特許第6858555号(P6858555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許68585553D印刷プロセスを使用することによって混成セラミック/金属、セラミック/セラミック体を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858555
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】3D印刷プロセスを使用することによって混成セラミック/金属、セラミック/セラミック体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 7/16 20060101AFI20210405BHJP
   B28B 7/34 20060101ALI20210405BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   B28B7/16 C
   B28B7/34 A
   B22F3/02 M
   B22F3/02 N
   B22F3/02 T
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-254565(P2016-254565)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-121806(P2017-121806A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2019年4月11日
(31)【優先権主張番号】14/991,413
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】シー・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ピーターソン
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−131429(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/006403(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3062370(JP,U)
【文献】 特表2018−505983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 7/16
B22F 3/02
B28B 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合構造物を形成する方法であって、
空洞を有しており、該空洞が該空洞の内部の1以上の突出部を含んでいるダイへと、第1の材料を加えることと、
前記第1の材料を硬化させ、三次元体を形成することと、
を含み、
前記ダイは、前記第1の材料を硬化させる際に除去されることで、1以上の前記突出部がかつて存在した1以上の空隙を残し、
セラミック又は金属である1以上の別の材料を、1以上の前記空隙へと加えることをさらに含む、方法。
【請求項2】
前記第1の材料は、注入によって加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空洞は、熱硬化性又は熱可塑性ポリマーから作られる前記ダイを付加製造することによって生み出される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記空洞の内部の1以上の前記突出部は、中空又は中実な突出部である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ダイは、300〜600℃で前記第1の材料を硬化させる際に除去される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
注入によって加えられる、セラミックである1以上の別の材料を、1以上の前記空隙へと加えることをさらに含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1以上の前記別の材料は、アルミナ又は石英の棒である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
1以上の前記別の材料を加える前に結合剤を取り入れることをさらに含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
1以上の前記別の材料を、1000〜1600℃の範囲の温度で、焼結し、或いは硬化させることをさらに含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
金型の原型に対応する外側の特徴と、100:1〜5:1の範囲のアスペクト比を有する1以上の非直線な内部空洞とを備えているセラミック体と、
前記内部空洞に位置しており、金属インサート又はセラミック体と異なる材料である少なくとも1つの第2の材料と、
を含み、
前記第2の材料の前記セラミック体への焼結で生じた、前記セラミック体と前記第2の材料との結合により、前記第2の材料で前記セラミック体が補強された、セラミック複合材料
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くには、強化セラミック又はセラミック複合材料、並びに付加印刷技術によってそれらの材料、コンポーネント、及び/又は構造物を製造するための方法に関し、これらの複合材料は、内部形状及び外部形状の両方を有している。本発明は、さらに詳しくは、付加印刷技術を使用して機能的な複合又は混成コンポーネントを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、広くには、付加製造プロセスを使用して、これらに限られるわけではないがセラミック−セラミック又はセラミック金属混成(すなわち、サーメット)材料などの強化セラミック又はセラミック複合材料を生み出す方法に関する。
