特許第6853653号(P6853653)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6853653管体内の流動物除去方法および流動物除去装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853653
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】管体内の流動物除去方法および流動物除去装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 31/00 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   E21B31/00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-219345(P2016-219345)
(22)【出願日】2016年11月10日
(65)【公開番号】特開2018-76708(P2018-76708A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141521
【氏名又は名称】株式会社技研製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(72)【発明者】
【氏名】北村 精男
(72)【発明者】
【氏名】田内 宏明
(72)【発明者】
【氏名】小野 勝彦
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−133396(JP,U)
【文献】 特開2001−012397(JP,A)
【文献】 特開2001−173600(JP,A)
【文献】 特開昭56−084914(JP,A)
【文献】 特開2010−126978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体内の流動物を除去する流動物除去方法であって、
前記管体の内面に対向する面に膨張部材を有する管体閉塞部材ケースに取り付けられた流動物除去ユニットにおいて前記管体閉塞部材の管軸方向奥側の面が前記ケースに固定されたシリンダの伸縮動作に合わせて管軸方向に移動するように構成され、
前記流動物除去ユニットを管端部から挿入し
前記シリンダを伸ばして前記管体閉塞部材の管軸方向奥側の面を管軸方向奥側に押し込むことで前記膨張部材が膨張しない状態にして前記流動物除去ユニットを管軸方向奥側に移動させ、
前記シリンダを縮ませて前記管体閉塞部材の管軸方向奥側の面を管軸方向手前側に引っ張ることで前記膨張部材を膨張させて該膨張部材を前記管体の内面に接触させ、
前記膨張部材を前記管体の内面に接触させた状態で、前記流動物除去ユニットを前記管端部に移動させて前記管体の外に前記流動物を排出する、管体内の流動物除去方法。
【請求項2】
前記膨張部材を前記管体の内面に接触させた状態で前記流動物除去ユニットを管軸方向手前側に移動させる際に、前記膨張部材を前記管体の内面に接触させることで形成された、前記流動物除去ユニットの管軸方向奥側の密閉空間に気体を供給する、請求項1に記載された管体内の流動物除去方法。
【請求項3】
管体内の流動物を除去する流動物除去装置であって、
管体内に挿入される流動物除去ユニットと、
前記流動物除去ユニットを管軸方向に沿って移動させる移動機構とを備え、
前記流動物除去ユニットは、
前記管体の内面に対向する面に膨張部材を有する管体閉塞部材と、
前記管体閉塞部材が取り付けられるケースと、
該流動物除去ユニットが管軸方向手前側に移動する際に前記膨張部材を膨張させる膨張機構とを有し、
前記膨張機構は、
前記管体閉塞部材を貫通するようにして該管体閉塞部材の管軸方向奥側の面に接続されたシャフトと、
前記ケースに固定されたシリンダが管軸方向に伸縮するように構成されたシリンダ機構とを備え、
前記シリンダが前記シャフトに接続され、
前記膨張部材が膨張して該膨張部材が前記管体の内面に接触するように構成されている、管体内の流動物除去装置。
【請求項4】
前記流動物除去ユニットが管軸方向手前側に移動する際に前記流動物除去ユニットの管軸方向奥側の前記管体内に形成される密閉空間に気体を供給する気体供給機構が設けられている、請求項に記載された管体内の流動物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管やPC杭等の穴開き杭の管体内にある水や泥等の流動物を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
