(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0011】
以下の説明においては、「塵埃」に塵、埃及びその他の電気掃除機で吸引できるごみが含まれる。
【0012】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る電気掃除機1の斜視図である。電気掃除機1は、本体2と、ホース3と、手元ハンドル体4と、パイプ5と、吸込み具6とを備える。使用者は、電気掃除機1を用いて被清掃面を清掃する。被清掃面は床、畳、絨毯及びその他の面で塵埃を除去することで清掃される面である。
【0013】
本体2は内部に、電動送風機9と、集塵部10とを備える。電動送風機9は、吸引風を発生させる。吸引風は被清掃面から塵埃を吸引する気流である。集塵部10は、吸込み具6から吸引される塵埃を捕集する。集塵部10は、袋状のフィルターによって集塵する。即ち、集塵部10に紙パック式の集塵方法が採用される。なお、集塵部10で塵埃を捕集する方法は特定の方法に限定されない。集塵部10は、旋回流によって分離された塵埃を捕集しても良い。即ち、集塵部10にサイクロン式の集塵方法が採用されても良い。
【0014】
本体2は、側面に車輪11aを備える。本体2は、下面に車輪11bを備える。車輪11bは車輪11aより小さい。車輪11bは、回転軸の向きが可変である。このため、本体2の向きは車輪11a及び車輪11bが被清掃面に接触した状態で容易に変えられる。したがって、本体2は被清掃面の上で容易に移動できる。
【0015】
ホース3は、中空の部材である。ホース3は、蛇腹形状であり、可撓性を有する。ホース3は、端部に硬質の接続部3aを備える。接続部3aは、本体2に接続される。接続部3aと本体2とは着脱が可能である。
【0016】
手元ハンドル体4は、電気掃除機1を取り回すためのものである。手元ハンドル体4には、電気掃除機1の運転を開始する電源スイッチを備える。手元ハンドル体4の一つの端部は、ホース3に接続される。手元ハンドル体4の他の端部は、パイプ5に接続される。手元ハンドル体4とパイプ5とは着脱が可能である。手元ハンドル体4は、解除ボタン4aを有する。解除ボタン4aが操作されることで、手元ハンドル体4とパイプ5との接続が解除される。
【0017】
パイプ5は、直円筒形状の中空の部材である。パイプ5は、伸縮構造を有する。パイプ5は、伸縮ボタン5bを端部に有する。伸縮ボタン5bが操作されることで、パイプ5が伸縮する。パイプ5の一つの端部は、手元ハンドル体4に接続される。パイプ5の他の端部は、吸込み具6に接続される。パイプ5と吸込み具6とは着脱が可能である。パイプ5は、解除ボタン5aを有する。解除ボタン5aが操作されることで、パイプ5と吸込み具6との接続が解除される。
【0018】
吸込み具6とパイプ5とは、内部の空間が通じている。パイプ5と手元ハンドル体4とは、内部の空間が通じている。手元ハンドル体4とホース3とは、内部の空間が通じている。ホース3と本体2とは、内部の空間が通じている。
【0019】
図2は本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の斜視図である。被清掃面を清掃するときは、使用者は吸込み具6を進行方向Sに進める。本実施の形態においては、進行方向Sを前方とする。また、被清掃面と平行な面内で進行方向Sに垂直な方向Tを左右方向とする。吸込み具6は床ノズル8と小型ノズル7を有する。床ノズル8は本実施の形態における第一のノズルの一例である。小型ノズル7は本実施の形態における第二のノズルの一例である。小型ノズル7の端部7bは床ノズル8に着脱が可能である。
【0020】
図3は本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の斜視図である。
図3は小型ノズル7が床ノズル8から取り外された状態を示す。
図4は本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の小型ノズル7の斜視図である。小型ノズル7は、端部7bに吸込み口14を有する。小型ノズル7の吸込み口14は、本実施の形態における第二の吸込み口である。吸込み口14は、端部7bの端面7cに配置される。小型ノズル7は、吸込み口14が配置される端面7cにLED(Light Emitting Diode)12を有する。LED12は本実施の形態における発光体の一例である。小型ノズル7は、吸込み口14と反対側の端部に接続部7aを有する。小型ノズル7は、接続部7aでパイプ5と接続される。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の側面図である。床ノズル8が被清掃面に置かれたときに被清掃面と対向する面を床ノズル8の下面とする。床ノズル8はケース25を有する。ケース25は上ケース26と下ケース27から形成される。