【0003】
多数の最新のエンジン及び次世代のタービンエンジンは、新しい種類の材料及び製造技術を必要とする込み入った複雑な形状を有するコンポーネント及び部品を必要とする。1つのそのような材料として、冷却の必要性を軽減し、現状のエンジンにおける従来からの合金材料よりもはるかに軽量であるセラミックコンポーネント及び部品が挙げられる。このように、次世代エンジンへのセラミックの融合は、より軽量であり、化学的に不活性であり、耐熱性が高いという利点を有する。しかしながら、セラミックは、せん断及び引張に弱く、特定の用途に用いるには脆すぎることも知られている。したがって、新規なセラミック複合材料及びそれらのセラミック部品を製造する方法を開発する必要がある。
【0004】
エンジンの部品及びコンポーネントを製造するための従来からの技術は、インベストメント又はロストワックス鋳造という骨の折れるプロセスを必要とする。インベストメント鋳造の一例は、ガスタービンエンジンに用いられる典型的なロータブレードの製造に関する。タービンブレードは、典型的には、エンジンの稼働時に加圧された冷却空気を受け入れるための少なくとも1つ以上の入口を有しているブレードの全長にわたって延在した径方向のチャネルを有する中空の翼形部を備える。ブレードにおける種々の冷却通路に、翼形部の中央において前縁と後縁との間に配置された蛇行チャネルが含まれる。翼形部は、典型的には、加圧された冷却空気を受け取るためにブレードを貫いて延在している入口を備え、それらの入口は、翼形部の高温の側壁と内部の冷却空気との間の熱伝達を増やすために、短いかくはんリブ又はピンなどの局所的な造作を備えている。
【0005】
典型的には高強度の超合金の金属材料からのこれらのタービンブレードの製造は、多数の工程を必要とする。第1に、精密なセラミックコアが、タービンブレードの内側に所望される込み入った冷却通路に一致するように製造される。さらに、翼形部、台座部、及び一体の蟻ほぞ部を含むタービンブレードの精密な3D外面を定める精密ダイ又は金型も生成される。セラミックコアは、得られるブレードの金属部分を定める空間又は空隙を間に形成する2つのダイ半分の内側に組み込まれる。ワックスが、組み立てられたダイへと注入されて空隙を満たし、空隙に入れられているセラミックコアを囲む。2つのダイ半分が引き離され、成形されたワックスから取り外される。成形されたワックスは、所望のブレードの精密な形状を有しており、後に周囲を囲むセラミックシェルを形成するためにセラミック材料で被覆される。次いで、ワックスは、溶融させられてシェルから取り除かれ、対応する空隙又は空間がセラミックシェルと内部のセラミックコアとの間に残される。溶融状態の金属が、シェル内の空隙を満たして、シェルに収容されたセラミックコアを再び包むように、シェルへと注ぎ込まれる。溶融状態の金属を冷まして凝固させた後に、外側のシェル及び内側のコアが適切に除去され、内部の冷却通路が発見される所望の金属製のタービンブレードが残される。
【0006】
その後に、この鋳造されたタービンブレードに、これに限られるわけではないが、内部を導かれる冷却空気(後に、ガスタービンエンジンの稼働時に翼形部の外面を覆う保護用の冷却空気の膜又はブランケットを形成する)のための出口をもたらすために、所望のとおりに翼形部の側壁を貫くフィルム冷却穴の適切な列を穿孔するなど、鋳造後の追加の修正を施すことができる。しかしながら、これらの鋳造後の修正は限られており、タービンエンジンがますます複雑になり続けていること、及びタービンブレードの内部の特定の冷却回路の効果が認められていることから、より複雑かつ込み入った内部形状の要件が必要とされる。インベストメント鋳造は、これらの部品を製造することができるが、位置の精度及び込み入った内部形状が、これらの従来からの製造プロセスを用いて製造するにはますます複雑になる。したがって、込み入った内部の空隙を有する三次元のコンポーネントのための改善された鋳造法を提供することが望まれる。
【0007】
付加製造プロセスが、合成モデル鋳造の製造を可能にすることによって上述のプロセスを単純化している。とくには、コンポーネントのモデルを、付加製造技術又は3D印刷によって生成することができる。コアが、合成モデルの内側に鋳造される。次いで、合成モデルを、鋳造されたコアから取り除くことができ、その後に、鋳造されたコアが、本物のコンポーネントを周囲に鋳造するために使用される。コアが本物のコンポーネントの内側から取り除かれ、本物のコンポーネントは、元の合成モデルに正確に一致している。この技術は、使い捨てコアダイ(disposable core die)(又は、「DCD」)を効果的に生成する。米国特許第7413001号が、このプロセスの1つの応用を説明している。
【0008】
このDCD技術の即座の応用は、業界が次世代のエンジンへと取り入れることができる新たな材料の組合せ又は混成材料を使用して複雑なコンポーネント、構造物、及び部品を製造することを可能にする。DCDプロセスは、これまでは達成できなかった形状を有するマスターダイ又はDCDを生成し、或いは少なくとも従来からのインベストメント鋳造プロセスによって達成されていたよりも効率的にマスターダイ又はDCDを生成するために付加製造法を利用することによって、この企てを達成すると成功裏に実証されている。
【0009】
本発明は、これまでは従来からの製造プロセスによって生成することが不可能であった新たな種類の混成材料及び機能コンポーネントを生み出すために、上述のDCD付加印刷技術を適用する。とくには、本発明は、込み入っており、或いは複雑である内部の形状、空洞、又は中空部を欠くインベストメント及び/又はロストワックス鋳造による製品に関する問題を克服する。とくに有益な材料は、セラミック−セラミック及びセラミック−金属複合/混成系であると考えられる。また、本発明は、これらに限られるわけではないが、コアのキスアウト、ティッピング、クラッキングスクラップ、などの従来からの鋳造技術に関する問題のいくつかを解決する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0108677号明細書