河川や港湾等の水がある場所に鋼管やPC杭等の穴開き杭を圧入する際には、管体の圧入時ないしは圧入完了後に例えば水中ポンプを用いて管体内の水を排出する必要がある。その排水作業に水中ポンプを用いる場合は、図1(a)のように、例えばクレーンや特許文献1に記載されたような管体上部装置の巻き揚げ機から繰り出されるワイヤに取り付けられたフック20で水中ポンプ100を管体内底面に降下させ、その後、図1(b)のように水中ポンプ100を作動させることで管体内の排水を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−227759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような排水方法では、図1(c)のように排水終了時に管体外の吐水口までの揚程分の水が、ポンプに接続された排水用配管101の中に残ることになる。この状態で水中ポンプ100を停止させると、図1(d)のように排水用配管内の水が管体内に逆流してしまう。即ち、従来の排水方法においては管体内を十分に排水できない場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、管体内にある水や泥等の流動物の除去作業時において流動物を十分に除去できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は、管体内の流動物を除去する流動物除去方法であって、前記管体の内面に対向する面に膨張部材を有する管体閉塞部材ケースに取り付けられた流動物除去ユニットにおいて前記管体閉塞部材の管軸方向奥側の面が前記ケースに固定されたシリンダの伸縮動作に合わせて管軸方向に移動するように構成され、前記流動物除去ユニットを管端部から挿入し、前記シリンダを伸ばして前記管体閉塞部材の管軸方向奥側の面を管軸方向奥側に押し込むことで前記膨張部材が膨張しない状態にして前記流動物除去ユニットを管軸方向奥側に移動させ、前記シリンダを縮ませて前記管体閉塞部材の管軸方向奥側の面を管軸方向手前側に引っ張ることで前記膨張部材を膨張させて該膨張部材を前記管体の内面に接触させ、前記膨張部材を前記管体の内面に接触させた状態で、前記流動物除去ユニットを前記管端部に移動させて前記管体の外に前記流動物を排出することを特徴としている。
【0007】
また、別の観点による本発明は、管体内の流動物を除去する流動物除去装置であって、管体内に挿入される流動物除去ユニットと、前記流動物除去ユニットを管軸方向に沿って移動させる移動機構とを備え、前記流動物除去ユニットは、前記管体の内面に対向する面に膨張部材を有する管体閉塞部材と、前記管体閉塞部材が取り付けられるケースと、該流動物除去ユニットが管軸方向手前側に移動する際に前記膨張部材を膨張させる膨張機構とを有し、前記膨張機構は、前記管体閉塞部材を貫通するようにして該管体閉塞部材の管軸方向奥側の面に接続されたシャフトと、前記ケースに固定されたシリンダが管軸方向に伸縮するように構成されたシリンダ機構とを備え、前記シリンダが前記シャフトに接続され、前記膨張部材が膨張して該膨張部材が前記管体の内面に接触するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、ポンプを使用せずに管体内の流動物を十分に除去することができる。なお、本発明に係る“流動物”とは、水や他の液体、泥、砂利、極軟弱土等であって、管体閉塞部材を管体内に挿入する際に管体閉塞部材と管体内面との間の隙間を通過できるようなものを指す。
【発明の効果】
【0009】
管体内にある水や泥等の流動物の除去作業時において流動物を十分に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の管体内の排水方法を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る流動物除去装置の概略構成を示す図である。
図3図1中のA−A断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る管体内の流動物除去方法を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る流動物除去装置の管体閉塞部材の膨張時の状態を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る流動物除去装置の概略構成を示す図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る流動物除去装置の概略構成を示す図である。本図は流動物除去ユニットの降下時の状態を示す図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る流動物除去装置の概略構成を示す図である。本図は流動物除去ユニットの上昇時の状態を示す図である。
