特許第6859599号(P6859599)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6859599ディスクアレイ制御装置、ディスクアレイ制御方法およびディスクアレイ制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859599
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ディスクアレイ制御装置、ディスクアレイ制御方法およびディスクアレイ制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   G06F3/06 301S
   G06F3/06 540
   G06F3/06 305C
   G06F3/06 301Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-62049(P2016-62049)
(22)【出願日】2016年3月25日
(65)【公開番号】特開2017-174303(P2017-174303A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年2月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 真也
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−257360(JP,A)
【文献】 特開2009−194662(JP,A)
【文献】 特開2015−106372(JP,A)
【文献】 特開2006−146833(JP,A)
【文献】 特開2008−071297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)を構成する複数の記憶装置の少なくともいずれかへの書き込み要求を受けると、前記記憶装置における初期化状況を判定する判定手段と、
前記判定の結果、前記書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みでない場合、前記書き込み要求に基づいて第1の書き込み処理を実行すると共に、前記書き込み先に関連する領域の整合性を整える整合手段と、
前記記憶装置へのアクセス頻度を取得すると共に、該アクセス頻度が他より大きい前記記憶装置の領域からバックグラウンドで初期化を行うように制御する実行制御手段と
を備え
前記バックグラウンドで行われる初期化では、前記記憶装置に含まれる領域の異常の有無をチェックし、異常が検出された領域を修復する
ディスクアレイ制御装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記記憶装置における初期化済み位置を検出し、前記書き込み要求に基づく書き込み先のアドレスと前記初期化済み位置とに基づいて、前記書き込み先が初期化済みか否かを示す前記初期化状況を判定する
請求項1記載のディスクアレイ制御装置。
【請求項3】
前記整合手段は、前記書き込み先のアドレスを含む1または複数のストライプ単位で、パリティを生成して前記記憶装置に記憶することにより、前記整合性を整える
請求項1または請求項2記載のディスクアレイ制御装置。
【請求項4】
前記整合手段は、前記パリティを生成した領域を管理する領域管理手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記書き込み要求に基づく書き込み先が、前記領域管理手段により管理される領域である場合、前記書き込み要求に基づく書き込み先は初期化済みであると判定する
請求項3記載のディスクアレイ制御装置。
【請求項5】
前記整合手段は、前記判定手段による判定の結果、前記書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みである場合、前記書き込み要求に基づいてRMW(Read Modify Write)を実行する
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のディスクアレイ制御装置。
【請求項6】
RAIDを構成する複数の記憶装置の少なくともいずれかへの書き込み要求を受けると、前記記憶装置における初期化状況を判定し、
前記判定の結果、前記書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みでない場合、前記書き込み要求に基づいて第1の書き込み処理を実行すると共に、前記書き込み先に関連する領域の整合性を整え、
前記記憶装置へのアクセス頻度を取得すると共に、該アクセス頻度が他より大きい前記記憶装置の領域からバックグラウンドで初期化を行うように制御し、
前記バックグラウンドで行われる初期化において、前記記憶装置に含まれる領域の異常の有無をチェックし、異常が検出された領域を修復する