【発明の概要】
【0011】
本開示は、広くには、ダイを付加的に印刷することによって複雑なコンポーネント、構造物、又は部品を製造する方法に関する。本方法の例示の実施形態は、使い捨てのダイを付加的に製造し、とくには使い捨てのダイを三次元印刷することを含む。別の実施形態では、ダイは、特定の三次元の内部空洞又は三次元体を定める内部の開口又は空隙を有する。別の態様において、コアは、外部形状を有することに加えて三次元体を定める内部の開口を有する。
【0012】
一態様において、本発明は、付加製造(3D印刷としても知られる)プロセスによって製造される複雑な中空の内部形状を有している材料、コンポーネント、部品、又は構造物を製造するプロセスに関する。後に、中空な内部形状又は空洞に、スラリ、流体、又は固体材料を注入又は充てんすることができる。
【0013】
別の態様において、本発明は、最初にダイを付加製造又は三次元印刷プロセスによって生成し、その後にセラミックなどの1つ以上のスラリをダイへと取り入れ、或いは注入することによって三次元体をもたらすことで、特定の内部又は外部の形状又は特徴を有する材料、コンポーネント、又は構造物を製造するプロセスに関する。三次元体は、一実施形態では、別の液体、半液体、又は固体材料を取り入れることができる三次元の内部形態又は形状を定める中空な空洞を有することができる。別の実施形態では、三次元体は、これらに限られるわけではないがアルミナ、チタン酸アルミニウム、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルなどの固体材料であってよい。
【0014】
さらに別の態様においては、ダイを、セラミック材料の第1のフェーズ並びに固体又は液体のいずれかの材料の第2のフェーズの両方を有する複合材料を生み出すために使用することができる。一実施形態では、第2のフェーズの材料は、セラミック材料と同じ又は異なる種類であってよい。別の実施形態では、第2のフェーズの材料は、固体材料(例えば、金属)であってよい。生み出された複合材料は、セラミック−セラミック材料を生成するように第1及び第2の両方のフェーズのセラミック材料を含むことができる。別の実施形態では、生み出された複合材料は、第1のフェーズのセラミック材料と、例えばアルミナ、チタン酸アルミニウム、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルで作られた金属などの第2のフェーズとしての固体とを含むことができる。
【0015】
別の態様において、本発明は、セラミックフェーズ及び金属フェーズの両方を有する混成複合材料である材料を生成するために使用されるDCDを製造するプロセスに関する。第1に、セラミック材料のスラリが、さまざまなプラスチックで製造されて硬化させられることで三次元のシェルを形成することができるDCDへと注入される。一実施形態では、DCDは、セラミック材料がDCDへと注入された後の中空な空洞の形成を可能にすると考えられるやり方で製造される。第2に、セラミック材料の硬化及び焼成後に、金属コンポーネント又はフェーズが、中空な空洞へと取り入れられる。別の実施形態では、金属フェーズは、形成されたセラミックの空洞の内部形状に一致するあらかじめ形成された金属組成物である。
【0016】
さらに別の実施形態では、本発明は、特定の内部及び外部の幾何学的態様を有している複雑な内部の中空な空洞又は形状を含んでいるダイを生み出すための付加製造プロセス(例えば、三次元又は3D印刷)に関する。中空な空洞を囲んでいる部分を、第1の種類のセラミック材料で満たすことができる一方で、第2のフェーズにおいて、中空な内部形状に、同じ又は異なる種類のセラミック材料を注入又は充てんすることができる。さらに別の実施形態では、中空部又は空洞を含んでいるセラミック体は、鍵及び鍵穴(lock and key)の様相ではまり込むようにDCDを使用して生成された内部形状に一致する形状を有している金属コンポーネントである第2のフェーズをさらに備えることができる。
【0017】
本発明の一態様においては、付加印刷技術が、従来からの製造プロセスの使用ではこれまで不可能であった新規な種類の混成材料及び機能コンポーネントを製造及び生成するための方法において利用される。とくには、本発明の一態様は、第1のセラミック材料が第2のセラミック材料と同じである混成セラミック−セラミック材料を含む。別の態様において、混成セラミック−セラミック材料は、2以上の異なる種類のセラミック材料であってよい。さらに別の態様において、本発明は、混成セラミック−金属複合材料を含む。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、本発明に従って製造されたコンポーネント、部品、又は構造物に関する。とくには、コンポーネント、部品、又は構造物は、セラミックなどの液体又は半固体材料の第1のフェーズを付加印刷によるダイへと取り入れ、或いは注入することによって形成された外側の表面、形態、又は形状を備える。第1のフェーズは、コンポーネント、部品、又は構造物の外側部分に対応する印刷によるダイの部分を占める。加えて、コンポーネント、部品、又は構造物は、材料の第2のフェーズが充てん又は注入されてよい内部の空隙、空洞、又は中空部も備える。第2のフェーズに存在する材料は、固体、半液体、又は液体材料を含むことができる。内部の空隙、空洞、又は中空部は、第1のフェーズを取り入れた後に除去される使い捨てのダイによって生成され、第1のフェーズから隔てられる。
【0019】
さらに別の実施形態では、本発明は、複合構造を形成する方法であって、(a)三次元体を定める外部形状部分(300、400)と、内部形状部分(100、200)とを有するダイ(10)を印刷するステップと、(b)ダイの外部形状部分(300、400)へと第1の材料を注入するステップであって、外部形状が内部形状部分(100、200)内に中空部を残すステップと、(c)第1の材料を硬化させて三次元体を形成するステップと、(d)1以上の別の材料を内部形状部分(100、200)の中空部分へと挿入又は注入するステップと、(e)ステップ(d)の後に三次元体を焼結し、複合構造物を形成するステップとを含む方法に関する。