【0022】
図6は、本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の、左右方向の中心を含む鉛直面での断面図である。床ノズル8は下面に吸込み口16を有する。床ノズル8の吸込み口16は、本実施の形態における第一の吸込み口である。床ノズル8は、吸込み口16より上方に吸込み室15を有する。吸込み室15は吸込み口16に通じる。吸込み室15は床ノズル8の内部の空間である。
【0023】
小型ノズル7の端部7bは、床ノズル8の吸込み口16より後方に装着される。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、吸込み室15と小型ノズル7の吸込み口14が通じる。
【0024】
図7及び
図8は、本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の上ケース26を外した状態の斜視図である。
図7は、小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態を示す。小型ノズル7は、端部7bに保持凹部29を有する。床ノズル8は、保持具17を有する。保持具17は、ペダル18と、ストッパー19とを有する。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、ストッパー19が保持凹部29にはまっている。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、小型ノズル7の端部7bが左右両側方向、下方及び前方を床ノズル8に囲まれるように配置される。保持具17はペダル18が押し下げられることにより傾くように構成される。
図8は、保持具17のペダル18が押し下げられた状態を示す斜視図である。ペダル18が押し下げられると、保持具17が傾くことによってストッパー19が保持凹部29から外れる。
【0025】
床ノズル8は駆動部21を備える。駆動部21は下ケース27に支持される。駆動部21は、モーターと、プーリーと、ベルトと、シャフトと、駆動基板とを有する。駆動部21は、回転ブラシ20を駆動するための部材である。モーターが駆動力を発生させる。シャフトは駆動力をプーリー及びベルトに伝達する。プーリー及びベルトは駆動力を回転ブラシに伝達する。駆動基板がモーターの駆動を制御する。なお、駆動部21の駆動力を発生させる装置は、モーターに限定されない。例えば、吸引風により回転するエアータービンが用いられても良い。
【0026】
床ノズル8は回転ブラシ20を備える。回転ブラシ20は吸込み室15に配置される。回転ブラシ20は、回転により被清掃面から塵埃を掻きだして清掃するための部材である。
【0027】
図6に示すように、床ノズル8は導光体22を有する。導光体22は、上ケース26に支持される。導光体22は、透明な部材が用いられる。例えば、アクリル樹脂が導光体22に用いられる。導光体22は、一方向に長い棒形状である。導光体22は、両端部と両端部の間の中間部22cとを有する。導光体22の両端部は、中間部22cより断面積が大きい形状である。導光体22は、中間部22cが床ノズル8の形状に沿って弧状に曲がっていても良い。導光体22は、入射面22aと出射面22bとを有する。入射面22aは、導光体22の一つの端部に配置される。出射面22bは、導光体22の他の端部に配置される。
【0028】
出射面22bは入射面22aより前方に配置される。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、導光体22の表面の一部が床ノズル8の外部に露出する。吸込み具6の外部に露出する導光体22の表面は、全体が出射面22bの一部を形成する。即ち、小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、導光体22の出射面22b以外の部分は、吸込み具6の外部に露出しない。なお、床ノズル8の外部に露出する導光体22の表面の一部が出射面22bの少なくとも一部を形成するようにしてもよい。すなわち、例えば出射面22bが配置される導光体22の端部の一部など、出射面22bを形成しない部分が含まれても良い。
【0029】