ディスクアレイ制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
RAIDを構成する複数の記憶装置の少なくともいずれかへの書き込み要求を受けると、前記記憶装置における初期化状況を判定する処理と、
前記判定の結果、前記書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みでない場合、前記書き込み要求に基づいて第1の書き込み処理を実行すると共に、前記書き込み先に関連する領域の整合性を整える処理と、
前記記憶装置へのアクセス頻度を取得すると共に、該アクセス頻度が他より大きい前記記憶装置の領域からバックグラウンドで初期化を行うように制御する処理と、を実行させ、
前記バックグラウンドで行われる初期化において、前記記憶装置に含まれる領域の異常の有無をチェックし、異常が検出された領域を修復させる、
ためのディスクアレイ制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスクアレイへの書き込みを制御するディスクアレイ制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ装置に使用されるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置は、障害に対する堅牢性を高めるため、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)を構築して運用されることが多い。
【0003】
RAIDを構築して運用される場合、5台以上のハードディスクを組み合わせて構築された「RAID5」、7台以上のハードディスクを組み合わせて構築された「RAID6」において、Write処理高速化のために、Read Modify Write(RMW)という技術を用いることが知られている。RMWとは、あるメモリ番地やI/O(Input/Output)ポートを読み込んで、そのデータを変更し、同じメモリ番地やI/Oポートに書き込むことをいう。RMWにより、I/O回数が少なくなるので、性能向上が可能となる。
【0004】
一方、RMWを使用する前提として、RAIDにおけるデータの整合性がとれている必要がある。したがって、予め全面初期化するか、またはバックグラウンドイニシャライズ(BGI)という運用中のバックグラウンドでのデータ整合操作が必要である。したがって、すべてのデータの整合性が整うまでRMWが動作しないように制御していた。
【0005】
ここで、関連する技術として、例えば、特許文献1には、初期化処理を、自動的に又は特殊コマンドの受領を開始契機として、中断可能なバックグラウンドジョブとして実行する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−011317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、RMWを使用するためには、RAIDにおけるデータの整合性が整っている必要がある。RAIDのコントローラは、OS(Operating System)などから書き込み要求を受けると、ファームウエアにより、BGIが完了しているかどうかを判断し、その判断の結果に基づいて、RMWを行うか否かを判断する。RAIDのコントローラのファームウエアは、BGIが完了している場合、RMWを行うと判断する。
【0008】
しかしながら、近年のHDDの大容量化に伴い、すべてのデータの整合性を整えるまでに要する時間が増大しているため、RMWによるWrite処理高速化を実行するまでに時間を要してしまうという課題がある。
【0009】
上記特許文献1には、初期化処理をバックグラウンドジョブとして実行することは開示されるが、RMWを利用したWrite処理の高速化を実現する手法については開示されていない。
【0010】
本願発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、RMWを利用した書き込み処理をさらに高速化することが可能なディスクアレイ制御装置等を提供することを主要な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1のディスクアレイ制御装置は、RAIDを構成する複数の記憶装置の少なくともいずれかへの書き込み要求を受けると、前記記憶装置における初期化状況を判定する判定手段と、前記判定の結果、前記書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みでない場合、前記書き込み要求に基づいて第1の書き込み処理を実行すると共に、前記書き込み先に関連する領域の整合性を整える整合手段とを備える。
【0012】
本発明の第1のディスクアレイ制御方法は、RAIDを構成する複数の記憶装置の少なくともいずれかへの書き込み要求を受けると、前記記憶装置における初期化状況を判定し、