【0020】
さらに別の実施形態では、本発明は、複合構造物を形成する方法であって、空洞を有しており、この空洞がこの空洞内の1以上の突出部を含んでいるダイへと、第1の材料を加えることと、第1の材料を硬化させ、三次元体を形成することとを含む方法に関する。この方法のさらなる実施形態は、以下を含む。
【0021】
第1の材料は、注入によって加えられる。
第1の材料は、無機材料である。
空洞は、ダイを好ましくは三次元印刷によって付加製造することによって生み出される。
ダイは、熱硬化性又は熱可塑性ポリマーから作られる。
空洞内の1以上の突出部は、中空又は中実な突出部である。
1以上の突出部は、中空である。
1以上の突出部は、非直線な形状である。
ダイは、第1の材料を硬化させる際に除去されることで、1以上の突出部がかつて存在した1以上の空隙を残す。
ダイは、300〜600℃の範囲における加熱によって除去される。
1以上の空隙へと1以上の別の材料を加えることをさらに含む。
1以上の別の材料は、固体又は液体材料である。
1以上の別の材料は、セラミック又は金属である。
金属は、アルミナ又は石英の棒である。
1以上の別の材料を加える前に結合剤を取り入れることをさらに含む。
結合剤は、1以上の空隙、1以上の別の材料、又は両方に適用される。
1以上の別の材料を焼結し、或いは硬化させることをさらに含む。
焼結又は硬化は、1000〜1600℃の範囲の温度、好ましくは1600℃で行われる。
【0022】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、セラミック−金属の複合材料であって、この複合材料の外側部分(300、400)を呈しており、100:1〜5:1の範囲のアスペクト比を有する内部の中空空洞(100、200)を含んでいるセラミック体と、この内部の中空空洞へと挿入されることができる金属インサートとを含む複合材料、並びにセラミック−金属の複合材料であって、外側部分を呈しており、約0.010インチ〜0.100インチの範囲の外径及び約1インチ〜40インチの奥行きを有する内部の中空空洞(100、200)を含んでいるセラミック体と、この内部の中空空洞へと挿入されることができる金属インサートとを含む複合材料に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】単純な内部形状(200)及び外部形状(400)並びに複雑な内部形状(100)及び外部形状(300)の両方を有する代表的なコンポーネント(10)の斜視図である。
図2】硬化に先立つコンポーネントへのスラリ材料の追加を示す図1に示したとおりの斜視図である。
図3】複雑な外側部分(300)及び単純な外側部分(400)の材料の硬化した第1のフェーズを示している図1に示したとおりの斜視図であり、複雑な内側部分(100)及び単純な内側部分(200)は、満たされていないままであり、材料の第2のフェーズの追加のためのチャネルをもたらしている。
図4】複雑な内側部分(100)及び単純な内側部分(200)への材料の第2のフェーズの追加又は挿入を示している図1に示したとおりの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のさらなる特徴及び利点が、本発明の種々の実施形態を示す以下の詳細な説明から理解されるであろう。本発明の技術的範囲を変えることがなく、或いは本発明の技術的範囲から外れるものでない変化を含む他の実施形態も利用可能であることを、当業者であれば理解できるであろう。
【0025】
本発明の1つの好ましい実施形態では、付加製造、付加印刷、順次印刷、又は三次元(3D)印刷プロセスが、セラミック又はセラミック複合材料の製造に使用することができる種々の幾何学的形状、コア、及び金型を形成するために使用される。一実施形態では、セラミック材料のスラリが、付加的に製造されたDCDへと注入され、三次元セラミック体の形成をもたらす。一態様において、得られるセラミック体は、第2のフェーズ又は第2の製造プロセスが複合材料を形成すべく別のセラミック材料又は金属材料を導入するために使用される内部の中空部又は空洞を含む。一態様において、第2のフェーズは、同じ又は異なるセラミック材料を含むことができる。別の態様において、第2のフェーズは、棒などの金属材料を含むことで、複合材料又は混成材料を生み出すことができる。第2のフェーズの後で、材料を高められた温度で焼結し、密な材料をもたらすことができる(すなわち、緻密化)。例えば金属棒を含んでいる得られた混成材料は、金属棒を持たないコンポーネント又は部品と比べたとき、より高い構造的完全性を有するように強化されている。
【0026】
例えば穿孔によって単純な形状(例えば、直線又は非湾曲)へと金属棒を取り入れることによってすでに達成されていたかもしれない補強が、本発明によって、今やより入り組んでおり、或いは複雑である形状又は形態においても可能である。
【0027】
例として、図1が、複雑な外部形状300と、複雑な内部形状100と、単純な外部形状400と、単純な内部形状200とを有する部品又はコンポーネントを示している。これまでは、200などのインベストメント又はロストワックス鋳造によって生成される単純な内部形状は、穿孔などの方法によって生み出されていたが、100などのより複雑な形状は、例えば湾曲した穴の穿孔の難しさに鑑み、不可能であった。本発明は、中空な空洞を外部形状300、400へと取り入れるようにDCD構造の付加的な印刷を通じて複雑な内部形状を製造することにより、これらの問題を克服する。
【0028】
図1において、代表的なコンポーネント、部品、又は構造物(10)は、コンポーネント、部品、又は構造物が、これに限られるわけではないがプラスチックなどの樹脂で作られた外部シェル(300、400)及び内部シェル(100、200)を有するように設計され、付加的に印刷される。切断部分から見られるとおり、付加的に製造されたコンポーネントは、材料の第1のフェーズが硬化させられ、使い捨てのダイが取り除かれたときに、チャネル(100、200)が外側部分(300、400)の硬化した材料内に生み出されるように、中空チャネル(100、200)を備える。