出射面22bの一部は、上ケース26から吸込み具6の外部に露出する。上ケース26から露出する出射面22bの一部は前方を向く。即ち、床ノズル8を前面から見たときに出射面22bが見える位置に出射面22bは配置される。出射面22bは床ノズル8の前面に露出してもよい。上ケース26から露出する出射面22bの一部は、導光体22の端部の端面を形成する。出射面22bの他の一部は、吸込み室15に露出する。吸込み室15に露出する出射面22bの一部は、導光体22の端部の側面を形成する。
【0030】
図9は、本発明の実施の形態1に係る吸込み具6の断面図である。
図9は、
図6に示す断面の入射面22aの部分を拡大して示す。
図9は、小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態を示す。小型ノズル7の端部7bが床ノズル8に装着されている状態において、小型ノズル7が有するLED12は、入射面22aに対向している。
【0031】
続いて、本発明の実施の形態1に係る電気掃除機1の動作を説明する。使用者は、被清掃面を清掃するときに、電源スイッチを入れることにより電気掃除機1の運転を開始する。使用者が床ノズル8より広い被清掃面を清掃するときは、使用者は小型ノズル7を床ノズル8に装着して清掃する。使用者は、手元ハンドル体4を持ち吸込み具6を被清掃面の上で移動させて清掃する。
【0032】
電気掃除機1の運転が開始されると、電動送風機9が吸引風を発生させる。吸引風は被清掃面の上から床ノズル8の吸込み口16を通り吸込み室15に流入する。吸引風は吸込み室15から小型ノズルの吸込み口14を通り、接続部7aの内部を流れる。吸引風は、接続部7aの内部を通り、パイプ5の内部を流れる。吸引風は、パイプ5の内部を通り、手元ハンドル体4の内部を流れる。吸引風は、手元ハンドル体4の内部を通り、ホース3の内部を流れる。吸引風は、ホース3の内部を通り、本体2に到達する。
【0033】
被清掃面の上の塵埃は、吸引風とともに吸込み口16から流入し、本体2の内部に到達する。塵埃を含み本体2に流入する吸引風から、集塵部10で塵埃が捕集される。即ち、集塵部10で吸引風から塵埃が取り除かれる。本体2の後部に開口する排気口から、吸引風から塵埃が取り除かれた空気が排出される。集塵部10で取り除かれた塵埃は、本体2の内部に溜められる。
【0034】
小型ノズル7を床ノズル8に装着した状態では、LED12が放った光を入射面22aが受ける。入射面22aが受けた光が入射面22aを通して導光体22の内部に入る。導光体22の内部に入った光は、導光体22の表面で反射しながら内部を通過する。導光体22の内部を通過した光は、出射面22bから導光体22の外部に放たれる。出射面22bは入射面22aより前方に配置されるため、前方に光が放たれる。したがって、吸込み具6の進行方向Sを照らすことができる。これにより、被清掃面の塵埃が見えやすくなる。
【0035】
床ノズル8の長手方向の寸法より狭い被清掃面を清掃するときは、使用者は小型ノズル7を床ノズル8から取り外す。床ノズル8から小型ノズル7が取り外されている状態では、吸引風は塵埃とともに被清掃面から吸込み口14を通り接続部7aの内部を流れる。接続部7aの内部を流れる吸引風は、本体2まで到達する。塵埃を含み本体2に到達した吸引風から、集塵部10で塵埃が捕集される。
【0036】
小型ノズル7が床ノズル8から取り外されていることで、床ノズル8の長手方向の寸法より狭い被清掃面の清掃も容易になる。また、小型ノズル7の端面7cにはLED12が配置されているので、被清掃面を照らすことができる。これにより、被清掃面の塵埃が見えやすくなる。
【0037】
小型ノズル7が床ノズル8から取り外されている状態では、LED12で被清掃面を直接照らすことができる。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、LED12で導光体22を通して被清掃面を照らすことができる。即ち、いずれの状態においてもLED12で被清掃面を照らすことができる。したがって、簡単な構成で床ノズル8及び小型ノズル7の両方に被清掃面を照らす装置を設けることができる。
【0038】
小型ノズル7の床ノズル8からの着脱の状態に依らずLED12で被清掃面を照らすことができるので、小型ノズル7の床ノズル8からの着脱を検知してLED12の点灯と消灯とを切り替える必要がない。このため、小型ノズル7の床ノズル8からの着脱の状態を検知するための部品を必要としない。これによって、吸込み具6の組み立て部品点数及び工程数の増加を抑制できる。また、吸込み具6の重量が増加することを抑制できる。
【0039】