前記判定の結果、前記書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みでない場合、前記書き込み要求に基づいて第1の書き込み処理を実行すると共に、前記書き込み先に関連する領域の整合性を整える。
【0013】
なお同目的は、上記の各構成を有するディスクアレイ制御方法を、コンピュータによって実現するコンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、RMWを利用した書き込み処理をさらに高速化することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係るディスクアレイ制御装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るディスクアレイ制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るディスクアレイ制御装置の動作について説明するフローチャートである。
図4】本発明の第3の実施形態に係るディスクアレイ制御装置の構成を示すブロック図である。
図5】各実施形態に示したディスクアレイ制御装置を実現するハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面における矢印の方向は、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
【0017】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係るディスクアレイ制御装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るディスクアレイ制御装置1は、判定部2および整合部3を備える。
【0018】
判定部2は、RAIDを構成する複数の記憶装置の少なくともいずれかへの書き込み要求を受けると、記憶装置における初期化状況を判定する。
【0019】
整合部3は、判定の結果、書き込み要求に基づく書き込み先が初期化済みでない場合、書き込み要求に基づいて第1の書き込み処理を実行すると共に、書き込み先に関連する領域の整合性を整える。
【0020】
以上のように、本第1の実施形態によれば、書き込み先が初期化済みでない場合に第1の書き込み処理の実行と共に、書き込み先に関連する領域の整合性を整えるので、RMWを利用した書き込み処理をさらに高速化することができるという効果が得られる。
【0021】
第2の実施形態
図2は、本発明の第2の実施形態に係るディスクアレイ制御装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、第2の実施形態に係るディスクアレイ制御装置100は、要求取得部110、判定部120、整合部130、書き込み部140およびBGI実行部150を備える。
【0022】
判定部120は、RAID判定部121および初期化済み判定部122を備える。整合部130は、BGI位置検出部131、整合判定部132、整合実行部133および領域管理部134を備える。書き込み部140は、書き込み制御部141、通常書き込み部142およびRMW部143を備える。
【0023】
ディスクアレイ制御装置100は、RAIDを構成する複数の記憶装置を含むディスクアレイ170に対して書き込みまたは読み出し等を行う装置である。
【0024】
各構成要素の概要について説明する。
【0025】
ディスクアレイ制御装置100の要求取得部110は、OSなどから要求、例えばデータの書き込み要求を取得する。
【0026】
判定部120は、RAID構成の判定と、初期化済みか否かの判定を行う。具体的には、RAID判定部121は、ディスクアレイ170のRAID構成を判定する。初期化済み判定部122は、要求取得部110が取得した書き込み要求に基づいて行う書き込み処理の書き込み先であるディスクアレイ170の全領域が、初期化済みであるか、BGI実行部150によるBGIが完了済みかを判断する。
【0027】
整合部130は、ディスクアレイ170の整合性を整える処理を行う。具体的には、BGI位置検出部131は、BGI実行部150によるディスクアレイ170へのBGI実行状況から、BGIが完了している位置(以降、「BGI完了位置」とも称する)を検出する。整合判定部132は、BGI位置検出部131が検出したBGI完了位置と、書き込み要求に基づく書き込み先アドレスとを比較し、書き込み先アドレスが初期化済みか否か(初期化状況)、すなわち、整合性が整っているかどうかを判定する。初期化済み判定部122、BGI位置検出部131および整合判定部132は、判定手段の一例である。
【0028】