【0029】
図2において、付加的に印刷されたコンポーネントの外側部分(300、400)が、例えばセラミック材料のスラリで、スラリが内部の空隙、中空部、又は空洞によって生み出される空隙、中空部、又は空洞(100、200)を残すように満たされる。この段階におけるコンポーネント、部品、又は構造物は、外側及び内側の両方の寸法を有している付加的に印刷されたシェルと、約300℃〜500℃の温度で硬化させられる材料のスラリとを含んでいる。
【0030】
この温度は、(1)コンポーネントの外側部分のスラリ材料を硬化させること、及び(2)付加的に印刷されたプラスチックダイを燃やし尽くす(すなわち、除去する)こと、という2つの目的に役立つ。
【0031】
図3において、コンポーネント、部品、又は構造物の外側部分(300、400)は硬化させられており、ダイは、硬化したセラミックの外側三次元体(300、400)並びに内部の空隙、中空部、又は空洞(100、200)を残して完全に除去されている。外側部分の切断は、内部の空隙、中空部、又は空洞が、燃え尽き後に残ることを示している。図4において、材料の第2のフェーズ(例えば、液状の材料又は固体の材料)が、物体の内側部分(100、200)へと追加又は挿入される。コンポーネント、部品、又は構造物は、材料の第1及び第2のフェーズを一体に焼結させて単一の複合又は混成材料を形成するために、約1600℃の温度へと再び加熱される。
【0032】
一態様において、本発明は、複合構造物を形成する方法であって、DCDを付加的に製造することと、使い捨てコアダイへと第1の材料を注入することと、第1の材料を硬化させ、或いは焼成して、三次元体を形成することと、使い捨てコアダイを除去し、特定の形状を有する中空体又は空洞を形成することと、1以上の別の材料(例えば、液体又は固体)を中空体へと挿入(注入)することと、材料を焼結して複合又は混成構造物を形成することとを含む方法に関する。
【0033】
付加製造技術は、構造物がコンピュータ支援設計(CAD)プログラムなどのコンピュータプログラムの助けによって層ごとのやり方で作られる製造プロセスである。例えば、CADソフトウェアは、最終的な三次元の構造物が完成するまで特定のX、Y、及びZ座標において形成材料を堆積させることによって各々の平坦な層の製造を助ける。付加製造によれば、部品を製造するために原型又はツール(すなわち、鋳造物又は金型)を製造又は製造する必要がないため、製造時間が大幅に短縮される。本発明の一態様において、CADなどのさまざまなコンピュータソフトウェアプログラムを、形成のプロセスにおいてDCDの製造における特定の座標をプログラムできる限りにおいて使用できることを、当業者であれば理解できるであろう。三次元(例えば、X、Y、及びZ方向)において移動及び製造する付加印刷プロセスを使用する方法が、本発明の技術的範囲に包含される。また、製造プロセスが一度に1層ずつ、帯にて製品を生成する二次元に移動する製造プロセスも、本発明に包含される。したがって、移動は、層を形成するためにY方向にのみ必要であり、その後に、次の層を作るためにZ方向に必要である。最後に、いくつかの新興の技術が、部品の層の全体を一度に形成するためにミラーの二次元アレイを使用しており、一方向、すなわちZ方向だけの移動が必要である。
【0034】
当業者にとって利用可能なさまざまな種類の付加製造技術が存在し、DCDの製造のために選択される特定の種類は、その製造に使用される材料に完全に依存する。3D印刷の1つの種類は、部品の各層を形成するために光硬化性ポリマー樹脂を適用する液体にもとづく方法を含むことができる。これらとして、ステレオリソグラフィ(SLA)、フォトポリマーの噴き付け、又はインクジェット印刷を挙げることができる。例えば、SLS印刷が、薄い断面において紫外光で選択的に硬化させられる液状プラスチック樹脂を利用するプロセスとして説明することができる周知の技術である。薄い断面は、層ごとのやり方で形成される。
【0035】
他の種類の付加印刷として、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、及び三次元印刷(3DP)、などの粉末にもとづく印刷プロセスが挙げられる。これらの粉末にもとづく製造方法の各々においては、粉末材料が溶融又は焼結させられ、部品の各層を形成する。例えば、SLSプロセスは、層ごとのやり方でレーザによって選択的に焼結させられる粉末状のプラスチック材料を利用する。
【0036】
付加印刷の別の形態は、互いに上下に積層されてその後に切り出される非粉末材料を使用する固体にもとづくプロセスを含む。この方法として、薄膜積層法(LOM)又は熱溶解積層法(FDM)が挙げられる。
【0037】
一般に、付加製造プロセスは、custompartnet.comに記載のように、以下を含む何らかの一連の工程をとる。
【0038】
1.CADモデルの生成−すべての付加プロセスについて、設計者は、最初にコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用して部品の3Dモデルを生成しなければならない。
【0039】
2.CADモデルのSTLモデルへの変換−CADソフトウェアの各々の形態は、異なるやり方で3Dモデルを表現する形状データを保存する。しかしながら、STLフォーマット(当初はステレオリソグラフィのために開発された)が、付加プロセスのための標準的なファイルフォーマットになっている。したがって、CADファイルを、このファイルフォーマットに変換しなければならない。STLフォーマットは、3Dモデルの表面を三角形の組として表し、各々の三角形の頂点の座標及び法線方向を保存する。
【0040】
3.STLモデルを層へとスライス−専用のソフトウェアを使用し、ユーザは、製造すべきSTLファイルを準備し、最初に装置における部品の位置及び向きを指定する。部品の向きは、製造時間、部品の強度、及び精度など、いくつかのパラメータに影響を及ぼす。次いで、ソフトウェアは、STLモデルをX−Y平面に沿ったきわめて薄い層へとスライスする。各層は、Z方向へと上方に移動しつつ、先行の層の上に形成される。