小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、導光体22の出射面22b以外の部分は、吸込み具6の外部に露出していない。このため、導光体22の出射面22b以外の部分から漏れる光が、被清掃面を照らすことがない。吸込み具6からの被清掃面を照らす光が出射面22bから放たれる光に限られることで、塵埃の影がより明確に現れる。したがって、塵埃が見えやすくなる。
【0040】
導光体22の端部が中間部22cより断面積が大きい形状であることで、入射面22a及び出射面22bが広くなる。入射面22aが広くなることで、LED12から入射面22aを臨む立体角が大きくなる。即ち、導光体22に入射する光が多くなる。したがって、より効率よく被清掃面を照らすことができる。出射面22bが広くなることで、照らすことができる被清掃面が広くなる。入射面22a及び出射面22bが配置される面は、導光体22の端面に限定されない。入射面22a及び出射面22bは、導光体22の側面に配置されてもよい。
【0041】
導光体22の出射面22bの一部は、吸込み室15に露出している。吸込み室15は、被清掃面と対向する吸込み口16と通じる空間である。したがって、出射面22bから放たれた光で、塵埃を吸引する吸込み口16から被清掃面を照らすことができる。このため、吸引する塵埃が見えやすくなる。
【0042】
吸込み室15の内部には、出射面22bから放たれた光を反射する反射体を設けても良い。これにより、出射面22bから放たれた光が吸込み室15の内壁に吸収されることを抑制できる。したがって、効率よく被清掃面を照らすことができる。反射体として、可視光を反射する反射体のシートを貼り付けても良い。
【0043】
小型ノズル7の吸込み口14が配置される端面7cは、その表面上を吸引風が流れる。LED12が小型ノズル7の端面7cに設けられることにより、LED12に付着した塵埃が吸引風により除去される。これにより、LED12から放たれる光が塵埃により遮られることを抑制する。したがって、被清掃面をより効率よく照らすことができる。なお、設計上の条件又はその他の制約により、LED12は小型ノズル7の端面7cに配置されなくても良い。小型ノズル7の端部7bの側面にLED12が配置されても良い。
【0044】
本実施の形態においては、保持具17のペダル18によりストッパー19の装着が解除される。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、ストッパー19が保持凹部29にはまっている。小型ノズル7の端部7bが床ノズル8に装着されている状態では、小型ノズル7は左右両側方向、下方及び前方が床ノズル8に囲まれるように配置される。ストッパー19が保持凹部29にはまることで、小型ノズルの上下方向及び前後方向への動きが制限される。これにより、小型ノズル7が床ノズル8に保持される。即ち、小型ノズル7が床ノズル8に装着される。
【0045】
立った状態で清掃する作業を行う使用者は、ペダル18を足で踏むことで押し下げることができる。ペダル18が押し下げられると、ストッパー19が保持凹部29から外れる。ペダル18が押し下げられた状態では、小型ノズル7を上方に持ち上げる動きは制限されない。したがって、ペダル18を足で踏み小型ノズル7を上方に持ち上げることで、小型ノズル7を床ノズル8から取り外すことができる。
【0046】
小型ノズル7を床ノズル8に装着するときは、使用者はストッパー19の上方から小型ノズル7を乗せて押し付ける。ストッパー19が上方から押し付けられることにより、保持具17が
図8の状態と逆方向に傾き、ストッパー19は保持凹部29にはまり込む。これにより、小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態となる。
【0047】
以上の小型ノズル7を床ノズル8から着脱する操作を、使用者は立った状態のまま行うことができる。即ち、小型ノズル7を床ノズル8から着脱する作業のために屈む必要がなく、使用者が清掃するときの負担が低減できる。
【0048】
図10は、本発明の実施の形態1の他の例に係る小型ノズル7の斜視図である。
図11は、
図10に示す小型ノズル7の、左右方向の中心を通る鉛直面での断面図である。小型ノズル7は端面7cに凹部13を有する。LED12は、凹部13に配置される。LED12が凹部13に配置されることで、LED12は端面7cから突出しない。これにより、小型ノズル7が床ノズル8から取り外された状態で被清掃面を清掃するときに、LED12が家具等に衝突することが抑制される。したがって、清掃のときにLED12が傷つくことを抑制できる。なお、LED12から放たれた光を効率よく利用するため、凹部13の表面に可視光を反射する反射体のシートを配置しても良い。