整合実行部133は、整合判定部132による判定の結果、書き込み先アドレスの整合性が整っていない場合、通常書き込み処理が実行されるのと共に、書き込み先アドレスに関連するディスクアレイ170の領域を、ストライプ単位または数ストライプ単位で、整合性を整える。
【0029】
領域管理部134は、整合実行部133により整合性が整えられた領域を示す情報を保持する。
【0030】
書き込み部140は、ディスクアレイ170に対する書き込みを行う。具体的には、書き込み制御部141は、判定部120または整合部130からの指示に基づいて、通常書き込み部142に通常書き込み処理の実行指示、またはRMW部143にRMWによる書き込み処理の実行指示を通知する。整合実行部133、書き込み部140は、整合手段の一例である。
【0031】
通常書き込み部142は、ディスクアレイ170に対して、書き込み制御部141の指示に基づいて、RMWではなく通常書き込み処理を実行する。RMW部143は、ディスクアレイ170に対して、書き込み制御部141の指示に基づいて、RMWによる書き込み処理を実行する。
【0032】
BGI実行部150は、BGIを実行する機能を有する。このBGI実行部150によりBGIを実行する機能は、ディスクアレイ制御装置100が備えるファームウエアに搭載されており、バックグラウンドでディスクアレイ170を構成する記憶装置の整合性を整える処理を行う。整合性を整える処理とは、例えば、ディスクアレイ170のうちパリティ領域やミラー領域の異常の有無等をチェックし、異常を検出したときは修復を行う処理である。
【0033】
図3は、ディスクアレイ制御装置100の動作について説明するフローチャートである。図3を参照して、ディスクアレイ制御装置100の動作の詳細について説明する。なお、本実施形態では、ディスクアレイ170は、RAID0、RAID1、RAID5およびRAID6のいずれかの構成をなすと仮定する。
【0034】
要求取得部110は、OSなどから書き込み要求を取得する(S201)。書き込み要求を受けると、判定部120のRAID判定部121は、ディスクアレイ170のRAID構成を判定する。RAID判定部121は、ディスクアレイ170のRAID構成が、RAID0またはRAID1か(S202においてYes)、4台以下のRAID5または6台以下のRAID6である場合(S204においてYes)、その旨を書き込み部140に通知する。
【0035】
上記通知に応じて、書き込み部140の書き込み制御部141は、通常書き込み部142に上記書き込み要求に応じた通常書き込み処理を実行するように指示する。通常書き込み部142は、RAID構成に応じた通常の書き込み処理を行う(S203、S205)。通常の書き込み処理は、第1の書き込み処理の一例である。
【0036】
例えば、RAID5環境における通常の書き込み処理では、書き込みデータ(Writeデータ)を書き込む記憶装置、および該当するパリティがある記憶装置以外の記憶装置から関連するデータを読み出し、それらのデータと書き込みデータから新たなパリティを生成する。そして、書き込みデータおよび新たなパリティをそれぞれの記憶装置に書き込む。具体的には、記憶装置5台で構成されるRAID5環境では、パリティ用に1台(HDD0)、データ用に4台(HDD1,2,3,4)が割り当てられる。このとき、HDD2に書き込み要求があった場合、HDD1,3,4からデータを読み出して書き込みデータと共にパリティを生成し、HDD0にパリティを、HDD2に書き込みデータを、それぞれ書き込む。このように、通常の書き込み処理では、(5−2)read+2write=5回のアクセスが行われる。すなわち、記憶装置の台数をnとすると、RAID5の場合、(n−2)read+2write=n回のアクセスが行われる。
【0037】
5台以上のRAID5または7台以上のRAID6である場合(S204においてNo)、RAID判定部121は、その旨を初期化済み判定部122に通知する。初期化済み判定部122は、上記通知に応じて、ディスクアレイ170の全領域が初期化済みであるか、またはBGIが完了済みであるかを、それぞれディスクアレイ170またはBGI実行部150を調べることにより判定する。
【0038】
ディスクアレイ170の全領域が初期化済みである、またはBGIが完了済みである場合(S206においてYes)、初期化済み判定部122は、書き込み部140にその旨を通知する。
【0039】
書き込み部140の書き込み制御部141は、初期化済み判定部122からの通知により、ディスクアレイ170の整合性が整っていることを認識し、RMW部143に対して、上記書き込み要求に基づくRMWによる書き込み処理を実行することを指示する。RMW部143は、上記指示に応じて、上記書き込み要求に基づくRMWによる書き込み処理をディスクアレイ170に対して実行する(S207)。
【0040】
一方、ディスクアレイ170の全領域が初期化済みでなく、かつBGIも完了済みでない場合(S206においてNo)、初期化済み判定部122は、整合部130にその旨を通知する。