図9】本発明に係る流動物除去装置における管体閉塞部材の形状の一例を示す図である。
図10】本発明に係る流動物除去装置におけるゴムチューブの形状の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態では、流動物除去装置を圧入後の穴開き杭の排水作業に適用する場合について説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<第1の実施形態>
図2および図3に示すように管体内の流動物を除去する流動物除去装置1は、管体Pの内部に上端開口端(管端部)から挿入される流動物除去ユニット10として、円筒状のケース11と、管体内を閉塞する役割を担う円筒状の部材(以下、“管体閉塞部材12”)と、管体閉塞部材12を貫通するようにして管体閉塞部材12の底面プレート12aに接続されたシャフト13と、ケース11の上端部に固定されたシリンダ14とを備えている。また、図4(a)に示すように流動物除去ユニット10を昇降させるために昇降機構の一例であるクレーンのフック20も設けられている。
【0013】
管体閉塞部材12は2つの円環状のゴムチューブ12bを有し、各ゴムチューブ12bは底面プレート12a、中間プレート12cおよびケース11の底面部11aにそれぞれ挟まれるようにして重なって配置されている。ケース11の底面部11aは、管体Pの半径方向外側に突出するようにフランジ状に形成され、上側のゴムチューブ12bとケース11の底面部11aとは例えばボルト固定で接続されている。これにより、ケース11と管体閉塞部材12とが一体となって管体内を昇降する。管体閉塞部材12の外周面、即ち、管体内面に対向する面はゴムチューブ12bが露出した状態にあり、管軸方向Zから受ける力に応じてゴムチューブ12bが管体Pの半径方向に変形するように構成されている。本明細書においては、ゴムチューブ12bの管体半径方向外側への変形を“膨張”と称し、管体半径方向内側への変形を“収縮”と称する。なお、管体閉塞部材12の径は管体Pの径に応じて適宜設定される。また、第1の実施形態ではゴムチューブ12bを2つ用いているが、ゴムチューブ12bの数量はこれに限定されず、更に多くのゴムチューブを用いても良いし、1つだけ用いることにしても良い。
【0014】
シリンダ14の下端部はシャフト13の上端部に接続されており、シリンダ14の伸縮動作に合わせて管体閉塞部材12の底面プレート12aが管軸方向Zに沿って移動するように構成されている。なお、シリンダ14としては例えば油圧シリンダが用いられ、この場合、油圧シリンダには管体Pの外側から延びる油圧ホースが接続される。
【0015】
また、図2に示すようにゴムチューブ12bの表面には、ゴムチューブ12bの周方向に沿って3列の突起部12dを設けられている。突起部12dが設けられていることで、ゴムチューブ12bの膨張時においてゴムチューブ12bが管体内面に接触しやすくなる。なお、突起部12dを設けることは必須ではないが、管体内の流動物をより確実に除去するという観点からは突起部12dを設けることが好ましい。
【0016】
第1の実施形態に係る流動物除去装置1は以上のように構成されている。次に、流動物除去装置1を用いた管体内の排水方法について説明する。
【0017】
まず、図4(a)のように流動物除去ユニット10を管体内に降下させる。このとき、管体閉塞部材12は図3のようにシリンダ14が伸びて底面プレート12aが下方側(管軸方向奥側)に押し込まれており、ゴムチューブ12bが収縮した状態となっている。このため、管体閉塞部材12と管体内面との間には水が流れる程度の隙間が存在する。流動物除去ユニット10の下方側の水は、その隙間を通って流動物除去ユニット10の上方側に流れていき、これにより図4(b)のように流動物除去ユニット10を管体内底面まで降下させることができる。
【0018】