【0049】
図12は、本発明の実施の形態1の他の例に係る吸込み具6の左右方向の中心を通る鉛直面での断面図である。出射面22bは、上ケース26から吸込み具6の外部に露出する。上ケース26から露出する出射面22bは前方を向く。床ノズル8に、導光体22の周囲を覆うように遮蔽体24が設けられる。遮蔽体24は導光体22の中間部22cの側面に対向するように配置される。
【0050】
小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、導光体22の表面の一部が吸込み具6の外部に露出する。吸込み具6の外部に露出する導光体22の表面は、全体が出射面22bの全部を形成する。即ち、小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態では、導光体22の出射面22b以外の部分は、吸込み具6の外部に露出しない。また、遮蔽体24に覆われることで、導光体22の中間部22cは吸込み室15にも露出しない。このため、導光体22の出射面22b以外から漏れる光が、被清掃面を照らすことがない。吸込み具6からの被清掃面を照らす光が出射面22bから放たれる光に限られることで、塵埃の影がより明確に現れる。したがって、塵埃が見えやすくなる。
【0051】
さらに、遮蔽体24は、導光体22と対向する表面に反射加工が施される。遮蔽体24の表面の反射加工は、例えば可視光を反射する反射体のシートを貼り付けるものでも良い。これにより、導光体22の表面から漏れた光を遮蔽体24の表面が反射させて導光体22の内部に戻すことができる。このため、光が出射面22b以外から導光体22の外部に漏れず無駄にならない。したがって、効率よく被清掃面を照らすことができ、塵埃が見えやすくなる。
【0052】
図13は、本発明の実施の形態1の他の例に係る吸込み具6の背面図である。
図14は、
図13に示す吸込み具6の床ノズル8の背面図である。
図15は、
図14に示す床ノズル8の拡大した背面図である。
図16は、
図13に示す吸込み具6の拡大した断面図である。床ノズル8はLED12が放った光を反射して入射面22aに導く反射壁23を有する。反射壁23は入射面22aを含む平面PよりLED12に近い方向に突出する。反射壁23は入射面22aの周囲に配置される。反射壁23の表面は可視光を反射する。反射壁23の表面に、可視光を反射する反射体のシートが配置されても良い。
【0053】
反射壁23は入射面22aの周囲に配置され、LED12に近い方向に突出している。このため、LED12が放つ光で且つ入射面22aに直接入射しない光の一部は反射壁23に入射する。反射壁23に入射した光は反射して、一部が入射面22aに導かれる。したがって、LED12が放った光が被清掃面を照らすことに有効に利用される。
【0054】
図17は本発明の実施の形態1の他の例に係る吸込み具6の斜視図である。
図18は
図17に示す吸込み具6の左右方向の中心を通る鉛直面での断面図である。床ノズル8の左右の幅は小型ノズル7の左右の幅より大きい。上ケース26は上蓋28を有する。
【0055】
図17及び
図18に示す上蓋28は導光体の一例である。上蓋28は透明部材で形成される。たとえば、アクリル樹脂が上蓋28に用いられる。上蓋28は床ノズル8の上面の一部をなす。上蓋28の左右の幅は小型ノズル7の左右の幅より大きい。上蓋28は上面に出射面22bを有する。出射面22bの左右の幅は小型ノズル7の左右の幅より大きい。小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態において、LED12と対向する位置に上蓋28は入射面22aを有する。
【0056】
吸込み具6の外部に露出している上蓋28の上面の全部が出射面22bの一部を形成してもよい。出射面22bの他の一部は、例えば吸込み室15に露出していても良い。吸込み具6の外部に露出している上蓋28の上面の全部又は一部が出射面22bの全部を形成してもよい。
【0057】
床ノズル8の上面が出射面22bを形成するので、吸込み具6の上方を含む周辺を照らすことが可能となる。また、出射面22bの左右の幅が小型ノズル7の左右の幅より大きいので、小型ノズル7が床ノズル8に装着されている状態において、小型ノズル7が取り外されている状態より広い範囲に出射面22bから光が放たれる。これにより、被清掃面のみならず吸込み具6の周辺の塵埃が見えやすくなる。したがって、例えば家具の下など狭い隙間を清掃するときに作業がしやすくなる。
【0058】