【0041】
整合部130のBGI位置検出部131は、上記通知に応じて、BGI実行部150から、BGIが終了している位置(領域)を検出する。例えば、BGI実行部150はBGIが終了しているアドレスを管理しており、BGI位置検出部131は、そのアドレスを取得することにより、BGIが終了している位置を検出することができる。
【0042】
ここで、BGIが全領域で完了していない場合でも、書き込み先のアドレスの整合性が整っていれば、RMWによる書き込み処理を行ったとしても問題はない。そこで、整合判定部132は、BGI位置検出部131による検出結果に基づいて、書き込み要求に基づく書き込み先のアドレスの整合性が整っているかどうかを判断する。このとき、整合判定部132は、後述する領域管理部134に保存される整合処理済み領域も参照して、書き込み要求に基づく書き込み先のアドレスの整合性が整っているかどうかを判断する。すなわち、書き込み要求に基づく書き込み先のアドレスが、整合処理済み領域に含まれている場合、整合判定部132は、書き込み先のアドレスの整合性は整っていると判断する。
【0043】
整合性が整っている場合(S208においてYes)、整合判定部132は、書き込み部140にその旨を通知する。書き込み部140の書き込み制御部141は、上記通知に応じて、RMW部143に対して、上記書き込み要求に基づくRMWによる書き込み処理を実行することを指示する。RMW部143は、上記指示に応じて、上記書き込み要求に基づくRMWによる書き込み処理をディスクアレイ170に対して実行する(S209)。
【0044】
一方、整合性が整っていない場合(S208においてNo)、整合判定部132は、書き込み部140にその旨を通知する。書き込み部140の書き込み制御部141は、上記通知に応じて、RMWによる書き込みはできないので通常書き込み部142に対して上記書き込み要求に基づく通常の書き込み処理を実行することを指示する。通常書き込み部142は、上記指示に応じて、上記書き込み要求に基づく通常の書き込み処理をディスクアレイ170に対して実行する(S210)。通常の書き込み処理では、通常書き込み部142は、書き込み要求に基づく書き込み先アドレスにデータを書き込むと共に、パリティを生成して所定の記憶装置に書き込む。
【0045】
上記通常の書き込み処理が終了すると、整合判定部132は、整合実行部133に、整合性を整える処理の実行を指示する。整合実行部133は、上記指示に応じて、整合性を整える処理を実行する(S211)。このとき、整合実行部133は、書き込み要求に基づく書き込み先のアドレスに関連する(例えばそのアドレスを含む)ディスクアレイ170の1ストライプ分の整合性を整える処理を実行する。具体的には、整合実行部133は、そのストライプに含まれるデータ(ブロック)に基づくパリティを生成し、所定の記憶装置に保存する。整合実行部133は、予め決められた数のストライプ単位でパリティの生成を行ってもよい。
【0046】
整合実行部133は、上記のようにパリティの生成を行い整合性を整える処理を実行すると、その処理を実行した領域(整合処理済み領域)を領域管理部134に保存しておく。このように、通常の書き込み処理を行うと共に、例えばその書き込み先アドレスを含む(例えば周辺の)ストライプ分の整合性を整えておくことで、次回その書き込み先のアドレスに近いアドレスへの書き込み要求があった際に、整合性がすでに整っていることによりRMWによる書き込み処理を実行できる。
【0047】
以上のように、本第2の実施形態によれば、ディスクアレイ制御装置100は、書き込み要求を受けた際にBGIの実行中である場合、書き込み要求に基づく書き込み先のアドレスの整合性が整っているかどうかを判断する。整合性が整っている場合、ディスクアレイ制御装置100は、RMWによる書き込み処理を行い、整っていない場合は、通常書き込み処理を行うと共に整合性を整える処理を実行する。
【0048】
上述のように、記憶装置n台のRAID5の場合、通常の書き込み処理では、(n−2)read+2write=n回のアクセスが行われるが、記憶装置が5台以上の場合、上記構成に基づいてRMWを行うと、記憶装置の台数に関係なく、2read+2write=4回のアクセスとなる。よって、通常の書き込み処理よりも高速となる。このように、本実施形態によれば、ディスクアレイ170の全領域の整合性が整う前にRMWによる処理を行うことができるので、RMWを利用した書き込み処理をさらに高速化することができるという効果が得られる。
【0049】
第3の実施形態
図4は、第3の実施形態に係るディスクアレイ制御装置200の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るディスクアレイ制御装置200は、第2の実施形態において説明したディスクアレイ制御装置100に加えて、実行スケジュール制御部151を備える。実行スケジュール制御部151は、実行制御手段の一例である。
