”の閾値は条件ID“5”の閾値よりも大きく、例えば“80m”とする。停車評価部804および駐車評価部805は、停車車列条件と駐車車列条件とで異なる閾値を用いて判断するため、停車車列と駐車車列のいずれの特徴にもあてはまらない車列50にポイントを加算することを抑制する。
【0088】
次に、判別部806は、停車車列評価値から駐車車列評価値を減算して差分を求める(S27)。判別部806は、停車車列評価値と駐車車列評価値との差分が“10”以上か否かを判断する(S28)。
【0089】
差分が“10”以上の場合に(S28“Yes”)、判別部806は、車列50が停車車列であると判断する(S29)。この場合、送信部808は、判別結果と、撮像時刻と、車列50の先端および後端の位置と、車列50が満たした条件の条件IDと、停車車列の位置から信号等までの距離と、を交通情報提供業者9へ送信する(S30)。
【0090】
また、停車車列評価値と駐車車列評価値との差分が“10”未満の場合に(S28“No”)、判別部806は、差分が“−10”以下か否かを判断する(S31)。差分が“−10”以下の場合に(S31“Yes”)、判別部806は、車列50が駐車車列であると判断する(S32)。この場合、送信部808は、判別結果と、撮像画像と、撮像時刻と、車列50の先端および後端の位置と、車列50が満たした条件の条件IDと、を交通情報提供業者9へ送信する(S33)。S30およびS33の処理で送信部808が送信する撮像画像および撮像時刻は、車列50に含まれる含む複数の車両グループ5に対応付けられた複数の撮像画像および撮像時刻である。
【0091】
また、停車車列評価値と駐車車列評価値との差分が“10”未満かつ“−10”より大きい場合に(S28“No”,S31“No”)、判別部806は、車列50が停車車列であるか駐車車列であるかが不明な車列50であると判断する(S34)。
【0092】
S30,S33,S34の何れかの処理の後、判別部806は、判別結果を履歴データベース853に保存する(S35)。より詳細には、判別部806は、判別結果と、車列50が満たした条件の条件IDと、車列50の先端および後端の位置と、車列50に含まれる車両グループ5内の車両2の属性情報と、車列50に含まれる車両グループ5を検出したプローブ車両1のプローブ車両IDと、車列50に含まれる車両グループ5に対応付けられた複数の撮像画像および撮像時刻と、車列50に含まれる車両グループ5内の車両2間の車間距離と、を対応付けて履歴データベース853に保存する。さらに、判別部806は、深度マップや補正後の撮像位置等を履歴データベース853に保存しても良い。
【0093】
次に、画像生成部807は、特定された車列50に含まれる車両グループ5の位置を地図上に表示する表示画像を生成する(S36)。
【0094】
図11は、本実施形態にかかる表示画像の一例を示す図である。
図11に示すように、画像生成部807は、車両グループ5a〜5cの位置をそれぞれ地図上に表示する。また、各車両グループ5内の中で、撮像時刻においてプローブ車両1により近い方が検出の精度がより高い。このため、画像生成部807は、各車両グループ5の表示色の濃度を標準的な車両2の車長ごとに分け、撮像時刻においてプローブ車両1により近い位置ほど濃い色で強調して表示する。
【0095】
また、画像生成部807は、複数の車両グループ5の位置が重複する範囲を強調して地図上に表示する。例えば、
図11に示すように、画像生成部807は、複数の車両グループ5の位置が重複する範囲を、濃い色で表示する。また、プローブ車両1−1〜1−3は、車両グループ5a〜5cが撮像された時点におけるプローブ車両1の位置(撮像位置)を示す。
【0096】
画像生成部807は、表示色の濃度を標準的な車両2の車長ごとに分けるのではなく、表示色の濃度のグラデーションで表示をしても良い。また、画像生成部807は、停車車列と駐車車列とを異なる態様で表示画像上に表示しても良い。
【0097】
また、送信部808は、画像生成部807によって生成された表示画像を、交通情報提供業者9へ送信する(S37)。
【0098】
従来技術においては、道路上で停止している車両2が1台検出される毎に、当該車両2が一定時間以上駐車しているのか一時的に停車しているのかを判別していた。このような従来技術では、道路上に複数の車両2が停止している場合に、車両2の台数分判別の処理を実行することになり、処理の負荷が高くなる場合があった。これに対し、本実施形態の情報処理装置8では、複数の車両グループ5を1つの車列50として特定し、車列50ごとに停車車列であるか駐車車列であるかを判別する。このため、本実施形態の情報処理装置8によれば、一度の判別の処理で複数の停車または駐車している車両2を含む車列50を判別することができ、複数の車両2が停止している場合に、個々の車両2ごとに判別するよりも、判別のための処理の負荷を低減することができる。
【0099】
また、本実施形態の情報処理装置8は、車列50ごとに、複数の停車車列条件および複数の駐車車列条件に基づいて停車車列評価値と駐車車列評価とを算出する。このため、本実施形態の情報処理装置8によれば、車列50に含まれる全ての車両2を検出できなくとも、道路上の停車車列または駐車車列を、高精度に特定することができる。
【0100】