続いて、図5のようにシリンダ14を縮ませて管体閉塞部材12の底面プレート12aを上方側(管軸方向手前側)に引き上げる。これに伴い、図4(c)および図5のように底面プレート12a、中間プレート12cおよびケース底面部11aに挟まれたゴムチューブ12bが膨張し、膨張したゴムチューブ12bが管体内面に接触する。これにより、管体閉塞部材12の上方側に存在する水と下方側に存在する水が互いに行き来することができなくなり、管体閉塞部材12の位置で管体Pが閉塞される。
【0019】
その状態のまま、図4(d)のように流動物除去ユニット10を引き上げる。これにより、管体閉塞部材12に持ち上げられた水が次々に管体Pの管端部から溢れ出し、管体内の水が排出されていく。図4(e)のように流動物除去ユニット10を管体Pの管端部まで引き上げれば、管体内の排水作業は終了する。
【0020】
このように第1の実施形態に係る管体内の排水方法によれば、ポンプを使用せずに管体内の排水作業を行うことができる。このため、ポンプの排水用配管の水が管体内に逆流するといった問題は生じず、排水作業終了時に管体内に残る水の量がポンプを使用した場合に比べて減少することになる。即ち、第1の実施形態の流動物除去装置1は、ポンプを利用した従来の装置よりも管体内の排水能力が向上したものとなっている。
【0021】
また、ポンプを使用していないことから、管体内の砂利等がポンプの排水用配管に詰まるといった問題も生じず、作業を中断せずに安定して管体内の排水作業を進めることができる。これにより、従来より短時間で排水作業を完了させることができ、工期の短縮にも繋がる。さらに、ポンプを用いる場合には管体Pの径に応じて使用可能なポンプの仕様が制限され、揚程や吐出量が制限されてしまうところ、第1の実施形態の流動物除去装置1では、管体Pの径に応じた管体閉塞部材12を準備すれば、特段の制限なく管体内の排水作業を行うことができる。
【0022】
<第2の実施形態>
第2の実施形態の流動物除去装置1は、流動物除去ユニット10の引き上げに必要な力を軽減させることができる。図6に示すように第2の実施形態に係る流動物除去装置は、第1の実施形態の流動物除去装置1に加え、空気等の気体を供給する気体供給管15を備えている。気体供給管15は、管体Pの管端部から挿入され、ケース11およびシャフト13内を貫通するようにして管体閉塞部材12の底面部に接続されている。このような構成を有することで、ゴムチューブ12bを膨張させて流動物除去ユニット10を引き上げる際に、流動物除去ユニット10の下方側(管軸方向Zの奥側)の管体内に気体を供給することができる。これにより、流動物除去ユニット10の下方側の空間が略真空状態となることを防ぐことができ、流動物除去ユニット10の引き上げに必要な力を軽減することができる。
【0023】
なお、第2の実施形態では管体内に気体を供給する気体供給機構として管状の気体供給管15を用いたが、管状部材に限定されず、例えばホース状の部材を用いても良い。また、第2の実施形態では気体供給管15をケース11およびシャフト13を貫通させて流動物除去ユニット10の下方側に気体を供給することとしたが、流動物除去ユニット10の下方側に気体を供給することができれば他の構成であっても良い。
【0024】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、ゴムチューブ12bを膨張させる膨張機構が前述の実施形態とは異なっている。図7に示すように第3の実施形態に係る流動物除去装置は、シリンダ14が設けられておらず、その代わりにバネ等の弾性体16が設けられている。
【0025】
ケース11の上端中央部には貫通孔11bが形成され、貫通孔11bの周縁部は下方に突出した形状となっている。ケース11の貫通孔11bには棒状部材17が通されており、棒状部材17の上端部に取り付けられたワイヤはフック20に引っ掛けられ、棒状部材17の下端部はシャフト13の上端部に接続されている。このため、棒状部材17を介してシャフト13が上方に吊り上げられることによって管体閉塞部材12の底面プレート12aも上方に移動する。また、弾性体16は一端部がシャフト13の上端部に接続され、他端部はケース11の貫通孔11bから下方に突出した下方突出部11cの下端に接続されている。
【0026】
このような構成を有する流動物除去装置においては、管体内に流動物除去ユニット10を降下させる際に、底面プレート12aが水の抵抗によって生じる力を受けてケース11に対して相対的に上方に移動しようとするが、底面プレート12aには弾性体16の反発力によって下方に押し付けられる力が生じる。このため、底面プレート12aの位置は変わらず、ゴムチューブ12bも膨張しないことから、管体閉塞部材12と管体内面との間には水が流れる程度の隙間が存在する状態となる。これにより流動物除去ユニット10を管体内底面まで降下させることができる。