【0050】
本実施形態では、OSのパーティション情報に基づいて、BGIの実行スケジュールを制御する動作について説明する。
【0051】
ディスクアレイ170において、OSを格納するパーティションが1つの場合、実行スケジュール制御部151は、そのOSのファイルシステムに応じて、ディスクアレイ170の所定サイズの領域(例えば1GB:ギガバイト)ごとに、アクセス頻度を取得する。そして、実行スケジュール制御部151は、他の領域よりもアクセス頻度の高い領域を検出すると共に、その領域のBGIを実行するように、BGI実行部150に指示する。BGI実行部150は、上記指示に基づいて、検出された領域のBGIを実行する。
【0052】
ディスクアレイ170において、OSを格納するパーティションが複数ある場合、OS毎に、FAT(File Allocation Table)、NTFS(NT File System)等、様々な種類のファイルシステムが使用されている。実行スケジュール制御部151は、複数のうちいずれかのOSのファイルシステムを指定し、そのファイルシステムの種類に応じて、ディスクアレイ170の所定サイズの領域ごとに、アクセス頻度を取得する。
【0053】
そして、実行スケジュール制御部151は、ディスクアレイ170において、他の領域よりもアクセス頻度の高い領域を検出すると共に、その領域のBGIを実行するように、BGI実行部150に指示する。BGI実行部150は、上記指示に基づいて、検出された領域のBGIを実行する。
【0054】
実行スケジュール制御部151は、OSを格納するパーティションの容量の順に、ラウンドロビン方式でパーティションを切り替えてファイルシステムを指定し、ファイルシステムごとに他の領域よりもアクセス頻度の高い領域に順にBGIを実行するように、BGI実行部150に指示してもよい。
【0055】
以上のように、本第3の実施形態によれば、ディスクアレイ制御装置200は、ディスクアレイ170へのアクセス頻度に基づいて、BGIの実行スケジュールを制御する実行スケジュール制御部151を備える。この構成を採用することにより、本第3の実施形態によれば、ディスクアレイ170へのアクセス頻度の高い領域から優先的にBGIを実行できる、すなわち、アクセス頻度の高い領域に対して優先的にRMWによる書き込み処理を実行できるので、RMWを利用した書き込み処理をさらに高速化することができるという効果が得られる。
【0056】
図1図2および図4に示したディスクアレイ制御装置1、100、200の各部は、図5に例示するハードウエア資源において実現される。すなわち、図5に示す構成は、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、外部接続インタフェース14、記録装置15および各構成要素を接続するバス16を備える。
【0057】
上述した各実施形態では、図5に示すプロセッサ11が実行する一例として、ディスクアレイ制御装置1、100、200に対して、上述した機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、そのコンピュータ・プログラムを、プロセッサ11がRAM12に読み出して実行することによって実現する場合について説明した。しかしながら、図1図2および図4に示した各ブロックに示す機能は、一部または全部を、ハードウエアとして実現してもよい。
【0058】
係る供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能なメモリ(一時記憶媒体)またはハードディスク装置等のコンピュータ読み取り可能な記憶デバイスに格納すればよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムを表すコード或いは係るコンピュータ・プログラムを格納した記憶媒体によって構成されると捉えることができる。
【0059】
以上、上述した実施形態を参照して本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、種々の上記開示要素の多様な組み合わせ乃至選択など、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1、100、200 ディスクアレイ制御装置
2 判定部
3 整合部
11 プロセッサ
12 RAM
13 ROM
14 外部接続インタフェース
15 記録装置
16 バス
110 要求取得部
120 判定部
121 RAID判定部
122 初期化済み判定部
130 整合部
131 BGI位置検出部
132 整合判定部
133 整合実行部
134 領域管理部
140 書き込み部
141 書き込み制御部
142 通常書き込み部
143 RMW部
150 BGI実行部
151 実行スケジュール制御部
170 ディスクアレイ
図1
図2
図3
図4
図5