【0041】
4.部品の層を一度に1層ずつ製造−装置は、材料の層を先行して形成された層の上に順次形成することによって、STLモデルから部品を製造する。各層の製造に使用される技術は、付加プロセス間で大きく異なり、使用される材料も同様である。付加プロセスは、プロセスに応じて、紙、ポリマー、粉末状の金属、又は金属複合材を使用することができる。
【0042】
5.部品の後処理−製造後に、部品及び支持体(あれば)が、装置から取り出される。部品が感光性材料から作られている場合、完全な強度を達成するために硬化させなければならない。研磨、コーティング、又は塗装など、些細な清掃及び表面仕上げを、部品の外観及び耐久性を向上させるために実行することができる。
【0043】
付加製造プロセスは、付加製造プロセスにおいて一般的に知られて使用されている実質的にあらゆる種類の材料からダイ又はマスターダイを製造することができる。これらの材料として、例えば、プラスチック、金属、セラミック、又は木材を挙げることができる。また、付加製造プロセスが材料の組合せからDCDを製造できることも可能である。例えば、製造プロセスを、紫外線硬化型の熱硬化性樹脂などのポリマー材料(例えば、エポキシ、樹脂、ウレタン、シアノアクリレート、フォトポリマー、など)及び粉末材料(例えば、ナイロン、ガラス入りナイロン、ポリカーボネート、ワックス、金属、及び熱硬化樹脂と結合した砂)から製造することができる。当業者にとって容易に明らかであると考えられる別の材料も、プロセスにおいて使用することができる。
【0044】
3D印刷プロセスに使用される代表的な材料として、熱硬化性及びかつ熱可塑性ポリマーなどのポリマーが挙げられる。代表的な熱硬化性ポリマーとして、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、加硫ゴム、フェノールホルムアルデヒド樹脂、デュロプラスト(duroplast)、尿素ホルムアルデヒド、メラミン樹脂、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシ樹脂、ポリイミド、又はシアン酸エステルもしくはポリシアヌレート、或いはこれらの組合せの種類に属するポリマーを挙げることができる。
【0045】
代表的な熱可塑性ポリマーとして、例えば、アクリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン、ポリ乳酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)、又はこれらの組合せの種類に属するポリマーを挙げることができる。
【0046】
本発明の別の態様においては、込み入っており、或いは複雑である内部及び外部形状を有するセラミック又はセラミック混成コンポーネント、部品、又は構造物が生成される。従来からのインベストメント鋳造技術においては、鋳造物への材料の注入が、特定の外部形状を有する構造物、コンポーネント、又は部品の生成をもたらす。しかしながら、特定の内部形状が必要とされる場合には、形状の鏡像を有する別途のコアが必要になる。これらの特定の形状は、それらが注入される外側の金型又は内側のコアによって決定される。本発明の一態様においては、鋳造プロセスに用いられるコアダイの製造が、外部及び/又は内部金型及び/又はコアの別途の生成を必要とすることなく、特定の内部及び外部形状を有する製品をもたらす。
【0047】
用語「内部形状」は、一般に、外部形状の内部の複雑又は単純な外形又は形状を有している任意の空洞、中空部、又は開口を意味すると理解される。内部形状の代表例を、図1の100又は200に見ることができる。
【0048】
用語「外部形状」は、一般に、物体又は三次元体の外形又は構成を意味すると理解される。外部形状の代表例を、図1の300又は400に見ることができる。
【0049】
ダイ(DCD)の付加製造に続いて、材料の第1のスラリが、ダイへと取り入れられる。製造プロセスのこの部分は、製造の第1のフェーズであってよい。第1のスラリは、硬化可能かつダイへと注入可能な種々の材料を含むことができる。本発明の一態様において、材料のスラリは、これに限られるわけではないが、セラミックスラリなどの無機材料である。セラミック材料は、粉末状又は繊維状の材料であってよい。これらに限られるわけではないが、金属酸化物(例えば、アルミナ、酸化ベリリウム、及びジルコニア)、ガラスセラミック、チッ化物及び炭化物(例えば、チッ化ケイ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、及び炭化タングステン)、ガラス(例えば、酸化物(シリカ)、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウケイ酸塩)、カーボン及びグラファイト(例えば、カーボン−カーボン複合材料)、ポーセリン、イットリア、及びセラミック繊維など、種々のセラミック材料を使用することができる。コアダイへのセラミック材料の注入時に、セラミックスラリは、三次元の構造物又は未硬化(green)セラミック体を形成する。「未硬化セラミック体」又は「未硬化体」は、一般に、当業者にとって、硬化、焼結、又は焼成の前の弱い結合のセラミック材料で構成された三次元体を表すものと理解される。硬化、焼結、又は焼成を、現時点において公知又は将来において開発される温度で行うことができる。一実施形態では、硬化温度は、約100℃未満である。
【0050】
ひとたび未硬化体が形成されると、ダイを加熱によって除去することができる。一実施形態では、高められた温度が、ダイの除去並びに第1のスラリ(例えば、セラミック)の焼結又は硬化を同時に果たす。別の実施形態では、高められた温度が、ダイを除去するために充分であるが、第1のスラリの硬化に必要な温度よりも低い。ダイの除去は、少なくとも300℃の範囲内で達成されてよく、より好ましい実施形態では、ダイが、ほぼ300〜600℃の温度範囲の温度範囲で除去され、さらにもっと好ましい実施形態では、ダイが、400〜500℃の温度範囲で除去される。ダイを除去するための加熱又は焼成を、除去及び/又は第1のスラリの緻密化を達成するための必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回、10回、又は多数回実行することができる。