【0027】
そして、管体内の排水を行う際には、棒状部材17を介してシャフト13を引っ張ることで流動物除去ユニット10を適切な速度で引き上げる。これにより、底面プレート12aには上方に引き上げられる力が生じる一方、ケース11には図8のように水の抵抗により下方に押し付けられる力が生じる。その結果、ゴムチューブ12bが膨張し、管体Pが閉塞される。その状態で流動物除去ユニット10を管体Pの管端部まで引き上げることで管体内を排水することができる。
【0028】
なお、上記の流動物除去ユニット引き上げ時の適切な速度とは、水の抵抗によりケース11を下方に押し付ける力が、管体閉塞部材12を引き上げることで生じる弾性体16の反発力よりも大きくなるような速度である。また、第3の実施形態では、シャフト13の上端部とケース11の間に伸縮方向が管軸方向Zとなるように弾性体16を取り付けることとしたが、例えば管体閉塞部材12の上面部に設けたプレートとケース11の天井部との間に弾性体16を取り付けるようにしても良い。即ち、弾性体16はケース11と管体閉塞部材12との間に設けられていれば良い。
【0029】
また、第1〜第3の実施形態では管体閉塞部材12を円筒形状としたが、図9に示すように管体Pが四角形状であれば管体閉塞部材12も四角形状とすることで、上記実施形態と同様の排水作業を行うことができる。即ち、管体閉塞部材12の形状は管体の形状に合わせて適宜変更されるものである。また、ケース11と管体閉塞部材12は同一形状としなくても良い。
【0030】
さらに、図10に示すようにゴムチューブ12bの形状を内部が密閉された環状の形状とし、そのゴムチューブ12bに対して空気等の気体を導入する気体導入機構18を設けても良い。このような構成の場合、管体閉塞部材12を管体内底面に到達させた後に、ゴムチューブ12bの内部に気体を導入してゴムチューブ12bを膨張させ、この状態で管体閉塞部材12を引き上げることで管体内の排水を行うことができる。即ち、管体閉塞部材12の管体Pの内面に対向する面に膨張部材が設けられ、ゴムチューブ12bを膨張させる膨張機構が設けられていれば、上記実施形態で説明した排水作業を行うことができる。
【0031】
また、第1の実施形態や第2の実施形態では管体内の排水を行う際にフック20でケース11を吊り上げる構成としたが、第3の実施形態ではシャフト13に接続された棒状部材17を吊り上げる構成としている。即ち、排水作業を行う際にクレーン等の昇降機構で昇降させる対象部材は、ゴムチューブ12bを膨張させる機構に応じて適宜変更されるものである。
【0032】
また、上記実施形態では、管体閉塞部材12の外周面が膨張するようにゴムチューブ12bを用いたが、弾性を有する部材であれば他の部材であっても良く、管体閉塞部材12が受ける管軸方向Zからの力により管体Pの半径方向に変形可能な部材であれば良い。本発明においては、そのような部材を膨張部材と称す。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0034】
例えば、上記実施形態では鉛直方向に圧入された管体に流動物除去装置を適用する例について説明したが、本発明に係る流動物除去装置は管体を水平方向に圧入し、その管体内の泥や砂利等を除去する場合にも適用することができる。即ち、流動物除去装置は、管体閉塞部材の管体の内面に対向する面に膨張部材が設けられ、この膨張部材を膨張させる膨張機構と、管軸方向Zの奥側から手前側(上記実施形態においては管体の底面側から管端側)に流動物除去ユニットを移動させる移動機構を有していれば、管体内の流動物を十分に除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、穴開き杭の管体内の排水作業に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 流動物除去装置
10 流動物除去ユニット
11 ケース
11a ケースの底面部
11b ケースの貫通孔
11c ケースの下方突出部
12 管体閉塞部材
12a 底面プレート
12b ゴムチューブ
12c 中間プレート
12d 突起部
13 シャフト
14 シリンダ
15 気体供給管
16 弾性体
17 棒状部材
18 気体導入機構
20 クレーンのフック
100 水中ポンプ
101 排水用配管
P 管体
Z 管軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10