また、本実施形態の情報処理装置8は、撮像時刻と、撮像位置と、車両グループ5に含まれる車両2の属性情報と、に基づいて、異なる車両グループ5から同一の車両2を特定し、同一の車両2を含む複数の車両グループ5を1つの車列50として特定する。このため、本実施形態の情報処理装置8によれば、連続する複数の車両グループ5を特定し、高精度に車列50を特定することができる。
【0101】
また、本実施形態では、車両2の属性情報は、車両2の色と、車高と、を含むため、本実施形態の情報処理装置8によれば、属性情報に基づいて、外観が類似する車両2を特定することができる。
【0102】
また、本実施形態の情報処理装置8は、さらに、車両IDに基づいて、異なる車両グループ5から同一の車両2を特定し、同一の車両2を含む複数の車両グループ5を1つの車列50として特定する。このため、本実施形態の情報処理装置8によれば、高精度に同一の車両2を特定することができ、より高精度に車列50を特定することができる。
【0103】
また、本実施形態の情報処理装置8は、車列50の先端の位置または後端の位置が停車車列条件のいずれかを満たす場合に停車車列評価値を加算し、車列50の先端の位置または後端の位置が駐車車列条件のいずれかを満たす場合に、駐車車列評価値を加算する。このため、本実施形態の情報処理装置8によれば、誤検出等によって個々の車両2が停止している位置を正確に検出できない場合であっても、車列50全体として、停車車列であるか駐車車列であるかを判別することができる。
【0104】
また、本実施形態の情報処理装置8によれば、複数の車両グループ5の位置が重複する範囲を強調して地図上に表示する表示画像を生成するため、表示画像上で、停止している車両2が存在している可能性の高い箇所を示すことができる。
【0105】
また、本実施形態の制御装置10は、撮像画像から検出した車両2aが停止していると判断された場合に、車両2aと、撮像画像において車両2aと同じ車線上に存在する車両2b,2cと、を車両グループ5として特定する。このため、本実施形態の制御装置10によれば、撮像画像に含まれる車両グループ5が停止しているか否かを判断する際の処理の負荷および処理時間を削減することができる。また、本実施形態の制御装置10によれば、処理時間を削減することによって検出処理の周期を短縮することが可能となり、検出処理中に車両2が他の車両2に入れかわることによる誤検出を低減することができる。
【0106】
また、本実施形態の制御装置10によれば、車両グループ5に含まれる車両2a〜2cの色と、車高とを属性情報として検出するため、情報処理装置8は当該色と、車高とに基づいて同一の車両2を含む車両グループ5を選定し、高精度に車列50を特定することができる。
【0107】
また、本実施形態の制御装置10によれば、検出された車両2を特定可能な車両IDを決定する。制御装置10がこのような構成を備えることによって、本実施形態の情報処理装置8によれば、同一の車両2を含む車両グループ5をより高精度に選定し、車両50を特定することができる。
【0108】
なお、本実施形態における閾値や、各データベースに保存されるデータの内容等は一例であり、これに限定されるものではない。
【0109】
(変形例1)
上述の実施形態では、情報処理装置8の画像生成部807は、1台のプローブ車両1によって特定された複数の車両グループ5を表示していたが、さらに、反対車線を走行するプローブ車両1によって特定された複数の車両グループ5を重畳して表示しても良い。
【0110】
図12は、変形例1にかかる表示画像の一例を示す図である。画像生成部807は、プローブ車両1によって特定された車両グループ5a〜5cを含む車列50aに、プローブ車両1の反対車線を走行するプローブ車両1bによって特定された車両グループ5d〜5gを含む車列50cを重畳して表示する表示画像を生成する。プローブ車両1b−1〜1b−3は、車両グループ5d〜5gが撮像された時点におけるプローブ車両1bの位置を示す。画像生成部807は、反対車線を走行するプローブ車両1が特定した車両グループ5を重畳して表示することにより、車線上で停止している車列50の位置を、より高精度に表示することができる。
【0111】
(変形例2)
また、画像生成部807は、プローブ車両1の前方カメラで撮像された撮像画像から特定された車両グループ5と、後方カメラで撮像された撮像画像から特定された車両グループ5とを重畳して表示しても良い。
【0112】
図13は、変形例2にかかる表示画像の一例を示す図である。本変形例のプローブ車両1は、前方を撮像する撮像装置11(前方カメラ)に加えて、プローブ車両1の後方を撮像する他の撮像装置(後方カメラ)を備える。後方カメラの撮像装置IDは、前方カメラの撮像装置IDとは異なる。画像生成部807は、プローブ車両1の前方カメラで撮像された撮像画像から特定された車両グループ5a〜5cを含む車列50aに、プローブ車両1の前方カメラで撮像された撮像画像から特定された車両グループ5a−2〜5c−2を含む車列50a−2を重畳して表示する表示画像を生成する。プローブ車両1−4〜1−6は、車両グループ5a−2〜5c−2が撮像された時点におけるプローブ車両1bの位置を示す。
【0113】
本変形例の情報処理装置8によれば、1台のプローブ車両1から撮像された撮像画像から、車列50の位置をより高精度に表示することができる。
【0114】