【0051】
別の実施形態では、第2の種類の材料を導入するための製造の第2のフェーズを、材料の第1のフェーズと組合せることができる。例えば、各々の加熱又は焼成工程の間において、セラミックの第2のスラリ又は固体材料を取り入れることができる。一実施形態では、セラミックなどの材料の第2のスラリを取り入れることができる。別の実施形態では、第2のセラミックスラリが、第1のスラリと同じでも、違ってもよい。別の態様においては、中空の空洞を、これに限られるわけではないが、一態様においては中空の空洞の内部形状に一致するようにあらかじめ形成されてよい金属コンポーネント(例えば、棒)などの固体材料を受け入れるように製造することができる。これまでの実施形態に関して説明した材料(例えば、セラミック)及びプロセスについての種々の代案の実施形態が、製造の第2のフェーズにおいても同様に適用可能である。
【0052】
本発明の別の態様においては、材料の第1のスラリの硬化に続いて、製造プロセスの第2のフェーズの注入の前、最中、又は後に、結合剤を適用することができる。使用可能な結合剤として、有機及び無機材料が挙げられる。これらの結合剤は、技術的に公知であり、例えば米国特許第5204055号に記載されている。
【0053】
結合剤の材料は、すべての層が結合したときに、それによって形成されるコンポーネントがさらなる処理を必要とすることなくすぐに使用できる状態であるように、結合した粒子が各層が堆積させられるときに高い結合強度を有するような結合剤の材料であってよい。他の場合、部品のさらなる処理を実行することが望ましいかもしれず、或いは必要であるかもしれない。例えば、プロセスが、形成されるコンポーネントに中庸な強度を与えるようなプロセスであってよく、ひとたび部品が形成されたならば、部品をさらに加熱し、或いは硬化させて、粒子の結合強度をさらに高めることができる。いくつかの場合における結合剤は、そのような加熱又は焼成のプロセスにおいて除去されてよいが、他の場合においては、焼成後の材料内に残ってもよい。どちらの作用が生じるかは、使用のために選択された特定の結合剤の材料、並びに温度などの加熱又は焼成プロセスの実行の条件に依存する。他の事後処理作業も、部品の形成に続いて実行することができる。
【0054】
有機結合剤が、セラミック業界において使用されており、典型的にはさまざまな出所から得られるポリマー樹脂である。それらは、押し出し技術において使用されるようなセルロース系結合剤など、水溶性であってよく、或いはテープ成形(tape casting)技術において使用されるようなブチラール樹脂など、揮発性有機溶剤にのみ可溶であってよい。後者の水溶系は、比較的迅速に除去可能であり、本発明の技術においてとくに有用であると思われる。別の種類の有機結合剤は、ポリカーボシラザンなどのセラミック前駆体材料であると考えられる。
【0055】
無機結合剤は、結合剤が最終的なコンポーネントに取り入れられるべき場合に有用である。そのような結合剤は、一般に、ケイ酸塩を主体とし、典型的には、水溶液におけるケイ酸又はその塩の重合から形成される。使用可能な他の典型的な無機結合剤は、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)である。乾燥の際に、コロイドシリカは、マトリクス粒子のネック部に凝集し、セメント状の結合を形成する。焼成時に、シリカは流れ、表面張力の作用を通じてマトリクス粒子を並べ直すように働き、焼成後も残留する。可溶性のケイ酸塩材料が、例えば耐火性の鋳造可能材料において結合剤として使用されており、本発明の技術において使用されたとき、鋳造産業において使用されている成形耐火体と実質的に同じ種類の成形耐火体を生み出すという利点を有する。
【0056】
いくつかの用途においては、先行の層の表面へと配置される粒子の次の層が、毛管力に起因する粒子の再配置を被ることがないように、結合剤が堆積させられるときに比較的迅速に硬化することが、好ましいかもしれない。さらに、硬化した結合剤が、粉末の堆積に使用され得る溶剤からの汚染を被ることがない。他の場合には、結合剤を層の間で完全に硬化させることが必要でないかもしれず、粉末粒子の後続の層を、未だ完全には硬化していない先行の層へと堆積させてもよい。
【0057】
結合剤が堆積させられるときに硬化が生じる場合、そのような目的のための熱硬化、すなわち結合剤の担体液体の蒸発が、通常は形成されるコンポーネントを結合剤の材料の印刷が実行されるときに暖めることを必要とすると考えられる一方で、印刷ヘッドそのものは、インクジェットヘッドのリザーバ内の未印刷の結合剤の材料を所望の特性に保つために冷却される。そのような硬化は、例えば部品を形成中の装置の全体を適切な外部の熱源を使用して加熱するなどにより、間接的に結合剤の材料を加熱することによって達成でき、或いは結合剤の材料へと高温の空気を適用し、もしくは結合剤の材料へと赤外エネルギ又はマイクロ波エネルギを適用するなどにより、結合剤の材料を間接的に加熱することによって達成できる。或いは、種々の熱によって活性化される化学反応を、結合剤を硬化させるために使用することもできる。例えば、アルカリケイ酸塩溶液のゲル化を、有機試薬の分解に伴うpHの変化によって生じさせることができる。したがって、アルカリケイ酸塩及びホルムアミドの混合物を、形成される高温のコンポーネントへと印刷することができる。温度の急激な上昇により、ホルムアミドの分解速度が大きく高まり、したがって結合剤のpHが急激に変化する。結合剤の堆積時に結合剤を硬化させるための他の熱的又は化学的に開始される技術を、当業者であれば考え出すことができる。
【0058】