また、吸込み具6の上方の空気中に浮遊している塵埃を吸い込むための吸込み口を吸込み具6は上面に有しても良い。吸込み具6の上方を含む周辺を照らすことにより、吸込み具6の上方の空気中に浮遊している塵埃が見えやすくなる。これにより、空気中に浮遊している塵埃の状況も確認しながら清掃することができる。
【0059】
本発明の実施の形態においては、導光体22の表面の少なくとも一部に可視光を反射する反射体のシートを貼り付けても良い。導光体22の内部を反射して通過する光が導光体22から漏れたときに、反射体のシートが光を反射して導光体22の内部に戻すことができる。このため、導光体22の内部を通過する光が出射面22b以外から外部に漏れず無駄にならない。したがって、効率よく被清掃面を照らすことができ、塵埃が見えやすくなる。
【0060】
可視光を反射する反射体のシートは、例えばアルミ又は銀等の金属を蒸着したポリエチレンを基材とするシートが用いられる。蒸着の代わりに薄膜積層によってシートは形成されても良い。基材にポリエチレンテレフタレートが用いられても良い。
【0061】
導光体22は、入射面22aから出射面22bまで効率よく光が導かれるように材質又は形状が選択される。導光体22の表面に導光体22と屈折率の異なる材料を配置しても良い。屈折率の異なる複数の材料を組み合わせて一つの導光体22を形成しても良い。
【0062】
発光体は、自ら光を発生する光源に限定されない。例えば、第二のノズルの端部以外に自ら光を発生する光源を配置する。アクリル樹脂からなる棒状の導光体を第二のノズルに設ける。棒状のアクリル樹脂の一つの端部が光源に対向する。この場合において、アクリル樹脂の他の端部を第二のノズルが有する発光体としてもよい。これにより、光源の配置に自由度を持たせることができる。また、例えばアクリル樹脂からなる導光体を有する延長パイプを用いることで、着脱を検知するための部品を追加することなく発光体を有する吸込み具を延長することができる。
【0063】
発光体に、自ら光を発生する光源を用いても良い。光源は、例えばLED又は電球が用いられる。発光体に光源を直接用いない場合、例えばアクリル樹脂からなる導光体の一端に光源を対向させ、アクリル樹脂の内部に光を通過させることで、アクリル樹脂の他の端部を発光体として用いることができる。この場合に、アクリル樹脂を通過する光は、反射、吸収又は散乱等による損失がある。これに対して、発光体に自ら光を発生する光源を直接用いると、光源からの光を直接利用することができる。したがって、効率よく被清掃面を照らすことができる。
【0064】
本発明の実施の形態に係る吸込み具は、発光体及び導光体の組を複数備えても良い。複数の発光体及び導光体の組を備えることで、被清掃面の複数の領域を照らすことができる。照らされる被清掃面の複数の領域に応じて、発光体及び導光体を個別に選定できる。また、一つの導光体が複数の入射面を有してもよい。複数の入射面のそれぞれに対向する複数の発光体を吸込み具は備えても良い。発光体が複数用いられることで、より強い光で被清掃面を照らすことができる。複数の発光体は、LED又は電球であっても良い。また、複数の発光体はLEDと電球とを組み合わせたものであっても良い。
【0065】
以上、第一のノズルが床ノズル8であり、第二のノズルが小型ノズル7である例を用いて説明を行ったが、本発明の実施の形態はこれに限定されない。
【0066】
手元ハンドル体4が第二のノズルを形成しても良い。即ち、手元ハンドル体4は、パイプ5が取り外された状態で、吸込み具として用いられても良い。手元ハンドル体4は、パイプ5が接続される側の端部に、吸込みブラシを備える。パイプ5を取り外した状態で、手元ハンドル体4の端部を吸込み具として被清掃面を清掃できる。使用者の手元に近い位置で清掃をすることができるため、使用者は吸込み具の取り回しを容易にできる。発光体は手元ハンドル体4の、パイプ5が接続される端部に配置される。
【0067】
第一のノズルは、先端が窄んだ形状に構成された吸込み具であっても良い。先端が窄んだ形状であることで狭い隙間にも挿入できる。したがって、狭い部分の塵埃を容易に吸い込むことが可能になる。また、第一のノズルは、吸込み口の周囲に線状部材が植毛された吸込み具であってもよい。先端が窄んだ形状に構成された吸込み具又は吸込み口の周囲に線状部材が植毛された吸込み具を用いることにより、家具の間及び窓枠などの狭い場所を清掃する際に被清掃面が見えやすくなる。
【0068】
導光体には、光ファイバーを用いても良い。導光体に光ファイバーを用いることで、第一のノズルが変形できる。例えば、第一のノズルに角度が可変な関節部を設けることができる。また、隙間の形に応じて変形が可能なホース状の吸込み具を第一のノズルとすることができる。