また、本変形例の構成を採用する場合、車列特定部803においても、前方カメラで撮像された撮像画像から特定された車両グループ5と、後方カメラで撮像された撮像画像から特定された車両グループ5とを車列50として特定しても良い。また、プローブ車両1は、左右の側方等を撮像する撮像装置をさらに備えても良い。画像生成部807は、側方を撮像した撮像画像に含まれる車両グループ5を、さらに重畳して表示しても良い。
【0115】
(変形例3)
プローブ車両1は、道路上を走行するトラム車両、自動二輪車、自動運転車両等であっても良い。また、判別対象である車両2も、トラム車両等であっても良い。
【0116】
(変形例4)
停車評価部804および駐車評価部805は、車両グループ5ごとに条件を満たすか否かを判断して、停車車列評価値および駐車車列評価値を算出しても良い。また、判別部806は、車両グループ5ごとに、停車または駐車の判別を行っても良い。
【0117】
(変形例5)
情報処理装置8は、上述の実施形態における制御装置10の車両検出部111、計測部112、車速算出部113、走行判断部114、車両グループ特定部115、属性検出部116、ID決定部117のいずれかまたは全てを備える構成としても良い。当該構成を採用する場合、例えば、制御装置10の送信部118は、撮像画像と、撮像位置と、撮像時刻とを情報処理装置8へ送信する。
【0118】
(変形例6)
判別部806によって駐車車列と判別された車列50が、条件ID“3”または“5”の条件を満たしていた場合、車列50は、信号機や踏切、バスの停留所等の付近等の駐車禁止区域に駐車している可能性がある。この場合、送信部808は、車列50が駐車禁止区域に駐車している可能性が高いことを、交通情報提供業者9へ送信しても良い。
【0119】
(その他の変形例)
図10に示す条件は一例であり、例えば、停車車列条件または駐車車列条件は、さらに、赤外線カメラによって検出された車両2のマフラーの温度に基づく条件を含むものとしても良い。また、各条件で用いられる閾値は、時刻、曜日(平日、土曜日、日曜日、祝祭日等)、月ごとの日の出または日の入りの時刻等に応じて変動しても良い。また、条件およびポイントは、情報処理システムSの運用開始後に変更されても良い。また、情報処理装置8は、外部装置から条件等をダウンロードしても良い。
【0120】
位置補正部802は、数秒間隔で取得されたプローブ車両1の位置の履歴に基づいて、撮像位置を補正しても良い。また、制御装置10は、プローブ車両1のカーナビゲーションシステムから取得した情報を用いて、撮像位置を補正しても良い。また、位置補正部802は、公知の画像処理の手法によって、撮像画像から車線を検出しても良い。
【0121】
記憶部850に記憶された各種のデータベースは、クラウド環境に保存されるものとしても良い。また、デジタルマップ852、駐車可能区間データベース855、信号機位置データベース856等は、一定期間ごとに新しい情報に更新されても良い。
【0122】
情報処理装置8は、過去の履歴における停車車列および駐車車列の割合を予め算出しても良い。例えば、判別部806は、判別結果を履歴データベース853に保存する度に、過去の履歴における停車車列および駐車車列の割合を算出し、保存しても良い。また、判別部806は、処理の負荷が低い時間帯にバックグラウンド処理としてこれらの割合を算出しても良い。また、これらの割合は、外部のクラウド環境等で算出されても良い。
【0123】
実施形態の制御装置10または情報処理装置8で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、実施形態の制御装置10または情報処理装置8で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の制御装置10または情報処理装置8で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、実施形態の制御装置10または情報処理装置8で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0124】
実施形態の制御装置10で実行されるプログラムは、上述した各部(取得部、車両検出部、計測部、算出部、走行判断部、車両グループ特定部、属性検出部、ID決定部、送信部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから当該プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、取得部、車両検出部、計測部、算出部、走行判断部、車両グループ特定部、属性検出部、ID決定部、送信部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0125】
実施形態の情報処理装置8で実行されるプログラムは、上述した各部(受信部、位置補正部、車列特定部、停車評価部、駐車評価部、画像生成部、送信部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受信部、位置補正部、車列特定部、停車評価部、駐車評価部、画像生成部、送信部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。