液体又はコロイド性の結合剤の材料を上述したが、いくつかの用途においては、結合剤の材料を、液体に混入した結合剤粒子の形態で堆積させることができる。そのような結合剤の材料を、そのような混入した結合剤の材料をもたらすことができる特別に設計された複合インクジェット構造によって供給することができる。そのような複合構造物の例が、例えば論文「Ink−Jet Printing」,J.Heinzle and C.H.Hertz,Advances In Electronics and Electron Physics,Vol.65において論じられている。
【0059】
さらに、部品の製造におけるいくつかの用途において、使用される結合剤の材料は、必ずしも単一の結合剤の材料である必要はなく、むしろ異なる結合剤の材料を、形成される部品の異なる領域について使用することができ、異なる材料は、別々の結合剤堆積ヘッドによって供給される。
【0060】
本明細書に記載の方法を使用して、込み入った内部の表面及び形状を有する構成部品及び構造物或いはマイクロ構造物が、今や実現可能である。セラミック材料の脆い性質ゆえに、この材料から作られる部品は、補強を必要とする。米国特許第5626914号が、セラミックの微小孔性の領域に溶融させた金属を含浸させたセラミック材料を記載している。しかしながら、セラミック材料の小孔への金属の含浸は、補強部分を既知の応力又は割れの地点に正確に配置することを可能にしていない。本明細書に記載の込み入った内部表面及びマイクロ構造物の生成の1つの用途として、例えば、金属の補強材料を受け入れることができる高アスペクト比の微細構造による穴を有しているセラミック部品が挙げられる。一実施形態では、本発明のプロセスによって製造される製品は、5:1〜100:1の範囲のアスペクト比、より具体的には5:1、10:1、25:1、50:1、又は100:1のアスペクト比を有する内部の微小又は小さい空隙或いはマイクロ空洞を備える。別の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って製造される製品は、約0.010インチ〜0.100インチ、より具体的には0.025インチ〜0.050インチの内径及び約1インチ〜40インチの奥行きを有する小さな内部の空隙、マイクロ空洞、又は中空部を備える。
【0061】
多数の考えられる粉末及び結合剤の材料の組合せを、本発明に従って選択することができる。例えば、セラミック粉末又はセラミック繊維を、無機又は有機のいずれかの結合剤の材料或いは金属結合剤の材料と使用することができ、金属粉末を、金属結合剤又はセラミック結合剤と使用することができ、プラスチック粉末を、例えば低粘度のエポキシプラスチック材料など、溶剤結合剤又はプラスチック結合剤と使用することができる。種々の用途について、粉末及び結合剤の材料の他の適切な組合せに、当業者であれば想到できるであろう。
【0062】
これらの実施形態及び他の実施形態が、具体的な実施例の説明において、さらに明らかになるであろう。
【実施例】
【0063】
実施例1:全体的な手順
第1のフェーズ:本発明の方法に従ってセラミック構造物を製造するために、フォトポリマープリンタ(例えば、3D systemsのVisiJet)が、外側表面及び内部の中空空洞を形成する構造を有しているプラスチックダイを製造するために使用される。内部の中空空洞は、0.016インチの内径及び長さ0.5インチ〜1インチの奥行きを有する構造を印刷することによって製造される。プラスチックダイは、付加印刷プロセスによって0.045インチの直径を有するチップキャップ(tipcap)ピンを使用して製造される。シロキサン、シリカ、ジルコン、アルミナ、イットリア、などのセラミック材料のスラリが、内部の中空空洞の周囲にスラリが形成されるように外側表面を呈しているプラスチックダイの一部分へと注入される。約1600℃の温度における1回以上の焼結の工程の後に、未硬化体は硬化し、プラスチックダイは除去され、或いは燃え尽き、約0.016インチの直径及び0.5インチ〜1インチの奥行きを有する内部の中空空洞が残される。
【0064】
第2のフェーズ:第1のフェーズにおいて生成された内部の中空空洞を、材料の別のスラリ又は固体材料で満たすことができる。スラリ材料の場合、材料を、第1のフェーズにおいて生成された内部の中空空洞へと注入し、上述と同じ手順を使用して硬化させることができる。固体材料の場合、約0.014インチの直径及び0.4インチ〜0.75インチの長さを有している石英棒、アルミナ棒、又は金属棒、或いは任意の他の固体材料が、内部の中空空洞へと取り入れられる。
【0065】
内部空洞へと取り入れられる材料が別のセラミックスラリであるか、或いは固体材料であるかにかかわらず、第1及び第2の両方のフェーズの材料を有している製品は、約1600℃の温度に再び加熱されることにより、第1及び第2のフェーズの材料が一体に焼結され、連続的な物体又は構造物を形成する。
【0066】
実施例2:アルミナ棒の挿入
プラスチックダイが、実施例1において述べた手順に従って印刷される。プラスチックダイは、外側表面並びに0.013インチの外径及び0.5インチの奥行きを有する内部空洞の両方を備えるように設計される。上述のように、セラミックスラリが、プラスチックダイの外側部分へと注入される。今やダイの外側部分の内側に位置するセラミック部分が、セラミックマトリクスを硬化させるとともに、プラスチックダイを燃やし尽くすために、500℃の温度へと加熱される。セラミック主体のスラリに被覆された約0.011インチの直径及び0.5インチの長さを有するアルミナ棒が、内部の中空空洞によって生み出された内部空洞へと挿入される。セラミックとアルミナ棒との組合せが、セラミックマトリクス及びアルミナ棒の焼結のために、約1600℃の温度で加熱され、焼結によってマトリクスと棒との界面における結合が生み出される。得られた製品は、補強されたセラミック体である。
【符号の説明】
【0067】
10 ダイ、構造物、コンポーネント
100 内側部分、内部形状、中空空洞、突出部、内部シェル、チャネル、内部形状部分
200 内側部分、内部形状、中空空洞、突出部、内部シェル、チャネル、内部形状部分
300 外側部分、外部形状、空洞、外部シェル、外側三次元体、外部形状部分
図1
図2
図3
図4